JP2010131852A - カッター付きプリンタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】、着脱ユニット4が装着ポジションから非装着ポジションへ可動刃32のスライド方向に沿って回動する一方、可動刃フレーム33がホームポジションから離間ポジションへ可動刃32のスライド方向に直交する方向に回動し、両刃32,11が直交する方向に退避することを特徴とする。
【選択図】図9
Description
クラムシェル型のサーマルプリンタは、例えば特許文献1に示されるように、可動刃を有する本体ユニットと、固定刃を有する着脱ユニットとを備え、両ユニットが可動刃のスライド方向に直交する方向に回動可能に構成され、本体ユニットの回動時に本体ユニットが着脱ユニットを押圧しながら切断位置まで移動する構成が知られている。
この場合、上述したカッター機構のうち一体型構造にあっては、可動刃を手動でスライドさせる解除用のノブ等を設け、このノブを操作して可動刃を強制的に後退させてトラブル前の状態に復帰させる必要がある。そのため、可動刃の復帰作業が煩雑であり、ユーザに負担がかかるという問題がある。
一方、上述した特許文献1のようなクラムシェル型構造にあっては、可動刃が途中で停止した場合には、可動刃が固定刃の上面側から被さった状態となるため、本体ユニットと着脱ユニットとを回動しようとしても、固定刃が可動刃に接触して着脱ユニットを解放できないという問題がある。したがって、着脱ユニットを解放させるには、上述した一体型の場合と同様に可動刃を手動で後退させる必要である。
本発明に係るカッター付きプリンタは、記録紙に印刷を行った後、前記記録紙を切断するカッター付きプリンタであって、前記カッターは、前記記録紙の通路面を挟んで対向配置された固定刃及び可動刃を備え、前記可動刃は、前記固定刃に向かってスライドし、前記記録紙を前記固定刃との間に挟み込んで切断しうるように形成され、前記可動刃をスライド可能に支持する可動刃フレームと、印字ヘッド及びプラテンローラのうち一方が支持された本体フレームと、前記可動刃フレームが前記本体フレームに組み込まれて構成される本体ユニットと、前記固定刃が組み込まれるとともに、前記印字ヘッド及び前記プラテンローラのうち他方が支持され、前記本体ユニットに対して着脱可能に設けられた着脱ユニットとを備え、前記着脱ユニットは、前記本体ユニットに装着された状態の装着ポジションから前記本体ユニットから取り外された状態の非装着ポジションへと、前記可動刃のスライド方向に沿って移動可能に形成され、前記可動刃フレームは、前記本体フレームに組み込まれたホームポジションから前記本体フレームに対して離間する離間ポジションへ、前記可動刃のスライド方向に垂直な方向に沿って移動可能に形成されることを特徴としている。
これにより、可動刃と固定刃とがそれぞれ直交する方向に退避することになるため、紙ジャム等が生じた場合に、万が一可動刃がスライド途中で停止し、両刃の退避が困難な場合であっても、両刃の退避時において両刃が接触して干渉することがなく、また記録紙を噛み込んだまま両刃が退避することもない。その結果、両刃間の接触圧を容易に解除して、両刃間での噛み込みを速やかに解除することができる。その後、両刃間で噛み込んだ記録紙を取り除くことで、紙ジャムの復帰作業を容易に行うことができる。なお、異物混入や誤作動等により可動刃が停止してしまった場合も、同様の作業により復帰作業を行うことができる。
したがって、紙ジャム等によって可動刃がスライド途中で停止するトラブルが発生した場合であっても、簡単にトラブル前の状態に復帰させることができるため、開閉扉が開かなくなる状態を防ぐことができる。その結果、操作性を向上させることができ、ユーザへの負担を軽減することができる。また、従来のように可動刃を強制移動させるノブ等を別体で設ける必要がないので、製造コストを低減することもできる。
