JP2010123282A - アルミ電線圧着用端子のセレーション形状 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミ電線を導体加締め部に加締める際、アルミニウムで構成した導体と導体加締め部間の電気的性能・機械的性能を向上させるように構成したアルミ電線圧着用端子を提供すること。
【解決手段】アルミ電線圧着用端子を構成する導体加締め部4について、当該導体加締め部4に加締められる導体2aの延在方向と直交する方向に、凸状の強圧着部11と凹状の弱圧着部12とを打ち出し成形により、電線延在方向に沿って交互に形成した。導体2aを加締める場合、強圧着部11が導体2aに食い込み、電気的性能が確保される。また、弱圧着部12において機械的性能が確保される。
【選択図】図3

Description

本発明は、アルミ電線を加締め止めする際に用いて好適なアルミ電線圧着用端子のセレーション形状に関する。
図5〜図7は、圧着用端子の従来例を示したものであり、特許文献1に開示されている。この圧着用端子31は、金属板をプレス成形したねじ止用の圧着用端子であって、電線41を載置する底板部35、被覆加締め部32、導体加締め部33、ねじ止部34が連設されている。
一方、電線41の導体41aは銅線により構成され、その表面は被覆材41bにより覆われている。圧着用端子31に電線41を加締め止めする場合は、図5に想像線で示すように、被覆加締部32の底板部35上に被覆材41bで被覆した部分を位置決めし、導体加締部33の底板部35上に導体41aを位置決めする。そして、底板部35の両側に形成した被覆加締め爪32aと導体加締め爪33aとを治具を用いて加締める。
ところで、底板部35には、図5及び図6に示すように、電線の延在方向と直交する方向に延びる3本の導体係止溝(セレーション)35bがプレス成形により形成されている。導体係止溝35bはプレス成形したものであるから、一対の導体加締め部33b間の底板部35に凹凸部が形成されるが、この凹部の深さ及び凸部の高さは導体加締め部33の板厚tを超えることがない。
特開2003−31274号公報
前記底板部35に導体41aを加締め止めした場合、図7に示すように導体41aの一部を導体係止溝33bに食い込ませることにより、電気的・機械的接触を得ていた。前記のように導体41aが銅線の場合は、電気的性能と機械的性能のバランスのとれた最適な加締め部高さ(クリンパハイト)を設定することができた。
一方、近年になって例えば車輌内に配索される電線について、軽量化の目的からアルミ電線を適用することが検討されている。しかし、アルミ電線を端子に圧着する場合、電気的性能を安定させるには強圧着によりアルミ電線を大きくつぶすことが必要である。しかし一方で、アルミ電線は強くつぶすと所定の強度が得られなくなり、前記従来の構成の圧着用端子では、電気的性能と機械的性能とのバランスをとることが困難であった。
本発明の目的は上記課題を解消することに係り、アルミニウムを導体とするアルミ電線を圧着用端子に加締め止めする際に、電気的性能及び機械的性能を向上し得るように構成したアルミ電線圧着用端子を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
(1) アルミニウム製の導体を被覆材により被覆した電線を載置する底板部と、
前記底板部の両側に設けられ前記電線の被覆部を加締め止めする被覆加締め爪と、
前記底板部の両側に設けられ前記電線の導体を加締め止めする導体加締め爪と、
を備えたアルミ電線圧着用端子であって、
前記導体加締め爪を備えた部分の前記底板部に、
前記電線の延在方向と直交する方向に延び、前記電線の載置面と反対側の面に打ち出しして凹状に形成され、前記電線の載置面側に形成される凸状の強圧着部と、
打ち出し成形により形成され、前記電線の延在方向と直交する方向に延び、前記凸状に対して凹状の弱圧着部とが、
打ち出し成形により前記電線の延在方向に沿って交互に形成されたことを特徴とするアルミ電線圧着用端子。
(2) 前記強圧着部の高さは、当該圧着用端子の板厚以上であることを特徴とする上記(1)に記載のアルミ電線圧着用端子。
