JP2010122298A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷法、フォトリソグラフ法等による厚いブラックマトリクス層を有するにも拘らず、前記ブラックマトリクス層で区画された各領域内に気泡が生じるおそれがないカラーフィルタの製造方法を提供する。
【解決手段】ブラックマトリクス層3上にカラーフィルタ層12を構成するインキ層9を重ねて転写後、前記インキ層9を、転写に用いたブランケット層14、またはプレス層18の圧接によりプレスする。
【選択図】図8

Description

本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)等のフラットパネルディスプレイに用いるカラーフィルタの製造方法に関するものである。
前記LCD等に使用するカラーフィルタは、透明な基板の表面をブラックマトリクス層によって複数の領域に区画し、区画された各領域内を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に交互に着色して、隣り合うRGB各色に着色された1つずつ計3つの領域を1つの表示単位(画素)として構成される。前記カラーフィルタは、例えば前記基板の表面にまずブラックマトリクス層を形成し、次いでその上に重ねて、バインダ樹脂を含みかつ前記3色のいずれかに着色された透明インキからなるインキ層を各色ごとに順に配列させて印刷してカラーフィルタ層を形成すること等により製造される。
ブラックマトリクス層として、従来はクロム等の金属からなる蒸着膜が用いられてきた。しかし蒸着法では昨今のLCD等の大画面化に対応するのが困難になりつつあり、対策としてブラックマトリクス層を、バインダ樹脂を含みかつ黒色に着色されたインキを用いて、カラーフィルタ層と同様に印刷法によって形成したり、あるいはフォトリソグラフ法により、基板の表面に感光性樹脂膜を形成したのち露光、現像してブラックマトリクス層をパターン形成したりすることが検討されている。
ところが印刷法、フォトリグラフ法等によって、蒸着法による厚み0.1μm程度の蒸着膜と同等程度の遮光性能を有するブラックマトリクス層を形成するためには、その厚みが1〜2μm程度は必要であり、かかる厚みの大きいブラックマトリクス層が形成された基板の表面は平坦でない。そのため、前記ブラックマトリクス層上に重ねるようにインキ層を印刷してカラーフィルタ層を形成した際に気泡が生じやすく、気泡が生じるとカラーフィルタ層の透明度が低下したり色濃度が低下したりするという問題がある。
すなわちインキ層の印刷法としては、例えば円筒状のブランケット胴の外周に、少なくともその表面がゴム等で形成されたブランケット層を円筒状に巻き付けて保持させる等した状態で、前記ブランケット層の表面に所定の平面形状を有するインキ層をパターン形成した後、前記ブランケット胴を基板上で転動させることによって、前記インキ層を基板の表面に順次転写させる凹版オフセット印刷法、反転印刷法、平版オフセット印刷法等が一般的である。
ところがこれらの印刷法では、ブラックマトリクス層のうち印刷方向(ブランケット胴の転動方向)と交差する部位と基板の表面との段差をブランケット胴が乗り越える際に、特に前記部位の印刷方向の上流側(前記転動方向の手前側)に面する側端面と基板の表面との間の凹入した角部の内奥までインキを十分に行き渡らせることができない。そのため前記角部に空間が残りやすく、残った空間がインキによって封じ込められて気泡が生じやすい。
特許文献1には、基板上にRGBの3色のストライプパターンが順に配列された、ブラックマトリクス層を有しない簡易型のカラーフィルタを、印刷法ではなくスピンコート法やカラードフィルム法(ドライフィルムラミネーション法)を利用して製造する際に気泡が生じるのを防止する方法が記載されている。前記方法では、まず基板の表面に、スピンコート法またはカラードフィルム法によってRGB3色のうちいずれか1色に着色された感光性樹脂膜を形成したのち露光、現像して1色目のストライプパターンを形成する。
次いで別の1色に着色された感光性樹脂膜を、同様にスピンコート法またはカラードフィルム法によって形成したのち露光、現像して、ストライプの一方の側縁が先の1色目のストライプパターンの一方の側縁と接する2色目のストライプパターンを形成し、さらに先の2色のストライプパターン間の領域にインクジェット印刷法、オフセット印刷法等の印刷法によって3色目のストライプパターンを形成することでカラーフィルタ層が形成される。
先に2色のストライプパターンが形成された間のごく狭い隙間に、前記2色のストライプパターンと同様にスピンコート法やカラードフィルム法によって3色目のストライプパターンを形成すると、前記3色目のストライプパターンと基板との間に気泡が生じやすいため、このような対策が考えられたのである。しかしこの製造方法を、先に説明したように基板の表面に厚いブラックマトリクス層を有するカラーフィルタの製造に適用しても気泡が生じるのを防止することは不可能である。
すなわちブラックマトリクス層を有するため平滑でない基板の表面には、スピンコート法では、そもそも均一な厚みを有する感光性樹脂膜を形成できないので、1色目と2色目の感光性樹脂膜の形成方法は、あらかじめ形成した感光性樹脂膜(ドライフィルム)を前記表面にラミネートするカラードフィルム法に限られることになる。ところがドライフィルムは、通常のラミネート操作では、先に説明した各種印刷法によるインキ層と同様に、あるいはそれ以上に、ブラックマトリクス層の側端面と基板の表面との角部の内奥まで十分に行き渡らせることができないため、前記角部に気泡が生じやすい。
また前記基板の表面に、インクジェット印刷法によって3色目のストライプパターンを印刷しても、特にブラックマトリクス層の陰になって、前記角部までインキを十分に行き渡らせることができず、厚みが均一なストライプパターンを形成できないため、3色目の印刷法は、凹版オフセット印刷法等のオフセット印刷法に限られることになる。ところがオフセット印刷法では、先に説明したようにブラックマトリクス層のうち印刷方向と交差する部位の、前記印刷方向の上流側に面する側端面と基板の表面との角部に気泡が生じやすい。そのため特許文献1の製造方法では、厚いブラックマトリクス層を有するカラーフィルタの製造において、前記ブラックマトリクス層によって区画された各領域内に気泡が生じるのを防止することは困難である。
特許文献2には、ドライフィルムが基板の表面とブラックマトリクス層との間の段差を乗り越える際に、前記角部に気泡が生じるのを極力抑制するために、前記ブラックマトリクス層の側端面を少なくとも2段の階段状に形成することが記載されている。しかし階段状としても依然として段差とそれに伴う凹入した角部が存在している以上、気泡が生じるのを完全に防止することは実質的に不可能である。
特開2002−71929号公報 特開2004−318079号公報
本発明の目的は、印刷法、フォトリソグラフ法等による厚いブラックマトリクス層を有するにも拘らず、前記ブラックマトリクス層で区画された各領域内に気泡が生じるおそれがないカラーフィルタの製造方法を提供することにある。
本発明は、基板上に、前記基板の表面を複数の領域に区画するブラックマトリクス層をパターン形成する工程と、外周にブランケット層を設けたブランケット胴の、前記ブランケット層の表面にインキ層をパターン形成した後、前記ブランケット胴を基板上で転動させることにより、前記インキ層をブラックマトリクス層上に重ねて基板上に転写して、前記ブラックマトリクス層によって区画された各領域を着色するカラーフィルタ層を形成する工程とを含むカラーフィルタの製造方法であって、
(1) 転写したインキ層上に前記ブランケット層を圧接させながらブランケット胴を基板上で転動させることにより、前記インキ層を厚み方向にプレスする工程、
(2) ブランケット胴として、外周の略半周にブランケット層、残りの略半周にインキ層をプレスするためのプレス層を設けたものを用い、転写したインキ層上に前記プレス層を圧接させながらブランケット胴を基板上で転動させることにより、前記インキ層を厚み方向にプレスする工程、
