JP2010122286A - インドール化合物を含有する防食剤又は剥離剤。 - Google Patents

インドール化合物を含有する防食剤又は剥離剤。 Download PDF

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唯泰 古根川
Masashi Shirai
昌志 白井
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修二 山田
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Abstract

【課題】
本発明は、半導体集積回路、プリント配線基板、液晶等の製造工程における銅、アルミニウム及びこれらからなる合金等の腐食性金属の酸化等による腐食防止を特徴とするインドール化合物を用いた防食剤及び当該化合物と剥離性能を有する化合物とからなる防食性能と剥離性能とを併せ持つ組成物の提供を課題とする。
【解決手段】
本願発明者らは、上記課題を達成するために研究を重ねた結果、インドール化合物から、銅等の腐食しやすい金属に対し、高い防食効果を発揮しつつ、廃液からの回収も可能な防食剤、及び同化合物と剥離性能を有する化合物とからなる防食性能と剥離性能とを併せ持つ組成物を見出した。
【選択図】 なし

Description

本発明は、銅等の腐食しやすい金属に対しても高い防食効果を発揮しつつ、また廃液からの回収も可能な防食性能をもつ化合物であるインドール化合物を含有する防食剤並びにこの防食剤から調製される防食処理液又は防食保存液の提供を目的とする。
更に、該化合物とレジスト剥離性能を有する化合物とを含有する防食性能を有するレジスト剥離剤又はこの剥離剤から調製されるレジスト剥離液の提供も目的とする。
銅、アルミニウム、或いはこれらの合金は、例えば、電子回路が形成されたシリコン等を材質とするウェーハ、プリント配線基板及び液晶材料等の製造プロセスにおける金属膜、及び金属配線等に広く使用されている。
このような金属膜及び金属配線の素材のうち、銅は、エレクトロマイグレーション耐性に優れ、かつ低抵抗であるという優れた利点を有する反面、容易に酸化等が起こり腐食しやすい性質を有している。このような金属膜及び金属配線の腐食は、配線抵抗の上昇させるため、これを防ぐ目的として、様々な配線の形成工程、特に半導体集積回路上の金属膜や金属配線の形成工程で使用できる防食技術が、近年、重要視されている。また、それに伴い防食剤そのものについても、様々な製造工程、使用条件下で十分な防食効果が要求されるようになってきた。例えば、プリント配線基板作成時におけるレジスト剥離工程のように、金属膜上にドライエッチング法等によりスルーホールを形成した後、エッチング残渣等を剥離・除去する工程において、同時に形成される新たな金属配線、特に銅配線の腐食防止は、依然として重要な技術上の課題となっている。
従来より、この課題の改善策として、例えば、防食性能をもつ化合物を配合したレジスト剥離剤を使用する等が行なわれてきた。
この防食性能を表わす化合物のうち、有機化合物としては、例えば、ヒドロキシ安息香酸等の芳香族ヒドロキシ化合物、酢酸、クエン酸、コハク酸等のカルボキシル基含有有機化合物、ベンゾトリアゾール(BTA)類等がこれまで用いられてきた(例えば、特許文献1参照。)。その中でも、ベンゾトリアゾールは、金属との強い配位性を有していることから非常に有効な防食性能をもつ化合物であることが知られており、例えば、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)工程等での使用が報告されている(例えば、特許文献2、及び特許文献3参照。)。
しかし、近年、環境的負荷の削減志向が高まってきており、工場の廃液・廃棄物に対しても、その化学的安全性と排出量の削減が要求されてきた。特に、CMP工程では大量の廃液が発生するため、これらの要求に対して十分な配慮が必要とされてきた。
このような廃液の処理方法としては、例えば、廃液からの蒸留・分液による単離・回収や、分解菌、処理菌などの微生物による生分解処理が可能であることが望ましいが、上記のベンゾトリアゾールやその誘導体については、廃液からの回収や生分解処理が難しいことが既に知られており、煩雑、かつコストのかかる処理方法に頼らざるを得ないのが現状であった。一方、前記の芳香族ヒドロキシ化合物やカルボキシル基等をもつ防食性能をもつ有機化合物を、例えば、半導体装置の製造プロセスでの防食剤として用いた場合、排出された廃液・廃棄物中から、分液・抽出、或いは蒸留等の方法により、単離・回収できる場合もあり、これを再利用すれば、廃棄物量、及び防食剤の使用量の大幅な削減が可能になると考えられる。すなわち、このリサイクル使用は、廃液からの処理・回収が困難なベンゾトリアゾールと比べ、環境的負荷削減の面では大きな利点であるといえる。しかし、その反面、従来の防食性能を有する芳香族ヒドロキシ化合物やカルボキシル基含有有機化合物からレジスト剥離剤を調製し、同様に製造プロセスで使用しても、銅のような腐食性の強い金属に対しては、その防食効果は十分とはいえなかった。
