JP2010129403A - 透明電極基板の製造方法および透明電極基板、並びに光電変換装置の製造方法および光電変換装置 - Google Patents

透明電極基板の製造方法および透明電極基板、並びに光電変換装置の製造方法および光電変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】透明電極層を変質させること無くパターニングすることが可能な透明電極基板の製造方法および透明電極基板を提供し、これを用いた光電変換層値における電流の取り出し効率の向上を図る。
【解決手段】透明基板1上に光透過性の剥離層3を成膜する。剥離層3上に透明電極層5を成膜する。剥離層3へのレーザ光の照射によって剥離層3を部分的に揮発させ、剥離層3と共に明電極層5を選択的に除去することにより透明電極層5をパターニングする。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感型太陽電池などに適用できる透明電極基板の製造方法および透明電極基板、並びに光電変換装置の製造方法および光電変換装置に関する。
低コストでかつ低環境負荷である次世代の太陽電池として、色素増感型太陽電池が注目されている。色素増感型太陽電池は、透明電極層上に色素担持電極層を積層させた受光電極と、この受光電極に対向配置された対向電極と、これらの電極間に充填された電解質とで構成される。特に色素担持電極層は、酸化チタン(TiO2)などの金属酸化物粒子を焼結させた半導体性の多孔質層に増感色素を担持させた構成となっている。これにより、大きな表面積を有する多孔質層を用いた色素担持電極層での光吸収率が高められ、光電変換効率の向上が図られている。
以上のような色素増感型太陽電池の製造において色素担持電極層を作製する際には、透明基板上に透明電極層を形成した後、透明電極層上に印刷成膜された金属酸化物粒子層を400℃〜600℃での熱処理によって焼結させる工程が行なわれる。このため、下地となる透明電極層には、耐熱性の観点からフッ素ドープ酸化スズ膜(FTO膜)が用いられている。
また、透明電極層における導電性を確保することを目的として、導電性に優れた酸化スズドープ酸化インジウム膜(ITO膜:膜厚100〜1000nm)を用い、この上部を耐熱性および耐薬品性に優れたFTO膜(膜厚30〜350nm)で覆う構成が提案されている。このような構成によれば、高温に曝されてもITO膜が酸化されることがなく、ITO膜の高い導電性が損なわれることがないとしている(下記特許文献1参照)。
特開2005−44544号公報(特に段落0035参照)
ところで、上述した構成の色素増感型太陽電池においては、例えば必要電圧を得るために、複数の電池素子を直列に接続させたモジュール構成が採用される。このような構成においては、透明基板上において透明電極層および色素担持電極層を積層した受光電極が複数にパターン分離され、また対向基板上において対向電極が複数にパターン分離されることにより複数の電池素子の分離がなされている。そして、分離された隣接する電池素子間において、透明電極層−対向電極間の端部を接続電極によって接続することにより、複数の電池素子が直列に接続された構成となっている。
以上のようなモジュール構成を形成する場合、透明電極層を作製する際には、透明基板上に透明電極層を形成した後、金属酸化物粒子層を印刷成膜する前に、素子分離のために透明電極層をパターニングすることになる。このような透明電極層のパターニングにおいては、エッチングマスクを設けたウェットエッチング、またはレーザ照射によるダイレクト加工(以下、レーザ加工と称する)が行なわれる。
しかしながら、ウェットエッチングを行なう場合であれば、耐薬品性を有するFTO膜とこの下層のITO膜とをウェットエッチングする間に、エッチングマスクにエッチング液が染み込む。これにより、透明電極層のパターン周辺部にダメージが加わり抵抗が上昇する。
また、レーザ加工を行なう場合であれば、FTO膜が、他の透明導電膜と比較して耐熱性に優れているために、加工に多くのエネルギーを必要とする。このため、FTO膜自体がレーザ照射による影響を受け、レーザ加工によって除去されて残った透明電極層のパターン周辺部においては、FTO膜の結晶構造が変化して抵抗が上昇すると共に、透過率が低下する。図5(A)はレーザ加工する前のFTO膜の結晶構造のSEM写真であり、図5(B)はレーザ加工後におけるFTO膜の加工端縁の結晶構造のSEM写真である。これらの図に示すように、レーザ加工のダメージよりFTO膜の結晶構造が変化していることが分かる。
