JP2010122462A - ホログラム記録材料、及びその硬化物 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂の透明性を損なわずに高屈折率を付与することが可能な金属酸化物微粒子を樹脂成分中に均一に分散させることで、高い屈折率変化、高感度、及び低寸法変化のホログラム記録材料を提供することである。
【解決手段】本発明のホログラム記録材料は、光ラジカル重合性化合物を含むマトリクス樹脂成分100重量部、光ラジカル重合開始剤、及び金属酸化物微粒子1〜50重量部を含むホログラム記録材料であって、さらに、該金属酸化物微粒子が、有機表面修飾剤で表面修飾されてなることを特徴とするホログラム記録材料である。
【選択図】なし
【解決手段】本発明のホログラム記録材料は、光ラジカル重合性化合物を含むマトリクス樹脂成分100重量部、光ラジカル重合開始剤、及び金属酸化物微粒子1〜50重量部を含むホログラム記録材料であって、さらに、該金属酸化物微粒子が、有機表面修飾剤で表面修飾されてなることを特徴とするホログラム記録材料である。
【選択図】なし
Description
本発明は、光干渉縞を記録する体積ホログラム記録用の材料として好適な、金属酸化物微粒子含有硬化性樹脂組成物、及びその硬化物に関する。
近年、情報技術の大容量化にともない、光記録媒体のさらなる大容量化、高密度化が必要となっている。大容量化を実現できる技術として、ホログラムを利用した記録技術が注目されている。ホログラムとは、参照光と対象物質方向からの反射光の2つ光が互いに干渉しあうことにより生じる干渉縞が作るパターンを感光材料に記録し、これに参照光と同じ角度から同一波長の光をあてると、光の回折原理により記録した情報が浮かび上がるというものである。ホログラフィックメモリーは、記録媒体の厚さ方向まで記録に用いる体積記録と、2次元的に配列したデータを一括して記録・再生できる並列処理性によって、従来の平面ビット型記録方式では実現不可能な大容量記録(〜Tbit/cm3)、及び高転送レート(〜Gbps)が可能となるという優れた特徴を有する。
このようなホログラフィック記録媒体として使用可能な材料として、ハロゲン化銀、重クロム酸ゼラチンが知られているが、現像定着の処理などが煩雑なため、工業生産するにはあまり適さないという問題がある。このほかにフォトポリマー系のフォトグラフィック材料も知られており、簡素な乾式処理を行うだけで体積ホログラムを作製できるという利点がある反面、耐熱性や透明性が十分では無いとの問題が指摘されている。さらに、アクリル系のフォトポリマーでは、硬化時の収縮によりデータのゆがみが発生し易いため、これを軽減するための方法が必要となっている。
上記の問題点を克服するため、マトリクスを構成する樹脂材料とは異なる屈折率を有する無機微粒子を分散させた樹脂材料に注目が集まっている。例えば、シリカ微粒子をアクリル系樹脂に分散させた材料(特許文献1)が知られており、このほかにも酸化チタン(特許文献2)や、ジルコニア等を分散させたホログラム記録用樹脂系材料が報告されている。
しかしながら、このような無機微粒子を用いたホログラム記録用樹脂系材料では、無機微粒子を均一に樹脂中に分散させることが困難であるため、無機微粒子が材料中に不均一に存在してしまい、それにより光散乱が発生してしまうという問題がある。このような光散乱を減らす方法としては、使用する無機微粒子の粒径をできる限り小さくすることが有効であるが、粒径が小さくなるほど微粒子同士の凝集は進行しやすくなるので、小さいな粒径の微粒子を形成する技術と共に凝集を抑制する技術も必須技術となる。また、材料中での微粒子の分散性を改善する方法としては、溶剤を大量に使用することが有効であるが、材料自体の粘度が低下してしまい、記録媒体として用いる際に、記録層形成に必要な厚みを付与し難くなるという問題がある。
特開2005−099612号公報
特開2005−077740号公報
本発明の目的は、樹脂の透明性を損なわずに高屈折率を付与することが可能な金属酸化物微粒子を樹脂成分中に均一に分散させることで、高い屈折率変化、高感度、及び低寸法変化のホログラム記録材料を提供し、さらに、このホログラム記録材料を用いることで、高多重度、及び回折効率の高いホログラムが永続的に形成された硬化物を提供することである。
本発明者らは、光ラジカル重合性化合物を含むマトリクス樹脂成分100重量部、光ラジカル重合開始剤、及び金属酸化物微粒子1〜50重量部を含む特定の硬化性樹脂組成物が、ホログラム記録材料に好適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、このような微粒子、及びその周囲にマトリクス構造を形成する樹脂成分からなる材料においては、金属酸化物微粒子を樹脂成分中に均一に分散させることが可能なので、透明性に優れ、また、光散乱も少なく、さらに、ホログラム記録に好適な高屈折率を付与することが可能であり、またさらに、高膜厚においても、回折効率の高いホログラムが永続的に形成されることを見出したのである。
すなわち、本発明は、光ラジカル重合性化合物を含むマトリクス樹脂成分100重量部、光ラジカル重合開始剤、及び金属酸化物微粒子1〜50重量部を含むホログラム記録材料であって、さらに、前記金属酸化物微粒子が、有機表面修飾剤で表面修飾されてなることを特徴とするホログラム記録材料に関する。
好ましい実施態様は、前記金属酸化物微粒子の数平均粒子径が、0.5nm〜20nmであるホログラム記録材料とすることである。
好ましい実施態様は、前記金属酸化物微粒子が、酸化亜鉛である、ホログラム記録材料とすることである。
好ましい実施態様は、前記有機表面修飾剤が、加水分解性基含有シラン化合物を含み、かつ、前記表面修飾されてなる金属酸化物微粒子が、前記金属酸化物微粒子1モルに対して、前記加水分解性基含有シラン化合物0.01〜5モルを反応させることで表面修飾されてなる、ホログラム記録材料とすることである。
一方の好ましい実施態様は、前記表面修飾されてなる金属酸化物微粒子が、前記光ラジカル重合性化合物と重合可能な官能基を表面に有するようにすることである。
その場合、好ましい実施態様は、前記加水分解性基含有シラン化合物が、
