JP2010127533A - 空気調和装置及び空気調和装置におけるファンユニットの設置方法 - Google Patents

空気調和装置及び空気調和装置におけるファンユニットの設置方法 Download PDF

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Takamasa Kawai
孝賢 河合
Masakane Hara
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  • Devices For Blowing Cold Air, Devices For Blowing Warm Air, And Means For Preventing Water Condensation In Air Conditioning Units (AREA)

Abstract

【課題】電子機器が搭載されたラックが複数配置された空間を冷却するための空気調和装置において、ファンユニットの設置作業を容易化する。
【解決手段】空気調和装置(10)は、ケーシング(11)を備え、該ケーシング(11)内には、両吸込型のシロッコファンからなる送風ファン(12)とモータ(13)とを有するファンユニット(15)と、熱交換器(14)とが配置されている。ファンユニット(15)は、ケーシング(11)内の前側に設けられた据付台(21)上に、送風ファン(12)の両吸込口(22)が側方に向かって開口するように取り付けられている。空気調和装置(10)は、ファンユニット(15)を、送風ファン(12)とケーシング(11)の右側板(11e)との側方間隔が所定の設置間隔(d)に保持される設置位置と、上記側方間隔が設置間隔(d)よりも小さい仮置位置とに据付台(21)上で移動自在に案内するガイド(30)を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、サーバー等の電子機器が搭載されたラックが複数配置された空間を冷却するための空気調和装置及び空気調和装置におけるファンユニットの設置方法に関するものである。
従来より、稼働時に高発熱するサーバー等の高性能電子機器が搭載されたラックの周辺空間を冷却する種々の冷却システムが用いられている(例えば、下記特許文献1参照)。
特許文献1には、電子機器を搭載したラックを複数並べてなるラック列を複数列形成し、各ラック列間に形成される空間の上部に空気調和装置を天井から吊り下げるようにして設けた空調システムが開示されている。この空調システムでは、空気調和装置によってラック列間に形成される空間の空気が冷却され、この冷却された空気がラック内に取り込まれることによって、各ラック内の電子機器が冷却される。
しかしながら、上記空調システムでは、ラック列間に形成された空間の上部に空気調和装置を設けるため、ラックの上方にある程度の空間を確保しなければならず、天井高さの低いサーバー室等では用いることができないという問題があった。
そこで、ラック型の空気調和装置が提案されている。該空気調和装置は、電子機器が搭載されたラックと高さ及び奥行きが略等しく、空気の取入口と吹出口とが形成されたケーシングを備え、該ケーシング内には、取入口から吹出口に亘って空気を流通させる送風ファンと該送風ファンを回転駆動するモータとを有するファンユニットと、内部を流通する冷却水と空気とを熱交換させる水冷式の熱交換器とが設けられている。そして、送風ファンを駆動すると、取入口からケーシング内に取り込まれた空気が、熱交換器において冷却されて吹出口から排出される。
このような空気調和装置を、上記特許文献1と同様にして形成されたラック列の中に挿入すると、電子機器からの排熱によって熱せられたラック列間の空間の空気が、空気調和装置に吸い込まれて冷却され、冷却後の空気はラック列間の空間に排出される。これにより、ラック列間の空間の空気が冷却され、この冷却された空気が電子機器が搭載されたラック内に取り込まれることにより、該ラック内の電子機器が冷却される。
特開2003−166729号公報
ところで、上記空気調和装置では、幅員を小さくする関係上、送風ファンとして軸流ファンであるプロペラファンを用いることが一般的である。しかしながら、プロペラファンは、静圧が低いため、通風抵抗の大きな幅員の小さいケーシング内に設けた場合、冷却に十分な風量が得られないという問題があった。また、これを解決するためにプロペラを大型化し且つ剛性を高めた上で大型のモータを用いて回転速度を上げることも可能であるが、プロペラ及びモータが大型化するために装置全体が大型化してしまうという問題があった。
そこで、送風ファンとして比較的小型で静圧が高く且つ大風量の両吸込型のシロッコファンと小型のモータとを用いて送風効率を向上させることが考えられる。しかし、送風ファンとして両吸込型のシロッコファンを用いる場合、該シロッコファンの吹出口がケーシングの正面又は背面に形成された吹出口に対向するように該シロッコファンを配置すると、両吸込口が側方を向いて配置される。つまり、一方の吸込口はモータに対向し、他方の吸込口はケーシングの側板に対向する。これにより、ファンユニットの設置位置によっては、送風ファンとケーシングの側板との距離が狭すぎるために、該ケーシングの側板に対向する吸込口から空気を十分に吸い込めなくなって送風ファンの送風効率が低下する虞がある。そのため、送風ファンとして両吸込型のシロッコファンを用いる場合には、送風ファンとケーシングの側板との距離ができる限り広く確保された所定の位置にファンユニットを設置することが必要となる。
ところで、送風ファン及びモータは定期的にメンテナンスが必要であり、メンテナンスの際にはファンユニットを着脱しなければならない。一方、上述のように、両吸込型のシロッコファンを用いる場合、ファンユニットは、常に一定の位置(送風ファンとケーシングの側板との距離が広く確保された位置)に設置されることが必要となる。そのため、メンテナンス終了後、ファンユニットをケーシング内に再度設置する際に、該ファンユニットの位置合わせに手間がかかり、その作業が煩雑となるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サーバー等の電子機器が搭載されたラックが複数配置された空間を冷却するための空気調和装置において、ファンユニットの設置作業を容易化することにある。
第1の発明は、ケーシング(11)を備えると共に、該ケーシング(11)内には、該ケーシング(11)内において空気を流通させる送風ファン(12)と該送風ファン(12)を回転駆動するモータ(13)とを有するファンユニット(15)と、上記送風ファン(12)によって上記ケーシング(11)内を流通する空気を冷却する熱交換器(14)とが配置され、電子機器が搭載されたラック(2)が複数台幅方向に配列されてなるラック列(3)のいずれかのラック(2)間に挿入されて該ラック列(3)の周辺の空気を冷却する空気調和装置であって、上記送風ファン(12)は、軸方向の両端面に吸込口(22)が形成された両吸込型のシロッコファンによって構成され、上記ファンユニット(15)は、上記ケーシング(11)内の前側に設けられた据付台(21)上に、上記送風ファン(12)の両吸込口(22)が側方に向かって開口するように取り付けられる一方、上記送風ファン(12)と該送風ファン(12)側の上記ケーシング(11)の第1側板(11e)との側方間隔が所定の設置間隔(d)に保持される設置位置と、上記側方間隔が設置間隔(d)よりも小さい仮置位置とに上記ファンユニット(15)を上記据付台(21)上で移動自在に案内するガイド手段(30)が設けられている。
第1の発明では、据付台(21)上において、ファンユニット(15)を、送風ファン(12)とケーシング(11)の第1側板(11e)との側方間隔が所定の設置間隔(d)に保持される設置位置と、該側方間隔が設置間隔(d)よりも小さい仮置位置とに移動自在に案内するガイド手段(30)が設けられている。そのため、ファンユニット(15)をケーシング(11)内に設置する際に、ファンユニット(15)をケーシング(11)内の据付台(21)上に仮置きした後、ガイド手段(30)を用いてファンユニット(15)を据付台(21)上において移動させることにより、該ファンユニット(15)を円滑に且つ確実に上記設置位置に導くことができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記ガイド手段(30)は、上記ファンユニット(15)と当接して該ファンユニット(15)の側方へのスライド移動を許容する一方、後方へのスライド移動を規制するガイド部材(31)と、上記設置位置における上記ファンユニット(15)と当接して該ファンユニット(15)の上記ケーシング(11)の上記第1側板(11e)に対向する第2側板(11f)側へのスライド移動を規制するストッパ部材(32)とを備えている。
