JP2010132089A - 作業車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】操縦部内の広い範囲から容易、かつ迅速にデフロック操作を可能とした、作業性、操作性および安全性を向上させた作業車両を提供する。
【解決手段】操作軸34L,34Rをロックアーム32の両端部に取付けるとともに、操作部36L,36Rは、操作軸34L,34Rを介して、運転席7の両外側方近傍に設置する。また、左右(両)操作部36L,36Rは、全長に亘って操作部材39を備える連結軸38で連結するとともに、連結軸38は、運転席7やフロア10の形状に沿って設け、両操作部36L,36Rは、フロア10内に収納可能に設置する。
【選択図】図5

Description

本発明は、操縦部の運転席近傍にデフロック操作部材の操作部を備える作業車両に関するものであり、より詳細には、操作軸をロックアームの両端部に取付けるとともに、操作部は、操作軸を介して、運転席の両外側方近傍に設置する作業車両に関する。
従来、トラクタなどの作業車両には、例えば、ミッションケース内において、差動ギア機構の差動を停止するためのデフロック機構を設置する側と同じ側に、無段変速機を配置し、ミッションケース内部の余剰スペースを利用して無段変速機をコンパクトに配置できるとともに、差動ギア機構またはデフロック機構の設置が制限されることなく、ミッションケースを小型化または軽量化でき、組み立ておよび分解などの作業性が向上して製造コストを低減できるもの(例えば、特許文献1など)がある。
特開2006ー76450号公報
しかし、このような作業車両では、車両操縦部の後部における、運転席の一側方であって、運転席近傍のフロア上に、ミッションケース内の差動機構に備えるデフロック機構に連係するデフロック操作部材におけるペダルなどの操作部が配設されており、操縦部のオペレータがデフロック操作を行う際、所定の1箇所に備えるペダルを操作するために、わざわざ体勢を変えたり、その都度ペダル位置を確認することが多く、迅速にデフロック操作が行えないなど作業性や操作性が悪いという問題があった。また、上記デフロック操作部材のペダルが、運転席近傍のフロア上方に突設されているため、オペレータがこのペダルにつまづき易く、転倒してしまう恐れがあった。
そこで、この発明の目的は、操縦部内の広い範囲から容易、かつ迅速にデフロック操作を可能とした、作業性、操作性および安全性を向上させた作業車両を提供することにある。
このため、請求項1に記載の発明は、機体の中央近傍に運転席を備える操縦部を配置し、前記操縦部の前部であって、ステアリングコラム下方、かつフロア上には、クラッチ操作部材およびブレーキ操作部材を配設するとともに、前記操縦部の後部であって、前記運転席近傍のフロア上に、ミッションケース内の差動機構をデフロックする、ロックアームおよび操作軸からなるデフロック機構の前記操作軸と連係するデフロック操作部材の操作部を配設する作業車両において、前記操作軸を前記ロックアームの両端部に取付けるとともに、前記操作部は、前記操作軸を介して、前記運転席の両外側方近傍に設置することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記両操作部は、全長に亘って操作部材を備える連結軸で連結するとともに、前記連結軸は、前記運転席や前記フロアの形状に沿って設けることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記両操作部は、前記フロア内に収納可能に設置することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、機体の中央近傍に運転席を備える操縦部を配置し、操縦部の前部であって、ステアリングコラム下方、かつフロア上には、クラッチ操作部材およびブレーキ操作部材を配設するとともに、操縦部の後部であって、運転席近傍のフロア上に、ミッションケース内の差動機構をデフロックする、ロックアームおよび操作軸からなるデフロック機構の操作軸と連係するデフロック操作部材の操作部を配設する作業車両において、操作軸をロックアームの両端部に取付けるとともに、操作部は、操作軸を介して、運転席の両外側方近傍に設置するので、操縦部のオペレータは、両足のいずれか一方で操作部を操作して、容易、かつ迅速にデフロック操作を行うことができる。従って、作業性および操作性を向上させた作業車両を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、両操作部は、全長に亘って操作部材を備える連結軸で連結するとともに、連結軸は、運転席やフロアの形状に沿って設けるので、両操作部間の連結軸におけるどの位置からでも連結軸の操作部材を操作することにより、デフロック操作を迅速、かつ容易に行うことができるほか、シート下部における前方のオペレータが操作し易い位置に連結軸を設置することができる。従って、作業性および操作性を向上させた作業車両を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、両操作部は、フロア内に収納可能に設置するので、フロア上に突設した操作部材を、必要時にフロア内に収納でき、オペレータが操作部につまずくことなく、オペレータの転倒を防止することができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明を実施するための最良の形態について詳述する。