下記一般式(1)で表される重合性官能基を有する化合物(S−1)、及び
下記一般式(2)で表される重合性官能基を持たない化合物(S−2)からなるようにすることである。
下記一般式(1)で表される重合性官能基を有する化合物(S−1)、及び
下記一般式(2)で表される重合性官能基を持たない化合物(S−2)からなるようにすることである。
その場合、好ましい実施態様は、前記化合物(S−1)と、前記化合物(S−2)とのモル比が、(S−1):(S−2)=1:0.05〜1:20の範囲とすることである。
その場合、好ましい実施態様は、前記化合物(S−1)の重合性有機基R1が、3−メタクリロキシプロピル基、3−アクリロキシプロピル基、ビニル基、及びアリル基からなる群より選ばれる1種以上であるようにすることである。
その場合、好ましい実施態様は、前記化合物(S−2)の炭素数1〜18の有機基R2が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロヘキシルメチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、3−イソシアネートプロピル基、3−アミノプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、及び2−シアノエチル基からなる群より選ばれる1種以上であるようにすることである。
その場合、好ましい実施態様は、前記化合物(S−2)が、Si―H基を含む化合物と分子内に二重結合を含む化合物とのヒドロシリル化反応により合成されてなるようにすることである。
他方の好ましい実施態様は、前記表面修飾されてなる金属酸化物微粒子が、前記光ラジカル重合性化合物と重合しない官能基を表面に有するようにすることである。
その場合、好ましい実施態様は、前記加水分解性基含有シラン化合物が、
下記一般式(3)で表される重合性官能基を持たない化合物(S−3)、及び
下記一般式(4)で表される重合性官能基を持たないSi−O−Si結合を有する化合物(S−4)からなるようにすることである。
下記一般式(3)で表される重合性官能基を持たない化合物(S−3)、及び
下記一般式(4)で表される重合性官能基を持たないSi−O−Si結合を有する化合物(S−4)からなるようにすることである。
その場合、好ましい実施態様は、前記化合物(S−3)と、前記化合物(S−4)とのモル比が、(S−3):(S−4)=1:0.05〜1:20の範囲とすることである。
その場合、好ましい実施態様は、前記化合物(S−3)の炭素数1〜18の有機基R3が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロヘキシルメチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、3−イソシアネートプロピル基、3−アミノプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、及び2−シアノエチル基からなる群より選ばれる1種以上であるようにすることである。
その場合、好ましい実施態様は、前記Si−O−Si結合を有する化合物(S−4)が、Si―H基を含む化合物と分子内に二重結合を含む化合物とのヒドロシリル化反応により合成されてなるようにすることである。
また、本発明は、前記ホログラム記録材料を硬化させてなる硬化物に関する
本発明のホログラム記録材料は、高屈折率付与可能な金属酸化物微粒子が、樹脂の透明性を損なわないように樹脂成分中に均一に分散しているので、回折効率の高いホログラムが永続的に形成され得るホログラム記録材料となる。
(ホログラム記録材料)
本発明のホログラム記録材料は、マトリクス樹脂成分100重量部、光ラジカル重合開始剤、及び金属酸化物微粒子1〜50重量部を含み、前記金属酸化物微粒子が、有機表面修飾剤で表面修飾されてなるので、金属酸化物微粒子をマトリクス樹脂成分中に均一に分散させることが可能なので、透明性に優れ、また、光散乱も少なく、さらに、ホログラム記録に好適な高屈折率を付与することが可能であり、またさらに、高膜厚においても、回折効率の高いホログラムが永続的に形成される。好ましい前記有機表面修飾剤は、加水分解性基含有シラン化合物である。
本発明のホログラム記録材料は、マトリクス樹脂成分100重量部、光ラジカル重合開始剤、及び金属酸化物微粒子1〜50重量部を含み、前記金属酸化物微粒子が、有機表面修飾剤で表面修飾されてなるので、金属酸化物微粒子をマトリクス樹脂成分中に均一に分散させることが可能なので、透明性に優れ、また、光散乱も少なく、さらに、ホログラム記録に好適な高屈折率を付与することが可能であり、またさらに、高膜厚においても、回折効率の高いホログラムが永続的に形成される。好ましい前記有機表面修飾剤は、加水分解性基含有シラン化合物である。
本発明のホログラム記録材料における最適の金属微粒子の添加量は、光散乱を抑えるという観点から、マトリクス樹脂成分100重量部に対して、金属酸化物微粒子を10重量部〜40重量部を含むことがより好ましい。即ち、金属酸化物微粒子をより多く加えることにより、記録時の干渉縞が容易に作製され、記録感度を向上させることができるが、逆に、金属酸化物微粒子をより少なく加えることにより、光散乱を抑制することが可能なので、回折効率を大きくすることができる。そのためマトリクス樹脂成分100重量部に対して、金属微粒子の添加量を15重量部〜30重量部にすることが最も好ましい。
(マトリクス樹脂成分)
本発明で使用するマトリクス樹脂成分は、光照射によりラジカル重合して硬化する光ラジカル重合性化合物を含み、金属酸化物微粒子の周囲にマトリクスを構成する樹脂であり、好ましくはさらに、光照射前から樹脂であるマトリクス樹脂を含む。
本発明で使用するマトリクス樹脂成分は、光照射によりラジカル重合して硬化する光ラジカル重合性化合物を含み、金属酸化物微粒子の周囲にマトリクスを構成する樹脂であり、好ましくはさらに、光照射前から樹脂であるマトリクス樹脂を含む。
