JP2010127687A - 加速度センサ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡易な構造で製作が容易であり、かつ信頼性および加速度の検知の精度が高い加速度センサ装置を提供する。
【解決手段】 それぞれ1列に配列された複数の電極2a,2bが間に空間1を配して上下に対向してなる容量電極2と、空間1の両端に異なる極が対向し合うように配置された磁石4と、空間1内に磁石4と同じ極同士が対向し合うように収容された導電性の磁石からなる導体ブロック3とを具備する加速度センサ装置9である。加速度に応じた慣性力と磁石4との間で生じる磁力とが釣り合う位置で導体ブロック3が静止して容量電極2(電極2a,2bの間)に生じる静電容量を変化させるため、あらかじめ空間1内の位置に応じた磁力を検知しておくことにより、導体ブロック3の位置と導体ブロック3の質量とを基に加速度を容易に算出して検知することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 それぞれ1列に配列された複数の電極2a,2bが間に空間1を配して上下に対向してなる容量電極2と、空間1の両端に異なる極が対向し合うように配置された磁石4と、空間1内に磁石4と同じ極同士が対向し合うように収容された導電性の磁石からなる導体ブロック3とを具備する加速度センサ装置9である。加速度に応じた慣性力と磁石4との間で生じる磁力とが釣り合う位置で導体ブロック3が静止して容量電極2(電極2a,2bの間)に生じる静電容量を変化させるため、あらかじめ空間1内の位置に応じた磁力を検知しておくことにより、導体ブロック3の位置と導体ブロック3の質量とを基に加速度を容易に算出して検知することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、加速度の大きさに応じて容量電極間の静電容量が変化する機構を備え、この静電容量の変化により加速度を検知する加速度センサ装置に関するものである。
従来、加速度を検知するための加速度センサ装置として、加速度の大きさに応じて容量電極間の静電容量を変化させるようにした機構を備え、この静電容量の変化により加速度を検知するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1,2を参照。)。
このような加速度センサ装置は、一般に、ビーム(梁)で支持されたマス部(重り部)と、マス部に対向して配置された固定電極とを備えている。マス部には固定電極に対向するように可動電極が形成されており、固定電極と可動電極とで構成される容量電極の間に静電容量が発生する。
そして、加速度センサ装置に加速度が生じると、加速度の大きさに応じてビームが撓み、容量電極の間の距離が変動して静電容量が変化する。この静電容量の変化を検知することにより、加速度センサ装置に生じている加速度、つまり加速度センサ装置が搭載された自動車等の機器の加速度が検知される。
このような加速度センサ装置は、通常、シリコン基板等の半導体基板にエッチング加工等の微細加工技術を適用して、ビーム部やマス部等の機械的な可動部分や容量電極等の電気配線部分を形成することにより製作されている。
特開2006−250910号公報
特開2007−85747号公報
しかしながら、従来の加速度センサ装置においては、ビーム部に折れ等の機械的な破壊が発生する可能性があるという問題点があった。特に、加速度の検知精度を高めるためにビーム部を薄くしたり、長くしたりすると、ビーム部の強度の低下や撓んだときに生じる応力の増加等を招くため、このような不具合が発生する可能性が高くなる。
また、このビーム部は半導体基板にエッチング加工等の微細加工技術を適用して製作するため、製作には高度な技術が必要であり、また加工精度を確保することが難しいという問題点があった。
本発明はこのような従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、簡易な構造で製作が容易であり、かつ信頼性および加速度の検知の精度が高い加速度センサ装置を提供することにある。
本発明の加速度センサ装置は、それぞれ1列に配列された複数の電極が間に空間を配して上下に対向してなる容量電極と、前記空間の両端に異なる極が対向し合うように配置された磁石と、前記空間内に両端の前記磁石と同じ極同士が対向し合うように収容された導電性の磁石からなる導体ブロックとを具備することを特徴とするものである。
また、本発明の加速度センサ装置は、上記構成において、前記空間が絶縁容器に形成され、前記容量電極が前記空間を挟んで配置されていることを特徴とするものである。
また、本発明の加速度センサ装置は、上記構成において、上下の前記容量電極が平行に配置されており、前記導体ブロックが前記容量電極に平行な上下面を有することを特徴とするものである。
また、本発明の加速度センサ装置は、1列に配列された複数の電極が間に空間を配して1つの電極と上下に対向してなる容量電極と、前記空間の両端に異なる極が対向し合うように配置された磁石と、前記空間内に両端の前記磁石と同じ極同士が対向し合うように収容された導電性の磁石からなる導体ブロックとを具備することを特徴とするものである。
また、本発明の加速度センサ装置は、上記各構成において、前記複数の電極は、隣接するもの同士の間隔が、前記導体ブロックを平面視したときの外形寸法よりも小さいことを特徴とするものである。
本発明の加速度センサ装置(第1の構成)によれば、それぞれ1列に配列された複数の電極が間に空間を配して上下に対向してなる容量電極と、前記空間の両端に異なる極が対向し合うように配置された磁石と、前記空間内に両端の前記磁石と同じ極同士が対向し合うように収容された導電性の磁石からなる導体ブロックとを具備することから、簡易な構造で製作が容易であり、かつ信頼性および加速度の検知の精度が高い加速度センサ装置を提供することができる。
