JP2010126536A - 粉体塗料組成物、それを用いた塗膜および該塗膜の製造方法 - Google Patents

粉体塗料組成物、それを用いた塗膜および該塗膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 金属製部材に対する塗膜の密着性の向上、塗装品の耐食性の向上および金属製部材の塗装前下地処理の簡略化などを図ることができる粉体塗料組成物およびそれを用いた塗膜を提供する
を提供する。
【解決手段】 金属製部材に静電塗付される粉体塗料であって、(A)熱可塑性樹脂粉体と、(B)前記(A)粉体よりも静電塗付時の荷電量が小さい熱硬化型樹脂粉体との乾式混合物を含む粉体塗料組成物、および金属製部材表面に、前記粉体塗料組成物が静電塗付されてなる塗膜であって、該塗膜は金属製部材の表面側の第1層と、その上の第2層とからなり、かつ前記第1層が、熱可塑性樹脂を主体とする層であり、第2層が、熱硬化型樹脂の硬化物を主体とする層であることを特徴とする、塗膜である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、粉体塗料組成物、それを用いた塗膜および該塗膜の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、金属製部材への密着性の向上、塗装品の耐食性の向上および金属製部材の塗装前下地処理の簡略化などを図ることができる粉体塗料組成物、それを用いた塗膜および該塗膜の製造方法に関するものである。
金属への耐食性付与技術として、環境を配慮した粉体塗装が広く行われている。この粉体塗装に用いられる粉体塗料は、有機溶剤または水のような液体溶剤を使用せずに粉末の状態で塗装する塗料で、しいていえば空気を溶剤とした塗料であるともいえる。
溶剤類を一切使用しないため火災の危険がなく、固形分100%の塗料であり、塗料は回収して再使用できるので塗装に際して、塗料の損失が少ない。また一度に厚く塗れ、100〜1000μmの塗膜厚が1回塗りで得られるなどの長所を持った塗料である。したがって、使用分野、適用範囲も徐々に拡大している。
粉体塗料には、一般にエポキシ樹脂、ポリエステル変性エポキシ樹脂、熱硬化型アクリル樹脂などの熱硬化型樹脂が用いられているが、被塗物が塗膜との密着性の悪い亜鉛などの金属製部材の場合、クロメート処理やリン酸塩処理などの下地処理が必要となり、長時間の処理、設備費の増加、廃水処理設置などにつながっている。また、密着性のよい塗料を下塗りし、耐食性確保のための塗料を上塗りすることも考えられるが、この場合、塗装工数、塗装設備費の増加となり効率的でなく、さらに、下塗りした樹脂の絶縁性により、上塗りを塗体塗装で行うことが困難な場合が多い。
一方、粉体塗料として、エポキシ樹脂とポリビニルブチラール樹脂を含む塗料が開示されている(例えば、特許文献1および2参照)。しかしながら、この粉体塗料は、エポキシ樹脂とポリビニルブチラールとを、ニーダやエクストルーダなどで溶融混合処理したのち、混合物を冷却固化し、微粉砕することにより調製されている。
また、熱硬化型複層粉体塗膜の形成方法として、基材表面をオニウム塩化合物で処理し、次いで、(1)熱硬化型アクリル樹脂系粉体塗料と熱硬化型エポキシ樹脂系粉体塗料との混合粉体塗料、(2)熱硬化型アクリル樹脂系粉体塗料と熱硬化型ポリエステル樹脂系粉体塗料との混合粉体塗料、または(3)熱硬化型ポリエステル樹脂系粉体塗料と熱硬化型エポキシ樹脂系粉体塗料との混合粉体塗料を静電粉体塗装し、加熱硬化させる方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この熱硬化型複層粉体塗膜の形成方法においては、使用する混合粉体塗料は、全て熱硬化型樹脂であり、熱可塑性樹脂は用いられていない。