この構成によれば、可動刃の離間ポジションで歯車輪列機構とラックとの噛合が解除されることで、可動刃を初期位置まで容易に戻すことができるため、速やかに可動刃の復帰作業を行うことができる。しかも、可動刃フレームの移動動作と同時に歯車伝達機構とラックとの噛合を解除させることができるため、歯車伝達機構とラックとの噛合解除レバー等を別体で設ける必要がないので、製造コストを低減した上で、操作性をより向上させることができる。
この構成によれば、可動刃が固定刃と離間する方向に付勢されているため、ラックと歯車輪列機構との噛合が解除された時点(退避ポジション)で、可動刃が自動的に初期位置まで退避することになる。そのため、可動刃フレームを退避ポジションに移動させるのみの簡単な操作で、可動刃の復帰作業も行うことができるので、操作性を向上させてユーザに対する負担を軽減させることができる。
この構成によれば、可動刃フレームが離間ポジションに向けて付勢されているため、可動刃フレームがホームポジションから解除された後、自動的に離間ポジションへと移動させることができる。そのため、可動刃の復帰作業をより簡単に行うことができ、操作性を向上させることができる。
この構成によれば、筐体にストッパが形成されているため、可動刃フレームの離間ポジションにおいて、可動刃フレームから可動刃の突出を防止することができる。
この構成によれば、装着ポジションにおいて、第1凹部及び第2凹部の第1規制部及び第2規制部によって、シャフト及びロックピンの移動がそれぞれ規制された状態で、着脱ユニットが本体フレームに装着されることになる。これにより、着脱ユニットを本体フレームに安定して保持させることができる。しかも、着脱ユニットの取り外し時には、レバー部材をシャフト回りに回動させるのみで、第2規制部によるロックピンの規制が解除されて第2凹部から脱出する。これにより、着脱ユニットと本体フレームとのロックが解除されて、本体フレームから着脱ユニットを簡単に取り外すことができる。
この構成によれば、着脱ユニットに設けられたシャフトが、可動刃フレームの第3凹部内でシャフトに係合されるため、着脱ユニットを本体フレーム及び可動刃フレームに安定して保持させることができる。
特に、可動刃フレームを離間ポジションに向けて付勢した場合には、ガイド部によりシャフトを第1凹部内の一方に寄せることが可能になり、着脱ユニットと可動刃フレームとの間の位置決めが確実に行われるので、固定刃に対して可動刃を適切な位置に配置させることができる。すなわち、固定刃によって可動刃を適度な接触圧で圧接した状態で保持することができるため、両刃による安定した切断動作を行うことができ、切断精度を向上させることができる。
この構成によれば、可動刃フレームがホームポジションに向けて付勢されているため、可動刃フレームがホームポジションにある場合に、本体フレームに対して可動刃フレームをガタツキなく、安定して保持させることができる。
この構成によれば、着脱ユニットに設けられた係合ピンが、凹部とフック部との間で挟まれた状態で係合されるため、本体フレーム及び可動刃フレームに対する着脱ユニットの位置決めを確実に行った上で、着脱ユニットを本体フレーム及び可動刃フレームに安定して保持させることができる。すなわち、可動刃によって固定刃を適度な接触圧で圧接した状態で保持することができるため、両刃による安定した切断動作を行うことができ、印字精度及び切断精度を向上させることができる。
この構成によれば、本体フレームと可動刃フレームとの間に紙粉溜まり部が設けられているため、記録紙の切断時に発生する紙粉は、切断動作や可動刃フレームがホームポジションと離間ポジションを移動する際の衝撃等によって下方に落ち、紙粉溜まり部に収容される。そのため、可動刃フレームと本体フレームとの間に紙粉が溜まることがないので、メンテナンス性を向上させることができる。その結果、可動刃のスライド動作等を妨げる虞がなく、また可動刃に紙粉が付着して、記録紙の切断精度が低下することもないので、両刃による安定した切断動作を行うことができる。
この構成によれば、ホームポジションの状態において、可動刃の導入部が固定刃に乗り上げるように配置されることで、従来のように導入部にガイド用の曲げを形成することなく、両刃が適度な接触圧で接することになる。したがって、曲げを形成するための製造コストを低減することができる。