すなわち、空間に加速度が生じたときに、加速度の大きさに応じた慣性力が導体ブロックに作用し、この慣性力により空間内を移動しようとする導体ブロックには空間の両端に配置した磁石との間に磁力が作用する。この磁力は、導体ブロックを構成する磁石と空間の両端の磁石とが、同じ極同士が対向し合っているので、慣性力により空間の一方の端に導体ブロックが近づくほど慣性力と反対方向に大きく作用するようになる。そして、この慣性力と磁力とが釣り合った位置(慣性力と磁力とが同じ大きさで逆方向になる位置)で導体ブロックが空間内において静止し、この位置で容量電極(上下の電極の間)に生じる静電容量を変化させる。そのため、空間のどの位置で、つまりどの程度の磁力を生じる位置(磁石と導体ブロックとの間の距離)で慣性力と磁力とが釣り合っているかを容易に検知することができる。したがって、例えばあらかじめ磁石および導体ブロックの磁束密度と互いに対向しあう面積とを測定して、磁石と導体ブロックとの間の距離に応じた磁力を検知しておくことにより、その静止位置(容量電極の位置)で導体ブロックに作用する慣性力を検知することができ、その慣性力および導体ブロックの質量から加速度の大きさを算出することができる。
このような加速度センサ装置は、上下に容量電極が配された空間内に導体ブロックが収容されているだけであるため、構造が簡易であり、半導体基板にビーム部等の微細な可動部分を形成するような微細加工は特に必要なく、製作が容易である。また、微細な可動部分を有していないので、加速度センサ装置としての機能を妨げるような機械的な破壊が生じ難く、信頼性が高い。また、容量電極(上下の電極の間)に生じる静電容量の変化を利用して、加速度に起因する慣性力を磁力の大きさとして高い精度で検知することができるため、加速度の検知の精度が高い。したがって、本発明の加速度センサ装置によれば、簡易な構造で製作が容易であり、かつ信頼性および加速度の検知の精度が高い加速度センサ装置を提供することができる。
また、本発明の加速度センサ装置は、空間が絶縁容器に形成され、容量電極が空間を挟んで配置されている場合には、絶縁容器内の空間に導体ブロックを封入するとともに、容量電極を、空間の上下に位置する絶縁容器の内部に形成することにより、次のような効果を得ることができる。
すなわち、導体ブロックを確実に空間内に収めておくことができるとともに、導体ブロックと容量電極との間に絶縁容器の一部が介在することによって、容量電極の導体ブロックとの直接の接触による磨耗や欠け等を効果的に防止することができる。また、絶縁容器に、隣接するもの同士の電気絶縁性を良好に確保して複数の電極を形成することができる。従って、この場合には、加速度センサ装置としての信頼性や生産性を向上させることができる。
また、本発明の加速度センサ装置は、上下の容量電極が平行に配置されており、導体ブロックが容量電極に平行な上下面を有する場合には、例えば導体ブロックが球状であるような場合に比べて、上下の容量電極の間に導体ブロックが介在したときに、容量電極の間の静電容量をより効果的に変化させることができる。そのため、静電容量の変化による加速度の検知がより確実な加速度センサ装置とすることができる。
また、本発明の加速度センサ装置(第2の構成)によれば、1列に配列された複数の電極が間に空間を配して1つの電極と上下に対向してなる容量電極と、空間の両端に異なる極が対向し合うように配置された磁石と、空間内に両端の磁石と同じ極同士が対向し合うように収容された導電性の磁石からなる導体ブロックとを具備することから、前述した第1の構成の場合と同様に、簡易な構造で製作が容易であり、かつ信頼性および加速度の検知の精度が高い加速度センサ装置を提供することができる。
また、この加速度センサ装置によれば、装置としての生産性を高めることが容易である。すなわち、容量電極は、一方が複数の電極であり、他方がこれら複数の電極と上下に対向している1つの電極であることから、複数の電極と1つの電極との間で多少の位置ずれが生じたとしても、複数の電極のそれぞれが1つの電極と対向している範囲であれば、個々の容量電極の対向し合う面積を所定の面積(複数の電極のそれぞれの面積)とすることができる。そのため、位置合わせを個々の容量電極毎に精密に行なう必要はなく、加速度センサ装置としての生産性を向上させる上で有効である。
したがって、本発明の加速度センサ装置によれば、簡易な構造で製作が容易であり、かつ信頼性および加速度の検知の精度が高く、生産性を高めることが容易な加速度センサ装置を提供することができる。
また、本発明の加速度センサ装置は、上記各構成において、複数の電極は、隣接するもの同士の間隔が、導体ブロックを平面視したときの外形寸法よりも小さい場合には、加速度の大きさに応じて移動した導体ブロックが、隣接する容量電極(複数の電極)の間に偶然に入り込み、いずれの容量電極においても静電容量の変化が生じないというようなことが効果的に防止される。そのため、加速度を生じているにもかかわらず、いずれの容量電極においても静電容量が変化せず、加速度を生じていないと誤検知されるようなことが効果的に防止され、より検知精度の高い加速度センサ装置とすることができる。
(第1の構成)
本発明の加速度センサ装置について、添付の図面を参照しつつ説明する。
本発明の加速度センサ装置について、添付の図面を参照しつつ説明する。
図1(a)は、本発明の加速度センサ装置(第1の構成)の実施の形態の一例を示す平面図(透視図)であり、図1(b)はそのA−A線における断面図である。図1において、1は絶縁容器5の内部に設けられた空間、2は空間1を間に配して上下に対向する電極2a,2bからなる容量電極、3は空間1内に収容された導体ブロック、4は磁石、5は絶縁容器、9は加速度センサ装置である。なお、図1においてNおよびSは、それぞれ導体ブロック3および磁石4の磁極(N極およびS極)を示す。
加速度センサ装置9は、自動車やゲーム機,カメラの手振れ防止等の機器に搭載され、その機器の加速度を検知し、必要に応じてディスプレイ等の表示装置に電気信号を送って加速度の数値を表示させたり、その加速度センサ装置9が搭載された機器の停止等の制御を行なったりする機能を有する。
この加速度センサ装置9は、空間1の加速度に応じて移動する導体ブロック3の位置を容量電極2(電極2a,2bの間)の静電容量の変化により検知し、その位置を求めることで導体ブロック3に両端の磁石4から作用する磁力を基に加速度を算出するものである。
