JP2010124109A - 位相回転検出手段あるいはキャンセル装置あるいは受信装置あるいは中継装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】OFDM信号のFFTずれによる位相回転を補正する回路規模を削減し、演算精度を向上させる。
【解決手段】有効シンボルにガードインターバルが付加されて変調された信号を受信する受信装置の復調用のFFT窓の取り出し位置のずれによる生じる位相回転を検出する手段において、極座標変換回路、位相検出回路、直交座標変換回路で位相回転量を検出し、伝送路特性をF(ω)、位相ずれによる位相回転を持つ主波成分をD(ω)として、回り込みのキャンセル誤差Ec(ω)を式(1)、マルチパスのキャンセル誤差Em(ω)を式(2)の特性式より求め、回り込みのキャンセルとマルチパスのキャンセルを行う。
式(1)
式(2)
【選択図】図1
【解決手段】有効シンボルにガードインターバルが付加されて変調された信号を受信する受信装置の復調用のFFT窓の取り出し位置のずれによる生じる位相回転を検出する手段において、極座標変換回路、位相検出回路、直交座標変換回路で位相回転量を検出し、伝送路特性をF(ω)、位相ずれによる位相回転を持つ主波成分をD(ω)として、回り込みのキャンセル誤差Ec(ω)を式(1)、マルチパスのキャンセル誤差Em(ω)を式(2)の特性式より求め、回り込みのキャンセルとマルチパスのキャンセルを行う。
式(1)
式(2)
【選択図】図1
Description
本発明は、ガードインターバルが付加されているデジタル変調方式で変調された映像信号または音声信号またはデータを伝送する伝送システムの受信装置、あるいは中継装置に関する。
近年、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)変調方式(以下OFDM方式と称す)が地上デジタル放送などに採用されている。地上デジタル放送のOFDM方式はガードインターバルが付加されているため、マルチパスの遅延時間がガードインターバル期間内であれば適切な位置にFFT時間窓を設けることによりシンボル間干渉が生じることはない。
例えば、OFDM信号の主波と反射波のガードインターバルの差分から雑音レベルと反射波の遅延時間を検出するガード差分検出部と、当該雑音レベルと反射波の遅延時間から制御信号を算出する第1のマルチパス算出部と、SP(Scattered Pilot)をIFFTして主波及び反射波の振幅レベルと遅延時間から制御信号を算出する第2のマルチパス算出部と、SPをFFTして検出した振幅レベルとドップラー周波数から制御信号を算出するドップラー周波数算出部による各々の制御信号と、移動体からの速度情報に基づき、時間内挿処理部を制御している(特許文献1参照)。
また、地上デジタル放送のOFDM方式はシンボル長が長い特徴により単一周波数ネットワーク(以下SFNと称す)を構築することを可能としている。SFNの構築の一例に、放送波を受信して同一チャンネルにて再送信する方式がある。
しかし、この方式において再送信した信号が放送波を受信するアンテナに受かってしまう、「回り込み」が生じてしまう。この回り込みの影響により、再送信する放送波の信号品質が劣化、また、再送信するシステム,増幅器などが発振してしまうことが考えられる。これを回避するためには、送受信のアンテナを十分な間隔に離したり、回り込み波が生じないようアンテナ指向性を調整したり、回り込み波を打ち消すキャンセラー装置(回り込みキャンセラー)が必要となる。
ここで従来の受信装置における回り込みキャンセラー機能を有する等化部の構成を示すブロック図の図3を用いて回り込みキャンセラーについて説明する。
従来の受信装置における回り込みキャンセラー機能を有する等化部の構成を示すブロック図の図3において、受信した信号を同期回路1にてシンボルの開始位置を見つけ信号の同期を取り以降の処理の基準となる制御信号を生成する。そして、加算器2の出力信号をFFT部3に入力し、時間軸信号から周波数軸信号に変換する。その出力信号を伝送路推定部4に入力し、SPを抽出して伝送路特性を得る。伝送路特性はFFT窓位置補正部10に入力される。FFTに取り込む位相がnサンプルずれると、FFT演算後の信号の位相がn回転してしまう。シンボル間干渉を回避するためにマージンを設けたり、同期回路1の精度やクロックジッタによる位相変動によりFFTに取り込み位置にずれが生じるため、ここでその回転分を補正する。回転を補正したデータは誤差算出部6にて誤差を算出し、IFFT部7にて時間軸信号に変換して、係数更新部8にてフィルタ係数を更新する。フィルタ9では、係数更新部8より入力された係数にて擬似的に回り込み波を生成する。生成した回り込み波を加算器2に入力し、等化部21の入力信号と減算を行うことで回り込み波をキャンセルする。
