JP2010132849A - エポキシ樹脂組成物および硬化物の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物および硬化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 良好な透明性を維持しつつ、高い機械的強度を有する硬化物を与えうるエポキシ樹脂組成物と、これを用いた硬化物の製造方法とを提供する。
【解決手段】 エポキシ樹脂組成物は、水酸化アルミニウム粒子を下記式(1)
【化1】

(式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rはアルキレン基を表し、Mは1価のカチオンを表す。nは1〜10の数を表し、mは1〜3の整数を表す。)
で示される少なくとも1種のリン酸エステルで表面処理してなる水酸化アルミニウム複合体と、分子内にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を含有するエポキシ基含有成分とを含む。硬化物の製造方法は、前記エポキシ樹脂組成物を重合反応させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、良好な透明性を維持しつつ、高い機械的強度を有するエポキシ樹脂組成物と、これを用いた硬化物の製造方法とに関する。
エポキシ樹脂は、透明性に優れるとともに、硬化収縮が小さいため寸法安定性に優れているが、一方、弾性率が高く、エネルギー吸収が低いため、最大強度、たわみ、表面硬度(鉛筆硬度)等の機械的強度の点では必ずしも充分な性能を有するものではない。そこで、従来から、エポキシ樹脂の機械的強度を高める手段として、エポキシ樹脂に水酸化アルミニウム粒子を含有させる方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開平08−104736号公報 特開平08−231828号公報 特開2004−359793号公報
しかしながら、特許文献1〜3のようにエポキシ樹脂に水酸化アルミニウム粒子を含有させると、得られる硬化物は、機械的強度が向上する反面、エポキシ樹脂が本来有する透明性が著しく低下したものになってしまうという問題があった。
そこで、本発明の目的は、良好な透明性を維持しつつ、高い機械的強度を有する硬化物を与えうるエポキシ樹脂組成物と、これを用いた硬化物の製造方法とを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、エポキシ樹脂に水酸化アルミニウム粒子を含有させるにあたり、該水酸化アルミニウム粒子を、エポキシ樹脂に対し親和性や反応性を有する特定構造のリン酸エステルで表面処理しておけば、得られる硬化物の透明性を損なうことがなく、しかも、前記表面処理を施さない水酸化アルミニウム粒子を含有させた場合よりもさらに高い機械的強度向上効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)水酸化アルミニウム粒子を下記式(1)
(式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rはアルキレン基を表し、Mは1価のカチオンを表す。nは1〜10の数を表し、mは1〜3の整数を表す。)
で示される少なくとも1種のリン酸エステルで表面処理してなる水酸化アルミニウム複合体と、分子内にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を含有するエポキシ基含有成分とを含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
(2)前記エポキシ基含有成分がグリシジルメタクリレートをも含有する前記(1)記載のエポキシ樹脂組成物。
(3)前記水酸化アルミニウム複合体中の水酸化アルミニウム含有率が40〜70質量%である前記(1)または(2)記載のエポキシ樹脂組成物。
(4)前記水酸化アルミニウム複合体は、中心粒子径が1〜150nmである水酸化アルミニウム粒子を前記リン酸エステルで表面処理してなるものである前記(1)〜(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
(5)エポキシ樹脂組成物中の水酸化アルミニウム含有量が、前記水酸化アルミニウム複合体および前記エポキシ基含有成分の総量100質量部に対して3〜20質量部である前記(1)〜(4)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を重合反応させることを特徴とする硬化物の製造方法。
(7)前記重合反応を塊状重合法により行う前記(6)記載の硬化物の製造方法。