これにより、可動刃と固定刃とがそれぞれ直交する方向に退避することになるため、紙ジャム等が生じた場合に、万が一可動刃がスライド途中で停止し、両刃の退避が困難な場合であっても、両刃の退避時において両刃が接触して干渉することがなく、また記録紙を噛み込んだまま両刃が退避することもない。その結果、両刃間の接触圧を容易に解除して、両刃間での噛み込みを速やかに解除することができる。その後、両刃間で噛み込んだ記録紙を取り除くことで、紙ジャムの復帰作業を容易に行うことができる。なお、異物混入や誤作動等により可動刃が停止してしまった場合も、同様の作業により復帰作業を行うことができる。
したがって、紙ジャム等によって可動刃がスライド途中で停止するトラブルが発生した場合であっても、簡単にトラブル前の状態に復帰させることができるため、開閉扉が開かなくなる状態を防ぐことができる。その結果、操作性を向上させることができ、ユーザへの負担を軽減することができる。また、従来のように可動刃を強制移動させるノブ等を別体で設ける必要がないので、製造コストを低減することもできる。
(サーマルプリンタ)
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、カッター付きプリンタの一例として、サーマルプリンタを例に挙げて説明する。図1,2はサーマルプリンタを示す断面図であって、図1は開閉扉が閉じている状態を、図2は開閉扉が開いている状態を示している。なお、以下の説明では、FRは前方を、LHは左方を、UPは上方をそれぞれ示す。
図1,2に示すように、サーマルプリンタ1は、ロール紙Rから引き出された記録紙Pに印刷を行った後、この記録紙Pを適宜切断して、チケットやレシート等として利用することができる、いわゆるクラムシェル型のプリンタである。すなわちサーマルプリンタ1は、ケーシング(筐体)2と、ケーシング2に対して開閉可能に設けられた開閉扉6と、ケーシング2内に組み込まれた本体ユニット3と、開閉扉6に組み付けられた着脱ユニット4とで主に構成されている。
図3は本体ユニットと着脱ユニットの装着時を示す斜視図であり、図4は非装着時をしめす分解斜視図である。また、図5は、図3のA部の拡大側面図である。また、図6は図3のB−B線に沿う断面図であり、図7はカッター機構の平面図である。なお、図3〜6においては説明を分かりやすくするため、上述したケーシング2や開閉扉6の記載を省略する。
図2〜7に示すように、着脱ユニット4は、開閉扉6の前側の内面に組み付けられており、開閉扉6とともに移動して本体ユニット3に対して着脱可能とされている。この着脱ユニット4は、固定刃11と、サーマルヘッド(図2参照)10と、サーマルヘッド10を固定するヘッド支持フレーム17と、ヘッド支持フレーム17及び固定刃11を保持する固定刃フレーム12と、固定刃フレーム12を支持し、着脱ユニット4を開閉扉6に固定するための取付フレーム13とで主に構成されている。
サーマルヘッド10は、ヘッド支持フレーム17の裏面(上面)と固定刃フレーム12の下面との間に設けられたコイルバネ等の付勢手段22(図2参照)によってプラテンローラ30側(下方)に向けて付勢された状態となっている。これにより、プラテンローラ30によって送り出される記録紙Pに対して、サーマルヘッド10を確実に押し付けることができ、良好な印刷が可能とされている。
図8は図6の状態から着脱ユニットを外した状態の断面図である。
図2〜8に示すように、本体ユニット3は、プラテンローラ30と、可動刃32と、可動刃32をスライド可能に支持する可動刃フレーム33と、これらプラテンローラ30、可動刃32、及び可動刃フレーム33を支持する本体フレーム34とで主に構成されている。
本体フレーム34は、金属等のプレートや樹脂等の成形品により構成された箱型形状のものであり、その上面34aが記録紙Pの通過面となっており、この上面34aに記録紙Pの紙面裏面を向けた状態で、かつ上面34aの左右方向と記録紙Pの幅方向とを一致させた状態で、記録紙Pが搬送される。
