JP2010129597A - 散布図におけるデータ点の分布領域描画方法及び散布図におけるデータ点の分布領域描画プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対になった2つの変数をもつ複数のデータを選択するその散布図の領域をデータ点の分布領域を横切る1本又は互いに平行な複数本の分割用直線によって2つ以上の領域に分割する。分割領域ごとに分割用直線が延びる2方向でそれぞれ最も外側に位置するデータ点をデータ点分布の代表点として選定する。それらの代表点を結線して分布領域表示線を描画する。
【選択図】図1
Description
また、散布図において、各データ点を層別する情報がある場合などは、データ点を表す印の色や形を変えて表現することで、1つの散布図に複数の層のデータ点の分布を表現することもできる。
しかし、1つの散布図に表示する層の数が多く、データ点も多い場合、データ点を表す印は重なり合い、各層における分布の特徴の認識が困難であった。
また、複数の層を表示した散布図ではなくても、図自体が小さくなるとデータ点を表す印も小さくなり、分布の特徴の認識が困難になる。
このような不具合を克服するために層ごとに確率楕円を描画する方法もあるが、確率楕円は実際の分布を精度よく表現するものではない。
ここで、散布図とは、対になった2つの変数をもつデータを用い、2つの変数の値を平面上の座標の縦軸と横軸にとり、2つ以上のデータを点として表したものを言う。散布図は相関図とも呼ばれる。
また、データ点の分布領域とは、散布図上で各データ点のすべてを線で結んだときの外周の線及びその内側の領域と定義する。
ここで、上記分割用直線と上記第2分割用直線は互いに直交している例を挙げることができる。ただし、分割用直線と第2分割用直線は互いに直交していなくてもよい。
さらに、上記分割用直線は散布図の一方の座標軸と平行に設定され、上記第2分割用直線は散布図の他方の座標軸と平行に設定される例を挙げることができる。
ここで、上記分割用直線と上記第3分割用直線とが成す角度に限定はないが、その角度は90度に近いことが好ましく、より好ましくは上記分割用直線と上記第3分割用直線は互いに直交している状態である。
また、上記第3分割用直線は上記複数のデータ点の回帰直線である例を挙げることができる。
ここで、上記分布代表点選定ステップ及び上記分布領域描画ステップは、上記グループ設定ステップが設定したグループのうち一番多くのデータ点を含むグループについてのみ処理を行なうようにしてもよい。
また、データ点の分布状態と分割領域の設定具合によっては、1つの分割領域内にデータ点が1つしか存在しない場合がある。この場合、その分割領域が端の分割領域であれば、そのデータ点の座標を代表点として扱ってよい。しかし、その分割領域が端の分割領域でなければ、その分割領域の代表点はないものとして処理を行なうことが好ましい。
ここで、分割用直線と第2分割用直線は互いに直交しているようにすれば、データ点の分布領域をより適切に表現することができる。
さらに、分割用直線は散布図の一方の座標軸と平行に設定され、第2分割用直線は散布図の他方の座標軸と平行に設定されるようにすれば、各データ点の座標値に基づいて各データ点がいずれの分割領域に属するのかを容易に分別でき、さらに、各データ点の座標値を比較することによって簡単な処理で代表点候補及び代表点を選定することができる。
そこで、上記第3分割用直線は上記複数のデータ点の回帰直線であるようにすれば、データ点の存在しない分割領域の発生を低減することができる。なお、第3分割用直線として回帰直線を用いる場合、データの存在しない分割領域が発生したときに、上述のように対向する分割領域のデータ点を用いてデータ点の存在しない分割領域に対応する代表点を選定してもよいが、データの存在しない分割領域は代表点なしとして扱った方がより適切な分布領域表示線を描画できる。
さらに、上記分布代表点選定ステップ及び上記分布領域描画ステップは、上記グループ設定ステップが設定したグループのうち一番多くのデータ点を含むグループについてのみ処理を行なうようにすれば、全体のデータ点分布に対して異常な分布と思われる異常データの点を除いた分布領域表示線を描画することができる。