(3) ブランケット胴とは別に、外周にプレス層を設けたプレス胴を設け、転写したインキ層上に前記プレス層を圧接させながらプレス胴を基板上で転動させることにより、前記インキ層を厚み方向にプレスする工程、
のうちのいずれか1つの工程を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、インキ層を転写後に上記(1)〜(3)の何れかの工程を実施することにより、前記インキ層からなるカラーフィルタ層の、ブラックマトリクス層で区画された各領域内に気泡が生じるのを防止することができる。すなわち(1)(2)のように印刷に使用したブランケット胴それ自体を基板上で転動させるか、または(3)のようにブランケット胴とは別に設けたプレス胴を基板上で転動させて、基板上に転写したインキ層を厚み方向にプレスすることにより、前記インキ層を形成するインキを、例えばブラックマトリクス層の側端面と基板の表面との角部の内奥等まで十分に行き渡らせることができる。そのため前記角部等に空間が残ったり、残った空間がインキによって封じ込められて気泡が生じたりするのを防止することができる。
本発明によれば、印刷法、フォトリソグラフ法等による厚いブラックマトリクス層を有するにも拘らず、前記ブラックマトリクス層で区画された各領域内に気泡が生じるおそれがないカラーフィルタの製造方法を提供することができる。
図1は、本発明のカラーフィルタの製造方法の一例の一工程を拡大して説明する部分切欠斜視図である。図2は、図1の工程の次の工程を拡大して説明する部分切欠斜視図である。図3は、図2の工程の次の工程を拡大して説明する部分切欠斜視図である。図4は、図3の工程の次の工程と、それによって製造されるカラーフィルタの構造を拡大して説明する部分切欠斜視図である。
図1を参照して、この例の製造方法では、まずガラス基板等の透明な基板1を用意し、前記基板1の一方側の表面2上に、前記表面2を複数の領域に区画するブラックマトリクス層3をパターン形成する。基板1の表面2の全体は、図示していないがLCD等の画面形状に合わせた矩形状とされている。
図の例では、ブラックマトリクス層3は、前記表面2上に等間隔に配列された複数本の横桟4と、前記横桟4と交差させて等間隔に配列された複数本の縦桟5とを有する格子状に形成されている。横桟4の形成間隔は縦桟5の形成間隔より広く設定されている。横桟4は直線状とされ、前記表面2の矩形の互いに平行な2辺間に、前記2辺と平行で、かつ互いに平行に設けられている。
また縦桟5は、横桟4との交差点、および隣り合う横桟4間の中点で交互に逆方向に屈曲する屈曲形状とされている。縦桟5の、交差点と中点との間の部分は、それぞれ直線状とされている。前記交差点、中点での縦桟5の屈曲角度は一定とされている。また縦桟5を構成する直線状の部分の長さ、および前記直線状の部分の、横桟4との交差角度はいずれも一定とされている。
隣り合う縦桟5は、前記直線状の部分が互いに平行となるように、交差点、中点での屈曲角度と屈曲方向、ならびに直線状の部分と横桟4との交差角度と交差方向が揃えられている。各縦桟5の、複数本の横桟4との交差点は、基板1の表面2の矩形の、前記横桟4と直交する互いに平行な2辺と平行な直線状に配列されている。また各縦桟5の、隣り合う横桟4間の中点は、基板1の表面2の矩形の、前記横桟4と直交する互いに平行な2辺、および複数本の横桟4との交差点の直線状の配列と平行な直線状に配列されている。
それぞれ2本ずつの横桟4および縦桟5で区画されて形成された、縦桟5を挟んで隣り合う3つの領域6、7、8は、次工程以降でそれぞれRGBの各色に着色されて1つの表示単位(画素)を構成する。
ブラックマトリクス層3は、先に説明したように印刷法、フォトリソグラフ法等によって形成するのが好ましい。これらの形成方法によれば、蒸着法では対応することが困難な大画面のLCD用等の、大面積のカラーフィルタを製造することができる。印刷法では、バインダ樹脂を含みかつ黒色に着色されたインキを用いて、オフセット印刷法、反転印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法によってブラックマトリクス層3が形成される。
オフセット印刷法としては、前記ブラックマトリクス層3の平面形状に対応した格子状の凹部がパターン形成された凹版を用いる凹版オフセット印刷法が好適に採用される。凹版オフセット印刷法では、前記凹版の凹部にインキを充填すると共に、円筒状のブランケット胴の外周に、少なくともその表面がゴム等で形成されたブランケット層を円筒状に巻き付けて保持させる等した状態で、前記ブランケット胴を凹版上で転動させることによって、前記インキをブランケット層の表面に順次転写させる。
これにより、前記ブランケット層の表面に、前記ブラックマトリクス層3のパターンに対応させてインキ層が格子状にパターン形成される。次いで、前記ブランケット胴を基板1上で転動させることによって、前記インキ層を基板1の表面2に順次転写させた後、乾燥させ、さらに必要に応じて焼成すると、前記表面2上にブラックマトリクス層3が形成される。
また反転印刷法では、円筒状のブランケット胴の外周に、少なくともその表面がゴム等で形成されたブランケット層を円筒状に巻き付けて保持させる等した状態で、前記ブランケット層の表面のほぼ全面に、厚みが均一になるようにインキを塗布する。そして前記ブランケット胴を、ブラックマトリクス層3の平面形状に対応した格子状の凹部がパターン形成された凹版上で転動させることによって、前記ブランケット層の表面のインキのうち凹版の凹部以外の表面と接触したインキを前記凹版の表面に転写させてブランケット層の表面から除去する。
これにより、前記ブランケット層の表面に、前記ブラックマトリクス層3のパターンに対応させてインキ層が格子状にパターン形成される。このあとは凹版オフセット印刷法の場合と同様に、前記ブランケット胴を基板1上で転動させることによって、前記インキ層を基板1の表面2に順次転写させた後、乾燥させ、さらに必要に応じて焼成すると、前記表面2上にブラックマトリクス層3が形成される。
さらにスクリーン印刷法では、前記ブラックマトリクス層3の平面形状に対応する格子状の部分のみインキを透過しうるように目が残された紗等からなるスクリーン上にインキを供給し、前記スクリーンを端から順に、スキージを用いて基板1の表面2に圧接させながら、前記目の部分においてのみ選択的にインキを透過させて基板1の表面2に印刷し、乾燥させた後、さらに必要に応じて焼成すると、前記表面2上にブラックマトリクス層3が形成される。またフォトリソグラフ法では、例えば基板1の表面2のほぼ全面に感光性樹脂を含みかつ黒色に着色された感光性樹脂膜を形成したのち露光、現像してブラックマトリクス層3が形成される。
次に図2を参照して、前記基板1の表面2上に、前記ブラックマトリクス層3と重ねてまず1色目のインキ層9を、バインダ樹脂を含みかつRGBのいずれか1色、例えばRに着色された透明インキを用いて、印刷法によって形成する。すなわち、前記透明インキからなり、所定の平面形状にパターン形成されたインキ層を、先に説明した凹版オフセット印刷法、反転印刷法、あるいは平版オフセット印刷法等の印刷法によって、基板1の表面2上に前記ブラックマトリクス層3と重ねて印刷した後、乾燥させ、さらに必要に応じて焼成すると、前記表面2上のブラックマトリクス層3上に重ねて、1色目のインキ層9が形成される。
図1、図2を参照して、前記1色目のインキ層9は、ブラックマトリクス層3で区画された領域6と、前記領域6の、縦桟5の長さ方向に連なる複数の連続する領域とを繋いで、基板1の表面2の、前記長さと直交する2辺間を繋ぐ長さを有している。インキ層9は、前記長さと、領域6を区画する2本の縦桟5のうち一方の幅方向の中点から他方の幅方向の中点までの幅とを有する細長い帯状に形成されている。インキ層9の帯の両側縁は、縦桟5の屈曲形状に合わせて、横桟4との交差点、および隣り合う横桟4間の中点で交互に逆方向に屈曲する屈曲形状とされている。インキ層9は、前記基板1の表面2の矩形の、前記長さ方向と平行な2辺間に亘って、縦桟5で区画された複数の領域の列の2列おきに繰り返し配列されている。