すなわち、この加速度センサ装置9によれば、空間1に加速度が加わったときに、その加速度に応じた慣性力と、同じ極同士が向かい合った導体ブロック3と両端の磁石4との間にそれぞれ生じる磁力とが導体ブロック3に作用する。導体ブロック3は、この慣性力と磁力(両端の磁石4との間の磁力の合力)とが釣り合った位置で空間1に対して静止し、この位置で容量電極2(電極2a,2bの間)に生じている静電容量を変化させる。
そのため、あらかじめ導体ブロック3の質量および導体ブロック3の位置に応じて磁石4と導体ブロック3との間に生じる磁力を検知しておくことにより、その静止位置(対応する容量電極2の位置)を検出することで導体ブロック3に作用する慣性力を検知することができ、その慣性力および導体ブロック3の質量から導体ブロック3に作用する加速度を算出することができる。
すなわち、導電性の磁石からなる導体ブロック3と磁石4との間に生じる磁力Fは、導体ブロック3および磁石4の互いに対向しあう面(N極またはS極)における磁束をφ(wb)とすると、周知のとおり、
F=km×φ2/r2(N)
である。なお、rは導体ブロック3と磁石4との(対向し合う面同士の)間の距離(m)であり、比例定数kmは約6.3×104である。磁石4および導体ブロック3それぞれにおける磁束φは、導体ブロック3および磁石4の材質に応じて定まる磁束密度B(Wb/m2)と、導体ブロック3と磁石4とが対向しあう面積S(m2)とを測定して、B/Sを計算することで算出することができる。なお、実際の磁束密度は、ガウスメータのプローブを磁石4や導体ブロック3の磁束密度を測定しようとする面に近付けて測定することができる。
F=km×φ2/r2(N)
である。なお、rは導体ブロック3と磁石4との(対向し合う面同士の)間の距離(m)であり、比例定数kmは約6.3×104である。磁石4および導体ブロック3それぞれにおける磁束φは、導体ブロック3および磁石4の材質に応じて定まる磁束密度B(Wb/m2)と、導体ブロック3と磁石4とが対向しあう面積S(m2)とを測定して、B/Sを計算することで算出することができる。なお、実際の磁束密度は、ガウスメータのプローブを磁石4や導体ブロック3の磁束密度を測定しようとする面に近付けて測定することができる。
この場合、空間1の両端の磁石4を同じ材料および寸法で作製して、磁石4と導体ブロック3との間の磁束を空間1の両端側で同じにしておくと、導体ブロック3と空間1の両端の磁石4との間に生じるそれぞれの磁力は、導体ブロック3と磁石4との距離が同じであれば互いに同じ大きさになるので、加速度が生じていないときには空間1の中央に導体ブロック3が静止する。
そして、図2に示すように、加速度をa、導体ブロック3の質量をm、加速度に応じた慣性力をF1とすると、周知のように
F1=m×a
であり、前述した静止位置における空間1の両端の磁石4との間に生じる磁力をそれぞれF2およびF3とし、F2が大きくなる方向に導体ブロック3が移動したときには、慣性力F1と、この慣性力F1と同じ方向に作用する磁力F3との合計が、慣性力と反対方向に作用する磁力F2と釣り合うことになる。つまり、
F1=F2−F3=m×a
であり、
a=(F2−F3)/m
である。したがって、あらかじめ導体ブロック3の質量mおよび空間1の位置に応じた磁力を検知しておくことによって、導体ブロック3に作用する加速度aを算出することができる。なお、図2は、本発明の加速度センサ装置9で加速度を検知する機構を模式的に示す断面図であり、絶縁容器5は省いている。図2において図1と同様の部位には同様の符号を付している。図2においても、NおよびSは、それぞれ導体ブロック3および磁石4の磁極(N極およびS極)を示す。
F1=m×a
であり、前述した静止位置における空間1の両端の磁石4との間に生じる磁力をそれぞれF2およびF3とし、F2が大きくなる方向に導体ブロック3が移動したときには、慣性力F1と、この慣性力F1と同じ方向に作用する磁力F3との合計が、慣性力と反対方向に作用する磁力F2と釣り合うことになる。つまり、
F1=F2−F3=m×a
であり、
a=(F2−F3)/m
である。したがって、あらかじめ導体ブロック3の質量mおよび空間1の位置に応じた磁力を検知しておくことによって、導体ブロック3に作用する加速度aを算出することができる。なお、図2は、本発明の加速度センサ装置9で加速度を検知する機構を模式的に示す断面図であり、絶縁容器5は省いている。図2において図1と同様の部位には同様の符号を付している。図2においても、NおよびSは、それぞれ導体ブロック3および磁石4の磁極(N極およびS極)を示す。
例えば、両端の磁石4と導体ブロック3の対向する極における磁束が同じ(φ)であり、F2が大きくなる方向に導体ブロック3がp(m)移動したときには、加速度aは、
a=(6.3×104/m)×(φ2/(q−p)2−φ2/(q+p)2)
になる。なお、qは、導体ブロック3が空間1の中央に静止しているときの導体ブロック3と磁石4とのそれぞれの対向し合う面(磁極)同士の間の距離(m)である。
a=(6.3×104/m)×(φ2/(q−p)2−φ2/(q+p)2)
になる。なお、qは、導体ブロック3が空間1の中央に静止しているときの導体ブロック3と磁石4とのそれぞれの対向し合う面(磁極)同士の間の距離(m)である。
上記の計算式で、導体ブロック3および磁石4を互いに異なる材料で作製した場合には、φ2の代わりに、導体ブロック3および磁石4のそれぞれの極における磁束φ1とφ2との積を用いるようにすればよい。すなわち、導体ブロック3の極における磁束をφ1とし、両端の磁石4の極における磁束を両方ともφ2とすれば、加速度aは、
a=(6.3×104/m)×(φ1×φ2/(q−p)2−φ1×φ2/(q+p)2)
になる。
a=(6.3×104/m)×(φ1×φ2/(q−p)2−φ1×φ2/(q+p)2)
になる。
なお、図1では、空間1の左側の端に配置した磁石4のN極が空間1側を向くようにして、これに応じて、右側の磁石4のS極が空間1側を向き、導体ブロック3のN極が左側,S極が右側を向くようにしているが、これら全部が逆向きでもよい。
