JP2010128941A - 印刷制御装置、印刷制御方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents
印刷制御装置、印刷制御方法、及びコンピュータプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 RIP済データを使用するかどうかを判定するに際し、処理対象のページが再利用可能なオブジェクトのみで構成されているか否かを判定する。この判定の結果、処理対象のページが再利用可能なオブジェクトのみで構成されていない場合には、RIP済データを使用せずに当該処理対象のページに対してRIPを行う。一方、処理対象のページが再利用可能なオブジェクトのみで構成されていない場合には、当該処理対象のページと一致する共通ページが共通ページテーブル507に登録されているか否かを判定する。この判定の結果、登録されている場合にはRIP済データを再利用し、登録されていない場合にはRIP済データを使用せずに当該処理対象のページに対してRIPを行う。
【選択図】 図5
Description
このVDPにおける印刷ジョブを記述する標準フォーマットとしてPPML(Personalized Print Markup Language)がある。PPMLの特徴としては、描画時に再利用される描画オブジェクトと、一度しか描画されない描画オブジェクトとを分けて記述することが挙げられる。
以下に、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。
本実施形態では、PPMLの文法上の特性を活かし、ページ同士の一致判定回数を減らす施策と、オブジェクト同士の一致判定回数を減らす施策を講じている。前述したように、PPMLは、描画時に再利用される描画オブジェクトと、一度しか描画されない描画オブジェクトとを分けて記述することができるものである。
ページ同士の一致判定回数を減らす施策としては以下の2つがある。
まず1つ目は、最初に共通ページの候補を絞り込む処理を行う施策である。このようにすれば、全てのページに対して、キャッシュされたページとの一致判定を行わずに済む。よって、ページ同士の一致判定回数を減らすことができる。この処理に関しては、図9等を用いて説明する。
2つ目は、ページの遷移を考慮して、一致判定を行うページの順番を決定する処理を行う施策である。このようにすれば、一致する可能性の高いページからページの一致判定を行うことになる。よって、なるべく早く一致するページを見つけられる可能性が高くなり、結果的にページ同士の一致判定回数を減らすことができる。この処理に関しては、図11及び図12等を用いて説明する。
まず1つ目は、既に記憶しているページのバイト数と、これからRIPを行うページのバイト数とを比較してから、実際のオブジェクトの一致判定を行う施策である。このようにすれば、ページのバイト数が異なるページに対しては、オブジェクト同士の一致判定回数が不要になる。このため、オブジェクト同士の一致判定回数を減らすことができる。この処理に関しては、図13等を用いて説明する。
2つ目は、ページ内で前景となるオブジェクトから順番に一致判定を行う。これにより、背景は共通しているが前景が異なる共通ページ同士の一致判定において、早い段階で不一致と判定することができる。このため、オブジェクト同士の一致判定回数を減らすことができる。この処理に関しては、図14等を用いて説明する。
次に、本実施形態における印刷システムの構成について説明する。
図2は、印刷システムの概略構成の一例を示す図である。
図2において、1台以上のクライアントパーソナルコンピュータ(以下、クライアントPCと称する)202、プリンタコントローラ203及びプリンタ204がネットワーク201を介して相互に接続されている。
次に、クライアントPC202のハードウェア構成について説明する。図3は、クライアントPC202のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示すクライアントPC202のハードウェア構成は一例である。図3に示すものの他にも、クライアントPCのハードウェアの接続方法として様々な方法を採ることができることが一般に知られている。また、図3に示すものの他にも、様々なバスやインタフェースを有したクライアントPCの構成が一般に知られている。
次に、プリンタコントローラ203のハードウェア構成について説明する。図4は、本実施形態で使用されるプリンタコントローラ203のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。クライアントPC202と同様に、図4に示すプリンタコントローラ203のハードウェア構成は一例であり、様々な接続方法や、様々なバスやインタフェースを有した構成を採ることができる。
