JP2010129748A - 半導体ウェーハの評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2種類の入射角を有する入射系と、2種類の検出角を有する検出系とを備えたレーザー表面検査装置を用いて半導体ウェーハ表面のLPDを測定し、該測定されたLPDを前記半導体ウェーハ表面の結晶欠陥と前記半導体ウェーハ表面上の異物とに分類する際に、従来の低角度入射・低角度検出と低角度入射・高角度検出、または、高角度入射・低角度検出と高角度入射・高角度検出の検出サイズ比率を利用した判定に加え、入射系と検出系が異なる低角度入射・低角度検出と高角度入射・高角度検出の比率も考慮して欠陥の分類を行う。また、各測定モードでの検出感度の設定を所定の一定比率とする。
【選択図】図1
Description
一方、特許文献3に記載の技術は、COP等の凹状欠陥と異物の分類を対象としており、特許文献1と同様の分類に加え、入射角が異なる信号検出の有無での判定を追加し精度を向上している。
但し、上記特許文献2、3に記載の技術は、共に入射方式が異なる信号の強度比による判定をしていないため、分離精度が悪い。また、なだらかな凸形状欠陥(PID)は想定していない。
(1)DWNモードでのLPDサイズとDNNモードでのLPDサイズの比率
(2)DWOモードでのLPDサイズとDNOモードでのLPDサイズの比率
(3)DWOモードでのLPDサイズとDNNモードでのLPDサイズの比率
また、各々の測定モード毎で検出されたLPDが結晶欠陥か異物かをDWNモードでのLPDサイズとDNNモードでのLDPサイズの比率・DWOモードでのLPDサイズとDNOモードでのLPDサイズの比率・DWOモードでのLPDサイズとDNNモードでのLPDサイズの比率の3つの比率を用いて評価することによって、LPDの検出漏れを抑制するばかりでなく、3つの比率を用いて結晶欠陥と異物の判定を行っているため、高精度に結晶欠陥と異物を区別することができる。
これらの効果によって、高精度・高感度で半導体ウェーハ表面の結晶欠陥と異物を区別して評価することができる。
また、レーザー表面検査装置のみで評価できるため、短時間で評価を終えることができ、検査効率を向上させることができる。
上述のようにすることによって、より高い精度で結晶欠陥と異物の判定を行うことができ、よってより判定ミスの少ない半導体ウェーハの評価方法とすることができる。
このように本発明の半導体ウェーハの評価方法は結晶欠陥と異物を高感度・高精度で区別することができるものであるため、近年着目されている微少な凸形状の結晶欠陥であるPIDと異物の区別に用いることが好適である。
本発明で用いるレーザー表面検査装置は、2種類の入射系と、2種類の検出系とを備えている。
そして、2種類の入射系のうちのウェーハに対して高角度側を高角度入射(Normal)、もう一方を低角度入射(Oblique)とする。また、2種類の検出系のうちのウェーハに対して高角度側を高角度検出(Narrow)、もう一方を低角度検出(Wide)とする。この関係を表1にまとめておく。
DWOは、斜めの照射光から楕円形ミラーによって集束された散乱光を搬送する経路を表す。そして、DNOは、斜めの照射光からレンズ集束器によって集束された散乱光を搬送する経路を表す。
更に、同一のウェーハについて、SEM等の他の評価装置を用いて検出されたLPDの同点観察を行い、各LPDの実体を確認し、PIDと異物とに分類する。
その際、同点観察により分類したPIDと異物とを別々の形状でプロットすると、図2(a)、(b)のような相関関係が求められる。図2(a)はDWNモードでのLPDサイズとDNNモードでのLDPサイズの関係を示したグラフ、図2(b)はDWOモードでのLPDサイズとDNOモードでのLPDサイズの関係を示したグラフである。
このようにして求めた検出サイズ比をレーザー表面検査装置の演算装置に予め組み込んでおけば、そのサイズ比より大の場合は異物、小の場合はPIDと自動的に分類することができる。
またこのような従来の評価方法で、PIDと異物の正解率(実体観察による結果との適合率)について確認したところ、後述する表2、3に記載したように、91.5%と67.1%という低い値となっていることが判明した。
尚、DWNモードでのLDPサイズとDNOモードでのLPDサイズの関係についても図3(b)に示したが、PIDと異物の分離ができないことが判った。
以下、その考察を実験および本発明の半導体ウェーハの評価方法について説明する。