特開平8−334905号公報 特開平8−83780号公報 特開平11−238709号公報
本発明は、銅等の腐食しやすい金属に対しても、優れた防食効果を発揮しつつ、廃液からの回収も可能な防食剤又はこの防食剤から調製される防食処理液及び防食保存液の提供を目的とする。
更に該防食剤とレジスト剥離性能を有する化合物とを含有する防食性能を有するレジスト剥離剤又は該剥離剤から調製されるレジスト剥離液の提供を目的とする。
本願発明者らは、上記目的を達成するために研究を重ねた結果、式(1);
Figure 2010122286
(化学式中、Rは、水素原子、水酸基、アミノ基、ホルミル基、フェニル基、又はアルキル基を表わし、置換基を有していても良い。R及びRは、それぞれ同一又は異なっていてもよい、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表わす。Rは、インドール環中のベンゼン骨格上の置換基を表わし、ハロゲン原子、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、ニトロ基、並びにシアノ基、及びアルキル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、カルボン酸アルキルエステル基、スルホン酸アルキルエステル基、又はアルキルスルホニル基を表わし、nは0から4の整数を表わす。)
で表されるインドール化合物が、銅、アルミニウム、或いはこれらの合金からなる金属膜、金属配線、又はこれら金属を含む物品の腐食に対して優れた防食効果を有することを見出し、本願発明に到った。
本発明の式(1)で表わされるインドール化合物は、例えば、半導体集積回路又はプリント配線基板等に使用される銅、アルミニウム、或いはこれらの合金からなる金属膜、金属配線、或いは銅及びアルミニウムのうち一種以上を構成成分にもつ物品に優れた防食効果を示す。このため同化合物は、防食剤、及びこれを用いた防食処理液並びに防食保存液として好適に使用される。
また、本発明の式(1)で表わされるインドール化合物は、例えば、2−アミノエタノールのようなアルカノールアミン等のレジスト剥離性能を有する化合物と混合することにより、防食性能とレジスト剥離性能とを併せ持つレジスト剥離剤、更にはこれを用いてレジスト剥離液を調製することができ、例えば、プリント配線基板作成時におけるレジスト剥離工程で使用することで、新たに作成される金属膜や金属配線に優れた防食効果を与えることができる。
本発明の防食効果を示すインドール化合物は、前記式(1)で表わされる。
式(1)中、Rは、水素原子、水酸基、アミノ基、ホルミル基、フェニル基、又はアルキル基を表わし、置換基を有していても良い。
式(1)中、Rにおけるアルキル基は、直鎖状のメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、並びにヘキシル基、及び分岐鎖状或いは環状のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、並びにヘキシル基を示す。なお、各種異性体を含む。
として、好ましくは水素原子、水酸基、アミノ基、ホルミル基、置換基を有していてもよい、直鎖状のメチル基、エチル基、プロピル基、並びにブチル基、及び環状のプロピル基、並びにブチル基が挙げられ、より好ましくは水素原子、酸素原子、アミノ基、メチル基、エチル基が挙げられる。
また、前記フェニル基及びアルキル基は、置換基を有してもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ニトロ基、並びにシアノ基、及びアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、カルボン酸アルキルエステル基、スルホン酸アルキルエステル基、並びにアルキルスルホニル基が挙げられる。
ここで、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、カルボン酸アルキルエステル基、スルホン酸アルキルエステル基、並びにアルキルスルホニル基中の「アルキル」は、直鎖状のメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、並びにヘキシル、並びに分岐鎖状或いは環状のプロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルを示す。なお、各種異性体を含む。なお、これらの置換基は、炭化水素基に対して1個以上有していてもよいが、脂溶性と水溶性のバランスを考慮すると式(1)の化合物の総炭素原子数は、36を超えない範囲が好適である。