次に、RIPモジュール501のモジュール構成を説明する。図5は、RIPモジュール501のモジュール構成の一例を示す図である。RIPモジュール501は、プリンタコントローラ203のHDD404に記憶され、HDD404からRAM402に適宜展開され、CPU401の制御のもとで実行される。このRIPモジュール501において、特に特徴的な処理を行っているのは共通ページ判定部503である。共通ページ判定部503が行う処理の詳細に関しては図9等を用いて後述する。
インタプリタ502は、PPMLスクリプトの解釈を行うモジュールである。まず、外部のモジュールからPPMLスクリプトを受け付け、PPMLスクリプトをパーズ(parse)し、RAM402上に展開する。そして、インタプリタ502は、パーズしたページデータを共通ページ判定部503に渡し、共通ページ判定部503で行われた判定結果に応じて処理対象ページをRIPするか、キャッシュに記憶されているRIP済データを出力するかを決定する。インタプリタ502が行う処理の流れの詳細は図6を用いて後述する。
共通ページテーブル507は、処理対象ページと、共通ページキャッシュ508に格納されている共通ページとの一致判定を効率的に行うために用いられるテーブルであり、プリンタコントローラ203のRAM402に記録される。図6は、共通ページテーブル507のデータ構造の一例を概念的に示す図である。
遷移履歴フィールド602は、どの共通ページがどの順番で出現したのかを示すフィールドである。以下の説明では、この遷移履歴フィールド602内の内容を、必要に応じて遷移履歴と称する。例えば、リソースIDが002のページ(共通ページB)の遷移履歴フィールド602には、「A→B→C:2回」というデータ(遷移履歴)が記憶されている。この遷移履歴は、リソースIDが002のページ(共通ページB)の1ページ前に共通ページAが出現し、リソースIDが002のページ(共通ページB)の次のページに共通ページCが出現したことが、2回あったことを示している。この遷移履歴を用いることで、処理対象ページと一致する可能性の高い共通ページを容易に且つ確実に推測できるようになる。
ポインタフィールド604は、インタプリタ502のパーズ処理によりRAM402に展開された各共通ページのページデータ605へのポインタを示すフィールドである。
尚、この共通ページテーブル507の使用方法は、図10〜図12等を用いて後述する。
図7において、リソースIDフィールド701は、リソースIDを示すフィールドである。このリソースIDは、キャッシュしたページデータを特定するためのIDである。このリソースIDの値は、図6に示した共通ページテーブル507内のリソースIDフィールド601内のリソースIDと対応する。
尚、ここでは、RIP済データ703をRAM402に記録する場合を例に挙げて示した。しかしながら、RIP済データ703を記録する装置はRAM402に限定されない。例えば、RIP済データ703をプリンタコントローラ203のHDD404に記憶するようにしてもよい。また、RIP済データ703をRAM402とHDD404との両方に記憶するようにしてもよい。
このような問題があるため、どのRIP済データをRAM402とHDD404のどちらに記憶するのかを判断する方法が処理効率に影響する。
例えば、PPMLには、再利用オブジェクトを参照するための要素(OCCURRENCE_REF)にWeight属性が付与されている場合がある。この場合には、そのWeight属性の値の大きさに応じて、RIP済データ703をRAM402とHDD404のどちらに記憶するのかを決定してもよい。この場合、ページを構成する再利用オブジェクトに付与されているWeight属性の値から、例えば平均値を求め、その平均値に基づいて各ページの重要度を算出する。そして、RAM402の記憶容量を超えてRIP済データ703(ページ)をキャッシュしなければならなくなった際には、最も重要度の低いページのRIP済データ703をRAM402からHDD404に移し変える。
次に、図8のフローチャートを参照しながら、インタプリタ502により実行されるRIPの一例を説明する。図8は、1ページ分のページデータに対してRIPを行う場合のインタプリタ502の処理の一例を表すフローチャートである。以下、各処理について説明する。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS801の処理を行うことにより解析手段の一例が実現される。
共通ページ判定部503が、処理対象ページと、共通ページテーブル507に登録されている共通ページとが一致したと判定した場合、インタプリタ502は、その一致したページのリソースIDと、共通ページと一致したことを示すフラグを受け取る。以下の説明では、このフラグを必要に応じて一致フラグと称する。この場合、インタプリタ502は、TRUEの値が代入された一致フラグを受け取る。