このため、透明電極層の端部と対向電極の端部とで、隣接する電池素子間の接続を図っている上述したモジュール構成においては、レーザ加工においてのFTO膜(透明電極層)のダメージにより電池素子間の接続抵抗が上層し、光電変換によって得られた電流の取り出し効率が低下する。しかも、FTO膜の透過率の低下によって光電変換効率そのものも低下する。
そこで本発明は、透明電極層を変質させること無くパターニングすることが可能な透明電極基板の製造方法および透明電極基板を提供すること、さらには電流の取り出し効率の向上を図ることが可能な光電変換装置の製造方法および光電変換装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明の透明電極基板の製造方法は、先ず、透明基板上に光透過性の剥離層を成膜し、この上部に透明電極層を成膜する。次に、剥離層へのレーザ光の照射によって剥離層を部分的に揮発させ、当該剥離層と共に透明電極層を選択的に除去する。これにより透明電極層をパターニングする。
また本発明は、上述した方法によって得られる透明電極基板であり、透明基板上にパターン形成された光透過性の剥離層と、この剥離層と同一のパターン形状を有して当該剥離層上に積層される透明電極層とを備えている。この透明電極層は、剥離層よりも所定波長のレーザ光に対する吸収係数が低い透明導電性材料からなる。
以上のような製造方法では、レーザ光の照射によって剥離層を部分的に揮発除去することにより、剥離層の上層がリフトオフ除去されて透明導電層のパターニングが成される。このため、レーザ光の照射は、剥離層が揮発する程度のエネルギーで行なわれれば良く、透明電極層に対して当該レーザ光照射の影響を直接及ぼす必要はない。したがって、材質を変質させることなくレーザ光の照射によって透明電極層がパターニングされる。
さらに本発明は、上述した方法を適用して透明電極基板を作製する光電変換装置の製造方法、および上述した方法によって得られる光電変換装置でもある。
上述した方法の適用により、材質を変質させることなくレーザ光の照射によって透明電極層がパターニングされるため、透明電極層においての抵抗が低く保たれ、当該透明電極層を介しての接続抵抗が低く維持される。
以上説明したように本発明によれば、レーザ光の照射によって材質を変質させることなく透明電極層をパターニングしてなる透明電極基板を得ることが可能になる。そして、透明電極層においての抵抗が低く保たれて透明電極層を介しての接続抵抗を低く維持できることから、光電変換によって得られる電流の取り出し効率の向上が図られた光電変換素子を得ることが可能になる。
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の実施形態においては、透明電極基板の製造方法、これによって得られた透明電極基板をこの順に説明し、次にこの透明電極基板を用いた光電変換装置の製造方法、これによって得られた光電変換装置をこの順に説明する。
<透明電極基板の製造方法および透明電極基板>
図1は透明電極基板の製造方法を説明する断面工程図であり、この図に基づいて透明電極基板の製造方法および透明電極基板の構成を説明する。
先ず、図1(1)に示すように、透明基板1を用意し、この透明基板1上に剥離層3および透明電極層5をこの順に成膜する。
このうち透明基板1は、光透過性を有する材質で構成された基板が用いられ、例えば耐熱ガラスなどのガラス基板が用いられる。またガラス基板以外にも、透明プラスティック基板を用いても良い。透明プラスティック基板としては、例えばポリエチレンテフタレート(PET)やポリカーボネイト(PC)からなるものが用いられる。
また剥離層3は、光透過性を有する材質で構成され、特にこの上部に成膜される透明電極層5よりも、所定波長のレーザ光に対する吸収係数が高い材料で構成されることが好ましい。ここで所定波長のレーザ光とは、次の工程で行なうレーザ加工に用いるレーザ光であることとする。
このような剥離層3は、透明導電性材料または金属材料のどちらであっても良いが、光透過性が低い材質からなる場合には、十分な光透過性を持たせるために薄膜として構成されていることが好ましく、透明電極層5よりも十分に小さい膜厚であることとする。これにより、この剥離層3が設けられる透明電極基板においての光透過性を確保する。また剥離層3が金属材料からなる場合には、この剥離層3によって透明電極層5の導電性が補足されるため好ましい。