このような加速度センサ装置9は、上下に電極2a,2bが配された空間1内に導体ブロック3が収容されているだけであるため、構造が簡易であり、例えばビーム部等の微細な可動部分を形成する微細加工は特に必要はなく製作が容易である。また、微細な可動部分を有していないので、加速度センサ装置9としての機能を妨げるような機械的な破壊が生じにくく、信頼性が高い。また、容量電極2(電極2a,2bの間)に生じる静電容量の変化を利用して、加速度に起因する慣性力を磁石4から作用する磁力として高い精度で検知することができるため、加速度の検知の精度が高い。したがって、本発明の加速度センサ装置9によれば、簡易な構造で製作が容易であり、かつ信頼性および加速度の検知の精度が高い加速度センサ装置9を提供することができる。
空間1は、導体ブロック3を収容するためのものであり、収容した導体ブロック3が、空間1に生じた加速度に起因する慣性力と、磁石4との間に生じる磁力とに応じて内部を移動することができるような形状および寸法を有するものである。
この実施の形態の例において、空間1は、直方体状であり、長さ方向に直交する方向での断面(縦断面)が長方形状である。空間1は、縦断面が正方形状のものや角部分を円弧状に成形した四角形状,円形状,楕円形状等でもよい。
それぞれ対向し合う複数の電極2a,2bからなる容量電極2は、空間1を間に挟んで静電容量を生じるものであり、前述したように、間の空間1に導体ブロック3が介在して静電容量が変化することにより空間1内での導体ブロック3の位置を検知し、その位置を基に、空間1に作用している加速度を検知するためのものである。
容量電極2を構成する電極2a,2bは、加速度の大きさに応じた導体ブロック3の移動を静電容量の変化として検知し、これにより加速度の大きさを検知するものであるため、両端部から中央部に向けて、複数が1列に配列形成されている。
すなわち、容量電極2について、複数の電極2a,2bが配列されてなることから、どの電極2a,2bの間で静電容量が変化しているかを検知することにより、空間1内における導体ブロック3の位置を容易に、かつ確実に検知することができる。なお、容量電極2に生じる静電容量の変化は、例えば、容量電極2を構成する電極2a,2bの間の電位を測定して、電位の変化として検知することができる。
複数の電極2a,2bは、空間1の両方の端部方向で同様に加速度を検知することができるようにする場合には、中央部を挟んだ両端側で、同様の寸法,形状,隣接間隔で配列すること(いわゆる左右対称状であること)が好ましい。
容量電極2について、空間1の両端部のそれぞれから中央部にかけて配列する個数は、必要な加速度の測定精度や測定範囲等に応じて適宜設定すればよい。例えば、この実施の形態の例では、容量電極2は、空間1の両端部のそれぞれから中央部に向けて2個(2対)ずつ配列されるとともに空間1の中央部に1個配置されている。この容量電極2は、同様の形状,寸法の電極2a,2bが、空間1を間に配し、ほぼ等間隔で配列されて構成されている。この場合には、空間1に生じる加速度の大きさやその変化を、0km/s2から測定可能な最大値まで直線的に検知する上で有効である。
なお、この場合、隣り合う容量電極2(電極2a,2b)の両方の一部ずつに導体ブロック3が介在したときには、それぞれの容量電極2の静電容量の変化の割合を基にして、導体ブロック3の位置を算出し検知することもできる。導体ブロック3のうちどの程度の部分が電極2a,2b間に介在しているかは、容量電極2において導体ブロック3の全体が電極2a,2b間に介在したときに生じる静電容量の変化を基準にして、その基準に対してどの程度の割合であるかを検知することにより容易に算出することができる。例えば、導体ブロック3が四角柱状のとき、容量電極2(電極2a,2bの間)の静電容量の変化が、導体ブロック3の全体が電極2a,2b間に介在したときに生じる静電容量の変化の約1/2であれば、導体ブロック3のうち平面視したときの半分程度が電極2a,2b間に介在しているということが検知できる。
また、容量電極2は、必ずしも等間隔に配列する必要はなく、他の配列でもよい。例えば、中央部と両端部との間の1箇所ずつに容量電極2を配置して、この位置に対応する加速度が生じたときに静電容量が変化して信号が発信されるような構造でもよい。この場合、例えば、加速度センサ装置9が搭載されている機器に、あらかじめ定めた加速度が生じたことを示す警告の表示や停止等の作動を行なわせるような用途に有効である。
導体ブロック3は、空間1に生じた加速度と磁石4から加わる磁力とに応じて空間1内を移動し、その移動した部分に位置している上下の電極2a,2bの間の静電容量を大きくするためのものである。また、導体ブロック3は、導電性の磁石からなり、空間1の両端に配置した磁石4との間に磁力を生じるものである。この磁力4は、導体ブロック3と磁石4とが同じ極が対向しあうように配置されているので、互いの距離が近くなるほど反発しあう方向に大きくなる。
この導体ブロック3が収容された空間1に対して、上下の電極2a,2bの間の静電容量を測定し、静電容量の変化を検知することにより、導体ブロック3の位置、つまり慣性力と磁力(前述した磁力の合力)とが釣り合った位置を検知することができる。そして、あらかじめその位置において導体ブロック3に作用する磁力および導体ブロック3の質量を測定しておくことにより、慣性力を検知し加速度を算出することができる。
また、前述したように、両端の磁石4について同じ磁束密度を有するものとすれば、加速度が生じていないときや、生じていた加速度がなくなったときには、導体ブロック3が空間1の中央部に位置していたり戻ったりすることができるように設定することができる。この場合には、空間1に加速度が生じていないということを容易に検知することができる。空間1の中央部に導体ブロック3が位置しているということを検知するためには、例えば空間1の中央部に容量電極2を配置すればよい。
導体ブロック3は、慣性力が作用する方向(加速度が加わっているのと反対側の方向)に、磁力に反発しながら移動できるような形状および寸法で形成されて空間1内に収容されている。空間1内での導体ブロック3の移動は、空間1の下面上を、空間1の加速度に起因して作用する慣性力によって滑り、または転がることによるものである。
このような移動を容易とするために、導体ブロック3は、例えば三角柱状や四角柱状(直方体状)等の多角形の柱状や、円柱状,楕円柱状,球状等に形成されている。なお、導体ブロック3は、これらの形状であって上下面や側面等が湾曲しているものや、一部に凹凸部分が形成されているものでもよい。