また、処理対象ページが共通ページであると判定されなかった場合、インタプリタ502は、共通ページと判定されなかったことを示す値、例えば負の値が代入されたリソースIDと、FALSEの値が代入された一致フラグを共通ページ判定部503から受け取る。
尚、共通ページ判定部503で行われる以上の処理の内容は、図9を用いて後述する。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS804の処理を行うことにより出力手段の一例が実現される。
次に、ステップS806において、インタプリタ502は、ステップS805で解釈された処理対象ページの描画命令をレンダラ504に渡し、処理対象ページのラスタライズをレンダラ504に指示する。これにより処理対象ページのRIPが行われる。レンダラ504は、出力部506にRIP済データを渡す。このRIP済データに基づいてプリンタ204で印刷出力が行われる。
以上のように本実施形態では、例えば、RIPが描画のための処理の一例となり、RIP済データが描画処理済データの一例となる。また、ステップS806の処理を行うことにより生成手段の一例が実現される。尚、RIP済データだけでなく、例えば中間データも描画処理済データに含まれる。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS808の処理を行うことにより記憶手段の一例が実現される。また、例えば、リソースIDフィールド601、701とポインタフィールド604、702を用いることにより、RAM402に記憶された"RIP済データと、そのRIP済データ生成元であるページデータ"が相互に対応付けられる。
前述したように、図8のステップS802の処理が行われると、共通ページ判定部503はインタプリタ502からの指示を受け付ける。この指示を受け付けると、共通ページ判定部503は、現在の処理対象ページが共通ページか否かの判定と、処理対象ページと一致する共通ページの探索とを行う。
ここで、このような共通ページ判定部503の処理の一例について図9のフローチャートを参照しながら説明する。図9は、共通ページ判定部503における処理の一例を説明するフローチャートである。
このステップS901の処理は、共通ページに含まれるオブジェクトは必ず複数回再利用されるため、PPMLを出力するアプリケーションであれば、共通ページに含まれるオブジェクトは全て再利用オブジェクトとして出力されるという仮定に基づいている。このステップS901の処理を行うことで、共通ページとはなり得ないページと、共通ページテーブル507に記録されている共通ページとの無駄な一致判定処理を回避できる。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS901の処理を行うことにより抽出手段の一例が実現される。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS902の処理を行うことにより判定手段の一例が実現される。
ステップS903に進むと、共通ページ判定部503は、ステップS903において処理対象ページと一致したと判定された共通ページのリソースIDと、TRUEの値が代入された一致フラグとを、インタプリタ502に返す。
このステップS803の処理により、図8のステップS804の処理が行われ、共通ページ判定部503から受け取ったリソースIDを持った共通ページのRIP済データの再利用が行われる。そして、後述するステップS905に進む。
ここで、共通ページ判定部503は、共通ページテーブル507のリソースIDフィールド601に格納されていない正の値を持ったリソースIDを新規に発行する。
このステップS904の処理により、図8のステップS806、S807、S809の処理が行われ、処理対象ページのRIPと、その処理対象ページのRIP済データが共通ページキャッシュ508に記憶される。そして、ステップS905に進む。
ステップS905で共通して行う処理は、共通ページの並び順の更新である。具体的には、図6に示した遷移履歴フィールド602と、累積回数フィールド603の更新が行われる。
また、ステップS904を処理した場合のみ必要となる処理は、新規に発行したリソースIDを用いて、リソースIDフィールド601とポインタフィールド604へのレコードの追加が行われる。
このステップS906の処理により、図8のステップS806、S807の処理が行われ、対象処理ページのRIPが行われる。この場合、処理対象ページは、共通ページキャッシュ508に記憶されない。
前述したように、図9のステップS902において、共通ページ判定部503は、ステップS902にて共通ページの候補と判定した処理対象ページと一致する"共通ページテーブル507内の共通ページ"を探索する。
