JP2010123702A - 半導体ウエハの熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の半導体ウエハを均一に熱処理する技術を提供する。
【解決手段】 半導体ウエハの熱処理装置は、管状の加熱炉と、加熱炉内で半導体ウエハを搬送する搬送手段を備えている。管状の加熱炉は、半導体ウエハを搬入可能な搬入口から半導体ウエハを搬出可能な搬出口まで伸びている。搬送手段は、前記搬入口から前記加熱炉内を通って前記搬出口まで、複数の半導体ウエハを順次搬送する。この熱処理装置にでは、半導体ウエハが搬入口から搬出口まで加熱炉内を搬送され、各々の半導体が特定の位置のみに留まることがないので、加熱炉内の温度分布が均一でなくとも、全ての半導体ウエハに同じ熱履歴を与えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハを熱処理する技術に関する。
特許文献1に、半導体ウエハを熱処理する技術が開示されている。この技術では、多数の半導体ウエハを治具に載置し、当該治具を加熱炉内に収容することによって、多数の半導体ウエハを一括して熱処理している。
特開2003−100647号公報
半導体ウエハを熱処理する場合、必要とされる時間が長いこともあって、特許文献1に開示された技術のようにバッチ処理を行うことが多い。しかしながら、加熱炉内の温度分布を均一に維持することは困難であり、その結果、加熱炉内に配置された位置に応じて半導体ウエハが受ける熱履歴が相違してしまう。半導体ウエハが受けた熱履歴は、半導体ウエハの特性値に少なからず影響を与える。多数の半導体ウエハをバッチ処理する従来の技術では、半導体ウエハの特性値にばらつきを生じさせてしまい、半導体ウエハから製造する半導体装置の製造品質にも悪影響を与えてしまう。
本発明は、上記の問題を解決する。本発明は、複数の半導体ウエハに対して均一な熱履歴を与えることが可能な技術を提供する。
本発明は、半導体ウエハを熱処理するための熱処理装置に具現化される。この熱処理装置は、管状の加熱炉と、加熱炉内で半導体ウエハを搬送する搬送手段を備えている。管状の加熱炉は、半導体ウエハを搬入可能な搬入口から半導体ウエハを搬出可能な搬出口まで伸びている。搬送手段は、加熱炉内に複数の半導体ウエハを搬入口から順次搬入するとともに、加熱炉内を搬送した複数の半導体ウエハを搬出口から順次搬出する。
この熱処理装置では、全ての半導体ウエハが、搬入口から搬出口まで加熱炉内を同じように搬送される。即ち、各々の半導体ウエハが、特定の位置のみに留まることがない。そのことから、加熱炉内の温度分布が均一でなくとも、全ての半導体ウエハに同じ熱履歴を与えることができる。
複数の半導体ウエハをバッチ処理する従来の熱処理装置では、加熱炉内の温度分布が均一であることが求められる。それに対して、本発明に係る熱処理装置では、その構造上、加熱炉内の温度分布を均一とすることは難しい。即ち、この熱処理装置では、複数の半導体ウエハを加熱炉内に順次搬入及び搬出するために、加熱炉の搬入口及び搬出口が実質的に常時開口している。そのことから、搬入口及び搬出口の付近における温度低下が避けられない。しかしながら、本発明に係る熱処理装置では、この温度低下を積極的に活用することができる。即ち、搬入口の付近において温度低下が生じていると、搬入口から加熱炉内へ搬入された半導体ウエハは、緩やかに昇温されることになる。また、搬出口の付近において温度低下が生じていると、搬出口から加熱炉外へ搬出される半導体ウエハは、緩やかに降温されることになる。その結果、加熱炉内への搬入時及び加熱炉外への搬出時に、半導体ウエハの急激な温度変化が防止され、熱応力に起因する半導体ウエハの破損を有意に防止することができる。
上記のように、加熱炉内の温度は搬入口又は搬出口に向かって低下することから、加熱炉内内には半導体ウエハの搬送方向に沿って温度勾配が生じている。この場合、半導体ウエハが搬送方向に対して平行に保持されていると、半導体ウエハの搬送方向前方に位置する部分と、半導体ウエハの搬送方向後方に位置する部分との間で、比較的に大きな温度差が生じる。この場合、半導体ウエハには大きな熱応力が発生することから、半導体ウエハを破損させてしまうことがある。それに対して、本発明に係る熱処理装置では、半導体ウエハが搬送方向に対して略垂直に保持されている。それにより、半導体ウエハに生じる温度差は小さく抑えられ、半導体ウエハに過大な熱応力が生じることが防止される。