例えば、剥離層3は、金属材料で構成されていても良い。この場合、用いる金属の材料としては特に制限は無く、アルミニウム、銀、チタン、ニッケル等を使用する事が出来るが、光透過性を妨げない様に100nm程度と十分に薄い事が望ましい。さらに剥離層3は、ITOやその他の透明導電性材料で構成されていても良い。ただし、耐熱性が高すぎる材質を用いた場合には、以降に行なうレーザ光の照射によるパターニングで、高いエネルギーでのレーザ光の照射が必要になる。このため、例えばFTOなどの高耐熱性材料よりは耐熱性の低い材料を用いることが好ましい。
以上のような剥離膜3を成膜する方法は、例えばメッキ法、スパッタ法、蒸着法、さらにはスプレー熱分解(Spray Pyrolysis Deposition)法など特に制限されることは無く、剥離層3を構成する材料によって適宜選択された方法を適用すれば良い。
また透明電極層5は、剥離層3よりも所定波長のレーザ光に対する吸収係数が低い透明導電性材料で構成されることが好ましい。特にこの透明電極層5は、光透過性および耐熱性に優れ、また導電性が高い材質からなることが好ましい。また透明電極層5は、導電性を確保することを目的として、上述した剥離層3よりも十分に厚い膜厚であることが好ましい。このような透明電極層5は、例えばFTOなどの高耐熱性の透明導電性材料で構成される。
以上のような透明電極層5を成膜する方法は、例えばメッキ法、スパッタ法、蒸着法、さらにはスプレー熱分解法など特に制限されることは無く、透明電極層5を構成する材料によって適宜選択された方法を適用すれば良い。
次に、図1(2)に示すように、所定波長のレーザ光hνの照射によって剥離層3を部分的に揮発させ、剥離層3と共にこの上部の透明電極層5を選択的に除去する。これにより、剥離層3と共に透明電極層5をパターニングする。この際、レーザ光hνは、剥離層3に対して特に高い吸収係数を示す一方、透明電極層5においてはこれと比較して吸収係数が低い所定波長を有することとする。一例として剥離層3がITOからなり、透明電極層5がFTOからなる場合であれば、レーザ光hνとして波長1060nm近辺のYAGレーザまたはYVO4レーザが用いられる。
ここで図2には、(a)FTO膜、(b)ITO膜、(c)ITO膜上にFTO膜(膜厚を設けた積層膜(FTO/ITO膜)についての、波長に対する透過率のグラフを示す。このグラフに示すように、広い波長領域において(b)ITO膜よりも(a)FTO膜の透過率が高く、(c)FTO/ITO膜の透過率は(b)ITO膜の透過率とほぼ同じである。
このグラフから、レーザ光の波長が1060nmである場合、(a)FTO膜の透過率90%に対して、(b)ITO膜の透過率60%程度であることが分かる。これにより、透明電極層5をFTOで構成し、剥離層3をITOで構成した場合であれば、FTOからなる透明電極層5側から波長1060nmのレーザ光hνを照射した場合に、このレーザ光hνは透明電極層5では殆ど吸収されず、ITOからなる剥離層3で吸収されることが分かる。
尚、レーザ発信器より照射されたレーザ光hνは、ガルバノスキャナーにより事前にプログラムされた図形情報に従い、透明電極層5を介して剥離層3に照射される。この際、レーザ光hνは、ガルバノスキャナーの先に取付けられた集光レンズにより収束され、透明基板1と透明電極層5との間の剥離層3に対して焦点が合う様に調整され、約50〜100μm程度の直径を保って剥離層3に照射されることとする。
また、照射されるレーザ光hνのエネルギーは、剥離層3のみを揮発させ、透明電極層5には直接作用せず、さらに透明基板1にダメージを与えることのない程度に抑えられる。さらに、レーザ光hνは剥離層3に対して焦点を合わせて照射されれば、透明電極層5側からの照射に限定されることはなく、透明基板1側からであっても良い。
以上により、透明基板1上に、光透過性の剥離層3と透明電極層5との積層構造がパターン形成された透明電極基板7が得られる。透明電極層5は、剥離層3と同一のパターン形状を有して剥離層3上に積層されるており、剥離層3よりも所定波長のレーザ光hνに対する吸収係数が低い透明導電性材料で構成されたものとなる。尚、剥離層3および透明電極層5の詳細な構成は、先の製造手順において述べた通りである。