前記複数のインキ層9を凹版オフセット印刷法によって形成するには、各インキ層9の平面形状と配列とに対応した複数の凹部がパターン形成された凹版を用いる。そして、前記凹版の凹部にインキを充填すると共に、円筒状のブランケット胴の外周に、少なくともその表面がゴム等で形成されたブランケット層を円筒状に巻き付けて保持させる等した状態で、前記ブランケット胴を凹版上で転動させることによって、前記インキをブランケット層の表面に順次転写させる。
これにより、前記ブランケット層の表面に、インキ層がパターン形成される。次いで、前記ブランケット胴を基板1上で転動させることによって、前記インキ層を基板1の表面2に順次転写させて、図2に示す複数のインキ層9が形成される。
また複数のインキ層9を反転印刷法によって形成するには、円筒状のブランケット胴の外周に、少なくともその表面がゴム等で形成されたブランケット層を円筒状に巻き付けて保持させる等した状態で、前記ブランケット層の表面のほぼ全面に、厚みが均一になるようにインキを塗布する。そして前記ブランケット胴を、各インキ層9の平面形状と配列とに対応した複数の凹部がパターン形成された凹版上で転動させることによって、前記ブランケット層の表面のインキのうち凹版の凹部以外の表面と接触したインキを前記凹版の表面に転写させてブランケット層の表面から除去する。
これにより、前記ブランケット層の表面に、インキ層がパターン形成される。このあとは凹版オフセット印刷法の場合と同様に、前記ブランケット胴を基板1上で転動させることによって、前記インキ層を基板1の表面2に順次転写させて、図2に示す複数のインキ層9が形成される。
さらに複数のインキ層9を平版オフセット印刷法によって形成するには、各インキ層9の平面形状と配列とに対応した複数のストライプ状の領域が撥水面(親油面)、その他の領域が親水面とされた平版を用意する。前記平版は、例えば親水性の基材の表面の全面を撥水性(親油性)の感光層で被覆したのち露光、現像するフォトリソグラフ法等によって形成される。そして前記平版のほぼ全面に、厚みが均一になるようにインキを塗布すると共に、円筒状のブランケット胴の外周に、少なくともその表面がゴム等で形成されたブランケット層を円筒状に巻き付けて保持させる等した状態で、前記ブランケット胴を平版上で転動させることによって、前記平版のうち撥水面上のインキのみ選択的に、ブランケット層の表面に順次転写させる。
これにより、前記ブランケット層の表面に、インキ層がパターン形成される。このあとは凹版オフセット印刷法の場合と同様に、前記ブランケット胴を基板1上で転動させることによって、前記インキ層を基板1の表面2に順次転写させて、図2に示す複数のインキ層9が形成される。
次に図3を参照して、前記基板1の表面2上に、ブラックマトリクス層3と重ねて2色目のインキ層10を、バインダ樹脂を含みかつRGBのいずれか1色、例えばBに着色された透明インキを用いて印刷法によって形成する。すなわち、前記透明インキからなり、所定の平面形状にパターン形成されたインキ層を、先に説明した凹版オフセット印刷法、反転印刷法、あるいは平版オフセット印刷法等の印刷法によって、基板1の表面2上に前記ブラックマトリクス層3と重ねて印刷した後、乾燥させ、さらに必要に応じて焼成すると、前記表面2上のブラックマトリクス層3上に重ねて、かつ先に形成した隣接するインキ層9と沿わせて2色目のインキ層10が形成される。
2色目のインキ層10は、1色目と同形状に形成される。すなわち2色目のインキ層10は、ブラックマトリクス層3で区画された領域8と、前記領域8の、縦桟5の長さ方向に連なる複数の連続する領域とを繋いで、基板1の表面2の、前記長さと直交する2辺間を繋ぐ長さを有している。インキ層10は、前記長さと、領域8を区画する2本の縦桟5のうち一方の幅方向の中点から他方の幅方向の中点までの幅とを有する細長い帯状に形成されている。インキ層10の帯の両側縁は、縦桟5の屈曲形状に合わせると共に、隣接するインキ層9、11の帯の側縁の屈曲形状に沿わせて、横桟4との交差点、および隣り合う横桟4間の中点で交互に逆方向に屈曲する屈曲形状とされている。インキ層10は、前記基板1の表面2の矩形の、前記長さ方向と平行な2辺間に亘って、縦桟5で区画された複数の領域の列の2列おきに繰り返し配列されている。
次に図4を参照して、前記基板1の表面2上に、ブラックマトリクス層3と重ねて3色目のインキ層11を、バインダ樹脂を含みかつRGBのいずれか1色、例えばGに着色された透明インキを用いて印刷法によって形成する。すなわち、前記透明インキからなり、所定の平面形状にパターン形成されたインキ層を、先に説明した凹版オフセット印刷法、反転印刷法、あるいは平版オフセット印刷法等の印刷法によって、基板1の表面2上に前記ブラックマトリクス層3と重ねて印刷した後、乾燥させ、さらに必要に応じて焼成すると、前記表面2上のブラックマトリクス層3上に重ねて、かつ先に形成した隣接するインキ層9、10と沿わせて、両インキ層9、10間に3色目のインキ層11が形成される。
3色目のインキ層11は、1色目、2色目と同形状に形成される。すなわち3色目のインキ層11は、ブラックマトリクス層3で区画された領域7と、前記領域7の、縦桟5の長さ方向に連なる複数の連続する領域とを繋いで、基板1の表面2の、前記長さと直交する2辺間を繋ぐ長さを有している。インキ層11は、前記長さと、領域7を区画する2本の縦桟5のうち一方の幅方向の中点から他方の幅方向の中点までの幅とを有する細長い帯状に形成されている。インキ層11の帯の両側縁は、縦桟5の屈曲形状に合わせると共に、隣接するインキ層9、10の帯の側縁の屈曲形状に沿わせて、横桟4との交差点、および隣り合う横桟4間の中点で交互に逆方向に屈曲する屈曲形状とされている。インキ層11は、前記基板1の表面2の矩形の、前記長さ方向と平行な2辺間に亘って、縦桟5で区画された複数の領域の列の2列おきに繰り返し配列されている。
そして前記3色のインキ層9〜11をブラックマトリクス層3上に重ねてパターン形成することでカラーフィルタ層12が構成され、それによってカラーフィルタ13が製造される。なおカラーフィルタ層12を構成する3色のインキ層9〜11を乾燥後に焼成する場合は、各インキ層9〜11を乾燥後にその都度焼成してもよいし、焼成は1度にまとめて行なってもよい。
前記ブラックマトリクス層3、およびインキ層9〜11を印刷法によって形成するためのインキとしては従来同様のものを用いることができる。すなわちブラックマトリクス層用のインキとしては、少なくともバインダ樹脂を含み、黒色不透明に着色されたインキが用いられる。またインキ層9〜11用のインキとしては、少なくともバインダ樹脂を含み、RGBのいずれか1色に着色された透明インキが用いられる。
本発明においては、前記の手順で基板1の表面2上の、ブラックマトリクス層3上に重ねて転写したインキ層9〜11を、それぞれ乾燥、焼成に先立って、好ましくは印刷直後に厚み方向にプレスする。これにより、前記インキ層9〜11を形成するインキを、例えばブラックマトリクス層3の側端面と基板1の表面2との角部の内奥等まで十分に行き渡らせることができるため、前記角部等に空間が残り、残った空間がインキによって封じ込められて気泡が生じるのを防止することができる。
インキ層9〜11を厚み方向にプレスするためには、
(1) 転写したインキ層9〜11上に前記ブランケット層を圧接させながらブランケット胴を基板1上で転動させることにより、前記インキ層9〜11を厚み方向にプレスする工程、
(2) ブランケット胴として、外周の略半周にブランケット層、残りの略半周にインキ層9〜11をプレスするためのプレス層を設けたものを用い、転写したインキ層9〜11上に前記プレス層を圧接させながらブランケット胴を基板1上で転動させることにより、前記インキ層9〜11を厚み方向にプレスする工程、