前記光ラジカル重合性化合物は、硬化後の硬度が高く寸法安定性付与効果に優れるものの、一般に、必要以上に高硬度となるため柔軟性に欠け、また、硬化前の粘度が低く、さらに、高コストである、といった問題点がある。このようなことから、マトリクス樹脂成分に予めマトリクス樹脂を混合することで粘度や、硬化後の硬度を調整することが有効であり、前記マトリクス樹脂成分を100重量%としたとき、光ラジカル重合性化合物は、その内1重量%〜60重量%とすることが好ましく、逆にマトリクス樹脂は、その内99重量%〜40重量%とすることが好ましい。
(光ラジカル重合性化合物)
本発明で使用する光ラジカル重合性化合物は、光照射によりラジカル重合して硬化し、金属酸化物微粒子の周囲にマトリクスを構成する樹脂、又は、その一部となる材料、即ち、マトリクス前駆体であり、分子内にラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物、又はオリゴマーである。
本発明で使用する光ラジカル重合性化合物は、光照射によりラジカル重合して硬化し、金属酸化物微粒子の周囲にマトリクスを構成する樹脂、又は、その一部となる材料、即ち、マトリクス前駆体であり、分子内にラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物、又はオリゴマーである。
前記光ラジカル重合性化合物としては、無水マレイン酸、シアン化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、アクリルアミド、メタクリル酸メチル、塩化ビニル、エチレン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、α―メチルスチレン、酢酸ビニル、イソブテン、分子量300−30000のアクリルまたはメタクリル基末端ポリジメチルシロキサン、分子量500−1000の3−アクリロキシー2−ヒドロキシプロポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、分子量1000−2000のアクリロキシ末端エチレンオキサイド−ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、分子量500−10000の片末端メタクリレートポリジメチルシロキサン、分子量1000−3000のポリメタクリロキシプロピルシルセスキオキサンなどが好ましく、その中でも、Si−O−Siを含有する光ラジカル重合性モノマーが、金属微粒子との屈折率差が大きいこと、ケイ素アルコキシド類が三次元的に架橋されるためにマトリクスの強度が高いという点からより好ましく、分子量1000−3000のポリメタクリロキシプロピルシルセスキオキサンが入手性、価格、硬度、硬化収縮が比較的小さいという点で特に好ましい。
(マトリクス樹脂)
本発明で使用するマトリクス樹脂としては、アセチルセルロース、エチルセルロース、塩化ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート、塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルピロリドン、エチレングリコール、グリセリン、フタル酸エステル、ナフタレンジカルボン酸、リン酸エステル、脂肪酸エステル、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルなどが好ましく、入手製の観点からポリエチレングリコール、ポリビニルアセテート等がより好ましい。これらは単独でも複数を組み合わせて使用しても良い。
本発明で使用するマトリクス樹脂としては、アセチルセルロース、エチルセルロース、塩化ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート、塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルピロリドン、エチレングリコール、グリセリン、フタル酸エステル、ナフタレンジカルボン酸、リン酸エステル、脂肪酸エステル、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルなどが好ましく、入手製の観点からポリエチレングリコール、ポリビニルアセテート等がより好ましい。これらは単独でも複数を組み合わせて使用しても良い。
(光ラジカル重合開始剤)
光ラジカル重合開始剤としては、アゾ系化合物、アジド系化合物、有機化酸化物、オニウム塩類、ビスイミダゾール誘導体、チタノセン化合物、ヨードニウム塩類、有機チオール化合物、ハロゲン化炭化水素誘導体等が好ましく、この中でもチタノセン化合物は、550nm付近まで吸収をもつことから、アルゴンイオンレーザー(488nm)やFD−Nd/YAGレーザー(532nm)を用いた直接描画システム等で有効という点でより好ましい。これらは、単独で用いても、組み合わせて用いても良く、また、増感剤と組み合わせて用いても良い。
光ラジカル重合開始剤としては、アゾ系化合物、アジド系化合物、有機化酸化物、オニウム塩類、ビスイミダゾール誘導体、チタノセン化合物、ヨードニウム塩類、有機チオール化合物、ハロゲン化炭化水素誘導体等が好ましく、この中でもチタノセン化合物は、550nm付近まで吸収をもつことから、アルゴンイオンレーザー(488nm)やFD−Nd/YAGレーザー(532nm)を用いた直接描画システム等で有効という点でより好ましい。これらは、単独で用いても、組み合わせて用いても良く、また、増感剤と組み合わせて用いても良い。
前記光重合性開始剤は、光照射により十分に前記光ラジカル重合性化合物を重合させる観点と、コスト、及び本発明の硬化物の安定性の観点から重量比で、光ラジカル重合性化合物:光重合性開始剤=1:0.01〜1:0.1の範囲で本発明のホログラム記録材料に含有させることが好ましい。
(金属酸化物微粒子)
本発明において使用する金属酸化物微粒子の粒子径は、光散乱の抑制、及び樹脂中に分散させた際の透明性に優れる点で、数平均粒子径で0.5〜20nmの範囲が好ましい。特にホログラム記録材料の場合、光散乱による回折効率の低下が材料の特性に大きな影響を及ぼすので、粒子径は小さいものがより好ましく、数平均粒子径は1〜10nmの範囲がより好ましい。