以上のような製造方法によれば、所定波長のレーザ光hνの照射によって剥離層3を部分的に揮発除去することにより、剥離層3の上層に設けた透明導電層5がリフトオフ除去されて透明導電層5のパターニングが成される。このため、レーザ光hνの照射は、剥離層3が揮発する程度のエネルギーで行なわれれば良く、剥離層3よりもこのレーザ光hνに対する吸収係数が低い透明電極層5に対してレーザ光hν照射の影響を直接及ぼす必要はない。したがって、レーザ光hνの照射によって材質を変質させることなく、導電性を保って透明電極層5をパターニングしてなる透明電極基板7を得ることが可能になる。特にレーザ光hνの照射によるパターニングにおいては、レーザ光hνの照射部に隣接する透明電極層5の周縁部が変質し易く、抵抗値の上昇が発生し易かったが、このような抵抗値の上昇を防止することが可能である。
また、透明導電層5に対するレーザ照射によって直接的に透明導電層5をレーザ加工する場合であれば、例えばFTOからなる透明導電層5に対しては、一般的に約30〜40J/cm2程度のエネルギーを照射する必要が有る。しかしながら、上述した方法によれば、FTOよりも耐熱性が低く薄膜であるITOからなる剥離層3を揮発させれば良い。このため、透明導電層5の加工に要するレーザエネルギーを低下させる事が可能となる。
<光電変換装置の製造方法および光電変換装置>
次に、以上のようにして得られた透明電極基板7を用いた光電変換装置の製造方法を説明する。ここでは、光電変換装置の一例として太陽電池などに用いられる色素増感型光電変換装置を作製する方法を提供する。
先ず、先の図1を用いて説明した手順により、透明電極基板7を作製する。この場合、剥離層3および透明電極層5は複数の短冊状にパターニングされることとする。
次に図3(1)に示すように、透明電極基板7における透明電極層5上に、金属酸化物微粒子層を焼成させてなる多孔質層9をパターン形成する。ここでは、先ず透明電極層5上に、酸化チタンなどからなる金属酸化物微粒子をバインダーや溶剤に分散させたペーストを塗布成膜する。この際、例えばスクリーン印刷、メタルマスク、インクジェットといった印刷方法を適用することにより、透明電極層5における一方向の端部を露出させる形状で金属酸化物微粒子層をパターン形成する。その後、金属酸化物微粒子層を450℃〜550℃の温度で焼成することにより、金属酸化物微粒子の一部を結合させて多孔質層9とする。
以上のようにして形成された多孔質層9は、半導体特性を備えたものとなり、かつ透明電極層5の端部を一部露出させる形状で当該透明電極層5上に形成される。
尚、このような450℃〜550℃の熱処理であっても、耐熱性に優れたFTOによって透明電極層5を構成することで、透明電極層5の特性が維持される。
次に、図3(2)に示すように、多孔質層9に色素11を担持させて色素担持電極層13とする。これにより、透明電極層5とこの上部に形成された色素担持電極層13とで、受光電極を構成する。ここで用いる色素11としては、光増感色作用を示すものであれば特に限定されることはない。また多孔質層9に色素11を担持させる方法としては、例えば色素11を分散または溶解させた溶液に多孔質層9を曝すことにより、多孔質層9の表面に色素11を吸着させる。
次に、図3(3)に示すように、透明電極層5の露出端部上に接続電極15を立設させる。この接続電極15は、色素担持電極層13よりも高く設けられることとする。
その後、図3(4)に示すように、各透明電極層5の周縁を囲む状態で封止層17を形成する。
次いで図4(1)に示すように、対向基板21を用意し、透明電極基板7に対して対向配置する。この対向基板21は、透明電極基板7に向かう一主面上に複数の対向電極23が設けられたものである。各対向電極23は、各透明電極層5と対応する位置、形状にパターニングされている。そして、透明電極基板7と対向基板21とは、透明電極層5と対向電極23とが1:1で対向配置されるように位置合わせされる。
この状態で、図4(2)に示すように、透明電極基板7と対向基板21とを貼り合わせると共に、透明電極基板7と対向基板21との間に電解質Lを充填封止する。これにより、透明電極層5と対向電極23とが1:1で対向配置された分部に、1組の光電変換素子aのセルを形成する。各光電変換素子aは、それぞれパターン形成された透明電極層5と色素担持電極層13とからなる受光電極と、これに対向配置された対向電極23と、封止層17によって各セル部分に独立して充填封止された電解質Lとで構成される。
ここでは、隣り合う光電変換素子aの透明電極層5と対向電極23との間に接続電極15を挟持させ、これによって複数の光電変換素子aが直列に接続された構成とする。この際、接続電極15は、透明電極層5の端部と対向電極23の端部との間に挟持させる。