特開2007−096626
ここで、従来の等化部におけるFFT窓位置補正部の構成を示すブロック図の図4を用いて窓位置補正部10について詳細に説明する。 伝送路推定部4の出力信号(複素信号I,Q)を極座標変換部101で振幅信号rと位相信号θに変換する。もし、伝送路推定部4の出力信号に位相回転があると、位相情報θは回転の数分だけ位相の不連続点が生じる。例えば位相回転が3回転だとすると、不連続点が3点現れる。位相情報θは位相直線化部102へ、もう一方の振幅信号rは遅延補正部103−2に入力する。位相直線化部102では位相の不連続点を検出し、不連続点を検出する毎にoffset(2π)を加えて位相情報を直線にする(θ’)。直線化された信号θ’は、遅延補正部103−1と位相補正値算出部104に入力される。位相補正値算出部104では、最小二乗法を用いて直線の傾きαを算出し、位相補正部105に渡す。位相補正部105では直線の傾きαを用いて、−αの傾きを持った直線を生成し、θ’と加算することで位相の回転を補正する。位相補正された信号は、遅延された振幅信号rとともに直交座標変換部106に入力され、複素信号に変換される。
しかしこのとき、位相を直線化した情報θ’は、補正する回転量をnとすると、少なくとも位相情報θの分解能のn倍以上の分解能を必要とする非常に大きなデータとなり、補正の演算には大規模な回路を必要とする。また、極座標へ変換した後に位相補正を行い、再び直交座標へ戻す構成のため、後段で求める誤差の算出結果に、変換による演算誤差が重畳され、演算精度が劣化する問題があった。
本発明はこれらの欠点を除去し、複雑な遅延プロファイルの環境下においても、中継伝送することができるOFDM受信装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、有効シンボルにガードインターバルが付加されて変調された信号を受信する受信装置の復調用のFFT窓の取り出し位置のずれによる生じる位相回転を検出する手段において、極座標変換回路、位相検出回路、直交座標変換回路で構成された位相回転量の推定回路を有することを特徴とする位相回転検出手段である。
また、有効シンボルにガードインターバルが付加されて変調された信号を受信する受信装置の受信信号の先行波や遅延波などのマルチパス波をキャンセルする装置において、請求項1の位相回転検出手段を有し、上記位相回転検出手段で主波成分を検出することを特徴とするマルチパス波キャンセル装置である。
また、有効シンボルにガードインターバルが付加されて変調された受信信号を同じ周波数で再送信する中継装置の、受信アンテナに再送信信号が受信して生ずる回り込み波をキャンセルする装置において、請求項1の位相回転検出手段を有し、上記位相回転検出手段で主波成分を検出することを特徴とする回り込み波キャンセル装置である。
また上記の位相回転検出手段または上記のマルチパス波キャンセル装置の少なくとも一方を用いたことを特徴とする受信装置である。
また上記の受信装置において、変調方式が直交周波数分割多重方式(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)であることを特徴とする受信装置である。
また、上記の位相回転検出手段または上記のマルチパス波キャンセル装置のまたは上記の回り込み波キャンセル装置の少なくとも一方を用いたことを特徴とする中継装置である。
また、上記の中継装置において、変調方式が直交周波数分割多重方式(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)であることを特徴とする中継装置である。
以上説明したように、本発明に係るOFDM受信装置によると、位相回転の推定を行い主波成分の位相とすることで、従来の伝送路特性の位相回転を補正する回路より、小規模な回路で実現でき、さらに演算誤差を減らし精度を向上することができ、回り込みキャンセルとマルチパスキャンセルとの精度を小規模な回路で向上させ、中継伝送することができる。
以下、本発明の一実施例のキャンセル部を用いたOFDM受信装置を含む中継装置について、図1を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例のキャンセル部を用いたOFDM受信装置を含む中継装置の構成を示すブロック図であり、図2は本発明の一実施例のキャンセル部おける検出部の構成を示すブロック図である。