第2の発明では、ケーシング(11)内の仮置位置において据付台(21)上に載置されたファンユニット(15)をガイド部材(31)に当接させつつスライド移動させると、該ガイド部材(31)によって後方へのスライド移動が規制されて側方に導かれる。また、該ファンユニット(15)をケーシング(11)の第2側板(11f)側へスライド移動させると、該ファンユニット(15)は設置位置においてストッパ部材(32)と当接し、該ストッパ部材(32)によって第2側板(11f)側へのスライド移動が規制される。このようにして、ファンユニット(15)を、据付台(21)上において、ガイド手段(30)を構成するガイド部材(31)とストッパ部材(32)とを用いてスライド移動させることにより、仮置位置から設置位置に円滑に且つ確実に導くことができる。
第3の発明は、第2の発明において、上記ファンユニット(15)の後部と上記据付台(21)との間には、上記設置位置における上記ファンユニット(15)の後部と据付台(21)とを係合させて該ファンユニット(15)の後部の上方への移動を規制する一方、上記仮置位置における上記ファンユニット(15)の後部と据付台(21)との上記係合状態を解除して該ファンユニット(15)の後部の上方への移動を許容する後部係合手段(40,45)が設けられている。
第3の発明では、ファンユニット(15)の後部は、該ファンユニット(15)を据付台(21)上においてケーシング(11)の第2側板(11f)側に設置位置までスライド移動させると、後部係合手段(40,45)によって、据付台(21)と係合されて上方への移動が規制される。一方、該ファンユニット(15)を据付台(21)上において設置位置からケーシング(11)の第1側板(11e)側に仮置位置までスライド移動させると、ファンユニット(15)の後部は、据付台(21)との係合状態が解除されて上方への移動が可能となる。
第4の発明は、第3の発明において、上記後部係合手段(45)は、上記据付台(21)の上面に形成されて幅方向に延びると共に上記第2側板(11f)側の第2部分(47a)が上記第1側板(11e)側の第1部分(47b)よりも前後方向の幅が狭くなるように形成された係合孔(47)と、上記ファンユニット(15)の後部に設けられて下方に延び、上記ファンユニット(15)が上記仮置位置に位置するときには上記係合孔(47)の第1部分(47b)に挿通される一方、上記ファンユニット(15)が上記設置位置に位置するときには上記係合孔(47)の第2部分(47a)に挿通される突出部(46a)と、該係合孔(47)に挿通された突出部(46a)の上記据付台(21)の下方に位置する部分に設けられ、上記係合孔(47)の第2部分(47a)より大きく且つ第1部分(47b)より小さく形成された抜け止め部(46b)とを有する係合部材(46)とを備えている。
第4の発明では、ファンユニット(15)をケーシング(11)内に設置する際に、まず、係合部材(46)が係合孔(47)の第1部分(47b)に挿通されるようにファンユニット(15)を据付台(21)上に載置する。そして、据付台(21)上においてファンユニット(15)をケーシング(11)の第2側板(11f)側にスライド移動させると、係合部材(46)が係合孔(47)の幅広の第1部分(47b)から幅狭の第2部分(47a)に移動し、抜け止め部(46b)が係合孔(47)を挿通できなくなる。これにより、ファンユニット(15)の後部の上方への移動が規制される。また、ファンユニット(15)を取り外す際には、ファンユニット(15)を設置位置からケーシング(11)の第1側板(11e)側にスライド移動させると、係合部材(46)が係合孔(47)の幅狭の第2部分(47a)から幅広の第1部分(47b)に移動し、抜け止め部(46b)が係合孔(47)を通過可能になる。これにより、ファンユニット(15)の後部と据付台(21)との係合状態が解除される。
第5の発明は、第4の発明において、上記後部係合手段(45)は、上記ファンユニット(15)が上記設置位置に位置するときに、上記係合部材(46)の突出部(46a)が上記係合孔(47)の上記第2側板(11f)側の端部に位置するように形成され、上記ストッパ部材(32)は、上記据付台(21)の一部として構成されて上記係合孔(47)の第2側板(11f)側の端部を形成し、上記ファンユニット(15)が上記設置位置に位置するときに、上記係合部材(46)の突出部(46a)と当接して上記ファンユニット(15)の上記第2側板(11f)側へのスライド移動を規制する。
第5の発明では、上記後部係合手段(45)を、ファンユニット(15)が設置位置に位置するときに、係合部材(46)の突出部(46a)が係合孔(47)の第2側板(11f)側の端部に位置するように形成することで、ストッパ部材(32)を据付台(21)の一部として構成することができる。つまり、ファンユニット(15)を据付台(21)上においてケーシング(11)の第2側板(11f)側に設置位置までスライド移動させると、係合部材(46)の突出部(46a)が係合孔(47)のケーシング(11)の第2側板(11f)側の端部を形成する据付台(21)の一部に当接する。これにより、ファンユニット(15)の据付台(21)上におけるケーシング(11)の第2側板(11f)側へのスライド移動が規制される。
第6の発明は、第4又は5の発明において、上記係合孔(47)の後端は、幅方向に一直線上に延びるように形成され、上記ガイド部材(31)は、上記据付台(21)の一部として構成されて上記係合孔(47)の後端を形成し、上記係合部材(46)の突出部(46a)と当接して上記ファンユニット(15)の側方へのスライド移動を許容する一方、後方へのスライド移動を規制する。
第6の発明では、係合孔(47)を、後端が幅方向に一直線上に延びるように形成することにより、ガイド部材(31)を据付台(21)の一部として構成することができる。つまり、ファンユニット(15)の後部に設けられた係合部材(46)の突出部(46a)を係合孔(47)の後端を形成する据付台(21)の一部に当接させることにより、ファンユニット(15)は据付台(21)上における側方へのスライド移動を許容される一方、後方へのスライド移動が規制される。
第7の発明は、ケーシング(11)を備えると共に、該ケーシング(11)内には、該ケーシング(11)内において空気を流通させる送風ファン(12)と該送風ファン(12)を回転駆動するモータ(13)とを有するファンユニット(15)と、上記送風ファン(12)によって上記ケーシング(11)内を流通する空気を冷却する熱交換器(14)とが配置され、上記送風ファン(12)は、軸方向の両端面に吸込口(22)が形成された両吸込型のシロッコファンによって構成され、上記ファンユニット(15)は、上記ケーシング(11)内の前側に設けられた据付台(21)上に、上記送風ファン(12)の両吸込口(22)が側方に向かって開口するように取り付けられる一方、上記送風ファン(12)と該送風ファン(12)側の上記ケーシング(11)の第1側板(11e)との側方間隔が所定の設置間隔(d)に保持される設置位置と、上記側方間隔が設置間隔(d)よりも小さい仮置位置とに上記ファンユニット(15)を上記据付台(21)上で移動自在に案内するガイド手段(30)が設けられ、電子機器が搭載されたラック(2)が複数台幅方向に配列されてなるラック列(3)のいずれかのラック(2)間に挿入されて該ラック列(3)の周辺の空気を冷却する空気調和装置(10)におけるファンユニットの設置方法であって、上記ファンユニット(15)を上記仮置位置において上記据付台(21)上に載置すると共に上記ガイド手段(30)と係合させる仮置き工程と、上記ファンユニット(15)を上記ガイド手段(30)に係合させた状態で、上記仮置位置から上記設置位置まで上記ファンユニット(15)を上記第2側板(11f)側にスライド移動させる位置合わせ工程とを備えている。
第7の発明では、ファンユニット(15)は、仮置き工程において据付台(21)上に載置されてガイド手段(30)と係合され、位置合わせ工程においてガイド手段(30)に導かれて据付台上においてケーシング(11)の第2側板(11f)側にスライド移動して送風ファン(12)とケーシング(11)の第1側板(11e)との間に所定の設置間隔(d)が保持される設置位置に至る。
第8の発明は、第7の発明において、上記ファンユニット(15)の後部と上記据付台(21)との間には、上記設置位置における上記ファンユニット(15)の後部と据付台(21)とを係合させて該ファンユニット(15)の後部の上方への移動を規制する一方、上記仮置位置における上記ファンユニット(15)の後部と据付台(21)との上記係合状態を解除して該ファンユニット(15)の後部の上方への移動を許容する後部係合手段(40,45)が設けられ、上記位置合わせ工程において、上記ファンユニット(15)の後部と据付台(21)とを係合させて、該ファンユニット(15)の上記設置位置における該ファンユニット(15)の後部の上方への移動を規制する。
