JP2010129483A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】アノードガスの加湿を行い得る燃料電池システムを提供する。
【解決手段】電解質膜をアノードとカソードとで挟んで構成される単位燃料電池セルを複数積層したセルスタック(2)と、アノードから排出されるアノードガスに含まれる水蒸気の凝縮水をセルスタックの外部で溜める水貯留手段(71)と、セルスタック内部のアノードガス流路の圧力が加圧される過程と減圧される過程とを繰り返すようにアノードに燃料ガスを供給するアノードデッドエンド運転を行う手段と、水貯留手段(71)と、セルスタックのアノードガス出口との間にあって加圧される過程でアノードガスに含まれる水蒸気を吸着し、減圧される過程で吸着した水蒸気を脱離する水保持手段(75)と、を備える。
【選択図】図9

Description

この発明は燃料電池システム、特に反応ガスの加湿方法に関する。
反応ガスの加湿手段として、MEAの反応エリア(アクティブエリア)の外側に触媒層を持たない電解質層のみからなる部位(加湿エリア)を設け、一方のガス流路出口の水を電解質層を介して他方のガス流路入口に移動させることで反応ガスを加湿する、いわゆるセル内部加湿方法を提案するものがある(特許文献1参照)。
特開2008−97891号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術によれば、低負荷運転時にカソードガスの出口側の相対湿度が極めて低下しているため、MEAのアクティブエリアの外側に加湿エリアを設けたとしてもセル内部での加湿能力が低下しているので、アノードガスを加湿できない。
そこで本発明は、アノードガスの加湿を行い得る燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、電解質膜をアノードとカソードとで挟んで構成される単位燃料電池セルを複数積層したセルスタックと、アノードガスに含まれる水蒸気を吸着し、吸着した水蒸気を脱離する水保持手段と、この水保持手段を介して、アノードの出口と接続され、アノードから排出されるアノードガスに含まれる水蒸気の凝縮水をセルスタックの外部で溜める水貯留手段とを備える。そして、セルスタック内部のアノードガス流路の圧力が加圧される過程と減圧される過程とを繰り返すようにアノードに燃料ガスを供給する運転を行う。
本発明によれば、加圧過程においてセルスタックのアノードガス出口より排出されるアノードガスに含まれる水蒸気が水保持手段より吸着され、減圧過程において水貯溜手段内のアノードガスがセルスタック内部のアノードガス流路へと逆流するので、吸着されている水蒸気が水保持手段より脱離してアノードガスを加湿することから、アノードガスを効率よく加湿することができる。
図1は本発明の第1実施形態の燃料電池システム1の概略構成図である。本実施形態の燃料電池システムでは、比較的小型で発電効率に優れる固体高分子型燃料電池を用いており、車両に搭載されている。
セルスタック2には、電気化学反応に供される反応ガス(燃料ガスと酸化剤ガス)と、セルスタック2を冷却する冷却媒体が供給される。セルスタック2のアノードには、高圧水素を貯蔵した水素タンク3から燃料ガス供給管4を介して水素が供給される。水素タンク3の代わりに、アルコール、炭化水素などを原料とする改質反応によって水素を生成してもよい。燃料ガス供給管4には、水素の供給量を調整するため調圧バルブ5が配置されている。また、セルスタック2には、アノードからの燃料ガスと共に不純物(生成水や窒素等)をセルスタック2の外部へ排出するための排出管6の一端が後述するアノードガス排気マニホールドに接続されている。
排出管6の他端には、水セパレータタンク7(水貯留手段)が接続され、この水セパレータタンク7で燃料ガス中の水蒸気を凝縮水として溜めるようにしている。溜めた水を排出するための配管8と、水蒸気が分離された後の燃料ガスに含まれる窒素を排出するための配管9とが水セパレータタンク7の下部と上部に設けられ、各配管8、9にそれぞれ常閉の排水バルブ10、窒素パージバルブ11が設けられている。
図2はセルスタック2の概略構成図である。セルスタック2は、単位燃料電池セル(単セル)41を複数枚積層したものから構成されている。単セル41は、その積層構造の中央に膜電極接合体(Memrerane Electrode Assembly;以下「MEA」という。)を有している。MEA42は、電解質膜の両面に電極触媒層、ガス拡散層が順次積層された構造である。電解質膜を境に一方の面側がカソードとして、他方の面側がアノードとして用いられる。MEA42の両面には導電性部材であるカーボンや金属で作られたカソード側セパレータ43とアノード側セパレータ44とが配置されている。カソード側セパレータ43がMEA42と対向する面には空気(酸化剤ガス)の流路45が形成され、反対面には冷却水流路47を有している。アノード側セパレータ44がMEA42と対向する面には水素(燃料ガス)の流路46が形成され、反対面には冷却水流路47を有している。このように形成された単セル41を複数枚重ねたうえで、各単セル41に空気、水素、冷却水を分配するマニホールド49、50を両端に備えており、このマニホールド49、50によりセルスタック2の外部から供給される空気、水素、冷却水を各単セル41へと分配している。また、セルスタック2内部の水循環を効率よく行わせるために空気の流路45と水素の流路46とを対向流としている。