本発明において使用する金属酸化物微粒子の粒子径は、光散乱の抑制、及び樹脂中に分散させた際の透明性に優れる点で、数平均粒子径で0.5〜20nmの範囲が好ましい。特にホログラム記録材料の場合、光散乱による回折効率の低下が材料の特性に大きな影響を及ぼすので、粒子径は小さいものがより好ましく、数平均粒子径は1〜10nmの範囲がより好ましい。
本発明に係る金属酸化物微粒子としては、実用性に優れる点で、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ロジウム、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化銅、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化ユーロピウム、酸化ディスプロシウム、酸化インジウムスズ、チタン酸バリウム、コバルト酸リチウムから選ばれる1種以上の微粒子が好ましく、よりよい記録特性を得るためにマトリクスとの屈折率差を大きくする必要があることから点で、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化インジウムスズ、チタン酸バリウム、コバルト酸リチウムの微粒子がより好ましく、安全性および入手性の点で酸化亜鉛微粒子が特に好ましい。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。また他の元素を若干量含む、いわゆるドーピングされた材料の微粒子であってもよい。
(表面修飾されてなる金属酸化物微粒子)
本発明の材料において、前記金属酸化物微粒子は、有機表面修飾剤で表面修飾されてなる金属酸化物微粒子として存在する。このような表面修飾金属酸化物微粒子は、溶媒中そのまま分散液として使用してもよく、溶媒を除去して単離して使用してもよい。溶媒を除去する方法としては限定されず、ろ過、遠心分離、蒸留など一般的に知られている方法を適用できる。さらに単離された表面修飾金属酸化物微粒子は水やアルコールなどの溶媒で洗浄してもよく、その後乾燥させてもよい。いったん乾燥させた場合でも、後述する製造方法により得られる金属酸化物微粒子は効率よく、かつ、強固に表面修飾されているために凝集することがなく、溶媒や樹脂中へ均一分散させることが可能であるので、本発明の原料として好適であり好ましい。
本発明の材料において、前記金属酸化物微粒子は、有機表面修飾剤で表面修飾されてなる金属酸化物微粒子として存在する。このような表面修飾金属酸化物微粒子は、溶媒中そのまま分散液として使用してもよく、溶媒を除去して単離して使用してもよい。溶媒を除去する方法としては限定されず、ろ過、遠心分離、蒸留など一般的に知られている方法を適用できる。さらに単離された表面修飾金属酸化物微粒子は水やアルコールなどの溶媒で洗浄してもよく、その後乾燥させてもよい。いったん乾燥させた場合でも、後述する製造方法により得られる金属酸化物微粒子は効率よく、かつ、強固に表面修飾されているために凝集することがなく、溶媒や樹脂中へ均一分散させることが可能であるので、本発明の原料として好適であり好ましい。
(有機表面修飾剤)
本発明において使用する有機表面修飾剤としては、金属酸化物微粒子表面に化学的・物理的に吸着したり結合したりできる化合物であれば特に限定されない。このような有機表面修飾剤としては例えば、加水分解性基含有シラン化合物、カルボキシル基含有化合物、アミノ基含有化合物、ヒドロキシル基含有化合物、メルカプト基含有化合物、リン酸基含有化合物、スルフォン酸基含有化合物、配位性高分子(ポリエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸など)などを好ましく挙げることができ、これらを単独、又は、組み合わせて使用することができる。
本発明において使用する有機表面修飾剤としては、金属酸化物微粒子表面に化学的・物理的に吸着したり結合したりできる化合物であれば特に限定されない。このような有機表面修飾剤としては例えば、加水分解性基含有シラン化合物、カルボキシル基含有化合物、アミノ基含有化合物、ヒドロキシル基含有化合物、メルカプト基含有化合物、リン酸基含有化合物、スルフォン酸基含有化合物、配位性高分子(ポリエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸など)などを好ましく挙げることができ、これらを単独、又は、組み合わせて使用することができる。
これらのうち、表面修飾の効率が高く強固である点、及び金属酸化物微粒子の表面に起因する物性をコントロールできる点で、加水分解性基含有シラン化合物、所謂シランカップリング剤を含むことが好ましく、その中でも、入手性の点で式(1)〜式(4)で表される加水分解性基含有シラン化合物(S−1)〜(S−4)を含むことがより好ましい。
(有機表面修飾剤の配合量)
本発明において金属酸化物微粒子を修飾させる際、樹脂、及び溶媒への親和性を調節するために、1種類以上のシランカップリング剤を併用して表面修飾することが好ましい。その際、さらに2種類以上の性質の異なるシランカップリング剤を併用することがより好ましく、使用する溶媒やマトリクス樹脂成分により、使用するシランカップリング剤の当量や比率を微調整することが可能となるので、溶媒、マトリクス樹脂成分に対する親和性を向上させつつ、金属酸化物微粒子同士の凝集を抑制しつつ安定に分散させることができる。
本発明において金属酸化物微粒子を修飾させる際、樹脂、及び溶媒への親和性を調節するために、1種類以上のシランカップリング剤を併用して表面修飾することが好ましい。その際、さらに2種類以上の性質の異なるシランカップリング剤を併用することがより好ましく、使用する溶媒やマトリクス樹脂成分により、使用するシランカップリング剤の当量や比率を微調整することが可能となるので、溶媒、マトリクス樹脂成分に対する親和性を向上させつつ、金属酸化物微粒子同士の凝集を抑制しつつ安定に分散させることができる。