また、導体ブロック3は、上下の電極2a,2b間に介在して、その間に生じている静電容量を、検知が容易な程度に変化させること、および空間1の両端の磁石4との間で磁力を生じることができるような材料および寸法で形成されている。
導体ブロック3を形成する導体材料としては、強磁性の金属材料である鉄やニッケル,コバルト,エルビウム等の金属材料またはこれらの合金材料(鉄−ニッケル,鉄−コバルト等)を挙げることができる。これらの金属材料は、電気抵抗率が約10−8Ω・m以下であり、良好な導電性を有している。なお、合金材料の場合、これらの強磁性の金属材料以外の金属材料を含むもの(鉄−クロム−コバルト,サマリウム−コバルト,アルミニウム−ニッケル−鉄−コバルト,ネオジム−鉄−コバルト等)を用いることができる。
このような導体ブロック3が上下の電極2a,2bの間に介在したときには、この電極2a,2bからなる容量電極2に生じる静電容量が増加する。すなわち、容量電極2(電極2a,2bの間)に生じる静電容量Cは、周知のように、
C=ε×S/d
(ただし、εは対向する上下の電極2a,2bの間に介在する誘電体(空気等)の誘電率、Sは上下の電極2a,2bの対向し合う面積、dは対向する部分における上下の電極2a,2bの間の距離)
であり、この静電容量は、厚さtの導体ブロック3が、対向する上下の電極2a,2bの間の全域にわたって介在したときには、ε×S/(d−t)に変化する。したがって、容量電極2に生じる静電容量Cは、上下の電極2a,2bの間に導体ブロック3が介在していない場合に比べて、最大で(ε×S/(d−t))/(ε×S/d)=d/(d−t)倍に大きくなる。
C=ε×S/d
(ただし、εは対向する上下の電極2a,2bの間に介在する誘電体(空気等)の誘電率、Sは上下の電極2a,2bの対向し合う面積、dは対向する部分における上下の電極2a,2bの間の距離)
であり、この静電容量は、厚さtの導体ブロック3が、対向する上下の電極2a,2bの間の全域にわたって介在したときには、ε×S/(d−t)に変化する。したがって、容量電極2に生じる静電容量Cは、上下の電極2a,2bの間に導体ブロック3が介在していない場合に比べて、最大で(ε×S/(d−t))/(ε×S/d)=d/(d−t)倍に大きくなる。
このため、導体ブロック3の厚さは、上下に対向する電極2a,2bの間の静電容量を大きく変化させる上では空間1内において厚いほど好ましい。
この実施の形態の例において、導体ブロック3は、空間1の高さよりも若干低い薄さの四角柱状に形成されている。また、導体ブロック3は、平面視したときに、複数形成された電極2a,2bのそれぞれと同程度の外形寸法で形成されている。
導体ブロック3は、例えば、四角柱状の場合であれば、鉄−ニッケル合金等の原材料に、切削加工や研磨加工、エッチング加工等の金属加工を施して、所定の形状および寸法に加工することにより作製することができる。または、前述した強磁性の金属材料の粉末を磁場中で所定の形状に成形し、焼成して作製することもできる。
磁石4は、導体ブロック3との間で磁力を、導体ブロック3の移動とともに慣性力と反対方向に作用する大きさが大きくなるように生じさせる機能を有している。空間1に加速度が生じているときには、加速度に起因する慣性力に応じて空間1内を移動しようとする導体ブロック3に対して、移動する方向の磁石4から慣性力と逆向きに磁力が加わる。磁力は、導体ブロック3と磁石4との間の距離が小さくなるにつれて大きくなり、慣性力と磁力とが釣りあった位置で導体ブロック3が空間1に対して静止する。
このような磁石4としては、導体ブロック3を形成するために用いた磁石と同様の金属材料からなる磁石や、フェライト等の酸化物系材料からなる磁石を用いることができる。フェライト磁石材料としては、例えばBaフェライト系(BaO・6Fe2O3)材料や、Srフェライト系(SrO・6Fe2O3)材料を用いることができる。
磁石4は、その磁束密度が、想定される加速度の範囲において導体ブロック3に作用する慣性力と釣りあうような磁力を、導体ブロック3との間に生じるものであることが好ましい。
例えば、導体ブロック3の質量を20g(20×10−3kg)とし、想定される加速度a(20m/s2)が作用したときに、導体ブロック3の移動距離pを3×10−2mとし、導体ブロック3が空間1の中央に静止しているときの導体ブロック3と両端の磁石4それぞれとの距離qを5×10−2mとする場合を例に挙げれば、以下のようになる。なお、導体ブロック3と磁石4とは同じ材料からなるものとする。
すなわち、前述したように、
a=(6.3×104/m)×(φ2/(q−p)2−φ2/(q+p)2)
なので、
20=(6.3×104/20×10−3)×(φ2/(5×10−2−3×10−2)2−φ2/(5×10−2+3×10−2)2)
より、
φ2=1/3.7×10−8
になる。導体ブロック3と磁石4との対向しあう面積Sを1×10−4m2(1cm2)とすると、磁束密度Bは、
B×S=φ
より、
B=√(1/3.7)×10−4/(1×10-4)≒0.52(Wb/m2)
になる。つまり、この場合には、磁石4および導体ブロック3を、磁束密度が約0.52wb/m2程度の磁石を用いて作製すればよい。また、これよりも大きな加速度を検知する場合には、より磁束密度の大きな材料を用いればよく、小さい加速度を検知する場合には、より磁束密度の小さい材料を用いればよい。
a=(6.3×104/m)×(φ2/(q−p)2−φ2/(q+p)2)
なので、
20=(6.3×104/20×10−3)×(φ2/(5×10−2−3×10−2)2−φ2/(5×10−2+3×10−2)2)
より、
φ2=1/3.7×10−8
になる。導体ブロック3と磁石4との対向しあう面積Sを1×10−4m2(1cm2)とすると、磁束密度Bは、
B×S=φ
より、
B=√(1/3.7)×10−4/(1×10-4)≒0.52(Wb/m2)
になる。つまり、この場合には、磁石4および導体ブロック3を、磁束密度が約0.52wb/m2程度の磁石を用いて作製すればよい。また、これよりも大きな加速度を検知する場合には、より磁束密度の大きな材料を用いればよく、小さい加速度を検知する場合には、より磁束密度の小さい材料を用いればよい。
