JP2010133466A - オポーズド型ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Kazuyuki Sakai
一幸 酒井
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Abstract

【課題】パッド交換作業やトルク受け面とブレーキパッドとの間の隙間管理が簡易にでき、且つ、組立性を向上させることのできるオポーズド型ディスクブレーキ装置を得る。
【解決手段】キャリパ半部11のパッド保持部23は、ブレーキパッド5の外周の4側面の内の一側面を除く3側面を位置規制するパッド収容凹部31と、前記パッド収容凹部31の一側面により形成される開放部32を閉じるように半部本体12に着脱可能に締結されてブレーキパッド5を位置規制するアンカブロック33とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、ブレーキパッドをディスクロータの表面に押圧するキャリパ半部が、ディスクロータの両側に対向配置されるオポーズド型ディスクブレーキ装置に関する。
ブレーキパッドをディスクロータの表面に押圧するキャリパ半部が、ディスクロータの両側に対向配置される従来のオポーズド型ディスクブレーキ装置は、キャリパ半部におけるパッド保持構造の違いにより、二つのタイプに大別することができる。
第1のタイプは、図4に示すキャリパ半部101に採用されているもので、ロータ周方向(図の矢印A方向)に対向するように半部本体103に取り付けられる一対のアンカブロック105,106により、ブレーキパッド108のロータ周方向に対向する一対の端面108a,108bを位置決めするパッド保持構造を採用している。一対のアンカブロック105,106は、複数本のボルト109により強固に半部本体103に締結・固定されている(例えば、特許文献1参照)。
第2のタイプは、図4に示したようなアンカブロックは使わずに、半部本体に形成したパッド側面を囲うパッド収容凹部の壁部によりブレーキパッドを位置決めするパッド保持構造を採用したものである。
特表2007−520675号公報
ところで、パッド保持構造が第1のタイプのものは、例えば、半部本体103に取り付けられている一対のアンカブロック105,106の内の一方を取り外せば、ロータ周方向にブレーキパッド108を取り外すことができ、パッド交換が簡易にできるという利点がある。また、ブレーキパッドの周方向の寸法誤差等に対しても、アンカブロック105,106の締結部に薄板状の寸法調整シムを挟むことで、ブレーキパッドとアンカブロックとの間の隙間を簡単に調整することができ、組立精度の管理が簡易になるという利点もある。しかし、その一方で各アンカブロック105,106の締結固定にそれぞれ複数本のボルト109の装着が必要で、部品点数が多くなるため、組立性が悪いという問題があった。
一方、パッド保持構造が第2のタイプのものは、第1のタイプのものと比較して、アンカブロックや、アンカブロックを締結するボルトが不要になるため、組立部品点数の削減により、組立時の手間が軽減されるという利点がある。しかし、その反面、パッド交換の際には、キャリパ半部自体の装置本体よりの取り外しを行わなければならず、パッド交換が簡単にできないという問題があった。また、ブレーキパッドから制動トルクを受けるパッド収容凹部の壁部とブレーキパッドとの間の隙間を規定値に管理するには、パッド収容凹部の寸法や、ブレーキパッド自体の寸法を高精度化する必要があるが、実際上では、隙間管理が難しいという問題があった。
本発明は上記課題を解消することに係り、バッド交換作業およびブレーキパッドからトルクを受けるトルク受け面とブレーキパッドとの間の隙間管理が容易にでき、しかも部品点数の削減によって組立性を向上させることができるオポーズド型ディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
上記目的は下記構成により達成される。
(1)本発明に係るオポーズド型ディスクブレーキ装置は、ブレーキパッドをパッド押圧用ピストンによりディスクロータの表面に押圧するキャリパ半部が、前記ディスクロータの両側に対向配置されるオポーズド型ディスクブレーキ装置であって、
前記キャリパ半部のパッド保持部には、前記ブレーキパッドの外周の3側面を位置規制する3つの壁部を有すると共に、一側面を開放部とした凹部形状に形成されたパッド収容凹部と、前記パッド収容凹部の前記開放部を閉じて前記パッド収容凹部に収容されている前記ブレーキパッドを位置決め固定するアンカブロックとを備え、
前記アンカブロックは、前記キャリパ半部に着脱可能に締結されることを特徴とする。
(2)上記(1)に記載のオポーズド型ディスクブレーキ装置において、前記アンカブロックは、薄板状の寸法調整シムを挟んで締結されることを特徴とする。
上記のオポーズド型ディスクブレーキ装置では、キャリパ半部に装備するパッド保持部は、ブレーキパッドの外周の4側面の内の一側面を除く3側面を位置規制するパッド収容凹部と、該パッド収容凹部の開放部を閉じるように前記キャリパ半部に着脱可能に締結されてブレーキパッドの外周の4側面の内の一側面を位置規制するアンカブロックとを備えた構成となっている。
そのため、キャリパ半部に締結されているアンカブロックを取り外せば、キャリパ半部自体を装置本体より取り外さなくともブレーキパッドを取り外すことができ、パッド交換を簡易にすることができる。
以下、本発明に係るオポーズド型ディスクブレーキ装置の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るオポーズド型ディスクブレーキ装置の一実施の形態の側断面図、図2は図1のB矢視図、図3は図1に示したキャリパ半部の拡大斜視図である。