なお、以下ではカソードに供給される空気を「カソードガス」、アノードに供給される水素を「アノードガス」ともいう。また、上記空気の流路45を「カソードガス流路」、水素の流路46を「アノードガス流路」ともいう。
セルスタック2のカソードには、コンプレッサ15から供給管16を介して空気が供給される。コンプレッサに代えて、ブロア等の空気供給手段を用いることができる。セルスタック2のカソードから排出された空気は、排出管17を介して大気中に放出される。排出管17には、背圧(カソードガス流路の圧力)を調整するため調圧バルブ18が配置されている。
セルスタック2には、さらにラジエータ21から配管23を介して冷却水が供給される。冷却水に代えて、エチレングリコール等の不凍液、空気等の冷却媒体を用いることができる。セルスタック2で発生した熱を取り込んで温度上昇した冷却水は、配管22を介してラジエータ21に送られ冷やされた後に再びセルスタック2内部に循環される。配管23には、水循環のための循環ポンプ24が配置されている。また、配管22に三方弁25が設けられている。
制御回路51は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行するCPU(図示せず)と、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROM(図示せず)と、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAM(図示せず)と、各種信号を入出力する入出力ポート(図示せず)等を備えている。制御回路51では、コンプレッサ15、循環ポンプ24を駆動し調圧バルブ5、18を制御してセルスタック2で発電を行わせると共に、セルスタック2内部のアノードに供給する燃料ガスをセルスタック2及び水セパレータタンク7の外部に排出しないアノードデッドエンド運転を行う。アノードデッドエンド運転そのものは公知である(特開2007−149630号公報参照)。
さて、図3はセル内部加湿方法を示す従来技術(特開2008−97891号公報参照)のセルスタック2の概略構成図である。従来技術では、図3に示したように、反応ガスの加湿手段として、MEAのアクティブエリア48の外側に触媒層を持たない電解質層のみからなる部位(加湿エリア49)を設け、一方のガス流路出口の水を電解質層を介して他方のガス流路入口に移動させることで反応ガスを加湿するようにしている。しかしながら、低負荷運転では、カソードガスの出口側の相対湿度は極めて低下しているので、MEAのアクティブエリア48の外側に加湿エリア49を設けたとしてもアノードガスの下流側を加湿できない。これについて説明すると、図4は負荷に対する水収支の特性である。負荷が高い側で水収支が湿潤側(ウェット側)となっているのは、負荷が高い側では、冷却水温度が上がるものの酸化剤ガスの圧力を上げることができるため、水収支を湿潤側に持ってくることができるためである。それに対して、負荷が低い側では水収支が乾燥側(ドライ側)になってしまう。これは、負荷が低い側では、冷却水温度は比較的低いものの酸化剤ガスの圧力を上げることができないためである。酸化剤ガスの圧力を上げることができないのは、酸化剤ガスの圧力を上げるとコンプレッサ15の消費電力が上がり燃費が低下するため、また低負荷側では酸化剤ガスの流量が少ないので、コンプレッサ15の特性上圧力を上げられないためである。その上、低負荷側では、利用率を高負荷側と同じに高く(例えば酸化剤ガスのストイキ比SR=1.5)すると、セルスタック内部のカソードガスの流速が遅くフラッディングが生じやすくなるため、利用率を下げて(例えばSR=2.0)運転する必要がある。これに伴い水収支はさらに乾燥側になってしまう。図5は再び従来技術のセルスタック2の概略構成図である。低負荷側で利用率が低い場合には、図5においてカソードガス流路の上流側である領域1の電解質膜及び触媒層が乾燥してしまい、発電が行われなくなる。領域1で発電が行われなくなると、領域2〜5で負荷相当分の発電が行われるようになるが、しばらく時間が経過すると、次には領域2が乾燥し領域2で発電が行われなくなる。領域2で発電が行われなくなると、領域3〜5で負荷相当分の発電が行われるようになるが、しばらく時間が経過すると、次には領域3が乾燥し領域3で発電が行われなくなる。このような現象が連鎖的に発生し、条件によっては、最終的に領域5のみが発電するような状態になり、セルスタック全体の電圧が著しく低下する。