前記した搬送手段は、加熱炉の搬入口から加熱炉内を通って加熱炉の搬出口まで伸びる第1治具及び第2治具を有することが好ましい。この場合、第1治具及び第2治具のそれぞれには、半導体ウエハをその搬送方向に対して垂直に保持するウエハ保持部が等間隔で複数形成されていることが好ましい。そして、第1治具及び第2治具は、上下方向に相対移動を繰り返すことによって半導体ウエハの受け渡しを繰り返すと同時に、半導体ウエハを受けた方の治具が半導体ウエハを渡した方の治具に対して搬出口側にウエハ保持部の間隔分だけ相対移動することが好ましい。
この構成によると、加熱炉内に複数の半導体ウエハを搬入口から順次搬入するとともに、加熱炉内を搬送した複数の半導体ウエハを搬出口から順次搬出することができる。
ここで、第1治具及び第2治具が上下方向に相対移動するとは、
(1)第1治具が静止した状態で第2治具が上下方向に移動する形態、
(2)第2治具が静止した状態で第1治具が上下方向に移動する形態、
(3)第1治具と第2治具の両者が上下方向に移動する形態、
などが含まれる。
また、半導体ウエハを受けた方の治具が、半導体ウエハを渡した方の治具に対して、搬出口側にウエハ保持部の間隔分だけ相対移動するとは、
(4)半導体ウエハを渡した方の治具が静止した状態で、半導体ウエハを受けた方の治具が搬出口側にウエハ保持部の間隔分だけ移動する形態、
(5)半導体ウエハを受けた方の治具が静止した状態で、半導体ウエハを渡した方の治具が搬入口側にウエハ保持部の間隔分だけ移動する形態、
(6)半導体ウエハを受けた方の治具が搬入口側に移動するとともに、半導体ウエハを渡した方の治具が搬入口側に移動し、両者の移動量の合計がウエハ保持部の間隔に等しくなる形態、
などが含まれる。
従って、第1治具と第2治具の一つの典型例としては、第1治具を常に静止している固定治具とし、第2治具を上下方向および搬送方向に往復運動する可動治具とする形態が挙げられる。この場合、第2治具が上下方向に往復運動を繰り返すことによって、第1治具と第2治具の間で半導体ウエハの受け渡しが繰り返される。そして、第1治具が半導体ウエハを保持する状態では第2治具が搬入口側に移動し、第2治具が半導体ウエハを保持する状態では第2治具が搬出口側に移動することで、半導体ウエハを搬出口に向けて搬送することができる。
また、第1治具と第2治具の他の一つの典型例としては、第1治具を搬送方向に往復運動する可動治具とし、第2治具を上下方向に往復運動する可動治具とする形態が挙げられる。この場合、第2治具が上下方向に往復運動を繰り返すことによって、第1治具と第2治具の間で半導体ウエハの受け渡しが繰り返される。そして、第1治具が半導体ウエハを保持する状態では第1治具が搬入口側に移動し、第2治具が半導体ウエハを保持する状態では第1治具が搬出口側に移動することを繰り返すことで、半導体ウエハを搬出口に向けて搬送することができる。
加熱炉の中間部分には、ヒータが設置されたヒータ配設区間が設けられていることが好ましい。そして、加熱炉の両端部分には、ヒータが設置されていないヒータ非設置区間が設けられていることが好ましい。
この構成によると、搬入口の及び搬出口の付近における温度勾配をより緩やかにすることができ、加熱炉への搬入時及び加熱炉からの搬出時における半導体ウエハの温度変化を顕著に抑制することができる。
本発明に係る熱処理装置は、加熱炉内にガスを上方から供給するガス供給手段と、加熱炉内のガスを下方から排出するガス排出手段をさらに備えることが好ましい。
この構成によると、加熱炉内に侵入した塵等の異物を速やかに除去することができ、塵等が半導体ウエハに付着することを効果的に防止することができる。
ガス供給手段とガス排出手段を設ける場合、ガス供給手段によるガス供給量よりも、ガス排出手段によるガス排出量の方を、少なくすることが好ましい。