この一実施の形態のオポーズド型ディスクブレーキ装置1は、例えば風車等の大型の産業機械の回転部の制動に使用されるもので、パッド押圧用ピストン3によりブレーキパッド5をディスクロータ7の表面(摺動面)に押圧するキャリパ半部11が、ディスクロータ7の両側に対向配置される。
各キャリパ半部11は、パッド押圧用ピストン3を収容するシリンダ部12aを形成した構造体である半部本体12に、産業機械等におけるブレーキ支持部13に締結するための取付フランジ部12bを一体形成している。
シリンダ部12aには、シリンダ部12aとパッド押圧用ピストン3との間をシールするシール部材14やブーツ15が装着されている。
取付フランジ部12bには、図3に示すように、締結用のボルト16を挿通する複数個のボルト挿通穴17と、軽量化を図るための長円形の抜き穴18とが貫通形成されている。
ディスクロータ7の両側に対向配置される一対のキャリパ半部11,11は、図1に示すように、互いの取付フランジ部12bがスペーサ21を介して突き合わされて、ボルト挿通穴17を挿通するボルト16により、ブレーキ支持部13に締結・固定される。
ブレーキパッド5は、裏板5aの表面にライニング5bを固着させたもので、裏板5aは長方形状に形成されている。
それぞれのキャリパ半部11は、パッド保持部23によりブレーキパッド5の裏板5aの4辺を位置決めすることにより、ブレーキパッド5を保持できる。
本実施の形態の場合、パッド保持部23は、半部本体12の表面に形成されたパッド収容凹部31(31a,31b,31c)と、半部本体12の一側に締結固定されるアンカブロック33とでブレーキパッド5の裏板5aを位置決め固定している。
パッド収容凹部31は、ブレーキパッド5の裏板5aの外周の4側面の内のロータ周方向の一側面を除く3側面を位置規制する3つの壁部31a,31b,31cを有すると共に、ロータ周方向の一側面に対応する位置は開放部32とした凹部形状に形成されていて、開放部32から図3の矢印C方向にブレーキパッド5を出し入れ可能である。
アンカブロック33は、パッド収容凹部31の開放部32を閉じてパッド収容凹部31に収容されているブレーキパッド5の裏板5aの開放部32側の端面5c(図2,図3参照)を位置決め固定する。
また、アンカブロック33は、複数本のボルト35によって、キャリパ半部11における半部本体12の側面に着脱可能に締結される。
さらに、本実施の形態の場合、アンカブロック33は、薄板状の複数枚の寸法調整シム37を挟んで半部本体12に締結されており、寸法調整シム37の枚数の増減により、ブレーキパッド5とアンカブロック33との間の隙間が規定値に調整されるようになっている。
以上に説明したオポーズド型ディスクブレーキ装置1では、キャリパ半部11に装備するパッド保持部23は、半部本体12に形成されてブレーキパッド5の外周の4側面の内のロータ周方向の一側面を除く3側面を位置規制するパッド収容凹部31と、該パッド収容凹部31の開放部32を閉じるように半部本体12の一側面に着脱可能に締結されてブレーキパッド5の外周の4側面の内のロータ周方向の一側面を位置規制するアンカブロック33とを備えた構成となっている。
そのため、半部本体12に締結されているアンカブロック33を取り外せば、ブレーキ支持部13からキャリパ半部11自体を取り外さなくとも、ロータ周方向にブレーキパッド5を取り外すことができ、パッド交換を簡易に行うことができる。
また、ブレーキパッド5の裏板5aの周方向の寸法誤差等に対しても、上記実施の形態で示したようにアンカブロック33の締結部に薄板状の寸法調整シム37を挟むことで、ブレーキパッド5とアンカブロック33との間の隙間を調整することができ、組立精度の管理を簡易にすることができる。
更に、ブレーキパッドのロータ周方向に対向する端面の位置決めを、半部本体に締結される一対のアンカブロックにより行う従来のオポーズド型ディスクブレーキ装置(図4参照)と比較すると、アンカブロック33やボルト35の数量を半減できるため、部品点数の削減によって組立性を向上させることもできる。
また、上記実施の形態のオポーズド型ディスクブレーキ装置1では、アンカブロック33の締結部に介在させる寸法調整シム37として、予め、例えば、厚さ寸法が0.01〜0.03mmの寸法調整シム37を複数枚用意しておくことで、ブレーキパッド5とアンカブロック33との間の隙間を0〜0.05mmの誤差範囲で高精度に調整することが容易になり、隙間の高精度な調整を安価に実現することが可能になる。
本発明に係るオポーズド型ディスクブレーキ装置の側断面図である。 図1のB矢視図である。 図1に示したキャリパ半部の拡大斜視図である。 従来のオポーズド型ディスクブレーキ装置のキャリパ半部の斜視図である。
符号の説明
1 オポーズド型ディスクブレーキ装置
5 ブレーキパッド
5a 裏板
5c 端面
7 ディスクロータ
11 キャリパ半部
12 半部本体
23 パッド保持部
31 パッド収容凹部
32 開放部
33 アンカブロック
35 ボルト
37 寸法調整シム

Claims (2)

  1. ブレーキパッドをパッド押圧用ピストンによりディスクロータの表面に押圧するキャリパ半部が、前記ディスクロータの両側に対向配置されるオポーズド型ディスクブレーキ装置であって、
    前記キャリパ半部のパッド保持部には、前記ブレーキパッドの外周の3側面を位置規制する3つの壁部を有すると共に、一側面を開放部とした凹部形状に形成されたパッド収容凹部と、前記パッド収容凹部の前記開放部を閉じて前記パッド収容凹部に収容されている前記ブレーキパッドを位置決め固定するアンカブロックとを備え、
    前記アンカブロックは、前記キャリパ半部に着脱可能に締結されることを特徴とするオポーズド型ディスクブレーキ装置。
  2. 前記アンカブロックは、薄板状の寸法調整シムを挟んで締結されることを特徴とする請求項1に記載のオポーズド型ディスクブレーキ装置。
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