JP2010133720A - 微粒子製剤の体内動態を予測する方法およびそのシステム - Google Patents

微粒子製剤の体内動態を予測する方法およびそのシステム Download PDF

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Abstract

【課題】インビトロとインビボとで得られる結果の相関性が高い、微粒子製剤の体内動態をインビトロの結果から予測するための方法、その方法を実施するためのシステム、その方法を用いた選別方法およびスクリーニング用キットを提供する。
【解決手段】下記工程(1)および(2)からなることを特徴とする、投与した微粒子製剤の体内動態をインビトロで予測するための方法。工程(1):肝臓、血管、血液、肺および脾臓のいずれかに由来する初代培養細胞または株化細胞の2種以上とともに、蛍光標識した微粒子製剤をインキュベートし、経時的にフローサイトメトリーにて該細胞数とその蛍光強度とを測定し、工程(2):工程(1)で測定した数値に基づき、該細胞種ごとへの該製剤の吸収量比または分布量比を予測する。
【選択図】なし

Description

本発明は、インビトロの測定で得られる結果に基づいて投与した微粒子製剤の体内動態を予測する方法、その方法を実施するためのシステム、その方法を用いた選別方法およびスクリーニング用キットに関する。さらに詳しくは、本発明は、インビボの測定で得られる薬物の体内動態をインビトロの測定で得られる結果を用いて高い精度で予測することができる、微粒子製剤の体内動態をインビトロの結果から予測するための方法、その方法を実施するためのシステム、その方法を用いた選別方法およびスクリーニング用キットに関する。
薬物が注射などの投与後に体内でどのような経路と流れで病変部位に到達し、その後どのように代謝されて体外に排泄されるかは、現在でもほとんど動物実験によって調べられている。しかしながら、薬物の体内動態、特に代謝については、種差・個体差が大きく、またマウスやラットなどの実験動物を飼育するにはコスト、スペースおよび労力が要り、動物愛護等の観点から、動物実験削減の社会的要請もある。
従来から、インビトロ、例えば、培養細胞を用いて得られる微粒子製剤に関する実験結果は、インビボ(個体)で得られる微粒子製剤の体内動態、薬効および毒性の一部分を担うに過ぎず、体内動態のためのインビボスクリーニングの代替ツールとしては使用されていない。これはインビトロとインビボとで得られる結果にまったく相関が見られないケースがあり、相関が見られてもその相関の程度が低いケースが多い。
1種類の培養細胞を微粒子製剤とともにインキュベートし、該培養細胞に結合または取り込まれた微粒子製剤量を、フローサイトメトリーを用いて定量化する方法が報告されている。上記培養細胞が、ヒト大腸ガン由来Caco−2細胞の場合は非特許文献1に、チャイニーズハムスター卵巣由来CHO−K1細胞の場合は非特許文献2に記載され、ともに各種微粒子製剤の間の優劣を判断している。これらの例は、大腸または卵巣など1種類の臓器に対する優劣の判断に使用できるスクリーニング実験系であって、多種類の臓器を網羅する体内動態の全体的な予測はできない。
Biochemical Pharmacology, 60巻, 1381-1390頁, 2000年 Journal of Biotechnology, 129巻, 604-613頁, 2007年
本発明は、インビトロとインビボとで得られる結果の相関性が高い、微粒子製剤の体内動態をインビトロの結果から予測するための方法、その方法を実施するためのシステム、その方法を用いた選別方法およびスクリーニング用キットを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、リポソームおよびマクロファージ系の複数種の細胞群の組み合わせを鋭意検討した結果、体内動態の全体的な予測を可能にすることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、投与した微粒子製剤の体内動態を、インビトロの測定で得られる結果に基づき予測する方法であって、下記工程(1)および(2)からなることを特徴とするものである。
工程(1):肝臓、血管、血液、肺および脾臓のいずれかに由来する初代培養細胞または株化細胞の2種以上とともに、蛍光標識した微粒子製剤をインキュベートし、経時的にフローサイトメトリーにて該細胞数とその蛍光強度とを測定する。
工程(2):工程(1)で測定した数値に基づき、該細胞種ごとへの該製剤の吸収量比または分布量比を予測する。
上記体内動態は、体内の分布および/または臓器組織への親和性、蓄積性のプロファイルであることが好ましい。
上記初代培養細胞または上記株化細胞は、異物認識を有する細胞であることが好ましい。
上記微粒子製剤は、リポソーム、ニオソーム、エマルション、マイクロスフェアまたはナノスフェアと薬物との複合体であることが好ましく、該複合体としては、造影剤または蛍光物質を内包したリポソームであることが好ましい。
上記微粒子製剤は、その平均粒径として10nm〜10μmを有することが好ましい。
上記微粒子製剤の表面は、均一に、または不均一に、リガンド(低分子性、高分子性、有機性、無機性、金属性などの化合物)で修飾、好ましくは付加されており、単糖、糖鎖などの糖類、アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質からなる群より選ばれる少なくとも1つのリガンドを付加することが好ましい。なお、単糖ではマンノースが、アミノ酸ではセリンが好ましい。
上記初代培養細胞または上記株化細胞の2種以上からなる組み合わせは、初代培養肝臓マクロファージ、株化肝ガン細胞および株化血中単球細胞を含む細胞セットであることが好ましい。
また、本発明のシステムは、上記方法を実施するためのシステムであって、少なくとも上記細胞セットおよび上記微粒子製剤を含むことを特徴とするものである。
さらに、本発明の微粒子製剤の選別方法は、上記方法を用いて、複数種からなる微粒子製剤の中から、結合効率により微粒子製剤を動態スクリーニングすることを特徴とするものである。
上記選別方法を実施するためのスクリーニング用キットは、少なくとも上記細胞セットおよび上記微粒子製剤を含むことを特徴とするものである。
本発明は、インビトロとインビボとで得られる結果の相関性が高く、投与した微粒子製剤の体内動態の全体的な予測を可能にする、インビトロの結果から予測するための方法、その方法を実施するためのシステム、その方法を用いた選別方法およびスクリーニング用キットを提供することができる。
<投与した微粒子製剤の体内動態をインビトロで予測するための方法>
本発明の、投与した微粒子製剤の体内動態をインビトロで予測するための方法は、下記工程(1)および(2)からなることを特徴とするものである。