第8の発明では、後部係合手段(40,45)により、位置合わせ工程において、該ファンユニット(15)を据付台(21)上においてケーシング(11)の第2側板(11f)側に設置位置までスライド移動させると、ファンユニット(15)の後部が据付台(21)に取り付けられる。
本発明によれば、ファンユニット(15)を据付台(21)上で仮置位置と設置位置とに移動自在に案内するガイド手段(30)を設けたことにより、該ガイド手段(30)を用いて該ファンユニット(15)を据付台(21)上で仮置位置から設置位置まで容易に移動させることができると共に設置位置に確実に配置することができる。これにより、幅員の狭いケーシング(11)内において、複雑な位置合わせを行うことなく、送風ファン(12)と第1側板(11e)との間に送風効率の向上のために必要となる所定の間隔(設置間隔(d))が保持されるようにファンユニット(15)を設置することができる。つまり、送風ファン(12)を送風効率が向上する位置に容易に設置することができる。従って、本発明によれば、ファンユニット(15)の設置作業を容易化することができる。
また、第2の発明によれば、ファンユニット(15)を、据付台(21)上で仮置位置から設置位置まで移動自在に案内するガイド手段(30)を容易に構成することができる。
また、第3の発明によれば、後部係合手段(40,45)を設けたことにより、ケーシング(11)内の据付台上においてファンユニット(15)を設置位置までスライド移動させる一連の動作の中で、ファンユニット(15)の後部と据付台(21)とが係合されてファンユニット(15)の後部の上方への移動が規制される一方、ケーシング(11)内の据付台(21)上においてファンユニット(15)を設置位置から仮置位置までスライド移動させる一連の動作の中で、ファンユニット(15)の後部と据付台(21)との係合状態が解除される。そのため、ファンユニット(15)の後部と据付台(21)とをボルト等によって固定することなく、ファンユニット(15)を設置位置へ移動させるだけでファンユニット(15)の後部の上方への移動を規制することができる。これにより、ケーシング(11)の幅員が狭いために、ケーシング(11)内の設置位置に配置されたファンユニット(15)の後部に手が届かない場合であっても、設置位置におけるファンユニット(15)の後部の上方への移動を容易に規制することができる。従って、ファンユニット(15)の設置作業をより容易化することができる。
また、第4の発明によれば、上記後部係合手段(45)を容易に構成することができる。
また、第5の発明によれば、後部係合手段(45)を、ファンユニット(15)が設置位置に位置するときに係合部材(46)の突出部(46a)が係合孔(47)のケーシング(11)の第2側板(11f)側の端部に位置するように形成することで、ストッパ部材(32)を据付台(21)の一部として構成することができる。従って、後部係合手段(45)を設けることによって別部材を用いることなくストッパ部材(32)を形成することができため、ストッパ部材(32)を容易に且つコンパクトに構成することができる。
また、第6の発明によれば、係合孔(47)を、後端が幅方向に一直線上に延びるように形成することにより、ガイド部材(31)を据付台(21)の一部として構成することができる。従って、後部係合手段(45)を設けることによってガイド部材(31)を別部材を用いることなく形成することができため、ガイド部材(31)を容易に且つコンパクトに構成することができる。
また、第7の発明によれば、ガイド手段(30)を用いて位置合わせ工程を行うため、幅員の狭いケーシング(11)内にファンユニット(15)を設置する場合であっても、該ファンユニット(15)を据付台(21)上においてケーシング(11)の第2側板(11f)側にスライドさせるだけで、送風ファン(12)とケーシング(11)の第1側板(11e)との間に所定の設置間隔(d)が保持される設置位置に確実に且つ容易に配置することができる。そのため、幅員の狭いケーシング(11)内において、簡単な作業によって送風ファン(12)とケーシング(11)の第1側板(11e)との間に送風効率の向上のために必要となる所定間隔(d)を空けることができる。つまり、送風ファン(12)を送風効率が向上する位置に容易に設置することができる。従って、送風効率の低下を招くことなくファンユニット(15)の設置作業を容易化することができる。
また、第8の発明によれば、後部係合手段(40,45)によって、ケーシング(11)内の据付台(21)上においてファンユニット(15)を設置位置までスライド移動させる一連の動作の中でファンユニット(15)の後部を据付台(21)に取り付けることができる。従って、ファンユニット(15)の設置作業をより容易化することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明に係る空気調和装置(10)が設置されるサーバー室(1)の概略平面図である。図1に示すように、サーバー室(1)内には、サーバー等の電子機器が搭載されたラック(2)が複数台設けられている。各ラック(2)の前面(2a)には、空気を内部に取り込むための取入口が形成される一方、背面(2b)には該空気を排出する吹出口が形成されている。
複数のラック(2)は、幅方向に一列に配列されてラック列(3)を形成している。該ラック列(3)は、サーバー室(1)内に複数列(図1では6列)形成されている。そして、複数のラック列(3)は、各ラック(2)の前面(2a)どうし又は背面(2b)どうしが対向するように配置されている。このように配置することで、各ラック(2)の前方には、各ラックの前面(2a)が面する前方空間(A)が形成され、各ラック(2)の後方には、各ラック(2)の背面(2b)が面する後方空間(B)が形成される。
空気調和装置(10)は、上記ラック列(3)内のラック(2)間に挿入されている。空気調和装置(10)は、ケーシング(11)の前面(11a)が上記前方空間(A)に面する一方、背面(11b)が上記後方空間(B)に面するように設けられている。なお、空気調和装置(10)は、サーバー室(1)内に複数台設けられ、本実施形態ではラック列(3)内の5つのラック(2)毎に設けられている。
図2に示すように、空気調和装置(10)は、ケーシング(11)と、送風ファン(12)と、該送風ファン(12)を回転駆動するモータ(13)と、熱交換器(14)とを備えている。送風ファン(12)、モータ(13)及び熱交換器(14)は、ケーシング(11)内に設けられている。また、送風ファン(12)とモータ(13)とは組付けられてファンユニット(15)を構成している。
本実施形態では、上記ケーシング(11)は、上記ラック(2)と奥行き長さ及び高さが略等しい筺状体に形成されている。ケーシング(11)の背面(11b)には、内部に空気を取り入れるための取入口(11c)が形成され、前面(11a)には、内部の空気を外部に排出する吹出口(11d)が形成されている。また、ケーシング(11)の前面板(11g)には、外縁部以外の大部分に亘る開口(26)が形成される一方、開閉自在な前面扉が取り付けられている。ケーシング(11)の背面板(11h)には、外縁部以外の大部分に亘る開口(27)が形成される一方、開閉自在な背面扉が取り付けられている。そして、ケーシング(11)の前面(11a)は上記前面扉によって形成され、上記ケーシング(11)の吹出口(11d)は該前面扉の開口部に嵌め込まれた板状のメッシュ部材の複数の孔によって形成されている。一方、ケーシング(11)の背面(11b)は上記背面扉によって形成され、上記ケーシング(11)の取入口(11c)は該背面扉の開口部に嵌め込まれた板状のメッシュ部材の複数の孔によって形成されている。
ケーシング(11)内の前側には、上記ファンユニット(15)を据え付けるための据付台(21)が取り付けられている。なお、本実施形態では、ファンユニット(15)を3つ設けるため、据付台(21)も3つ設けられている。図3に示すように、該3つの据付台(21)は、ケーシング(11)内の前方において上下方向に所定の間隔を空けて平行に配列されている。また、各据付台(21)には、矩形の開口部(21a)が形成されている。そのため、ケーシング(11)内の前方の空間は、3つの据付台(21)によって上下方向に4つの空間に仕切られるが、該据付台(21)の開口部(21a)によって、各据付台(21)の上方の空間と下方の空間とが連通されている。
図4に示すように、上記ファンユニット(15)は、上記送風ファン(12)及びモータ(13)と、該送風ファン(12)及びモータ(13)を支持する支持台(18)とによって構成されている。
上記送風ファン(12)は、ハウジング内に複数の羽根によって構成される羽根車が設けられたシロッコファンによって構成されている。また、送風ファン(12)は、両吸込口型のシロッコファンであって、回転軸方向の両端面に吸込口(22)が形成されている(図2参照)。
上記モータ(13)は、上記送風ファン(12)よりも小径に形成されている。モータ(13)のモータ軸(13a)は、送風ファン(12)の羽根車の回転軸に連結されている。モータ(13)は、支持台(18)に設置されたモータ台(17)によって支持されている。
