JP2010128316A - オーディオ信号処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オーディオ信号を信号処理する際の処理負担を軽減する。
【解決手段】直線位相ローパスフィルタ1によってオーディオ信号Sinから可聴周波数域の信号S1を取り出し、間引き部2が信号S1に対して間引き処理を施してから信号処理部3に供給する。信号処理部3で信号処理された信号S3に対して補間部4が補間処理を施し、直線位相ローパスフィルタ1で平滑処理を施して信号S5を生成する。減算部8によってオーディオ信号Sinから可聴周波数域の信号S1を減算し、その減算した信号S7と信号S5とを加算部6が加算することで、オーディオ信号Sinと同じ周波数域のオーディオ信号Soutを生成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、信号処理の負担を軽減してオーディオ信号を処理するオーディオ信号処理装置に関する。
ディジタルオーディオ技術の分野では、マイクロプロセッサ(MPU)やディジタルシグナルプロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)等のソフトウェア処理機能を有する装置を用いて、オーディオ信号に対するディジタル信号処理が行われている(特許文献1を参照)。例えば、イコライザー(Equalizer)によってオーディオ信号の周波数特性を調整する場合、そのイコライザーをMPUやDSPで構成し、柔軟性の向上を図ることが可能なソフトウェア処理によってディジタル信号処理を行っている。
特開平11−225333号公報
ところが、より高いサンプリング周波数でサンプリングされたオーディオ信号を信号処理する場合ほど、処理対象であるデータの数が多くなり、MPUやDSPにおける信号処理の負担が増大することとなるため、その信号処理の負担を軽減することが重要となっている。例えば、CDの仕様として知られている再生周波数の上限が20kHz、サンプリング周波数が44.1kHz等とされているオーディオ信号を処理する場合と、DVD-Videoの仕様として知られている再生周波数の上限が96kHz、サンプリング周波数が192kHzとされているオーディオ信号を処理する場合とでは、192kHzでサンプリングされたオーディオ信号を処理する場合の方が処理対象であるデータの数が多くなり、MPUやDSPにおける信号処理の負担が増大する。このため、高い周波数でサンプリングされたオーディオ信号に対してMPUやDSPで信号処理を行う際、その信号処理の負担を軽減することが重要となっている。
本発明は、こうした従来の課題に鑑みて成されたものであり、信号処理の負担を軽減することを可能にするオーディオ信号処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を発生するため請求項1に記載の発明は、所定のサンプリング周波数によってサンプリングされたオーディオ信号を信号処理するオーディオ信号処理装置であって、前記オーディオ信号のうち可聴周波数域の信号を取り出す第1のフィルタ手段と、前記フィルタ手段で取り出された信号に対し間引き処理を行う間引き手段と、前記間引き手段により間引かれた信号を信号処理する信号処理手段と、前記信号処理手段で信号処理された信号に補間処理を施す補間手段と、前記補間手段で補間された信号を平滑処理する第2のフィルタ手段と、前記オーディオ信号のうち可聴周波数域の信号を取り除く減算手段と、前記第2のフィルタ手段により平滑処理された信号と、前記減算手段により可聴周波数域の信号が取り除かれた信号とを加算する加算手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の好適な実施の形態について図1を参照して説明する。図1(a)は、本実施形態のオーディオ信号処理装置の構成を示すブロック図である。