工程(1):肝臓、血管、血液、肺および脾臓のいずれかに由来する初代培養細胞または株化細胞の2種以上とともに、蛍光標識した微粒子製剤をインキュベートし、経時的にフローサイトメトリーにて該細胞数とその蛍光強度とを測定し、
工程(2):工程(1)で測定した数値に基づき、該細胞種ごとへの該製剤の吸収量
比または分布量比を予測する。
上記工程について具体的に説明する。
[工程(1)]
工程(1)は、肝臓、血管、血液、肺および脾臓のいずれかに由来する初代培養細胞または株化細胞の2種以上とともに、蛍光標識した微粒子製剤をインキュベートし、経時的にフローサイトメトリーにて該細胞数とその蛍光量とを測定する工程である。
「肝臓、血管、血液、肺および脾臓のいずれかに由来する初代培養細胞または株化細胞」のうち、異物認識能を有する細胞(異物認識に特化した細胞)であることが好ましい。そのような細胞は、マクロファージと称され、臓器によってはクッパー(Kupffer)細胞〔肝臓〕、単球〔血液〕、肺胞マクロファージ(塵埃細胞)〔肺〕、脾臓マクロファージ〔脾臓〕などとも呼ばれている。なお、血管内壁および類洞内壁には、これらマクロファージが付着していることがある。骨髄幹細胞および単芽球に由来する血流中の単核球が血管外に遊走し、これらの組織に付着して肥大化・特徴化したマクロファージとなり、病原体や炎症産物の貪食、抗原提示による免疫系の賦活、多形核白血球の動員などの作用を通じて生体を防御している。エンドサイトーシス機能が発達した組織(肝臓、骨髄、リンパ節、類洞、肺胞上皮、皮下組織、脾臓など)にまたがる単核球系によって形成される系を、特に細網内皮系(RES;reticuloendothelial system)と称する。
「初代培養細胞」は、マウスなどの生体から組織を無菌的に取り出し、機械的またはトリプシン処理などにより分散した細胞を適当な培地の入った培養器に植え込み、生育させて得られる。例えば、マウスから肝臓の細胞を無菌的に取り出す方法として、コラゲナーゼ灌流法が好適である。コラゲナーゼ灌流法とは、マウス肝臓をコラゲナーゼ溶液(例えば、Wako社などより購入可能)を血流とは逆方向に下大静脈から灌流することによって、脱血しつつ細胞外マトリクスの主成分であるコラーゲンを加水分解する方法である。コラゲナーゼ溶液を灌流後、肝臓の細胞をハンクス液に分散させて細胞懸濁液が得られる。この細胞懸濁液を遠心分離し、沈殿として肝実質細胞を、上澄みとして非肝実質細胞を分画する。さらに、この上澄みをパーコールによる比重密度遠心法にてクッパー細胞を分離することができる。ただし、初代培養細胞は、継代を繰り返していくと次第に分裂能を失い、増殖を停止することがある。
一方、「株化細胞」は、ヒト細胞に由来するものもあり、また無限に増殖することから、実験結果の信頼性が高く、また調製も容易である。
また、このような初代培養細胞または株化細胞は、2種以上の組み合わせで用いられ、具体的には、株化肝ガン細胞(HepG2)と初代培養肝臓マクロファージ(クッパー細胞)と株化血中単球細胞(J774)との細胞セット;初代培養肝実質細胞と初代培養肝臓マクロファージ(クッパー細胞)と株化血管内皮細胞(EA.hy926)との細胞セット;初代培養肝実質細胞と株化肝臓マクロファージ(クッパー細胞)(KC13―2)との細胞セット;株化肺胞マクロファージ(NR8383)と初代培養肝実質細胞との細胞セット;初代培養肝実質細胞と肝ガン細胞株(HepG2)と株化肝臓マクロファージ(クッパー細胞)(KC13−2)との細胞セットなどが挙げられる。これらのうち、株化肝ガン細胞(HepG2)と初代培養肝臓マクロファージ(クッパー細胞)と株化血中単球細胞株(J774)の細胞セット;初代培養肝細胞と初代培養肝臓マクロファージと株化血管内皮細胞(EA.hy926)との細胞セット;初代培養肝細胞と株化肝臓マクロファージ(KC13−2)と株化血管内皮細胞(EA.hy926)との細胞セットが好ましい。なお、株化血管内皮細胞としては、具体的に、HUV−EC、EA.hy926等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。このような細胞セットを用いると、各臓器に存在する各種マクロファージにどの程度取り込まれるかの定量および比較において
好適である。
「蛍光標識した微粒子製剤」とは、リポソーム、ニオソーム、エマルジョン、マイクロスフェアおよびナノスフェア(まとめて以下「ベシクル」ともいう。)と薬物との複合体であって、ベシクルおよび/または薬物が蛍光標識されている。
「リポソーム」は、リン脂質小胞ともいい、リン脂質を水溶液に懸濁する際、生じる小胞であって、脂質二重層からなる膜(以下「脂質膜」ともいう。)によって外部と隔てられているものである。「ニオソーム」は、リポソームの膜を構成する成分が非イオン界面活性剤からなる点においてのみリポソームと異なるものである。「エマルジョン」とは、例えば、水中に乳化剤によりその界面にミセルを構成した油滴が安定して分散している場合に、ミセルを構成した油滴をいう。また、「マイクロスフェア」および「ナノスフェア」とは、それぞれその粒子径が数μmのものおよび1μm以下のものをいい、リポソームの膜を構成する成分が生分解性ポリマーからなる点においてのみリポソームと異なるものである。
「ベシクル」は、上述のとおり、リポソーム、ニオソーム、エマルジョン、マイクロスフェアおよびナノスフェアを総称していう用語であって、マイクロキャリヤーとして機能することができる。ベシクルの粒子径とその分布とは、血中滞留性、ターゲティング性および送達効率と密接に関わっている。
なお、本発明に用いられる「微粒子製剤」は、一般的な薬剤の体内動態と異なり、コンパートメントモデルを適用することができない。このため、体内動態の予測および解析は、一般的な薬剤と比較し、非常に困難であるとされている。
リポソームを作製する方法としては、これまでに種々の方法が提案されているが(特開平9−87168号公報)、Bangham法、界面活性剤透析法、逆相蒸発法、凍結融解法などに大別される。作製方法が異なると、最終的に出来上がったリポソームの形態および特性もまた著しく異なることが多い(特開平6-80560号公報)。そのため所望
するリポソームの形態、特性に応じてその製造方法を適宜選択することが必要となる。一般に、リポソームは、リン脂質、ステロール、レシチンといった脂質成分を、ほぼ例外なく有機溶媒(例えば、エタノール、クロロホルム、ジクロロメタン、エチルエーテル、四塩化炭素、酢酸エチル、ジオキサン、THFなど)とともに容器中で溶解、混合することにより調製される。揮発性物質を減圧下で蒸発した後、脂質混合物を、所定量の封入物質を含有する緩衝液中に分散させる。全体を数時間撹拌した結果、生成したリポソーム小胞内にその分散液の一部(薬物を含む)を内包する。次に、分散液を、超音波処理、界面活性化剤処理またはその他の処理することによって、リポソームのサイズおよび分散液の粘度を低減させる。このように調製されたリポソームは、有機溶媒を含んでいるが、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いるリポソーム調製法では、有機溶媒を実質的に使用しないで調製することができる。