例えば、ガス供給手段によるガス供給量よりも、ガス排出手段によるガス排出量の方が多い場合、搬入口や搬出口から外気が導入されることとなり、塵等の異物が加熱炉内に侵入しやすくなる。それに対して、ガス供給手段によるガス供給量よりも、ガス排出手段によるガス排出量の方が少なければ、ガス供給手段によって供給されたガスが、搬入口や搬出口からも排出されるようになり、搬入口や搬出口から塵等の異物が侵入することを有意に防止することができる。
本発明によると、複数の半導体ウエハの熱処理を均一に行うことが可能となり、射出成形品の成形条件を検証する作業を正確かつ短時間で行うことが可能となり、半導体ウエハから製造する半導体装置の製造品質を安定させることができる。
本発明を実施する好適な実施形態を列記する。
(形態1) 第1治具と第2治具は、例えば、石英、炭化珪素、アルミナ等で形成することができる。ただし、これらの材料に限られず、比較的に高い強度を有するとともに、熱処理する半導体ウエハよりも耐熱性の高い材料を採用することができる。
(形態2) 第1治具及び第2治具のウエハ保持部は、第1治具及び第2治具に形成された溝であることが好ましい。
(形態3) 加熱炉には、管状の加熱炉を周方向から囲繞するリング型ヒータを複数設けることが好ましい。この場合、半導体ウエハは、リング型ヒータのヒータ面(内周面)に対して垂直に保持されながら、搬送されることが好ましい。
(形態4) 加熱炉は、搬入口から搬出口まで略水平に伸びていることが好ましい。この構成によると、搬入口や搬出口から加熱炉内に塵等の異物が侵入することを抑制することができる。逆に、搬入口と搬出口の高さ位置が異なり、管状の加熱炉が水平方向に対して傾斜していると、搬入口又は搬出口から加熱炉内に塵等の異物が侵入しやすくなる。例えば、搬入口よりも搬出口の方が上方に位置しており、加熱炉が搬出口に向かって上方に傾斜している場合を想定する。この場合、加熱炉内の加熱されたガスは、上方に位置する搬出口に向かって流れていく。その結果、加熱炉内には搬入口から搬出口に向かう気流が発生し、搬入口から多くの外気が流れ込むことになる。このとき、外気に含まれる塵等の異物が、外気と共に加熱炉内に侵入してしまう。同様に、搬出口よりも搬入口の方が上方に位置しており、加熱炉が搬入口に向かって上方に傾斜している場合には、外気と共に異物が搬出口から加熱炉内に侵入してしまう。
本発明を実施した実施例について図面を参照しながら説明する。図1に、本実施例の熱処理装置10の構成を示す模式図を示す。図2は、図1中のII−II線断面図である。なお、図1には、加熱炉12内の温度分布が併せて示されている。熱処理装置10は、半導体ウエハ100を熱処理する装置である。熱処理装置10による熱処理により、導電型不純物の拡散処理や酸化膜の形成処理を行うことができる。
図1、図2に示すように、熱処理装置10は、主に、加熱炉12と搬送装置20を備えている。
加熱炉12は、概して管形状を有しており、略水平に配置されている。加熱炉12の一端には、半導体ウエハ100を搬入可能な大きさで開口する搬入口12aが形成されている。加熱炉12の他端には、半導体ウエハ100を搬出可能な大きさで開口する搬出口12bが形成されている。即ち、搬入口12a及び搬出口12bの径は、半導体ウエハ100の径よりも十分に大きい。
搬入口12aと搬出口12bは、その高さ位置が互いに等しく、同一の水平面内に位置している。そして、加熱炉12は、搬入口12aから搬出口12bまで、水平面内で略直線状に伸びている。
加熱炉12には、複数のリング型ヒータ14が設けられている。リング型ヒータ14は、管状の加熱炉12を周方向から囲繞している。リング型ヒータ14の内周面は、加熱炉12内に向けて放熱するヒータ面14aとなっている。複数のリング型ヒータ14は、図示しない温度調節装置によって、その出力が個々に制御されるようになっている。複数のリング型ヒータ14によって、加熱炉12内の温度が目標とする処理温度に調節される。