図1(a)において、このオーディオ信号処理装置は、第1のフィルタ手段としての直線位相ローパスフィルタ1と、第2のフィルタ手段としての直線位相ローパスフィルタ5と、間引き部2、所定の信号処理を行う信号処理部3、補間部4、加算部6、第1の遅延手段としての遅延部7、第2の遅延手段としての遅延部9、減算部8を備えて構成されている。また、これらの各構成要素1〜9はDSPやMPUによって構成され、ソフトウェア処理によって各構成要素1〜9の機能が発揮されるようになっている。
直線位相ローパスフィルタ1は、通過周波数帯域において直線位相特性を有する直線位相FIRフィルタ等で形成され、所定のサンプリング周波数fsでサンプリングされたディジタルデータ列のオーディオ信号Sinを入力し、いわゆる可聴周波数域の信号成分を取り出して出力する。
ここで、直線位相ローパスフィルタ1のカットオフ周波数fcが可聴周波数域の上限の周波数(例えば24kHz)に決められている。このため、オーディオ信号Sinが可聴周波数域以上の信号成分を有している場合には、直線位相ローパスフィルタ1は可聴周波数域以上の信号成分の通過を阻止し、可聴周波数域の信号成分だけを取り出して出力する。
間引き部2は、直線位相ローパスフィルタ1から出力されるオーディオ信号S1に対して所定の間引き率1/Nで間引き、サンプリングレートを1/N倍に減少させたオーディオ信号S2にして出力する。つまり、図1(b)に模式的に示すように、ディジタルデータ列のオーディオ信号S1をNサンプル間隔(Nは整数)で抽出することによってサンプリングレートを1/N倍に減少させ、その抽出したオーディオ信号S2を出力する。
ここで、間引き部2における間引き率1/Nは、信号処理部3がオーディオ信号S2を信号処理する際、処理に負担が掛からないデータ量となり、且つ、間引きによってオーディオ信号S2の情報が過大に喪失しスピーカ等で再生される音の音質が過度に劣化することがないように決められている。
信号処理部3は、オーディオ信号S2に対して所定の信号処理を行い、補間部4側へ出力する。例えば、信号処理部3は、イコライザー、トーンコントロール等の機能を有し、図示しない操作部を介してユーザから指示される機能を選択し、その選択した機能に基づく信号処理を行うようになっている。
補間部4は、信号処理部3で信号処理されたオーディオ信号S3に対してサンプリングレートをN倍に増加させる処理を行って出力する。つまり、図1(c)に模式的に示すように、信号処理部3から出力されるディジタルデータ列のオーディオ信号S3の信号間(データ間)にN−1個の零値を挿入することで、サンプリングレートをN倍に増加させたオーディオ信号S4を生成して出力する。なお、説明の便宜上、上述のN倍を補間率Nと言うこととする。
直線位相ローパスフィルタ5は、直線位相特性を有する直線位相FIRフィルタ等で形成され、上述の直線位相ローパスフィルタ1と同様に、カットオフ周波数fcが可聴周波数域の上限の周波数(例えば24kHz)に決められている。これにより、オーディオ信号S4から可聴周波数域以上の信号成分が除去されたオーディオ信号S5が生成されて、加算部6側へ出力される。
遅延部7は、直線位相ローパスフィルタ1のフィルタリング処理に要する遅延時間と等しい遅延時間τ1を有し、入力されるオーディオ信号S1をその遅延時間τ1だけ遅延させて減算部8へ出力する。
減算部8は、遅延部7を通過したオーディオ信号Sinと直線位相ローパスフィルタ1からのオーディオ信号S1との差(Sin−S1)を演算して出力する。これにより、遅延部7を通過したオーディオ信号Sinから上述の可聴周波数域のオーディオ信号S1が取り除かれたオーディオ信号S6が生成される。
遅延部9は、間引き部2と信号処理部3と補間部4及び直線位相ローパスフィルタ5における処理に要する遅延時間を合計した遅延時間と等しい遅延時間τ2を有し、入力されるオーディオ信号S6をその遅延時間τ2だけ遅延させオーディオ信号S7として加算部6へ出力する。
加算部6は、直線位相ローパスフィルタ5と遅延部9から出力されるオーディオ信号S5とS7を加算し、加算したオーディオ信号Soutを出力する。つまり、可聴周波数域のオーディオ信号S5と可聴周波数域の信号成分が取り除かれているオーディオ信号S7とが加算されることで、元のオーディオ信号Sinと同じ周波数域のオーディオ信号Soutが生成される。
