JP2010127351A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】変速時の空吹きの発生タイミングおよびその形状に応じて適切な学習制御を実行して、変速フィーリングの悪化を防止することのできる自動変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】複数の摩擦係合要素の係合および解放により速度比を変更して内燃機関で発生した駆動トルクを駆動輪に伝達する自動変速機5の制御装置12は、パワーオンダウンシフト開始されてイナーシャ相の終了後の2つの期間に発生する空吹き量を積算した2つの空吹き量積算値を含む空吹き情報を取得し、当該空吹き情報に応じて棚圧制御時の棚圧および緩増圧制御時の増圧率の一方を補正する。
【選択図】図1
【解決手段】複数の摩擦係合要素の係合および解放により速度比を変更して内燃機関で発生した駆動トルクを駆動輪に伝達する自動変速機5の制御装置12は、パワーオンダウンシフト開始されてイナーシャ相の終了後の2つの期間に発生する空吹き量を積算した2つの空吹き量積算値を含む空吹き情報を取得し、当該空吹き情報に応じて棚圧制御時の棚圧および緩増圧制御時の増圧率の一方を補正する。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動変速機の制御装置に関し、特に、クラッチ・トゥ・クラッチによる変速を実現する自動変速機の制御装置に関する。
従来、車両に搭載される自動変速機にあっては、内燃機関で発生した駆動トルクがトルクコンバータを介して変速機構に伝達される。そして、変速機構は摩擦係合要素であるクラッチやブレーキの係合、解放により所望の変速段を形成し、駆動トルクを駆動輪に伝達するようになっている。
このような自動変速機を備える車両において、登坂時あるいは追い越し時等のパワーオンダウンシフト(アクセルを踏み込んだ状態で、変速比を低速側に切り換えること)を円滑に行うためには、係合側クラッチの係合終了前に、変速機構の入力軸の回転数を目標回転数に略一致させることが必要となる。
すなわち、ダウンシフト時には、変速機構の入力軸の回転数が目標回転数(出力軸の回転数×変速後のギヤ比)近傍まで上昇するのを待って、変速前に解放状態にあったクラッチを係合させることが必要となる。
すなわち、ダウンシフト時には、変速機構の入力軸の回転数が目標回転数(出力軸の回転数×変速後のギヤ比)近傍まで上昇するのを待って、変速前に解放状態にあったクラッチを係合させることが必要となる。
ダウンシフト時に変速機構は一時的に内燃機関で発生した駆動トルクが駆動輪に伝達されない状態となるため、変速後変速段の係合側クラッチが係合するタイミングが遅い場合には、入力軸の回転数が上昇し過ぎる空吹きが発生して、変速ショックを生じるおそれがある。
自動変速機を備えた車両において変速ショックのない最適な変速を実現するために、摩擦係合要素の解放、係合のタイミングを制御する自動変速機の制御装置が、既に提案されている。
自動変速機を備えた車両において変速ショックのない最適な変速を実現するために、摩擦係合要素の解放、係合のタイミングを制御する自動変速機の制御装置が、既に提案されている。
例えば、ダウンシフト時における変速機構の入力軸の回転数であるタービン回転数と、出力軸の回転数と変速後の変速比の積である目標回転数と、の偏差を好ましい範囲内に収めるために、ダウンシフト開始時のトルクコンバータの速度比がスロットル弁の緩やかな変化に相当する速度比以下であるときに摩擦係合要素の解放および係合タイミングを学習制御する自動変速機の変速制御装置が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ダウンシフト時のタービン回転数の変曲点(タービン回転数が上昇から下降に転ずる点)の回転数を所定の範囲に収めるために、ダウンシフト開始時のトルク発生状態に応じて摩擦係合要素の解放および係合タイミングを学習制御する自動変速機の変速制御装置も既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このような、特許文献1および2に開示された自動変速機の制御装置にあっては、ダウンシフト時に回転数偏差が所定の閾値以上となったか否かにより空吹きが発生したか否かを判定し、空吹き量に応じて次回の変速時における摩擦係合要素の締結速度を速めるように学習制御が行われている。
このような、特許文献1および2に開示された自動変速機の制御装置にあっては、ダウンシフト時に回転数偏差が所定の閾値以上となったか否かにより空吹きが発生したか否かを判定し、空吹き量に応じて次回の変速時における摩擦係合要素の締結速度を速めるように学習制御が行われている。
また、入力軸回転速度N t と目標同期回転速度N t tとの最大偏差d N m a x が所定値K N 1 よりも大きいか否かを判定し、最大偏差d Nm a x が所定値K N 1 よりも大きければ、入力軸回転速度N t の過剰な吹き上がりが発生したと判断して、棚圧P t a n aの学習補正値L P t a n aを所定値だけ増加させる自動変速機の制御装置が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、この特許文献3に開示された自動変速機の制御装置にあっては、ダウンシフト時に係合側クラッチに供給する制御油圧を緩やかに増圧する緩増圧制御を、入力軸回転数と目標回転数との差が所定範囲内にある状態、あるいは入力軸回転数と目標回転数との差の変化量が所定範囲内にある状態が所定期間継続したときに終了するようになっている。
これにより、入力軸回転速度N t の吹き上がりが収まって入力軸回転速度N t が目標同期回転速度N t t付近に収束するまで確実に緩増圧制御を継続することができ、入力軸回転速度N t の吹き上がり状態に応じて緩増圧制御を過不足なく行って適正な時期に終了することができる。
これにより、入力軸回転速度N t の吹き上がりが収まって入力軸回転速度N t が目標同期回転速度N t t付近に収束するまで確実に緩増圧制御を継続することができ、入力軸回転速度N t の吹き上がり状態に応じて緩増圧制御を過不足なく行って適正な時期に終了することができる。
しかしながら、変速中の空吹きの発生タイミングおよびその形状は、動作状態によって多様に変化するため、空吹きの発生タイミングおよびその形状に応じて学習制御を実行する必要があるにもかかわらず、従来の自動変速機の制御装置にあっては、空吹きの有無に基づいて学習制御を行っているだけであるので、適切な学習制御を実行することができず、変速フィーリングの悪化を防止できないという問題があった。
さらに、変速中における強タイアップ時の駆動系の捩じりやセンサノイズに起因する急峻な空吹きを検知した場合には、通常の空吹きと区別することができない。このため、このような急峻な空吹きを通常の空吹きと判定して学習制御が実行されると、誤った補正が行われて例えば変速ショックが発生してしまうという問題があった。
さらに、変速中における強タイアップ時の駆動系の捩じりやセンサノイズに起因する急峻な空吹きを検知した場合には、通常の空吹きと区別することができない。このため、このような急峻な空吹きを通常の空吹きと判定して学習制御が実行されると、誤った補正が行われて例えば変速ショックが発生してしまうという問題があった。
本発明は、上述の従来の課題を解決するためになされたもので、変速時の空吹きの発生タイミングおよびその形状に応じて適切な学習制御を実行して、変速フィーリングの悪化を防止することのできる自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る自動変速機の制御装置は、上記目的達成のため、(1)複数の摩擦係合要素の係合および解放により速度比を変更して内燃機関で発生した駆動トルクを駆動輪に伝達する自動変速機の制御装置であって、前記自動変速機の変速中に、係合側摩擦係合要素に供給する油圧を少なくとも一定の棚圧に維持する棚圧制御および緩やかに増圧する緩増圧制御の順に制御する油圧制御手段と、パワーオンダウンシフトの開始を検知するパワーオンダウンシフト検知手段と、前記パワーオンダウンシフト検知手段によりパワーオンダウンシフトの開始が検知された後に前記自動変速機のイナーシャ相が終了したことを検知するイナーシャ相終了検知手段と、前記イナーシャ相終了検知手段によりイナーシャ相の終了が検知された後の少なくとも2つの期間に発生する空吹き量を積算した少なくとも2つの空吹き量積算値を含む空吹き情報を取得する空吹き情報取得手段と、前記空吹き情報取得手段で取得された空吹き情報に応じて前記油圧制御手段における棚圧制御時の棚圧および緩増圧制御時の増圧率の一方を補正する係合側制御油圧補正手段と、を備える。
この構成によれば、自動変速機のイナーシャ相終了後の少なくとも2つの期間に発生する空吹き量を積算した少なくとも2つの空吹き量積算値を含む空吹き情報に応じて棚圧制御時の棚圧および緩増圧制御時の増圧率の一方が補正されるので、変速時の空吹きの発生タイミングおよびその形状に応じて適切な学習制御を実行して、変速フィーリングの悪化を防止することができる。
上記(1)に記載の自動変速機の制御装置において、(2)前記イナーシャ相終了検知手段によりイナーシャ相の終了が検知された後に、内燃機関で発生した駆動トルクを一定の増加率で増加するように制御するトルク制御手段と、前記空吹き情報取得手段で取得された空吹き情報に応じて前記トルク制御手段におけるトルク増加率を補正するトルク増加率補正手段と、をさらに備える。
この構成によれば、自動変速機のイナーシャ相終了後の少なくとも2つの期間に発生する空吹き量を積算した少なくとも2つの空吹き量積算値を含む空吹き情報に応じてトルク制御手段における増加率が補正されるので、変速時の空吹きの発生タイミングおよびその形状に応じて適切な学習制御を実行して、変速フィーリングの悪化を防止することができる。
上記(1)または(2)に記載の自動変速機の制御装置において、(3)前記空吹き情報取得手段が、前記イナーシャ相終了検知手段によりイナーシャ相の終了が検知されたときに計時を開始し予め定められた第1の期間が経過したときに計時を終了する第1の計時部と、前記第1の計時部が計時を終了したときに計時を開始し予め定められた第2の期間が経過したときに計時を終了する第2の計時部と、前記第1の計時部の計時中に発生する空吹き量を積算して第1の空吹き量積算値を算出する第1の空吹き量積算値算出部と、前記第2の計時部の計時中に発生する空吹き量を積算して第2の空吹き量積算値を算出する第2の空吹き量積算値算出部と、を備え、前記第1の空吹き量積算値および前記第2の空吹き量積算値を空吹き情報とする構成を有している。
この構成によれば、自動変速機のイナーシャ相終了後の第1の計時部の計時中に発生する空吹き量を積算した第1の空吹き量積算値と、第2の計時部の計時中に発生する空吹き量を積算した第2の空吹き量積算値とに応じて補正されるので、変速時の空吹きの発生タイミングおよびその形状に応じて適切な学習制御を実行して、変速フィーリングの悪化を防止することができる。
上記(3)に記載の自動変速機の制御装置において、(4)前記係合側制御油圧補正手段が、前記第1の空吹き量積算値が予め定められた第1の空吹き量閾値より大きく、かつ前記第2の空吹き量積算値が予め定められた第2の空吹き量閾値より大きいときは、前記油圧制御手段における棚圧制御時の棚圧を増加する構成を有している。