また、ニオソーム、エマルション、マイクロスフェアまたはナノスフェアと薬物との複合体も、上記方法を準用することができる。
このようにして得られる「薬物を内包するベシクル」は、好ましくはベシクルの膜内部の水相とそのベシクルが分散されている水性媒体との両方に、少なくとも薬物(必要に応じて製剤助剤)を含有し、該膜内外でそれぞれの濃度が実質的に同一であることが望ましい。なお、ここで「実質的に」とは、濃度がほぼ等しいことをいう。
このようなベシクルが体内において必要な時間、安定に維持されるように、体内の浸透圧に対し等張の溶液または懸濁液の形で調製することが望ましい。そのような溶液または
懸濁液の媒質として、水;緩衝液、例えば、トリス−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液などを用いることができる。
「溶液または懸濁液」の好ましいpH範囲は、室温で6.5〜8.5、より好ましくは6.8〜7.8である。
「製剤助剤」とは、製剤化に際し、薬物とともに添加されるものであり、例えば、生理学的に許容される各種の緩衝剤、EDTANa2−Ca、EDTANa2などのキレート化剤、さらに必要に応じて、浸透圧調節剤、安定化剤、抗酸化剤(α−トコフェロール、アスコルビン酸等)、粘度調節剤などが挙げられる。
「水性媒体」とは、薬物、製剤助剤などを溶解する水をベースとする溶媒である。
ベシクルの膜内部の水相(内包された水溶液)以外の水溶液(すなわち、該ベシクルが分散されている水性媒体)にも少なくとも薬物の他に、製剤助剤が含まれている。したがって、該膜内外で著しい浸透圧差が生じることはなく、これによりリポソームの構造安定性が維持される。
「薬物」としては、親水性を有するイオン;低分子化合物;核酸;アミノ酸;ペプチド;抗体等のタンパク質;疎水性を有するコレステロール;糖脂質などの脂質;膜タンパク質などであってもよい。このような薬物は、蛍光物質、放射性同位体(RI)、抗体などで標識されていてもよく、または蛍光物質自体であってもよい。薬物の具体例として、造影剤、抗ガン剤、抗炎症剤、抗菌剤、筋弛緩剤、抗鬱剤、鎮痛剤、各種阻害剤、各種拮抗剤、各種抑制剤などが挙げられる。
上述のとおり、本発明においては各臓器に存在する各種マクロファージにどの程度取り込まれるかの定量および比較において好適である。健常のヒトおよび動物の薬物動態の予測に限らず、患者の病変として、マクロファージが多発現し炎症が進行している場合も、本発明の1つのモデルであり、この薬物動態(分布、集積性など)の予測が目的となりうる。そのモデルにおいて病変の改善に用いられる薬剤としては、抗炎症剤、抗菌剤などがあり、この意味において、微粒子に内包するのに好ましい態様の薬剤は、リソマイシン、レボフロキサシン、ストレプトマイシン、リファンピシン、アムホテリシンB、ナイスタチン、ミデカマイシンなどが挙げられる。
本発明の方法は、上記薬物として造影剤を用いた場合に、好ましい態様として示される。
「造影剤」としては、水溶性イオン性ヨウド系化合物および水溶性非イオン性ヨウド系化合物があり、一般的に水溶性非イオン性ヨウド系化合物の方が、水溶性イオン性ヨウド系化合物よりも浸透圧が低くより望ましい。水溶性非イオン性ヨウド系化合物として、特にヨウ化フェニルを含み、例えば、2,4,6−トリヨードフェニル基を少なくとも1個有する水溶性非イオン性ヨウド系化合物が好適である。
「水溶性非イオン性ヨウド系化合物」として、具体的には、イオヘキソール、イオペントール、イオジキサノール、イオプロミド、イオトロラン、イオメプロール、N,N’−ビス〔2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−エチル〕−5−〔(2−ヒドロキシ−1−オキソプピル)−アミノ〕−2,4,6−トリヨード−1,3−ベンゼン−ジカルボキシアミド(イオパミドール);メトリザミドなどが挙げられる。
その他のヨウド系化合物として、ジアトリゾイン酸;ジアトリゾエートナトリウム;メグルミンジアトリゾエート;アセトリゾイン酸およびその可溶性塩;ジプロトリゾ酸;ヨーダミド、ヨージパミドナトリウム、メグルミンヨージパミド、ヨード馬尿酸およびその可溶性塩;ヨードメタム酸;ヨードピラセットヨード−2−ピリドン−N−酢酸、3,5
−ジヨード−4−ピリドン−N−酢酸(ヨードピラセット);前記酸のジエチルアンモニウム塩;イオタラム酸;メトリゾイン酸およびその塩;イオパノ酸、イオセファム酸、イオフェノ酸およびそれらの可溶性塩;チロパノエートナトリウム、イオポダートナトリウムおよび他の同様なヨウ素化された化合物などを挙げることができる。これらのうち、イオヘキソール、イオメプロール、イオパミドール、イオトロラン、イオジキサノールが好ましく、イオヘキソール、イオトラン、イオジキサノールがより好ましい。
これらの化合物は、1種単独で用いてもよく、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明に用いられる造影剤は、これら例示化合物に限定されるものではない。なお、本明細書において、化合物は、遊離形態の他にその塩、水和物なども含めて言及することがある。
「蛍光物質」の具体例として、カルボキシフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、ローダミン(Rodamine)、フィコエリスリン(PE)、アロフィコシアニン(APC)、Texas Red(R)、シアニン系蛍光色素、緑色蛍光タンパク質(GFP)などが挙げられる。なかでも、カルボキシフルオレセインが汎用的な物質として好ましく、またAlexaFluoroなどインビトロジェン社の色素シリーズであってもよい。
薬物が親水性を有するものならば、リポソームの内包された水溶液層にトラップすることができ、疎水性を有するものならば、リポソームの脂質二重層の膜中に組込むことができることから、リポソームと薬物とが複合体を形成することができる。
ベシクルにターゲティング機能を付与するために、リガンドにより脂質二重膜表面を修飾することもできる。
「リガンド」は、単糖、糖鎖、アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。「単糖」としては、マンノース、フコース、ガラクトースなどが挙げられ、「糖鎖」は、これら単糖を含む多糖からなる。「アミノ酸」としては、セリン、アルギニンなどが挙げられ、「ペプチド」および「タンパク質」としては、ポリアルギニン、Tatペプチド、トランスフェリン等の抗体分子などが挙げられる。また、リガンドとして、ポリアルキレンオキシド高分子鎖、ポリエチレングリコール(PEG)などを含むことができる。