この実施例において、本発明の分布領域描画方法における「分割用直線が延びる2方向」は図3中の白抜き矢印で示した2方向である。この実施例ではY軸座標のプラス方向とマイナス方向と同一である。また、本発明の分布領域描画方法における「分割領域内のデータ点のうち分割用直線が延びる2方向でそれぞれ最も外側に位置するデータ点」は分割領域内のデータ点のうちY軸座標について最大値をもつデータ点とY軸座標について最小値をもつデータ点が該当する。
例えば、まず、第1のデータ点のX軸座標値に基づいて、そのデータ点が属する分割領域を求める。そのデータ点の座標をそのデータ点が属する分割領域における最大値側代表点候補として記憶する。次のデータ点が属する分割領域を求める。そのデータ点が属する分割領域に既に最大値側代表点候補がある場合は、そのデータ点のY軸座標値と、代表点候補のY軸座標値とを比較する。そのデータ点のY軸座標値が最大値側代表点候補のY軸座標値よりも大きいときは、そのデータ点の座標をそのデータ点が属する分割領域における新たな最大値側代表点候補として記憶する。また、そのデータ点のY軸座標値が最大値側代表点候補のY軸座標値よりも小さいときは、最大値側代表点候補の情報はそのままにしておく。また、そのデータ点のY軸座標値が最大値側代表点候補のY軸座標値と等しいときは、そのデータ点の座標をそのデータ点が属する分割領域における最大値側代表点候補、もとの最大値側代表点候補の情報もそのまま記憶しておく。そのデータ点が属する分割領域に最大値側代表点候補がまだない場合は、そのデータ点が属する分割領域における最大値側代表点候補として記憶する。その後、すべてのデータ点について上記と同様の処理を繰り返し、各分割領域における最大値側代表点候補を求める。すべてのデータ点について処理が終わった後、各分割領域における代表点候補を最大値側代表点として記憶する。最小値側代表点の選定についても同様の処理を行なう。最小値側代表点の選定は、最大値側代表点の選定とはデータ点のY軸座標値の大小関係の比較を逆にして同等の処理を行なえばよい。
例えば、第1のデータ点をそのデータ点が属する分割領域における最大値側代表点候補又は最小値側代表点候補とし、次のデータ点について代表点候補のデータ点とのY軸座標値の比較により一方を最大値側代表点候補とし、他方を最小値側代表点候補とした後、さらに次のデータ点について最大値側代表点候補のデータ点及び最小値側代表点候補のデータ点とのY軸座標値を比較することによって最大値側代表点及び最小値側代表点を求めるようにしてもよい。
また、各データ点を分割領域に基づいてグループ分けして、分割領域ごとに各データ点のY軸座標値を比較して代表点とするようにしてもよい。
また、データ点のない分割領域は代表点がないものとして以後の処理を行なってもよい。
このように本発明の分布領域描画方法はデータ点分布領域を線で囲んで表現することができる。
分割領域X1の最大値側の第1代表点候補として求めたデータ点が代表点となっていれば起点とし、なっていなければ、起点として分割領域X2から順に分割領域X8へ最大値側の第1代表点候補であり代表点となっているデータ点を探す。起点が決まれば、起点となる代表点が属する分割領域Xa(aは2〜8の自然数)から順に分割領域X8側へ最大値側の第1代表点候補であり代表点となっているデータ点を探し、起点から順に結線する。次に分割領域X8から分割領域X1へ最小値側の第1代表点候補であり代表点になっているデータ点を探し、順に結線し、最後に起点を結線して分布領域表示線の描画を完成する。分布領域表示線は代表点を直線で結線したものでもよいが、図7に示すように代表点を通る滑らかな曲線を描画することが好ましい。
なお、データ点の分布状態と分割領域の設定具合によっては、Y軸方向での分割領域X1〜X8、又はX軸方向での分割領域Y1〜Y8にデータ点が1つしか存在しない場合がある。その場合、1つのデータ点しか存在しない分割領域について、そのデータ点を最大値側、最小値側のいずれの代表点候補としてもよい。
また、分割用直線と第2分割用直線は互いに直交していなくてもよい。さらに、分割用直線と第2分割用直線の一方又は両方は、散布図の座標軸に対して平行に設定されなくてもよい。
このように、この実施例によってもデータ点分布領域を線で囲んで表現することができる。
図8のフローチャートのステップS24で、分割領域A1〜A12ごとに、第3分割用直線L3より最長の距離となるデータ点を代表点として求め、さらにデータ点のない分割領域A1,A2,A7に対する代表点を求める。分割領域A1〜A12ごと代表点を求める処理と、データ点のない分割領域A1,A2,A7に対する代表点を求める処理はどちらが先であってもよい。