本発明によれば、エポキシ樹脂の硬化物として、良好な透明性を維持しつつ、高い機械的強度を有する硬化物を提供することができる。
実施例3で得られた硬化物のTEM写真である。 比較例2で得られた硬化物のTEM写真である 実施例1で得られた硬化物の動的粘弾性を示すグラフである。 実施例2で得られた硬化物の動的粘弾性を示すグラフである。 実施例3で得られた硬化物の動的粘弾性を示すグラフである。 実施例4で得られた硬化物の動的粘弾性を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ基含有成分とともに、水酸化アルミニウム複合体を含む。本発明において、水酸化アルミニウム複合体とは、水酸化アルミニウム粒子を上記式(1)で示される特定のリン酸エステル(以下「特定リン酸エステル」と称することもある)で表面処理してなるものであり、このような水酸化アルミニウム複合体を含有することにより、得られる硬化物の透明性を損なうことがなく、機械的強度を格段に向上させることができる。
特定リン酸エステルを示す上記式(1)において、Rで表されるアルキレン基の例としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基などが挙げられ、その炭素数は通常1〜6であることが好ましい。また、nが2以上の場合には、Rで表される複数のアルキレン基は、すべて同一であってもよいし、各々異なっていてもよい。さらに、複数のアルキレン基が各々異なる場合は、それらは互いに規則的に結合されていてもよいし、不規則に結合されていてもよい。
特定リン酸エステルを示す上記式(1)において、Mで表される1価のカチオンの例としては、水素イオン、ナトリウムイオンやカリウムイオンの如きアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、炭素数1〜4程度のアルキル基で置換されたアンモニウムイオンなどが挙げられる。
上記式(1)で示される特定リン酸エステルの具体例としては、例えば、アシッドホスホキシ・ポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート(式(1)中、Rがメチル基、Rがプロピレン基、Mが水素イオン、nが5〜6、mが1であるリン酸エステル)や、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート(式(1)中、Rがメチル基、Rがエチレン基、Mが水素イオン、nが1、mが2であるリン酸エステル)等が挙げられる。また、市販品では、例えば、ユニケミカル(株)製の「ホスマーPP(Phosmer−PP)」や、共栄社化学(株)製の「ライトエステルP−2M」等が挙げられる。なお、特定リン酸エステルは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
特定リン酸エステルによる水酸化アルミニウム粒子の表面処理は、例えば、水性媒体中に水酸化アルミニウム粒子を分散させたのち、特定リン酸エステルを加えて充分に混合することで行うことができる。この場合、表面処理された水酸化アルミニウム複合体は、通常、混合物を固液分離することにより固形分として回収される。以下、このような表面処理により水酸化アルミニウム複合体を得る方法について説明するが、本発明における水酸化アルミニウム複合体が該方法で得られたものに限定されないことは言うまでもない。
前記水酸化アルミニウム粒子としては、例えば、アルミニウムのアルコキシドの加水分解法により得られた擬ベーマイト型水酸化アルミニウム粒子を用いることができる。水酸化アルミニウム粒子の比表面積は、窒素ガス吸着法により測定することができ、透明性の点から30m/g以上が好ましく、コスト面から600m/g以下が好ましく、300m/g以下がより好ましい。
前記水性媒体としては、特に制限はなく、例えば、水、アルコール等を用いることができる。特に、水性媒体は、酸性溶液であることが分散性の点から好ましく、硝酸水溶液や塩酸等が好適である。
水性媒体中に水酸化アルミニウム粒子を分散させるには、例えば、撹拌器で攪拌する方法、超音波を照射する方法、高圧ホモジナイザーを用いる物理的な分散処理方法、硝酸の如き酸を加えて分散させる方法、分散剤を加える方法など、公知の分散方法を適宜組み合わせて採用すればよい。分散処理の際の温度や時間は、用いる方法等に応じて適宜設定すればよく、例えば、超音波照射処理の場合には、室温にて10〜100分間処理した後、80℃以上100℃未満の高温で2時間程度加熱処理することにより、さらに分散性を上げることができる。