可動刃フレーム33の側壁38の下部には、側壁38の角部が切り欠かれた嵌合部45が形成され、この嵌合部45に、本体フレーム34の側部プレート35から突出した連結ピン46が嵌合されている。そして、可動刃フレーム33は、この連結ピン46を中心にして本体フレーム34に対して回動可能に構成されている。具体的には、可動刃フレーム33は、その前壁37と本体フレーム34の前面とが接近離間する方向、すなわち可動刃32のスライド方向に直交する方向(記録紙Pの搬送方向に沿う方向)に回動可能に構成されている。この場合、可動刃フレーム33の一端位置(本体フレーム34に最も接近した位置:図1,3,5,6)が、可動刃フレーム33のホームポジションとなっており、可動刃フレーム33の他端位置(本体フレーム34から最も離間した位置:図2,4参照)が、可動刃フレーム33の離間ポジションとなっている。なお、可動刃フレーム33と本体フレーム34との間には、可動刃フレーム33を離間ポジションへ付勢するコイルバネ等の付勢手段47(図1参照)が設けられている。
ここで、着脱ユニット4は、ラッチ機構によって本体ユニット3(可動刃フレーム33及び本体フレーム34)に対して着脱可能に構成されている。
まず図4,5,8に示すように、本体フレーム34の両側部プレート35は、本体フレーム34の上面34aより上下方向に沿って突出しており、その前部上端縁には高さ方向に切り欠かれたそれぞれ一対の第1凹部50及び第2凹部51が形成されている。
第1凹部50は、上述したレバー部材26のガイド軸28を収容して保持するためのものであり、その内周縁には側部プレート35の上端縁から斜め前方に向けて切り欠かれた第1傾斜部50aと、第1傾斜部50aの先端から下方に向かって切り欠かれた第1ガイド部50bと、第1ガイド部50bの先端から後方に向けて切り欠かれ、ガイド軸28を収容する収容部50cと、収容部50cから斜め前方に向けて形成された第2傾斜部50dと、第2傾斜部50dの先端から上方に延びて第1ガイド部50bよりも短く形成された第2ガイド部50eとで構成されている。そして、収容部50cと第1ガイド部50bとの境界部分には、収容部50c内で保持されたガイド軸28の上方への移動を規制する規制部(第1規制部)50fが形成されている。
次に、上述したサーマルプリンタの作動方法について説明する。
まず、図2に示すように、開閉扉6を開けた状態でロール紙Rを投入口2aからケーシング2内に投入する。この際、予め記録紙Pをケーシング2の外側に、ある程度の長さだけ引き出しておく。そして、引き出した記録紙Pをケーシング2の外側に引き出した状態のまま、開閉扉6を閉めて上述したラッチ機構により開閉扉6をロックする。これにより、記録紙Pは、図1に示すように、プラテンローラ30とサーマルヘッド10との間に挟まれた状態になるとともに、排出口2cからケーシング2の外側に引き出された状態となる。
図9,10は、本実施形態の作用を説明するための説明図であり、図9は図3のA部に相当する拡大側面図であり、図10は拡大断面図である。また、図11は、開閉扉を開けた状態(図11(a))から閉じた状態(図11(c))における開閉扉の動作に伴うカッター機構の配置関係を示す説明図である。
ここで、上述したラッチ機構の動作について説明する。
まず図9(a),10(a)に示すように、開閉扉6を開けた状態では、着脱ユニット4は非装着ポジションにあるとともに、可動刃フレーム33は本体フレーム34から離間した離間ポジションにある。すなわち、可動刃ホルダ40のラック41と本体フレーム33の第3歯車44cとの噛合は解除されているとともに、可動刃32の刃先32aと定刃11の刃先11aとは接触していない(図11(a)参照)。
着脱ユニット4を本体ユニット3に装着させるには、開閉扉6を介して着脱ユニット4を下方に向けて押下する。すると、レバー部材26を支持するガイド軸28の外周面が第1凹部50の第1傾斜部50aに接触し、この第1傾斜部50a上をガイド軸28が滑り落ちて行く。