この構成によれば、自動変速機のイナーシャ相終了後に例えば、大きい空吹きが発生した場合および2度の空吹きが発生した場合に、棚圧を増加して係合側摩擦係合要素の初期係合力を増加することにより、次回以後の空吹きを抑制することが可能となる。
上記(3)に記載の自動変速機の制御装置において、(5)前記トルク増加率補正手段が、前記第1の空吹き量積算値が予め定められた第1の空吹き量閾値より大きく、かつ前記第2の空吹き量積算値が予め定められた第2の空吹き量閾値より大きいときは、前記トルク制御手段におけるトルク増加率を減少する構成を有している。
この構成によれば、自動変速機のイナーシャ相終了後に例えば、大きい空吹きが発生した場合および2度の空吹きが発生した場合に、エンジンで発生する駆動トルクの増加率を低減することより、次回以後の空吹きを抑制することが可能となる。
上記(3)に記載の自動変速機の制御装置において、(6)前記係合側制御油圧補正手段が、前記第1の空吹き量積算値が予め定められた第1の空吹き量閾値より大きく、かつ前記第2の空吹き量積算値が予め定められた第2の空吹き量閾値より小さいときは、前記油圧制御手段における棚圧制御時の棚圧を増加する構成を有している。
この構成によれば、自動変速機のイナーシャ相終了直後に空吹きが発生した場合に、棚圧を増加して係合側摩擦係合要素の初期係合力を増加することにより、次回以後の空吹きを抑制することが可能となる。
上記(3)に記載の自動変速機の制御装置において、(7)前記係合側制御油圧補正手段が、前記第1の空吹き量積算値が予め定められた第1の空吹き量閾値以下であり、かつ前記第2の空吹き量積算値が予め定められた第2の空吹き量閾値より大きいときは、前記油圧制御手段における緩増圧制御時の増圧率を増加する構成を有している。
この構成によれば、自動変速機のイナーシャ相終了後しばらくして空吹きが発生した場合に、緩増圧制御時の増圧率を増加して係合側摩擦係合要素の係合時期を早めることにより、次回以後の空吹きを抑制することが可能となる。
上記(3)に記載の自動変速機の制御装置において、(8)前記トルク増加率補正手段が、前記第1の空吹き量積算値が予め定められた第1の空吹き量閾値以下であり、かつ前記第2の空吹き量積算値が予め定められた第2の空吹き量閾値より大きいときは、前記トルク制御手段におけるトルク増加率を減少する構成を有している。
この構成によれば、自動変速機のイナーシャ相終了後しばらくして空吹きが発生した場合に、エンジンで発生する駆動トルクの増加率を低減することより、次回以後の空吹きを抑制することが可能となる。
上記(3)に記載の自動変速機の制御装置において、(9)前記係合側制御油圧補正手段が、前記第1の空吹き量積算値が予め定められた第1の空吹き量閾値以下であり、かつ前記第2の空吹き量積算値が予め定められた第2の空吹き量閾値以下であるときは、前記油圧制御手段における棚圧制御時の棚圧を減少する構成を有している。
この構成によれば、自動変速機のイナーシャ相終了後に空吹きが発生しなかった場合に、棚圧を低減して係合側摩擦係合要素の初期係合力を低減することにより、適正な空吹きを確保することが可能となる。
上記(9)に記載の自動変速機の制御装置において、(10)前記係合側制御油圧補正手段が、前記第2の空吹き量積算値が前記第2の空吹き量閾値より小さい予め定められた第3の空吹き量閾値より大きいときは、前記油圧制御手段における棚圧制御時の棚圧の減少を禁止する構成を有している。
この構成によれば、自動変速機のイナーシャ相終了後しばらくして急峻な空吹きが発生した場合には、急峻な空吹きはクランクシャフトの捩じれや、センサノイズに起因するものであるとして無視することにより、係合側制御油圧補正手段による誤った補正を防止することが可能となる。
本発明によれば、変速時の空吹きの発生タイミングおよびその形状に応じて適切な学習制御を実行して、変速ショックを緩和することのできる自動変速機の制御装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置を搭載した車両を模式的に示す概略構成図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置の構成を示す骨子図である。
なお、本実施の形態においては、本発明に係る自動変速機の制御装置をFR(Front engine Rear drive)車両に適用した場合について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置の構成を示す骨子図である。
なお、本実施の形態においては、本発明に係る自動変速機の制御装置をFR(Front engine Rear drive)車両に適用した場合について説明する。
図1および図2に示すように、車両1は、内燃機関を構成するエンジン2と、エンジン2から出力された駆動トルクを増大させるトルクコンバータ3と、トルクコンバータ3の出力軸の回転速度を変速して出力する変速機構4と、を備えており、変速機構4から出力される駆動トルクは図示しないディファレンシャルギアを介して駆動輪に伝達されるようになっている。
エンジン2は、ガソリンあるいは軽油などの燃料を燃焼させて動力を出力する公知の動力装置により構成されている。また、トルクコンバータ3および変速機構4は、自動変速機5を構成しており、この変速機構4は、複数の摩擦係合要素の係合および解放により速度比を変更してエンジン2で発生した駆動トルクを駆動輪に伝達するようになっている。
トルクコンバータ3は、図1および図2に示すように、エンジン2と変速機構4との間に配置されており、エンジン2に連結されたポンプ翼車41と、変速機構4の入力軸42に連結されたタービン翼車43と、一方向クラッチ44によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車45とを有している。ポンプ翼車41とタービン翼車43とは、流体を介して動力を伝達するようになっている。
さらに、トルクコンバータ3は、ポンプ翼車41とタービン翼車43との間を直結するためのロックアップクラッチ46を備えており、車両1の高速走行時において、作動油によりポンプ翼車41とタービン翼車43とを機械的に直結することにより、エンジン2から変速機構4への動力の伝達効率を高めることができるようになっている。
また、ポンプ翼車41には、変速機構4を制御するための油圧、および各部に潤滑油を供給するための油圧を発生する機械式のオイルポンプ47が設けられている。
変速機構4は、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置48と、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置49および第3遊星歯車装置50とを備えている。第1遊星歯車装置48のサンギヤS1は、クラッチC3を介して入力軸42と係合・解放が可能であるとともに、一方向クラッチF2およびブレーキB3を介してハウジング51と係合・解放が可能なようになっている。なお、一方向クラッチF2およびブレーキB3を介してハウジング51に係合された場合は、入力軸42の回転方向と反対方向(以下、逆方向という)の回転は阻止されるようになっている。
第1遊星歯車装置48のキャリアCA1は、ブレーキB1を介してハウジング51と係合・解放が可能なようになっている。また、キャリアCA1は、ブレーキB1と並列に設けられた一方向クラッチF1により、逆方向の回転は常に阻止されている。
第1遊星歯車装置48のリングギヤR1は、第2遊星歯車装置49のリングギヤR2と連結されており、ブレーキB2を介してハウジング51と係合・解放が可能なようになっている。第2遊星歯車装置49のサンギヤS2は、第3遊星歯車装置50のサンギヤS3と連結されており、クラッチC4を介して入力軸42と係合・解放が可能なようになっている。また、サンギヤS2およびサンギヤS3は、一方向クラッチF4およびクラッチC1を介して入力軸42と係合・解放が可能なようになっており、係合時には逆方向への回転は阻止されるようになっている。
第2遊星歯車装置49のキャリアCA2は、第3遊星歯車装置50のリングギヤR3と連結されており、クラッチC2を介して入力軸42と係合・解放が可能なようになっているとともに、ブレーキB4を介してハウジング51と係合・解放が可能なようになっている。また、キャリアCA2は、ブレーキB4と並列的に設けられた一方向クラッチF3により、逆方向への回転は常に阻止されている。また、第3遊星歯車装置50のキャリアCA3は、出力軸52に連結されている。
クラッチC1ないしC4およびブレーキB1ないしB4(以下、特に区別しない場合はクラッチCおよびブレーキBと記す)は、多板式のクラッチやブレーキのような油圧アクチュエータによって係合が制御される油圧式摩擦係合要素により構成されている。
また、クラッチCおよびブレーキBは、後述する油圧制御回路6のトランスミッションソレノイドS1ないしS4およびリニアソレノイドSL1、SL2により、あるいは図示しないマニュアルバルブによって切り換えられる油圧回路に応じて、係合状態あるいは解放状態となるように構成されている。従って、変速機構4は、これらのクラッチCおよびブレーキBの係合、解放に応じて変速段が切り換えられることとなる。
また、クラッチCおよびブレーキBは、後述する油圧制御回路6のトランスミッションソレノイドS1ないしS4およびリニアソレノイドSL1、SL2により、あるいは図示しないマニュアルバルブによって切り換えられる油圧回路に応じて、係合状態あるいは解放状態となるように構成されている。従って、変速機構4は、これらのクラッチCおよびブレーキBの係合、解放に応じて変速段が切り換えられることとなる。
車両1は、さらに、トルクコンバータ3によるトルクの増大比および変速機構4の変速段を制御するための油圧制御回路6を備えている。油圧制御回路6は、トランスミッションソレノイドS1ないしS4、リニアソレノイドSL1およびSL2、ならびに作動油の油温を測定するためのAT油温センサ32を有している。
図3は、本発明の実施の形態に係る自動変速機の作動表である。
図3に示すように、本実施の形態に係る変速機構4は、この係合表に従って変速段が形成されるように、クラッチCおよびブレーキB等の摩擦係合要素の係合、解放が油圧制御回路6によって切り換えられることとなる。このため、本実施の形態に係る変速機構4は、1速ないし6速により構成される6段の前進変速段および1段の後進変速段のいずれかの変速段をとるようになっている。
図3に示すように、本実施の形態に係る変速機構4は、この係合表に従って変速段が形成されるように、クラッチCおよびブレーキB等の摩擦係合要素の係合、解放が油圧制御回路6によって切り換えられることとなる。このため、本実施の形態に係る変速機構4は、1速ないし6速により構成される6段の前進変速段および1段の後進変速段のいずれかの変速段をとるようになっている。
再び図1および図2に戻り、車両1は、さらに、エンジン2の回転数を測定するためのエンジン回転数センサ21、スロットル弁31の開度を測定するためのスロットルセンサ24、および変速機構4の出力軸52の回転速度に基づいて車速を測定するための車速センサ25を備えている。