上記モータ台(17)は、送風ファン(12)よりも小さいモータ(13)が送風ファン(12)と同軸上に配置されるように該モータ(13)を嵩上げするように形成されている。具体的には、モータ(13)が設置される矩形の取付板(17a)と、該取付板(17a)を支持する支持脚(17b)とによって構成されている。支持脚(17b)は、取付板(17a)の各辺から下方に延びる4つの板状体によって構成され、該支持脚(17b)を構成する4つの板状体にはそれぞれ開口(17c)が形成されている。つまり、モータ台(17)は、取付板(17a)の下方において空気が自在に流通するように形成されている。
上記支持台(18)は、矩形の底板(18a)と、該底板(18a)の各辺から上方に延びる4つの側板(18b)とによって構成されている。底板(18a)には、開口部(19)が形成されている。本実施形態では、開口部(19)は矩形に形成され、底板(18a)の外縁部以外の大部分に亘って形成されている。上記送風ファン(12)は、4つの側板(18b)のうちの対向する2つの側板(18b)に架け渡すように設けられる一方、上記モータ台(17)は、支持脚(17b)が上記底板(18a)の外縁部に設置されるように設けられている。上記底板(18a)の開口部(19)は、上記送風ファン(12)の下方からモータ台(17)の下方に亘って形成されると共に、据付台(21)の開口部(21a)と対応する位置に形成されている(図3参照)。
このような構成により、支持台(18)及びモータ台(17)は、ファンユニット(15)が設置される据付台(21)の開口部(21a)と該ファンユニット(15)の送風ファン(12)のモータ(13)側の吸込口(22)との間において空気が流通するように形成されている。つまり、据付台(21)の開口部(21a)を通過した据付台(21)の下方空間の空気は、支持台(18)に形成された開口部(19)を通過した後、送風ファン(12)とモータ(13)との間の空間に流入し、又は送風ファン(12)の下方若しくはモータ台(17)の取付板(17a)の下方の空間を経て送風ファン(12)とモータ(13)との間の空間に流入してモータ(13)側の吸込口(22)に吸い込まれる。
図2に示すように、上記各ファンユニット(15)は、各送風ファン(12)の両吸込口(22)が側方に向かって開口すると共に、吹出口(23)が前方に向かって開口するように配置されている。また、各ファンユニット(15)は、各送風ファン(12)のケーシング(11)の右側板(11e)と対向する吸込口(22)の空気の圧力損失を低減するために、各送風ファン(12)とケーシング(11)の右側板(11e)との側方間隔が所定の設置間隔dに保持される所定の設置位置に設置されている。
なお、本実施形態では、所定の設置間隔dは、ファンユニット(15)をケーシング(11)のモータ(13)側の左側板(11f)側に可能な限り寄せて配置したときの送風ファン(12)と右側板(11e)との側方間隔となるように設定されている。
図3に示すように、ケーシング(11)の前面板(11g)の開口(26)は、3つの据付台(21)によって上下方向に4つに分割され、4つの閉塞板(25)によって閉塞されている。そして、据付台(21)、前面板(11g)及び閉塞板(25)の前方であってケーシング(11)の前面扉との間には、各送風ファン(12)の吹出口(23)から吹き出された空気を合流させるための吹出空間(24)が区画されている。
上記4つの閉塞板(25)のうち、3つの送風ファン(12)の前方に設けられた閉塞板(25)には、各送風ファン(12)の吹出口(23)と大きさが略等しい開口(25a)が形成されている。各送風ファン(12)は、吹出口(23)が形成された前端部が各閉塞板(25)の開口(25a)に係合するように設けられている。これにより、吹出空間(24)は、送風ファン(12)から吹き出された空気のみが流れ込むように構成されている。
上記熱交換器(14)は、平板状の複数のフィン(14a)と、複数の伝熱管(14b)とを備えた所謂フィンアンドチューブ型熱交換器によって構成されている。複数のフィン(14a)は、鉛直方向に延びるように設けられ、水平方向に所定間隔毎に平行に配列されている。一方、複数の伝熱管(14b)は、複数のフィン(14a)の配列方向(水平方向)に延び、該複数のフィン(14a)を貫通するように設けられている。なお、本実施形態では、伝熱管(14b)は、後述する冷媒回路(50)(図6参照)に接続されている。
上記熱交換器(14)は、各伝熱管(14b)がケーシング(11)の幅方向に対して傾斜するように配置されている。また、上記熱交換器(14)は、上記送風ファン(12)と間隔を空けて配置されている。具体的には、熱交換器(14)を、モータ(13)側の端部(図2では左端部)が送風ファン(12)側の端部(図2では右端部)よりも前方に位置するように配置することで、熱交換器(14)と送風ファン(12)との間に空間を設けている。
上記複数のフィン(14a)は、送風ファン(12)に向かって延びるように配置され、ケーシング(11)の前後方向に対して傾斜している。なお、本実施形態では、フィン(14a)は、各伝熱管(14b)と直交する方向に延びるように設けられている。そのため、上述のように熱交換器(14)が配置されることで、各伝熱管(14b)のモータ(13)側の端部(図2では左端部)が送風ファン(12)側の端部(図2では右端部)よりも前方に配置され、各伝熱管(14b)と直交する方向に延びる複数のフィン(14a)は、送風ファン(12)に向かって延びるように配置されることとなる。
〈結露水処理装置〉
また、図3に示すように、ケーシング(11)内には、熱交換器(14)の表面において結露が発生した場合に、結露水を回収して排出する結露水処理装置(70)が設けられている。結露水処理装置(70)は、熱交換器(14)の下方に設けられたドレンパン(71)と、該ドレンパン(71)のさらに下方に設けられたサブドレンパン(72)と、ドレンパン(71)内に回収された結露水を外部へ装置外部へ排出する排水ポンプ(73)とを備えている。
上記ドレンパン(71)は、上面が開口した筺状体によって形成され、熱交換器(14)の下端部を取り囲むように形成されると共に、下面が前方に向かって下方に傾斜している。ドレンパン(71)の前面には、内部の結露水を排出するための排出部(71a)が形成されている。また、ドレンパン(71)の前面には、ドレンパン(71)内の結露水の水位が所定以上になると、サブドレンパン(72)に向かってオーバーフローさせるための切り欠き部(71b)が形成されている。
サブドレンパン(72)は、ドレンパン(71)よりも内容積が大きい筺状体によって形成され、背面がドレンパン(71)の前面よりも後方に位置し、前面がドレンパン(71)の前面よりも前方に位置するように配置されている。
上記排水ポンプ(73)には、ドレンパン(71)の排出部(71a)に接続された吸入ホース(74)が接続されると共に、装置外部に延びる排水ホース(75)が接続されている。
このような構成により、万一、熱交換器(14)の表面において結露が発生した場合、結露水はまずドレンパン(71)によって回収され、排水ポンプ(73)によって吸入ホース(74)及び排水ホース(75)を介して装置外部に排出される。また、何らかの事情により、ドレンパン(71)内の結露水の水位が上昇した場合には、ドレンパン(71)の前面に形成された切り欠き部(71b)から結露水をオーバーフローさせることにより、該結露水をサブドレンパン(72)内に回収することができる。
〈ガイド〉
また、本空気調和装置(10)には、上記ファンユニット(15)を設置する際に、該ファンユニット(15)を据付台(21)上において仮置位置と所定の設置位置とに案内するガイド(30)が設けられている。ここで、仮置位置とは、各ファンユニット(15)の送風ファン(12)とケーシング(11)の右側板(11e)との側方間隔が設置間隔dよりも小さいファンユニット(15)の位置を指す。
図5に示すように、上記ガイド(30)は、ガイド部材(31)とストッパ部材(32)とを備えている。ガイド部材(31)は、ファンユニット(15)の据付台(21)上における側方へのスライド移動を許容する一方、後方へのスライド移動を規制する。一方、ストッパ部材(32)は、設置位置にあるファンユニット(15)と当接して該ファンユニット(15)のケーシング(11)の左側板(11f)側へのスライド移動を規制する。
具体的には、上記ガイド部材(31)は、据付台(21)の上面後端部においてケーシング(11)の幅方向に延びる鉛直板によって構成されている。本実施形態では、ガイド部材(31)は、据付台(21)の後端部を鉛直上向きに折り曲げることによって形成されている。ファンユニット(15)は、支持台(18)の後端面(4つの側板(18b)のうちの後側の側板(18b)の外面)をガイド部材(31)に当接させることにより、据付台(21)上における側方へのスライド移動は許容される一方、後方へのスライド移動が規制される。