(3) ブランケット胴とは別に、外周にプレス層を設けたプレス胴を設け、転写したインキ層9〜11上に前記プレス層を圧接させながらプレス胴を基板1上で転動させることにより、前記インキ層9〜11を厚み方向にプレスする工程、
のうちのいずれかが採用される。
図5〜図8は、前記(1)のプレス工程を経てインキ層9〜11を形成する本発明の製造方法の一例を説明する概略断面図である。各図では、代表的にインキ層9を形成する場合について説明するが、インキ層10、11の形成についても同様であることは言うまでもない。
図5を参照して、この例では、まず先に説明したように凹版オフセット印刷法、反転印刷法、または平版オフセット印刷法等により、外周にブランケット層14を設けたブランケット胴15の、前記ブランケット層14の表面に、所定の平面形状と配列とを有するインキ層9のもとになるインキ層16を形成する。また、先の工程で表面2にブラックマトリクス層3を形成した基板1を定盤17上にセットする。
次に図6を参照して、図中に白抜きの矢印および実線の矢印で示すようにブランケット胴15を基板1上で転動させることにより、ブランケット層14上のインキ層16をブラックマトリクス層3上に重ねて基板1上に転写して、図6、図7に示すように、前記ブラックマトリクス層3によって区画された所定の領域(図1の領域6等)を着色するインキ層9を形成する(転写工程)。
この際、図6ではインキ層16の転写の様子がわかりやすいように、基板1とブランケット層14との間をあけて記載しているが、実際には、インキ層16をブランケット層14から基板1に良好に転写させるために、ブランケット層14の表面を基板1の表面2に所定の圧力で圧接させた状態で、ブランケット胴15を基板1上で転動させる。
ブランケット胴15を基板1上で転動させるためには、ブランケット胴15を固定した状態で定盤17を図6の左方向に移動させるか、定盤17を固定した状態でブランケット胴15を逆に右方向に移動させるか、もしくはブランケット胴15を右方向、定盤17を左方向に移動させることにより、前記両者を相対移動させながら、ブランケット胴15を自転させればよい。
またブランケット胴15は、ブランケット層14と基板1との摩擦による連れ回りによって自転させてもよい。しかしブランケット層14上のインキ層16をできるだけ正確に基板1上に転写させて、インキ層9の平面形状をできるだけ正確に再現することを考慮すると、ブランケット胴15は、前記相対移動と同期させて何らかの動力によって自転させるのが好ましい。
従来の製造方法であれば、このあと転写工程が終了した基板1を定盤17上から取り外して次工程(例えば乾燥、焼成工程)に送り、かつブランケット胴15を図7の転写終了位置から図5の初期位置まで復帰させると共に、定盤17上に新たな基板1をセットして図5ないし図7の転写工程を繰り返すことになる。
しかしこの例では、前記転写終了位置から初期位置までブランケット胴15を復帰させる間を利用してプレス工程が実施される。すなわち図8を参照して、転写工程が終了したブランケット層14を図中に黒矢印で示すようにインキ層9上に圧接させながら、ブランケット胴15を、図中に白抜きの矢印および実線の矢印で示すように転写工程のときとは反対方向(転写終了位置→初期位置)に基板1上で転動させることにより、前記インキ層9を厚み方向にプレスする(プレス工程)。
これにより、インキ層9を形成するインキを、例えばブラックマトリクス層3の側端面と基板1の表面2との角部の内奥等まで十分に行き渡らせることができるため、前記角部等に空間が残り、残った空間がインキによって封じ込められて気泡が生じるのを防止することができる。
なお図8でも、インキ層9の圧接の様子がわかりやすいように、基板1とブランケット層14との間をあけて記載しているが、実際には、インキ層9の全体を良好にプレスするために、ブランケット層14の表面を基板1の表面2に所定の圧力で圧接させた状態で、ブランケット胴15を基板1上で転動させる。
かかるプレス工程においては、例えば転写工程よりもブランケット層14の圧接力を高めることにより、前記プレスの効果(気泡を除去する効果)を向上できる。そのためには、例えば転写工程よりも基板1の位置をブランケット胴15の方向に近づけたりすればよい。圧接力をどの程度まで高めるかについては特に限定されないが、例えば転写工程での標準の圧接力(印圧)が0.05MPa程度である場合、プレス工程での圧接力(プレス圧)をおよそ0.1MPa以上、5MPa以下、特に0.2MPa以上、2.5MPa以下程度に設定するのが好ましい。
またプレス圧を高めることに代えて、あるいは同時に、プレス工程におけるブランケット胴15の転動速度を転写工程より遅くすることも、プレスの効果を向上するために有効である。転動速度をどの程度まで遅くするかについては特に限定されないが、例えば転写工程での標準の転動速度が8m/min程度である場合、プレス工程での転動速度をおよそ4m/min以上、8m/min未満、特に5m/min以上、6m/min以下程度に設定するのが好ましい。
また図の例では、先に説明したように、転写工程において図5の初期位置から図7の転写終了位置まで移動させたブランケット胴15を、前記転写終了位置から初期位置まで復帰させる間にプレス工程を実施してインキ層9をプレスしている。そのため、ブランケット胴15の移動量と移動に要する時間とを減らして、プレス工程が増加しているにも拘らず、1枚の基板1の処理に要する時間(タクトタイム)が大幅に増加するのを抑制して、カラーフィルタの生産効率が低下するのを防止できる。
ブランケット層14としては、少なくとも表面がゴム等で形成された通常のブランケットが、いずれも使用可能である。ただし転写工程において、インキ層16を、ブランケット層14の表面に残留させずに基板1上に良好に転写させることや、プレス工程において、インキ層9を、ブランケット層14の表面に逆転写させることなく良好にプレスすること等を考慮すると、前記ブランケット層14としては、少なくとも表面がシリコーンゴム等で形成されたシリコーンブランケットが好適に使用される。
またシリコーンブランケットとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等からなる基材の片面に、各種ゴムや軟質ポリウレタン樹脂等からなる発泡もしくは非発泡のクッション層を介して、前記シリコーンゴム等からなる表面層が積層された積層構造を有するもの等が使用可能である。前記基材の厚みは0.1mm以上、0.7mm以下、特に0.188mm以上、0.5mm以下程度であるのが好ましい。またクッション層の厚みは0.3mm以上、2.0mm以下、特に0.4mm以上、1.5mm以下程度であるのが好ましい。さらに表面層の厚みは0.1mm以上、2.0mm以下、特に0.3mm以上、1.5mm以下程度であるのが好ましい。
ブランケット胴15としては、略一周で基板1の全幅をカバーしうる直径を有するものを用いる。
プレス工程が終了したあとは、従来同様に基板1を定盤17上から取り外して次工程(例えば乾燥、焼成工程)に送り、かつ定盤17上に新たな基板1をセットして図5ないし図7の転写工程、および図8のプレス工程を繰り返すことになる。この際、ブランケット胴15は、先に説明したようにプレス工程において既に図5の初期位置に復帰しているため、直ちにブランケット層14の表面にインキ層16をパターン形成して、次の転写工程に使用できる。
図9〜図12は、前記(2)のプレス工程を経てインキ層9〜11を形成する本発明の製造方法の一例を説明する概略断面図である。各図では、代表的にインキ層9を形成する場合について説明するが、インキ層10、11の形成についても同様であることは言うまでもない。
図9を参照して、この例ではブランケット胴15として、外周の略半周にブランケット層14、残りの略半周にインキ層9をプレスするためのプレス層18を設けたものを用いる点が、先の(1)の例と相違している。このうちブランケット層14としては、転写工程において、インキ層16を表面に残留させずに基板1上に良好に転写させること等を考慮すると、少なくとも表面がシリコーンゴム等で形成されたシリコーンブランケットが好適に使用される。またシリコーンブランケットとしては、先に(1)の例で説明したのと同じ積層構造を有するもの等が使用可能である。