水性媒体中に分散された状態の水酸化アルミニウム粒子の中心粒子径は、動的光散乱法により測定することができ、入手容易性の点から1nm以上が好ましく、得られる硬化物の透明性の点から150nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。なお、前記範囲の中心粒子径を有する水酸化アルミニウム粒子の分散体を得るために、分散処理の後、遠心分離等により粗粒分を沈殿させて沈殿物を除去するようにしてもよい。
水性媒体中に水酸化アルミニウム粒子を分散させて得られた分散体に特定リン酸エステルを添加するに際し、特定リン酸エステルの使用量(2種以上の特定リン酸エステルを併用する場合は、その合計量)は、分散体中に含まれる水酸化アルミニウム粒子1質量部に対して、通常0.1〜5.0質量部、得られる硬化物の機械的強度の点からは0.8〜2.0質量部であることが好ましい。なお、特定リン酸エステルは、例えば、アセトンや、メタノール、エタノールのようなアルコール等の適当な溶媒に溶解させて添加してもよい。
特定リン酸エステルの添加は、その全量を一括して行ってもよいし、数回に分けて間歇的に行ってもよいし、連続して滴下することにより行ってもよいが、好ましくは、連続して滴下するのがよい。また、特定リン酸エステルと分散体中の水酸化アルミニウム粒子との混合は、通常、室温程度で約24時間行われる。
上記のようにして得られた混合物を固液分離する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、濾過法、遠心分離法などの通常の方法を採用することができる。固液分離により固形分として回収された水酸化アルミニウム複合体は、通常、蒸留水などで洗浄された後、乾燥される。
かくして水酸化アルミニウム複合体を得ることができる。この水酸化アルミニウム複合体中の水酸化アルミニウム含有率は、TGA(熱重量分析装置)で分析することにより求めることができ、通常30〜80質量%であり、得られる硬化物の硬度向上の点からは、40質量%以上であるのが好ましく、得られる硬化物における水酸化アルミニウムの分散性、すなわち硬化物の透明性を維持する点からは、70質量%以下であるのが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物におけるエポキシ基含有成分は、分子内にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を少なくとも含有するものである。ここで、必須とするエポキシ樹脂としては、公知のあらゆるエポキシ樹脂を用いることができるが、好ましくは次のものが挙げられる。例えば、エピクロルヒドリンもしくはβ−メチルエピクロルヒドリンと、ビスフェノールA、ビスフェノールFもしくはビスフェノールスルホンとから得られるエポキシ樹脂;フェノールノボラック樹脂もしくはクレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル;ポリプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル;アジピン酸、フタル酸、ダイマー酸等のポリカルボン酸のポリグリシジルエステルもしくはポリグリシジルアミン;ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート等の脂環式エポキシド;等である。これらの中でも、下記式
(式中、nは1〜5の整数を表す。)
で示される脂環式エポキシド(例えば、n=1である、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートなど)が特に好ましい。これらエポキシ樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物におけるエポキシ基含有成分は、必須とする前記エポキシ樹脂のほかに、分子内に1個のエポキシ基を有する単量体を含有するものであってもよい。中でも、このような単量体として、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等のように、分子内に1個のエポキシ基を有するとともに重合性二重結合をも有する単量体が好ましい。かかる単量体は、そのエポキシ基部分がエポキシ樹脂に対する重合反応に寄与するとともに、その重合性二重結合部分が水酸化アルミニウム複合体の表面に存在する特定リン酸エステルと反応するので、得られる硬化物中の水酸化アルミニウムが良好な分散性で存在する結果、透明性を向上させることができるとともに、架橋構造が密になる結果、機械的強度や耐熱性も向上させることができる。このような効果を得るべく、分子内に1個のエポキシ基を有するとともに重合性二重結合をも有する単量体を含有させる場合には、当該単量体は、エポキシ基含有成分総量に対し、0.1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%であるのがよい。