一方、ストッパ部材(32)は、水平部と鉛直部とを有し、断面が略L字型となるように折り曲げられた板部材によって構成されている。ストッパ部材(32)は、据付台(21)の上面の左端部(ケーシング(11)の左側板(11f)付近)に、ケーシング(11)の前後方向に延びるように設けられている。また、ストッパ部材(32)の鉛直部は、水平部の右端部から上方に延びるように形成されている。ファンユニット(15)は、設置位置において、支持台(18)の左端面(4つの側板(18b)のうちの左側の側板(18b)の外面)がストッパ部材(32)の鉛直部に当接することにより、据付台(21)上におけるケーシング(11)の左側板(11f)側へのスライド移動が規制される。
〈冷媒回路〉
図6に示すように、冷媒回路(50)は、空気調和装置(10)の熱交換器(14)と、循環ポンプ(51)と、第2熱交換器(52)と、レシーバタンク(53)と、これらを接続する冷媒配管とによって構成されている。なお、循環ポンプ(51)と第2熱交換器(52)とレシーバタンク(53)とは、ポンプユニット(55)を構成し、該ポンプユニット(55)は、サーバー室(1)に設けられたラック列(3)と離隔した場所に設けられている。
上記循環ポンプ(51)は、吸入した冷媒を圧送して冷媒回路(50)内において冷媒を循環させる。
上記第2熱交換器(52)は、内部に第1流路(52a)と第2流路(52b)とが形成され、第1流路(52a)は冷媒回路(50)に接続され、第2流路(52b)は冷却水が流通する冷却水回路(60)に接続されている。そして、第2熱交換器(52)は、第1流路(52a)を流れる冷媒と第2流路(52b)を流れる冷却水との間において熱交換が行われるように構成されている。
上記レシーバタンク(53)は、内部に冷媒を一時的に貯留して冷媒回路(50)内の冷媒循環量を調整する。
−空気調和装置によるラック内の冷却動作−
上述したように、空気調和装置(10)は、図1に示すように、サーバー等の電子機器が搭載されたラック(2)が配列されたラック列(3)内に挿入されている。
ところで、通常、電子機器は発熱部品を有している。そのため、サーバー等の電子機器が搭載されたラック(2)内の空気は該発熱部品によって熱せられて温度が上昇し、他の部品に悪影響を及ぼす虞がある。
そこで、本実施形態では、ラック(2)の前面(2a)に空気の取入口を形成する一方、背面(2b)に空気の吹出口を形成し、内部で熱せられた空気が前方空間(A)から導入された空気の流れに乗って後方空間(B)に排出されるようにしている(図1の破線矢印参照)。このようにして排熱を処理することにより、各ラック(2)内の温度が異常に上昇してしまうことを防止している。
しかしながら、上述のように排熱処理すると、後方空間(B)には発熱部品によって熱せられた空気が排出され、温度が上昇する。そこで、本実施形態では、上述のように、空気調和装置(10)をラック列(3)内に配置してラック列(3)周辺の空気を冷却することとしている。
具体的には、空気調和装置(10)は、後述する運転動作によって後方空間(B)の比較的高温の空気をケーシング(11)内部に取り入れ、該ケーシング(11)内において冷却した後、吹出口(11d)から前方空間(A)に排出する。これにより、後方空間(B)の空気の温度上昇が抑制されると共に、前方空間(A)の空気が冷却される。そのため、サーバー等の電子機器が搭載された各ラック(2)内には、該前方空間(A)の冷却された空気が導入され、該空気によって内部の空気が冷却される。つまり、空気調和装置(10)をこのようにラック列(3)に設けることにより、サーバー室(1)の内部全体を冷却することなく効率よくサーバー等の電子機器が搭載されたラック(2)内を冷却することができる。
−空気調和装置の運転動作−
空気調和装置(10)では、装置外部の空気を内部に取り入れて冷却し、装置外部へ該冷却空気を供給する冷却運転が行われる。具体的には、図示しないコントローラがモータ(13)を駆動して送風ファン(12)を稼働させると共に、ポンプユニット(55)の循環ポンプ(51)を駆動する。
コントローラによってモータ(13)が駆動されると、送風ファン(12)が回転駆動され、ケーシング(11)内の空気は送風ファン(12)の2つの吸込口(22)に吸い込まれ、ケーシング(11)内には背面(11b)に形成された取入口(11c)を介して外部の空気が取り入れられる。これにより、ケーシング(11)内には、後方から前方に向かって空気の流れが形成される。
具体的には、ケーシング(11)の背面(11b)の取入口(11c)から内部に流入した空気は、前方に向かって流れて熱交換器(14)の複数のフィン(14a)の間を通過する。その際、該空気は、伝熱管(14b)を流通する冷媒と熱交換して冷却される。
なお、上述したように、熱交換器(14)の複数のフィン(14a)は送風ファン(12)に向かって延びるようにケーシング(11)の前後方向に対して傾斜するように設けられている。そのため、空気は、複数のフィン(14a)の間を通過する際に、該フィン(14a)によって流れの方向が変更されて送風ファン(12)に向かって流れる。また、各フィン(14a)の間を通過した空気は、熱交換器(14)と送風ファン(12)との間に形成された空間において合流する。これにより、送風ファン(12)周辺の空気の圧力分布が均一化される。
熱交換器(14)を通過して冷却された空気(冷却空気)は、3つの送風ファン(12)の周辺に至り、各送風ファン(12)の2つの吸込口(22)から吸い込まれる。そして、各送風ファン(12)に吸い込まれた冷却空気は、各吹出口(23)から吹出空間(24)に吹き出され、該吹出空間(24)において合流した後、ケーシング(11)の前面(11a)に形成された吹出口(11d)から外部へ排出される。
一方、コントローラによって循環ポンプ(51)が駆動されると、冷媒回路(50)内において冷媒が循環する。冷媒回路(50)内において、冷媒は、まず第2熱交換器(52)において冷却水と熱交換して気体から液体に相変化する。具体的には、第2熱交換器(52)の第1流路(52a)に流入した冷媒が、第2流路(52b)を流通する冷却水に顕熱と共に潜熱を放出して凝縮する。そして、凝縮した冷媒は、第2熱交換器(52)から流出し、循環ポンプ(51)によって熱交換器(14)側へ圧送される。
そして、上記冷媒は、熱交換器(14)の伝熱管(14b)に流入し、複数のフィン(14a)間を通過する空気と熱交換して液体から気体に相変化する。具体的には、伝熱管(14b)内に流入した冷媒が、該伝熱管(14b)内において各フィン(14a)間を通過する空気から顕熱と共に潜熱を吸収して蒸発する。これにより、複数のフィン(14a)間を通過する空気は、伝熱管(14b)内を流通する冷媒によって冷却される。
このようにして、コントローラによってモータ(13)が駆動されて送風ファン(12)を稼働させると、ケーシング(11)内に取り込まれた空気が熱交換器(14)を通過する際に、冷媒回路(50)内を循環する冷媒と熱交換することによって冷却され、ケーシング(11)の外部に吹き出される。これにより、空気調和装置(10)の周辺(前方に拡がる空間)の空気が冷却される。
−ファンユニットの設置動作−
まず、ケーシング(11)の前側扉を開け、前面板(11g)に形成された開口(26)から各ファンユニット(15)をケーシング(11)内部に挿入する(図7(a)参照)。そして、ファンユニット(15)の支持台(18)の後端面がガイド部材(31)と当接する位置において、該ファンユニット(15)を据付台(21)上に載置して仮置きする(仮置き工程)(図7(b)参照)。
なお、本実施形態では、前面板(11g)に形成された開口(26)の幅方向長さは、ファンユニット(15)の幅員よりも僅かに大きくなるように形成されている。また、上記開口(26)は、幅方向において、設置位置におけるファンユニット(15)のモータ(13)側端部(左端部)よりも送風ファン(12)側(右側)に形成されている。そのため、ファンユニット(15)を上記開口(26)から後方に向かって真っ直ぐ内部に挿入した位置(仮置位置)に仮置きすると、ファンユニット(15)の送風ファン(12)とケーシング(11)の右側板(11e)との側方間隔は設置間隔dよりも小さくなる(図7(b)参照)。
そして、次に、ファンユニット(15)の支持台(18)の後端面をガイド部材(31)に当接させた状態で、据付台(21)上において、該ファンユニット(15)を上記仮置位置から設置位置までケーシング(11)の左側板(11f)側にスライド移動させる(図7(b)参照)。このとき、該ファンユニット(15)は、幅方向に延びるガイド部材(31)によって後方へのスライド移動を規制されつつ、左側板(11f)に向かって円滑にスライド移動する。やがて、ファンユニット(15)が設置位置に到達すると、支持台(18)の左端面がストッパ部材(32)に当接し、ファンユニット(15)は、該ストッパ部材(32)によって左側板(11f)側へスライド移動しないように規制される(位置合わせ工程)(図7(c)参照)。