一方のプレス層18としては、プレス工程において、インキ層9を、ブランケット層14の表面に逆転写させることなく良好にプレスすること等を考慮すると、少なくとも表面がシリコーン樹脂やフッ素樹脂等で形成されたものが好適に使用される。
またプレス層18としては、例えばPETフィルム等からなる基材の片面に、各種ゴムや軟質ポリウレタン樹脂等からなる発泡もしくは非発泡のクッション層を介して、前記シリコーン樹脂やフッ素樹脂等からなる表面層が積層された積層構造を有するもの等が使用可能である。前記基材の厚みは0.075mm以上、0.5mm以下、特に0.1mm以上、0.25mm以下程度であるのが好ましい。またクッション層の厚みは0.3mm以上、5mm以下、特に0.5mm以上、2.5mm以下程度であるのが好ましい。さらに表面層の厚みは0.5μm以上、500μm以下、特に1μm以上、250μm以下程度であるのが好ましい。
ブランケット胴15としては、略半周で基板1の全幅をカバーするため、先の(1)の印刷工程、およびプレス工程で使用したブランケット胴15の倍の直径を有するものを用いる。
図9を参照して、この例のプレス工程では、まず先に説明したように凹版オフセット印刷法、反転印刷法、または平版オフセット印刷法等により、前記ブランケット胴15の、ブランケット層14の表面に、所定の平面形状と配列とを有するインキ層9のもとになるインキ層16を形成する。また、先の工程で表面2にブラックマトリクス層3を形成した基板1を定盤17上にセットする。
次に図10を参照して、図中に白抜きの矢印および実線の矢印で示すようにブランケット胴15を基板1上で転動させることにより、ブランケット層14上のインキ層16をブラックマトリクス層3上に重ねて基板1上に転写して、図10、図11に示すように、前記ブラックマトリクス層3によって区画された所定の領域(図1の領域6等)を着色するインキ層9を形成する(転写工程)。
この際、図10ではインキ層16の転写の様子がわかりやすいように、基板1とブランケット層14との間をあけて記載しているが、実際には、インキ層16をブランケット層14から基板1に良好に転写させるために、ブランケット層14の表面を基板1の表面2に所定の圧力で圧接させた状態で、ブランケット胴15を基板1上で転動させる。
ブランケット胴15を基板1上で転動させるためには、ブランケット胴15を固定した状態で定盤17を図10の左方向に移動させるか、定盤17を固定した状態でブランケット胴15を逆に右方向に移動させるか、もしくはブランケット胴15を右方向、定盤17を左方向に移動させることにより、前記両者を相対移動させながら、ブランケット胴15を自転させればよい。
またブランケット胴15は、ブランケット層14と基板1との摩擦による連れ回りによって自転させてもよい。しかしブランケット層14上のインキ層16をできるだけ正確に基板1上に転写させて、インキ層9の平面形状をできるだけ正確に再現することを考慮すると、ブランケット胴15は、前記相対移動と同期させて何らかの動力によって自転させるのが好ましい。
次に、図11中に一点鎖線の矢印で示したようにブランケット胴15を180°反転させて、図示していないがプレス層18を基板1と対峙させた後、前記プレス層18を用いてプレス工程が実施される。すなわち図12を参照して、前記プレス層18を図中に黒矢印で示すようにインキ層9上に圧接させながら、ブランケット胴15を、図中に白抜きの矢印および実線の矢印で示すように転写工程のときとは反対方向に基板1上で転動させることにより、前記インキ層9を厚み方向にプレスする(プレス工程)。
これにより、インキ層9を形成するインキを、例えばブラックマトリクス層3の側端面と基板1の表面2との角部の内奥等まで十分に行き渡らせることができるため、前記角部等に空間が残り、残った空間がインキによって封じ込められて気泡が生じるのを防止することができる。
なお図12でも、インキ層9の圧接の様子がわかりやすいように、基板1とプレス層18との間をあけて記載しているが、実際には、インキ層9の全体を良好にプレスするために、プレス層18の表面を基板1の表面2に所定の圧力で圧接させた状態で、ブランケット胴15を基板1上で転動させる。
かかるプレス工程においては、例えば転写工程におけるブランケット層14の印圧よりも、プレス層18のプレス圧を高めることにより、前記プレスの効果(気泡を除去する効果)を向上できる。そのためには、例えば転写工程よりも基板1の位置をブランケット胴15の方向に近づけたりすればよい。
印圧に対してプレス圧をどの程度まで高めるかについては特に限定されないが、プレス層18として、例えば先に説明した層構成を有しプレス用として特化されたものを用いる場合は、プレス工程にもブランケット層14を用いる(1)の場合に比べて、その条件を緩和することができる。例えば転写工程での標準の印圧が0.05MPa程度である場合、プレス工程でのプレス圧をおよそ0.05MPaを超え、5MPa以下、特に0.1MPa以上、2.5MPa以下程度に設定するのが好ましい。
またプレス圧を高めることに代えて、あるいは同時に、プレス工程におけるブランケット胴15の転動速度を転写工程より遅くすることも、プレスの効果を向上するために有効である。ただしプレス層18として、例えば先に説明した層構成を有しプレス用として特化されたものを用いる場合は、(1)の場合に比べて条件を緩和することができ、転動速度を転写工程より速くしてタクトタイムの短縮を図ることも可能である。転動速度をどの程度の範囲とするかについては特に限定されないが、例えば転写工程での標準の転動速度が8m/min程度である場合には、プレス工程での転動速度をおよそ4m/min以上、20m/min以下、特に5m/min以上、12m/min以下程度に設定するのが好ましい。
また図の例では、先に説明したように、転写工程において図9の初期位置から図11の転写終了位置まで移動させたブランケット胴15を、前記転写終了位置から初期位置まで復帰させる間にプレス工程を実施してインキ層9をプレスしている。そのため、ブランケット胴15の移動量と移動に要する時間とを減らして、プレス工程が増加しているにも拘らず、1枚の基板1の処理に要する時間(タクトタイム)が大幅に増加するのを抑制して、カラーフィルタの生産効率が低下するのを防止できる。
プレス工程が終了したあとは、従来同様に基板1を定盤17上から取り外して次工程(例えば乾燥、焼成工程)に送り、かつ定盤17上に新たな基板1をセットして図9ないし図11の転写工程、および図12のプレス工程を繰り返すことになる。この際、ブランケット胴15は、先に説明したようにプレス工程において既に図9の初期位置に復帰しているため、直ちにブランケット層14の表面にインキ層16をパターン形成して、次の転写工程に使用できる。
図13〜図12は、前記(3)のプレス工程を経てインキ層9〜11を形成する本発明の製造方法の一例を説明する概略断面図である。各図では、代表的にインキ層9を形成する場合について説明するが、インキ層10、11の形成についても同様であることは言うまでもない。
図13を参照して、この例では(1)で使用したのと同様の、外周にブランケット層14を設けたブランケット胴15に加えて、外周にプレス層18を設けたプレス胴19を用いる点が、先の(1)の例と相違している。このうちブランケット層14としては、転写工程において、インキ層16を表面に残留させずに基板1上に良好に転写させること等を考慮すると、少なくとも表面がシリコーンゴム等で形成されたシリコーンブランケットが好適に使用される。またシリコーンブランケットとしては、先に(1)の例で説明したのと同じ積層構造を有するもの等が使用可能である。
一方のプレス層18としては、プレス工程において、インキ層9を、ブランケット層14の表面に逆転写させることなく良好にプレスすること等を考慮すると、少なくとも表面がシリコーン樹脂やフッ素樹脂等で形成されたものが好適に使用される。前記プレス層18としては、先に(2)の例で説明したのと同じ積層構造を有するもの等が使用可能である。