ところで、記録紙の切断時等において、ロール紙から送り出される記録紙を、可動刃と固定刃との間で噛み込んでしまうことにより紙ジャムが生じると、可動刃がスライド途中で停止するトラブルが発生する可能性がある。この場合、トラブル前の状態に復帰させるために着脱ユニットを回動しようとしても、可動刃が固定刃に接触して着脱ユニットを解放できないという問題があり、紙ジャムを解除するためには、可動刃をノブ等により手動で強制移動させる必要があるため、復帰作業が煩雑である。
その後、操作部31をそのまま上方へ持ち上げることで開閉扉6(図1参照)を開くことができ、着脱ユニット4が本体ユニット3から大きく離間して可動刃32と固定刃11との間で噛み込んだ記録紙Pを取り除くことができる。
一方、図9(b)、10(b)に示すように、ラッチ機構のロックが外れると可動刃フレーム33は、連結ピン46を中心にして記録紙Pの搬送方向、すなわち可動刃32のスライド方向に直交する方向に向かって回動する。そのため、図11(c)〜図11(a)に示すように、可動刃フレーム33内で保持された可動刃32の刃先32は、可動刃フレーム33の回動方向と同様に、前方に向けて下方に傾斜するような軌跡を描く。
この構成によれば、可動刃32と固定刃11とがそれぞれ直交する方向に退避することになり、着脱ユニット4及び可動刃フレーム33の回動時には、両刃32,11間の接触圧が速やかに解除される。
そのため、紙ジャム等が生じた場合に、可動刃32と固定刃11とがそれぞれ直交する方向に退避することになるため、万が一可動刃32がスライド途中で停止し、両刃32,11の退避が困難な場合であっても、両刃32,11の退避時において両刃32,11が接触して干渉することがなく、また記録紙Pを噛み込んだまま両刃32,11が退避することもない。その結果、可動刃フレーム33を離間ポジションに、着脱ユニット4を非装着ポジションに容易に移動させ、両刃32,11間での噛み込みを速やかに解除することができる。その後、両刃32,11間で噛み込んだ記録紙Pを取り除くことで、紙ジャムの復帰作業を容易に行うことができる。なお、異物混入や誤作動等により可動刃32が停止してしまった場合も、同様の作業により復帰作業を行うことができる。したがって、紙ジャム等によって可動刃32がスライド途中で停止するトラブルが発生した場合であっても、可動刃32を簡単にトラブル前の状態に復帰させることができるため、開閉扉6が開かなくなる状態を防ぐことができる。
この場合、レバー部材26を引き倒したまま上方に持ち上げることで、両刃32,11の分離、ラッチ機構の解除及び開閉扉6の開動作を一旦に行うことができる。すなわち、これらの動作をワンタッチで行うことができるため、操作性を向上させることができる。
したがって、可動刃32を簡単に復帰させて操作性を向上させることができ、ユーザへの負担を軽減することができるとともに、従来のように可動刃32を強制移動させるノブ等を別体で設ける必要がないので、製造コストを低減することもできる。
さらに、可動刃フレーム33が付勢手段47(図1参照)により離間ポジションに向けて付勢されているため、可動刃フレーム33と着脱ユニット4との係合が解除された後、これに連動して自動的に可動刃フレーム33を離間ポジションへと移動させることができる。そのため、可動刃32の復帰作業をより簡単に行うことができる。
さらに、着脱ユニット4に設けられたガイド軸28が、可動刃フレーム33の第3凹部54に係合されるため、着脱ユニット4を本体ユニット3に安定して保持させることができる。特に、可動刃フレーム33を付勢手段47により離間ポジションに向けて付勢した場合には、上述したように着脱ユニット4と可動刃フレーム33との間の位置決めが確実に行われるので、固定刃11に対して可動刃32を適切な位置に配置させることができる。すなわち、固定刃11によって可動刃32を適度な接触圧で圧接した状態で保持することができるため、両刃32,11による安定した切断動作を行うことができ、切断精度を向上させることができる。