図1は本発明の一実施例に係るホイール式トラクタの左側面図、図2は同トラクタの平面図である。なお、図に例示したトラクタは、ロプス仕様のホイール式トラクタに限定されず、キャビン仕様や、クローラ式などであってもよい。
この例のホイール式のトラクタ1は、前輪2および後輪3を備え、前輪2の上方であって車体フレーム10上にボンネット4を形成し、その内側には原動機部としてのエンジン5を配置するとともに、このエンジン5の後方には順にクラッチハウジング9および後述するミッションケース21が備えられる。
そして、ボンネット4の後方には、操縦部8が設けられ、この操縦部8の前部であって、ハンドル6を備えるステアリングコラム18の下方、かつフロア10上には、クラッチペダルなどのクラッチ操作部材16およびブレーキペダルなどのブレーキ操作部材17を配設するとともに、この操縦部8の後部に運転席7などが設けられる。なお、符号11は、機体後部に設けられたロプスフレームである。
前記シート7は、後輪3の上方であって、前部を下方に屈曲させた形状の左右フェンダ12間に配置される。この左右フェンダ12は、例えば、副変速レバーやPTOレバーなどの各種操作レバー13の下部を内設し、それら操作レバー13の上部を、上面に形成されている前後方向に長い溝穴を有するレバー溝14から突出させる左右操作レバーガイド15が備えられる。
次に、本願発明の特徴である、デフロック操作部材について、その具体的構成を説明する。図3はミッションケースの断面平面図、図4はデフロック機構の構造図、図5はデフロック機構の主要部を示す斜視図、図6は操作部を連結した操作軸を示すシート前部周辺の斜視図、図7は操作部の収納を模式的に示すフロアと操作部の斜視図である。
まず、図3に示すように、ミッションケース21内の後部には、デフロック機構22を備える差動機構23が設置される。これは、入力軸24に伝達されたエンジン5の動力が、差動機構23を介して左右出力軸25に伝達される際、この差動機構23に、図示しない旋回用HST機構を介して連係されるハンドル6などの操向により差動機構23が差動し、左右出力軸25を差動回転させて車両を円滑に旋回(直進)させるものである。
また、デフロック機構22は、後述するデフロック操作部材37を介して操作部36に連係するもので、差動ギヤケース26の一側に配置され、差動ギヤケース26の他側にリングギヤ27がボルトなどで締結される。そして、差動ギヤケース26の外側端部は、ベアリング軸受28により、ミッションケース21に固定された軸受ホルダ29に軸受される。
さらにデフロック機構22は、図4に示すように、差動機構23を内臓する差動ギヤケース26に出入自在に設けられたロックピン30や、このロックピン30の一端が固定されたスライダ31、スライダ31が係合するロックアーム32、ロックアーム32が弾性体33などを介して摺動自在に支持される操作軸34などから構成される。そして、デフロック機構22における操作軸34の一端部には、アーム35と、ペダルなどの操作部36とからなるデフロック操作部材37が取付けられる。なお、ロックアーム32の形状は、図4に示すような二股に限定されず、図5に示すような1本のアームであってもよい。
そして、例えば、左右一方の車輪が、路面や圃場の状況により、石に乗り上げて浮き上がったり、滑り易い泥濘にはまって空回りする荷重がかからない状態になったとき、接地側の車輪には、差動機構23により駆動力が伝達されなくなり、車両を前後進させることができなくなる。
そこで、このような場合、オペレータが操作部36を足で踏むなどして、操作部36を下方に回動させると、クランク機構となっている、アーム35、操作軸34およびロックアーム32を介して、スライダ31を差動ギヤケース26側に摺動させ、ロックピン30を差動ギヤケース26内の差動機構23を構成する差動ギアgと嵌合させることにより、差動機構23の作動を停止(デフロック)させ、接地側の車輪に動力が伝達されるため、車両を動かすことができる。
また、オペレータが足を操作部36から離すと、弾性体33の付勢により操作軸34およびロックアーム32などを介してスライダ31が元の位置に摺動されるため、差動機構23を構成する差動ギアgからロックピン30が離れて、デフロックが解除される構成とされる。なお、上述した差動機構23およびデフロック機構22は、周知技術であるため、それらの構成および作用の詳細な説明は省略する。