ブランケット胴15、およびプレス胴19としては、いずれも略一周で基板1の全幅をカバーしうる直径を有するものを用いる。
図13を参照して、この例のプレス工程では、まず先に説明したように凹版オフセット印刷法、反転印刷法、または平版オフセット印刷法等により、前記ブランケット胴15の、ブランケット層14の表面に、所定の平面形状と配列とを有するインキ層9のもとになるインキ層16を形成する。また、先の工程で表面2にブラックマトリクス層3を形成した基板1を定盤17上にセットする。
次に図14を参照して、図中に白抜きの矢印および実線の矢印で示すようにブランケット胴15を基板1上で転動させることにより、ブランケット層14上のインキ層16をブラックマトリクス層3上に重ねて基板1上に転写して、図14、図15に示すように、前記ブラックマトリクス層3によって区画された所定の領域(図1の領域6等)を着色するインキ層9を形成する(転写工程)。
それと共に図15、図16を参照して、プレス層18を、図中に黒矢印で示すようにインキ層9上に圧接させながら、プレス胴19を、図中に白抜きの矢印および実線の矢印で示すようにブランケット胴15のあとから連続的に基板1上で転動させることにより、前記インキ層9を厚み方向にプレスする(プレス工程)。
これにより、インキ層9を形成するインキを、例えばブラックマトリクス層3の側端面と基板1の表面2との角部の内奥等まで十分に行き渡らせることができるため、前記角部等に空間が残り、残った空間がインキによって封じ込められて気泡が生じるのを防止することができる。
なお図14ではインキ層16の転写の様子がわかりやすいように、基板1とブランケット層14との間をあけて記載しているが、実際には、インキ層16をブランケット層14から基板1に良好に転写させるために、ブランケット層14の表面を基板1の表面2に所定の圧力で圧接させた状態で、ブランケット胴15を基板1上で転動させる。
また図15でも、インキ層9の圧接の様子がわかりやすいように、基板1とプレス層18との間をあけて記載しているが、実際には、インキ層9の全体を良好にプレスするために、プレス層18の表面を基板1の表面2に所定の圧力で圧接させた状態で、プレス胴19を基板1上で転動させる。
ブランケット胴15、プレス胴19を、それぞれ基板1上で転動させるためには、前記ブランケット胴15およびプレス胴19を固定した状態で定盤17を図6の左方向に移動させるか、定盤17を固定した状態でブランケット胴15とプレス胴19を逆に右方向に移動させるか、もしくはブランケット胴15およびプレス胴19を右方向、定盤17を左方向に移動させることにより、前記両者を相対移動させながら、ブランケット胴15とプレス胴19とを自転させればよい。ブランケット胴15とプレス胴19とは同一間隔を維持しながら、定盤17に対して相対移動させることができる他、別個に任意の移動速度で、定盤17に対して相対移動させることもできる。
またブランケット胴15、プレス胴19は、ブランケット層14と基板1、プレス層18と基板1の摩擦による連れ回りによって自転させてもよい。しかしブランケット層14上のインキ層16をできるだけ正確に基板1上に転写させて、インキ層9の平面形状をできるだけ正確に再現すること、インキ層9を、ずれを生じさせることなくその位置で正確にプレスすることを考慮すると、ブランケット胴15、プレス胴19は、前記相対移動と同期させて、それぞれ何らかの動力によって自転させるのが好ましい。
前記プレス工程においては、例えば転写工程におけるブランケット層14の印圧よりも、プレス層18のプレス圧を高めることにより、前記プレスの効果(気泡を除去する効果)を向上できる。そのためには、例えばプレス胴19を、ブランケット胴15より基板1の近くに設けたりすればよい。
印圧に対してプレス圧をどの程度まで高めるかについては特に限定されないが、プレス層18として、例えば先に説明した層構成を有しプレス用として特化されたものを用いる場合は、プレス工程にもブランケット層14を用いる(1)の場合に比べて、その条件を緩和することができる。例えば転写工程での標準の印圧が0.05MPa程度である場合、プレス工程でのプレス圧をおよそ0.05MPaを超え、5MPa以下、特に0.1MPa以上、2.5MPa以下程度に設定するのが好ましい。
また、ブランケット胴15とプレス胴19を別個に任意の移動速度で、定盤17に対して相対移動させる場合は、プレス圧を高めることに代えて、あるいは同時に、プレス工程におけるブランケット胴15の転動速度を転写工程より遅くすることも、プレスの効果を向上するために有効である。ただしプレス層18として、例えば先に説明した層構成を有しプレス用として特化されたものを用いる場合は、(1)の場合に比べて条件を緩和することができ、転動速度を転写工程より速くしてタクトタイムの短縮を図ることも可能である。転動速度をどの程度の範囲とするかについては特に限定されないが、例えば転写工程でのブランケット胴15の標準の転動速度が8m/min程度である場合には、プレス工程でのプレス胴19の転動速度をおよそ4m/min以上、20m/min以下、特に5m/min以上、12m/min以下程度に設定するのが好ましい。
また図の例では、先に説明したように、転写工程においてブランケット胴15を図139の初期位置から図16の転写終了位置まで移動させるのと引き続いて連続的に、プレス工程においてプレス胴19を図139の初期位置から図16の転写終了位置まで移動させている。そのためプレス工程が増加しているにも拘らず、1枚の基板1の処理に要する時間(タクトタイム)が大幅に増加するのを抑制して、カラーフィルタの生産効率が低下するのを防止できる。
プレス工程が終了したあとは、従来同様に基板1を定盤17上から取り外して次工程(例えば乾燥、焼成工程)に送り、かつブランケット胴15、プレス胴19を図16の転写終了位置から図13の初期位置まで復帰させると共に、定盤17上に新たな基板1をセットして転写工程、プレス工程を繰り返すことになる。
本発明の構成は、以上で説明した各図の例には限定されない。例えばプレス工程は、カラーフィルタの生産効率等を考慮すると、以上で説明した各図の例のように転写工程後に引き続いて実施するのが好ましい。ただし転写工程で基板1上に形成したインキ層9が、プレス工程で、プレスに使用したブランケット層14やプレス層18の表面に逆転写されるのを防止することを考慮すると、転写工程終了後に一定のインターバルタイムをおいてインキ層9を半乾燥させた後、(1)〜(3)のいずれかのプレス工程を実施するようにしてもよい。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことができる。
《実施例1》
〈ブラックマトリクス層の形成〉
図1を参照して、ガラス基板1の表面2に、黒顔料としてのカーボンブラックを含むブラックマトリクス用感光材料〔富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)のCOLOR MOSAIC CK〕をスピンコート法によって厚み2.0μmとなるように塗布し、150℃で2分間プリベークし、次いで先に説明した直線状の横桟4と屈曲形状の縦桟5とが格子状に配列されたブラックマトリクス層3の平面形状に対応したフォトマスクを重ねて露光し、エッチングした後、230℃で30分間アフターベークしてブラックマトリクス層3を形成した。
前記ブラックマトリクス層3の仕上がり厚みは1.5μm、横桟4の線幅は45μm、縦桟5の線幅は25μm、隣り合う横桟4間の形成ピッチは300μm、隣り合う縦桟5間の形成ピッチは100μmであった。また、前記ブラックマトリクス層3で区画された隣り合う3つの領域6〜8を1つの単位とする画素の、横桟4の長さ方向(画面の縦方向)に配列された数(画素数)は640画素、縦桟5の長さ方向(画面の横方向)に配列された数(画素数)は480画素、総画素数は307200画素であった。
〈インキ〉
図2に示すRに着色されたインキ層9を形成するために、下記の各成分を配合して反転印刷用のインキを調製した。