なお、前述した導体ブロック3を構成する磁石や、空間1の両端の磁石4の材料の磁束密度B(Wb/m2)(20℃)は、金属データブック(金属学会編)によれば、鉄−ニッケルが約0.3〜0.38,鉄−クロム−コバルトが約1.2〜1.5,サマリウム−コバルトが約0.8〜1.1,アルミニウム−ニッケル−鉄−コバルトが約0.5〜1.3,ネオジム−鉄−コバルトが約0.8〜1.2,フェライト系材料が約0.2〜0.4程度である。
このような加速度センサ装置9は、例えばこの実施の形態の例のように、空間1が絶縁容器5に形成され、容量電極2(電極2a,2b)が空間1を挟んで配置されている場合には、次のような効果がある。
すなわち、絶縁容器5内の空間1に導体ブロック3を封入するとともに、容量電極2を構成する複数の電極2a,2bのそれぞれを、空間1の上下に位置する絶縁容器5の内部に形成することにより、導体ブロック3を確実に空間1内に収めることができる。
また、導体ブロック3と容量電極2との間に絶縁容器5の一部が介在することにより、容量電極2の導体ブロック3との直接の接触による磨耗や欠け等を効果的に防止することができる。また、導体ブロック3を介して隣り合う電極2a(または2b)同士が電気的に短絡し合うことを防止することができる。また、絶縁容器5に、隣接するもの同士の電気絶縁性を良好に確保して複数の電極2a,2bを形成することができる。したがって、この場合には、加速度センサ装置9としての信頼性や生産性を向上させることができる。
絶縁容器5は、この実施の形態の例では外形が直方体状であり、内部に同様の形状で寸法が小さい空間1が形成されているが、少なくとも、内部に導体ブロック3を収容するための空間1を設けることができる程度の外形寸法であれば、横方向に伸びる円柱状や楕円柱状等でもかまわない。また、例えばこの加速度センサ装置9を機器に搭載したり搬送したりする際の作業性や破損の抑制等を考慮して、絶縁容器5の外面の一部に凹凸を設けたり、角(稜)部分を面取りしたりしてもよい。
絶縁容器5は、酸化アルミニウム質焼結体(酸化アルミニウム質セラミックス)や窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,炭化珪素質焼結体,窒化珪素質焼結体,ガラスセラミック焼結体等のセラミック材料や、エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂,アクリル樹脂等の樹脂材料、セラミック材料等の無機材料と樹脂材料との複合材料等の電気絶縁性の材料により形成されている。
この実施の形態の例において、絶縁容器5は、上面に凹部(符号なし)を有する絶縁基体5aの上面に、平板状の蓋体5bが接合されて形成されている。絶縁基体5aの凹部と蓋体5bとにより、導体ブロック3を収容する空間1が構成されている。なお、蓋体5bは、絶縁基体5aの凹部と対向するような凹部(図示せず)を有しているものでもよい。
また、絶縁容器5(絶縁基体5a)のうち空間1の下面となる面は、導体ブロック3が滑って移動することを容易とするために、研磨加工(例えば、いわゆる鏡面研磨加工)を施して平滑度を高めておいてもよい。この場合、絶縁基体5aを平板状とし、蓋体5bを下面側に凹部(図示せず)を有しているものとしておくと、空間1の下面に相当する、絶縁基体5aの上面の研磨加工がより容易に行なえる。そのため、導体ブロック3の滑りによる移動が容易で、加速度の検知の精度が高い加速度センサ装置9の生産性を高める上で有効である。
絶縁容器5は、例えば、絶縁基体5aおよび蓋体5bが酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、酸化アルミニウムの粉末を主成分とし、酸化ケイ素や酸化カルシウム等を添加してなる原料粉末を、有機溶剤,バインダとともにシート状に加工して複数のセラミックグリーンシートを作製し、積層した後焼成することにより、絶縁基体5aおよび蓋体5bを作製し、その後、絶縁基体5aと蓋体5bとをろう材や樹脂接着剤を介して接合することにより製作することができる。
また、絶縁容器5は、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の樹脂材料からなる場合であれば、これらの樹脂材料の未硬化物を、金型を用いて所定の絶縁基体5aや蓋体5bの形状に成型し、硬化させることにより絶縁基体5aや蓋体5bを作製し、これらを樹脂接着剤で接合することにより製作することができる。
容量電極2を構成する複数の電極2a,2bは、例えば絶縁容器5の内部に、空間1を上下に挟むように形成されている。これらの電極2a,2bは、タングステンやモリブデン,マンガン,銅,銀,パラジウム,金,白金等の金属材料により形成される。このような金属材料は、メタライズ層やめっき層,金属箔,蒸着層等の形態で絶縁容器5の絶縁基体5aや蓋体5bに被着される。
複数の電極2a,2bのそれぞれは、例えば、タングステンの金属ペーストを絶縁基体5aや蓋体5bとなるセラミックグリーンシートに印刷しておいて、この印刷した金属ペーストが内部に位置するようにセラミックグリーンシートを積層することにより形成することができる。
なお、絶縁容器5には、容量電極2(複数の電極2a,2b)から上面および下面にかけて、複数の電極2a,2bのそれぞれを外部の電気回路と電気的に接続するための導電路として配線導体(図示せず)を形成しておくことが好ましい。この配線導体の露出部分を外部の電気回路に接続して、上下の電極2a,2bの間の静電容量を測定することにより、静電容量の変化を検知して導体ブロック3の位置を検知し、前述したように導体ブロック3の位置を基にして空間1に生じている加速度つまり加速度センサ装置9の加速度を検知することができる。
この場合の外部の電気回路は、例えば、自動車やゲーム機,無端ベルト等の搬送用機器等の機器に実装される回路基板に形成されている。そして、加速度センサ装置9が部品として搭載されると、機器に生じる加速度を検知し、自動車の場合はカーブでのスピード調節を行なったり、ゲーム機の場合は加速度の大きさによりスクリーンにその加速度の大きさを表示したりすることができる。