の置換基として、好ましくはフッ素原子、水酸基、オキソ基、及び前記アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルオキシ基、カルボン酸アルキルエステル基、スルホン酸アルキルエステル基、並びにアルキルスルホニル基が挙げられる。
式(1)中、R及びRは、それぞれ同一又は異なっていてもよい、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表わす。
式(1)中、R及びRにおける置換基を有していてもよいアルキル基は、前記Rの置換基を有していてもよいアルキル基と同義である。
及びR置換基として、好ましくは、フッ素原子、水酸基、オキソ基、及び前記アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルオキシ基、カルボン酸アルキルエステル基、スルホン酸アルキルエステル基、並びにアルキルスルホニル基が挙げられる。
ここで、前記アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルオキシ基、カルボン酸アルキルエステル基、スルホン酸アルキルエステル基、並びにアルキルスルホニル基の「アルキル」は、前記Rの「アルキル」と同義である。
は、インドール環中のベンゼン骨格上の置換基を表わし、ハロゲン原子、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、ニトロ基、並びにシアノ基、及びアルキル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、カルボン酸アルキルエステル基、スルホン酸アルキルエステル基、又はアルキルスルホニル基を表わし、nは、0から4の整数を表わす。
ここで、Rにおけるアルキル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、カルボン酸アルキルエステル基、スルホン酸アルキルエステル基、並びにアルキルスルホニル基の「アルキル」は、前記Rの「アルキル」と同義である。
として、好ましくは、フッ素原子、塩素原子、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、ニトロ基、並びにシアノ基、及び炭素原子数1から6のアルキル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルオキシ基、カルボン酸アルキルエステル基、スルホン酸アルキルエステル基、並びにアルキルスルホニル基を表わし、nは0から2の整数である。
本発明の防食剤及びこれを用いた防食処理液並びに防食保存液の用途としては、例えば、半導体集積回路及びプリント配線基板等の製造工程に使用される銅、アルミニウム、或いはこれらの合金からなる金属膜、金属配線、或いは銅及びアルミニウムのうち一種以上を構成成分にもつ物品への使用が挙げられる。
本発明の防食剤の好ましい用途としては、例えば、半導体基板上に形成された金属膜、特に銅膜の防食処理工程での使用が挙げられる。
また、本発明の防食処理液の好ましい用途としては、例えば、銅、アルミニウム又はこれらの合金配線を施したLSI基板やプリント配線基板等における洗浄工程やCMPプロセス後のリンス工程等での防食処理を目的とした使用が挙げられ、更に本発明の防食保存液の好ましい用途としては、例えば、CMPプロセスにおいて表面処理された金属膜又は配線基板加工後の半導体ウェーハの保存溶液等での防食処理を目的とした使用が挙げられ、特に好ましくは、いずれも金属膜又は配線に銅を用いられている場合での使用が挙げられる。
本発明の防食剤、及びこれを用いた防食処理液並びに防食保存液は、溶解性の改善を目的として当該化合物を分解しないような酸やアルカリと混合しpH調製を行ったり、防食剤自身の劣化を防ぐ目的として酸化剤等を混合するなどして、使用条件や用途に応じて、適宜、添加物を配合することができる。
本発明の防食剤、及びこれを用いた防食処理液並びに防食保存液は、式(1)で表されるインドール化合物を、例えば、本剤を水、有機溶液又はこれらとの混合溶液として製造することができる。また、これらとの溶液には、適宜前記添加剤を配合してもよい。