本発明で使用する有機表面修飾剤で表面修飾されてなる金属酸化物微粒子においては、金属酸化物微粒子式量1モルに対して、前記加水分解性基含有シラン化合物は、0.01〜5モル使用することが好ましく、さらに0.1〜2モルの範囲であることがより好ましい。
(加水分解性基含有シラン化合物)
本発明のホログラム記録材料を使用する場合には、二つの方法が上げられる。
本発明のホログラム記録材料を使用する場合には、二つの方法が上げられる。
一つの方法では、前記金属酸化物微粒子は、前記有機表面修飾剤で表面修飾することで、前記光ラジカル重合性化合物と重合可能な官能基を表面に有する金属酸化物微粒子とすることが好ましく、その場合、溶媒、マトリクスとの親和性の向上、ナノ粒子同士の凝集を抑制の観点から、前記有機表面修飾剤は、重合性官能基を有する化合物(S−1)と、重合性官能基を持たない化合物(S−2)とからなる加水分解性基含有シラン化合物を含むことが、そのような表面を形成する観点、及び粒子表面の極性をコントロールするという観点から好ましく、より好ましくはそのモル比が、(S−1):(S−2)=1:0.05〜1:20の範囲とすることである。このような光ラジカル重合性化合物と重合可能な官能基を表面に有する金属酸化物微粒子を用いることで、光ラジカル重合時に金属酸化物微粒子が重合反応部分に取り込まれて屈折率が部分的に大きくなるという効果がある。
もう一つの方法では、前記金属酸化物微粒子は、前記有機表面修飾剤で表面修飾することで、前記光ラジカル重合性化合物と重合しない官能基を表面に有する金属酸化物微粒子とすることが好ましく、その場合、溶媒、マトリクスとの親和性の向上、ナノ粒子同士の凝集を抑制の観点から前記有機表面修飾剤は、重合性官能基を持たない化合物(S−3)と重合性官能基を持たないSi−O−Si結合を有する化合物(S−4)とからなる加水分解性基含有シラン化合物を含むことが、そのような表面を形成する観点、及び粒子表面の極性をコントロールするという観点から好ましく、より好ましくはそのモル比が、(S−3):(S−4)=1:0.05〜1:20の範囲とすることである。このような光ラジカル重合性化合物と重合しない官能基を表面に有する金属酸化物微粒は、光ラジカル重合時に、光重合部分から押し出されることにより、重合部分の屈折率を部分的に小さくする効果がある。
また本発明で使用する有機表面修飾剤には、マトリクスまたはマトリクス前駆体との親和性の獲得、ならびに光重合性化合物との反応により干渉縞を形成する二つの目的があるこのことから、少なくとも二種類以上の有機表面修飾剤を併用することが好ましい。
シランカップリング剤(S−1)の好ましい例としては、取り扱いの容易さや光重合性化合物との反応性の観点から、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが好ましい。特に入手やラジカル重合における反応性の観点から、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
シランカップリング剤(S−2)の好ましい例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルメチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。入手、有機溶媒との親和性などの観点から、デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランが特に好ましい。
シリコーン系の光ラジカル重合性化合物やシリコーン系のマトリクス樹脂、即ち、シリコーン系のマトリクス樹脂成分を使用する場合は、シリコーン系の表面修飾剤で金属微粒子表面を修飾することで金属酸化物微粒子の分散性が向上するので、前記有機表面修飾剤としては、シリコーン系表面修飾剤(S−2)、(S−4)を含むことが好ましい。しかしながら、このようなSi−O−Si結合を有する加水分解性基含有シラン化合物の入手は困難であるため、Si―H基を含む化合物と分子内に二重結合を含む化合物との、ヒドロシリル化触媒存在下でのヒドロシリル化反応により合成されてなる化合物を使用することが好ましい。
前記Si―H基を有する化合物としてはトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロピルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ペンタメチルジシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,−オクタメチルテトラシロキサン、トリス(トリメチルシロキシ)シラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5、−ヘキサメチルトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサンなどが挙げられる。樹脂との親和性の観点から1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンが最も好ましい。
前記Si―H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、特に限定されないが、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオキシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基、2、2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−アリルオキシ−2、2−ビス(アリルオキシメチル)プロピル基が挙げられ、入手性と反応性の観点からビニル基が最も好ましい。
(ヒドロシリル化触媒)