次に、図12,13に基づいて本発明の第2実施形態について説明する。図12は、第2実施形態における図3のA部に相当する拡大側面図である。本実施形態では、可動刃フレームがホームポジション側に向けて付勢されている点、及び着脱ユニットと本体ユニットとのラッチ機構の構成について、上述した第1実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については、同様の符号を付して説明する。
一方、本体ユニット103の本体フレーム134には、両側部プレート135の上部周縁に一対の凹部150が形成されている。凹部150は、着脱ユニット104の装着時に上述した係合ピン128を収容するものであり、両側部プレート135の上部周縁から下方に向かって切欠き形成されている。
次に、本実施形態の紙ジャムの解除方法について説明する。図13は第2実施形態の作用を説明するための説明図である。
本実施形態では、紙ジャムにより可動刃32が途中で停止してしまったら、図13(a)に示すように、まず操作レバーを操作して可動刃フレーム133を前方に引き倒すように、すなわち可動刃32のスライド方向に直交する方向に回動させる。すると、フック部153のストッパ部153aが前方に退避することにより、ストッパ部153aと係合ピン128との係合が解除される。この時、サーマルヘッド10(図1参照)は付勢手段22によって所定のヘッド圧でプラテンローラ30に押し付けられているため、このヘッド圧の反力により着脱ユニット104は上方、すなわち可動刃32のスライド方向に沿って持ち上げられる。そして、着脱ユニット104が上方に持ち上げられると、係合ピン128が凹部150内で上方に持ち上がり、ストッパ部153aとガイド部153bとの境界部分を乗り越える。
なお、上述の実施形態では、可動刃フレーム133に操作レバーを設ける場合について説明したが、固定刃フレーム112側に操作レバーを設け、この操作レバーの操作に連動して可動刃フレーム133を可動刃32のスライド方向に直交させる方向に回動させるように構成しても構わない。
次に、図14,15に基づいて本発明の第3実施形態について説明する。図14は、第3実施形態における図3のA部に相当する拡大側面図である。本実施形態では、着脱ユニットと本体ユニットとのラッチ機構の構成について、上述した第2実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した第1,2実施形態と同様の構成については、同様の符号を付して説明する。
図14に示すように、本体ユニット203の本体フレーム234には、両側部プレート235の上部に一対の係合ピン255が形成されている。係合ピン255は、側部プレート235の前後方向中央部の上部周縁からそれぞれ左右方向に突出している。
操作部211は、フレーム13の左右方向亘って延出する板状の部材であり、前方に向けて上方に傾斜した状態で配置されている。操作部211の両端からは、それぞれ下方に向けて延出する一対の延出部212が形成されている。この延出部212には、その長手方向(上下方向)中央部から厚さ方向(左右方向)に沿って回動ピン215が挿通されている。回動ピン215は、レバー部材210とフレーム13の側面14とを連結してレバー部材210を回動可能に支持するものであり、操作部211を操作することにより、レバー部材210は回動ピン215を中心にして記録紙Pの搬送方向に沿って回動可能に構成されている。
次に、本実施形態の紙ジャムの解除方法について説明する。図15は第3実施形態の作用を説明するための説明図である。