特開昭63−193970号公報 特開平10−265714号公報 特開平10−324823号公報
本発明は、このような事情のもとで、金属製部材に対する塗膜の密着性の向上、塗装品の耐食性の向上および金属製部材の塗装前下地処理の簡略化などを図ることができる粉体塗料組成物、それを用いた塗膜および該塗膜の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、一般に熱可塑性樹脂からなる塗膜は、金属製部材に対する密着性が良好であり、一方、熱硬化型樹脂の硬化物からなる塗膜は、耐食性に優れることに着目し、下記の知見を得た。
粉体塗料組成物として、熱可塑性樹脂粉体とこの粉体よりも静電塗付時の荷電量が小さい熱硬化型樹脂粉体との乾式混合物を用いることにより、静電粉体塗装によって、金属製部材の表面側に熱可塑性樹脂を主体とする層が形成すると共に、その上に熱硬化型樹脂の硬化物を主体とする層が形成し、本発明の目的を達成し得ることを見出した。
本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1) 金属製部材に静電塗付される粉体塗料であって、(A)熱可塑性樹脂粉体と、(B)前記(A)粉体よりも静電塗付時の荷電量が小さい熱硬化型樹脂粉体との乾式混合物を含むことを特徴とする、粉体塗料組成物、
(2) (A)熱可塑性樹脂粉体が、ポリビニルブチラール樹脂粉体である、上記(1)項に記載の粉体塗料組成物、
(3) (B)熱硬化型樹脂粉体が、エポキシ樹脂粉体、ポリエステル変性エポキシ樹脂粉体および熱硬化型アクリル樹脂粉体の中から選ばれる少なくとも1種である、上記(1)または(2)項に記載の粉体塗料組成物、
(4) 金属製部材表面に、上記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の粉体塗料組成物が静電塗付されてなる塗膜であって、該塗膜は金属製部材の表面側の第1層と、その上の第2層とからなり、かつ前記第1層が、熱可塑性樹脂を主体とする層であり、第2層が、熱硬化型樹脂の硬化物を主体とする層であることを特徴とする、塗膜、
(5) (A)熱可塑性樹脂粉体と、(B)前記(A)粉体よりも静電塗付時の荷電量が小さい熱硬化型樹脂粉体とを乾式混合して、粉体塗料組成物を調製する工程(a)と、前記工程(a)で得られた粉体塗料組成物を、金属製部材の表面に静電塗付し、樹脂の荷電量の差に基づき、該金属製部材の表面に2つの層を形成する工程(b)と、塗付された粉体塗料組成物を焼付ける工程(c)とを含むことを特徴とする、塗膜の製造方法、
(6) (A)熱可塑性樹脂粉体が、ポリビニルブチラール樹脂粉体である、上記(5)項に記載の塗膜の製造方法、および
(7) (B)熱硬化型樹脂粉体が、エポキシ樹脂粉体、ポリエステル変性エポキシ樹脂粉体および熱硬化型アクリル樹脂粉体の中から選ばれる少なくとも1種である、上記(5)または(6)項に記載の塗膜の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、金属製部材に対する塗膜の密着性の向上、塗装品の耐食性の向上および金属製部材の塗装前下地処理の簡略化などを図ることができる粉体塗料組成物、それを用いた塗膜および該塗膜の製造方法を提供することができる。
まず、本発明の粉体塗料組成物について説明する。
[粉体塗料組成物]
本発明の粉体塗料組成物は、金属製部材に静電塗付される粉体塗料であって、(A)熱可塑性樹脂粉体と、(B)前記(A)粉体よりも静電塗付時の荷電量が小さい熱硬化型樹脂粉体との乾式混合物を含むことを特徴とする。
(金属製部材)
本発明の粉体塗料組成物が静電塗付される金属製部材を構成する金属材料としては特に制限はなく、従来静電粉体塗装用に使用されているものを使用することができる。具体的には、鉄鋼、鋼、ステンレス、合金鋼、アルミニウム及びその合金、亜鉛、亜鉛メッキ鋼材、亜鉛合金、スズメッキ鋼材、燐酸亜鉛又は燐酸鉄処理鋼材などの金属類が挙げられる。当該金属製部材としては、板状であってもパイプ状、箱状等に成型された加工品であってもよい。