Figure 2010122298
表中の各成分の詳細は下記のとおり。
ポリエステル樹脂:東洋紡績(株)製のバイロナール(登録商標)
メラミン樹脂:住友化学(株)製のスミマール(登録商標)
ブチルカルビトールアセテート:キシダ化学(株)製、沸点248℃
メチルエチルケトン:キシダ化学(株)製、沸点80℃
C.I. Pigment Red 177:アンスラキノン系顔料、長瀬産業(株)製
〈凹版〉
凹版としては、先にブラックマトリクス層3で区画された領域6と、前記領域6の、縦桟5の長さ方向に連なる複数の連続する領域とを繋いで、ガラス基板1の表面2の、前記長さと直交する2辺間を繋ぐ長さを有する複数のインキ層9に対応する凹部(深さ:8μm)が配列されたガラス凹版を用意した。
各凹部は、前記長さと、領域6を区画する2本の縦桟5のうち一方の幅方向の中点から他方の幅方向の中点までの幅(=100μm)とを有する細長い帯状に形成した。凹部の帯の両側縁は、縦桟5の屈曲形状に合わせて屈曲形状とした。また前記凹部を、前記ガラス基板1の表面2の矩形の、前記長さ方向と平行な2辺間に亘って、縦桟5で区画された複数の領域の列の2列おきに繰り返し配列(形成ピッチ:300μm)した。
〈ブランケット層〉
ブランケット層としては住友ゴム工業(株)製のシリコーンブランケットを用意した。前記シリコーンブランケットは、厚み0.35mmのPETフィルムの片面に、厚み0.65mmのクッション層を介して、シリコーンゴムからなる厚み0.6mmの表面層が積層された積層構造(総厚み1.6mm)を有するものである。
〈インキ層の形成〉
前記シリコーンブランケットを反転印刷用の印刷機〔オリジナル・プリンティング・マシン(株)製のオフセット印刷機OPM−200を反転印刷用でかつ(1)のプレス工程を実施できるように改造したもの〕のブランケット胴に装着し、かつ先の工程でブラックマトリクス層を形成したガラス基板と前記ガラス凹版とを前記印刷機の定盤上にセットすると共に、前記インキを前記印刷機のインキ補給機構に供給し、反転印刷法によってシリコーンブランケットの表面にインキ層をパターン形成した。
パターン形成の条件は、環境温度:23℃、シリコーンブランケットの表面へのインキの塗布速度:8m/min、シリコーンブランケットの表面からガラス凹版の表面への不要なインキの転写速度(ブランケット胴の転動速度):8m/min、前記転写時のシリコーンブランケットの圧接力(印圧):0.05MPaとした。
次に、図5ないし図7に示すように転動方向がブラックマトリクス層3の横桟4の長さ方向と平行になるようにブランケット胴15をガラス基板1上を転動させることで、前記インキ層を、前記ブラックマトリクス層3上に重ねてガラス基板1上に転写して、図2に示すRのインキ層9を形成した後(転写工程)、引き続いて、ブランケット胴15を初期位置まで復帰させる動作を兼ねて、図8に示すように前記と反対方向にガラス基板1上を転動させることで前記インキ層9をプレスした(プレス工程)。
なおプレス工程では、プレス圧を高めるため、転写工程よりも定盤17をわずかに上昇させて、ガラス基板1の位置をブランケット胴15の方向に近づけた。転写工程、プレス工程の条件は下記のとおりとした。
(転写工程)
・ 環境温度:23℃
・ ブランケットの表面からガラス基板の表面へのインキの転写速度(ブランケット胴の転動速度):8m/min
・ 印圧:0.05MPa
(プレス工程)
・ 環境温度:23℃
・ ブランケット胴の転動速度:8m/min
・ プレス圧:0.4MPa
そしてガラス基板上に転写されたインキ層を乾燥させた後、さらに230℃で30分間焼成して図2に示すRのインキ層9を形成した。
〈評価〉
前記インキ層9を観察したところ、ブラックマトリクス層3で区画された各領域内には気泡が生じていないことが確認された。
また、ガラス基板1の表面2のうち、横桟4の長さ方向の転写開始位置におけるインキ層9とブラックマトリクス層3との位置ずれがないことを確認したうえで、前記表面2のうち横桟4の長さ方向の転写終了位置における前記インキ層9とブラックマトリクス層3との、前記横桟4の長さ方向の位置ずれの量を測定したところ、許容範囲とされる±5μm以内であって位置ずれは生じておらず、印刷精度は良好であることが確認された。
さらに、印刷機の定盤上にガラス基板1をセットし、転写工程、プレス工程を経て次工程へ送った後、新たなガラス基板1をセットするまでに要するタクトタイムを測定したところ100秒であった。この数値は、後述するようにプレス工程を含まない従来のインキ層9の形成(比較例1)におけるタクトタイム(=95秒)と殆ど変わらなかった。
《実施例2》
〈プレス層〉
プレス層としては、厚み0.1mmのPETフィルムの片面に、厚み0.5mmのクッション層を介して、シリコーン樹脂からなる厚み2μmの表面層が積層された積層構造(総厚み0.6mm)を有するものを用意した。
〈インキ層の形成〉
前記プレス層と、実施例1で使用したのと同じシリコーンブランケットとを反転印刷用の印刷機〔オリジナル・プリンティング・マシン(株)製のオフセット印刷機OPM−200を反転印刷用でかつ(2)のプレス工程を実施できるように改造したもの〕のブランケット胴に装着し、かつ実施例1と同様にしてブラックマトリクス層を形成したガラス基板と、実施例1で使用したのと同じガラス凹版とを前記印刷機の定盤上にセットすると共に、実施例1で使用したのと同じインキを前記印刷機のインキ補給機構に供給し、反転印刷法によってシリコーンブランケットの表面にインキ層をパターン形成した。パターン形成の条件は実施例1と同じとした。
次に、図9ないし図11に示すように転動方向がブラックマトリクス層3の横桟4の長さ方向と平行になるようにブランケット胴15をガラス基板1上を転動させることで、前記インキ層を、前記ブラックマトリクス層3上に重ねてガラス基板1上に転写して、図2に示すRのインキ層9を形成し(転写工程)、次いでブランケット胴15を180°反転させた後、引き続いて、前記ブランケット胴15を初期位置まで復帰させる動作を兼ねて、図12に示すように前記と反対方向にガラス基板1上を転動させることで前記インキ層9をプレスした(プレス工程)。転写工程、プレス工程の条件は下記のとおりとした。
(転写工程)
・ 環境温度:23℃
・ ブランケットの表面からガラス基板の表面へのインキの転写速度(ブランケット胴の転動速度):8m/min
・ 印圧:0.05MPa
(プレス工程)
・ 環境温度:23℃
・ ブランケット胴の転動速度:12m/min
・ プレス圧:0.05MPa
そしてガラス基板上に転写されたインキ層を乾燥させた後、さらに230℃で30分間焼成して図2に示すRのインキ層9を形成した。
〈評価〉
前記インキ層9を観察したところ、ブラックマトリクス層3で区画された各領域内には気泡が生じていないことが確認された。また実施例1と同様にしてインキ層9とブラックマトリクス層3との位置ずれの量を測定したところ、許容範囲とされる±5μm以内であって位置ずれは生じておらず、印刷精度は良好であることが確認された。さらに実施例1と同様にしてタクトタイムを測定したところ95秒であった。この数値は、後述するようにプレス工程を含まない従来のインキ層9の形成(比較例1)におけるタクトタイム(=95秒)と同じであった。
《実施例3》
〈インキ層の形成〉
実施例1で使用したのと同じシリコーンブランケットを反転印刷用の印刷機〔オリジナル・プリンティング・マシン(株)製のオフセット印刷機OPM−200を反転印刷用でかつ(3)のプレス工程を実施できるように改造したもの〕のブランケット胴に装着し、実施例2で使用したのと同じプレス層を前記印刷機のプレス胴に装着し、かつ実施例1と同様にしてブラックマトリクス層を形成したガラス基板と、実施例1で使用したのと同じガラス凹版とを前記印刷機の定盤上にセットすると共に、実施例1で使用したのと同じインキを前記印刷機のインキ補給機構に供給し、反転印刷法によってシリコーンブランケットの表面にインキ層をパターン形成した。パターン形成の条件は実施例1と同じとした。