なお、前述したような加速度の算出や、算出された加速度に応じた電気信号の解析や増幅等の処理を行なう電子部品(半導体集積回路素子やコンデンサ素子,インダクタ素子等)(図示せず)を、絶縁容器5の表面や内部に搭載するようにしてもよい。また、コンデンサ素子やインダクタ素子に相当する電気回路(図示せず)を、絶縁容器5の内部や表面に形成するようにしてもよい。これらの電気回路は、例えば、電極2a,2bを形成するのと同様の材料を用い、同様の方法で形成することができる。
また、この加速度センサ装置9は、容量電極2(容量電極2を構成する複数の電極2a,2b)が上下平行に配置されており、導体ブロック3が容量電極2に平行な上下面を有する場合には、例えば導体ブロック3が球状であるような場合に比べて、容量電極2を構成する電極2a,2bの間に導体ブロック3が介在したときに、容量電極2(電極2a,2bの間)の静電容量をより効果的に変化させることができる。そのため、静電容量の変化の検知、およびその静電容量の変化に基づく加速度の算出がより確実な加速度センサ装置9とすることができる。
(第2の構成)
図3(a),(b)は、それぞれ本発明の加速度センサ装置(第2の構成)の実施の形態の一例を示す平面図(透視図)および断面図である。図3において図1と同様の部位には同様の符号を付している。図3においても、NおよびSは、それぞれ導体ブロック3および磁石4の磁極(N極およびS極)を示す。
図3(a),(b)は、それぞれ本発明の加速度センサ装置(第2の構成)の実施の形態の一例を示す平面図(透視図)および断面図である。図3において図1と同様の部位には同様の符号を付している。図3においても、NおよびSは、それぞれ導体ブロック3および磁石4の磁極(N極およびS極)を示す。
この加速度センサ装置9’においては、容量電極2が、1列に配列された複数の電極2bと、この複数の電極2bの全体と空間1を間に配して上下に対向する1つの電極2cとにより構成されている。この容量電極2以外の部分については、第2の構成の加速度センサ装置9’は前述した第1の構成の加速度センサ装置9と同様であり、以下、この同様の部分についての説明は省略する。
このような加速度センサ装置9’によれば、前述した加速度センサ装置9と同様の効果を得ることができる。すなわち、この加速度センサ装置9’によれば、空間1に加速度が加わったときに、その加速度に応じた慣性力と、慣性力で移動しようとする導体ブロック3に反発する磁力(両端の磁石4との間の磁力の合力)とが導体ブロック3に作用する。導体ブロック3は、この慣性力と磁力とが釣り合った位置で空間1に対して静止し、この位置で容量電極2(電極2bのそれぞれと電極2cとの間)に生じている静電容量を変化させる。
そのため、あらかじめ導体ブロック3の質量および導体ブロック3の位置に応じた磁力を検知しておくことにより、その静止位置(電極2bの位置)で導体ブロック3に作用する慣性力を検知することができ、その慣性力および導体ブロック3の質量から導体ブロック3に作用する加速度を算出することができる。
このような加速度センサ装置9’は、上下に容量電極2(複数の電極2bと、複数の電極2bに対向する1つの電極2c)が配された空間1内に導体ブロック3が収容されているだけであるため、構造が簡易であり、例えば半導体基板にビーム部等の微細な可動部分を形成するような微細加工は特に必要はなく、製作が容易である。また、微細な可動部分を有していないので、加速度センサ装置9’としての機能を妨げるような機械的な破壊が生じ難く、信頼性が高い。また、容量電極2(電極2b,2cの間)に生じる静電容量の変化を利用して、加速度に起因する慣性力をあらかじめ検知しておいた磁力により高い精度で検知することができるため、加速度の検知の精度が高い。したがって、本発明の加速度センサ装置9’によれば、簡易な構造で製作が容易であり、かつ信頼性および加速度の検知の精度が高い加速度センサ装置9’を提供することができる。
この加速度センサ装置9’は、第1の構成の加速度センサ装置9と同様の材料を用い、同様の方法で製作することができ、また同様の用途に用いることができる。また、複数の電極2bと上下に対向する1つの電極2cも、電極2bと同様の金属材料を用いて、同様の方法により形成することができる。例えば、電極2cがタングステンのメタライズ層からなる場合であれば、タングステンの金属ペーストを絶縁容器5(この実施の形態の例であれば蓋体5b)となるセラミックグリーンシートに印刷し、焼成することにより形成することができる。
また、この加速度センサ装置9’は、容量電極2は、一方が複数の電極2bであり、他方がその複数の電極2bに対向している1つの電極2cであることから、加速度の検知の精度が高い加速度センサ装置9’の生産性を向上させる上で効果がある。
すなわち、容量電極2は、一方が複数の電極2bであり、他方が複数の電極2bと上下に対向している1つの電極2cであることから、複数の電極2bと1つの電極2cとの間で多少の位置ずれが生じたとしても、複数の電極2bのそれぞれが1つの電極2cと対向している範囲であれば、個々の電極2bと電極2cとの対向し合う面積を所定の面積(複数の電極2bのそれぞれの面積)とすることができる。そのため、位置合わせを個々の容量電極2(2b)毎に精密に行なう必要はなく、加速度センサ装置9’としての生産性を向上させる上で有効である。
したがって、この加速度センサ装置9’によれば、簡易な構造で製作が容易であり、かつ信頼性および加速度の検知の精度が高く、生産性を高めることが容易な加速度センサ装置9’を提供することができる。
また、前述した各構成の加速度センサ装置9,9’において、複数の電極2a,2bは、隣接するもの同士の間隔が、導体ブロック3を平面視したときの外形寸法よりも小さい場合には、慣性力と磁力とが釣り合う位置に移動した導体ブロック3が、隣接する容量電極2(電極2a,2bまたは電極2b,2c)の間に偶然に入り込み、いずれの容量電極2においても静電容量の変化が生じないというようなことが効果的に防止される。そのため、空間1に加速度が生じているにもかかわらず、いずれの容量電極2においても静電容量が変化せず、加速度が生じていないと誤検知されるようなことが効果的に防止され、より検知精度の高い加速度センサ装置9,9’とすることができる。