車両1は、また、変速機構4の変速段を切り換えるためのシフトレバー28、シフトレバー28のポジションを検出するためのポジションセンサ29、アクセルペダルの踏み込み量を検出するためのアクセル開度センサ30、変速機構4の入力軸の回転数を検出するための入力軸回転数センサ34、変速機構4の出力軸52の回転数を検出するための出力軸回転数センサ35、およびスロットル弁31の開度を制御するスロットルモータ36も備えている。
エンジン回転数センサ21は、図示しないクランクシャフトの回転に基づいて、エンジン2の回転数を計測するようになっている。
スロットルセンサ24は、例えば、スロットル弁31の開度に応じた電圧を出力するホール素子により構成されており、スロットル弁31の開度を表す信号をエンジンECU11およびトランスミッションECU12に出力するようになっている。
なお、スロットル弁31の開度は、エンジンECU11が出力するスロットル開度指令信号に応じてスロットルモータ36によって制御されるようになっている。
なお、スロットル弁31の開度は、エンジンECU11が出力するスロットル開度指令信号に応じてスロットルモータ36によって制御されるようになっている。
車速センサ25は、自動変速機5の出力軸回転数に基づいて、車速を表す信号をエンジンECU11およびトランスミッションECU12に出力するようになっている。
ポジションセンサ29は、運転者により操作されたシフトレバー28のシフト位置を検出するようになっている。
アクセル開度センサ30は、例えば、ホール素子により構成され、運転者のアクセルペダルの踏み込み量を、アクセル開度信号として、エンジンECU11およびトランスミッションECU12に出力するようになっている。
車両1は、さらに、エンジン2を制御するためのエンジンECU(Electronic Control Unit)11と、自動変速機5を制御するためのトランスミッションECU12と、を備えている。
エンジンECU11およびトランスミッションECU12は、上記の各センサが計測したデータ、ROMに記憶されている変速線図に対応するマップ、変速制御を実行するためのプログラム等に基づいて、エンジン2および自動変速機5を制御する。なお、エンジンECU11とトランスミッションECU12とは通信回線によって接続され、相互にデータの取得が可能になっている。
エンジンECU11およびトランスミッションECU12は、上記の各センサが計測したデータ、ROMに記憶されている変速線図に対応するマップ、変速制御を実行するためのプログラム等に基づいて、エンジン2および自動変速機5を制御する。なお、エンジンECU11とトランスミッションECU12とは通信回線によって接続され、相互にデータの取得が可能になっている。
エンジンECU11は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)および入出力インターフェイスを有しており、アクセルペダルの操作量に応じてエンジン2の出力を制御するために、スロットル開度指令信号を含むエンジン制御信号を出力するようになっている。
また、エンジンECU11は、エンジン回転数センサ21、スロットルセンサ24、車速センサ25、およびアクセル開度センサ30と接続されており、エンジン回転数、スロットル開度、車速、およびアクセル開度を読み込むようになっている。
トランスミッションECU12は、図示しないCPU、RAM、ROMおよび入出力インターフェイスを有しており、スロットルセンサ24、車速センサ25、ポジションセンサ29、AT油温センサ32、入力軸回転数センサ34および出力軸回転数センサ35から、スロットル開度、車速、シフトレバー位置、AT油温、変速機構4の入力軸回転数、変速機構4の出力軸回転数を読み込み、これらに基づいて油圧制御回路6を制御するようになっている。
図4は、本発明の実施の形態に係る自動変速機におけるシフトレバーの取り得るポジションを説明するためのゲートパターンの模式図である。
図4に示すように、シフトレバー28は、車両の後方から前方に向かって、変速線図に従って自動的に変速が実行されるDポジション、中立レンジに対応するNポジション、後進レンジに対応するRポジション、および駐車レンジに対応するPポジションが設けられている。
図4に示すように、シフトレバー28は、車両の後方から前方に向かって、変速線図に従って自動的に変速が実行されるDポジション、中立レンジに対応するNポジション、後進レンジに対応するRポジション、および駐車レンジに対応するPポジションが設けられている。
シフトレバー28は、手動で自動変速機5の変速段を選択するためのMポジション、手動で1つ上の変速段に移行するためにアップシフトするためのプラス(+)ポジションおよび手動で1つ下の変速段に移行するためにダウンシフトするためのマイナス(−)ポジションを取り得る。
すなわち、運転者がMポジションにあるシフトレバー28をプラスポジションに移動させると自動変速機5は1つ上の変速段に移行し、マイナスポジションに移動させると自動変速機5は1つ下の変速段に移行するシーケンシャル制御が実行される。
すなわち、運転者がMポジションにあるシフトレバー28をプラスポジションに移動させると自動変速機5は1つ上の変速段に移行し、マイナスポジションに移動させると自動変速機5は1つ下の変速段に移行するシーケンシャル制御が実行される。
MポジションはDポジションの側方に位置しており、運転者がシフトレバー28を横方向に移動してMポジションを選択したときは、シフトレバー28は図示しないバネによりMポジションに維持されるようになっている。
このように、トランスミッションECU12は、シフトレバー28がDポジションにある場合には自動変速モードとなり、シフトレバー28がMポジションにある場合には手動変速モードとなる。
このように、トランスミッションECU12は、シフトレバー28がDポジションにある場合には自動変速モードとなり、シフトレバー28がMポジションにある場合には手動変速モードとなる。
図5は、本発明の実施の形態に係る自動変速機の変速制御で用いられる変速線図である。
図5に示すように、自動変速機5は、トランスミッションECU12により変速線図に従って変速制御されるようになっており、トランスミッションECU12を構成するROMにこの変速線図に対応するマップが予め記憶されている。トランスミッションECU12は、ユーザのアクセル操作によって変速線図を超えた場合には、ダウンシフトを実行するよう油圧制御回路6に制御信号を出力するようになっている。ここで、説明の便宜上ダウンシフトの場合について説明したが、同様にアップシフトを定義する変速線図に対応するマップもROMに予め記憶されている。
図5に示すように、自動変速機5は、トランスミッションECU12により変速線図に従って変速制御されるようになっており、トランスミッションECU12を構成するROMにこの変速線図に対応するマップが予め記憶されている。トランスミッションECU12は、ユーザのアクセル操作によって変速線図を超えた場合には、ダウンシフトを実行するよう油圧制御回路6に制御信号を出力するようになっている。ここで、説明の便宜上ダウンシフトの場合について説明したが、同様にアップシフトを定義する変速線図に対応するマップもROMに予め記憶されている。
ここで、本明細書においてダウンシフトとは、シフトレバー28がDポジションにあってトランスミッションECU12が変速線図に従って自動的にダウンシフトを行う場合、および運転者がMポジションにあるシフトレバー28をマイナスポジションに移動して手動でダウンシフトする場合を含むものとする。
図6は、本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置における制御機能の要部を説明するブロック線図である。
図6に示すように、本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置は、自動変速機5の変速中に少なくとも一定の棚圧に維持する棚圧制御および緩やかに増圧する緩増圧制御の順に制御する油圧制御手段61と、パワーオン・ダウンシフトの開始を検知するパワーオン・ダウンシフト検知手段62と、パワーオン・ダウンシフト検知手段62によりパワーオン・ダウンシフトの開始が検知された後に自動変速機5のイナーシャ相が終了したことを検知するイナーシャ相終了検知手段63と、イナーシャ相終了検知手段63によりイナーシャ相の終了が検知された後の少なくとも2つの期間に発生する空吹き量を積算した少なくとも2つの空吹き量積算値を含む空吹き情報を取得する空吹き情報取得手段64と、空吹き情報取得手段64で取得された空吹き情報に応じて油圧制御手段61における棚圧制御時の棚圧および緩増圧制御時の増圧率の一方を補正する係合側制御油圧補正手段65と、を備えている。
図6に示すように、本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置は、自動変速機5の変速中に少なくとも一定の棚圧に維持する棚圧制御および緩やかに増圧する緩増圧制御の順に制御する油圧制御手段61と、パワーオン・ダウンシフトの開始を検知するパワーオン・ダウンシフト検知手段62と、パワーオン・ダウンシフト検知手段62によりパワーオン・ダウンシフトの開始が検知された後に自動変速機5のイナーシャ相が終了したことを検知するイナーシャ相終了検知手段63と、イナーシャ相終了検知手段63によりイナーシャ相の終了が検知された後の少なくとも2つの期間に発生する空吹き量を積算した少なくとも2つの空吹き量積算値を含む空吹き情報を取得する空吹き情報取得手段64と、空吹き情報取得手段64で取得された空吹き情報に応じて油圧制御手段61における棚圧制御時の棚圧および緩増圧制御時の増圧率の一方を補正する係合側制御油圧補正手段65と、を備えている。
本実施の形態に係る自動変速機の制御装置は、イナーシャ相終了検知手段63によりイナーシャ相の終了が検知された後にエンジン2で発生する駆動トルクを一定の増加率で増加するように制御するトルク制御手段66と、空吹き情報取得手段64で取得された空吹き情報に応じてトルク制御手段66における増加率を補正するトルク増加率補正手段67と、をさらに備えていてもよい。
本実施の形態に係る自動変速機の制御装置においては、空吹き情報取得手段64は、イナーシャ相終了検知手段63によりイナーシャ相の終了が検知されたときに計時を開始し予め定められた第1の期間TAが経過したときに計時を終了する第1の計時部64aと、第1の計時部が計時を終了したときに計時を開始し予め定められた第2の期間TBが経過したときに計時を終了する第2の計時部64bと、第1の計時部の計時中に発生する空吹き量を積算して第1の空吹き量積算値Aを算出する第1の空吹き量積算値算出部64cと、第2の計時部の計時中に発生する空吹き量を積算して第2の空吹き量積算値Bを算出する第2の空吹き量積算値算出部64dと、を備え、第1の空吹き量積算値Aおよび第2の空吹き量積算値Bを空吹き情報とするようになっている。
ここで、第1の期間TAおよび第2の期間TBは、第1の空吹き量積算値Aおよび第2の空吹き量積算値Bを求めるのに十分な空吹き情報取得時間が予め実験的に求めておき、この空吹き情報取得時間を分割した時間を意味している。なお、3つの期間を用いる場合には、この空吹き情報取得時間を三分割した時間となる。