さらに詳述する。図6は図5のセルスタックに用いられている単セルのモデル図(図5のA−A線断面図)で、上段に示す図6(A)は水収支が湿潤側(ウェット側)の条件にあるときの、下段に示す図6(B)は水収支が乾燥側(ドライ側)の条件にあるときのものである。図6(A)に示すように、水収支が湿潤側になるような条件で運転した場合、カソードガス流路の下流側では生成水の影響で相対湿度が高くなり、カソードガス流路側とアノードガス流路側の相対湿度差をドライビングフォースとして、MEAの膜中を水がアノードガス流路側に向けて逆拡散し、アノードガス流路の上流側を加湿する。アノードガス流路に出た水蒸気はアノードガス流路の下流側に運ばれてカソードガス流路の上流(図5で領域1)の膜を加湿するので、領域1でMEAの膜が乾燥するという問題が起きない。このように、アノードガス、カソードガスのカウンターフローで互いの極を加湿する技術はかなり以前から公知となっている。しかしながら、図6(B)に示すように水収支が乾燥側の条件(つまり低負荷)の場合には、カソードガス流路の下流側の相対湿度が、水収支が湿潤側の条件の場合よりも低く、アノードガス流路側に水を供給できないため、アノードガス流路の出口側が乾燥したままであり、従って、乾燥したガスしか供給されない領域1のMEAが乾燥し、図5で前述したような問題が低負荷時に発生してしまうのである。
そこで本実施形態では、セルスタック2内部のアノードガス流路の圧力が加圧される過程と減圧される過程とを繰り返すようにアノードに供給する燃料ガスをセルスタック2及び水セパレータタンク7の外部に排出しないアノードデッドエンド運転を行うと共に、水セパレータタンク7と、セルスタック2のアノードガス出口との間にあって加圧される過程でアノードガス中の水蒸気を吸着し、減圧される過程で吸着した水蒸気を脱離する水保持手段を備えるようにする。
本発明のアノードデッドエンド運転について図7を参照して説明すると、図7は本発明の第1実施形態の一例の低負荷時におけるタイミングチャートである。一定の低負荷条件に保持した場合にアノードガス流路46の圧力と、アノードガス流路46のガス流れ方向とがどのように変化するのかを示している。ここで、アノードガス流路46におけるアノードガスの流れ方向はセルスタック2から水セパレータタンク7に流れる向きを正としている。まず、排水バルブ10は水セパレータタンク内の凝縮水の液面レベルが予め定めている上限レベルを超えないように所定開度(一定開度)として余分な凝縮水を系外へ排出し、窒素パージバルブ11も窒素を系外に排出するため所定開度(一定開度)としている。この状態でアノードデッドエンド運転を行う。水素タンク3から所定開度まで開かれた水素調圧バルブ5によって圧力が調整された水素(アノードガス)がセルスタック2内部のアノードガス流路46に供給される。このため、アノードガス流路46の圧力は上昇し、セルスタック2から水セパレータタンク7に向けてアノードガスの流れ(順流)が発生する。これと共にセルスタック2内部でカソードガス流路45の側からアノードガス流路46の側へ拡散してきた生成水や窒素などの不純物を水セパレータタンク7へ排出する。不純物のうち生成水は水セパレータタンク7内で凝縮して水となり水セパレータタンク7の下部に溜まって液相部を形成する。窒素と未反応のアノードガスとは水セパレータタンク7の上部に溜まって気相部を形成する。水セパレータタンク7は、このような不純物を溜めるために十分な体積を有するものである。また、生成水や窒素の量が増加してきた場合、上記のように排水バルブ10、窒素パージバルブ11を開状態にして、生成水や窒素を系外へ廃棄する。
アノードガス流路46の圧力がt1で所定圧力P1に到達すると水素調圧バルブ5を全閉としてセルスタック2への水素の供給を止める。この後、セルスタック2での発電に伴いアノードガス流路46のアノードガスが消費され、アノードガス流路46の圧力は低下する。これに伴い今度は水セパレータタンク7からセルスタック2に向かってアノードガスの流れ(逆流)が生じる。アノードガス流路46の圧力が所定圧力P2にまで低下するt2になると、再び水素調圧バルブ5を所定開度まで開きセルスタック2への水素供給を再開する。この水素供給の再開によりアノードガス流路46の圧力が再び上昇し、セルスタック2から水セパレータタンク7に向けてアノードガスの流れ(順流)が発生する。そして、アノードガス流路46の圧力がt3で所定圧力P1に到達すると水素調圧バルブ5を全閉としてセルスタック2への水素の供給を止める。すると、アノードガス流路46の圧力が低下してゆき、水セパレータタンク7からセルスタック2に向かってアノードガスの流れ(逆流)が生じる。以上のようなプロセス、つまり、セルスタック2内部のアノードガス流路46の圧力が加圧される過程(以下では単に「加圧過程」ともいう。)と減圧される過程(以下では単に「減圧過程」ともいう。)とを繰り返すことにより、セルスタック2及び水セパレータタンク7の外部にアノードガスを排出しないアノードデッドエンド運転が可能となる。
こうした本発明のアノードデッドエンド運転の運転方法は、図7に示した例に限らない。図8に示した他の例のように、加圧過程と減圧過程のそれぞれの間にアノードガス流路46の圧力を一定(所定圧力P1、P2)に維持する過程を設けても良い。ここで、アノードガス流路46の圧力を所定圧力P1に維持させるには、水素調圧バルブ5の開度を減少させてやれば(バルブ5を絞れば)よい(図8最上段のt11〜t12、t15〜t16、t19〜t20参照)。このときの減少スピードは適合により決定する。また、アノードガス流路46の圧力を所定圧力P2に維持させるには、水素調圧バルブ5の開度を増加させてやればよい(図8最上段のt13〜t14、t17〜t18参照)。このときの増加スピードも適合により決定する。