これらの金属製部材は、静電粉体塗装が施される前に、通常表面に付着している油分を除去するための脱脂処理、脱脂後水洗処理、後工程である化成処理における化成皮膜の形成を良好に行うための表面調整処理、及び、防食性や耐摩耗性を向上させるリン酸塩化成処理、及び化成後水洗処理という一連の煩雑な塗装前処理工程が施されるが、本発明の粉体塗装方法においては、前記塗装前処理工程の中で、表面調整処理以降の工程を省略することが可能で、生産性の向上を図ることができる。
((A)熱可塑性樹脂粉体)
本発明の粉体塗料組成物において、(A)成分として用いる熱可塑性樹脂粉体は、(B)成分の熱硬化型樹脂粉体に比べて、静電塗付時の荷電量が大きいために、静電粉体塗装においては、金属製部材の表面に優先的に塗付され、熱可塑性樹脂粉体層を形成し、焼付け処理で熱可塑性樹脂を主体とする層が形成される。
熱可塑性樹脂層は、一般に金属製部材に対する密着性が良好であるが、密着性の点から、熱可塑性樹脂粉体としては、特にポリビニルブチラール樹脂粉体が好ましい。ポリビニルブチラールは、ポリ酢酸ビニルを部分的に加水分解してポリビニルアルコールとし、これにブチルアルデヒドを作用させてブチラール化したものであって、分子中にビニルブチラール単位と酢酸ビニル単位とビニルアルコール単位を有しており、市販品は白色粉末である。本発明においては、このポリビニルブチラールとしては特に制限はなく、市販品をはじめ、従来公知の方法で製造されたものを用いることができる。
本発明においては、当該(A)成分の熱可塑性樹脂粉体の平均粒径は、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜80μm、さらに好ましくは20〜60μmである。この平均粒径が5μm未満では、静電粉体塗装作業性が低下し、一方100μmを超えると塗着効率が低下する傾向がある。
なお、この熱可塑性樹脂粉体の粒子中には、必要に応じて、各種添加剤、例えば防錆剤、着色剤、充填剤、難燃剤、流動性調整剤などを含んでいてもよい。
((B)熱硬化型樹脂粉体)
本発明の粉体塗料組成物において、(B)成分として用いる熱硬化型樹脂粉体は、(A)成分の熱可塑性樹脂粉体に比べて、静電塗付時の荷電量が小さいために、静電粉体塗装においては、前記の熱可塑性樹脂粉体層上に、熱硬化型樹脂粉体層を形成し、焼付け処理で熱硬化型樹脂を主体とする層が形成される。
当該熱硬化型樹脂粉体としては、特に制限はないが、塗膜性能の観点から、エポキシ樹脂粉体、ポリエステル変性エポキシ樹脂粉体および熱硬化型アクリル樹脂粉体の中から選ばれる少なくとも1種が用いられる。これらの中ではエポキシ樹脂粉体が好ましく、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂粉体が好適である。
本発明においては、当該(B)成分の熱硬化型樹脂粉体の平均粒径は、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜80μm、さらに好ましくは20〜60μmである。この平均粒径が5μm未満では、静電粉体塗装作業性が低下し、一方100μmを超えると塗着効率や塗膜外観が低下する傾向がある。
なお、この熱硬化型樹脂粉体の粒子中には、使用する熱硬化型樹脂に対応して、硬化剤を適宜量を含むことができる。例えば、熱硬化型樹脂がエポキシ樹脂の場合には、硬化剤として、イミダゾール類、アミン類、ポリアミド類などが好ましく用いられ、特に保存安定性と反応性のバランスがよい観点から、イミダゾール類が好適である。また、前記熱硬化型樹脂粉体の粒子中には、さらに必要に応じて、着色剤、充填剤、難燃剤、流動性調整剤などを含んでいてもよい。