ここで、第1の期間TAおよび第2の期間TBは、第1の空吹き量積算値Aおよび第2の空吹き量積算値Bを求めるのに十分な空吹き情報取得時間が予め実験的に求めておき、この空吹き情報取得時間を分割した時間を意味している。なお、3つの期間を用いる場合には、この空吹き情報取得時間を三分割した時間となる。
さらに、油圧制御手段61は、油圧制御回路6とトランスミッションECU12にインストールされたプログラムで構成される。
また、パワーオン・ダウンシフト検知手段62、イナーシャ相終了検知手段63、空吹き情報取得手段64および係合側制御油圧補正手段65は、トランスミッションECU12にインストールされたプログラムで構成される。
さらに、トルク制御手段66とトルク増加率補正手段67は、エンジンECU11にインストールされたプログラムで構成される。
また、パワーオン・ダウンシフト検知手段62、イナーシャ相終了検知手段63、空吹き情報取得手段64および係合側制御油圧補正手段65は、トランスミッションECU12にインストールされたプログラムで構成される。
さらに、トルク制御手段66とトルク増加率補正手段67は、エンジンECU11にインストールされたプログラムで構成される。
図7は、本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置における制御動作を説明するためのタイミングチャートである。図7において、上から順番に(a)変速指令信号、(b)係合側油圧、(c)解放側油圧、(d)タービン回転数、(e)アクセルペダル踏み込み量、(f)点火角制御、(g)スロットル制御および(g)フェーズフラグPHの値を示す。
ここで、(g)スロットル制御における破線は、パワーオンダウンシフト開始前後のアクセル開度センサ30から取得されたアクセル開度ACに対応するスロットル開度θTHを意味している。なお、本実施の形態では、パワーオンダウンシフト開始前後に操作されたアクセル開度が、その後一定であるとして説明している。
なお、以下の説明においては、自動変速機5が6速から5速にダウンシフトされる場合について説明し、この場合の変速は、図3の作動表から係合側摩擦係合要素はクラッチC3であり、解放側摩擦係合要素はブレーキB2となる。
ここで、(g)スロットル制御における破線は、パワーオンダウンシフト開始前後のアクセル開度センサ30から取得されたアクセル開度ACに対応するスロットル開度θTHを意味している。なお、本実施の形態では、パワーオンダウンシフト開始前後に操作されたアクセル開度が、その後一定であるとして説明している。
なお、以下の説明においては、自動変速機5が6速から5速にダウンシフトされる場合について説明し、この場合の変速は、図3の作動表から係合側摩擦係合要素はクラッチC3であり、解放側摩擦係合要素はブレーキB2となる。
以下、図7のタイミングチャートならびにエンジンECU11およびトランスミッションECU12にインストールされるプログラムのフローチャートを参照しつつ、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置による制御動作を説明する。
図8は、本発明の実施の形態に係るトランスミッションECUにインストールされるパワーオンダウンシフト検知プログラムのフローチャートである。ここで、パワーオンダウンシフト検知プログラムはパワーオンダウンシフトの開始を検知するためのプログラムであって、パワーオンダウンシフト検知手段62として機能する。
トランスミッションECU12は、まずアクセル開度センサ30の出力に基づいて現在のアクセル開度ACおよび現在の車速VCを読み込む(ステップS101)。
次に、トランスミッションECU12は、現在のアクセル開度(以下現アクセル開度という)ACおよび現在の車速(以下現車速という)VCのマップである図5の変速線図を用いて現在の変速レンジ、すなわち変速段(以下現変速段という)RCを決定する(ステップS102)。
次に、トランスミッションECU12は、現在のアクセル開度(以下現アクセル開度という)ACおよび現在の車速(以下現車速という)VCのマップである図5の変速線図を用いて現在の変速レンジ、すなわち変速段(以下現変速段という)RCを決定する(ステップS102)。
次に、トランスミッションECU12は、現アクセル開度ACが前回このプログラムを実行したときのアクセル開度(以下前アクセル開度という)ABより大きいか否か、すなわちアクセルが踏み込まれている状態であるか否かを判定する(ステップS103)。
トランスミッションECU12は、ステップS103で現アクセル開度ACが前アクセル開度ABより大きいと判定した場合には、現変速段RCが前回このプログラムを実行したときの変速段(以下前変速段という)RBより小さいか、すなわち図5に示す車速とアクセル開度で定まる位置がダウンシフト線を越えたか否かを判定する(ステップS104)。
トランスミッションECU12は、ステップS103で現変速段RCが前変速段RBより小さいと判定した場合には、パワーオンダウンシフトを開始したものとして、変速指令信号DSを"1"に設定し(ステップS105)、現アクセル開度ACをパワーオンダウンシフト開始時のアクセル開度(以下開始時アクセル開度という)ADSとしてRAMに一時的に記憶して(ステップS106)、このプログラムを終了する。
すなわち、シフトレバー28がDポジションにある際に、例えば車速が一定でアクセル開度が大きくなった場合、図5の変速線図上の動作点がPBからPCに移動すると、6速→5速のダウンシフト線を越えることとなる。この時、トランスミッションECU12は、アクセルペダルが踏み込まれることで、変速指令信号DSを"1"に設定する。
なお、シフトレバー28がMポジションにあるときに、運転者がアクセルペダルを踏み込んだままシフトレバー28をマイナスポジションに操作すると、トランスミッションECU12は変速指令信号DSを"1"に設定する。この場合、マイナスポジションに操作された際のアクセル開度ACをパワーオンダウンシフト開始時の開始時アクセル開度ADSとしてRAMに一時的に記憶することとなる。
なお、シフトレバー28がMポジションにあるときに、運転者がアクセルペダルを踏み込んだままシフトレバー28をマイナスポジションに操作すると、トランスミッションECU12は変速指令信号DSを"1"に設定する。この場合、マイナスポジションに操作された際のアクセル開度ACをパワーオンダウンシフト開始時の開始時アクセル開度ADSとしてRAMに一時的に記憶することとなる。
図9は、本発明の実施の形態に係るトランスミッションECUにインストールされるフェーズ判定プログラムのフローチャートである。フェーズ判定プログラムは、パワーオンダウンシフトの開始から終了までの推移を示すフェーズフラグを設定するためのプログラムである。
トランスミッションECU12は、まず変速指令信号DSが"1"であるか否かを判定する(ステップS201)。
トランスミッションECU12は、まず変速指令信号DSが"1"であるか否かを判定する(ステップS201)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS201で変速指令信号DSが"1"でないと判定した場合には、パワーオンダウンシフトは開始されていないものとしてただちにこのプログラムを終了する。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS201で変速指令信号DSが"1"であると判定した場合には、フェーズフラグPHが"0"であるか否かを判定する(ステップS202)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS201で変速指令信号DSが"1"であると判定した場合には、フェーズフラグPHが"0"であるか否かを判定する(ステップS202)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS202でフェーズフラグPHが"0"であると判定した場合には、パワーオンダウンシフトは既に開始されているので、フェーズフラグPHをパワーオンダウンシフトが開始されていることを示す"1"に設定して(ステップS203)、このプログラムを終了する。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS202でフェーズフラグPHが"0"でないと判定した場合には、変速機構4の入力軸側の回転数であるタービン回転数NTおよび変速機構4の出力軸側の回転数である出力回転数NOを読み込み(ステップS204)、タービン回転数NTと、出力回転数NOにダウンシフト後の変速機構4のギヤ比βを積算した目標回転数NDと、の差である回転数偏差ΔN(=NT−β×NO)を算出する(ステップS205)。
次に、トランスミッションECU12は、フェーズフラグPHが"1"であるか否かを判定する(ステップS206)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS206でフェーズフラグPHが"1"であると判定した場合には、タービン回転数NTが上昇し始めたか否かを判定して変速機構4がイナーシャ相に入ったか否かを判定する(ステップS207)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS206でフェーズフラグPHが"1"であると判定した場合には、タービン回転数NTが上昇し始めたか否かを判定して変速機構4がイナーシャ相に入ったか否かを判定する(ステップS207)。
そして、トランスミッションECU12は、ステップS207でタービン回転数NTが上昇し始めていないと判定した場合には、イナーシャ相は開始されていないものとしてこのプログラムを終了する。
一方、トランスミッションECU12は、ステップS207でタービン回転数NTが上昇し始めたと判定した場合には、フェーズフラグPHをイナーシャ相に入ったことを示す"2"に設定して(ステップS208)、このプログラムを終了する。
一方、トランスミッションECU12は、ステップS207でタービン回転数NTが上昇し始めたと判定した場合には、フェーズフラグPHをイナーシャ相に入ったことを示す"2"に設定して(ステップS208)、このプログラムを終了する。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS206でフェーズフラグPHが"1"でないと判定した場合には、フェーズフラグPHが"2"であるか否かを判定する(ステップS209)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS209でフェーズフラグPHが"2"であると判定した場合には、回転数偏差ΔNが予め定められた閾値ΔNTH以下となったか否かを判定することにより変速機構4が同期直前状態となったか否かを判定する(ステップS210)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS209でフェーズフラグPHが"2"であると判定した場合には、回転数偏差ΔNが予め定められた閾値ΔNTH以下となったか否かを判定することにより変速機構4が同期直前状態となったか否かを判定する(ステップS210)。
そして、トランスミッションECU12は、ステップS210で回転数偏差ΔNが予め定められた閾値ΔNTH以下となっていないと判定した場合には、同期直前状態となっていないものとしてこのプログラムを終了する。