前記エポキシ基含有成分が必須とする前記エポキシ樹脂以外の単量体をも含む場合、それら単量体は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。また、それら単量体の含有量(2種以上の場合には合計量)は、エポキシ基含有成分総量に対し、30質量%以下、好ましくは20質量%以下であるのがよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物における水酸化アルミニウム複合体とエポキシ基含有成分との含有割合は、エポキシ樹脂組成物中の水酸化アルミニウム含有量が、前記水酸化アルミニウム複合体および前記エポキシ基含有成分の総量100質量部に対して、通常、1質量部以上、機械的強度の向上の点から好ましくは3〜20質量部、より好ましくは3〜9質量部、となるように適宜設定すればよい。なお、エポキシ樹脂組成物中の水酸化アルミニウム含有量は、用いた水酸化アルミニウム複合体中の水酸化アルミニウム含有率と、当該水酸化アルミニウム複合体の使用量とから算出することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、さらに必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲において、例えば、後述する重合開始剤、硬化剤、硬化促進剤、その他の添加剤など、硬化物とする際の重合反応に必要な成分や、硬化物の特性を向上させるための成分等をも含有させることができる。硬化物とする際の重合反応に必要な成分を含有する場合には、一液型の材料として使用できるので、利便性の点で有利であるが、それらの含有量は、エポキシ樹脂組成物の保存安定性を損なわない範囲で適宜設定することが好ましい。
本発明の硬化物の製造方法は、前記本発明のエポキシ樹脂組成物を重合反応させるものである。かかる重合反応は、エポキシ樹脂組成物中のエポキシ基含有成分が有するエポキシ基が硬化剤等により重合する反応と、エポキシ樹脂組成物中の水酸化アルミニウム複合体が有する(メタ)アクリロイル基が重合開始剤により重合する反応との両方を包含するものであり、これら反応によって本発明の硬化物は製造される。加えて、前記エポキシ基含有成分としてグリシジル(メタ)アクリレートのような分子内に1個のエポキシ基を有するとともに重合性二重結合をも有する単量体を含む場合には、該単量体のエポキシ基が硬化剤等による重合反応に関与するとともに、該単量体の重合性二重結合が重合開始剤による重合反応に関与して、本発明の硬化物が製造される。
本発明の硬化物の製造方法における重合反応は、特に制限されるものではなく、キャスト重合の如き塊状重合法など、重合開始剤を使用した公知の方法に従い行うことができる。また、その際には、重合開始剤とともに、硬化剤や硬化促進剤等を用いることができる。
前記塊状重合法による重合は、水酸化アルミニウム複合体およびエポキシ基含有成分を必須とする前記本発明のエポキシ樹脂組成物と、場合によっては(前記本発明のエポキシ樹脂組成物に含有されていない場合には)重合開始剤とを混合した後、該混合物をセル内に注入して行うことができる。重合に際しては、あらかじめ混合物から酸素を除去しておくことが好ましい。酸素の除去には、例えば、前記混合物に窒素などの不活性ガスをバブリングさせる方法、前記混合物を減圧下に保持する方法などを採用すればよい。
本発明の硬化物の製造方法における重合反応に用いられる重合開始剤としては、特に制限はないが、好ましくはラジカル重合開始剤が用いられる。その具体例としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンテン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2−シアノ−2−プロピラゾホルムアミド、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシ−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)の如きアゾ化合物;ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドの如きジアシルパーオキサイド系またはジアルキルパーオキサイド系開始剤;t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシアセテート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレートの如きパーオキシエステル系開始剤;t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートの如きパーカーボネイト系開始剤;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの如きパーオキシケタール系開始剤;などが挙げられる。重合開始剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