ここで、この共通ページ判定部503の処理の一例について図10のフローチャートを参照しながら説明する。図10は、図9のステップS902の詳細な処理の一例を説明するフローチャートである。
この判定の結果、処理対象ページが、PPMLジョブの1レコード目であった場合には、ステップS1008に進み、共通ページ判定部503は、この処理対象ページと一致するページは共通ページキャッシュ508には存在しないと判定する。このステップS1008の処理は、1レコード目にあたるページは、それ以前に処理されたページがないので、共通ページテーブル507に同じ内容のページが登録されていることはないという前提に基づいている。
前述したように図10のステップS1003において、共通ページ判定部503は、図6の遷移履歴フィールド602に記録されている"ページの遷移履歴"を用いて、処理対象ページがどの共通ページと一致する可能性が高いかを予測する。そして、その可能性が高い共通ページから順に処理対象ページとの一致判定を行う。
ここで、この共通ページ判定部503の処理の一例について図11、図12を参照しながら説明する。図11は、図10のステップS1003、S1004の詳細な処理の一例を説明するフローチャートである。図12は、図10のステップS1003の処理の一例を概念的に説明する図である。図12では、1レコード目から3レコード目までの全ページと、4レコード目の2ページ目までの処理が完了しており、4レコード目の3ページ目が処理対象ページとなっている例を示している。
(1)処理対象ページの1つ前と2つ前のページが一致する遷移履歴に対応する共通ページ。
(2)処理対象ページの1つ前のページが一致する遷移履歴に対応する共通ページ。
(3)処理対象ページの1つ前のページと一致しない遷移履歴に対応する共通ページ。
この例では、(1)が最も優先順位が高い共通ページであり、(3)が最も優先順位が低い共通ページとなる。
ステップS1101で述べたとおり、図12に示す例では、処理対象ページ1202の1ページ前はB(リソースIDは002)、2ページ前はA(リソースIDは001)である。例えば、図11において点線で示された「A→B→C」という遷移履歴は、処理対象ページの2つ前のページ1204と1つ前のページ1203と処理対象ページ1202の遷移に一致する。従って、この遷移履歴「A→B→C」に対応する共通ページCが、優先順位が最も高い共通ページであると評価する。また、例えば、「F→B→D」という遷移履歴は、処理対象ページ1202の1つ前のページ1203と処理対象ページ1202との遷移には一致するが、2つ前のページ1204からの遷移とは一致しない。そこで、この遷移履歴「F→B→D」に対応する共通ページDが、2番目に優先順位が高い共通ページであると評価する。また、例えば、「F→B」という遷移履歴は、処理対象ページ1202の1つ前のページ1203と処理対象ページ1202との遷移に一致しないため、この遷移履歴「F→B」に対応する共通ページBが、最も優先順位が低い共通ページであると評価する。この場合における、各共通ページの優先順位を図12の各遷移履歴の右にかっこ書きで記載している。
また、前述した優先順位の基準は一例であり、その他の優先順位の基準で優先順位を決定してもよい。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1102の処理を行うことにより決定手段の一例が実現される。また、例えば、遷移履歴フィールド602に遷移履歴を記憶することにより第2の記憶手段の一例が実現される。
次に、ステップS1104において、共通ページ判定部503は、ステップS1103の比較の結果に基づいて、処理対象ページと一致する共通ページがあったか否かを判定する。この判定の結果、処理対象ページと一致する共通ページがある場合には、ステップSS1105に進み、共通ページ判定部503は、現在の処理対象ページと一致する共通ページが共通ページテーブル507(共通ページキャッシュ508)に存在すると判定する。
一方、処理対象ページと一致する共通ページがない場合には、ステップS1107に進み、共通ページ判定部503は、現在の処理対象ページと一致する共通ページが共通ページテーブル507(共通ページキャッシュ508)に存在しないと判定する。
図10のステップS1007及び図11のステップS1104において、比較の優先順位に基づき、処理対象ページと、その比較対象となる共通ページとの一致判定処理を行うことを述べた。ここで、この共通ページ判定部503の処理の一例について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。図13は、図10のステップS1006、S1007及び図11のステップS1103、S1104の詳細な処理の一例を説明するフローチャートである。