以上に説明した本実施形態のオーディオ信号処理装置によれば、入力されるオーディオ信号Sinのうち人間の聴覚で感じる可聴周波数域の信号成分を直線位相ローパスフィルタ1で抽出して間引き部2で間引き処理を行ってから信号処理部3に供給するので、信号処理部3の信号処理の負担を軽減することができる。特に、信号処理部3が可聴周波数域以外の信号成分について信号処理を行わないが、人間の聴覚で感じる可聴周波数域の信号成分に対して信号処理を行うため、スピーカ等で音再生を行うと聴取品質の劣化を抑制することができる。このため、聴取品質の劣化の抑制と、信号処理部3の信号処理の負担軽減との両者を効果的に実現することが可能である。
更に、入力されるオーディオ信号Sinから可聴周波数域の信号成分が除かれたオーディオ信号(すなわち、信号処理部3で信号処理されないオーディオ信号)S6と、信号処理部3で信号処理され補間部4と直線位相ローパスフィルタ5を介して生成される可聴周波数域のオーディオ信号S5とを、加算部6が加算することで、元のオーディオ信号Sinと同じ周波数域のオーディオ信号Soutを生成することができる。このため、元のオーディオ信号Sinに含まれている情報の喪失を極力抑制することができ、スピーカ等で音再生を行うと聴取品質の劣化を抑制することができる。
なお、以上の説明では、可聴周波数域を24kHz以下の周波数範囲として説明したが、例えばCDやDVDの仕様で策定されている可聴周波数域としてもよい。
次に、より具体的な実施例について、図2、図3、図4を参照して説明する。図2と図3は、本実施例のオーディオ信号処理装置の構成を示すブロック図である。また、図2と図3において、図1(a)と同一または相当する部分が、同一符号で示されている。
図2において、このオーディオ信号処理装置100は、CD/DVDプレーヤやディジタル放送を受信する受信機等の信号源300としてのAV機器から供給されるディジタルストリーム信号Dinに対して信号処理を行うAVアンプ(オーディオビジュアルアンプ)200内に設けられている。
つまり、AVアンプ200は、1又は複数のAV機器が接続されるセレクターとしての機能を有するホームシアター用のアンプ等であり、ユーザがセレクト(選択)操作したAV機器から出力されるディジタルストリーム信号Dinを入力し、オーディオ信号処理装置100で所定の信号処理を行うようになっている。
まず、AVアンプ200の構成を述べると、DIR(Digital Audio Interface Receiver)やHDMI(High-Definition Multimedia Interface)等のI/F(インターフェース)部10と、オーディオ信号処理装置100と、出力バッファ14、DAC(D/A変換器)15、電力増幅アンプ16、操作部17、システム制御部18を備えて構成されている。
システム制御部18は、AVアンプ200全体の動作を集中制御するマイクロプロセッサ(MPU)等を備えて構成され、ユーザが操作部17に設けられている操作釦等を操作すると、その入力操作された指令に従ってシステム制御信号を出力し、AVアンプ200の動作を集中制御する。
I/F部10は、ディジタルデータ列の信号であるディジタルストリーム信号Dinをデコーダ部11へ転送し、更にディジタルストリーム信号Dinを同期検出して同期クロック信号CKを生成する。そして、後述する出力バッファ13とDAC15が同期クロック信号CKに同期して動作する。
出力バッファ14は、半導体メモリ等で形成されており、オーディオ信号処理装置100で信号処理されたディジタルデータ列のオーディオ信号Soutをバッファリングし、DAC15から同期クロック信号CKに同期して指令されるタイミングに従ってDAC15へ供給する。そして、DAC15が同期クロック信号CKに同期して、出力バッファ14から供給される上述のオーディオ信号をアナログオーディオ信号にアナログディジタル変換し、電力増幅アンプ16で電力増幅させてスピーカ400を駆動させる。
次に、オーディオ信号処理装置100の構成を説明する。