本願発明では、このデフロック機構22を介して差動機構23のデフロック操作を行う操作部36を、運転席7の左右外側方近傍に設置して、容易、かつ迅速にデフロック機構22を操作できるようにしたものである。
本願発明のデフロック機構22は、図4〜5に示すように、左右操作軸34L,34Rがロックアーム32に、左右弾性体33L,33Rなどを介して、操縦部8の機体左右幅の範囲内でロックアーム32に左右対称に取付けられる。
さらに、左右操作軸34L,34Rのそれぞれの外側端部には、アーム35L,35Rと、ペダルなどの操作部36L,36Rとからなる左右デフロック操作部37L,37Rが取付けられ、それぞれの操作部36L,36Rは、図1に示すような、運転席7の両外側方近傍位置であって、フロア10から上方に向けて突設させる。
つまり、ロックアーム32の左右側方に同一のクランク機構を設け、左右いずれか一方の操作部36L,36Rの操作を介して、操作軸34L,34Rの回転によりロックアーム32が差動ギヤケース26側に摺動される、もしくは差動ギヤケース26側とは反対側に摺動される構成とする。
このような、左右操作部36L,36Rが、デフロック機構22の回動自在な左右操作軸34L,34Rを介して、運転席7の両外側方近傍に設置する構成とするため、操縦部8のオペレータは、例えば、運転席7に着座もしくは起立して車両を運転中に、急にデフロック操作が必要となった場合、従来のように1箇所のみ設置した操作部の位置を探す手間がなく、両足のいずれか一方で左右いずれかの操作部36L,36Rを踏んで操作部36L,36Rを回動操作することができる。
この結果、左右アーム35L,35R、左右操作軸34L,34Rおよびロックアーム32を介して、これらクランク機構により、スライダ31を差動ギヤケース26側に摺動させ、ロックピン30を差動ギヤケース26内の差動ギアgと嵌合させることにより、差動機構23の作動を停止させてデフロックを行うことができる。従って、オペレータは、容易、かつ迅速にデフロック機構22の操作を行うことができる。
なお、上述したように、オペレータが左右いずれかの操作部36L,36Rから足を離すことで、左右弾性体33L,33Rの付勢により左右操作軸34L,34Rおよびロックアーム32などを介してスライダ31が元の位置に摺動されるため、差動ギアgからロックピン30が離れて、デフロックが解除される構成とされる。
次に、運転席7の両外側方近傍に設置した上述の左右操作部36L,36Rを連結させて、左右操作部36L,36R以外の位置からでもデフロック操作を可能にすることもできる。この場合、図6に示すように、例えば、運転席7前方のフロア10上であって、左右操作部36L,36Rには、この左右操作部36L,36Rを回動可能に連結した連結軸38が取付けられる。
この連結軸38は、例えば、円筒形や四角筒形など筒状の金属製からなる、運転席7の前部やフロア10の形状に沿った形状を有するものであり、運転席7やフロア10に接触しないように設けられる。そして、連結軸38のそれぞれの端部が、左右操作部36L,36Rそれぞれの内側端部に溶接やボルト締結などで固定される。
さらに、設置した連結軸38の車両左右方向の全長に亘り、車両前方に向けて、足を載置できる程度の、金属などからなる板状の操作部材39(長ペダル)が、連結軸38の前部に溶接などで取付けられる。これにより、操作部材39をどの位置からでも足で踏むことにより、左右操作部36L,36Rが回動するため、左右アーム35L,35Rおよび左右操作軸34L,34Rを介してデフロック機構22を作動もしくは停止させることが可能となる。
このような構成にすることで、オペレータは、例えば、運転席7に着座もしくは起立して車両を運転中に、急にデフロック操作が必要となった場合、上述したように運転席7の左右側方に設置した左右操作部36L,36Rのいずれかで操作が行えることはもちろん、操作部材39におけるどの位置からでも操作部材39を踏むことにより連結軸38を介して左右操作部36L,36Rを回動させ、迅速、かつ容易にデフロック操作を行うことができる。
また、連結軸38が、フロア10や運転席7前部に沿った形状を有するため、運転席7前方のステーなどによる凹凸部分や段差などを有するフロア10上であって、運転席7と、着座したオペレータの足との間の狭い空間に連結軸38を効率よくコンパクトに設置することができる。
次に、左右操作部36L,36Rをフロア10内に収納することもできる。この場合、例えば図7に示すように、左右アーム35L,35Rは、この左右アーム35L,35Rの中途部に設けらたヒンジ部40を介して、左右アーム35L,35Rの前部が車両前後方向に回動可能とされる。従って、左右アーム35L,35Rそれぞれ後部における左右2本のアームステー41の前部が、ヒンジ部40を介して左右アーム35L,35Rの前部を挟装する構成とされる。なお、左右操作部36L,36Rが位置するフロア10の穴部hは、回動の際、左右操作部36L,36Rが接触しない程度の大きさとする。