重合開始剤の使用量は、通常、水酸化アルミニウム複合体のうち特定リン酸エステル部位が占める質量100質量部(前記エポキシ基含有成分として、分子内に1個のエポキシ基を有するとともに重合性二重結合をも有する単量体をも含む場合には、前記エステル部位が占める質量と前記単量体の質量の合計100質量部)に対して、重合が速やかに進行する点では0.01質量部以上であり、安定して重合しうる点では5質量部以下である。なお、水酸化アルミニウム複合体のうち特定リン酸エステル部位が占める質量は、水酸化アルミニウム複合体において特定リン酸エステル部位が占める比率(すなわち、100−〔水酸化アルミニウム複合体中の水酸化アルミニウム含有率〕で求められる値)から算出することができる。
本発明の硬化物の製造方法における重合反応に用いられる硬化剤としては、特に制限はなく、一般的なエポキシ樹脂用の硬化剤であれば公知のあらゆる硬化剤を用いることができる。例えば、ジシアンジアミドなどのグアニジン誘導体、グアニジン、イミダゾール、BF−アミン錯体等の潜在性アミン系硬化剤;メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族アミン類、シクロホスファゼンオリゴマー等の窒素原子を含有する硬化剤;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック樹脂、ポリアミド樹脂、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物系硬化剤;フェノール構造とトリアジン環を有する化合物、フェノール類とトリアジン環含有化合物との混合物、フェノール類とトリアジン環含有化合物とアルデヒド類との混合物;等が挙げられる。これらの中でも、酸無水物系硬化剤が特に好ましい。硬化剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
硬化剤の使用量は、エポキシ基含有成分100質量部に対して、通常10〜200質量部、好ましくは50〜150質量部である。
本発明の硬化物の製造方法における重合反応に用いられる硬化促進剤としては、特に制限はなく、例えば、N,N−ジメチルベンジルアミン等の第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等を用いることができる。硬化促進剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
硬化促進剤の使用量は、エポキシ基含有成分100質量部に対して、通常0.01〜1質量部である。
本発明の硬化物の製造方法における重合反応においては、さらに必要に応じて、連鎖移動剤、紫外線吸収剤、着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤などの添加剤を用いることもできる。これらの使用量は、常法に従い適宜設定すればよい。
前記重合反応における重合温度は、通常50〜150℃であり、重合に要する時間は、通常1〜12時間である。
かくして良好な透明性と高い機械的強度を有するエポキシ樹脂の硬化物を得ることができる。かかる硬化物は、塗膜の形状であってもよく、例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物を所望の面に塗布した後に加熱して重合反応させることにより、透明なハードコーティング層を形成することができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の実施例における各種物性の測定方法は以下のとおりである。
<水酸化アルミニウム粒子の中心粒子径>
粒度分析計(日機装社製「Nanotrac Model UPA−EX150」)を用いて、動的光散乱法により粒度分布曲線を求め、50質量%相当の粒子径を求めた。
<水酸化アルミニウム粒子の比表面積>
比表面積測定装置(マウンテック社製「Macsorb Model−1201」)を用いて窒素ガス吸着法により測定した。
<水酸化アルミニウム複合体中の水酸化アルミニウム含有率>
水酸化アルミニウム複合体を一定量(W0)秤取り、TGA(熱重量分析装置)により室温(約25℃)から10℃/分の昇温速度で600℃まで昇温し、600℃に到達したときの質量(W1)を測定し、下記式に基づき水酸化アルミニウム含有率(%)を算出した。
水酸化アルミニウム含有率(%)=(W1/W0)×100