本発明の一実施例のキャンセル部を用いたOFDM受信装置を含む中継装置の構成を示すブロック図の図1において、アンテナ11で受信された地上デジタル放送での中継回線の高周波受信信号はダウンコンバータ12で中間周波数の受信信号に変換され、A/D変換器13によりサンプリングされ、等化部14で、伝送路で生じた歪みを補正し、受信信号の先行波や遅延波などのマルチパス波や、受信アンテナに再送信信号が受信して生ずる回り込み波をキャンセルする等化処理を行う。等化部14からの出力信号は再変調部15に入力され、波形整形後のOFDM信号を再生成し、D/A変換器16にてデジタル-アナログ変換されて中間周波数の中継信号としてアナログ信号を出力する。中間周波数の中継信号はアップコンバータ17で地上デジタル放送での中継回線の高周波信号に変換され、アンテナ18で送信される。
等化部14で回り込みのキャンセルを行う場合、回り込みのキャンセル誤差Ec(ω)は、伝送路特性F(ω)、主波成分D(ω)より
式(1)
の特性式より求められる。
の特性式より求められる。
また同様に、等化部14でマルチパスのキャンセルを行う場合、マルチパスのキャンセル誤差Em(ω)は、伝送路特性F(ω)、主波成分D(ω)より
式(2)
の特性式より求められる。
の特性式より求められる。
ここで、FFTに取り込む位相がずれていた場合、その位相ずれが位相回転として伝送路特性に重畳されている。そのため、正しく回り込みやマルチパスのキャンセル誤差を求めるためには、伝送路特性の位相回転を補正したものを式(1)および(2)のF(ω)とするか、位相ずれによる位相回転を持つ主波成分をD(ω)としなければならない。本発明では位相回転を持つ主波成分を求めている。
本発明の一実施例のキャンセル部を用いたOFDM受信装置を含む中継装置の構成を示すブロック図の図1における等化部14の図3における等化部21からの変更点は、窓位置補正回路10が主波検出部5へ変わっているのみであり、主波検出部5についての詳細構成が本発明の一実施例のキャンセル部における検出部の構成を示すブロック図の図2である。極座標変換部51で、伝送路特性(複素信号I,Q)を振幅信号rと位相信号θへ変換する。主波成分の振幅は固定値となることから、平均値算出部54において、振幅信号rにより振幅の平均値raveを求める。また、主波の位相は本来、位相変動がない(θ=0)となることから、FFTの取り込みずれによる位相回転を検出すればよく、位相検出回部53において位相信号θより位相ずれによる回転成分dθの検出を行う。振幅rave、位相dθを直交座標変換部55で複素信号へ戻し、D(ω)とする。また図2の入力信号を遅延補正部52でD(ω)と同タイミングとした伝送路特性をF(ω)とし、誤差算出部6の入力とする。以降の処理は従来と同様である。
ここで、位相検出部53での位相ずれの検出方法について詳しく説明する。FFTの位相ずれによる回転は、一定の固定回転量となることから、位相ずれによる回転成分dθは一次直線となる。位相信号θのデータをy、データのサンプル値をxと考える。まず、現在の位相信号をyi、その1サンプル前のデータをyi-1とし、yi‐yi-1を計算し、その結果をdyとする。ただし、このとき位相に不連続点があった場合は、さらにoffset(2π)を加えて、象限が変わるサンプル間での変化量を補正する。このdyは、位相データの直線の傾きとなる。dyを1シンボル間積分し、1シンボルのサンプル数で除算して、1シンボル間の平均値を求める。この平均値を傾きαと考える。そして、位相信号θの0サンプル目の値y0を切片βと考えると、FFTの取り込み位置のずれによる位相回転は
y=αx+β
の直線式により推定することができる。
y=αx+β
の直線式により推定することができる。
以上、説明した処理により、複雑な遅延プロファイルの環境下においても、回り込みキャンセルとマルチパスキャンセルとの精度を小規模な回路で向上させ、中継伝送することが可能となる。
さらに、本発明の一実施例の地上デジタル放送のOFDM受信装置の複調のFFTを中心に説明したが、本発明は地上デジタル放送のOFDMに限らず、ガードインターバル期間があるデジタル変調方式の受信装置とガードインターバル期間があるデジタル変調方式の受信装置を用いた中継装置に適用できる。
1:同期部、2:加算器、3:FFT部、4:伝送路推定部、5:主波検出部、
6:誤差算出部、7:IFFT部、8:係数更新部、9:フィルタ、
10:FFT窓位置補正部、11、18:アンテナ、12:ダウンコンバータ、