オーディオ信号処理装置100は、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)で構成されており、デコーダ部11と、サンプリング周波数検出部12と、切替え制御部13を有すると共に、第1の信号処理系統Aに設けられている直線位相ローパスフィルタ1,5と間引き部2と信号処理部3と補間部4及び加算部6と、第2の信号処理系統Bに設けられている遅延部7,9と減算部8を備えて構成されている。
デコーダ部11は、I/F部10を介して供給されるディジタルストリーム信号Dinに対して所定のデコード処理を施すことで、ディジタルストリーム信号Dinに含まれているディジタルデータ列のオーディオ信号Sinを復元して出力する。つまり、CD/DVDプレーヤや受信機等の信号源300からは、MPEG-2 AAC(Advannced Audio Coding)やその他規格で定められた所定の音声符号化方式で符号化、暗号化、データ圧縮等されたMPEG-2 TS等のディジタルストリーム信号Dinが所定のフレーム単位でデコーダ部11に供給される。デコーダ部11が、そのディジタルストリーム信号Dinに含まれている制御情報に基づいて音声符号化方式を検出し、その検出した音声符号化方式に準拠したデコード処理を行うことで、ディジタルストリーム信号Dinからオーディオ信号Sinを復元する。
直線位相ローパスフィルタ1は、通過周波数帯域において直線位相特性を有する直線位相FIRフィルタ等で形成され、オーディオ信号Sinのうち可聴周波数域の信号成分を通過させる。また、可聴周波数域の上限、すなわち高域カットオフ周波数fcが24kHzとなっている。
間引き部2は、直線位相ローパスフィルタ1から出力されるオーディオ信号S1に対して所定の間引き率1/Nで間引き処理を行い、サンプリングレートを1/N倍に減少させたオーディオ信号S2にして出力する。なお、間引き部2における間引き率1/Nは、信号処理部3がオーディオ信号S2を信号処理する際、処理に負担が掛からないデータ量となり、且つ、間引きによってオーディオ信号S2の情報が過大に喪失しスピーカ400等で再生される音の音質が過度に劣化することがないように決められているが、詳細については後述することとする。
信号処理部3は、イコライザー機能(EQ)、トーンコントロール機能(TC)、SFC機能(SFC)、ノイズリダクション機能(DNR)、ラウドネス機能(LDC)、夜間に再生される音の周波数特性を周囲の迷惑にならないように調整するミッドナイト機能(MMC)、バスマネージメント機能(BSC)等を有している。そして、システム制御部18からのシステム制御信号に従って機能を選択し、その選択した機能に基づいてオーディオ信号S2を信号処理する。
直線位相ローパスフィルタ5は、直線位相特性を有する直線位相FIRフィルタ等で形成され、直線位相ローパスフィルタ1と同様に、カットオフ周波数fcが可聴周波数域の上限の周波数(24kHz)に決められている。これにより、オーディオ信号S4の可聴周波数域以上の信号成分を除去したオーディオ信号S5を生成して加算部6側へ出力する。
遅延部7は、直線位相ローパスフィルタ1のフィルタリング処理に要する遅延時間と等しい遅延時間τ1を有し、入力されるオーディオ信号S1をその遅延時間τ1だけ遅延させて減算部8へ出力する。
減算部8は、遅延部7を通過したオーディオ信号Sinと直線位相ローパスフィルタ1からのオーディオ信号S1との差(Sin−S1)を演算して出力する。これにより、遅延部7を通過したオーディオ信号Sinから上述の可聴周波数域のオーディオ信号S1が取り除かれたオーディオ信号S6が生成される。
すなわち、直線位相ローパスフィルタ1からは、オーディオ信号Sinのうち可聴周波数域の信号成分であるオーディオ信号S1が出力され、遅延部7からは、遅延時間τ1で遅延されたオーディオ信号Sinが出力されるため、減算部8は、遅延時間τ1で遅延されたオーディオ信号Sinから可聴周波数域のオーディオ信号S1を減算することで、そのオーディオ信号Sinから可聴周波数域のオーディオ信号S1が取り除かれたオーディオ信号S6、つまり可聴周波数域より高い周波数域(カットオフ周波数fcより高い周波数域)のオーディオ信号S6を出力する。