<光線透過率・Haze値>
Refletance Transmition meater(Murakami Color Research Laboratory社製「HR−100」)を用いて、波長600nmにおける光線透過率(%)およびHaze値(%)を求めた。
<最大強度・たわみ・弾性率>
JIS―K7171に従い、最大強度(MPa)、たわみ(%)、および曲げ弾性率(GPa)を求めた。
<鉛筆硬度>
JIS−K5400の鉛筆硬度試験に従い、得られた厚さ2mmの硬化物を試験片として鉛筆硬度試験を行い、表面硬度(鉛筆硬度)を求めた。
(製造例1)
アルミニウムのアルコキシドの加水分解法により得られた比表面積490m/gの擬ベーマイト型水酸化アルミニウム粒子を、1mol/Lの硝酸水溶液に加えて超音波分散させたのち、85℃で2時間加熱した。室温まで冷却した後、遠心分離により粗粒分を除去し、高圧ホモジナイザーにて分散させることにより、中心粒子径40nmの水酸化アルミニウム粒子が水素イオン濃度pH3.5の硝酸水溶液中に分散されたゾル(固形分10.4重量%)を得た。
次に、上記で得たゾル中の水酸化アルミニウム粒子1質量部に対して2.0質量部のアシッドホスホキシ・ポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート(ユニケミカル社製「ホスマーPP」)をアセトンに溶解させた溶液を、上記ゾルに600rpmで攪拌下、室温で滴下した。24時間攪拌後、沈殿物を遠心分離により回収し、蒸留水で洗浄後、真空乾燥することにより、表面処理された水酸化アルミニウム複合体を得た。この水酸化アルミニウム複合体中の水酸化アルミニウム含有率は42質量%であった(換言すれば、この水酸化アルミニウム複合体において特定リン酸エステル部位が占める比率は58質量%である)。
(比較製造例1)
製造例1と同様にして、中心粒子径40nmの水酸化アルミニウム粒子が水素イオン濃度pH3.5の硝酸水溶液中に分散されたゾル(固形分10.4重量%)を得た。得られたゾルを24時間攪拌後、沈殿物を遠心分離により回収し、蒸留水で洗浄後、真空乾燥することにより、水酸化アルミニウム粒子を得た。
(実施例1)
製造例1で得た水酸化アルミニウム複合体7.1質量部を、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル化学社製「CEL2021P」;以下「CEL2021P」と称する)とグリシジルメタクリレート(以下「GMA」と称する)とをCEL2021P:GMA(質量部)=80:20の割合で含むエポキシ基含有成分92.9質量部中に加え、30分間充分に攪拌した後、30分間超音波処理することにより分散させた。次いで、得られた分散体に、硬化剤であるメチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸(日立化成工業社製「HN−5500」)をエポキシ基含有成分1モルに対して1モルに相当する量(47.1質量部)と、硬化促進剤であるN,N−ジメチルベンジルアミンをエポキシ基含有成分に対して0.1質量%に相当する量(0.074質量部)と、ラジカル重合開始剤である過酸化ベンゾイルを水酸化アルミニウム複合体中の特定リン酸エステル部位およびGMAの総量に対して0.3質量%に相当する量(0.068質量部)とを加えて溶解させ、エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物中の水酸化アルミニウム含有量は、水酸化アルミニウム複合体およびエポキシ基含有成分の総量100質量部に対して3質量部である。
次に、片面にポリエチレンテレフタレート製フィルムを取り付けた矩形のアルミ板を2枚用意し、ポリエチレンテレフタレート製フィルムを貼り付けた面が内面となるように2mmの間隔で平行に配置し、該2枚のアルミ板の周囲の4辺をフッ素樹脂製型枠で囲んで、セルを作製した。
上記エポキシ樹脂組成物を得た後、速やかに、上記セルの1辺のフッ素樹脂製型枠を外して上記エポキシ樹脂組成物をセル内に注入した後、再びフッ素樹脂製型枠を嵌め込んだ。次いで、熱風乾燥炉内に入れ、130℃で12時間加熱した後、アルミ板を除去して、厚さ2mmのシート状のエポキシ樹脂からなる硬化物を得た。得られた硬化物の物性は、表1に示すとおりであった。
(実施例2)
製造例1で得た水酸化アルミニウム複合体の量を7.1質量部から14.2質量部に増量するとともに、この増量分(7.1質量部)だけ、CEL2021PとGMAの割合を変えないでエポキシ基含有成分の量を減らしたこと以外、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物中の水酸化アルミニウム含有量は、水酸化アルミニウム複合体およびエポキシ基含有成分の総量100質量部に対して6質量部である。