ここで、既に処理対象ページとの比較が行われた共通ページはどれなのかという情報をRAM402に記憶しておき、この共通ページについては再度比較しないようにしてもよい。
以上のように本実施形態では、例えば、スクリプトのバイト数がスクリプトの情報量の一例であり、ステップS1302の処理を行うことにより情報量判定手段の一例が実現される。
この処理において、どのオブジェクトが前景なのか、背景なのかという判定を直接行う必要はない。PPMLスクリプトにおいては、ページの最初の方に記述されているオブジェクトは背景オブジェクトである場合が多く、また、ページの最後の方に記述されているオブジェクトは前景オブジェクトである場合が多い。その理由は、PPMLの文法上、先に記述されるオブジェクトが、後に記述されるオブジェクトに上書きされて描画されるためであり、PPMLスクリプトを出力するアプリケーションも前述したような記述を行うことが多いためである。
図14は、処理対象ページに配置されているオブジェクトと、一致判定の対象となる共通ページに配置されているオブジェクトとの一致判定を行う方法の一例を概念的に示す図である。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1303の処理を行うことによりオブジェクト判定手段の一例が実現される。
尚、ここでは前景オブジェクトから順にオブジェクトの一致判定を行う方法を例に挙げて説明したが、必ずしもこのようにする必要はなく、背景オブジェクトから順にオブジェクトの一致判定を行うようにしてもよい。この場合、PPMLスクリプトにおいてページの最初に記述されているオブジェクトから順番に一致判定を行っていけばよい。
一方、処理対象ページに配置されているオブジェクトと、一致判定の対象となる共通ページに配置されているオブジェクトとが全て一致しない場合には、ステップS1305に進む。
ステップS1305の判定の結果、処理対象ページと比較していない共通ページが共通ページテーブル507にない場合には、ステップS1306に進む。ステップS1306に進むと、共通ページ判定部503は、処理対象ページと、一致判定の対象となる共通ページとが一致しないと判定する。
許容される一致判定回数=(A−B)/C ・・・(1)
図15において、インタプリット平均処理時間とは、インタプリタ502が1ページ分の解釈を行うのにかかる平均時間(図8のステップS805の処理にかかる平均時間)である。ラスタライズ平均処理時間とは、レンダラ504が1ページ分のラスタライズを行うのにかかる平均時間である。キャッシュ出力平均処理時間とは、キャッシュマネージャ505が1ページ分のRIP済データを出力するのにかかる平均時間(図8のステップS804の処理にかかる平均時間)である。一致判定平均処理時間とは、ページ同士の一致判定を1回行うのにかかる平均時間である。
以上の方法では、(1)式に示す時間A、B、Cを計測する必要がある。この時間A、B、Cはオフラインで計測してもよいし、オンラインで計測してもよい。つまり、処理対象のPPMLジョブにおいて、最初の所定数のレコードを処理する際に時間A、B、Cを計測し、(1)式により所定順位を算出し、その所定順位を残りのレコードに対して適用するようにしてもよい。または、処理対象のPPMLジョブとは別の複数のPPMLジョブに対し、予め時間A、B、Cを計測し、(1)式により所定順位を算出しておき、それを実際の処理対象のPPMLジョブに対して適用するようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、遷移履歴を用い、処理対象ページと一致する可能性が高い共通ページを予測することで、処理対象ページとの一致判定を行う共通ページの優先順位を決定していた。これに対し本実施形態では、遷移履歴を用いずに、処理対象ページが含まれるレコードのページ構成が、どのレコードのページ構成と似ているか、という情報に基づいて、一致判定を行う共通ページの優先順位を決定する。このように本実施形態と前述した第1の実施形態とは、処理対象ページとの一致判定を行う共通ページの優先順位を決定する方法が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図15に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
ここで問題となるのは、レコード間のページ構成の類似度を求める方法である。