なお、このような加速度センサ装置9,9’は、例えば、まず、前述のようにして作製した絶縁基体5aの両端に磁石4をそれぞれ接着剤等により接合し、次に、凹部内に導体ブロック3を入れた後、凹部を塞ぐようにして蓋体5bを絶縁基体5aの上面に接合することにより製作(組立て)することができる。磁石4は、例えば樹脂材料からなる絶縁基体5aの内部に、成型時に同時に埋め込んで配置してもよい。また、絶縁容器5の外側面に磁石4がはまるような磁石4用の凹部(図示せず)を設けて、その凹部内に磁石4をはめて接着するようにしてもよい。
また、蓋体5bと絶縁基体5aとの接合は、例えば、有機樹脂接着剤やガラス,ろう材等の接合材を介して接合することにより行なうことができる。この場合、あらかじめ両者の接合面に金属層(図示せず)を形成しておき、この金属層の間をろう材で接合するようにしてもよい。なお、金属層は、容量電極2(電極2a,2b,2c)と同様の金属材料を用い、同様の方法で形成することができる。
なお、本発明は上記の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。例えば、絶縁容器5の少なくとも一部をガラスやアクリル系樹脂,メタクリル系樹脂等の透光性の材料で形成しておいて、外側から導体ブロック3の位置を視認できるようにしておいてもよい。この場合には、空間1の加速度に応じて導体ブロック3が正常に移動しているか否かを容易に確認することができ、より高精度で、かつ点検の容易な加速度センサ装置9,9’とすることができる。
また、このような加速度センサ装置9,9’を2個、互いに水平に直交するようにして外部の機器に搭載し、直交する2方向(いわゆるX−Y方向)の加速度成分を合成して水平方向の加速度の大きさを検知できるようにすることも可能である。
1・・・・・空間
2・・・・・容量電極
2a・・・・電極
2b・・・・電極
2c・・・・1つの電極
3・・・・・導体ブロック
4・・・・・磁石
5・・・・・絶縁容器
5a・・・・絶縁基体
5b・・・・蓋体
9,9’・・加速度センサ装置
2・・・・・容量電極
2a・・・・電極
2b・・・・電極
2c・・・・1つの電極
3・・・・・導体ブロック
4・・・・・磁石
5・・・・・絶縁容器
5a・・・・絶縁基体
5b・・・・蓋体
9,9’・・加速度センサ装置
Claims (5)
- それぞれ1列に配列された複数の電極が間に空間を配して上下に対向してなる容量電極と、前記空間の両端に異なる極が対向し合うように配置された磁石と、前記空間内に両端の前記磁石と同じ極同士が対向し合うように収容された導電性の磁石からなる導体ブロックとを具備することを特徴とする加速度センサ装置。
- 前記空間が絶縁容器に形成され、前記容量電極が前記空間を挟んで配置されていることを特徴とする請求項1記載の加速度センサ装置。
- 上下の前記容量電極が平行に配置されており、前記導体ブロックが前記容量電極に平行な上下面を有することを特徴とする請求項1記載の加速度センサ装置。
- 1列に配列された複数の電極が間に空間を配して1つの電極と上下に対向してなる容量電極と、前記空間の両端に異なる極が対向し合うように配置された磁石と、前記空間内に両端の前記磁石と同じ極同士が対向し合うように収容された導電性の磁石からなる導体ブロックとを具備することを特徴とする加速度センサ装置。
- 前記複数の電極は、隣接するもの同士の間隔が、前記導体ブロックを平面視したときの外形寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1または請求項4記載の加速度センサ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008300751A JP2010127687A (ja) | 2008-11-26 | 2008-11-26 | 加速度センサ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008300751A JP2010127687A (ja) | 2008-11-26 | 2008-11-26 | 加速度センサ装置 |
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ID=42328205
Family Applications (1)
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JP2008300751A Pending JP2010127687A (ja) | 2008-11-26 | 2008-11-26 | 加速度センサ装置 |
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JP (1) | JP2010127687A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101348573B1 (ko) * | 2011-12-20 | 2014-01-08 | 현대다이모스(주) | 가감속 감지 장치 및 이를 포함한 차량용 안전운행 시스템 |
KR101384225B1 (ko) | 2011-10-07 | 2014-04-10 | 봇슈 가부시키가이샤 | 위치 검출 센서, 이것을 구비한 클러치 액추에이터, 및 이것을 구비한 클러치 장치 |
-
2008
- 2008-11-26 JP JP2008300751A patent/JP2010127687A/ja active Pending
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KR101384225B1 (ko) | 2011-10-07 | 2014-04-10 | 봇슈 가부시키가이샤 | 위치 검출 센서, 이것을 구비한 클러치 액추에이터, 및 이것을 구비한 클러치 장치 |
KR101348573B1 (ko) * | 2011-12-20 | 2014-01-08 | 현대다이모스(주) | 가감속 감지 장치 및 이를 포함한 차량용 안전운행 시스템 |
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