図1に示すように、複数のリング型ヒータ14は、加熱炉12の長手方向の中間部分S2のみに設けられており、加熱炉12の両端部分S1、S3には、ヒータ類が設けられていない。また、加熱炉12の搬入口12a及び搬出口12bは、常に開口した状態となっている。それにより、加熱炉12内には、加熱炉12の長手方向に沿って図1(b)に示す温度分布が形成されている。図1(b)に示すように、搬入口12aの付近では、搬入口12aに向かって加熱炉12内の温度が徐々に低下している。また、搬出口12bの付近では、搬出口12bに向かって加熱炉12内の温度が徐々に低下している。このような温度勾配が形成されることによって、搬入口12aから加熱炉12内に搬入された半導体ウエハ100は、加熱炉12の内部へと搬送される間に徐々に昇温されていく。また、搬出口12bから加熱炉12外に搬出される半導体ウエハ100は、搬出口12bへと搬送される間に徐々に降温されていく。それにより、加熱炉12内へ半導体ウエハ100が搬入される際、及び、加熱炉12外に半導体ウエハ100が搬出される際に、外部との温度差によって半導体ウエハ100の温度が急激に変化することが防止される。半導体ウエハ100の急激な温度変化が防止されることにより、熱応力に起因する半導体ウエハ100の破損が防止される。
次に、搬送装置20について説明する。搬送装置20は、搬入口12aから加熱炉12内を通って搬出口12bまで、複数の半導体ウエハ100を順次搬送する装置である。図1、図2に示すように、搬送装置20は、固定治具22及び可動治具24を有している。固定治具22及び可動治具24は、搬入口12aから加熱炉12内を通って搬出口12bまで伸びている。固定治具22は、加熱炉12に対して固定されている。可動治具24は、図示しないアクチュエータによって上下方向(鉛直方向)及び搬送方向(加熱炉12の長手方向)に往復運動可能となっている。
固定治具22及び可動治具24は、加熱炉12内で溶融又は変形しないよう、比較的に高い強度と耐熱性を有する材料で形成する必要がある。固定治具22及び可動治具24を形成する材料は、特定の種類に限定されるものではないが、例えば石英、炭化珪素、アルミナ等で形成するとよい。
図3は、図1中のIII部を拡大して示している。図3に示すように、固定治具22には、半導体ウエハ100を保持するためのウエハ保持溝23が、等間隔で複数形成されている。同様に、可動治具24にも、半導体ウエハ100を保持するためのウエハ保持溝25が、固定治具22と同じ間隔で複数形成されている。ウエハ保持溝23、25は、半導体ウエハ100をその搬送方向に対して垂直に保持するように構成されている。
図2に示すように、本実施例では、固定治具22を2本の部材で構成し、可動治具24を1本の部材で構成しているが、この構成に限定されるものではない。固定治具22又は可動治具24をより多数の部材で構成してもよいし、固定治具22と可動治具24の位置を入れ換え、固定治具22を1本の部材で構成することもできる。
図1、図2に示すように、熱処理装置10には、加熱炉12内にガスを上方から供給するガス供給路16と、加熱炉12内のガスを下方から排出するガス排出路18が設けられている。ガス供給路16とガス排出路18は、搬送される半導体ウエハ100を挟んで上下方向から対向している。それにより、加熱炉12内には、加熱炉12の長手方向に垂直であって、上方から下方に向かう気流が形成されている。この上方から下方に向かう気流により、加熱炉12内に侵入した塵等の異物が速やかに除去されるようになっている。図1に示すように、ガス供給路16及びガス排出路18によって気流が形成される区間S4は、リング型ヒータ14が設けられた区間S2よりも長く、当該区間S2を包含するように設けられている。それにより、リング型ヒータ14が設けられ、半導体ウエハ100の熱処理が実際に行われる区間S2では、塵等の異物が確実に除去されるようになっている。
ここで、ガス排出路18によって供給するガスの種類は、半導体ウエハ100に行う熱処理の内容によって適宜選択すればよい。例えば、不純物の拡散処理を行う場合は、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを供給し、酸化膜の形成処理を行う場合は、酸素ガスを供給するとよい。