前記ヒドロシリル化触媒として入手性の観点から好ましいのは白金化合物の触媒であり、そのような触媒としては、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH2)2(PPh3)2、Pt(CH2=CH2)2Cl2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSiO)4]m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)3]4、Pt[P(OBu)3]4)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒などが挙げられる。これらの中で、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体が特に好ましい。
前記ヒドロシリル化触媒として入手性の観点から好ましいのは白金化合物の触媒であり、そのような触媒としては、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH2)2(PPh3)2、Pt(CH2=CH2)2Cl2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSiO)4]m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)3]4、Pt[P(OBu)3]4)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒などが挙げられる。これらの中で、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体が特に好ましい。
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。
(製造例1:酸化亜鉛ナノ粒子の合成)
3Lの4つ口フラスコに、KOH44.9g、及びメタノール1.6Lを入れて攪拌し、完全に溶解させることでKOHのメタノール溶液を得た。別の容器に、酢酸亜鉛二水和物87.8gをとり、メタノール0.4Lを加えて溶解させた。この酢酸亜鉛のメタノール溶液をすばやくKOHのメタノール溶液に加え、35℃で10分間攪拌することにより透明な酸化亜鉛微粒子のメタノール分散液を得た。
3Lの4つ口フラスコに、KOH44.9g、及びメタノール1.6Lを入れて攪拌し、完全に溶解させることでKOHのメタノール溶液を得た。別の容器に、酢酸亜鉛二水和物87.8gをとり、メタノール0.4Lを加えて溶解させた。この酢酸亜鉛のメタノール溶液をすばやくKOHのメタノール溶液に加え、35℃で10分間攪拌することにより透明な酸化亜鉛微粒子のメタノール分散液を得た。
この分散液中の酸化亜鉛微粒子の濃度は0.2mol/Lである。得られた酸化亜鉛微粒子分散液を支持膜に付着、乾燥させた後、そのサンプルにつきTEM観察したところ、この酸化亜鉛微粒子の数平均粒子径は、5nmであった。
(製造例2:表面修飾剤の合成)
100mLの四つ口フラスコに、攪拌装置、滴下漏斗、及び冷却管をセットした。このフラスコにトルエン10mL、及び1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン16.3mLを入れ60℃で攪拌した。そこに、ビニルトリメトキシシラン7.7mL、トルエン20mL、及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.75mlの混合液を20分かけて滴下した。得られた溶液をそのまま1時間加温、攪拌した後、未反応の1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、ビニルトリメトキシシラン、及びトルエンを減圧留去することで製造例2の合成物としてシランカップリング剤である表面修飾剤を得た。
100mLの四つ口フラスコに、攪拌装置、滴下漏斗、及び冷却管をセットした。このフラスコにトルエン10mL、及び1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン16.3mLを入れ60℃で攪拌した。そこに、ビニルトリメトキシシラン7.7mL、トルエン20mL、及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.75mlの混合液を20分かけて滴下した。得られた溶液をそのまま1時間加温、攪拌した後、未反応の1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、ビニルトリメトキシシラン、及びトルエンを減圧留去することで製造例2の合成物としてシランカップリング剤である表面修飾剤を得た。
バリアン・テクノロジーズ・ジャパン・リミテッド製、300MHz NMR装置を用いた1H−NMRにより、この表面修飾剤を測定したところ、ビニル基は消失していた。このことから、この表面修飾剤は、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンのSiH基の一部がビニルトリメトキシシランと反応した下記一般式(5)で表される化合物であると考えられる。
(製造例3:表面修飾金属酸化物微粒子(E)の合成)
製造例1で合成した酸化亜鉛微粒子のメタノール分散液400mL(酸化亜鉛0.08モル含有)を4つ口フラスコ(容量1L)に入れ、上記製造例2で合成した表面修飾剤4.7g(酸化亜鉛1モルに対して0.16モルに相当)、及びデシルトリメトキシシラン0.84g(LS−5118;信越化学工業(株)製;酸化亜鉛1モルに対して0.04モルに相当)を加え、60℃で2時間加熱した。反応後、吸引濾過により上澄み液を取り除き、残った白色固形成分を、THF100mLに分散させ、1,1,1,3,5,5,5―ヘプタメチルシロキサン誘導体、及びデシルトリメトキシシランで表面修飾された酸化亜鉛微粒子(E)をTHF分散溶液として得た。
製造例1で合成した酸化亜鉛微粒子のメタノール分散液400mL(酸化亜鉛0.08モル含有)を4つ口フラスコ(容量1L)に入れ、上記製造例2で合成した表面修飾剤4.7g(酸化亜鉛1モルに対して0.16モルに相当)、及びデシルトリメトキシシラン0.84g(LS−5118;信越化学工業(株)製;酸化亜鉛1モルに対して0.04モルに相当)を加え、60℃で2時間加熱した。反応後、吸引濾過により上澄み液を取り除き、残った白色固形成分を、THF100mLに分散させ、1,1,1,3,5,5,5―ヘプタメチルシロキサン誘導体、及びデシルトリメトキシシランで表面修飾された酸化亜鉛微粒子(E)をTHF分散溶液として得た。