この2つの手法は、検出下限値をサイズの大きい方に合わせるか、小さい方に合わせるかの相違点はあるが、検出下限の交点を判断基準となる直線上に一致させること、すなわち、直線の傾きに応じて一方の検出下限値を設定することにおいて共通するものである。
すなわち、評価精度と感度の向上を両立させるためには、DWOモードとDNOモード、DWNモードとDNNモード、DWOモードとDNNモードのそれぞれにおいて、検出下限値の交点を判断基準となる直線上に一致させる必要があるが、この際、この3つの関係から、4通りの各検出方法における検出下限値の比(SWN:SNN:SWO:SNO)を決定することができる。ここでDWNモードでの検出下限値をSWN、DNNモードでの検出下限値をSNN、DWOモードでの検出下限値をSWO、DNOモードでの検出下限値をSNOとする。
まず、図2(a)に示すようなDWNモードとDNNモードの関係のグラフからPIDと異物を分離する直線の傾き(0.97)を得る。つまり、SWN/SNN=0.97となる。
次に、図2(b)に示すようなDWOモードとDNOモードの関係のグラフからPIDと異物を分離する直線の傾き(0.83)を得る。つまり、SWO/SNO=0.83となる。
更に、図3(a)に示すようなDWOモードとDNNモードの関係のグラフからPIDと異物を分離する直線の傾き(0.77)を得る。つまり、SWO/SNN=0.77となる。
そして上記3つの関係から、4通りの検出下限値の比率を(SWN:SNN:SWO:SNO=1.26:1.30:1.00:1.20)のように定めることができ、この比率を用いて算出することができる。
この際、各測定モードにおいてノイズとの分離が可能な最小サイズをそれぞれTWN,TNN,TWO,TNOとしたとき、例えば以下の2通りの設定方法がある。
その他には、TWN/1.26,TNN/1.30,TWO/1.00,TNO/1.20の中で、最小値となる下限値サイズを基準にして、前記比率で4つの下限値を設定することができる。この方法は、図5(b)に示したような、検出下限値をサイズの小さい方に合わせる方法である。
また、図5(b)に示したように、DWOモードの検出下限0.038μmを基準として、DNOモードの検出下限を0.0475μmに設定することで誤判定領域はなくなる。しかしこの場合、DNOモードでの測定において、検出下限以下の0.060μm未満の領域は、ノイズに起因した擬似欠陥が多数含まれてしまう。
そこで、DNOモードでの測定で0.060μm未満となった欠陥については、他のモード(DWO,DWN,DNN)と共通で検出されたものを実欠陥としてデータに含め、単独で検出されたものは擬似欠陥としてデータから除外することが望ましい。
また、DWN、DWO、DNOモードのときには検出されず、DNNモードのみで検出されたLPDについては、DNNモードのみしか検出されていないので同様に該当条件はないが、DWO,DWN(非検出)をサイズ0とみなし、条件(3)と条件(1)よりPIDと判定することができる。但し、DNNの検出サイズがノイズとの分離が可能な下限値(0.060μm)より小さい場合は擬似欠陥と判断してデータを除外することが望ましい。
その他の場合についても、例えば上記表5のようにして判定を行うことができる。
2種類の入射系と2種類の検出系を有するレーザー表面検査装置を用いて測定された半導体ウェーハ表面のLPDを結晶欠陥と異物とに分類する際に、高角度入射・低角度検出(DWN)、高角度入射・高角度検出(DNN)、低角度入射・低角度検出(DWO)、低角度入射・高角度検出(DNO)の4通りの測定モードで同一半導体ウェーハの表面のLPDを測定し、これら4通りの各測定モードにおける検出下限値を所定の比率で設定した後にLPDの測定を行うこととする。
そして、各々の測定モード毎で検出されたLPDが結晶欠陥か異物かをDWNモードでのLPDサイズとDNNモードでのLDPサイズの比率、DWOモードでのLPDサイズとDNOモードでのLPDサイズの比率、DWOモードでのLPDサイズとDNNモードでのLPDサイズの比率の3つの比率を用いて評価する。
また、DWNモードでのLPDサイズとDNNモードでのLDPサイズの比率・DWOモードでのLPDサイズとDNOモードでのLPDサイズの比率・DWOモードでのLPDサイズとDNNモードでのLPDサイズの比率の3つの比率を用いて各々の測定モード毎で検出されたLPDが結晶欠陥か異物かを評価することによって、従来に比べて高精度に結晶欠陥と異物を区別することができる。