これらのうち、肝臓の機能を実質的に担っている肝実質細胞より類洞に存在することが多いマクロファージ系細胞であるクッパー細胞により取り込まれやすくなることなどから、単糖としてはマンノース、アミノ酸としてはセリンが好ましい。一方、ポリアルキレンオキシド高分子鎖またはポリエチレングリコール(PEG)を脂質膜に導入すると、その血中滞留性が向上し、肝臓などの細網内皮系細胞に貪食されにくくなる観点から好ましい。
このような複合体である、薬物がベシクルの内包または膜中にトラップされたベシクルの平均粒径は、10nm〜10μm、好ましくは50nm〜5μm、特に好ましくは100〜150nmである。該ベシクルの平均粒径が上記範囲内であると、培養細胞への取り込み(エンドサイトーシスなど)が亢進されるので好適である。ここで「平均粒径」とは、体積平均径(MV)を指す。なお、平均粒径は、市販の装置、例えば、ナノトラック粒度分布測定装置(日機装社製)等を使用し測定することが好ましく、ベシクルを含む分散液を凍結し、その後破砕した界面をカーボン蒸着し、このカーボンを電子顕微鏡で観察すること(凍結破砕TEM法)により測定することもできる。
リポソームの脂質二重層を構成する脂質として、リン脂質および/または糖脂質が好ま
しく用いられる。近年リポソームの定義は脂質二重層構造に限らず、多くの表面修飾された粒子も広義のリポソームとして研究が進められている。例えば、リポソームの構成要素として、生体適合性のポリ乳酸やプルランなどの多糖、または合成高分子であるPVLAポリマー(Poly(N−p−vinylbenzyl−D−lactonamide)/J. Controlled Release.,28巻, 223頁, 1994年)などを使用することも、本発明の範疇に属する。
「リン脂質」のうち好ましい中性リン脂質として、大豆、卵黄などから得られるレシチン、リゾレシチンおよび/またはこれらの水素添加物、水酸化物の誘導体を挙げることができる。
その他の「リン脂質」として、卵黄、大豆またはその他の動植物に由来するリン脂質;半合成のホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリン;合成により得られるホスファチジン酸、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストリルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(DPPI)、ジステアロイルホスファチジルイノシトール(DSPI)、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)などが挙げられる。これらのうち、中性の基本脂質であるホスファチジルコリンおよびその誘導体が好ましい。
これらのリン脂質は通常、1種単独で用いられるが、2種以上併用してもよい。ただし2種以上の荷電リン脂質を用いる場合には、負電荷のリン脂質同士または正電荷のリン脂質同士を用いることが、リポソームの凝集防止の観点から望ましい。中性リン脂質と荷電リン脂質とを併用する場合、重量比として通常、200:1〜3:1、好ましくは100:1〜4:1、より好ましくは40:1〜5:1である。
「糖脂質」としては、ジガラクトシルジグリセリド、ガラクトシルジグリセリド硫酸エステルなどのグリセロ脂質;ガラクトシルセラミド、ガラクトシルセラミド硫酸エステル、ラクトシルセラミド、ガングリオシドG7、ガングリオシドG6、ガングリオシドG4などのスフィンゴ糖脂質などを挙げることができる。
リポソームの膜構成成分として、上記脂質の他に必要に応じ他の物質を加えることもできる。また、糖脂質の代替として糖鎖と結合したコレステロール誘導体を含め、人工的に合成された物質を必要に応じて加えることもできる。例えば、膜安定化剤として作用するステロール類(コレステロール、ジヒドロコレステロール、コレステロールエステル、フィトステロール、シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、コレスタノール、ラノステロール、2,4−ジヒドロラノステロール等)などが挙げられる。また1−O−ステロールグルコシド、1−O−ステロールマルトシドまたは1−O−ステロールガラクトシドといったステロール誘導体もリポソームの安定化に効果があることが示されている(特開平5−245357号公報)。これらのうち、コレステロールが好ましい。
ステロール類の使用量として、リン脂質1重量部に対して0.05〜1.5重量部、好ましくは0.2〜1重量部、より好ましくは0.3〜0.8重量部である。0.05重量部より少ないと混合脂質の分散性を向上させるステロール類による安定化が発揮されず、2重量部より多すぎるとリポソームの形成が阻害されるか、形成されても不安定となる。
ニオソームの二分子膜を構成する「非イオン性界面活性剤」として、具体的に、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POE(ポリオキシエチレン)ソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシドなどが挙げられる。
エマルションを形成する際の「乳化剤」として、脂質および境界脂質、スフィンゴ脂質、蛍光脂質、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、合成高分子、タンパク質等の天然高分子などを適宜選択して用いることができる。
マイクロスフェアおよびナノスフェアを構成する「基材」として、ポリエステル、ポリリン酸エステル、ポリホスファゼン、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリカーボネート、ポリアミド、タンパク質などが用いられる。ポリエステルとして、具体的に、乳酸、グリコール酸、マンデル酸、カプロラクトン、α−ヒドロキシ酸、ラクチドおよびグリコリド等のホモポリマーならびにコポリマーが挙げられる。
ベシクルが内包する薬物の量は、体内に投与される微粒子製剤を論点に置いた場合に内包率(%)で表される。内包率は、下記式から算出することができる。
内包率(%)=ベシクル内包薬物重量/全薬物重量×100
ベシクルと薬物との複合体を細胞とともにインキュベートする際の、該複合体の濃度は、0.05μg/mL〜10mg/mL、好ましくは0.5μg/mL〜1mg/mLである。複合体の濃度が上記範囲内であると、蛍光強度測定後の分析の精度が高いため、好適である。
肝臓、血管、血液、肺および脾臓のいずれかに由来する初代培養細胞または株化細胞の2種以上と、蛍光標識した微粒子製剤とのインキュベートは、二酸化炭素濃度を5%に保持するようにパージされているCO2インキュベーターにより37℃で、1分間〜72時
間行う。初代培養細胞および株化細胞の播種時の細胞密度は、例えば、24ウェルプレートを用いる場合、1ウェル当り2×104〜10×105cellsであるが、細胞種によって異なり特に限定されない。本発明の体内動態を予測する方法においては、セミコンフルエントに達した細胞を用いることが好ましい。