また、図示しないが、ヒンジ部40の近傍であって、左右アーム35L,35R前部の後端部および左右アーム35L,35R後部の前端部には、左右アーム35L,35R前部の係止部が設けられる。この左右アーム35L,35R前部の係止方法は限定されるものではないが、例えば、左右アーム35L,35R前部に設けたレールに、左右アーム35L,35R後部に固定したピンを移動自在に嵌合させ、左右アーム35L,35R前部の回動により、左右アーム35L,35R前部が、左右アーム35L,35R後部と略直線になった位置(左右アーム35L,35Rのデフロック操作位置)で、前記ピンが前記レール端部に当接することで、左右アーム35L,35R前部が係止される構成にすることができる。
以上のような構成にすることで、通常は、左右アーム35L,35R前部が、左右アーム35L,35R後部と略直線になった位置(左右アーム35L,35Rのデフロック操作位置)で係止されているため、オペレータは、左右操作部36L,36Rを踏んでデフロック操作を行うことができる。
そして、例えば、停車時など、デフロック操作を必要としないときには、オペレータが左右アーム35L,35R前部をヒンジ部40を中心として車両後方側に回動させて、左右アーム35L,35R前部をフロア10の穴部内に収納させることにより、オペレータは、フロア10上の運転席7近傍に突設した左右操作部36L,36Rにつまずき、転倒などすることなく、フロア10上で安心して作業を行うことができる。
以上詳述したように、この例のトラクタ1は、機体の中央近傍に運転席7を備える操縦部8を配置し、操縦部8の前部であって、ステアリングコラム18下方、かつフロア10上には、クラッチ操作部材16およびブレーキ操作部材17を配設するとともに、操縦部8の後部であって、運転席7近傍のフロア10上に、ミッションケース21内の差動機構23をデフロックする、ロックアーム32および操作軸34からなるデフロック機構22の操作軸34と連係するデフロック操作部材37の操作部36を配設する作業車両において、操作軸34L,34Rをロックアーム32の両端部に取付けるとともに、操作部36L,36Rは、操作軸34L,34Rを介して、運転席7の両外側方近傍に設置するものである。
加えて、左右(両)操作部36L,36Rは、全長に亘って操作部材39を備える連結軸38で連結するとともに、連結軸38は、運転席7やフロア10の形状に沿って設ける。また、両操作部36L,36Rは、フロア10内に収納可能に設置する。
また、上述の例では、作業車両の一例としてホイール式トラクタ(農作業機)について説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、クローラ式トラクタや、農作業機としてのコンバインなど、また、建設作業機として、バックホーやブルトーザなど、さらには除雪車など、車両の操縦部にデフロック操作部材の操作部を備えたあらゆる作業車両に適用することができる。
本発明の一実施例に係るクローラ式トラクタの左側面図である。 同トラクタの平面図である。 ミッションケースの断面平面図である。 デフロック機構の構造図である。 デフロック機構の主要部を示す斜視図である。 操作部を連結した操作軸を示すシート前部周辺の斜視図である。 操作部の収納を模式的に示すフロアと操作部の斜視図である。
符号の説明
7 運転席
8 操縦部
10 フロア
16 クラッチ操作部材
17 ブレーキ操作部材
22 デフロック機構
32 ロックアーム
34 操作軸
36 操作部
37 デフロック操作部材
38 連結軸
39 操作部材

Claims (3)

  1. 機体の中央近傍に運転席を備える操縦部を配置し、
    前記操縦部の前部であって、ステアリングコラム下方、かつフロア上には、クラッチ操作部材およびブレーキ操作部材を配設するとともに、
    前記操縦部の後部であって、前記運転席近傍のフロア上に、ミッションケース内の差動機構をデフロックする、ロックアームおよび操作軸からなるデフロック機構の前記操作軸と連係するデフロック操作部材の操作部を配設する作業車両において、
    前記操作軸を前記ロックアームの両端部に取付けるとともに、
    前記操作部は、前記操作軸を介して、前記運転席の両外側方近傍に設置することを特徴とする作業車両。
  2. 前記両操作部は、全長に亘って操作部材を備える連結軸で連結するとともに、前記連結軸は、前記運転席や前記フロアの形状に沿って設けることを特徴とする、請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記両操作部は、前記フロア内に収納可能に設置することを特徴とする、請求項1に記載の作業車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018201384A (ja) * 2017-06-01 2018-12-27 株式会社クボタ 乗用作業車

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