本実施形態では、紙ジャムにより可動刃32が途中で停止してしまったら、図15(a)に示すように、まずレバー部材210の操作部211を後方に引き倒して、係合部213と係合ピン255との係合を解除する。そして、レバー部材210を引き倒した状態で操作部211を上方に持ち上げると、着脱ユニット204が回動し、係合ピン128がフック部253の第1傾斜部253上を摺動しながら上方に持ち上がる。すると、可動刃フレーム233は、係合ピン128によって前方に向けて押し倒されるように回動するため、本体フレーム234から最も離間した離間ポジションに移動するとともに、可動刃ホルダ40のラック41(ともに図6参照)と第3歯車44c(図6参照)との噛合が解除される。これにより、可動刃32が付勢手段に付勢され、可動刃フレーム233内の初期位置まで退避する。
例えば、上記実施形態では、カッター付きプリンタの一例としてサーマルプリンタ1を例に挙げて説明したが、サーマルプリンタ1に限定されるものではない。例えば、印字ヘッドをインクジェットヘッドとし、インク滴を利用して引き出された記録紙Pを印刷するインクジェットプリンタであっても構わない。また、上記実施形態では、ロール紙Rを投入して単に載置台2b上に置くドロップイン方式のサーマルプリンタ1を例に挙げたが、この方式ではなく、ケーシング2の内部にロール紙Rを軸支(回転可能に支持)する軸支機構を設けた軸支式のサーマルプリンタとしても構わない。
図16に示すように、本体ユニット303の本体フレーム334と可動刃フレーム33との間には、左右方向に沿って紙粉シュート300が設けられている。具体的には、紙粉シュート300は、本体フレーム334の前面334b(可動刃フレーム33における前壁37との対向面)における下部には、前面334bの厚さ方向に貫通する貫通孔301が形成されている。貫通孔301は、後方に向かうにつれ下方に傾斜しており、一端が本体フレーム334の前面334bに開口する一方、他端が本体フレーム334の下部に形成されたスペースに向けて開口している。すなわち、貫通孔301は、可動刃フレーム33と本体フレーム334との間で飛散したり、溜まったりしている紙粉の排出口として機能している。
そして、ガイド板302と本体フレーム334の前面334bとの間には、上方に開口した紙粉受け部(紙粉溜まり部)310が形成されている。この紙粉受け部310は、ガイド板302に案内された紙粉を収容するものであり、収容した紙粉は貫通孔301を通って排出される。
また、可動刃フレームのホームポジションから離間ポジションまでの回動量は適宜設計変更が可能である。例えば、可動刃フレームの回動量を大きく確保することで、可動刃フレームが離間ポジションにある場合に、本体フレームと可動刃フレームとの間が大きく開口するため、メンテナンス時等において可動刃フレーム内の作業が行いやすくなる。
Claims (11)
- 記録紙に印刷を行った後、前記記録紙を切断するカッター付きプリンタであって、
前記カッターは、前記記録紙の通路面を挟んで対向配置された固定刃及び可動刃を備え、
前記可動刃は、前記固定刃に向かってスライドし、前記記録紙を前記固定刃との間に挟み込んで切断しうるように形成され、
前記可動刃をスライド可能に支持する可動刃フレームと、
印字ヘッド及びプラテンローラのうち一方が支持された本体フレームと、
前記可動刃フレームが前記本体フレームに組み込まれて構成される本体ユニットと、
前記固定刃が組み込まれるとともに、前記印字ヘッド及び前記プラテンローラのうち他方が支持され、前記本体ユニットに対して着脱可能に設けられた着脱ユニットとを備え、
前記着脱ユニットは、前記本体ユニットに装着された状態の装着ポジションから前記本体ユニットから取り外された状態の非装着ポジションへと、前記可動刃のスライド方向に沿って移動可能に形成され、
前記可動刃フレームは、前記本体フレームに組み込まれたホームポジションから前記本体フレームに対して離間する離間ポジションへ、前記可動刃のスライド方向に垂直な方向に沿って移動可能に形成されることを特徴とするカッター付きプリンタ。 - 前記可動刃と一体的に設けられたラックと、
前記本体フレームに設けられ、前記可動刃をスライドさせる駆動手段と、
前記駆動手段の駆動力を前記ラックに伝達する歯車輪列機構とを備え、
前記可動刃フレームの前記ホームポジションにおいて、前記歯車輪列機構と前記ラックとが噛合される一方、