微粒子製剤の臓器への取り込み量の経時変化を定量的に測定することが可能な方法とするためには、臓器の細胞数比をおおまかにスケールダウンすることが好ましい。例えば、人体における肝実質細胞数(cells)、クッパー細胞数(cells)および血中単球数(cells)は、それぞれ、約1.3×1011(cells)、約1.2×1010(cells)および約1.8×109(cells)である。よって、肝実質細胞:ク
ッパー細胞:血中単球の細胞数比は、約72:7:1となる。
「フローサイトメトリー」とは、流動細胞計測法ともいい、レーザー光を用いて光散乱
や蛍光測定を行うことにより、フローセル中を通過する単一細胞の大きさ、DNA量、細胞表面抗原の分布状態、細胞内酵素活性、pHの相違などの性状を計測する方法である。測定データはコンピューターによって統計的に処理される。
すなわち、フローサイトメーターによって、ある一定の蛍光量を有する細胞数を、一定の蛍光量ごとに計測することができ、さらにコンピューター処理によって、横軸を蛍光量、縦軸を細胞数としてプロットしたグラフを作成することができる。
[工程(2)]
工程(2)は、工程(1)で得られたインビトロでの定量値から、インビボにおける微粒子製剤の体内動態を予測する工程であって、工程(1)で測定した数値に基づき、該細胞種ごとへの該製剤の吸収量比または分布量比を予測する工程である。
すなわち、工程(2)は、ある種の細胞群とともに、蛍光標識した微粒子製剤を所定時間インキュベートした後、細胞のみを回収し、フローサイトメトリーによって、蛍光強度を測定する工程(1)に続いて、例えば、微粒子製剤をヒトの静脈から注射した際、血中からどの程度肝臓へ取り込まれたか(体内動態)を予測する場合、好ましくはヒト肝臓マイクロファージ(クッパー細胞)数と血中単球細胞数との比をもって補正することによって、該細胞種ごとへの該製剤の吸収量比または分布量比を予測することができる工程である。
蛍光標識された微粒子製剤量が細胞への結合量および/または取り込み量が多ければ蛍光強度が上昇し、これは仮想生物の特定部位で速やかに異物として認識され、血中から排斥されることを意味する。なお、仮想生物とは、動物または人の代替として、動物または人体の各部位をピックアップして組み上げたものをいう。例えば、蛍光標識された微粒子製剤量が、肝臓に由来する培養細胞Aに多く取り込まれ、肺に由来する細胞Bにはあまり取り込まれないという結果が得られたとすると、人体においても肝臓での異物認識は早く、肺でも異物認識は遅いことが予測される。
一般的に、物質Aにおける体内動態とは、物質Aが個体内に入って「吸収(Absorption)」され、各臓器に「分布(Distribution)」し、細胞内で「代謝(Metabolism)」され、糞尿中に「排泄(Excretion)」されるまでの挙動をいう。
本発明において、「体内動態」とは、体内の分布および/または臓器組織への親和性、蓄積性のプロファイルであってもよい。すなわち、個体に投与した微粒子製剤の各臓器に対する取り込まれる速さおよび量のプロファイルであってもよい。
<システム>
本発明のシステムは、上記工程(1)および(2)からなることを特徴とする、投与した微粒子製剤の体内動態をインビトロで予測するための方法を実施するためのシステムであって、少なくとも上記細胞セットおよび上記微粒子製剤を含むことを特徴とするものである。システムとして、これらもの以外に、さらに上記CO2インキュベーター、蛍光顕
微鏡およびフローサイトメーターを含むことが好ましい。必要に応じて、細胞培養用の培地、蛍光光度計、フローサイトメーター用細胞懸濁液、フローサイトメーターのメンテナンス用溶液、フローサイトメトリーにより得られるデータを処理するためのコンピューターを含んでもよい。さらに、本発明のシステムを実施するために必要とされる各種器材または資材、試薬も含んでもよい。該試薬は、試料溶解液、希釈液、緩衝液、洗浄液、反応停止剤、(生成物)抽出液なども含むことができる。
<微粒子製剤の選別方法>
本発明の微粒子製剤の選別方法は、上記工程(1)および(2)からなる、投与した微粒子製剤の体内動態をインビトロで予測するための方法を用いて、複数種からなる微粒子製剤の中から、結合効率によりスクリーニングすることを特徴とするものである。なお、該スクリーニングとは、目的とする性質および/または構造を有するベシクル、もしくはそれに含まれる担体または分子などを選択、選別または探索することをいう。
上記「複数種からなる微粒子製剤」については、下記(i)〜(iii)の3つの態様が好ましい。
(i)脂質膜の組成を改変する、または異なる種類の修飾基を1種類以上それぞれ導入した2種以上のリポソーム。
(ii)異なる種類の修飾基をそれぞれ導入した、2種以上のニオソーム、2種以上のエマルション、2種以上のマイクロスフェアまたは2種以上のナノスフェア。
(iii)ターゲティング機能を付与した2種以上の組み合わせからなるベシクル。
「修飾基」としては、上述のとおり、例えば、マンノース、フコース、ガラクトース等の単糖およびこれらの多糖;セリン、アルギニン等のアミノ酸;ポリアルキレンオキシド高分子鎖、ポリエチレングリコール(PEG)などが挙げられる。
ターゲティング機能をベシクルに付与するには、上記修飾基の導入の他に、特異的な親和性を示す物質の付加で実現される。例えば、抗体、レクチンなどのタンパク質、多糖類、細胞接着物質などが挙げられる。
「結合効率」とは、初代培養細胞または株化細胞と上記(i)〜(iii)に記載のリポソームなどのベシクルとの親和性(細胞内へのベシクルの取り込み量比または細胞表面へのベシクルの結合量比)を意味する。
本発明の選別方法を、例えば(i)の態様をもって具体的に説明する。
まず、その脂質膜表面にマンノースまたはセリンを修飾基として付加した蛍光標識リポソーム、いずれの修飾基を付加しない蛍光標識リポソームをそれぞれ調製する。次に、同じ細胞数に調整した初代培養クッパー細胞と該リポソーム3種類とをともにインキュベートする。経時的に該細胞を回収し、フローサイトメトリーにてその蛍光量を測定し、その数値を基に該細胞に結合または取り込まれたリポソームを定量する。このような方法により、異なる修飾基をそれぞれ付加した2種以上のリポソームから、該細胞との親和性に基づいて最適の修飾基を選別することができる。また、他の態様でも同様である。
<スクリーニング用キット>
本発明のスクリーニング用キットは、上記の選別方法を実施するためのキットであって、少なくとも上記細胞セットおよび上記微粒子製剤を含むことを特徴とするものである。スクリーニング用キットとして、これらのもの以外に、さらに上記CO2インキュベータ
ー、蛍光顕微鏡およびフローサイトメーターを含むことが好ましい。必要に応じて、細胞培養用の培地、蛍光光度計、フローサイトメーター用細胞懸濁液、フローサイトメーターのメンテナンス用溶液、フローサイトメトリーにより得られるデータを処理するためのコンピューターを含んでもよい。さらに、本発明のシステムを実施するために必要とされる各種器材または資材、試薬も含んでもよい。該試薬は、試料溶解液、希釈液、緩衝液、洗浄液、反応停止剤、(生成物)抽出液なども含むことができる。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