このように、減算部8は、上述の減算処理を行うことで可聴周波数域より高い周波数域のオーディオ信号S6を出力することから、ハイパスフィルタと同様の機能を発揮することになる。
また、仮に遅延部7と減算部8を設けずに、カットオフ周波数fc(24kHz)以上の信号成分を通過させるハイパスフィルタを設けておき、当該ハイパスフィルタにオーディオ信号Sinを入力することで、可聴周波数域より高い周波数域のオーディオ信号S6を生成して遅延部9へ供給するという構成も考えられるが、かかる仮の構成によると、ハイパスフィルタにおけるフィルタリング処理の処理量の方が、遅延部7と減算部8による処理量よりも多くなる。このため、図示するように遅延部7と減算部8を設け、減算部8によるハイパスフィルタの機能によって可聴周波数域より高い周波数域のオーディオ信号S6を生成して遅延部9へ供給することで、処理量の低減化が図られている。
また、仮に上述のハイパスフィルタを設けることとした場合、そのハイパスフィルタの位相特性を、第1の信号処理系統Aに設けられている直線位相ローパスフィルタ1から直線位相ローパスフィルタ5までの各構成要素1,2,3,4,5の位相特性に合わせるように面倒な調整が必要となる。つまり、第1の信号処理系統Aの位相特性と第2の信号処理系統Bの位相特性が合っていないと、後述のオーディオ信号S5とS6が加算器6に同期ズレを生じて入力し、干渉が生じてしまうことになる。
この干渉の問題に対して本実施例では、面倒な位相特性の調整が必要となるハイパスフィルタを設けるのではなく、上述したように遅延部7と減算部8を設けて、減算部8によるハイパスフィルタの機能によって可聴周波数域より高い周波数域のオーディオ信号S6を生成して遅延部9へ供給するようにしているので、遅延部7の遅延時間τ1と後述の遅延部9の遅延時間τ2を予め調整しておくという簡単な調整だけで、オーディオ信号S5とS6に同期ズレを生じさせることなく加算器6に入力させ、干渉が生じないようにすることが可能となっている。
遅延部9は、間引き部2と信号処理部3と補間部4及び直線位相ローパスフィルタ5における処理に要する遅延時間を合計した遅延時間と等しい遅延時間τ2を有し、入力されるオーディオ信号S6をその遅延時間τ2だけ遅延させオーディオ信号S7として加算部6へ出力する。
加算部6は、直線位相ローパスフィルタ5と遅延部9から出力されるオーディオ信号S5とS7を加算し、オーディオ信号Soutとして出力する。つまり、可聴周波数域のオーディオ信号S5と可聴周波数域の成分が取り除かれているオーディオ信号S7が加算されることで、オーディオ信号Sinと同じ周波数域のオーディオ信号Soutが生成される。
サンプリング周波数検出部12は、プログラムカウンタで形成されており、デコーダ部11から出力されるオーディオ信号Sinの所定時間T(例えば1ミリ秒)当たりのデータ数を計数し、その計数値Kと時間Tとの関係からオーディオ信号Sinのサンプリング周波数fsを検出する。例えば、1ミリ秒の間の計数値が96個であった場合にはサンプリング周波数fsを96kHz、192個であった場合には192kHzというように検出する。
ただし、本実施例では、所定時間T当たりのデータ数を計数してオーディオ信号Sinのサンプリング周波数fsを検出しているが、予め決められたデータ数のオーディオ信号Sinを計数するのに要する時間を計測し、そのデータ数と計測した時間との関係からディジタルオーディオSinのサンプリング周波数fsを演算してもよい。また、ディジタルストリーム信号Dinには、フォーマット規格で定められた各種の制御情報が含まれており、デコーダ部11がディジタルストリーム信号Dinをオーディオ信号Sinにデコードする際、サンプリング周波数に関する制御情報もデコードする。このことから、デコードされたサンプリング周波数に関する制御情報から直接、オーディオ信号Sinのサンプリング周波数fsを検出してもよい。