こうしたアノードデッドエンド運転において、水セパレータ7からセルスタック2に向けて水セパレータ7内部のアノードガスが逆流する減圧過程で、この水セパレータ7内部の気相部7bに存在するアノードガスに水分を含ませることができれば、アノードガス流路46の出口側の加湿を行うことが可能となる。このため、水セパレータタンク7に溜まっている凝縮水の気化を促進する気化促進手段を備えさせることが考えられる。しかしながら、水セパレータタンク7内の凝縮水を気化させるには多くの気化熱を必要とする。すなわち、凝縮水はアノードガス流路46から離れた水セパレータタンク7に排出管6を介して存在するため、何らかの工夫をしないと水セパレータタンク7内の水はアノードガス流路46へと供給できない。
そこで本発明の第1実施形態では、水セパレータタンクに加えて、セルスタック2内部のアノードガスの排気マニホールド出口(セルスタック2のアノードガス出口)と水セパレータタンク(水貯溜手段)との間にアノードガスに含まれる水蒸気を吸着し、吸着した水蒸気を脱離する水保持手段を設ける。
これについて図9を参照して説明する。第1実施形態では、図1に示したように排出管6を介してアノードガスの排気マニホールド出口と接続することはしないので、第1実施形態の水セパレータタンクの符号を「71」で改めて取り直すと、図9は燃料電池システム1のうちセルスタック2及び水セパレータ71の概略構成図である。ここでは、主にアノードガスの流れだけを取り出して示している。セルスタック2は縦置きされている。つまり、図9で上方が鉛直上方、下方が鉛直下方である。図9において左側には、アノードガスの供給マニホールド61がセルスタック2の積層方向(上下方向)に貫通して直管状に、右側にはアノードガスの排気マニホールド62がセルスタック2の積層方向(上下方向)に貫通して直管状に形成されている。このため、左上にある供給マニホールド入口61aから供給されるアノードガスは直管状の供給マニホールド61を下方に向けて流れる。供給マニホールド61に供給されたアノードガスは左右方向に位置する各アノードガス流路(図2参照)に分配され右方向に向けて流れる。アノードガス流路で反応しなかったアノードガスは、直管状の排気マニホールド62で集合された後、下方の排気マニホールド出口62aに向けて流れる。
アノードガスの排気マニホールド出口62aを覆い、セルスタック下面2aに隣接して、水セパレータタンク71が設けられている。水セパレータタンク71は、上方の円筒部71と下方の円錐部72とから構成され、円錐部72の頂上には下方に垂れ下がる配管8が接続されている。この配管8に排水バルブ10が設けられている。
一方、円筒部72は左側がアノードガスの排気マニホールド出口62aを覆い、かつセルスタック右端2aよりも右側にはみ出るように設けられ、この円筒部72の右側に、セルスタック右端2aに沿って立ち上がる空間部74が接続されている。この空間部74にはさらに配管9が接続され、この配管9に窒素パージバルブ11が設けられている。なお、円筒部72の上面は空間部74に接続される部位と、後述する水保持手段75が設けられる部位とを除いて閉じている。
このような水セパレータタンク71の構成によれば、上記アノードデッドエンド運転における加圧過程で排気マニホールド出口62aより排出されるアノードガスが水セパレータタンク71に流入し、アノードガスに含まれる生成水が凝縮して円錐部73の底から溜まってゆく。アノードガス中に含まれる窒素(ガス)は水セパレータタンク71内の気相部や空間部74に溜められる。
アノードガスの排気マニホールド出口62aを塞ぐように水保持手段75が取り付けられている。水保持手段75は、シリカゲル、ゼオライト、活性炭などの水蒸気吸着剤を粒子形状として、ポリエーテルスルホンサン系の樹脂に分散させ、この樹脂を、図10に示したように全体として円盤状に形成したハニカム構造体75aの表面に塗布したものである。セラミックハニカム、メタルハニカムなどのハニカム構造体75aは多孔質体を代表するものである。ハニカム構造体75aを採用するのは、表面積を大きくして水蒸気の吸着量を多くするためである。なお、ハニカム構造体75aは全体をリテーナ75bにより保護している。ハニカム構造体75aの形状は円盤状に限定されるものでない。
ここで、ハニカム構造体75aの容積が同じでも、壁厚を薄くするほど、塗布される水蒸気吸着剤の量が増え、吸着される水蒸気量が増加する。従って、セルスタック2の仕様とセルスタック2の運転条件とが定まれば、どのくらいの水蒸気量を吸着させればよいかが決まるので、適合によりハニカム構造体75aの壁厚や水蒸気吸着剤の塗布量を定めればよい。