(3) 前記強圧着部及び前記弱圧着部は、前記導体加締め部により前記導体を加締め止めした状態で、前記導体に延在方向に沿って交互に接することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のアルミ電線圧着用端子。
上記(1)の構成によれば、電線の延在方向と直交する方向に延びる凸状の強圧着部の高さと、電線の延在方向と直交する方向に延びる凹状の弱圧着部の深さは、前記導体加締め部を構成する金属板の板厚に関わりなく設定できる。
上記(2)の構成によれば、前記強圧着部を底板部の表面から板厚以上に突出させることができるので、圧着用端子の板厚の大小に係わらず突出量を設定でき、その突出部分の前記導体への食い込みにより電気的性能が向上する。
上記(3)の構成によれば、電線の延在方向に沿って、導体側面に強圧着部及び弱圧着部が交互に圧接するので、導体加締め位置における電気的性能及び機械的性能が向上する。
本発明のアルミ電線圧着用端子は、底板部における前記導体加締め部が設けられた部分に、打ち出し成形により、電線の延在方向と直交する方向に延びる凸状の強圧着部と、電線の延在方向と直交する方向に延びる凹状の弱圧着部とが形成されている。このような構成の圧着用端子は、打ち出し成形であるから、強圧着部の高さと弱圧着部の深さは、圧着用端子の板厚に関わり無く設定できる。従って、強圧着部は導体の側面に食い込むようになり、両者の接触が良好になって電気的性能が向上する。また、弱圧着部では導体への食い込みが少なく、強度、耐久性等の機械的性能が向上する。したがって、アルミ電線に圧着用端子を加締め止めした際に、良好な電気的性能及び機械的性能が得られる。
以下、本発明に係るアルミ電線圧着用端子の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1はアルミ電線圧着用端子の構成を示す斜視図、図2は導体加締め部の構成を示す断面図、図3はアルミ電線の加締め状態を示す導体加締め部の断面図、図4はアルミ電線の加締め状態を示す斜視図である。
アルミ電線圧着用端子(以下、単に圧着用端子と称する)1は、金属板を打ち出し成形したものであり、電線2を加締め止めする構成になっている。電線2は、アルミニウム又はアルミニウム合金を加工した導体2aを被覆材2bにより覆った構成になっている。
圧着用端子1は、電線2を載置する底板部6と、前記被覆材2bにより覆った部分を加締め止めする被覆加締め部3と、前記導体2aを加締め止めする導体加締め部4と、電線2を加締めた圧着用端子1を他の機器にねじ止固定するねじ止端子部5とを備えている。なお、ねじ止端子部5には、ねじ挿通孔5aが形成されている。
前記導体加締め部4には、打ち出し加工により長手状且つ突状の強圧着部11と、長手状且つ凹状の弱圧着部12とが形成されている。強圧着部11と弱圧着部12とは、底板部6から導体加締め爪4aにわたって形成されている。
以下に、図2を参照して導体加締め部4の断面構造を説明すると、導体加締部4は、下側から不図示の治具を用いて矢印Aに示すように打ち出し成形を行い、上面に強圧着部11となる突状部を形成し、その間に凹状の弱圧着部12を形成したものである。
強圧着部11及び弱圧着部12は、図1に示すように交互に且つ電線2の延在方向と直交する方向に沿って長手状に形成されている。そして、想像線で示すように導体2aが位置決めされ、且つ加締められたとき、導体2aに延在方向に沿って交互に接するとともに、導体2aの外周囲の略全域にわたって接し得るように形成されている。
また、強圧着部11の幅W1は、弱圧着部12の幅W2に対しW1>W2の関係に設定される。
更に、導体加締め部4の下面から強圧着部11の上面までの高さHは、打ち出し成形であるから導体加締め部4の板厚t以上に設定できる。
因みに、従来例ではプレス成形により導体係止溝33b、即ち長手状の窪みを形成していたので、板厚t以上の高さのある凸部を形成することはできなかった。しかし、本実施形態によれば、図3に示すように板厚t以上の高さで広幅の強圧着部11を形成できる。