切替え制御部13は、図4に模式的に示すように、オーディオ信号Sinのサンプリング周波数fsと、信号処理部3に備えられている機能と、間引き部2の間引き率1/Nと、補間部4の補間率Nとを関連付けたデータベースが備えられている。更に、データベースにおいて、サンプリング周波数fsが192.0kHz、176.4kHz、96.0kHz、88.2kHzの何れかの場合で、且つ信号処理部3の機能がイコライザーとなっている場合に、信号処理部3の処理負担が大きくなると決められている。また、サンプリング周波数fsが48.0kHzまたは44.1kHzの場合には、信号処理部3の機能がイコライザーとなっていても信号処理部3の処理に負担が掛からないと決められ、また、トーンコントロール機能(TC)と、SFC機能(SFC)、ノイズリダクション機能(DNR)、ラウドネス機能(LDC)、ミッドナイト機能(MMC)、バスマネージメント機能(BSC)は、信号処理部3の処理に負担が掛からないと決められている。
そして、切替え制御部13は、サンプリング周波数検出部12で検出されたサンプリング周波数fsと信号処理部3に設定されている機能とをデータベースを参照して対比し、信号処理部3がオーディオ信号Sinをそのまま信号処理した場合に処理量が増加して負担が大きくなるか否か判断し、その判断結果に基づいて、直線位相ローパスフィルタ1,5と間引き部2と補間部4、加算部6、遅延部7,9及び減算部8に処理を実行させ、また、処理を停止させる。
より詳細に述べると、切替え制御部13は次のアクティブモード処理を行うことで、直線位相ローパスフィルタ1,5と間引き部2と補間部4、加算部6、遅延部7,9及び減算部8に処理を実行させ、非アクティブモード処理を行うことで、直線位相ローパスフィルタ1,5と間引き部2と補間部4、加算部6、遅延部7,9及び減算部8に処理を停止させる。
〈アクティブモード処理〉
切替え制御部13は、サンプリング周波数検出部12で検出されたサンプリング周波数fsと信号処理部3に設定されている機能とをデータベースを参照して対比した結果、サンプリング周波数fsが192.0kHzまたは176.4kHz、且つ信号処理部3に設定されている機能がイコライザーであった場合には、信号処理部3の処理負担が大きくなると判断し、直線位相ローパスフィルタ1,5と間引き部2と補間部4及び加算部6と、遅延部7,9、減算部8に処理を実行させ、更に間引き部2の間引き率1/Nを1/4、補間部4の補間率Nを4に設定して、図2に示した回路構成の下で、信号処理部3に信号処理を行わせる。
また、サンプリング周波数fsが96.0kHzまたは88.2kHz、且つ信号処理部3に設定されている機能がイコライザーであった場合にも、信号処理部3の処理負担が大きくなると判断し、直線位相ローパスフィルタ1,5と間引き部2と補間部4及び加算部6と、遅延部7,9、減算部8に処理を実行させ、更に間引き部2の間引き率1/Nを1/2、補間部4の補間率Nを2に設定して、図2に示した回路構成の下で、信号処理部3に信号処理を行わせる。
このように、切替え制御部13は、サンプリング周波数検出部12で検出されたサンプリング周波数fsと信号処理部3に設定されている機能とをデータベースを参照して対比した結果、信号処理部3の処理負担が大きくなると判断すると、直線位相ローパスフィルタ1,5と間引き部2と補間部4及び加算部6と、遅延部7,9、減算部8に処理を実行させる、すなわちアティブにすることで、信号処理部3の処理負担を軽減する。
〈非アクティブモード処理〉
切替え制御部13は、サンプリング周波数検出部12で検出されたサンプリング周波数fsと信号処理部3に設定されている機能とをデータベースを参照して対比した結果、サンプリング周波数fsが48.0kHzまたは44.1kHz、且つ信号処理部3に設定されている機能がイコライザーであった場合には、直線位相ローパスフィルタ1,5と間引き部2と補間部4及び加算部6と、遅延部7,9、減算部8に処理を停止させる。つまり、図3に模式的に示すように、直線位相ローパスフィルタ1,5と間引き部2と補間部4及び加算部6に処理を停止させることで、第1の信号処理系統Aに設けられている信号処理部3にオーディオ信号Sinを直接入力して、信号処理部3で信号処理されたオーディオ信号S3を出力バッファ14へ出力させ、更に遅延部7,9と減算部8に処理を停止させることで、第2の信号処理系統Bが実質的に存在しない状態にする。