このTHF溶液を5mLとり、溶媒を除去、乾燥させた後、残った白色固体の灰分を測定したところ、酸化亜鉛の含有量は84wt%であることがわかった。このことから本反応による収率は82%であった。合成したTHF溶液の酸化亜鉛濃度は6.8wt%であった。
(製造例4:表面修飾金属酸化物微粒子(F)の合成)
製造例1で合成した酸化亜鉛微粒子のメタノール分散液400mL(酸化亜鉛0.08モル含有)を4つ口フラスコ(容量1L)に入れ、デシルトリメトキシシラン2.2g(酸化亜鉛1モルに対して0.1モルに相当)、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.79g(LS−5118;信越化学工業(株)製;酸化亜鉛1モルに対して0.04モルに相当)を加え、60℃で2時間加熱した。反応液、吸引ろ過により上澄み液を取り除き、残った白色固体成分を、THF100mLに溶解させ、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及びデシルトリメトキシシランで表面修飾された酸化亜鉛微粒子(F)をTHF分散溶液として得た。
製造例1で合成した酸化亜鉛微粒子のメタノール分散液400mL(酸化亜鉛0.08モル含有)を4つ口フラスコ(容量1L)に入れ、デシルトリメトキシシラン2.2g(酸化亜鉛1モルに対して0.1モルに相当)、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.79g(LS−5118;信越化学工業(株)製;酸化亜鉛1モルに対して0.04モルに相当)を加え、60℃で2時間加熱した。反応液、吸引ろ過により上澄み液を取り除き、残った白色固体成分を、THF100mLに溶解させ、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及びデシルトリメトキシシランで表面修飾された酸化亜鉛微粒子(F)をTHF分散溶液として得た。
このTHF溶液を5mLとり、溶媒を除去、乾燥させた後、残った白色固体の灰分を測定したところ、酸化亜鉛の含有量は79wt%であることがわかった。このことから本反応による収率は83%であった。合成したTHF溶液の酸化亜鉛濃度は7.1wt%であった。
(実施例1)ホログラム記録材料1の作製
シリコーン系化合物である東亞合成化学AC−SQ67重量部、及びポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA、東亜合成製「M−245」)32重量部からなる光重合性化合物と、光重合開始剤であるIRGACURE 784(チバ・スペシャリティ。ケミカルズ)1重量部と、を混合した溶液を調整した。
シリコーン系化合物である東亞合成化学AC−SQ67重量部、及びポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA、東亜合成製「M−245」)32重量部からなる光重合性化合物と、光重合開始剤であるIRGACURE 784(チバ・スペシャリティ。ケミカルズ)1重量部と、を混合した溶液を調整した。
この溶液に製造例3で合成した表面修飾金属酸化物微粒子分散溶液(E)を酸化亜鉛の含有量が、上記光重合性化合物、即ち、マトリクス樹脂成分100重量部に対して20重量部になるよう加えて攪拌することで酸化亜鉛含有混合物を得た。次に、予めその両端にスペーサーとして厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼ったライドガラス中央に、上記酸化亜鉛含有混合物を滴下し、減圧乾燥させた。乾燥後スライドガラスをかぶせて厚みが50μmの体積ホログラム記録材料1を作製した。
このようにして作製した記録材料1に対して、Double−YAGレーザー(波長532ナノメートル)を用いて、露光パワー密度5mW/cm2で二光束干渉露光を行い、体積ホログラム記録物1を得た。つづいて、参照光のみをホログラム記録物1に照射し回折効率を測定したところ、回折効率35%のホログラムが形成されていることを確認した。
表1に上記実施例1の体積ホログラム記録材料1の組成、及びその記録物1の試験結果を示す。また、後述する実施例2〜4の各材料の組成、及びその記録物の試験結果も合わせて表1に示す。
(実施例2)ホログラム記録材料2の作製
表面修飾金属酸化物微粒子として、製造例3の(E)に代えて、製造例4の(F)を用い、即ち、表面修飾金属酸化物微粒子(F)のTHF溶液を酸化亜鉛の含有量がマトリクス樹脂成分100重量部に対して20重量部になるよう加えて攪拌することで酸化亜鉛含有混合物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、体積ホログラム記録材料2を得た。
表面修飾金属酸化物微粒子として、製造例3の(E)に代えて、製造例4の(F)を用い、即ち、表面修飾金属酸化物微粒子(F)のTHF溶液を酸化亜鉛の含有量がマトリクス樹脂成分100重量部に対して20重量部になるよう加えて攪拌することで酸化亜鉛含有混合物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、体積ホログラム記録材料2を得た。
この体積ホログラム記録材料2について、実施例1と同様にして回折効率を測定したところ、回折効率31%であった。
(実施例3)ホログラム記録材料3の作製
東亞合成化学AC−SQ67重量部に代えて、メタクリロキシプロキシ末端ポリジメチルシロキサン(ゲレスト社製DMS―R11、分子量900−1200)67重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、即ち、表面修飾金属酸化物微粒子として、製造例3で合成した(E)を用いて、体積ホログラム記憶物3を得た。この体積ホログラム記録材料3について、実施例1と同様にして回折効率を測定したところ、回折効率27%であった。