一方、トランスミッションECU12は、ステップS210で回転数偏差ΔNが予め定められた閾値ΔNTH以下となったと判定した場合には、フェーズフラグPHを同期直前状態となったことを示す"3"に設定して(ステップS211)、このプログラムを終了する。
一方、トランスミッションECU12は、ステップS210で回転数偏差ΔNが予め定められた閾値ΔNTH以下となったと判定した場合には、フェーズフラグPHを同期直前状態となったことを示す"3"に設定して(ステップS211)、このプログラムを終了する。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS209でフェーズフラグPHが"2"でないと判定には、フェーズフラグPHが"3"であるか否かを判定する(ステップS212)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS212でフェーズフラグPHが"3"であると判定した場合には、回転数偏差ΔNが略ゼロになったか否かを判定することにより変速機構4のイナーシャ相が終了したか否かを判定する(ステップS213)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS212でフェーズフラグPHが"3"であると判定した場合には、回転数偏差ΔNが略ゼロになったか否かを判定することにより変速機構4のイナーシャ相が終了したか否かを判定する(ステップS213)。
そして、トランスミッションECU12は、ステップS213でイナーシャ相が終了していないと判定した場合には、このプログラムを終了する。
一方、トランスミッションECU12は、ステップS213でイナーシャ相が終了したと判定した場合には、フェーズフラグPHをイナーシャ相が終了したことを示す"4"に設定して(ステップS214)、このプログラムを終了する。すなわち、ステップS213およびステップS214はイナーシャ相終了検知手段63として機能する。
一方、トランスミッションECU12は、ステップS213でイナーシャ相が終了したと判定した場合には、フェーズフラグPHをイナーシャ相が終了したことを示す"4"に設定して(ステップS214)、このプログラムを終了する。すなわち、ステップS213およびステップS214はイナーシャ相終了検知手段63として機能する。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS212でフェーズフラグPHが"3"でないと判定した場合には、フェーズフラグPHが"4"であるか否かを判定する(ステップS215)。
そして、トランスミッションECU12は、ステップS215でフェーズフラグPHが"4"であると判定した場合には、空吹き情報を取得するために空吹き情報取得プログラムを実行して(ステップS216)、このプログラムを終了する。
一方、トランスミッションECU12は、ステップS215でフェーズフラグPHが"4"でないと判定した場合には、空吹き情報取得期間が終了したと判定し、補正プログラムを実行して(ステップS217)、このプログラムを終了する。
なお、空吹き情報取得プログラムおよび補正プログラムの詳細は後述する。
そして、トランスミッションECU12は、ステップS215でフェーズフラグPHが"4"であると判定した場合には、空吹き情報を取得するために空吹き情報取得プログラムを実行して(ステップS216)、このプログラムを終了する。
一方、トランスミッションECU12は、ステップS215でフェーズフラグPHが"4"でないと判定した場合には、空吹き情報取得期間が終了したと判定し、補正プログラムを実行して(ステップS217)、このプログラムを終了する。
なお、空吹き情報取得プログラムおよび補正プログラムの詳細は後述する。
図10は、本発明の実施の形態に係るトランスミッションECUにインストールされる係合側油圧制御プログラムのフローチャートである。ここで、上述したように6速から5速にパワーオンダウンシフトする場合を例に説明するので、係合側摩擦係合要素がC3となる。このため、係合側油圧制御プログラムは、変速機構4のクラッチC3に供給する油圧をトランスミッションソレノイドS3により制御するためのプログラムであり、油圧制御回路6とともに油圧制御手段61として機能する。
まず、トランスミッションECU12は、フェーズフラグPHが"1"であるか否かを判定する(ステップS301)。
まず、トランスミッションECU12は、フェーズフラグPHが"1"であるか否かを判定する(ステップS301)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS301でフェーズフラグPHが"1"であると判定した場合には、パワーオンダウンシフトが開始されたものとして、タイマでパワーオンダウンシフト開始後予め定められた時間TPが経過するまで待機する(ステップS302)。
そして、トランスミッションECU12は、ステップS302で時間TPが経過したと判定した場合には、係合側摩擦係合要素に供給する油圧を予め定められた初期充填油圧PCまで急速に充填する急速充填制御を実行し(ステップS303)、予め定められた時間TCが経過するまで待機する(ステップS304)。
そして、トランスミッションECU12は、ステップS302で時間TPが経過したと判定した場合には、係合側摩擦係合要素に供給する油圧を予め定められた初期充填油圧PCまで急速に充填する急速充填制御を実行し(ステップS303)、予め定められた時間TCが経過するまで待機する(ステップS304)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS304で時間TCが経過したと判定した場合には、係合側摩擦係合要素に供給する油圧を初期充填油圧PCより低圧の一定の棚圧Ptanaに維持する棚圧制御を実行して(ステップS305)、このプログラムを終了する。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS301でフェーズフラグPHが"1"でないと判定した場合には、フェーズフラグPHが"2"であるか否かを判定する(ステップS306)。
そして、トランスミッションECU12は、ステップS306でフェーズフラグPHが"2"であると判定した場合には、変速機構4はイナーシャ相にあるものとして、ステップS305に進み棚圧制御を継続する。
そして、トランスミッションECU12は、ステップS306でフェーズフラグPHが"2"であると判定した場合には、変速機構4はイナーシャ相にあるものとして、ステップS305に進み棚圧制御を継続する。
一方、トランスミッションECU12は、ステップS306でフェーズフラグPHが"2"でないと判定した場合には、フェーズフラグPHが"3"であるか否かを判定する(ステップS307)。
トランスミッションECU12は、ステップS307でフェーズフラグPHが"3"であると判定した場合には、変速機構4は同期直前状態となったものとして、係合側摩擦係合要素に供給する油圧を予め定められた増圧率ΔPIずつ増加する緩増圧制御を実行して(ステップS308)、係合側摩擦係合要素の係合力を徐々に強める。
トランスミッションECU12は、ステップS307でフェーズフラグPHが"3"であると判定した場合には、変速機構4は同期直前状態となったものとして、係合側摩擦係合要素に供給する油圧を予め定められた増圧率ΔPIずつ増加する緩増圧制御を実行して(ステップS308)、係合側摩擦係合要素の係合力を徐々に強める。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS307でフェーズフラグPHが"3"でないと判定した場合には、フェーズフラグPHが"4"であるか否かを判定する(ステップS309)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS309でフェーズフラグPHが"4"であると判定した場合には、変速機構4の同期は完了したものとして、係合側摩擦係合要素に供給する油圧を最大油圧PMAXに設定して(ステップS310)、係合側摩擦係合要素を完全係合させる。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS309でフェーズフラグPHが"4"であると判定した場合には、変速機構4の同期は完了したものとして、係合側摩擦係合要素に供給する油圧を最大油圧PMAXに設定して(ステップS310)、係合側摩擦係合要素を完全係合させる。
なお、トランスミッションECU12は、ステップS309でフェーズフラグPHが"4"でないと判定した場合には、係合側摩擦係合要素に対する油圧制御は終了したものとして、このプログラムを終了する。
図11は、本発明の実施の形態に係るトランスミッションECUにインストールされる解放側油圧制御プログラムのフローチャートである。ここで、上述したように6速から5速にパワーオンダウンシフトする場合を例に説明するので、解放側摩擦係合要素がブレーキB2となる。このため、解放側油圧制御プログラムは、変速機構4のブレーキB2に供給する油圧をブレーキ係合油圧制御用リニアソレノイドSL2により制御するためのプログラムである。
まず、トランスミッションECU12は、フェーズフラグPHが"1"であるか否かを判定する(ステップS401)。
まず、トランスミッションECU12は、フェーズフラグPHが"1"であるか否かを判定する(ステップS401)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS401でフェーズフラグPHが"1"であると判定した場合には、解放側摩擦係合要素に供給する油圧を最大油圧から予め定められた初期油圧PIに減少して(ステップS402)、解放側摩擦係合要素の係合力を弱める。
これにより、エンジン2の負荷が減少するため、タービン回転数NTは上昇し始め、変速機構4はイナーシャ相に入ることとなる。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS401でフェーズフラグPHが"1"でないと判定した場合には、フェーズフラグPHが"2"または"3"であるか否かを判定する(ステップS403)。
これにより、エンジン2の負荷が減少するため、タービン回転数NTは上昇し始め、変速機構4はイナーシャ相に入ることとなる。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS401でフェーズフラグPHが"1"でないと判定した場合には、フェーズフラグPHが"2"または"3"であるか否かを判定する(ステップS403)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS403でフェーズフラグPHが"2"または"3"であると判定した場合には、係合側摩擦係合要素の係合が開始されているものとして、解放側摩擦係合要素に供給する油圧を予め定められた緩減油圧ΔPDずつ低減する(ステップS404)。
なお、トランスミッションECU12は、ステップS403でフェーズフラグPHが"2"または"3"でないと判定した場合には、解放側摩擦係合要素に供給する油圧を零にして、完全解放状態とする(ステップS405)。