以上のようにして、ガイド(30)を用いることにより、ケーシング(11)内の据付台(21)上において、ファンユニット(15)を容易に仮置位置から設置位置まで移動させることができる。これにより、ファンユニット(15)を容易にケーシング(11)内に設置することができる。
−実施形態1の効果−
以上により、本空気調和装置(10)によれば、ファンユニット(15)を据付台(21)上で仮置位置と設置位置とに移動自在に案内するガイド(30)を設けたことにより、該ガイド(30)を用いて該ファンユニット(15)を据付台(21)上で仮置位置から設置位置まで容易に移動させることができると共に設置位置に確実に配置することができる。これにより、幅員の狭いケーシング(11)内において、複雑な位置合わせを行うことなく、送風ファン(12)とケーシング(11)の左側板(11f)との間に送風効率の向上のために必要となる所定の間隔(設置間隔d)が保持されるようにファンユニット(15)を設置することができる。従って、本空気調和装置(10)によれば、送風効率を向上させることができると共に、ファンユニット(15)の設置作業を容易化することができる。
また、本空気調和装置(10)によれば、ガイド(30)を、据付台(21)上において幅方向に延びる鉛直板からなるガイド部材(31)と、据付台(21)上の左端部に設けられた略L字型の断面を有する板部材からなるストッパ部材(32)とによって構成することにより、ファンユニット(15)を設置位置まで案内するガイド(30)を容易に構成することができる。
《発明の実施形態2》
実施形態2の空気調和装置(10)は、実施形態1の空気調和装置(10)にファンユニット(15)の後部を据付台(21)と係合させる後部係合構造(40)を加えたものである。
具体的には、図8〜図10に示すように、後部係合構造(40)は、ファンユニット(15)に設けられた一対の係合突起(41)と、据付台(21)に設けられた一対の係合孔(42)とによって構成されている。
上記一対の係合突起(41)は、図8に示すように、ファンユニット(15)の支持台(18)の後端面から後方に延びる柱状体によって構成されている。一対の係合突起(41)は、支持台(18)の後端面の左右方向の各端部に設けられている。
一方、上記一対の係合孔(42)は、図9に示すように、据付台(21)と一体形成されたガイド部材(31)の上記一対の係合突起(41)と対応する位置に形成されている。具体的には、図10に拡大して示すように、一対の係合孔(42)は、ケーシング(11)の左側板(11f)側部分(以下、単に左側部分(42a)と称する。)が右側板(11e)側部分(以下、単に右側部分(42b)と称する)よりも幅が狭くなるように形成され、ファンユニット(15)が仮置位置に位置するときには上記係合突起(41)が右側部分(42b)に挿通される一方、ファンユニット(15)が設置位置に位置するときには係合突起(41)が左側部分(42a)に挿通されるように形成されている。また、係合孔(42)の左側部分(42a)の端部は、上記係合突起(41)が嵌り込むような半円形状に形成されている。このように係合孔(42)が形成されることにより、ファンユニット(15)が設置位置に位置するときに、上記係合突起(41)が係合孔(42)の左側部分(42a)の端部に嵌り込む。つまり、係合突起(41)と係合孔(42)の左側部分(42a)の上端を形成する上端面及び該左側部分(42a)の下端を形成する下端面とが当接することにより、ファンユニット(15)の上下方向への移動が規制される。
その他の構成については、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。また、ファンユニット(15)の設置動作については、実施形態1とほぼ同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
仮置き工程において、係合突起(41)が係合孔(42)の右側部分(42b)に挿通されるようにファンユニット(15)を据付台(21)上に仮置きする(図10の左図を参照)。後は、実施形態1と同様にして位置決め工程を行う。
位置決め工程において、ファンユニット(15)のケーシング(11)の左側板(11f)側へのスライド移動に伴って、係合突起(41)が係合孔(42)の幅広の右側部分(42b)から幅狭の左側部分(42a)に移動する(図10の右図を参照)。これにより、係合突起(41)が係合孔(42)の幅狭の左側部分(42a)の端部に嵌り込み、該係合突起(41)が係合孔(42)が形成されたガイド部材(31)と係合されて該係合突起(41)の上下方向への動作が規制される。つまり、ファンユニット(15)の後部と据付台(21)とが後部係合構造(40)を介して係合されてファンユニット(15)の後部の上下方向への動作が規制される。
なお、係合孔(42)が形成されたガイド部材(31)と係合突起(41)との係合状態は、ファンユニット(15)をケーシング(11)の右側板(11e)側にスライド移動させることによって容易に解除することができる。よって、ファンユニット(15)の後部と据付台(21)との係合状態の解除は、特別な動作を行うことなく、ファンユニット(15)を取り外す際の一連の動作の中で行うことができる。
−実施形態2の効果−
実施形態2によっても、上記実施形態1と同様の効果を奏することができる。
また、実施形態2では、後部係合構造(40)が設けられているため、ファンユニット(15)を仮置位置から設置位置までスライド移動させる位置決め工程の一連の動作の中で、ファンユニット(15)の後部と据付台(21)とを係合して該ファンユニット(15)の後部の上下方向の動作を容易に規制することができる。そのため、幅員の狭いケーシング(11)内において手の届き難いファンユニット(15)の後部を容易に据付台(21)に係合させることができ、比較的容易に作業を行うことができるファンユニット(15)の前部をボルト等によって据付台(21)に固定することとすることで、ファンユニット(15)の設置作業をより容易化することができる。
なお、係合孔(42)の形状は、上記のものに限られず、図11(a)、(b)に示すようなものであってもよい。
図11(a)は、図10の係合孔(42)の左側部分(42a)を下方に拡大したものである。このような形態によっても、係合突起(41)が係合孔(42)の左側部分(42a)の左端部にあるときに、係合突起(41)の上端と係合孔(42)の左側部分(42a)の上端を形成する端面とが当接することにより、係合突起(41)の上方への移動を規制することができる。また、左側部分(42a)が係合突起(41)の外形よりも大きく形成されるため、係合突起(41)と係合孔(42)との係合状態を解除する際に、該係合突起(41)が係合孔(42)の左側部分(42a)から抜け難くなることを防止することができる。
一方、図11(b)は、図10の係合孔(42)の左側部分(42a)の位置を係合突起(41)の軌道よりも僅かに下方にずらして形成したものである。このような形態によれば、係合突起(41)が係合孔(42)の左側部分(42a)にあるときに、係合突起(41)が係合孔(42)の左側部分(42a)の上端を形成する端面によって下方に押し付けられる。これにより、係合突起(41)の上方への移動をより確実に規制することができる。
なお、実施形態2では、ストッパ部材(32)を省略することとしてもよい。ストッパ部材(32)を省略しても、ファンユニット(15)が設置位置に位置するときに、係合突起(41)が係合孔(42)の左側部分(42a)の端部を形成するガイド部材(31)と当接することにより、ファンユニット(15)のケーシング(11)の左側板(11f)側へのスライド移動を規制することができる。
《発明の実施形態3》
実施形態3の空気調和装置(10)は、実施形態1の空気調和装置(10)にファンユニット(15)の後部を据付台(21)と係合させる後部係合構造(45)を加え、ガイド(30)の構成を変更したものである。
具体的には、図12〜図14に示すように、後部係合構造(45)は、ファンユニット(15)に設けられた一対の係合部材(46)と、据付台(21)に設けられた一対の係合孔(47)とによって構成されている。
上記一対の係合部材(46)は、図12に示すように、断面L字型の板状片によって形成され、ファンユニット(15)の支持台(18)の後端面に取り付けられている。具体的には、係合部材(46)は、図14に示すように、上記支持台(18)の後端面に取り付けられて該後端面に沿って下方に向かって延びる板状の突出部(46a)と、該突出部(46a)の下端部を前方に向かって折れ曲げて形成された板状の抜け止め部(46b)とを有している。一対の係合部材(46)は、支持台(18)の後端面の左右方向の各端部に設けられている。