分割領域A2にはデータ点がなく、第3分割用直線L3を挟んで分割領域A2に対向する分割領域A11に2つ以上のデータ点があるので、分割領域A11のデータ点のうち第3分割用直線L3に最も近いデータ点T2を分割領域A2の代表点として選定する。
分割領域A7にはデータ点がなく、第3分割用直線L3を挟んで分割領域A7に対向する分割領域A6に2つ以上のデータ点があるので、分割領域A6のデータ点のうち第3分割用直線L3に最も近いデータ点T3を分割領域A1の代表点として選定する。
図12に、図2のデータを点として表した散布図にデータ点の分布領域を12分割するための分割用直線及び回帰直線と分布領域表示線を図示した図を示す。
ここでは、散布図のX軸についてデータ点の分布領域の最大値と最小値を求め、その最大値と最小値の回帰直線上に代表点T4,T5(+印参照)を追加した。データ点の分布領域の輪郭を表す分布領域表示線が交差しないようにするには、分割領域A1、A2、・・・、A5、A6、代表点T4、A7、A8、・・・、A11、A12、代表点T5の順で各代表点を通過する線を描画する等がある。
なお、散布図のY軸についてデータ点の分布領域の最大値と最小値を求め、その最大値と最小値の回帰直線上の点に代表点を追加してもよい。
図14は、図12の代表点に回帰直線上の代表点を追加し、かつ端の分割領域の代表点を無視して分布領域表示線を描画した図である。
図14では、回帰直線上の代表点T4,T5を追加し、端の分割領域A1,A6,A7,A12の代表点を無視して分布領域表示線を描画している。図14で分割領域A1,A6,A7,A12の代表点は、代表点でないデータ点と同様に黒塗りの丸印で示している。なお、分割領域A1,A6,A7,A12で代表点を求める処理をしてもよいし、しなくてもよい。
半導体装置製造プロセスではウエハと呼ばれるシリコン基板上にマトリックス状にチップと呼ばれる半導体装置が形成される。半導体装置製造プロセスにおけるウエハテスト工程は、ウエハ上の各チップに対して電気的な検査を行ない、予め定めた電気的基準を満たしているチップと満たしていないチップを分別する工程である。一般的に、予め定めた電気的基準を満たしているチップは良品チップと呼ばれ、基準を満たしていないチップは不良チップと呼ばれる。
ウエハ1にチップがマトリクス状に配列されている。各チップはX座標情報とY座標情報によってウエハ1上での位置が明確になっている。良品チップ3は無印で示されている。不良チップ5は斜線で示されている。
不良チップを減少するための活動として、まず、不良チップの分布状況の把握を行なう。特に不良チップが集中的に分布している場合、不良チップ減少対策の糸口を見つけられることが多い。
また、半導体装置製造プロセスには、ウエハ上の異物や欠陥を測定する工程がある。これらの工程の情報もXY座標情報で表されるものであり、本発明の分布領域描画方法を用いて異物や欠陥の分布を表現することが可能である。
図24に示すように、属性Z1,Z2のデータ点の分布領域が重なっている場合、属性Z1,Z2のデータ点の分布領域はわかりにくい。
図25を見ると分かるように、属性Z1,Z2ごとに分布領域表示線を求めることにより、属性Z1,Z2のデータ点の分布領域が分かりやすくなる。
図26において、数値データB,Cのデータ点の分布領域が重なっているので、数値データB,Cのデータ点の分布領域はわかりにくい。
このように、本発明の分布領域描画方法は2つ以上の層のデータ点を重ねて1つの散布図に表現する際に特に有効である。
例えば、図7に示した代表点に対して、図28に示すように、各代表点から他のすべての代表点に線を結んで分布領域表示線を描画してもよい。この場合でも、データ点の分布領域の輪郭を適切に表現することができる。図28では代表点と代表点を直線で結んでいるが、分布領域表示線の輪郭を現す線は図7と同様に曲線であってもよい。
例えば、各実施例の説明において描画された散布図を用いたが、本発明の各ステップにおいて描画済みの散布図が必要なわけではない。すなわち、対になった2つの変数をもつ複数のデータがあれば各ステップの処理を行なえる。
また、各実施例の説明において、描画された散布図に領域を分割するための分割用直線を図示したが、本発明の各ステップにおいて、分割用直線の図示も必ずしも必要ではない。
また、本発明において、分割領域の数に限定はない。また、分割領域の大きさは均等でなくてもよい。
L1 分割用直線
L2 第2分割用直線
L3 第3分割用直線