<細胞の調製>
[調製例1]株化肝ガン細胞(HepG2)
ヒト肝細胞ガン由来の株化細胞であるHepG2細胞(ヒューマンサイエンス研究資源バンクより入手)7.5×105個を、10vol%FCS(ウシ胎児血清)含有DME
M培地(ダルベッコ変法イーグル培地;GIBCO社製)10mLに懸濁した。これをプラスチック製フラスコ(75cm2)に播種して、37℃、5%二酸化炭素条件下で培養
した。セミコンフルエントに達した細胞をトリプシン−EDTA法によりフラスコから剥離し、200×g、5分間遠心分離した。得られた細胞のペレットを10vol%FCS含有DMEM培地に2×105個/mLとなるよう調整し、この細胞懸濁液を24ウェル
プレートに2×105個/ウェルとなるよう播種し、6時間培養したものを用いた。
[調製例2]初代培養クッパー細胞
マウス肝臓をコラゲナーゼ溶液(Wako社より購入)で灌流後、パーコールによる比重密度遠心法にてクッパー細胞を分離した。得られた細胞を10vol%FCS含有DMEMに懸濁後、24ウェルプレートに2×105個/ウェルとなるよう播種し、6時間培
養したものを用いた。
[調製例3]株化血中単球細胞(J774)
マウスマクロファージ由来の株化細胞であるJ774細胞(ヒューマンサイエンス研究資源バンクより入手)7.5×105個を、10vol%FCS含有RPMI1640培
地(GIBCO社製)10mLに懸濁した。これをプラスチック製フラスコ(75cm2
)に播種して、37℃、5%二酸化炭素条件下で培養した。セミコンフルエントに達した細胞を再懸濁し、300×g、5分間遠心分離した。得られた細胞のペレットを10vol%FCS含有RPMI1640培地に2×105個/mLとなるよう調整し、この細胞
懸濁液を24ウェルプレートに2×105個/ウェルとなるよう播種し、6時間培養した
ものを用いた。
<リポソームの調製>
[調製例4]リポソームA(蛍光色素内包マンノース修飾リポソーム)
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC;日油株式会社製)409mg、コレステロール(日油株式会社製)126mg、下記式(1)で表されるマンノース修飾コレステロール(特願2006−353771号に記載の合成方法により製造)64mgを溶解した12.1mLのエタノール溶液を、マツボー社製超臨界流体式リポソーム製造装置(反応容器の容量:300mL)に仕込んだ。次いで、容器内を60℃に保ちながら二酸化炭素を圧縮装置で導入し、容器内の圧力を13MPaまで上げた。その後、撹拌機で、600rpmで攪拌しながら、100mM 5(6)−カルボキシフルオレセイン水溶液35.5mLを0.87mL/minで添加した。添加終了後、この圧力、温度と攪拌条件で1時間接触操作を行った後、系内から二酸化炭素を排出して、リポソーム分散液を得た。
Figure 2010133720
次に、この分散液を、高圧蒸気滅菌器STH307FA(アドバンテック社製)で121℃×30分の条件で処理することにより、エタノールを除去した。
続いて、エクストルーダ(日油株式会社製)と、孔径が0.8μm、0.4μmおよび0.2μmの3種類のポリカーボネートフィルター(アドバンテック社製)とを用意した。リポソーム分散液をエクストルーダに入れ、80℃において窒素ガス0.3MPaの圧力で各フィルターについて孔径が大きい順に2回ずつ加圧ろ過を行い、整粒したリポソームAを得た。
リポソームAをリン酸緩衝液(PBS)で25倍に希釈し、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装社製)で粒径測定したところ、体積平均粒径は160nmであった。
[調製例5]リポソームB(蛍光色素内包セリン修飾リポソーム)
調製例4において、上記式(1)で表されるマンノース修飾コレステロール64mgの代わりにジパルミトイルホスファチジルセリン41mgを用いた以外は調製例4と同様にしてリポソームBを得た。調製後の平均粒径は170nmであった。
[調製例6]リポソームC(蛍光色素内包未修飾リポソーム)
調製例4において、用いるコレステロール量を164mgに変更し、上記式(1)で表されるマンノース修飾コレステロールを添加しなかった以外は調製例4と同様にしてリポソームCを得た。調製後の平均粒径は180nmであった。
[調製例7]リポソームD(造影剤・蛍光色素内包マンノース修飾リポソーム)
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)409mg、コレステロール126mg、上記式(1)で表されるマンノース修飾コレステロール64mgを溶解した12.1mLのエタノール溶液を、マツボー社製超臨界流体式リポソーム製造装置(反応容器の容量:300mL)に仕込んだ。次いで、容器内を60℃に保ちながら二酸化炭素を圧縮装置で導入し、容器内の圧力を13MPaまで上げた。その後、撹拌機で、600rpmで攪拌しながら、5(6)−カルボキシフルオレセインの最終濃度が100mM、イオヘ
キソール(X線造影剤:商品名「イオパーク」/富士製薬工業(株)製)の最終濃度が240mgI/mLとなるように調製した混合水溶液35.5mLを0.87mL/minで添加した。添加終了後、この圧力、温度および攪拌条件で1時間接触操作を行った後、系内から二酸化炭素を排出して、リポソーム分散液を得た。続くエタノールの除去およびリポソームの整粒は、調製例4と同様にして行い、リポソームDを得た。調製後の平均粒径は160nmであった。
上記リポソーム分散液のリポソーム中にイオヘキソールが内包されている割合を、以下のように算出した。まず、リポソーム分散液50μLに1.8%生理食塩水950μLを加えて遠心分離(6,000rpm×20分間)し、上清と残渣(リポソーム)とを完全
に分離した後、それぞれアルコールを加えて溶解し20mLとした。波長245nmにおける残渣の吸光度を測定し、あらかじめ作成したイオヘキソールの検量線に基づき残渣に含まれるイオヘキソールの重量を計算した。この値と全イオヘキソール重量とから、リポソームに内包されている割合を算出した。リポソームDの場合は、20%であった。
[調製例8]リポソームE(造影剤・蛍光色素内包セリン修飾リポソーム)
調製例7において、上記式(1)で表されるマンノース修飾コレステロール64mgの代わりに、ジパルミトイルホスファチジルセリン41mgを用いた以外は調製例7と同様にしてリポソームEを得た。リポソームEの平均粒径は170nm、イオヘキソールの内包率は21%であった。
[調製例9]リポソームF(造影剤・蛍光色素内包未修飾リポソーム)