一方、上記一対の係合孔(47)は、図13に示すように、据付台(21)の上面に形成され、上記一対の係合部材(46)と対応する位置に配置されている。具体的には、図14(a−1、b−1)に拡大して示すように、係合孔(47)は、左右方向の長さが略等しく前後方向の幅が異なる2つの矩形の孔からなり、ケーシング(11)の左側板(11f)側部分(以下、単に左孔(47a)と称する。)が右側板(11e)側部分(以下、単に右孔(47b)と称する)よりも前後方向の幅が狭くなるように形成され、ファンユニット(15)が仮置位置に位置するときには上記係合部材(46)の突出部(46a)が右孔(47b)に挿通される一方、ファンユニット(15)が設置位置に位置するときには係合部材(46)の突出部(46a)が左孔(47a)に挿通されるように形成されている。
また、上記一対の係合部材(46)の突出部(46a)及び抜け止め部(46b)は、左右方向長さが上記係合孔(47)の右孔(47b)よりも小さくなるように形成されている。また、図14(a−2)、(b−2)に示すように、突出部(46a)は、該突出部(46a)を上記係合孔(47)に挿通してファンユニット(15)を据付台(21)上に載置したときに、該突出部(46a)の下端が据付台(21)の下方に位置するように形成されている。また、抜け止め部(46b)は、前後方向の幅が上記係合孔(47)の左孔(47a)よりも大きく且つ右孔(47b)よりも小さくなるように形成されている。
また、図14(b−1)に示すように、上記係合孔(47)は、ファンユニット(15)が設置位置にあるときに、係合部材(46)の突出部(46a)が係合孔(47)のケーシング(11)の左側板(11f)側の端部(左孔(47a)の左端部)に位置するように形成されている。また、図14(a−1)、(b−1)に示すように、係合孔(47)は、後端が幅方向に一直線上に延びるように形成されている。
実施形態3では、ガイド(30)のガイド部材(31)は、上記係合孔(47)の後端を形成する据付台(21)の一部として構成され、ストッパ部材(32)は、上記係合孔(47)の左孔(47a)の左端部を形成する据付台(21)の一部として構成されている。
上記ガイド部材(31)は、係合部材(46)の突出部(46a)と当接することにより、該突出部(46a)の側方への移動を許容する一方、後方への移動を規制する。これにより、ガイド部材(31)は、ファンユニット(15)の据付台(21)上における側方へのスライド移動を許容する一方、後方へのスライド移動を規制する。
また、上記ストッパ部材(32)は、ファンユニット(15)が設置位置にあるときに、係合部材(46)の突出部(46a)と当接することにより、該突出部(46a)のケーシング(11)の左側板(11f)側への移動を規制する。これにより、ストッパ部材(32)は、ファンユニット(15)が設置位置に到達すると、ファンユニット(15)の据付台(21)上におけるケーシング(11)の左側板(11f)側へのスライド移動を規制する。
その他の構成については、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
−ファンユニットの設置動作−
まず、ケーシング(11)の前側扉を開け、前面板(11g)に形成された各開口(26)から各ファンユニット(15)をケーシング(11)内部に挿入し、ファンユニット(15)の後部に設けられた一対の係合部材(46)が据付台(21)に形成された一対の係合孔(47)の右孔(47b)に挿通される位置において、該ファンユニット(15)を据付台(21)上に載置して仮置きする(仮置き工程)(図14(a−1)及び図14(a−2)参照)。
そして、次に、係合部材(46)の突出部(46a)を係合孔(47)の後端を形成するガイド部材(31)に当接させた状態で、据付台(21)上において、仮置きした仮置位置から設置位置までファンユニット(15)をケーシング(11)の左側板(11f)側にスライド移動させる(位置合わせ工程)。このとき、ファンユニット(15)は、ガイド部材(31)によって後方へのスライド移動を規制されつつ、左側板(11f)側に円滑にスライド移動する。また、これに伴い、係合部材(46)が係合孔(47)の幅広の右孔(47b)から幅狭の左孔(47a)に移動する。
やがて、ファンユニット(15)が設置位置に到達すると、係合部材(46)の突出部(46a)が係合孔(47)の左孔(47a)の左端部を形成するストッパ部材(32)に当接し(図14(b−1)参照)、ファンユニット(15)は、該ストッパ部材(32)によって左側板(11f)側へスライド移動しないように規制される。このとき、係合部材(46)の抜け止め部(46b)は、係合孔(47)の左孔(47a)の下方にあって該係合孔(47)を通過できない(図14(b−2)参照)。よって、該係合部材(46)が係合孔(47)が形成された据付台(21)と係合されて該係合部材(46)の上方への動作が規制される。つまり、ファンユニット(15)の後部と据付台(21)とが後部係合構造(45)を介して係合されてファンユニット(15)の後部の上方への動作が規制される。
なお、係合孔(47)が形成された据付台(21)と係合部材(46)との係合状態は、ファンユニット(15)をケーシング(11)の右側板(11e)側にスライド移動させることによって容易に解除することができる。よって、ファンユニット(15)の後部と据付台(21)との係合状態の解除は、特別な動作を行うことなく、ファンユニット(15)を取り外す際の一連の動作の中で行うことができる。
−実施形態3の効果−
実施形態3によっても、上記実施形態1と同様の効果を奏することができる。
また、実施形態3では、後部係合構造(45)を設けたことにより、ケーシング(11)内の据付台(21)上においてファンユニット(15)を設置位置までスライド移動させる一連の動作の中で、ファンユニット(15)の後部と据付台(21)とが係合されてファンユニット(15)の後部の上方への移動が規制される一方、ケーシング(11)内の据付台(21)上においてファンユニット(15)を設置位置から仮置位置までスライド移動させる一連の動作の中で、ファンユニット(15)の後部と据付台(21)との係合状態が解除される。そのため、ファンユニット(15)の後部と据付台(21)とをボルト等によって固定することなく、ファンユニット(15)を設置位置へ移動させるだけでファンユニット(15)の後部の上方への移動を規制することができる。これにより、ケーシング(11)の幅員が狭いために、ケーシング(11)内の設置位置に配置されたファンユニット(15)の後部に手が届かない場合であっても、設置位置におけるファンユニット(15)の後部の上方への移動を容易に規制することができる。従って、本空気調和装置(10)によれば、ファンユニット(15)の設置作業をより容易化することができる。
また、実施形態3によれば、後部係合構造(45)を、ファンユニット(15)が設置位置にあるときに係合部材(46)の突出部(46a)が係合孔(47)の左孔(47a)の左端部に位置するように形成することで、ストッパ部材(32)を据付台(21)の一部として構成することができる。従って、後部係合構造(45)を設けることによって別部材を用いることなくストッパ部材(32)を形成することができるため、ストッパ部材(32)を容易に且つコンパクトに構成することができる。
さらに、実施形態3によれば、後部係合構造(45)の係合孔(47)を、後端が幅方向に一直線上に延びるように形成することにより、ガイド部材(31)を据付台(21)の一部として構成することができる。従って、後部係合構造(45)を設けることによって別部材を用いることなくガイド部材(31)を形成することができるため、ガイド部材(31)を容易に且つコンパクトに構成することができる。
なお、ガイド(30)を据付台(21)の一部として構成するのではなく、実施形態1のように、別部材を用いて形成しても勿論よい。
また、係合部材(46)と係合孔(47)の形状は本実施形態のものに限られない。ファンユニット(15)が仮置位置にあるときに、係合部材(46)が係合孔(47)に挿通可能であり、ファンユニット(15)が設置位置にあるときに、係合部材(46)が係合孔(47)から抜けないものであればいかなる形状であってもよい。
《その他の実施形態》
上記各実施形態では、所定の設置間隔dは、ファンユニット(15)をケーシング(11)のモータ(13)側の左側板(11f)側に可能な限り寄せて配置したときの送風ファン(12)と右側板(11e)との側方間隔となるように設定されていたが、設置間隔dはこれに限定されず任意に設定可能である。
また、冷媒回路(50)は、上記各実施形態のものに限られず、冷媒の相変化を利用して熱交換器(14)を流通する空気を冷却できるものであればいかなる形態であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、サーバー等の電子機器が搭載されたラックが複数配置された空間を冷却するための空気調和装置について有用である。