また、上記アノードデッドエンド運転を行う際には、水保持手段75と水セパレータタンク71内に溜まっている凝縮水の液面レベル77との間に所定の空間が生じるように排水バルブ10を開く制御を行う。これは、凝縮水で水保持手段75が浸漬されていない状態で水蒸気量吸着量の要求値を満たすようにしており、凝縮水で水保持手段75が浸漬されてしまうと、ハニカム構造体75aの表面に塗布している水蒸気吸着剤による吸着・脱離の機能が万全でなくなり、水蒸気量吸着量の要求値を満たさなくなるためである。このため、水セパレータタンク71内の凝縮水の液面レベル77の上限を水保持手段75に接する位置として予め定めておき、セルスタック2の運転停止時には、図17(A)に示したように水セパレータタンク71内の凝縮水の液面レベル77が上記上限を超えないように排水バルブ10を開いて凝縮水を水セパレータタンク71外に排水した後で排水バルブ10を閉じておく。そして、セルスタック2の運転開始後には、排水バルブ10を所定開度まで開いて水セパレータタンク2内の凝縮水を系外に排出し、図17(B)や図9に示したように水保持手段75と凝縮水の液面レベル77との間に空間78が生じるようにする。また、窒素パージバルブ11を所定開度まで開いて空間部74に溜まっている窒素を系外に排出する。
このように、水蒸気吸着剤を表面に塗布したハニカム構造体75aで構成される水保持手段75をアノードガスの排気マニホールド出口62aに設けることで、アノードデッドエンド運転時に図11に示したように、排気マニホードル出口62aから排出されるアノードガスがアノードデッドエンド運転における加圧過程で下方に向けて流れるとき、ハニカム構造体75a表面の水蒸気吸着剤がアノードガスに含まれる水蒸気を吸着し、この反対にアノードデッドエンド運転における減圧過程で水セパレータタンク71内に残留するアノードガスが上方に向けて流れるとき(図9の破線矢印も参照)、ハニカム構造体75a表面の水蒸気吸着剤が水蒸気を脱離する。すなわち、アノードデッドエンド運転を行うと、水セパレータタンク71からセルスタック2内部のアノードガス流路に向けて水セパレータタンク71内に残留するアノードガスが逆流する減圧過程でその逆流するアノードガスに水蒸気(水分)を含ませることが可能となり、低負荷状態においてもアノードガス流路46の出口側の加湿を行うことができる。
また、アノードデッドエンド運転における加圧過程でアノードガスの流速がゼロとなる位置に水保持手段75を設けたのでは、水蒸気の吸着量、脱離量が小さくなってしまうが、本実施形態のように、水保持手段75をアノードガスの排気マニホールド出口62aに隣接する位置に設けることで、水保持手段75の温度低下を防ぐ(つまり加湿効率を低下させない)ことができる。また、水保持手段75は水セパレータタンク71内の凝縮水を巻き上げることを防止する機能(気液分離機能)と、アノードガス流れの整流機能とを備えることにもなっている。
このように、本実施形態は、アノードガスの排気マニホールド出口62aに水保持手段75を備えさせ、セルスタック2内部のアノードガス流路46の圧力が加圧過程と減圧過程とを繰り返すようにアノードに供給する燃料ガスをセルスタック2及び水セパレータタンク71の外部に排出しないアノードデッドエンド運転を行うことによって、アノードガス流路46から水セパレータタンク7までの流路に圧力脈動を生じさせ、この圧力脈動を利用し、加圧過程で水保持手段75にアノードガス中の水蒸気を吸着させておき、減圧過程で水保持手段75に吸着している水蒸気を脱離させてアノードガスを加湿し、この加湿したアノードガスをセルスタック2内部のアノードガス流路46に送り込み、低負荷時に乾燥状態になりやすいアノードガス流路46の出口側を加湿するようにしたものである。本実施形態は、燃料ガスと酸化剤ガスの反応によって生成された水蒸気の一部を水保持手段75に吸着させると共に、この吸着させている水蒸気を反応ガスの加湿に再利用するものである。これによって、上記従来技術のようにセルスタック2内部で加湿する必要は無くなり、かつセルスタック2の外部に専用の加湿器を別に設ける必要も無いのである。
制御回路51で実行されるこの制御を図18のフローチャートに基づいて詳述する。図18は、水素調圧バルブ5を開閉制御するためのもので、一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。なお、図18は図7に対応する制御を示している。
図18においてステップ1では、水素調圧バルブ5が開いているか否かをみる。ここではアノードデッドエンド運転を開始する場合に前提として水素調圧バルブ5を所定開度まで開いているものとする。このときにはステップ2に進んでアノードガス流路46の圧力Pと所定圧力P1を比較する。所定圧力P1は図7に示した所定圧力P1であり、予め最適な値を定めておく。アノードガス流路46の圧力Pとしては、空間部74(あるいはアノードガスの排気マニホールド62)の圧力を採用すればよい。本実施形態では、空間部74の圧力を圧力センサ52によりアノードガス流路圧力として検出している(図1参照)。
前提として水素調圧バルブ5を所定開度としているので、アノードガス流路圧力Pが上昇していく。ここではアノードガス流路圧力Pは所定圧力P1より低いとしてステップ3に進み、水素調圧バルブ5を所定開度に設定する。ステップ3の操作の繰り返しによりやがてステップ2でアノードガス流路圧力Pが所定圧力P1以上となればステップ4に進み、水素調圧バルブ5を全閉状態とする。