東亞合成化学AC−SQ67重量部に代えて、メタクリロキシプロキシ末端ポリジメチルシロキサン(ゲレスト社製DMS―R11、分子量900−1200)67重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、即ち、表面修飾金属酸化物微粒子として、製造例3で合成した(E)を用いて、体積ホログラム記憶物3を得た。この体積ホログラム記録材料3について、実施例1と同様にして回折効率を測定したところ、回折効率27%であった。
(実施例4)ホログラム記録材料4の作製
東亞合成化学AC−SQ67重量部に代えて、メタクリロキシプロキシ末端ポリジメチルシロキサン(ゲレスト社製DMS―R11、分子量900−1200)を67重量部使用し、また、表面修飾金属酸化物微粒子として、製造例3の(E)に代えて、製造例4の(F)を用い、即ち、表面修飾金属酸化物微粒子(F)のTHF溶液を酸化亜鉛の含有量が、マトリクス樹脂成分に対して20重量部になるよう加えて攪拌することで酸化亜鉛含有混合物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、体積ホログラム記録材料4を得た。
東亞合成化学AC−SQ67重量部に代えて、メタクリロキシプロキシ末端ポリジメチルシロキサン(ゲレスト社製DMS―R11、分子量900−1200)を67重量部使用し、また、表面修飾金属酸化物微粒子として、製造例3の(E)に代えて、製造例4の(F)を用い、即ち、表面修飾金属酸化物微粒子(F)のTHF溶液を酸化亜鉛の含有量が、マトリクス樹脂成分に対して20重量部になるよう加えて攪拌することで酸化亜鉛含有混合物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、体積ホログラム記録材料4を得た。
この体積ホログラム記録材料4について、実施例1と同様にして回折効率を測定したところ、回折効率34%であった。
これらの実施例から、本発明によれば、樹脂の透明性を損なわずに高屈折率を付与することが可能な金属酸化物微粒子を樹脂中に均一に分散させ、回折効率の高いホログラムが永続的に形成されるホログラム記録材料を提供できることが判る。
Claims (16)
- 光ラジカル重合性化合物を含むマトリクス樹脂成分100重量部、光ラジカル重合開始剤、及び金属酸化物微粒子1〜50重量部を含むホログラム記録材料であって、
さらに、該金属酸化物微粒子が、有機表面修飾剤で表面修飾されてなることを特徴とするホログラム記録材料。 - 前記金属酸化物微粒子の数平均粒子径が、0.5nm〜20nmである、請求項1に記載のホログラム記録材料。
- 前記金属酸化物微粒子が、酸化亜鉛である、請求項1、又は2に記載のホログラム記録材料。
- 前記有機表面修飾剤が、加水分解性基含有シラン化合物を含み、かつ、
前記表面修飾されてなる金属酸化物微粒子が、前記金属酸化物微粒子1モルに対して、該加水分解性基含有シラン化合物0.01〜5モルを反応させることで表面修飾されてなる、請求項1〜3のいずれかに記載のホログラム記録材料。 - 前記表面修飾されてなる金属酸化物微粒子が、前記光ラジカル重合性化合物と重合可能な官能基を表面に有する、請求項4に記載のホログラム記録材料。
- 前記化合物(S−1)と、前記化合物(S−2)とのモル比が、(S−1):(S−2)=1:0.05〜1:20の範囲である、請求項6に記載のホログラム記録材料。
- 前記化合物(S−1)の重合性有機基R1が、3−メタクリロキシプロピル基、3−アクリロキシプロピル基、ビニル基、及びアリル基からなる群より選ばれる1種以上である、請求項6、又は7に記載のホログラム用記録材料。
- 前記化合物(S−2)の炭素数1〜18の有機基R2が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロヘキシルメチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、3−イソシアネートプロピル基、3−アミノプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、及び2−シアノエチル基からなる群より選ばれる1種以上である、請求項6、又は7に記載のホログラム用記録材料。
- 前記化合物(S−2)が、Si―H基を含む化合物と分子内に二重結合を含む化合物とのヒドロシリル化反応により合成されてなる、請求項6に記載のホログラム記録材料。
- 前記表面修飾されてなる金属酸化物微粒子が、前記光ラジカル重合性化合物と重合しない官能基を表面に有する、請求項4に記載のホログラム記録材料。
- 前記化合物(S−3)と、前記化合物(S−4)とのモル比が、(S−3):(S−4)=1:0.05〜1:20の範囲である、請求項12に記載のホログラム記録材料。
- 前記化合物(S−3)の炭素数1〜18の有機基R3が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロヘキシルメチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、3−イソシアネートプロピル基、3−アミノプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、及び2−シアノエチル基からなる群より選ばれる1種以上である、請求項12、又は13に記載のホログラム用記録材料。
- 前記Si−O−Si結合を有する化合物(S−4)が、Si―H基を含む化合物と分子内に二重結合を含む化合物とのヒドロシリル化反応により合成されてなる、請求項12、又は13に記載のホログラム記録材料。
- 請求項1〜15のいずれかに記載のホログラム記録材料を硬化させてなる硬化物。
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WO2016174798A1 (ja) * | 2015-04-27 | 2016-11-03 | ソニー株式会社 | ホログラム記録用組成物、ホログラム記録媒体および画像表示装置、並びにホログラム記録媒体の製造方法 |
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