調製例7において、上記式(1)で表されるマンノース修飾コレステロールを添加しなかった以外は調製例7と同様にしてリポソームFを得た。リポソームFの平均粒径は180nm、イオヘキソールの内包率は19%であった。
[調製例10]リポソームG(造影剤内包マンノース修飾リポソーム)
調製例4において、5(6)−カルボキシフルオレセイン水溶液の代わりに240mgI/mL イオヘキソール35.5mLを0.87mL/min用いた以外は調製例4と同様にしてリポソーム分散液を得た。次いで、この分散液に対して、ウルトラフィルター(アドバンテック社製、分画分子量20,000)を用いて限外濾過で濃縮しリポソームGを得た。リポソームGの平均粒径は160nm、イオヘキソールの内包率は20%であった。
[調製例11]リポソームH(造影剤内包セリン修飾リポソーム)
調製例5において、5(6)−カルボキシフルオレセイン水溶液の代わりに240mgI/mL イオヘキソール35.5mLを0.87mL/min用いた以外は調製例5と同様にしてリポソーム分散液を得た。次いで、この分散液に対して、ウルトラフィルター(アドバンテック社製、分画分子量20,000)を用いて限外濾過で濃縮しリポソームHを得た。リポソームHの平均粒径は170nm、イオヘキソールの内包率は21%であった。
[調製例12]リポソームI(造影剤内包未修飾リポソーム)
調製例6において、5(6)−カルボキシフルオレセイン水溶液の代わりに240mgI/mL イオヘキソール35.5mLを0.87mL/min用いた以外は調製例6と同様にしてリポソーム分散液を得た。次いで、この分散液に対して、ウルトラフィルター(アドバンテック社製、分画分子量20,000)を用いて限外濾過で濃縮しリポソームIを得た。リポソームIの平均粒径は180nm、イオヘキソールの内包率は19%であった。
[実施例1]
調製例1〜3で得られた株化肝ガン細胞(HepG2)、初代培養クッパー細胞および株化血中単球細胞(J774)を、それぞれ24ウェルプレートに2×105個/ウェル
で播種し6時間培養後、HBSS(ハンクス平衡塩)で洗浄した。調製例4で得られたリポソームAを0.35mg lipid/mLとなるようHBSSで分散させたものを加え、37℃で1時間培養した。培養終了後、HBSSで洗浄し、1mLのHBSSに細胞を懸濁し、Becton Dickinson製FACSAria(登録商標)により蛍光強度を測定した。その結果を表1および図1に示す。
上述のとおり、クッパー細胞数および血中単球数を同数で評価するよう調製された培養
系に対して、生体である人体においては同数ではない(人体におけるクッパー細胞数(cells)および血中単球数(cells)は、それぞれ、約1.2×1010(cells)および約1.8×109(cells)である。)ため、細胞数比により蛍光強度を
補正する必要がある。すなわち、肝臓に関わるマクロファージがこの2種に限定されると仮定して、細胞数比(クッパー細胞数:血中単球数=1.0:0.15)を考慮した蛍光強度を算出する。
初代培養クッパー細胞および株化血中単球細胞(J774)の蛍光強度は、それぞれ133および67であった。これは、クッパー細胞の方が血中単球細胞に対してリポソームAを細胞内に2倍取り込みやすいことを意味する。
この結果に基づいて投与したリポソームAの体内動態を予測するためには、血中単球細胞数の蛍光強度67に0.15を乗ずればよい。したがって、予測されるクッパー細胞と血中単球細胞とへのリポソームAの吸収量の比は、133:10と算出された。
リポソームAを人体に投与した場合、リポソームAすべてが、生体内においてこれら2種類のマクロファージに取り込まれることは考えられないが、取り込まれる比率は上記のように算出された値であると考えられる。これらの結果も併せて表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、リポソームAを調製例5に記載のリポソームBに変更した以外は、実施例1と同様にして蛍光強度を測定した。その結果を表1および図1に示す。
[実施例3]
実施例1において、リポソームAを調製例6に記載のリポソームCに変更した以外は、実施例1と同様にして蛍光強度を測定した。その結果を表1および図1に示す。
[実施例4]
実施例1において、リポソームAを調製例7に記載のリポソームDに変更した以外は、実施例1と同様にして蛍光強度を測定した。その結果を表1および図2に示す。
[実施例5]
実施例1において、リポソームAを調製例8に記載のリポソームEに変更した以外は、実施例1と同様にして蛍光強度を測定した。その結果を表1および図2に示す。
[実施例6]
実施例1において、リポソームAを調製例9に記載のリポソームFに変更した以外は、実施例1と同様にして蛍光強度を測定した。その結果を表1および図2に示す。
[比較例1]
調製例10で得られたリポソームGを肝臓中にガンを移植した担ガンウサギに静脈注射(2mL/kg)して、下記造影試験を該担ガンウサギの肝臓について行った。撮影は、下記撮影プロトコルに準じて適切な動物用X線CT(コンピューター断層撮影)装置を用いて行った。なお、ウサギのクッパー細胞数と血中単球数との比は、ヒトの場合とほぼ同様であるとする。
(造影試験)
リポソームGを担ガンウサギ(2.5〜3.0kg)に、内包ヨード投与量が88mgI/kgとなるよう計算した量(内包率により異なるが、おおよそ2mL/kg程度のリポソーム溶液)を静脈注射し、投与前および投与の30秒、60秒、90秒、120秒、
150秒、180秒、5分、7分、10分、15分、20分、25分、30分、40分、50分、60分、3時間後に、肝ガン細胞(肝臓腫瘍部)、クッパー細胞(肝臓正常部)および血中単球(大動脈部)それぞれのX線吸収率(単位:HU)、すなわちCT値を計測し、リポソームGを静脈注射後20〜40分間のCT値の平均値を「注射後のCT値」とした。
細胞に取り込まれずに血液中に溶解した造影剤は、リポソームGを静脈注射して20分間経過した時点で、少なくとも血液中から除かれ、静脈注射40分間後には、ウサギ体内から排泄されると考えられる。一方、投与されたリポソームGに含まれる造影剤のうち一部は、肝ガン細胞、クッパー細胞および血中単球などの細胞に1時間以上留まり、造影効果を示してCT値を上昇させる。CT値の上昇の大小は、造影剤の量、すなわち造影剤を含むリポソームの量に比例する。
ウサギの個体差を補正するために、注射後のCT値から注射前のCT値を差し引いたΔCT(HU)を比較のためのパラメーターとして設定した。その結果を表2に示す。この結果から、肝臓腫瘍部には類洞が存在しないためにリポソームが集積できず、肝臓腫瘍部のCT値は上昇しないこと、肝臓正常部にはクッパー細胞が存在するためにリポソームは集積することができ、肝臓正常部のCT値は上昇すること、肝臓中の大動脈には血中単球が存在してリポソームを貪食することができ血液のCT値が上昇すること、が類推される。
(撮影プロトコル)
スキャン・モード:Axial 5i X4
SFOV:Head
管球回転速度:0.4sec/rot.