前記可動刃フレームの前記離間ポジションにおいて、前記歯車輪列機構と前記ラックとの噛合が解除されることを特徴とする請求項1記載のカッター付きプリンタ。 - 前記可動刃と前記可動刃フレームとの間には、前記固定刃に対して前記可動刃を離間させる方向に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項2記載のカッター付きプリンタ。
- 前記可動刃フレームと前記本体フレームとの間には、前記可動刃フレームを前記離間ポジションへと付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のカッター付きプリンタ。
- 前記本体ユニットは、前記記録紙が収納される開口部を有する筐体に組み込まれ、
前記筐体には、前記可動刃フレームの前記離間ポジションにおいて、前記可動刃の前記可動刃フレームからの突出を抑えるストッパが形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のカッター付きプリンタ。 - 前記着脱ユニットには、シャフトのまわりを回動可能なレバー部材が設けられ、
前記レバー部材には、前記固定刃の幅方向に沿って突出するロックピンが形成され、
前記本体フレームは、前記着脱ユニットが前記装着ポジションにある状態で前記シャフトを収容する第1凹部と、
前記着脱ユニットが前記装着ポジションにある状態で前記ロックピンを収容する第2凹部とを備え、
前記第1凹部の内周縁には、前記着脱ユニットが前記装着ポジションの状態で、前記シャフトの移動を規制する第1規制部が形成され、
前記第2凹部の内周縁には、前記着脱ユニットが前記装着ポジションにある状態で前記ロックピンの移動を規制する第2規制部が形成され、
前記第2規制部は、前記レバー部材が前記シャフトまわりに回動したときに前記ロックピンが前記第2凹部から脱出しうるように形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5記載の何れか1項に記載のカッター付きプリンタ。 - 前記可動刃フレームには、前記ホームポジションの状態で、前記本体フレームの前記第1凹部とともに前記シャフトと係合する第3凹部が形成され、
前記第3凹部の内周縁には、前記着脱ユニットが前記装着ポジションに移動する際に前記可動刃フレームが前記ホームポジションに移動するように前記シャフトをガイドし、前記可動刃フレームが前記離間ポジションに移動する際に前記着脱ユニットが前記非装着ポジションに移動するように前記シャフトガイドするガイド部が形成されていることを特徴とする請求項6記載のカッター付きプリンタ。 - 前記可動刃フレームと前記本体フレームとの間には、前記可動刃フレームを前記ホームポジションへと付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のカッター付きプリンタ。
- 前記着脱ユニットには、前記固定刃の幅方向に突出する係合ピンが設けられる一方、
前記本体フレームには、前記着脱ユニットが前記装着ポジションにある状態で前記係合ピンを収容する凹部が形成され、
前記可動刃フレームには、前記ホームポジションの状態で、前記凹部との間で前記係合ピンを係合するフック部が形成されていることを特徴とする請求項8記載のカッター付きプリンタ。 - 前記可動刃フレームと前記本体フレームとの間には、前記記録紙の切断時に発生する紙粉を回収する紙粉溜まり部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項9の何れか1項に記載のカッター付きプリンタ。
- 前記可動刃フレームを前記ホームポジションに移動させたときに、前記可動刃の幅方向端部から突出形成された導入部が、前記固定刃に乗り上げるようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項10の何れか1項に記載のカッター付きプリンタ。
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