なお、トランスミッションECU12は、ステップS403でフェーズフラグPHが"2"または"3"でないと判定した場合には、解放側摩擦係合要素に供給する油圧を零にして、完全解放状態とする(ステップS405)。
図12および図13は、本発明の実施の形態に係るエンジンECUにインストールされるトルク制御プログラムのフローチャートである。トルク制御プログラムは、パワーオンダウンシフト中のエンジン2で発生した駆動トルクを制御するためのプログラムであり、トルク制御手段66として機能する。
図12は、本発明の実施の形態に係るスロットル弁によりエンジントルクを制御するためのプログラムのフローチャートである。
まず、エンジンECU11は、フェーズフラグPHの値を判定する(ステップS501)。
図12は、本発明の実施の形態に係るスロットル弁によりエンジントルクを制御するためのプログラムのフローチャートである。
まず、エンジンECU11は、フェーズフラグPHの値を判定する(ステップS501)。
次に、エンジンECU11は、フェーズフラグPHの値が"1"、"2"または"3"であると判定した場合には、変速中の駆動トルクの増加を防ぐために開始時アクセル開度ADSの関数としてスロットル開度θTH=f(ADS)を算出して(ステップS502)、ステップS506に進む。
次に、エンジンECU11は、ステップS501でフェーズフラグPHの値が"4"であると判定した場合には、スロットル開度θTHが現アクセル開度ACに対応するスロットル開度f(AC)以上であるか否かを判定する(ステップS503)。
そして、エンジンECU11は、ステップS503でスロットル開度θTHが現アクセル開度ACに対応するスロットル開度f(AC)以上でないと判定した場合には、スロットル開度θTHを予め定められた増分Δθだけ増量して(ステップS504)、ステップS506に進む。
一方、エンジンECU11は、ステップS503でスロットル開度θTHが現アクセル開度ACに対応するスロットル開度f(AC)以上であると判定した場合、およびステップS501でフェーズフラグPHの値が"0"または"5"であると判定した場合には、スロットル開度θTHを現アクセル開度ACに対応するスロットル開度f(AC)に設定して(ステップS505)、ステップS506に進む。
そして、エンジンECU11は、ステップS506でスロットル開度θTHをスロットルモータ36に出力して、このプログラムを終了する。
そして、エンジンECU11は、ステップS506でスロットル開度θTHをスロットルモータ36に出力して、このプログラムを終了する。
図13は、本発明の実施の形態に係る点火角度によりエンジントルクを制御するためのプログラムのフローチャートである。
まず、エンジンECU11は、フェーズフラグPHが"3"であるか否かを判定する(ステップS511)。
まず、エンジンECU11は、フェーズフラグPHが"3"であるか否かを判定する(ステップS511)。
次に、エンジンECU11は、ステップS511でフェーズフラグPHが"3"であると判定した場合には、変速機構4は同期直前状態にあるので、エンジンで発生した駆動トルクを低下させる。このとき、点火角度IAを予め定められた遅角量ΔDだけ遅角させるため、通常運転時の点火角度(以下通常点火角度という)IANから予め定められた遅角度ΔDを減算して(ステップS512)、ステップS517に進む。
一方、エンジンECU11は、ステップS511でフェーズフラグPHが"3"でないと判定した場合には、フェーズフラグPHが"4"であるか否かを判定する(ステップS513)。
次に、エンジンECU11は、ステップS513でフェーズフラグPHが"4"であると判定した場合には、点火角度IAが通常点火角度IAN以上であるか否か、すなわち、点火角度IAが通常点火角度IAN以上に進角しているか否かを判定する(ステップS514)。
次に、エンジンECU11は、ステップS514で点火角度IAが通常点火角度IAN以上に進角していないと判定した場合には、点火角度IAを進角度ΔIAだけ進角させるために、現在の点火角度IAに予め定められた進角度ΔIAを加算して(ステップS515)、ステップS517に進む。
次に、エンジンECU11は、ステップS513でフェーズフラグPHが"4"であると判定した場合には、点火角度IAが通常点火角度IAN以上であるか否か、すなわち、点火角度IAが通常点火角度IAN以上に進角しているか否かを判定する(ステップS514)。
次に、エンジンECU11は、ステップS514で点火角度IAが通常点火角度IAN以上に進角していないと判定した場合には、点火角度IAを進角度ΔIAだけ進角させるために、現在の点火角度IAに予め定められた進角度ΔIAを加算して(ステップS515)、ステップS517に進む。
次に、エンジンECU11は、ステップS514で点火角度IAが通常点火角度IAN以上に進角していると判定した場合、およびステップS513でフェーズフラグPHが"4"でないと判定した場合には、点火角度IAを通常点火角度IANに設定して(ステップS517)、ステップS517に進む。
次に、エンジンECU11は、ステップS517で点火角度IAを出力して、このプログラムを終了する。
次に、エンジンECU11は、ステップS517で点火角度IAを出力して、このプログラムを終了する。
なお、点火角度の制御は、可変バルブタイミング機構を備えるエンジンにあっては、可変バルブタイミング機構により、吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを制御することにより実現することができる。
図14は、本発明の実施の形態に係るトランスミッションECUにインストールされる空吹き情報取得プログラムのフローチャートである。ここで、空吹き情報取得プログラムは、イナーシャ相の終了が判定された後(変速機構4の同期完了後)に発生する空吹きの発生タイミングおよびその形状に関する情報を取得するためのプログラムであり、空吹き情報取得手段64として機能する。
まず、トランスミッションECU12は、フェーズフラグPHが"4"であるか否かを判定することにより、変速機構4の係合側変速装置の係合が完了したか否かを判定する(ステップS601)。
まず、トランスミッションECU12は、フェーズフラグPHが"4"であるか否かを判定することにより、変速機構4の係合側変速装置の係合が完了したか否かを判定する(ステップS601)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS601でフェーズフラグPHが"4"でないと判定した場合には、空吹き情報を取得するタイミングではないので、このプログラムを終了する。
一方、トランスミッションECU12は、ステップS601でフェーズフラグPHが"4"であると判定した場合には、空吹き情報を取得するタイミングになったものとして、タービン回転数NTおよび出力回転数NOを読み込み(ステップS602)、次に、回転数偏差ΔN(=NT−β×NO)を算出する(ステップS603)。
一方、トランスミッションECU12は、ステップS601でフェーズフラグPHが"4"であると判定した場合には、空吹き情報を取得するタイミングになったものとして、タービン回転数NTおよび出力回転数NOを読み込み(ステップS602)、次に、回転数偏差ΔN(=NT−β×NO)を算出する(ステップS603)。
次に、トランスミッションECU12は、空吹き情報を取得するタイミングとなってから予め定められた第1の期間TAが経過したか否かを判定する(ステップS604)。
そして、トランスミッションECU12は、ステップS604で第1の期間TAが経過していないと判定した場合には、第1の空吹き量積算値Aに回転数偏差ΔNを積算して(ステップS605)、変速機構4の同期直後に発生する空吹き量の大きさを表す情報を取得する。
そして、トランスミッションECU12は、ステップS604で第1の期間TAが経過していないと判定した場合には、第1の空吹き量積算値Aに回転数偏差ΔNを積算して(ステップS605)、変速機構4の同期直後に発生する空吹き量の大きさを表す情報を取得する。
一方、トランスミッションECU12は、ステップS604で第1の期間TAが経過したと判定した場合には、第1の期間TA経過後にさらに予め定められた第2の期間TBが経過したか否かを判定する(ステップS606)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS606で第2の期間TBが経過していないと判定した場合には、第2の空吹き量積算値Bに回転数偏差ΔNを積算して(ステップS607)、変速機構4の同期から第1の期間TA経過後に発生する空吹き量の大きさを表す情報を取得する。
一方、トランスミッションECU12は、ステップS606で第2の期間TBが経過していると判定した場合には、フェーズフラグPHを空吹き情報の取得が完了したことを示す"5"に設定して(ステップS608)、このプログラムを終了する。
一方、トランスミッションECU12は、ステップS606で第2の期間TBが経過していると判定した場合には、フェーズフラグPHを空吹き情報の取得が完了したことを示す"5"に設定して(ステップS608)、このプログラムを終了する。
すなわち、空吹き情報取得プログラムを実行することにより、変速機構4の入力軸回転数(タービン回転数)NTと、出力軸回転数NOに変速後のギヤ比βを乗じた目標回転数NDと、の差である回転数偏差ΔN(=NT−β×NO)が略零となるイナーシャ相終了時後の第1の期間TAおよび第2の期間TBに発生した空吹きの大きさが、第1の空吹き量積算値Aおよび第2の空吹き量積算値Bとして取得される。
なお、イナーシャ相終了時に摩擦係合要素を強制的に係合すると、変速機構4の回転軸の捩じれが発生するが、捩じれに起因する回転数変化は極めて短時間に収束するため、第1の空吹き量積算値Aおよび第2の空吹き量積算値Bに大きな影響を及ぼすことはない。
したがって、回転数偏差の変化に基づいて空吹きを判定する場合よりも、空吹き量積算値に基づいて空吹きを判定しているので、強タイアップやセンサノイズに起因する回転数偏差の影響を確実に排除することができる。
したがって、回転数偏差の変化に基づいて空吹きを判定する場合よりも、空吹き量積算値に基づいて空吹きを判定しているので、強タイアップやセンサノイズに起因する回転数偏差の影響を確実に排除することができる。
図15は、本発明の実施の形態に係るトランスミッションECUにインストールされる補正プログラムのフローチャートである。ここで、補正プログラムは、以後の無用な空吹きを抑制するために係合側油圧制御プログラムで使用する棚圧および緩増圧制御時の増圧率ならびにトルク制御プログラムで使用するトルク増加率を空吹き情報に応じて補正するためのプログラムであり、係合側制御油圧補正手段65およびトルク増加率補正手段67として機能する。
まず、トランスミッションECU12は、フェーズフラグPHが"5"であるか否かを判定することにより、空吹き情報の取得が完了したか否かを判定する(ステップS701)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS701でフェーズフラグPHが"5"でないと判定した場合には、このプログラムを実行するタイミングではないので、このプログラムを終了する。