次に、第1実施形態による作用を説明する。
圧着用端子1に電線2を加締める場合は、図1に想像線で示すように電線2を位置決めする。次に、加締め工程に移行するのであるが、加締めについてはアンビル、クリンパ等の専用の治具が適用される。
そして、被覆加締め部3については底板部6の両側に形成した帯状の加締め爪3aを図1の上方に曲げた後、被覆材2bを外側から抱き込むようにして加締める。また、導体加締め部4についても、両側に形成した帯状の加締め爪4aを上方に曲げた後、導体2aを外側から抱き込むようにして加締める。
この結果、図4に示すように、電線2を加締め止めした圧着用端子1が得られる。
ここで、導体加締め部4における電線2の加締め状態を説明する。
図3に示すように強圧着部11の形成位置では、強圧着部11が突出しているので導体2に強く食い込むようになる。しかも、強圧着部11は弱圧着部12よりも幅広に形成されているので、導体2aと強圧着部11との凝着量が拡大し、接触信頼性が向上して電気的性能が確保される。
一方、弱圧着部12の形成位置では、導体2aが加締め力によって弱圧着部12内に入り込むようになるが、強圧着部11の形成位置に比較して加締められる力は弱く、その分、機械的性能が確保される。
更に注目すべきは、本実施形態では強圧着部11と弱圧着部12とが、図3に楕円X,Yで示すように、導体2aの延在方向に沿って交互に形成されていることである。この構成によれば、導体2aとしてアルミ線が適用されているにも関わらず、導体加締め部4に導体2aを加締めた場合に要求される適正な電気的特性、機械的特性を確保することができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、本実施形態では3本の強圧着部が形成されているが、設置数は必要に応じて変更できる。また、強圧着部及び弱圧着部にRを付けて波形に形成してもよい。また、圧着用端子は、ねじ止め端子部の代わりに単なるタブ端子部を有する構成であってもよい。
本発明の実施形態であるアルミ電線圧着用端子の構成を示す斜視図である。 導体加締め部の構成を示す断面図である。 導体加締め部における導体の加締め状態を示す断面図である。 電線を加締めたアルミ電線圧着用端子を示す斜視図である。 従来の圧着用端子の構成を示す平面図である。 従来の導体加締め部の構成を示す断面図である。 従来の導体加締め状態を示す断面図部である。
符号の説明
1 アルミ電線圧着用端子
2 電線
2a 導体
2b 被覆材
3 被覆加締め部
3a,4a 加締め爪
4 導体加締め部
5 ねじ止め端子部
5a ねじ挿通孔
11 強圧着部
12 弱圧着部
t 板厚
H 高さ
W1,W2 幅

Claims (3)

  1. アルミニウム製の導体を被覆材により被覆した電線を載置する底板部と、
    前記底板部の両側に設けられ前記電線の被覆部を加締め止めする被覆加締め爪と、
    前記底板部の両側に設けられ前記電線の導体を加締め止めする導体加締め爪と、
    を備えたアルミ電線圧着用端子であって、
    前記導体加締め爪を備えた部分の前記底板部に、
    前記電線の延在方向と直交する方向に延び、前記電線の載置面と反対側の面に打ち出しして凹状に形成され、前記電線の載置面側に形成される凸状の強圧着部と、
    打ち出し成形により形成され、前記電線の延在方向と直交する方向に延び、前記凸状に対して凹状の弱圧着部とが、
    打ち出し成形により前記電線の延在方向に沿って交互に形成されたことを特徴とするアルミ電線圧着用端子。
  2. 前記強圧着部の高さは、当該圧着用端子の板厚以上であることを特徴とする請求項1に記載のアルミ電線圧着用端子。
  3. 前記強圧着部及び前記弱圧着部は、前記導体加締め部により前記導体を加締め止めした状態で、前記導体に延在方向に沿って交互に接することを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミ電線圧着用端子。
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