また電解質Lは、透明電極層5と色素担持電極層13とからなる受光電極と、これに対向配置された対向電極23との間の電荷移送層として設けられる。このような電解質Lとしては、例えば酸化・還元種を含む有機電解液が用いられる。また電解質Lの充填封止は、例えば封止層17に形成した注入口からの電解質Lを注入し、その後注入口を封止することによって行なわれる。尚、電解質Lは、電解液であることに限定されず、ゲル状または固体状であっても良い。
また、直列に接続された複数の光電変換素子aのうち、一方の端部に位置する光電変換素子aの透明電極層5をマイナス側の取出電極として外部に露出させ、他方の端部に位置する光電変換素子aの対向電極23をプラス側の取出電極として外部に露出させる。
以上のようにして得られた色素変換型光電変換素子25は、図4(3)に示すように、透明電極基板7側から光Hが入射されると、色素担持電極層13の色素11が励起され、励起された色素11から金属酸化物からなる多孔質層9に電子が注入される。電子を失った色素11には、電解質Lから電子が供給されることにより、電子の循環が発生して電力を得ることができる。
そして特にこの色素変換型光電変換素子25は、図1を用いて説明した製造手順によって透明電極層5をパターニングしてなる透明電極基板7を用いている。このため、透明電極層5は、周縁部においても導電性が保たれて抵抗値の上昇が抑えられたものとなっている。したがって、透明電極層5の端部と対向電極層23の端部との間に接続電極15を挟持させた接続部において、接続抵抗の上昇を抑えることが可能である。この結果、光電変換によって得られる電流の取り出し効率の向上を図ることが可能になる。さらに、透明導電層5の変質が抑えられることにより、透明導電層の透過率が確保され、光電変換効率そのものが低下することも防止できる。
図1を参照し、1.1mm厚の耐熱ガラス(透明基板1)上に、スプレー熱分解法により、ITOからなる剥離層3を100nmの膜厚で成膜した。さらにこの上層に、スプレー熱分解法によってFTOからなる透明電極層5を1000nmの膜厚で成膜した。
その後、波長1060nmのレーザ光hνを剥離層3に焦点を合わせて照射した。この際、レーザ光hνは、ビーム径50〜100nm、照射エネルギー30〜40J/cm2とし、予めプログラムされた図形情報に従って走査させた。これにより、レーザ光hνの照射位置における剥離層3を揮発除去し、さらにこの上部の透明電極層5をリフトオフ除去して透明電極層5をパターニングした。
パターニングされた透明電極層5について、レーザ加工された周縁部の断面を観察したところ、成膜時のFTOの結晶性が保たれていることが確認された。
図1を参照し、1.1mm厚の耐熱ガラス(透明基板1)上に、スパッタ法によってチタニウムからなる剥離層3を50nmの膜厚で成膜した。さらにこの上層に、スプレー熱分解法によってFTOからなる透明電極層5を1000nmの膜厚で成膜した。
その後、実施例1と同様に、波長1060nmのレーザ光hνを剥離層3に焦点を合わせて照射した。この際、レーザ光hνは、ビーム径50〜100nm、照射エネルギー30〜40J/cm2とし、予めプログラムされた図形情報に従って走査させた。これにより、レーザ光hνの照射位置における剥離層3を揮発除去し、さらにこの上部の透明電極層5をリフトオフ除去して透明電極層5をパターニングした。
パターニングされた透明電極層5について、レーザ加工された周縁部の断面を観察したところ、成膜時のFTOの結晶性が保たれていることが確認された。
実施形態の透明電極基板の製造手順を示す断面工程図である。 ITO膜、FTO膜他の波長に対する透過率のグラフを示す。 実施形態の光電変換層値の製造手順を示す断面工程図(その1)である。 実施形態の透明電極基板の製造手順を示す断面工程図(その2)である。 レーザ加工の前後においてのFTO膜の結晶構造のSEM写真である。
符号の説明
1…透明基板、3…剥離層、5…透明電極層、7…透明電極基板、9…多孔質層、11…色素、13…色素担持電極層、15…接続電極、21…対向基板、23…対向電極、a…光電変換素子、25…色素増感型光電変換装置、hν…レーザ光、L…電解質

Claims (20)

  1. 透明基板上に光透過性の剥離層を成膜する工程と、
    前記剥離層上に透明電極層を成膜する工程と、
    前記剥離層へのレーザ光の照射によって当該剥離層を部分的に揮発させ、当該剥離層と共に前記透明電極層を選択的に除去することにより当該透明電極層をパターニングする工程とを行なう