また、切替え制御部13がサンプリング周波数検出部12で検出されたサンプリング周波数fsと信号処理部3に設定されている機能とをデータベースを対比した結果、信号処理部3に設定されている機能がトーンコントロール機能(TC)、SFC機能(SFC)、ノイズリダクション機能(DNR)、ラウドネス機能(LDC)、ミッドナイト機能(MMC)、バスマネージメント機能(BSC)の何れかであれば、サンプリング周波数fsに拘わらず、直線位相ローパスフィルタ1,5と間引き部2と補間部4及び加算部6と、遅延部7,9、減算部8に処理を停止させ、図3に示した回路構成の下で、信号処理部3に信号処理を行わせる。
このように、切替え制御部13は、サンプリング周波数検出部12で検出されたサンプリング周波数fsと信号処理部3に設定されている機能とをデータベースを参照して対比した結果、信号処理部3の処理に負担が掛からない場合には、直線位相ローパスフィルタ1,5と間引き部2と補間部4及び加算部6と、遅延部7,9、減算部8に処理を停止させる、すなわち非アティブにすることで、信号処理部3にオーディオ信号Sinを直接入力して、信号処理部3で信号処理されたオーディオ信号S3を出力バッファ14へ出力させる。
次に、オーディオ信号処理装置100の動作について説明する。
ユーザが操作部17を操作して所望の機能を指定すると、システム制御部18が信号処理部3を制御して、その指定された機能を実行させる。例えば、ユーザがイコライザー機能を選択指定すると、システム制御部18の制御の下で信号処理部3がイコライザーとしての信号処理を行うことになる。
更に、切替え制御部13が、サンプリング周波数検出部12で検出されたサンプリング周波数fsと信号処理部3に設定されている機能とを図4に示したデータベースを参照して対比し、信号処理部3がオーディオ信号Sinをそのまま信号処理した場合に処理量が増加して負担が大きくなるか否か判断する。そして、信号処理部3の処理負担が大きくなると判断すると、直線位相ローパスフィルタ1,5と間引き部2と補間部4、加算部6、遅延部7,9及び減算部8に処理を実行させて、信号処理部3の処理負担を軽減する。また、信号処理部3の処理に負担が掛からないと判断すると、直線位相ローパスフィルタ1,5と間引き部2と補間部4、加算部6、遅延部7,9及び減算部8に処理を停止させ、信号処理部3にオーディオ信号Sinをそのまま信号処理させる。
以上に説明したように、本実施例のオーディオ信号処理装置100によれば、信号処理部3に処理負担が掛かる場合には、直線位相ローパスフィルタ1,5と間引き部2と補間部4、加算部6、遅延部7,9及び減算部8に処理を実行させることで、信号処理部3の処理負担を軽減することができる。
また、入力されるオーディオ信号Sinのうち人間の聴覚で感じる可聴周波数域の信号成分を直線位相ローパスフィルタ1で抽出して間引き部2で間引き処理を行ってから信号処理部3に供給するので、信号処理部3の信号処理の負担を軽減することができる。特に、信号処理部3が可聴周波数域以外の信号成分について信号処理を行わないが、人間の聴覚で感じる可聴周波数域の信号成分に対して信号処理を行うため、スピーカ400等で音再生を行うと聴取品質の劣化を抑制することができる。このため、聴取品質の劣化の抑制と、信号処理部3の信号処理の負担軽減との両者を効果的に実現することが可能である。
更に、入力されるオーディオ信号Sinから可聴周波数域の信号成分が除かれたオーディオ信号(すなわち、信号処理部3で信号処理されないオーディオ信号)S6と、信号処理部3で信号処理され補間部4と直線位相ローパスフィルタ5を介して生成される可聴周波数域のオーディオ信号S5とを、加算部6が加算することで、元のオーディオ信号Sinと同じ周波数域のオーディオ信号Soutを生成することができる。このため、元のオーディオ信号Sinに含まれている情報の喪失を極力抑制することができ、スピーカ400等で音再生を行うと聴取品質の劣化を抑制することができる。
なお、以上に説明した実施例では、オーディオ信号処理装置100をAVアンプに設ける場合について説明したが、他のオーディオ機器やAV機器に応用することができるものである。