なお、硬化剤、硬化促進剤およびラジカル重合開始剤の量に関して「実施例1と同様にして」とは、それぞれ、「エポキシ基含有成分」もしくは「水酸化アルミニウム複合体中の特定リン酸エステル部位およびGMAの総量」に対する比率を同じにした、という意味である(以降の実施例および比較例においても同様)。
上記エポキシ樹脂組成物を得た後、速やかに、実施例1と同様にして作製したセルの1辺のフッ素樹脂製型枠を外して上記エポキシ樹脂組成物をセル内に注入し、次いで、実施例1と同様の操作を行ない、厚さ2mmのシート状のエポキシ樹脂からなる硬化物を得た。得られた硬化物の物性は、表1に示すとおりであった。
(実施例3)
製造例1で得た水酸化アルミニウム複合体の量を7.1質量部から21.4質量部に増量するとともに、この増量分(14.3質量部)だけ、CEL2021PとGMAの割合を変えないでエポキシ基含有成分の量を減らしたこと以外、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物中の水酸化アルミニウム含有量は、水酸化アルミニウム複合体およびエポキシ基含有成分の総量100質量部に対して9質量部である。
上記エポキシ樹脂組成物を得た後、速やかに、実施例1と同様にして作製したセルの1辺のフッ素樹脂製型枠を外して上記エポキシ樹脂組成物をセル内に注入し、次いで、実施例1と同様の操作を行ない、厚さ2mmのシート状のエポキシ樹脂からなる硬化物を得た。得られた硬化物の物性は、表1に示すとおりであった。
なお、得られた硬化物をミクロトームにより切取って切片を得、これを透過型電子顕微鏡(FE−TEM:日立ハイテク社製「HF−2000」)にて、加速電圧200kV、倍率10万倍の条件で観察したところ、凝集は認められず、水酸化アルミニウムは均一に分散していた。このときのTEM写真を図1に示す。
(実施例4)
製造例1で得た水酸化アルミニウム複合体の量を7.1質量部から21.4質量部に増量するとともに、この増量分(14.3質量部)だけエポキシ基含有成分の量を減らし、かつ該エポキシ基含有成分としてCEL2021Pのみを用いた(すなわちGMAを使用しない)こと以外、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物中の水酸化アルミニウム含有量は、水酸化アルミニウム複合体およびエポキシ基含有成分の総量100質量部に対して9質量部である。
上記エポキシ樹脂組成物を得た後、速やかに、実施例1と同様にして作製したセルの1辺のフッ素樹脂製型枠を外して上記エポキシ樹脂組成物をセル内に注入し、次いで、実施例1と同様の操作を行ない、厚さ2mmのシート状のエポキシ樹脂からなる硬化物を得た。得られた硬化物の物性は、表1に示すとおりであった。
なお、得られた硬化物について、実施例3と同様に、透過型電子顕微鏡による観察を行ったところ、凝集は認められず、水酸化アルミニウムの分散性は実施例3と同等であった。
(比較例1)
製造例1で得た水酸化アルミニウム複合体7.1質量部に代えて、比較製造例1で得た水酸化アルミニウム粒子9質量部を用いるとともに、この増量分(1.9質量部)だけ、CEL2021PとGMAの割合を変えないでエポキシ基含有成分の量を減らしたこと以外、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物中の水酸化アルミニウム含有量は、水酸化アルミニウム粒子およびエポキシ基含有成分の総量100質量部に対して9質量部である。
上記エポキシ樹脂組成物を得た後、速やかに、実施例1と同様にして作製したセルの1辺のフッ素樹脂製型枠を外して上記エポキシ樹脂組成物をセル内に注入し、次いで、実施例1と同様の操作を行ない、厚さ2mmのシート状のエポキシ樹脂からなる硬化物を得た。得られた硬化物の物性は、表1に示すとおりであった。
(比較例2)
製造例1で得た水酸化アルミニウム複合体7.1質量部に代えて、比較製造例1で得た水酸化アルミニウム粒子9質量部を用いるとともに、この増量分(1.9質量部)だけエポキシ基含有成分の量を減らし、かつ該エポキシ基含有成分としてCEL2021Pのみを用いた(すなわちGMAを使用しない)こと以外、実施例1と同様にして(この場合、水酸化アルミニウム複合体中の特定リン酸エステル部位およびGMAの総量はゼロであるから、ラジカル重合開始剤である過酸化ベンゾイルは用いていない)、エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物中の水酸化アルミニウム含有量は、水酸化アルミニウム粒子およびエポキシ基含有成分の総量100質量部に対して9質量部である。