(粉体塗料組成物の調製)
本発明の粉体塗料組成物は、前述の(A)熱可塑性樹脂粉体と、(B)熱硬化型樹脂粉体とを、耐食性、密着性の観点から、質量比10:90〜50:50程度、好ましくは20:80〜40:60、より好ましくは20:80〜30:70の割合で、ヘンシエルミキサーなどの混合機にて、乾式混合することにより、調製することができる。
次に、本発明の塗膜およびその製造方法について説明する。
[塗膜、その製造方法]
本発明の塗膜は、金属製部材表面に、前述した本発明の粉体塗料組成物が静電塗付されてなる塗膜であって、該塗膜は金属製部材の表面側の第1層と、その上の第2層とからなり、かつ前記第1層が、熱可塑性樹脂を主体とする層であり、第2層が、熱硬化型樹脂の硬化物を主体とする層であることを特徴とする。
ここで、熱可塑性樹脂を主体とする層とは、この層における樹脂成分中の熱可塑性樹脂の含有量が、90質量%程度以上を指し、熱硬化型樹脂の硬化物を主体とする層とは、この層における樹脂成分中の熱硬化型樹脂の硬化物の含有量が、90質量%程度以上を指す。
また、本発明の塗膜の製造方法は、(A)熱可塑性樹脂粉体と、(B)前記(A)粉体よりも静電塗付時の荷電量が小さい熱硬化型樹脂粉体とを乾式混合して、粉体塗料組成物を調製する工程(a)と、前記工程(a)で得られた粉体塗料組成物を、金属製部材の表面に静電塗付し、樹脂の荷電量の差に基づき、該金属製部材の表面に2つの層を形成する工程(b)と、塗付された粉体塗料組成物を焼付ける工程(c)とを含むことを特徴とする。
前記塗膜の製造方法における工程(b)において、粉体塗料組成物を金属製部材に静電塗付する際、該金属製部材は、予め前処理工程が施されるが、この前処理工程については、前述で説明したとおりである。
また、静電塗付において、樹脂の荷電量の差に基づき前記金属製部材の表面に2つの層が形成されるが、この際、(A)成分の熱可塑性樹脂粉体の荷電量が、(B)成分の熱硬化型樹脂粉体の荷電量よりも大きいことから、該金属製部材の表面側に、(A)熱可塑性樹脂粉体の層が形成され、その上に(B)熱硬化型樹脂粉体の層が形成される。
次いで、工程(c)において、前記粉体の層を、180〜200℃程度の温度にて焼付け処理することにより、金属製部材表面に、密着性に優れる熱可塑性樹脂、好ましくはポリビニルブチラール樹脂を主体とする層が形成され、その上に、耐食性に優れる熱硬化型樹脂、好ましくはポキシ樹脂、ポリエステル変性エポキシ樹脂および熱硬化型アクリル樹脂の中から選ばれる少なくとも1種の硬化物を主体とする層が形成される。
前記の金属製部材の表面側に形成される、熱可塑性樹脂を主体とする層の厚さは、耐食性、密着性の観点から、通常5〜20μm程度、好ましくは10〜15μmであり、一方、この層の上に形成される熱硬化型樹脂の硬化物を主体とする層の厚さは、耐食性、密着性の観点から、通常20〜60μm程度、好ましくは30〜40μmである。
(静電粉体塗装)
静電粉体塗装法は、接地した被塗物を陽極、塗料噴霧装置を陰極として高電圧を与え、両極間に静電場を作り、その中に塗料を飛散させて帯電せしめ、反対極である被塗物に吸引させて塗膜を作る方法である。
この静電粉体塗装法は、電気的吸引作用によって塗料を付着させることから、塗料のロスが少なく、肉のりの悪い突出部や周辺部で厚い塗膜が得られる上、作業に人手をほとんど要しないなどの利点がある。静電粉体塗装機としては、市販のものを利用することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られた塗膜の性能は、以下に示す方法に従って評価した。
(1)密着性
JIS K 5400に準拠して碁盤目試験を行い、密着性を評価した。
(2)耐食性