そしてこのような半導体ウェーハの評価方法によれば、従来に比べて高感度且つ高精度に結晶欠陥と異物を区別することができる半導体ウェーハの評価方法を提供することができ、また実際の判定に際してはレーザー表面検査装置での測定を行うことのみで結晶欠陥と異物を区別することができるため、短時間で区別を行うことができる。
そして、その判定を用いてLPDについてDWNモードでのLPDサイズとDNNモードでのLDPサイズ、DWOモードでのLPDサイズとDNOモードでのLPDサイズ、DWOモードでのLPDサイズとDNNモードでのLPDサイズの関係を結晶欠陥と異物を区別してグラフに各々プロットして、DWN/DNN、DWO/DNO、DWO/DNNの関係での結晶欠陥と異物を分離する直線とその傾きを求め、その傾きから所定の比率を算出することによって求めることができる。
このようにすることで、より高精度且つ高感度に結晶欠陥と異物を区別することができる。
(実施例)
直径300mm、方位<100>のシリコン単結晶からなるNPCウェーハ(鏡面研磨ウェーハ)の表面に存在するPIDと異物とを分類するため、KLAテンコール社製のSP2を用いて、DWN、DNN、DWO、DNOの各測定モードで予備NPCウェーハの表面のLPDの測定を行った。また同一予備ウェーハに対してSEMによる同点観察を行ってLPDの実体を観察し、図2(a)、図2(b)、図3(a)のようなグラフを作成した。
そして、これらの値を図2(a)、図2(b)、図3(a)に示した関係から算出した4通りの検出下限値の比率である(SWN:SNN:SWO:SNO=1.26:1.30:1.00:1.20)を用いて、それぞれ1.26、1.30、1.00、1.20で割った値の中で最小値となるDWOの測定モードを基準とし、測定の前に、各測定モードの検出下限値として下記の表6の通り設定した。
また、同一のNPCウェーハに対してSEMによる同点観察を行い、LPDの実体を観察し、先に判定したSP2の結果と比較した。その結果を表7に示した。
Claims (3)
- 2種類の入射角を有する入射系と、2種類の検出角を有する検出系とを備えたレーザー表面検査装置を用いて半導体ウェーハ表面のLPDを測定し、該測定されたLPDを前記半導体ウェーハ表面の結晶欠陥と前記半導体ウェーハ表面上の異物とに分類する方法であって、
前記レーザー表面検査装置の前記2種類の入射系のうちの高角度側を高角度入射、もう一方を低角度入射とし、前記2種類の検出系のうちの高角度側を高角度検出、もう一方を低角度検出とし、
前記高角度入射・前記低角度検出(DWN)、前記高角度入射・前記高角度検出(DNN)、前記低角度入射・前記低角度検出(DWO)、前記低角度入射・前記高角度検出(DNO)の4通りの測定モードで同一半導体ウェーハの表面のLPDを測定し、
該LPDの測定の際に、前記4通りの各測定モードにおける検出下限値を所定の比率で設定した後に前記LPDの測定を行い、
前記各々の測定モード毎で検出されたLPDが結晶欠陥か異物かを下記(1)〜(3)の比率を用いて評価することを特徴とする半導体ウェーハの評価方法。
(1)DWNモードでのLPDサイズとDNNモードでのLPDサイズの比率
(2)DWOモードでのLPDサイズとDNOモードでのLPDサイズの比率
(3)DWOモードでのLPDサイズとDNNモードでのLPDサイズの比率 - 前記所定の比率は、
予め予備の半導体ウェーハに対して前記4通りの測定モードでLPDの測定を行い、前記同一予備半導体ウェーハに対してSEM観察を行って結晶欠陥と異物とを分類し、
前記SEMでの観察結果から前記LPDが結晶欠陥か異物かを判定し、該判定を用いて前記LPDについてDWNモードでのLPDサイズとDNNモードでのLDPサイズ、DWOモードでのLPDサイズとDNOモードでのLPDサイズ、DWOモードでのLPDサイズとDNNモードでのLPDサイズの関係を結晶欠陥と異物を区別してグラフに各々プロットして、DWN/DNN、DWO/DNO、DWO/DNNの関係での結晶欠陥と異物を分離する直線とその傾きを求め、該傾きから前記所定の比率を算出することによって求めることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェーハの評価方法。 - 前記結晶欠陥がPIDであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの評価方法。
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