T1〜T3 データ点のない分割領域に対する代表点
T4,T5 回帰直線上の代表点
1 ウエハ
3 良品チップ
5 不良チップ
7 不良グループ
Claims (15)
- 対になった2つの変数をもつ複数のデータに対して、その散布図の領域をデータ点の分布領域を横切る1本又は互いに平行な複数本の分割用直線によって2つ以上の領域に分割し、分割領域ごとに分割領域内のデータ点のうち前記分割用直線が延びる2方向でそれぞれ最も外側に位置するデータ点をデータ点分布の代表点として選定する分布代表点選定ステップと、
前記代表点を結線して分布領域表示線を描画する分布領域描画ステップと、を含んだ散布図におけるデータ点の分布領域描画方法。 - 前記分布領域描画ステップは、前記代表点を前記分布領域表示線が交差しない順番に結線して前記分布領域表示線を描画する請求項1に記載の分布領域描画方法。
- 前記分布代表点選定ステップは、散布図の一方の座標軸と平行に前記分割用直線を設定して分割領域ごとに他方の座標軸の座標値について最大値をもつデータ点と最小値をもつデータ点を前記代表点として選定する請求項1又は2に記載の分布領域描画方法。
- 前記分布代表点選定ステップは、分割領域ごとに分割領域内のデータ点のうち前記分割用直線が延びる2方向でそれぞれ最も外側に位置するデータ点をデータ点分布の代表点候補として選定した後、前記分割用直線に交差し、かつデータ点の分布領域を横切る1本又は互いに平行な複数本の第2分割用直線によって、散布図の領域を2つ以上の領域に分割したときの各分割領域で分割領域内のデータ点のうち前記第2分割用直線が延びる2方向でそれぞれ最も外側に位置するデータ点であり、かつ前記代表点候補であるデータ点を前記代表点として選定する請求項1又は2に記載の分布領域描画方法。
- 前記分割用直線と前記第2分割用直線は互いに直交している請求項4に記載の分布領域描画方法。
- 前記分割用直線は散布図の一方の座標軸と平行に設定され、前記第2分割用直線は散布図の他方の座標軸と平行に設定される請求項5に記載の分布領域描画方法。
- 前記分布代表点選定ステップは、前記分割用直線に交差し、かつ前記データ点の分布領域を横切る第3分割用直線と前記分割用直線とによって散布図の領域を分割し、分割領域ごとに前記第3分割用直線から最も離れたデータ点を前記代表点として選定する請求項1又は2に記載の分布領域描画方法。
- 前記分割用直線と前記第3分割用直線は互いに直交している請求項7に記載の分布領域描画方法。
- 前記分布代表点選定ステップは、前記第3分割用直線を挟んで対向する2つの分割領域のうち一方にデータ点がなく、他方に2つ以上のデータ点がある場合に、その2つ以上のデータ点がある分割領域のデータ点のうち前記第3分割用直線に最も近いデータ点をデータ点のない分割領域の代表点として選定する請求項7又は8に記載の分布領域描画方法。
- 前記第3分割用直線は前記複数のデータ点の回帰直線である請求項7から9のいずれか一項に記載の分布領域描画方法。
- 前記分布代表点選定ステップは、散布図の2つの座標軸のいずれか一方の座標軸について前記複数のデータ点の分布領域の最大値と最小値を求め、その最大値と最小値の前記複数のデータ点の回帰直線上の点に代表点を追加する請求項1から10のいずれか一項に記載の分布領域描画方法。
- 前記分布代表点選定ステップの前に、前記複数のデータ点について相互間距離を求め、予め定められた距離しきい値以下の相互間距離をもつデータ点同士をグループ化するグループ設定ステップを含み、
前記グループ設定ステップが設定したグループごとに前記分布代表点選定ステップ及び前記分布領域描画ステップを行なう請求項1から11のいずれか一項に記載の分布領域描画方法。 - 前記分布代表点選定ステップ及び前記分布領域描画ステップは、前記グループ設定ステップが設定したグループのうち一番多くのデータ点を含むグループについてのみ処理を行なう請求項12に記載の分布領域描画方法。
- 前記分布領域描画ステップは、前記分布領域表示線の輪郭が所定範囲だけ広がる方向に前記代表点に対して仮想代表点を設定し、前記仮想代表点を結線して分布領域表示線を描画する請求項1から13のいずれか一項に記載の分布領域描画方法。
- 請求項1から14のいずれか一項に記載の各ステップをコンピュータに実行させるための、散布図におけるデータ点の分布領域描画プログラム。
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