次に、図13ないし図14に示すように転動方向がブラックマトリクス層3の横桟4の長さ方向と平行になるようにブランケット胴15をガラス基板1上を転動させることで、前記インキ層を、前記ブラックマトリクス層3上に重ねてガラス基板1上に転写して、図2に示すRのインキ層9を形成し(転写工程)、次いで図15ないし図16に示すようにプレス胴19を同方向にガラス基板1上を転動させることで前記インキ層9をプレスした(プレス工程)。転写工程、プレス工程の条件は下記のとおりとした。
(転写工程)
・ 環境温度:23℃
・ ブランケットの表面からガラス基板の表面へのインキの転写速度(ブランケット胴の転動速度):8m/min
・ 印圧:0.05MPa
(プレス工程)
・ 環境温度:23℃
・ ブランケット胴の転動速度:12m/min
・ プレス圧:0.05MPa
そしてガラス基板上に転写されたインキ層を乾燥させた後、さらに230℃で30分間焼成して図2に示すRのインキ層9を形成した。
〈評価〉
前記インキ層9を観察したところ、ブラックマトリクス層3で区画された各領域内には気泡が生じていないことが確認された。また実施例1と同様にしてインキ層9とブラックマトリクス層3との位置ずれの量を測定したところ、許容範囲とされる±5μm以内であって位置ずれは生じておらず、印刷精度は良好であることが確認された。さらに実施例1と同様にしてタクトタイムを測定したところ100秒であった。この数値は、後述するようにプレス工程を含まない従来のインキ層9の形成(比較例1)におけるタクトタイム(=95秒)と殆ど変わらなかった。
《比較例1》
実施例1で使用したのと同じシリコーンブランケットを反転印刷用の印刷機〔オリジナル・プリンティング・マシン(株)製のオフセット印刷機OPM−200をプレス工程を含まない通常の反転印刷用に改造したもの〕のブランケット胴に装着し、かつ実施例1と同様にしてブラックマトリクス層を形成したガラス基板と、実施例1で使用したのと同じガラス凹版とを前記印刷機の定盤上にセットすると共に、実施例1で使用したのと同じインキを前記印刷機のインキ補給機構に供給し、反転印刷法によってシリコーンブランケットの表面にインキ層をパターン形成した。パターン形成の条件は実施例1と同じとした。
次に、図5ないし図7に示すように転動方向がブラックマトリクス層3の横桟4の長さ方向と平行になるようにブランケット胴15をガラス基板1上を転動させることで、前記インキ層を、前記ブラックマトリクス層3上に重ねてガラス基板1上に転写して、図2に示すRのインキ層9を形成した(転写工程)。プレス工程は、印刷機の機能に含まれないため実施しなかった。転写工程の条件は下記のとおりとした。
(転写工程)
・ 環境温度:23℃
・ ブランケットの表面からガラス基板の表面へのインキの転写速度(ブランケット胴の転動速度):8m/min
・ 印圧:0.05MPa
そしてガラス基板上に転写されたインキ層を乾燥させた後、さらに230℃で30分間焼成して図2に示すRのインキ層9を形成した。
〈評価〉
前記インキ層9を観察したところ、ブラックマトリクス層3で区画された各領域内に気泡が生じていることが確認された。また実施例1と同様にしてインキ層9とブラックマトリクス層3との位置ずれの量を測定したところ、許容範囲とされる±5μm以内であって位置ずれは生じておらず、印刷精度は良好であることが確認された。さらに実施例1と同様にしてタクトタイムを測定したところ、先に説明したように95秒であった。
《比較例2》
比較例1の従来の印刷方法で気泡の発生を防止するため、転写工程における転写速度を通常よりも遅い0.5m/minに設定したところ気泡は生じなくなったものの、タクトタイムが135秒と大幅に長くなってしまった。転写工程の条件は下記のとおりとした。
(転写工程)
・ 環境温度:23℃
・ ブランケットの表面からガラス基板の表面へのインキの転写速度(ブランケット胴の転動速度):0.5m/min
・ 印圧:0.05MPa
《比較例3》
比較例1の従来の印刷方法で気泡の発生を防止するため、転写工程における印圧を通常よりも高い0.4MPaに設定したところ気泡は生じなくなったものの、インキ層9とブラックマトリクス層3との位置ずれの量が許容範囲とされる±5μmを超える+40μmと大幅に大きくなってしまった(印刷精度不良)。転写工程の条件は下記のとおりとした。
(転写工程)
・ 環境温度:23℃
・ ブランケットの表面からガラス基板の表面へのインキの転写速度(ブランケット胴の転動速度):8m/min
・ 印圧:0.4MPa
以上の結果を表2にまとめた。
Figure 2010122298
本発明のカラーフィルタの製造方法の一例の一工程を拡大して説明する部分切欠斜視図である。 図1の工程の次の工程を拡大して説明する部分切欠斜視図である。 図2の工程の次の工程を拡大して説明する部分切欠斜視図である。 図3の工程の次の工程と、それによって製造されるカラーフィルタの構造を拡大して説明する部分切欠斜視図である。 本発明の製造方法のうち(1)のプレス工程を経てインキ層を形成する一例の一工程を説明する概略断面図である。 図5の工程の次の工程を説明する概略断面図である。 図6の工程の次の工程を説明する概略断面図である。 図7の工程の次の工程を説明する概略断面図である。 本発明の製造方法のうち(2)のプレス工程を経てインキ層を形成する一例の一工程を説明する概略断面図である。 図9の工程の次の工程を説明する概略断面図である。 図10の工程の次の工程を説明する概略断面図である。 図11の工程の次の工程を説明する概略断面図である。 本発明の製造方法のうち(3)のプレス工程を経てインキ層を形成する一例の一工程を説明する概略断面図である。 図13の工程の次の工程を説明する概略断面図である。 図14の工程の次の工程を説明する概略断面図である。 図15の工程の次の工程を説明する概略断面図である。
符号の説明
1 基板
2 表面
3 ブラックマトリクス層
4 横桟
5 縦桟
6〜8 領域
9〜11 インキ層
12 カラーフィルタ層
13 カラーフィルタ
14 ブランケット層
15 ブランケット胴
16 インキ層
17 定盤
18 プレス層
19 プレス胴

Claims (1)

  1. 基板上に、前記基板の表面を複数の領域に区画するブラックマトリクス層をパターン形成する工程と、
    外周にブランケット層を設けたブランケット胴の、前記ブランケット層の表面にインキ層をパターン形成した後、前記ブランケット胴を基板上で転動させることにより、前記インキ層をブラックマトリクス層上に重ねて基板上に転写して、前記ブラックマトリクス層によって区画された各領域を着色するカラーフィルタ層を形成する工程と
    を含むカラーフィルタの製造方法であって、
    (1) 転写したインキ層上に前記ブランケット層を圧接させながらブランケット胴を基板上で転動させることにより、前記インキ層を厚み方向にプレスする工程、
    (2) ブランケット胴として、外周の略半周にブランケット層、残りの略半周にインキ層をプレスするためのプレス層を設けたものを用い、転写したインキ層上に前記プレス層を圧接させながらブランケット胴を基板上で転動させることにより、前記インキ層を厚み方向にプレスする工程、
    (3) ブランケット胴とは別に、外周にプレス層を設けたプレス胴を設け、転写したインキ層上に前記プレス層を圧接させながらプレス胴を基板上で転動させることにより、前記インキ層を厚み方向にプレスする工程、
    のうちのいずれか1つの工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016182729A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 国立大学法人山形大学 印刷装置
CN110091529A (zh) * 2019-04-17 2019-08-06 深圳市德仓科技有限公司 棱镜片及其制备方法、设备、背光模组、显示屏及终端

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