13:A/D変換器、14、21:等化部、15:再変調部、16:D/A変換器、
17:アップコンバータ、51:極座標変換部、52:遅延補正部、
53:位相検出部、54:平均値算出部、55:直交座標変換部、
101:極座標変換部、102:位相直線化部、
103−1、103−2、103−3:遅延補正部、104:位相補正値算出部、
105:位相補正部、106:直交座標変換部、107:平均値算出部
6:誤差算出部、7:IFFT部、8:係数更新部、9:フィルタ、
10:FFT窓位置補正部、11、18:アンテナ、12:ダウンコンバータ、
13:A/D変換器、14、21:等化部、15:再変調部、16:D/A変換器、
17:アップコンバータ、51:極座標変換部、52:遅延補正部、
53:位相検出部、54:平均値算出部、55:直交座標変換部、
101:極座標変換部、102:位相直線化部、
103−1、103−2、103−3:遅延補正部、104:位相補正値算出部、
105:位相補正部、106:直交座標変換部、107:平均値算出部
Claims (3)
- 有効シンボルにガードインターバルが付加されて変調された信号を受信する受信装置の復調用のFFT窓の取り出し位置のずれによる生じる位相回転を検出する手段において、極座標変換回路、位相検出回路、直交座標変換回路で構成された位相回転量の推定回路を有することを特徴とする位相回転検出手段。
- 有効シンボルにガードインターバルが付加されて変調された信号を受信する受信装置の受信信号の先行波や遅延波などのマルチパス波をキャンセルする装置において、請求項1の位相回転検出手段を有し、上記位相回転検出手段で主波成分を検出することを特徴とするマルチパス波キャンセル装置。
- 有効シンボルにガードインターバルが付加されて変調された受信信号を同じ周波数で再送信する中継装置の、受信アンテナに再送信信号が受信して生ずる回り込み波をキャンセルする装置において、請求項1の位相回転検出手段を有し、上記位相回転検出手段で主波成分を検出することを特徴とする回り込み波キャンセル装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008294386A JP2010124109A (ja) | 2008-11-18 | 2008-11-18 | 位相回転検出手段あるいはキャンセル装置あるいは受信装置あるいは中継装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008294386A JP2010124109A (ja) | 2008-11-18 | 2008-11-18 | 位相回転検出手段あるいはキャンセル装置あるいは受信装置あるいは中継装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008294386A Pending JP2010124109A (ja) | 2008-11-18 | 2008-11-18 | 位相回転検出手段あるいはキャンセル装置あるいは受信装置あるいは中継装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8552783B2 (en) | 2011-06-10 | 2013-10-08 | International Business Machines Corporation | Programmable delay generator and cascaded interpolator |
-
2008
- 2008-11-18 JP JP2008294386A patent/JP2010124109A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8552783B2 (en) | 2011-06-10 | 2013-10-08 | International Business Machines Corporation | Programmable delay generator and cascaded interpolator |
US8928384B2 (en) | 2011-06-10 | 2015-01-06 | International Business Machines Corporation | Programmable delay generator and cascaded interpolator |
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