本実施形態では、レコード間のページ構成の類似度を例えば以下のようにして求めるようにしている。すなわち、処理対象ページ1601が含まれるレコードを構成するページ(図16に示す例では、5レコード目における、処理対象ページ1601以外のページ)が何ページあるかということや、それらのページの並び順がどれくらい類似しているか等を評価する。そして、最終的な類似度は、以上のような評価によって得られた類似度を、加重平均等を用いて総合したものとする。そして、この最終的な類似度が最も高いレコードに含まれる共通ページから順に処理対象ページ1601との一致判定を行う。具体的に説明すると、処理対象ページ1601が含まれないレコードのページ群のうち、処理対象ページ1601が含まれるレコードを構成する共通ページと一致したページ群の次のページから順番に一致判定を行う。
また、処理対象ページ1601が含まれるレコードのページ構成との類似度が最も高いのは、1レコード目である。したがって、優先順位が最も高い共通ページはSとなる。また、処理対象ページ1601が含まれるレコードのページ構成との類似度が2番目に高いのは、2レコード目である。したがって、優先順位が2番目高い共通ページはLとなる。また、処理対象ページ1601が含まれるレコードのページ構成との類似度が3番目に高いのは、4レコード目である。したがって、優先順位が3番目高い共通ページはMとなる。
以上のように、レコード間のページ構成の類似度に基づいて、一致判定を行う共通ページの優先順位を決定するようにしても、第1の実施形態で説明したのと同じ効果を得ることができる。
前述した本発明の実施形態における印刷制御装置を構成する各手段、並びに印刷制御方法の各ステップは、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
202 クライアントPC
203 プリンタコントローラ
204 プリンタ
501 RIPモジュール
502 インタプリタ
503 共通ページ判定部
504 レンダラ
505 キャッシュマネージャ
507 出力部
507 共通ページテーブル
508 共通ページキャッシュ
Claims (11)
- 再利用可能なオブジェクトと、一度しか描画されないオブジェクトとを分けて記述することができる言語でページデータが記述されたスクリプトを解析する解析手段と、
前記スクリプトに記述されているページデータのうち、再利用可能なオブジェクトのみで構成されているページデータを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出されたページデータに対して描画のための処理を行って描画処理済データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された描画処理済データと、当該描画処理済データの生成元であるページデータとを相互に対応付けて記憶媒体に記憶する記憶手段と、
前記抽出手段により抽出されたページデータと、前記記憶媒体に既に記憶されているページデータとを比較して、これらが一致するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記抽出手段により抽出されたページデータと、前記記憶媒体に既に記憶されているページデータとが一致していると判定された場合に、当該ページデータに対応付けられて前記記憶媒体に既に記憶されている描画処理済データを、前記生成手段により描画処理済データを生成する代わりに出力する出力手段と、を有することを特徴とする印刷制御装置。 - 前記抽出手段により抽出されたページデータの遷移を記憶媒体に記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段により記憶された、ページデータの遷移に基づいて、前記スクリプトに記述されているページデータと比較されるページデータの優先順位を決定する決定手段とを有し、
前記判定手段は、前記決定手段により決定された優先順位に従って、前記記憶媒体に既に記憶されているページデータを選択し、選択したページデータと、前記スクリプトに記述されているページデータとを比較して、これらが一致するか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。 - 前記判定手段は、前記スクリプトに記述されているページデータの情報量と、前記記憶媒体に既に記憶されているページデータの情報量とが一致するか否かを判定する情報量判定手段と、
前記情報量判定手段により情報量が一致すると判定された場合に、前記スクリプトに記述されているページデータのオブジェクトと、前記記憶媒体に既に記憶されているページデータのオブジェクトとが一致するか否かを判定するオブジェクト判定手段とを有し、
前記情報量判定手段により情報量が一致しないと判定された場合と、前記オブジェクト判定手段によりオブジェクトが一致しないと判定された場合に、前記スクリプトに記述されているページデータと、前記記憶媒体に既に記憶されているページデータとが一致しないと判定し、