ステップ4での水素調圧バルブ5の全閉によって次回にはステップ1で水素調圧バルブ5は開いていないと判定される。このときにはステップ5に進んで圧力センサ52により検出されるアノードガス流路圧力Pと所定圧力P2を比較する。所定圧力P2は図7に示した所定圧力P2(所定圧力P1よりも小さな値)であり、所定圧力P2も予め最適な値を定めておく。ステップ4で水素調圧バルブ5を全閉としたことによってアノードガス流路圧力Pが所定圧力P1より下降していくが、水素調圧バルブ5を全閉として間もない場合にはアノードガス流路圧力Pは所定圧力P2より高いのでステップ5よりステップ4に進みステップ4の操作を実行する。ステップ4の操作の繰り返しによりやがてステップ5でアノードガス流路圧力Pが所定圧力P2以下となればステップ6に進み、水素調圧バルブ5を所定開度に戻す。
次回にはステップ1よりステップ2へ進むことになり、上記の操作が繰り返される。つまり、水素調圧バルブ5について所定開度とした状態と全閉状態とを一定の周期で繰り返すことによって、アノードガス流路46の圧力が減圧過程と加圧過程とを繰り返し、これによってアノードガス流路46から水セパレータタンク7までの流路に圧力脈動が生じる。
図18では、圧力センサ52により検出されるアノードガス流路圧力Pをみながら水素調圧バルブ5の開度を所定開度と全閉とに切換えるようにしているが、本発明はこの場合に限定されるものでない。例えば、所定の時間毎に所定開度と全閉とを繰り返すように水素調圧バルブ5の開度を制御してもかまわない。
ここで、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態によれば、電解質膜をアノードとカソードとで挟んで構成される単位燃料電池セルを複数積層したセルスタック2と、アノードガスに含まれる水蒸気を吸着し、吸着した水蒸気を脱離する水保持手段75と、この水保持手段75を介して、アノードガスの排気マニホールド出口62a(アノードの出口)と接続され、アノードから排出されるアノードガスに含まれる水蒸気の凝縮水をセルスタックの外部で溜める水セパレータタンク71(水貯留手段)と、セルスタック2内部のアノードガス流路46の圧力が加圧される過程と減圧される過程とを繰り返すようにアノードに供給する燃料ガスをセルスタック2及び水セパレータタンク71の外部に排出しないアノードデッドエンド運転を行う(図18参照)。従って、アノードデッドエンド運転における加圧過程においてアノードガスの排気マニホールド出口62aより排出されるアノードガスに含まれる水蒸気が水保持手段75より吸着され、アノードデッドエンド運転における減圧過程において水セパレータタンク71内のアノードガスがセルスタック2内部のアノードガス流路46へと逆流する際には、吸着されている水蒸気が水保持手段75より脱離してアノードガスを加湿することから、アノードガス流路46の出口側の電解質膜が湿潤状態になり、発電性能を向上することができる。また、アノードガスが乾燥状態となりやすい低負荷運転時に電解質膜を十分に加湿することができるので、特に効果がある。
本実施形態によれば、水保持手段75は、表面に水蒸気の吸着剤を塗布した多孔質体であるので、アノードガスと接触する表面積が広がり、これによってアノードガスに含まれる水蒸気を効率よく吸着できる。
本実施形態によれば、多孔質体はハニカム構造体75aであるので、アノードガスに含まれる水蒸気を均等に効率よく吸着できる。また、ハニカム構造体75aにはアノードガス流れを整流する効果もある。
本実施形態によれば、水保持手段75をアノードガスの排気マニホールド出口62a(セルスタック2のアノードガス出口)に配置するので、水保持手段75の温度低下を防いで、加湿効率の低下を回避することができる。また、水セパレータタンク71の凝縮水を巻き上げることによる、セルスタック2内部への凝縮水の混入を防止できる副次的効果もある。
本実施形態によれば、アノードデッドエンド運転時に水保持手段75と水セパレータタンク71に溜まっている凝縮水の液面レベル77との間に空間78が生じるようにするので、ハニカム構造体75aの表面に塗布している水蒸気吸着剤による吸着・脱離の機能を効率よく働かせることができる。
また、本実施形態では、セルスタック2内部のアノードガス流路の圧力が加圧される過程と減圧される過程とを繰り返すようにアノードに燃料ガスを供給できればよく、燃料ガスをセルスタック2及び水セパレータタンク7の外部に排出しないアノードデッドエンド運転(システム)に限定されないことはいうまでもない。
また、本実施形態の変形例として、セルスタックを運転する負荷状態を判定し、アノードデッドエンド運転をアノードガスが乾燥状態となりやすい低負荷時にのみ行うようにしてもよい。このとき、低負荷時に最も乾燥状態になりやすいアノードガス流路46の出口側を加湿することができ、低負荷時の発電性能の低下を防ぐことができる。よって、使用頻度の高い低負荷時の発電性能が改善され燃費が向上する。