まず、トランスミッションECU12は、フェーズフラグPHが"5"であるか否かを判定することにより、空吹き情報の取得が完了したか否かを判定する(ステップS701)。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS701でフェーズフラグPHが"5"でないと判定した場合には、このプログラムを実行するタイミングではないので、このプログラムを終了する。
一方、トランスミッションECU12は、ステップS701でフェーズフラグPHが"5"であると判定した場合には、第1の空吹き量積算値Aが予め定められた第1の空吹き量閾値TH1より大きいか否かを判定する(ステップS702)。
トランスミッションECU12は、ステップS702で第1の空吹き量積算値Aが第1の空吹き量閾値TH1より大きいと判定した場合は、第2の空吹き量積算値Bが予め定められた第2の空吹き量閾値TH2より大きいか否かを判定する(ステップS703)。
トランスミッションECU12は、ステップS703で第2の空吹き量積算値Bが予め定められた第2の空吹き量閾値TH2より大きいと判定した場合は、イナーシャ相終了時に変速機構4の係合側摩擦係合要素の係合したことにより長期間にわたって大きな空吹きまたは2度の空吹きが発生したものと判断し、次回以後のパワーオンダウンシフト時の空吹きを抑制するために、係合側油圧制御プログラムの棚圧Ptanaを予め定められた補正量δPtanaで嵩上げして初期係合力を増加する処置、または、トルク制御プログラムによるトルク緩増制御の傾斜を小さくする処置、すなわち、スロットル弁31の開度増加量Δθから予め定められた補正値δθ(>0)を減算する処置および点火角度の進角度ΔIAから予め定められた補正量δIAを減算する処置を実行して(ステップS704)、ステップS710に進む。
なお、エンジントルクは、スロットル弁31の開度の増加および点火角度を遅角した後の進角によって増加するので、スロットル弁31によるトルク増加と点火角度の進角によるトルク増加は車両1の走行状態に応じて適宜使い分けすることができる。
また、棚圧PtanaをδPtana嵩上げする処置およびトルク緩増制御の傾斜を小さくする処置は、一方の処置が限界に到達した後に他方の処置を行うようにしても、両方の処置を同時に行うようにしてもよい。
一方、トランスミッションECU12は、ステップS703で第2の空吹き量積算値Bが第2の空吹き量閾値TH2 より小さいと判定した場合は、イナーシャ相終了直後に変速機構4の係合側摩擦係合要素の係合により大きな空吹きが発生したものと判断する。
そして、イナーシャ相終了直後に大きい空吹きが発生した場合の処置として、次回以後のパワーオンダウンシフト時の空吹きを抑制するために、係合側油圧制御プログラムの棚圧Ptanaを予め定められた補正量δPtanaで嵩上げする処置を実行して(ステップS705)、ステップS710に進む。
次に、トランスミッションECU12は、ステップS702で第1の空吹き量積算値Aが第1の空吹き量閾値TH1より大きくないと判定した場合は、第2の空吹き量積算値Bが予め定められた第2の空吹き量閾値TH2より大きいか否かを判定する(ステップS706)。
そして、トランスミッションECU12は、ステップS706で第2の空吹き量積算値Bが第2の空吹き量閾値TH2より大きいと判定した場合は、イナーシャ相終了後しばらくして大きな空吹きが発生したものと判断する。
そして、イナーシャ相終了後しばらくして大きな空吹きが発生した場合の処置として、次回以後のパワーオンダウンシフト時の空吹きを抑制するために、係合側油圧制御プログラムの緩増圧制御の傾斜を大きくするために増圧率ΔPIに予め定められた補正量δPIを加算する処置、または、ステップS704と同様のトルク制御プログラムによるトルク緩増制御の傾斜を小さくする処置を実行して(ステップS707)、ステップS710に進む。
そして、トランスミッションECU12は、ステップS706で第2の空吹き量積算値Bが第2の空吹き量閾値TH2より大きいと判定した場合は、イナーシャ相終了後しばらくして大きな空吹きが発生したものと判断する。
そして、イナーシャ相終了後しばらくして大きな空吹きが発生した場合の処置として、次回以後のパワーオンダウンシフト時の空吹きを抑制するために、係合側油圧制御プログラムの緩増圧制御の傾斜を大きくするために増圧率ΔPIに予め定められた補正量δPIを加算する処置、または、ステップS704と同様のトルク制御プログラムによるトルク緩増制御の傾斜を小さくする処置を実行して(ステップS707)、ステップS710に進む。
なお、緩増圧制御の傾斜を大きくする処置およびトルク緩増制御の傾斜を小さくする処置は、一方の処置が限界に到達した後に他方の処置を行うようにしても、両方の処置を同時に行うようにしてもよい。
一方、トランスミッションECU12は、ステップS706で第2の空吹き量積算値Bが第2の空吹き量閾値TH2より小さいと判定した場合は、第2の空吹き量積算値Bが第2の空吹き量閾値TH2より小さい第3の空吹き量閾値TH3より大きいか否かを判定する(ステップS708)。
そして、トランスミッションECU12は、ステップS708で第2の空吹き量積算値Bが第3の空吹き量閾値TH3より小さいと判定した場合には、強タイアップが発生しているものと判断して、初期係合圧を低減するために係合側油圧制御プログラムの棚圧Ptanaから予め定められた補正量δPtanaを減算する処置を実行して(ステップS709)、ステップS710に進む。
そして、トランスミッションECU12は、ステップS708で第2の空吹き量積算値Bが第3の空吹き量閾値TH3より小さいと判定した場合には、強タイアップが発生しているものと判断して、初期係合圧を低減するために係合側油圧制御プログラムの棚圧Ptanaから予め定められた補正量δPtanaを減算する処置を実行して(ステップS709)、ステップS710に進む。
なお、トランスミッションECU12は、ステップS708で第2の空吹き量積算値Bが第3の空吹き量閾値TH3より大きいと判定した場合には、タイアップ時のクランクシャフトの捩じりやセンサノイズ等に起因する回転数変動が空吹きとして検知された結果であるとして、第2の空吹き量積算値Bを無視し、棚圧Ptanaから予め定められた補正量δPtanaを減算する処置(ステップS709)を実行せずにステップS710に進む。
次に、トランスミッションECU12は、第1の空吹き量積算値Aおよび第2の空吹き量積算値Bをリセットし(ステップS710)、フェーズフラグPHおよび変速指令信号DSをリセットし(ステップS711)、このプログラムを終了する。
以上のように、本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置においては、イナーシャ相終了後の第1の期間TAに発生する空吹き量を積算した第1の空吹き量積算値Aおよび第2の期間TBに発生する空吹き量を積算した第2の空吹き量積算値Bを含む空吹き情報に応じて棚圧制御時の棚圧および緩増圧制御時の増圧率の一方が補正されるので、変速時の空吹きの発生タイミングおよびその形状に応じて適切な学習制御を実行して、変速フィーリングの悪化を防止することができる。例えば、イナーシャ相終了直後の空吹きなのか、イナーシャ相終了後しばらくした後の係合なのかを判断することで、変速時の空吹きの発生タイミングおよびその形状に応じて適切な学習制御を実行することができる。
さらに、第1の空吹き量積算値Aおよび第2の空吹き量積算値Bを含む空吹き情報に応じて、トルク制御手段における増加率が補正されるので、変速時の空吹きの発生タイミングおよびその形状に応じて適切な学習制御を実行して、変速フィーリングの悪化を防止することができる。
また、本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置においては、係合側制御油圧補正手段65が、第1の空吹き量積算値Aが予め定められた第1の空吹き量閾値TH1より大きく、かつ第2の空吹き量積算値Bが予め定められた第2の空吹き量閾値TH2より大きいときは、油圧制御手段61における棚圧制御時の棚圧を増加するので、自動変速機のイナーシャ相終了後に、例えば大きい空吹きが発生した場合および2度の空吹きが発生した場合に、棚圧を増加して係合側摩擦係合要素の初期係合力を増加することにより、次回以後の空吹きを抑制することが可能となる。
また、本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置においては、トルク増加率補正手段67が、第1の空吹き量積算値Aが予め定められた第1の空吹き量閾値TH1より大きく、かつ第2の空吹き量積算値Bが予め定められた第2の空吹き量閾値TH2より大きいときは、トルク制御手段66におけるトルク増加率を減少するので、イナーシャ相終了後に、例えば大きい空吹きが発生した場合および2度の空吹きが発生した場合に、エンジンの発生するトルクの増加率を低減することより、次回以後の空吹きを抑制することが可能となる。
また、本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置においては、係合側制御油圧補正手段65が、第1の空吹き量積算値Aが予め定められた第1の空吹き量閾値TH1より大きく、かつ第2の空吹き量積算値Bが予め定められた第2の空吹き量閾値TH2より小さいときは、油圧制御手段61における棚圧制御時の棚圧を増加するので、イナーシャ相終了直後に空吹きが発生した場合であっても、棚圧を増加して係合側摩擦係合要素の初期係合力を増加することにより、次回以後の空吹きを抑制することが可能となる。
また、本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置においては、係合側制御油圧補正手段65が、第1の空吹き量積算値Aが予め定められた第1の空吹き量閾値TH1以下であり、かつ第2の空吹き量積算値Bが予め定められた第2の空吹き量閾値TH2より大きいときは、油圧制御手段61における緩増圧制御時の増圧率を増加するので、イナーシャ相終了後しばらくして空吹きが発生した場合に、緩増圧制御時の増圧率を増加して係合側摩擦係合要素の係合時期を早めることにより、次回以後の空吹きを抑制することが可能となる。
また、本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置においては、トルク増加率補正手段67が、第1の空吹き量積算値Aが予め定められた第1の空吹き量閾値TH1以下であり、かつ第2の空吹き量積算値Bが予め定められた第2の空吹き量閾値TH2より大きいときは、トルク制御手段におけるトルク増加率を減少するので、イナーシャ相終了後しばらくして空吹きが発生した場合に、エンジンの発生するトルクの増加率を低減することより、次回以後の空吹きを抑制することが可能となる。
また、本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置においては、係合側制御油圧補正手段65が、第1の空吹き量積算値Aが予め定められた第1の空吹き量閾値TH1以下であり、かつ第2の空吹き量積算値Bが予め定められた第2の空吹き量閾値TH2以下であるときは、油圧制御手段61における棚圧制御時の棚圧を減少するので、自動変速機のイナーシャ相終了後に吹きが発生しなかった場合に、棚圧を低減して係合側摩擦係合要素の初期係合力を低減することにより、適正な吹きを確保することが可能となる。