前記オブジェクト判定手段によりオブジェクトが一致すると判定された場合に、前記記憶媒体に既に記憶されているページデータとが一致すると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷制御装置。 - 前記オブジェクト判定手段は、前景となるオブジェクトから先にオブジェクトが一致するか否かを判定することを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
- 前記判定手段は、前記記憶媒体に記憶された複数ページのページデータのうち、一部のページのページデータについて、前記スクリプトに記述されているページデータと一致するか否かを判定することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の印刷制御装置。
- 前記一部のページは、1ページ分の前記ページデータから前記描画処理済データを生成するのに要する時間から、前記描画処理済データを出力するのに要する時間を減算した時間に対応する数のページであることを特徴とする請求項5に記載の印刷制御装置。
- 前記生成手段は、前記判定手段により、前記スクリプトに記述されているページデータと、前記記憶媒体に既に記憶されているページデータとが一致しないと判定された場合に、当該ページデータに対して描画のための処理を行って描画処理済データを生成することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の印刷制御装置。
- 前記生成手段は、前記抽出手段により再利用可能なオブジェクトのみで構成されているページデータが抽出されたかった場合にも、当該ページデータに対して描画のための処理を行って描画処理済データを生成することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の印刷制御装置。
- 前記言語は、PPMLであることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の印刷制御装置。
- 再利用可能なオブジェクトと、一度しか描画されないオブジェクトとを分けて記述することができる言語でページデータが記述されたスクリプトを解析する解析ステップと、
前記スクリプトに記述されているページデータのうち、再利用可能なオブジェクトのみで構成されているページデータを抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出されたページデータに対して描画のための処理を行って描画処理済データを生成する生成ステップと、
前記生成ステップにより生成された描画処理済データと、当該描画処理済データの生成元であるページデータとを相互に対応付けて記憶媒体に記憶する記憶ステップと、
前記抽出ステップにより抽出されたページデータと、前記記憶媒体に既に記憶されているページデータとを比較して、これらが一致するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、前記抽出ステップにより抽出されたページデータと、前記記憶媒体に既に記憶されているページデータとが一致していると判定された場合に、当該ページデータに対応付けられて前記記憶媒体に既に記憶されている描画処理済データを、前記生成ステップにより描画処理済データを生成する代わりに出力する出力ステップと、を有することを特徴とする印刷制御方法。 - 再利用可能なオブジェクトと、一度しか描画されないオブジェクトとを分けて記述することができる言語でページデータが記述されたスクリプトを解析する解析ステップと、
前記スクリプトに記述されているページデータのうち、再利用可能なオブジェクトのみで構成されているページデータを抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出されたページデータに対して描画のための処理を行って描画処理済データを生成する生成ステップと、
前記生成ステップにより生成された描画処理済データと、当該描画処理済データの生成元であるページデータとを相互に対応付けて記憶媒体に記憶する記憶ステップと、
前記抽出ステップにより抽出されたページデータと、前記記憶媒体に既に記憶されているページデータとを比較して、これらが一致するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、前記抽出ステップにより抽出されたページデータと、前記記憶媒体に既に記憶されているページデータとが一致していると判定された場合に、当該ページデータに対応付けられて前記記憶媒体に既に記憶されている描画処理済データを、前記生成ステップにより描画処理済データを生成する代わりに出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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