図12、図13は本発明の第2、第3の実施形態のセルスタック2及び水セパレータタンク71の概略構成図で、第1実施形態の図9と置き換わるものである。第2、第3の実施形態でも、主にアノードガスの流れだけを取り出して示している。
第1実施形態ではセルスタック2が縦置きであることを前提としていたのに対して、第2、第3の実施形態は、セルスタック2が横置きであることを前提とするものである。つまり、図12、図13で上方が鉛直上方、下方が鉛直下方である。図12、図13において図面奥には、アノードガスの供給マニホールド61がセルスタック2の積層方向(左右方向)に貫通して直管状に、図面手前にはアノードガスの排気マニホールド62がセルスタック2の積層方向(左右方向)に貫通して直管状に形成されている。このため、図面右奥にある供給マニホールド入口61aから供給されるアノードガスは直管状の供給マニホールド61を左方に向けて流れる。供給マニホールド61に供給されたアノードガスは図面奥より手前方向に斜めに位置する各アノードガス流路46に分配され図面手前方向に向けて流れる。アノードガス流路46で反応しなかったアノードガスは、直管状の排気マニホールド62で集合された後、図面手前左端に位置する排気マニホールド出口62aに向けて流れる。
アノードガスの排気マニホールド出口62aに隣接して、水セパレータタンク71が設けられている。水セパレータタンク71の構成は第1実施形態と基本的に同じである。すなわち、水セパレータタンク71は、上方の円筒部72と下方の円錐部73とから構成され、円錐部73の頂上には下方に垂れ下がる配水管8が接続されている。この配水管8に排水バルブ10が設けられている。
一方、円筒部72は図面手前左端に位置するアノードガスの排気マニホールド出口62aを覆うため左方にはみ出るように設けられている。ただし、第1実施形態と異なり空間部は設けられていない。円筒部72の上面は閉じられている。このため、第2実施形態では図12に示したようにアノードガスの排気マニホールド右端62bに配管9が接続され、この配管9に窒素パージバルブ11が設けられている。第3実施形態では図13に示したように水保持手段75より上部の円筒部72に配管9が接続され、この配管9に窒素パージバルブ11が設けられている。第2、第3の実施形態では、水セパレータタンク71及びアノードガスの排気マニホールド62が、アノードガスに含まれる窒素を溜めておく空間として機能する。
このような水セパレータタンク71の構成によれば、上記アノードデッドエンド運転における加圧過程で排気マニホールド出口62aより排出されるアノードガスが水セパレータタンク71に流入し、アノードガス中に含まれる生成水が凝縮して円錐部73の底から溜まってゆく。アノードガスに含まれる窒素は水セパレータタンク71及びアノードガスの排気マニホールド62に溜められる。
水セパレータタンク71の円筒部72には、アノードガスの排気マニホールド下壁62cの高さとほぼ同じ高さに水保持手段75を備える。この水保持手段75の構成は第1実施形態と同じである。すなわち、水保持手段75は、シリカゲル、ゼオライト、活性炭などの水蒸気吸着剤を粒子形状として、ポリエーテルスルホンサン系の樹脂に分散させ、この樹脂を、図10に示したように全体として円盤状に形成したハニカム構造体75aの表面に塗布したものである。セラミックハニカム、メタルハニカムなどのハニカム構造体75aは多孔質体を代表するものである。
アノードデッドエンド運転時には、排水バルブ10を所定開度まで開いて水セパレータタンク2内の凝縮水を系外に排出し、図12、図13に示したように水保持手段75と凝縮水の液面レベル77との間に空間78が生じるようにする。また、窒素パージバルブ11を所定開度まで開いてアノードガスの排気マニホールド62に溜まっている窒素を系外に排出する。
第2、第3の実施形態によれば、セルスタック2が横置きの場合であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。すなわち、アノードデッドエンド運転における加圧過程においてアノードガスの排気マニホールド出口62aより排出されるアノードガスに含まれる水蒸気が水保持手段75より吸着され、アノードデッドエンド運転における減圧過程において水セパレータタンク71内のアノードガスがセルスタック2内部のアノードガス流路46へと逆流する際には(図12、図13の破線矢印を参照)、吸着されている水蒸気が水保持手段75より脱離してアノードガスを加湿することから、アノードガス流路46の出口側の電解質膜が湿潤状態になり、発電性能を向上することができる。
図14は本発明の第4実施形態のセルスタック2及び水セパレータタンク71の概略構成図で、第2実施形態の図12と置き換わるものである。第4実施形態でも、主にアノードガスの流れだけを取り出して示している。第4実施形態は、水保持手段75への水蒸気の分配を良くするため、水保持手段75とアノードガスの排気マニホールド出口62aとの間にディフューザ81を設け、アノードデッドエンド運転における加圧過程でアノードガスの排気マニホールド出口62aより排出されるアノードガスをこのディフューザで拡散し、このディフューザ81により拡散させたアノードガスを水保持手段75に導入するようにしたものである。ディフューザ81は下流になるほど流路面積が拡大するように形成されている。