また、本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置においては、係合側制御油圧補正手段65が、第2の空吹き量積算値Aが第2の空吹き量閾値TH2より小さい予め定められた第3の空吹き量閾値TH3より大きいときは、油圧制御手段61における棚圧制御時の棚圧の減少を禁止するので、イナーシャ相終了後しばらくして急峻な空吹きを検知した場合には、急峻な空吹きはクランクシャフトの捩じれや、センサノイズに起因するものであるとして無視することにより、係合側制御油圧補正手段65よる誤った補正を防止することが可能となる。
上述した空吹き情報取得プログラムにおいては、変速機構4のイナーシャ相が終了したときに第1の取得期間が開始し、第1の取得期間終了時に第2の取得期間が開始するものとしているが、第1の取得期間および第2の取得期間をともにイナーシャ相が終了したときに開始するものとし、第2の取得期間を第1の取得期間より長いものとしてもよいことは明らかである。
上述した空吹き情報取得プログラムにおいては、空吹き情報を第1の取得期間における第1の空吹き量積算値および第2の取得期間における第2の空吹き量積算値により取得することとしているが、3以上の取得期間およびこれらの期間の空吹き量積算値を使用して、より詳細に空吹き情報を取得するようにしてもよい。この結果、空吹きの発生タイミングおよび空吹き形状を精度よく判定することができる。
例えば、3以上の空吹き情報取得期間を設けて、これらの期間に取得された空吹き量積算値をそれぞれ用いた場合には、空吹きが2回生じているのか、1回の大きな空吹きが生じているのかを判定することができる。このように、より詳細に空吹きの発生タイミングおよびその形状を判定することができ、これに応じて、棚圧制御、緩増圧制御、トルク制御における制御値を適宜補正することにより、より好適な学習制御を実現することができる。
例えば、3以上の空吹き情報取得期間を設けて、これらの期間に取得された空吹き量積算値をそれぞれ用いた場合には、空吹きが2回生じているのか、1回の大きな空吹きが生じているのかを判定することができる。このように、より詳細に空吹きの発生タイミングおよびその形状を判定することができ、これに応じて、棚圧制御、緩増圧制御、トルク制御における制御値を適宜補正することにより、より好適な学習制御を実現することができる。
また、上述した補正プログラムにおいては、第1の空吹き量積算値Aに対する閾値が1つ、第1の空吹き量積算値Bに対する閾値が2つの場合について説明したが、閾値の数を増やして空吹き量積算値の大きさに応じて精度よく学習値を変更するようにしてもよい。
本実施の形態においては、パワーオンダウンシフト時の空吹きの発生タイミングおよび空吹き形状を判定して、これに応じて適切な学習補正を実行するようにしているが、同様に空吹きの発生タイミングおよび空吹き形状を判定して、アップシフト時のイナーシャ相開始前の空吹きや係合時のタービン回転数のアンダーシュートにも本発明を適用することができる。
以上のように、本発明に係る自動変速機の制御装置は、変速時の空吹きの発生タイミングおよびその形状に応じて適切な学習制御を実行して、変速フィーリングの悪化を防止することのできるという効果を奏するものであり、クラッチ・トゥ・クラッチによる変速を実現する自動変速機の制御装置に有用である。
1 車両
2 エンジン(内燃機関)
3 トルクコンバータ
4 変速機構
5 自動変速機
6 油圧制御回路(油圧制御手段)
11 エンジンECU(トルク制御手段、トルク増加率補正手段、制御装置)
12 トランスミッションECU(油圧制御手段、パワーオンダウンシフト検知手段、イナーシャ相終了検知手段、空吹き情報取得手段、係合側制御油圧補正手段、制御装置)
21 エンジン回転数センサ
24 スロットルセンサ
25 車速センサ(パワーオンダウンシフト検知手段)
28 シフトレバー
29 ポジションセンサ
30 アクセル開度センサ(パワーオンダウンシフト検知手段、トルク制御手段)
34 入力軸回転数センサ(イナーシャ相終了検知手段、空吹き情報取得手段)
35 出力軸回転数センサ(イナーシャ相終了検知手段、空吹き情報取得手段)
36 スロットルモータ(トルク制御手段)
2 エンジン(内燃機関)
3 トルクコンバータ
4 変速機構
5 自動変速機
6 油圧制御回路(油圧制御手段)
11 エンジンECU(トルク制御手段、トルク増加率補正手段、制御装置)
12 トランスミッションECU(油圧制御手段、パワーオンダウンシフト検知手段、イナーシャ相終了検知手段、空吹き情報取得手段、係合側制御油圧補正手段、制御装置)
21 エンジン回転数センサ
24 スロットルセンサ
25 車速センサ(パワーオンダウンシフト検知手段)
28 シフトレバー
29 ポジションセンサ
30 アクセル開度センサ(パワーオンダウンシフト検知手段、トルク制御手段)
34 入力軸回転数センサ(イナーシャ相終了検知手段、空吹き情報取得手段)
35 出力軸回転数センサ(イナーシャ相終了検知手段、空吹き情報取得手段)
36 スロットルモータ(トルク制御手段)
Claims (10)
- 複数の摩擦係合要素の係合および解放により速度比を変更して内燃機関で発生した駆動トルクを駆動輪に伝達する自動変速機の制御装置であって、
前記自動変速機の変速中に、係合側摩擦係合要素に供給する油圧を少なくとも一定の棚圧に維持する棚圧制御および緩やかに増圧する緩増圧制御の順に制御する油圧制御手段と、
パワーオンダウンシフトの開始を検知するパワーオンダウンシフト検知手段と、
前記パワーオンダウンシフト検知手段によりパワーオンダウンシフトの開始が検知された後に前記自動変速機のイナーシャ相が終了したことを検知するイナーシャ相終了検知手段と、
前記イナーシャ相終了検知手段によりイナーシャ相の終了が検知された後の少なくとも2つの期間に発生する空吹き量を積算した少なくとも2つの空吹き量積算値を含む空吹き情報を取得する空吹き情報取得手段と、
前記空吹き情報取得手段で取得された空吹き情報に応じて前記油圧制御手段における棚圧制御時の棚圧および緩増圧制御時の増圧率の一方を補正する係合側制御油圧補正手段と、を備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 前記イナーシャ相終了検知手段によりイナーシャ相の終了が検知された後に、内燃機関で発生した駆動トルクを一定の増加率で増加するように制御するトルク制御手段と、
前記空吹き情報取得手段で取得された空吹き情報に応じて前記トルク制御手段におけるトルク増加率を補正するトルク増加率補正手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。 - 前記空吹き情報取得手段が、
前記イナーシャ相終了検知手段によりイナーシャ相の終了が検知されたときに計時を開始し予め定められた第1の期間が経過したときに計時を終了する第1の計時部と、
前記第1の計時部が計時を終了したときに計時を開始し予め定められた第2の期間が経過したときに計時を終了する第2の計時部と、
前記第1の計時部の計時中に発生する空吹き量を積算して第1の空吹き量積算値を算出する第1の空吹き量積算値算出部と、
前記第2の計時部の計時中に発生する空吹き量を積算して第2の空吹き量積算値を算出する第2の空吹き量積算値算出部と、を備え、前記第1の空吹き量積算値および前記第2の空吹き量積算値を空吹き情報とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動変速機の制御装置。 - 前記係合側制御油圧補正手段が、
前記第1の空吹き量積算値が予め定められた第1の空吹き量閾値より大きく、かつ前記第2の空吹き量積算値が予め定められた第2の空吹き量閾値より大きいときは、前記油圧制御手段における棚圧制御時の棚圧を増加するものであることを特徴とする請求項3に記載の自動変速機の制御装置。 - 前記トルク増加率補正手段が、
前記第1の空吹き量積算値が予め定められた第1の空吹き量閾値より大きく、かつ前記第2の空吹き量積算値が予め定められた第2の空吹き量閾値より大きいときは、前記トルク制御手段におけるトルク増加率を減少するものであることを特徴とする請求項3に記載の自動変速機の制御装置。 - 前記係合側制御油圧補正手段が、
前記第1の空吹き量積算値が予め定められた第1の空吹き量閾値より大きく、かつ前記第2の空吹き量積算値が予め定められた第2の空吹き量閾値より小さいときは、前記油圧制御手段における棚圧制御時の棚圧を増加するものであることを特徴とする請求項3に記載の自動変速機の制御装置。 - 前記係合側制御油圧補正手段が、
前記第1の空吹き量積算値が予め定められた第1の空吹き量閾値以下であり、かつ前記第2の空吹き量積算値が予め定められた第2の空吹き量閾値より大きいときは、前記油圧制御手段における緩増圧制御時の増圧率を増加するものであることを特徴とする請求項3に記載の自動変速機の制御装置。 - 前記トルク増加率補正手段が、
前記第1の空吹き量積算値が予め定められた第1の空吹き量閾値以下であり、かつ前記第2の空吹き量積算値が予め定められた第2の空吹き量閾値より大きいときは、前記トルク制御手段におけるトルク増加率を減少するものであることを特徴とする請求項3に記載の自動変速機の制御装置。 - 前記係合側制御油圧補正手段が、
前記第1の空吹き量積算値が予め定められた第1の空吹き量閾値以下であり、かつ前記第2の空吹き量積算値が予め定められた第2の空吹き量閾値以下であるときは、前記油圧制御手段における棚圧制御時の棚圧を減少するものであることを特徴とする請求項3に記載の自動変速機の制御装置。 - 前記係合側制御油圧補正手段が、
前記第2の空吹き量積算値が前記第2の空吹き量閾値より小さい予め定められた第3の空吹き量閾値より大きいときは、前記油圧制御手段における棚圧制御時の棚圧の減少を禁止するものであることを特徴とする請求項9に記載の自動変速機の制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013036479A (ja) * | 2011-08-03 | 2013-02-21 | Aisin Ai Co Ltd | デュアルクラッチ式自動変速機 |
JP2017044239A (ja) * | 2015-08-25 | 2017-03-02 | トヨタ自動車株式会社 | 自動変速機の制御装置 |
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2008
- 2008-11-26 JP JP2008301139A patent/JP2010127351A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013036479A (ja) * | 2011-08-03 | 2013-02-21 | Aisin Ai Co Ltd | デュアルクラッチ式自動変速機 |
JP2017044239A (ja) * | 2015-08-25 | 2017-03-02 | トヨタ自動車株式会社 | 自動変速機の制御装置 |
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