管電圧:120kVp
管電流:500mA
DFOV:15cm
再構成アルゴリズム:Standard
スライス厚:5mm
撮影枚数:20スライス
[比較例2]
比較例1において、リポソームGを調製例11に記載のリポソームHに変更した以外は、比較例1と同様にしてΔCT(HU)を得た。その結果を表2に示す。
[比較例3]
比較例1において、リポソームGを調製例12に記載のリポソームIに変更した以外は、比較例1と同様にしてΔCT(HU)を得た。その結果を表2に示す。
Figure 2010133720
Figure 2010133720
インビトロでの細胞実験系(実施例1〜6)で予測されたクッパー細胞への集積の傾向(表1)が、インビボでの動物実験系(比較例1〜3/表2)で実証された。
インビトロでの細胞実験系(実施例1〜6)で予測された各細胞への取り込み量の比(吸収量比または分布量比)、例えば、実施例1の「株化肝ガン細胞HepG2(肝臓腫瘍部)」/「初代培養クッパー細胞(肝臓正常部)」/「株化血中単球J774(血液)」の蛍光強度(22/133/67)は、インビボでの動物実験系(比較例1〜3)で得られた結果、例えば、比較例1の「肝ガン細胞(肝臓腫瘍部)」/「クッパー細胞(肝臓正
常部)」/「血中単球(血液)」のΔCT(3/35/30)と相関した。
また、実施例1〜3の「細胞数比を考慮した肝臓正常部」の結果(93%/88%/86%)は、比較例1〜3の「クッパー細胞(肝臓正常部)」の結果(35%/24%/17%)と相関した。すなわち、それぞれマンノース修飾、セリン修飾および未修飾のリポソームの、クッパー細胞への集積において、インビトロでの細胞実験系(実施例1〜3および4〜6)で予測された傾向と、インビボでの動物実験系(比較例1〜3)で得られた結果とが適合した。これにより、複数種からなる微粒子製剤の中から、結合効率、すなわち細胞とリポソームとの親和性(細胞内へのベシクルの取り込み量比または細胞表面へのベシクルの結合量比)による動態スクリーニングが可能であることがわかった。
本発明の、投与した微粒子製剤の体内動態をインビトロで予測するための方法は、高い精度でインビボの結果を予測できることから、新規医薬品開発の探索研究、非臨床試験および臨床試験または治験などにおいて、その方法、その方法を実施するためのシステム、その方法を用いた選別方法およびスクリーニング用キットが好適に用いられる。
図1は、蛍光色素である5(6)−カルボキシフルオレセインを内包したリポソームA〜C(それぞれ、実施例1〜3)を取り込んだ株化肝ガン細胞HepG2(肝臓腫瘍部)、初代培養クッパー細胞(肝臓正常部)および株化血中単球細胞J774(血液)をフローサイトメトリーにより測定した蛍光強度をプロットしたグラフを示す。 図2は、上記蛍光色素とX線造影剤であるイオヘキソールとを内包したリポソームD〜F(それぞれ、実施例4〜6)を取り込んだ株化肝ガン細胞HepG2(肝臓腫瘍部)、初代培養クッパー細胞(肝臓正常部)および株化血中単球細胞J774(血液)をフローサイトメトリーにより測定した蛍光強度をプロットしたグラフを示す。

Claims (13)

  1. 下記工程(1)および(2):
    工程(1):肝臓、血管、血液、肺および脾臓のいずれかに由来する初代培養細胞または株化細胞の2種以上とともに、蛍光標識した微粒子製剤をインキュベートし、経時的にフローサイトメトリーにて該細胞数とその蛍光強度とを測定し、
    工程(2):工程(1)で測定した数値に基づき、該細胞種ごとへの該製剤の吸収量比または分布量比を予測する、
    からなることを特徴とするインビトロの測定で得られる結果に基づいて投与した微粒子製剤の体内動態を予測する方法。
  2. 上記体内動態が、体内の分布および/または臓器組織への親和性、蓄積性のプロファイルであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 上記初代培養細胞または上記株化細胞が、異物認識能を有する細胞であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 上記微粒子製剤が、リポソーム、ニオソーム、エマルション、マイクロスフェアまたはナノスフェアと薬物との複合体であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 上記微粒子製剤が、その平均粒径として10nm〜10μmを有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 上記微粒子製剤が、その表面に単糖、糖鎖、アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質からなる群より選ばれる少なくとも1つのリガンドを付加されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 上記単糖が、マンノースであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 上記アミノ酸が、セリンであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  9. 上記微粒子製剤が、造影剤を内包したリポソームであることを特徴とする、請求項5〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 上記初代培養細胞または上記株化細胞の2種以上からなる組み合わせが、初代培養肝臓マクロファージ、株化肝ガン細胞および株化血中単球細胞を含む細胞セットであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 上記方法を実施するためのシステムであって、少なくとも上記細胞セットおよび上記微粒子製剤を含むことを特徴とするシステム。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の方法を用いて、複数種からなる微粒子製剤の中から、結合効率により動態スクリーニングすることを特徴とする微粒子製剤の選別方法。
  13. 請求項12に記載の選別方法を実施するためのキットであって、少なくとも上記細胞セットおよび上記微粒子製剤を含むことを特徴とするスクリーニング用キット。
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