使用できる有機溶媒としては、本発明の式(1)で表されるインドール化合物と反応しないものならば特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン及びクメン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン及び1,4−ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;ニトロベンゼン等のニトロ化芳香族炭化水素類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン及びテトラメチレンスルホン等のスルホン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン及びN−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン等のアミド類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン及び1,3−ジイソプロピル−2−イミダゾリジノン等の尿素類;イソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル及びジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコール類のエーテル或いはエステル誘導体等があげられる。なお、これらの有機溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
これらの有機溶媒のうち、好ましくは、炭素原子数1〜8のアルコール類、スルホキシド類及び尿素類、更に好ましくは、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソプロパノール、ジメチルスルホキシド及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである。
本発明の防食剤において、式(1)で表されるインドール化合物の濃度は、用途・目的に応じて適宜設定されるが、好ましくは0.01質量%〜80質量%、更に好ましくは0.1質量%〜60質量%、特に好ましくは1.0質量%〜40質量%である。また、別途pH調製剤や酸化防止剤等の配合剤と混合する場合、これら配合剤との相溶性、及び/又は分散性を考慮する。
本発明の防食処理液において、式(1)で表されるインドール化合物の濃度は、用途・目的に応じて適宜設定されるが、例えば、金属配線が形成された基板の洗浄処理と防食処理に用いる場合、好ましくは0.01質量%〜80質量%、更に好ましくは0.1質量%〜60質量%、特に好ましくは1.0質量%〜40質量%である。本発明の防食処理液は、上記の範囲において、防食効果、基板の洗浄時間及び洗浄廃液量(環境的付加)の点から好適である。また、本発明の防食処理液は、前記以外にも、例えば、CMPプロセス又はCMPプロセス後のリンス工程で使用することもできる。
本発明の防食保存液は、例えば、CMPプロセス後、研磨粒子等を除去するための洗浄作業を行うまでの間、一旦、ウェーハを保存するための溶液として使用される。
本発明の防食保存液における、式(1)で表されるインドール化合物の濃度は、用途・目的に応じて適宜設定されるが、好ましくは0.01質量%〜80質量%、更に好ましくは0.1質量%〜60質量%、特に好ましくは1.0質量%〜40質量%である。
本発明の防食保存液は、上記の範囲において、防食効果、基板の洗浄時間及び洗浄廃液量(環境的付加)の点から好適である。特に、金属膜又は金属配線の素材が銅である場合、さらに良好な防食効果を示す。
本発明の式(1)で表されるインドール化合物は、例えば、2−アミノエタノールのようなアルカノールアミン等のレジスト剥離性能を有する化合物と混合する等の方法により、防食性能とレジスト剥離性能とを併せ持つレジスト剥離剤及びレジスト剥離液を調製することが出来る。
本発明のレジスト剥離剤とは、前記金属種に対し防食性能を有し、更に、例えば、プリント基板作成時におけるレジスト剥離工程のように、レジスト膜が存在する物品において、不要なレジスト膜、種々の残渣を剥離するための剤を表わす。
前記剥離性能を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシルアミン類、アルカノールアミン又はフッ化水素酸塩等が挙げられるが、好ましくは、アルカノールアミンである。
前記アルカノールアミン化合物として、具体的には、2−アミノエタノール、ジエタノールアミン、N−エチルアミノエタノール、N−メチルアミノエタノール、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、1−アミノ−2−プロパノール、トリエタノールアミン等が挙げられる。好ましくは、2−アミノエタノール、ジエタノールアミン、N−メチルアミノエタノールである。