また、図4に示したように、本実施例では、間引き部2の間引き率1/Nを1/2、1/4とし、補間部4の補間率Nを2、4としているが、信号処理部3の処理負担を軽減するために、間引き率1/Nと補間率Nを他の値に決めても良い。
図1(a)は、実施形態に係るオーディオ信号処理装置の構成を示すブロック図、図1(b)は、間引き部の機能を説明するための説明図、図1(c)は、補間部の機能を説明するための説明図である。 実施例に係るオーディオ信号処理装置の構成を示すブロック図である。 図2に示したオーディオ信号処理装置の動作態様を説明するためのブロック図である。 図2に示した切替え制御部に備えられているデータベースを模式的に示した図である。
符号の説明
100…オーディオ信号処理装置
1,5…直線位相ローパスフィルタ
2…間引き部
3…信号処理部
4…補間部
6…加算部
7,9…遅延部
8…減算部
12…サンプリング周波数検出部
13…切替え制御部

Claims (5)

  1. 所定のサンプリング周波数によってサンプリングされたオーディオ信号を信号処理するオーディオ信号処理装置であって、
    前記オーディオ信号のうち可聴周波数域の信号を取り出す第1のフィルタ手段と、
    前記フィルタ手段で取り出された信号に対し間引き処理を行う間引き手段と、
    前記間引き手段により間引かれた信号を信号処理する信号処理手段と、
    前記信号処理手段で信号処理された信号に補間処理を施す補間手段と、
    前記補間手段で補間された信号を平滑処理する第2のフィルタ手段と、
    前記オーディオ信号のうち可聴周波数域の信号を取り除く減算手段と、
    前記第2のフィルタ手段により平滑処理された信号と、前記減算手段により可聴周波数域の信号が取り除かれた信号とを加算する加算手段と、
    を備えることを特徴とするオーディオ信号処理装置。
  2. 前記第1のフィルタ手段のフィルタリング処理に要する遅延時間と等しい遅延時間を有し、前記オーディオ信号を当該遅延時間で遅延させて前記減算手段へ出力する第1の遅延手段と、
    前記間引き手段と信号処理手段と補間手段及び第2のフィルタ手段における処理に要する合計の遅延時間と等しい遅延時間を有し、前記減算手段により可聴周波数域の信号が取り除かれた信号を当該遅延時間で遅延させて前記加算手段へ出力して、前記平滑処理された信号との加算を行わせる第2の遅延手段と、を更に備え、
    前記第1のフィルタ手段と前記第2のフィルタ手段は、直線位相ローパスフィルタであること、
    を特徴とする請求項1に記載のオーディオ信号処理装置。
  3. 更に、前記間引き手段が間引き処理を行う際の間引き率と前記信号処理手段が補間処理を行う際の補間率とを、前記サンプリング周波数に応じて切替える切替え手段、
    を有することを特徴とする請求項1に記載のオーディオ信号処理装置。
  4. 前記切替え手段は、前記サンプリング周波数と前記信号処理手段における機能とに応じて、前記間引き率と前記補間率を設定すること、
    を特徴とする請求項3に記載のオーディオ信号処理装置。
  5. 所定のサンプリング周波数によってサンプリングされたオーディオ信号を信号処理するオーディオ信号処理方法であって、
    前記オーディオ信号のうち可聴周波数域の信号を取り出す第1のフィルタ工程と、
    前記フィルタ工程で取り出された信号に対し間引き処理を行う間引き工程と、
    前記間引き工程により間引かれた信号を信号処理する信号処理工程と、
    前記信号処理工程で信号処理された信号に補間処理を施す補間工程と、
    前記補間工程で補間された信号を平滑処理する第2のフィルタ工程と、
    前記オーディオ信号のうち可聴周波数域の信号を取り除く減算工程と、
    前記第2のフィルタ工程で平滑処理された信号と、前記減算工程で可聴周波数域の信号が取り除かれた信号とを加算する加算工程と、
    を備えることを特徴とするオーディオ信号処理方法。
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