上記エポキシ樹脂組成物を得た後、速やかに、実施例1と同様にして作製したセルの1辺のフッ素樹脂製型枠を外して上記エポキシ樹脂組成物をセル内に注入し、次いで、実施例1と同様の操作を行ない、厚さ2mmのシート状のエポキシ樹脂からなる硬化物を得た。得られた硬化物の物性は、表1に示すとおりであった。
なお、得られた硬化物について、実施例3と同様に、透過型電子顕微鏡による観察を行ったところ、水酸化アルミニウムの凝集が認められた。このときのTEM写真を図2に示す。
表1から、特定のリン酸エステルで表面処理した水酸化アルミニウム複合体を含有させた本発明のエポキシ樹脂組成物の場合(実施例1〜4)、良好な透明性を維持しつつ、高い機械的強度を有する硬化物が得られることが分かる。特に、実施例3と比較例1、実施例4と比較例2を比較すると、本発明のエポキシ樹脂組成物は、表面処理を施さない水酸化アルミニウム粒子を含有させたエポキシ樹脂組成物に比べ、光線透過率やHaze値のみならず、最大強度についても優れた性能を有する硬化物を与えることが明らかである。また、実施例3と実施例4を比較すると、エポキシ基含有成分としてGMAを併用することにより、硬化物の透明性や強度は向上し、とりわけ水酸化アルミニウムの分散性が良くなりHaze値を2%以下と大幅に抑制できることが明らかである。
次に、実施例1〜4で得られた硬化物の耐熱性を下記の方法で評価した。
すなわち、得られた厚さ2mmの硬化物を55mm×10mmの大きさに切り出して試験片とし、粘弾性スペクトロメータ(DMS)(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製「EXSTAR DMS6100」)を用いて、周波数1Hz、昇温速度2℃/分の条件で、25℃〜200℃の温度領域でtanσ(損失正接)を測定し、縦軸をtanσ、横軸を温度(℃)として動的粘弾性を示すグラフを得、そのピーク温度によって耐熱性を評価した。かかるピーク温度が高いほど、当該硬化物の耐熱性が高いことを意味する。
実施例1で得られた硬化物の動的粘弾性を示すグラフを図3に、実施例2で得られた硬化物の動的粘弾性を示すグラフを図4に、実施例3で得られた硬化物の動的粘弾性を示すグラフを図5に、実施例4で得られた硬化物の動的粘弾性を示すグラフを図6に、それぞれ示すとともに、それらグラフから読み取った各硬化物におけるピーク温度(℃)を表2に示す。
図3〜図6および表2から、水酸化アルミニウム複合体を含む系においてエポキシ基含有成分としてGMAを含有するエポキシ樹脂組成物に由来する実施例1〜3の硬化物は、エポキシ基含有成分としてGMAを含まないエポキシ樹脂組成物に由来する実施例4の硬化物よりも高いピーク温度を示すことが明らかであり、このことから、水酸化アルミニウム複合体を含む系においてエポキシ基含有成分としてGMAを併用することにより、硬化物の耐熱性が向上することが分かる。

Claims (7)

  1. 水酸化アルミニウム粒子を下記式(1)
    (式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rはアルキレン基を表し、Mは1価のカチオンを表す。nは1〜10の数を表し、mは1〜3の整数を表す。)
    で示される少なくとも1種のリン酸エステルで表面処理してなる水酸化アルミニウム複合体と、分子内にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を含有するエポキシ基含有成分とを含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ基含有成分がグリシジルメタクリレートをも含有する請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記水酸化アルミニウム複合体中の水酸化アルミニウム含有率が40〜70質量%である請求項1または2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記水酸化アルミニウム複合体は、中心粒子径が1〜150nmである水酸化アルミニウム粒子を前記リン酸エステルで表面処理してなるものである請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. エポキシ樹脂組成物中の水酸化アルミニウム含有量が、前記水酸化アルミニウム複合体および前記エポキシ基含有成分の総量100質量部に対して3〜20質量部である請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を重合反応させることを特徴とする硬化物の製造方法。
  7. 前記重合反応を塊状重合法により行う請求項6記載の硬化物の製造方法。
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