本発明のレジスト剥離剤には、例えば、該剥離剤自身の劣化を防ぐ目的として、酸化防止剤を添加したり、溶解性を改善させる目的として、酸、アルカリ、水、有機溶媒、又は他の配合成分と混和性のある両親媒性化合物或いはpH調製剤を添加することが出来る。
また、このレジスト剥離剤は、溶剤として水、有機溶媒又はこれらの混合溶媒を用いてレジスト剥離液を調製することにより、前記レジスト剥離剤と同様にレジスト剥離工程において生じた種々の不要物、残渣をレジスト剥離するために使用することが出来る。
本発明の防食性能を有するレジスト剥離剤は、式(1)で表されるインドール化合物とレジスト剥離性能を有する化合物とを混合することのみで調製し、使用することもできるが、例えば、本剤を水、有機溶媒又はこれらの混合溶液を用いてレジスト剥離液として使用することもできる。なお、使用される有機溶媒は、前記、防食剤及びこれを用いた防食処理液並びに防食保存液の調製で使用できる有機溶媒と同義である。
本発明のレジスト剥離剤における式(1)で表わされるインドール化合物の濃度は、レジスト剥離剤全量に対して、好ましくは0.01重量%〜25重量%、更に好ましくは0.1重量%〜15重量%、特に好ましくは1.0重量%〜10重量%である。上記の範囲では、防食効果、基板の洗浄時間及び洗浄廃液量(環境的付加)の点から好適である。
レジスト剥離性能を有する化合物の濃度は、レジスト剥離剤全量に対して、好ましくは1重量%〜90重量%、更に好ましくは5重量%〜85重量%、特に好ましくは10重量%〜75重量%である。
本発明のレジスト剥離液を、水、有機溶媒又はこれらの混合溶媒を用いて調製する場合、前記の式(1)で表わされるインドール化合物の濃度及びレジスト剥離性能を有する化合物の濃度の範囲内になるように使用量を適宜調節する。
前記含有量のレジスト剥離剤又はレジスト剥離液とすることで、防食効果を良好に維持しつつ、例えば、前記レジスト剥離工程で、基板からレジスト剥離される膜やエッチング残渣を一層効率よく除去することができる。特に、金属膜又は金属配線の素材が銅である場合、優れた防食効果を示す。
更に、使用したレジスト剥離液の廃液からは、例えば、抽出、濾過、濃縮、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法により、式(1)で表されるインドール化合物及びアルカノールアミンを回収することができる。
次に、本発明の式(1)で表されるインドール化合物の好ましい使用用途の1つである前記レジスト剥離工程等で使用できうるレジスト剥離液の調製法とその防食性能の評価方法を以下に例に挙げて、その手順(〔1〕〜〔4〕)を説明する。
〔評価方法〕
〔1〕市販の金属箔、金属板、又は金属線等を、アルカリ水溶液、酸性水溶液の順で金属表面を洗浄する前処理を行い、乾燥後、秤量を行い、評価用金属片を作成する。
〔2〕防食剤成分として本発明の式(1)で表されるインドール化合物、レジスト剥離剤成分としてアルカノールアミン、及び水(場合により、有機溶媒を添加)とを混合し、レジスト剥離液を調製する。
〔3〕調製したレジスト剥離液を、例えば、レジスト剥離工程等で実施されうる温度に設定し、次いで、この溶液に試験用金属片を浸漬させ、一定時間後、試験用金属片を取り出し、レジスト剥離液中に溶出した金属量(濃度)を例えば、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)等にて測定する。
〔4〕溶出した金属量(濃度)の測定値から金属の腐食度合いを以下の数式[I]より、侵食度値として算出し、定量評価を行う。
[数1]
数式[I]
侵食度値(ppb/mg)=溶出した金属の濃度(ppb)/評価用金属片の重量(mg)
この侵食度値は、値が小さいほど優れた防食効果を表わす。また、同一効果を有するベンゾトリアゾールを対照化合物として使用することで、これより侵食度値が小さいものは、従来に無い、優れた防食効果を表わす化合物と判断することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の式(1)で表されるインドール化合物の防食効果を示す条件・使用範囲はこれに限定されるものではない。なお、本発明の実施例では、試験用金属片として、市販の銅線(長さ:90mm、直径:0.7μm)を用いた。その具体的な作成方法、及び本発明の防食性能を有する化合物の評価方法は以下の通りである。
実施例1(試験用レジスト剥離溶液の調製;2−インドールカルボン酸)