ガス供給路16には、送気ポンプ17が設けられており、ガス供給路16によるガス供給量が調整可能となっている。また、ガス排出路18には、吸気ポンプ19が設けられており、ガス排出路18によるガス排出量が調整可能となっている。本実施例では、ガス供給路16によるガス供給量よりも、ガス排出路18によるガス排出量の方が、少なくなるように調整されている。それにより、搬入口12aや搬出口12bから加熱炉12内に流れ込む外気を抑制し、加熱炉12内に塵等の異物が侵入することを防止している。逆に、ガス供給路16によるガス供給量よりも、ガス排出路18によるガス排出量の方が多くなるように調整すると、搬入口12aや搬出口12bから加熱炉12内に外気が導入されることになるため、外気と共に塵等の異物が加熱炉12内に侵入しやすくなってしまう。
図4を参照しながら、固定治具22及び可動治具24による半導体ウエハ100の搬送動作について説明する。先にも説明したように、固定治具22は、加熱炉12に対して固定されている。一方、可動治具24は、加熱炉12に対して上下方向及び搬送方向に往復運動可能となっている。詳しくは下記するが、固定治具22及び可動治具24は、上下方向に相対移動を繰り返すことによって、半導体ウエハ100の受け渡しを繰り返す。そして、半導体ウエハ100を受け取った方の治具は、半導体ウエハ100を引き渡した方の治具に対して、搬出口12b側(図4では左側)にウエハ保持溝23、25の間隔分だけ相対移動することを繰り返す。それにより、搬入口12aから加熱炉12内に半導体ウエハ100を順次搬入するとともに、加熱炉12内を搬送した半導体ウエハ100を搬出口12bから順次搬出する。
以下、図4(a)から図4(f)を順に参照して、固定治具22及び可動治具24による半導体ウエハ100の搬送動作を詳細に説明する。なお、図4に搬入口12a及び搬出口12bは図示されていないが、図4において左側が搬入口12a側に相当し、図4において右側が搬出口12b側に相当する。
図4(a)は、可動治具24が下方に移動した状態を示している。この状態では、全ての半導体ウエハ100が固定治具22によって保持されており、可動治具24は半導体ウエハ100から離間している。この状態から、可動治具24は、搬入口12a側(図中の左側)に移動する。このときの移動量は、ウエハ保持溝23、25の間隔分に等しい。
次に、図4(b)に示すように、半導体ウエハ100が、図示しないローダ等によって、可動治具24の最も搬入口12a側に位置するウエハ保持溝25に載置される。
次に、図4(c)に示すように、可動治具24は上方に移動する。それにより、全ての半導体ウエハ100は、固定治具22から可動治具24へと受け渡される。全ての半導体ウエハ100は可動治具24によって保持され、固定治具22は半導体ウエハ100から完全に離間する。
次に、図4(d)に示すように、可動治具24は、全ての半導体ウエハ100を受け取った状態で、搬出口12b側(図中の右側)に移動する。このときの移動量は、ウエハ保持溝23、25の間隔分に等しい。この動作は、半導体ウエハ100を受け取った可動治具24が、半導体ウエハ100を引き渡した固定治具22に対して、ウエハ保持溝23、25の間隔分だけ搬出口12b側に相対移動することを意味する。
次に、図4(e)に示すように、可動治具24は下方に移動する。それにより、全ての半導体ウエハ100は、可動治具24から固定治具22へと受け渡される。全ての半導体ウエハ100は固定治具22によって保持され、可動治具24は半導体ウエハ100から完全に離間する。図4(e)に示す状態では、図4(a)に示す初期状態に対して、全ての半導体ウエハ100が搬出口12b側のウエハ保持溝23に一つずつ移動している。
次に、図4(f)に示すように、固定治具22の最も搬出口12b側に位置するウエハ保持溝25から、半導体ウエハ100が取り出される。
最後に、図4(a)に戻り、可動治具24は、全ての半導体ウエハ100を引き渡した状態で、搬入口12a側に移動する。このときの移動量は、ウエハ保持溝23、25の間隔分に等しい。この動作は、半導体ウエハ100を受け取った固定治具22が、半導体ウエハ100を引き渡した可動治具24に対して、ウエハ保持溝23、25の間隔分だけ搬出口12b側に相対移動することを意味する。
固定治具22と可動治具24は、上記した一連の動作を繰り返すことによって、半導体ウエハ100を順次搬送していく。半導体ウエハ100は、加熱炉12内を搬送される間に、目標とする処理温度まで徐々に昇温され、所定の時間に亘って処理温度に維持され、徐々に降温された後に搬出される。