JIS K 2371に準拠して、72時間の連続塩水噴霧試験を行い、耐食性を評価した。
実施例1
(1)粉体塗料の作製
ポリビニルブチラール樹脂[積水化学社製、商品名「BH3」]の平均粒径30μmの粉体と、エポキシ樹脂[ソマール社製、商品名「エピフォームF7222」、ビスフェノールA型]の平均粒径30μmの粉体とを、質量比30:70の割合で乾式混合して、粉体塗料を作製した。
(2)粉体塗装品の作製
鉄系部材からなる母材として、亜鉛メッキ鋼板(冷間圧延鋼板:100mm×100mm×3.6mm)を用い、これをアセトンでよく洗浄したのち、80℃で60分間乾燥処理した。その後、上記(1)で作製した粉体塗料を、静電粉体塗装装置[旭サナック社製]にて亜鉛メッキ鋼板に塗付したのち、大気加熱炉にて、180℃で30分間焼付け処理を行い、厚さ50μmの塗膜を形成し、粉体塗装品を作製した。
この粉体塗装品の塗膜について、密着性試験を行ったところ、残個数/カット数が100/100であり、また、72時間の連続塩水噴霧試験により、耐食性を評価したところ、白錆の発生は認められなかった。
比較例1
(1)粉体塗料の作製
実施例1(1)と同じポリビニルブチラール樹脂とエポキシ樹脂とを、質量比30:70の割合で溶融混練後、凍結粉砕処理し、平均粒径30μmの粉体塗料を作製した。
(2)粉体塗装品の作製
上記(1)で得られた粉体塗料を用いた以外は、実施例1(2)と同様にして粉体塗装品を作製した。
この粉体塗装品の塗膜について、密着性試験を行ったところ、残個数/カット数が85/100であり、また、72時間の連続塩水噴霧試験により、耐食性を評価したところ、白錆発生面積率は10%であった。
本発明の粉体塗料組成物を用いることにより、金属製部材に対する塗膜の密着性の向上、塗装品の耐食性の向上および金属製部材の塗装前下地処理の簡略化などを図ることができる。

Claims (7)

  1. 金属製部材に静電塗付される粉体塗料であって、(A)熱可塑性樹脂粉体と、(B)前記(A)粉体よりも静電塗付時の荷電量が小さい熱硬化型樹脂粉体との乾式混合物を含むことを特徴とする、粉体塗料組成物。
  2. (A)熱可塑性樹脂粉体が、ポリビニルブチラール樹脂粉体である、請求項1に記載の粉体塗料組成物。
  3. (B)熱硬化型樹脂粉体が、エポキシ樹脂粉体、ポリエステル変性エポキシ樹脂粉体および熱硬化型アクリル樹脂粉体の中から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の粉体塗料組成物。
  4. 金属製部材表面に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉体塗料組成物が静電塗付されてなる塗膜であって、該塗膜は金属製部材の表面側の第1層と、その上の第2層とからなり、かつ前記第1層が、熱可塑性樹脂を主体とする層であり、第2層が、熱硬化型樹脂の硬化物を主体とする層であることを特徴とする、塗膜。
  5. (A)熱可塑性樹脂粉体と、(B)前記(A)粉体よりも静電塗付時の荷電量が小さい熱硬化型樹脂粉体とを乾式混合して、粉体塗料組成物を調製する工程(a)と、前記工程(a)で得られた粉体塗料組成物を、金属製部材の表面に静電塗付し、樹脂の荷電量の差に基づき、該金属製部材の表面に2つの層を形成する工程(b)と、塗付された粉体塗料組成物を焼付ける工程(c)とを含むことを特徴とする、塗膜の製造方法。
  6. (A)熱可塑性樹脂粉体が、ポリビニルブチラール樹脂粉体である、請求項5に記載の塗膜の製造方法。
  7. (B)熱硬化型樹脂粉体が、エポキシ樹脂粉体、ポリエステル変性エポキシ樹脂粉体および熱硬化型アクリル樹脂粉体の中から選ばれる少なくとも1種である、請求項5または6に記載の塗膜の製造方法。
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