    透明電極基板の製造方法。
  2. 前記剥離層は、前記透明電極層よりも前記レーザ光に対する吸収係数が高い材料で構成される
    請求項1記載の透明電極基板の製造方法。
  3. 前記剥離層は、導電性材料からなると共に前記透明電極層よりも膜厚が小さい
    請求項1または2に記載の透明電極基板の製造方法。
  4. 前記剥離層はスズドープ酸化インジウムまたは金属材料からなり、
    前記透明電極層はフッ素ドープ酸化スズからなる
    請求項1〜3の何れかに記載の透明電極基板の製造方法。
  5. 透明基板と、
    前記透明基板上にパターン形成された光透過性の剥離層と、
    前記剥離層と同一のパターン形状を有して当該剥離層上に積層されると共に、当該剥離層よりも所定波長のレーザ光に対する吸収係数が低い透明導電性材料からなる透明電極層とを備えた
    透明電極基板。
  6. 前記剥離層は、導電性材料からなると共に前記透明電極層よりも膜厚が小さい
    請求項5記載の透明電極基板。
  7. 前記剥離層はスズドープ酸化インジウムまたは金属材料からなり、
    前記透明電極層はフッ素ドープ酸化スズからなる
    請求項5または6記載の透明電極基板。
  8. 透明基板上に光透過性の剥離層を成膜する工程と、
    前記剥離層上に透明電極層を成膜する工程と、
    前記剥離層へのレーザ光の照射によって当該剥離層を部分的に揮発させ、当該剥離層と共に前記透明電極層を選択的に除去することにより当該透明電極層をパターニングする工程とを行なう
    光電変換装置の製造方法。
  9. 前記剥離層は、前記透明電極層よりも前記レーザ光に対する吸収係数が高い材料で構成される
    請求項8記載の光電変換装置の製造方法。
  10. 前記パターニングされた透明電極層上に金属酸化物粒子層をパターン形成し、これを焼成して多孔質層とする工程と、
    前記多孔質層に色素を担持させて色素担持電極層を形成する工程とを行なう
    請求項8または9に記載の光電変換装置の製造方法。
  11. 対向電極がパターン形成された対向基板を用意し、当該対向電極と前記パターニングされた透明導電層とを向かい合わせると共に、当該対向電極の端部と透明電極層の端部との間に接続電極を挟持させる状態で当該対向基板と前記透明基板とを対向配置する工程を行なう
    請求項8〜10の何れかに記載の光電変換装置の製造方法。
  12. 前記透明基板と対向基板との間に電解質を充填封止する工程を行なう
    請求項11記載の光電変換装置の製造方法。
  13. 前記剥離層は、導電性材料からなると共に前記透明電極層よりも膜厚が小さい
    請求項8〜12の何れかに記載の光電変換装置の製造方法。
  14. 前記剥離層はスズドープ酸化インジウムまたは金属材料からなり、
    前記透明電極層はフッ素ドープ酸化スズからなる
    請求項8〜13の何れかに記載の光電変換装置の製造方法。
  15. 透明基板と、
    前記透明基板上にパターン形成された光透過性の剥離層と、
    前記剥離層と同一のパターン形状を有して当該剥離層上に積層されると共に、当該剥離層よりも所定波長のレーザ光に対する吸収係数が低い透明導電性材料からなる透明電極層とを備えた
    光電変換装置。
  16. 前記パターニングされた透明電極層上に、金属酸化物からなる多孔質層に色素を担持させた色素担持電極層を設けた
    請求項15に記載の光電変換装置。
  17. 前記透明基板における透明電極層の形成面側に配置された対向基板と、
    前記透明電極層に対向する状態で前記対向基板上にパターン形成された対向電極と、
    前記透明電極層の端部と対向基板の端部との間に挟持された接続電極とを備えた
    請求項15または16記載の光電変換装置。
  18. 前記透明基板と対向基板との間に電解質が充填封止されている
    請求項17記載の光電変換装置。
  19. 前記剥離層は、導電性材料からなると共に前記透明電極層よりも膜厚が小さい
    請求項15〜18の何れかに記載の光電変換装置。
  20. 前記剥離層はスズドープ酸化インジウムまたは金属材料からなり、
    前記透明電極層はフッ素ドープ酸化スズからなる
    請求項15〜19の何れかに記載の光電変換装置。
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