図1は、本発明に係る空気調和装置が設置されたサーバー室の概略平面図である。 図2は、空気調和装置の概略平面図である。 図3は、図2のA−A断面図である。 図4は、ファンユニットを下方から視た斜視図である。 図5は、据付台を上方から視た斜視図である。 図6は、空気調和装置の熱交換器が接続された冷媒回路図である。 図7(a)〜(c)は、ファンユニットの設置動作図である。 図8は、実施形態2のファンユニットを下方から視た斜視図である。 図9は、実施形態2の据付台を上方から視た斜視図である。 図10は、実施形態2の後部係合構造の拡大図である。 図11(a)及び(b)はそれぞれ、実施形態2の変形例に係る後部係合構造の拡大図である。 図12は、実施形態3のファンユニットを下方から視た斜視図である。 図13は、実施形態3の据付台を上方から視た斜視図である。 図14(a−1)は、実施形態3のファンユニットの仮置位置における後部係合構造の平面図であり、図14(a−2)は、図14(a−1)のA−A断面図であり、図14(b−1)は、実施形態3のファンユニットの設置位置における後部係合構造の平面図であり、図14(b−2)は、図14(b−1)のB−B断面図である。
符号の説明
2 ラック
3 ラック列
10 空気調和装置
11 ケーシング
11e 右側板(第1側板)
11f 左側板(第2側板)
12 送風ファン
13 モータ
14 熱交換器
15 ファンユニット
21 据付台
22 吸込口
30 ガイド(ガイド手段)
31 ガイド部材
32 ストッパ部材
40 後部係合構造(後部係合手段)
45 後部係合構造(後部係合手段)
46 係合部材
46a 突出部
46b 抜け止め部
47 係合孔
47a 左孔(第2部分)
47b 右孔(第1部分)

Claims (8)

  1. ケーシング(11)を備えると共に、該ケーシング(11)内には、該ケーシング(11)内において空気を流通させる送風ファン(12)と該送風ファン(12)を回転駆動するモータ(13)とを有するファンユニット(15)と、上記送風ファン(12)によって上記ケーシング(11)内を流通する空気を冷却する熱交換器(14)とが配置され、電子機器が搭載されたラック(2)が複数台幅方向に配列されてなるラック列(3)のいずれかのラック(2)間に挿入されて該ラック列(3)の周辺の空気を冷却する空気調和装置であって、
    上記送風ファン(12)は、軸方向の両端面に吸込口(22)が形成された両吸込型のシロッコファンによって構成され、
    上記ファンユニット(15)は、上記ケーシング(11)内の前側に設けられた据付台(21)上に、上記送風ファン(12)の両吸込口(22)が側方に向かって開口するように取り付けられる一方、
    上記送風ファン(12)と該送風ファン(12)側の上記ケーシング(11)の第1側板(11e)との側方間隔が所定の設置間隔(d)に保持される設置位置と、上記側方間隔が設置間隔(d)よりも小さい仮置位置とに上記ファンユニット(15)を上記据付台(21)上で移動自在に案内するガイド手段(30)が設けられている
    ことを特徴とする空気調和装置。
  2. 請求項1において、
    上記ガイド手段(30)は、
    上記ファンユニット(15)と当接して該ファンユニット(15)の側方へのスライド移動を許容する一方、後方へのスライド移動を規制するガイド部材(31)と、
    上記設置位置における上記ファンユニット(15)と当接して該ファンユニット(15)の上記ケーシング(11)の上記第1側板(11e)に対向する第2側板(11f)側へのスライド移動を規制するストッパ部材(32)とを備えている
    ことを特徴とする空気調和装置。
  3. 請求項2において、
    上記ファンユニット(15)の後部と上記据付台(21)との間には、上記設置位置における上記ファンユニット(15)の後部と据付台(21)とを係合させて該ファンユニット(15)の後部の上方への移動を規制する一方、上記仮置位置における上記ファンユニット(15)の後部と据付台(21)との上記係合状態を解除して該ファンユニット(15)の後部の上方への移動を許容する後部係合手段(40,45)が設けられている
    ことを特徴とする空気調和装置。
  4. 請求項3において、
    上記後部係合手段(45)は、
    上記据付台(21)の上面に形成されて幅方向に延びると共に上記第2側板(11f)側の第2部分(47a)が上記第1側板(11e)側の第1部分(47b)よりも前後方向の幅が狭くなるように形成された係合孔(47)と、
    上記ファンユニット(15)の後部に設けられて下方に延び、上記ファンユニット(15)が上記仮置位置に位置するときには上記係合孔(47)の第1部分(47b)に挿通される一方、上記ファンユニット(15)が上記設置位置に位置するときには上記係合孔(47)の第2部分(47a)に挿通される突出部(46a)と、該係合孔(47)に挿通された突出部(46a)の上記据付台(21)の下方に位置する部分に設けられ、上記係合孔(47)の第2部分(47a)より大きく且つ第1部分(47b)より小さく形成された抜け止め部(46b)とを有する係合部材(46)とを備えている
    ことを特徴とする空気調和装置。
  5. 請求項4において、
    上記後部係合手段(45)は、上記ファンユニット(15)が上記設置位置に位置するときに、上記係合部材(46)の突出部(46a)が上記係合孔(47)の上記第2側板(11f)側の端部に位置するように形成され、
    上記ストッパ部材(32)は、上記据付台(21)の一部として構成されて上記係合孔(47)の第2側板(11f)側の端部を形成し、上記ファンユニット(15)が上記設置位置に位置するときに、上記係合部材(46)の突出部(46a)と当接して上記ファンユニット(15)の上記第2側板(11f)側へのスライド移動を規制する
    ことを特徴とする空気調和装置。
  6. 請求項4又は5において、
    上記係合孔(47)の後端は、幅方向に一直線上に延びるように形成され、
    上記ガイド部材(31)は、上記据付台(21)の一部として構成されて上記係合孔(47)の後端を形成し、上記係合部材(46)の突出部(46a)と当接して上記ファンユニット(15)の側方へのスライド移動を許容する一方、後方へのスライド移動を規制する
    ことを特徴とする空気調和装置。
  7. ケーシング(11)を備えると共に、該ケーシング(11)内には、該ケーシング(11)内において空気を流通させる送風ファン(12)と該送風ファン(12)を回転駆動するモータ(13)とを有するファンユニット(15)と、上記送風ファン(12)によって上記ケーシング(11)内を流通する空気を冷却する熱交換器(14)とが配置され、上記送風ファン(12)は、軸方向の両端面に吸込口(22)が形成された両吸込型のシロッコファンによって構成され、上記ファンユニット(15)は、上記ケーシング(11)内の前側に設けられた据付台(21)上に、上記送風ファン(12)の両吸込口(22)が側方に向かって開口するように取り付けられる一方、上記送風ファン(12)と該送風ファン(12)側の上記ケーシング(11)の第1側板(11e)との側方間隔が所定の設置間隔(d)に保持される設置位置と、上記側方間隔が設置間隔(d)よりも小さい仮置位置とに上記ファンユニット(15)を上記据付台(21)上で移動自在に案内するガイド手段(30)が設けられ、電子機器が搭載されたラック(2)が複数台幅方向に配列されてなるラック列(3)のいずれかのラック(2)間に挿入されて該ラック列(3)の周辺の空気を冷却する空気調和装置(10)におけるファンユニットの設置方法であって、
    上記ファンユニット(15)を上記仮置位置において上記据付台(21)上に載置すると共に上記ガイド手段(30)と係合させる仮置き工程と、
    上記ファンユニット(15)を上記ガイド手段(30)に係合させた状態で、上記仮置位置から上記設置位置まで上記ファンユニット(15)を上記第2側板(11f)側にスライド移動させる位置合わせ工程とを備えている
    ことを特徴とする空気調和装置におけるファンユニットの設置方法。
  8. 請求項7において、
    上記ファンユニット(15)の後部と上記据付台(21)との間には、上記設置位置における上記ファンユニット(15)の後部と据付台(21)とを係合させて該ファンユニット(15)の後部の上方への移動を規制する一方、上記仮置位置における上記ファンユニット(15)の後部と据付台(21)との上記係合状態を解除して該ファンユニット(15)の後部の上方への移動を許容する後部係合手段(40,45)が設けられ、
    上記位置合わせ工程において、上記ファンユニット(15)の後部と据付台(21)とを係合させて、該ファンユニット(15)の上記設置位置における該ファンユニット(15)の後部の上方への移動を規制する
    ことを特徴とする空気調和装置におけるファンユニットの設置方法。
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