以上のように、本実施例の熱処理装置10では、搬入口12aから搬出口12bまで伸びる加熱炉12内を、複数の半導体ウエハ100が順次搬送されていく。各々の半導体ウエハ100は、特定の位置に留まることがないので、加熱炉12の温度分布が均一でなくとも、略同一の熱履歴が与えられることになる。
また、本実施例の熱処理装置10は、半導体ウエハ100の熱処理を順次行うことができる。複数の半導体ウエハ100をまとめてバッチ処理する必要がないので、仕掛品を停滞させることがなく、半導体装置の製造を効率よく行うことが可能となる。
本実施例の熱処理装置10では、搬送装置20による搬送速度を調整することで、半導体ウエハ100を熱処理する処理時間を自由に変更することができる。例えば、処理温度を1200℃とし、処理時間を200分とする場合、加熱炉12内に1200℃以上の温度区間が1000mmあるとすれば、1000mm/200min=5mm/minの搬送速度とすればよい。なお、従来のように複数の半導体ウエハ100をバッチ処理する場合では、1バッチの半導体ウエハ100を熱処理する度に、炉内を処理温度まで昇温する前工程と、炉内を室温近傍まで降温させる後工程を必要とする。本実施例の熱処理装置10は、そのような前後の工程を必要としないので、多数の半導体ウエハ100を効率よく熱処理することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
図1(a)は熱処理装置の構成を示す模式図であり、図1(b)は加熱炉内の温度分布を示すグラフである。 図1中のII−II線断面図。 図1中のIII部拡大図。 固定治具と可動治具による半導体ウエハの搬送動作を説明する図。
符号の説明
10:熱処理装置
12:加熱炉
12a:搬入口
12b:搬出口
14:リング型ヒータ
14a:ヒータ面
16:ガス供給路
17:送気ポンプ
18:ガス排出路
19:吸気ポンプ
20:搬送装置
22:固定治具
23:固定治具のウエハ保持溝
24:可動治具
25:可動治具のウエハ保持溝
100:半導体ウエハ

Claims (5)

  1. 半導体ウエハを熱処理するための熱処理装置であって、
    半導体ウエハを搬入可能な搬入口から半導体ウエハを搬出可能な搬出口まで伸びる管状の加熱炉と、
    前記加熱炉内に複数の半導体ウエハを前記搬入口から順次搬入するとともに、前記加熱炉内を搬送した複数の半導体ウエハを前記搬出口から順次搬出する搬送手段を備え、
    前記搬送手段は、半導体ウエハをその搬送方向に対して垂直に保持しながら搬送することを特徴とする熱処理装置。
  2. 前記搬送手段は、前記搬入口から前記加熱炉内を通って前記搬出口まで伸びる第1治具及び第2治具を有し、
    前記第1治具及び前記第2治具のそれぞれには、半導体ウエハをその搬送方向に対して垂直に保持するウエハ保持部が等間隔で複数形成されており、
    前記第1治具及び前記第2治具は、上下方向に相対移動を繰り返すことによって半導体ウエハの受け渡しを繰り返すと同時に、半導体ウエハを受け取った方の治具が半導体ウエハを引き渡した方の治具に対して前記搬出口側に前記ウエハ保持部の間隔分だけ相対移動することを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
  3. 前記加熱炉の中間部分には、ヒータが設置されたヒータ配設区間が設けられており、
    前記加熱炉の両端部分には、ヒータが設置されていないヒータ非設置区間が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱処理装置。
  4. 前記加熱炉内にガスを上方から供給するガス供給手段と、前記加熱炉内のガスを下方から排出するガス排出手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の熱処理装置。
  5. 前記ガス供給手段によるガス供給量よりも、前記ガス排出手段によるガス排出量の方が、少ないことを特徴とする請求項4に記載の熱処理装置。
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