水保持手段75をハニカム構造体75aとすることでアノードガスの均一化をある程度図ることができるが、ディフューザ81によりアノードガスをハニカム構造体75aの全体に拡散させることで、水保持手段75の全体に広く水蒸気が吸着されることになり、より効果的にアノードガスに含まれる水蒸気を吸着できる。
図15は本発明の第5実施形態のセルスタック2及び水セパレータタンク71の概略構成図で、第4実施形態の図14と置き換わるものである。第5実施形態は、水保持手段75への水蒸気の分配を良くするため、水保持手段75とアノードガスの排気マニホールド出口62aとの間に当て板82を設けたものである。図16は当て板82の外観を示している。全体としてほぼ正方形に形成された当て板82には、ほぼ右半分(図15では上方になる)に紙面手前に膨らむ湾曲部82aが設けられている。この湾曲部82aが図15においては上方に位置して取り付けられる。すなわち、アノードデッドエンド運転における加圧過程でアノードガスの排気マニホールド出口62aより排出されるアノードガスの流れ(矢印参照)を遮る位置に当て板82の湾曲部82aを配置しておき、この湾曲部82aに衝突して拡散させたアノードガスを水保持手段75へと導くようにする。なお、当て板82の周囲には取り付け用の孔82bを穿っている。
第5実施形態でも、第4実施形態と同様に、当て板82により、アノードデッドエンド運転における加圧過程でアノードガスの排気マニホールド出口62aより排出されるアノードガスを拡散させることで、水保持手段75の全体に広く水蒸気が吸着されることになり、より効果的にアノードガスに含まれる水蒸気を吸着できる。また、当て板82の湾曲部82aにアノードガスを衝突させ拡散させることで、ガスの流れが均一になるため、さらに効率よく加湿できる効果がある。
本発明の第1実施形態の燃料電池システムの概略構成図。 セルスタックの概略構成図。 従来技術のセルスタックの概略構成図。 負荷に対する水収支の特性図。 従来技術のセルスタックの概略構成図。 単セルのモデル図。 第1実施形態の一例のアノードガス流路の圧力、アノードガス流路のガス流れ方向の変化を示すタイミングチャート。 第1実施形態の他の例のアノードガス流路圧力、アノードガス流路のガス流れ方向の変化を示すタイミングチャート。 第1実施形態のセルスタック及び水セパレータタンクの概略構成図。 第1実施形態の水保持手段の概略構成図。 第1実施形態の加圧過程と減圧過程での水保持手段の機能説明図。 第2実施形態のセルスタック及び水セパレータタンクの概略構成図。 第3実施形態のセルスタック及び水セパレータタンクの概略構成図。 第4実施形態のセルスタック及び水セパレータタンクの概略構成図。 第5実施形態のセルスタック及び水セパレータタンクの概略構成図。 第5実施形態の当て板の概略構成図。 第1実施形態の水セパレータタンク内凝縮水の液面レベルの管理を説明するためのセルスタック及び水セパレータタンクの概略構成図。 第1実施形態の水素調圧バルブの制御を説明するためのフローチャート。
符号の説明
1 燃料電池システム
2 セルスタック
46 アノードガス流路
51 制御回路
71 水セパレータタンク(水貯留手段)
75 水保持手段
75a ハニカム構造体

Claims (6)

  1. 電解質膜をアノードとカソードとで挟んで構成される単位燃料電池セルを複数積層したセルスタックと、
    アノードガスに含まれる水蒸気を吸着し、吸着した水蒸気を脱離する水保持手段と、
    この水保持手段を介して、前記アノードの出口と接続され、前記アノードから排出されるアノードガスに含まれる水蒸気の凝縮水を前記セルスタックの外部で溜める水貯留手段と
    を備え、
    前記セルスタック内部のアノードガス流路の圧力が加圧される過程と減圧される過程とを繰り返すように前記アノードに燃料ガスを供給する運転を行うことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記水保持手段は、表面に水蒸気の吸着剤を塗布した多孔質体であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記多孔質体はハニカム構造体であることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記水保持手段を前記セルスタックのアノードガス出口に設けることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記水保持手段と前記アノードガス出口との間にディフューザを設けることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記アノードデッドエンド運転時に前記水保持手段と前記水貯留手段に溜まっている凝縮水の液面レベルとの間に空間が生じるようにすることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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