2−アミノエタノールと超純水の混合液(重量比:3/1);40gに、防食剤成分として、2−インドールカルボン酸2gを室温にて混合し、試験用レジスト剥離溶液を調製した。
実施例2(侵食度の測定;2−インドールカルボン酸)
市販の銅線(重量;1900mg)を50℃にて、1wt%の水酸化ナトリウム水溶液で1分間、1wt%の硫酸水溶液で1分間浸漬した後、超純水で洗浄し、乾燥を行い、銅線の前処理を行った。次に、この銅線を、実施例1で作成した試験用レジスト剥離剤に70℃にて浸漬し、1時間攪拌した。その後、試験用レジスト剥離剤から銅線を除去し、溶解した銅の濃度を誘導結合プラズマ質量分析法で測定した。測定値を前記数式[I]により、侵食度値として示したところ、1.7ppb/mgであった。
また、同様に侵食度の測定を二回行ったところ、それぞれ1.7ppb/mgと2.0ppb/mgであり、三回の平均値は1.8ppb/mgであった。
比較例1(防食性能を有する化合物なし)
防食性能を有する化合物を使用しない以外は、実施例1と同様な操作を行って、防食化合物不含試験用レジスト剥離液を得た。これを用いて実施例2と同様な操作を三回行った結果は、それぞれ211ppb/mg、79ppb/mg、97ppb/mgであり、三回の平均値は129ppb/mgであった。
比較例2(防食剤成分:ベンゾトリアゾール)
防食剤成分として、ベンゾトリアゾールを用いた以外は、実施例1と同様にレジスト剥離液を調製し、実施例3と同様の評価を行った。その結果3.7ppb/mgであった。
比較例3(2−エタノールアミン)
防食剤成分として、2−エタノールアミンを用いた以外は、実施例2と同様にレジスト剥離液を調製し、実施例3と同様の評価を行った。その結果27.6ppb/mgであった。
実施例3(2−インドールカルボン酸の回収)
実施例2で用いたレジスト剥離液に、酢酸エチル、次いで飽和食塩水を投入し混合後、有機層を分液・抽出した。得られた有機層は、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥、濾過後、溶媒を留去したところ、2−インドールカルボン酸を回収することができた。
上記実施例から、実施例で使用したインドール化合物は、既存のベンゾトリアゾールに対して侵食度値が小さいことから、当該化合物を防食剤、及びレジスト剥離剤の防食成分として使用した場合、優れた防食効果を有することを示している。
また、侵食度の測定後、使用したレジスト剥離液の廃液から、式(1)で表されるインドール化合物を回収することもできた。
本発明の式(1)で表されるインドール化合物を含有する防食剤又はこの防食剤から調製される防食処理液及び防食保存液、及び該化合物とレジスト剥離性能を有する化合物とを含有する防食性能を有するレジスト剥離剤又はこの剥離剤から調製されるレジスト剥離液は、半導体集積回路、及びプリント配線基板等の製造工程にて使用することで、銅、アルミニウム又はこれらからなる合金のような腐食性を有する金属に対して、優れた腐食防止効果を与える。

Claims (11)

  1. 式(1)で表わされるインドール化合物を含有することを特徴とする防食剤。
    Figure 2010122286
    (化学式中、Rは、水素原子、水酸基、アミノ基、ホルミル基、フェニル基、又はアルキル基を表わし、置換基を有していても良い。R及びRは、それぞれ同一又は異なっていてもよい、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表わす。Rは、インドール環中のベンゼン骨格上の置換基を表わし、ハロゲン原子、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、ニトロ基、並びにシアノ基、及びアルキル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、カルボン酸アルキルエステル基、スルホン酸アルキルエステル基、又はアルキルスルホニル基を表わし、nは0から4の整数を表わす。)
  2. 請求項1記載の式(1)で表わされるインドール化合物と剥離性能を有する化合物とを含有するレジスト剥離剤。
  3. 請求項1記載の防食剤と水、有機溶液又はこれらの混合溶液とを含有する防食処理液又は防食保存液。
  4. 請求項2記載のレジスト剥離剤と水、有機溶液又はこれらの混合溶液とを含有する、レジスト剥離液。
  5. 銅、アルミニウムのうち、一種以上を構成成分にもつ物品の腐食防止に用いられること特徴とする、請求項1又は請求項3のいずれかに記載の防食剤並びに防食処理液又は防食保存液。
  6. 半導体集積回路上の金属膜又は金属配線の防食処理に用いられること特徴とする、請求項1又は請求項3のいずれかに記載の防食剤並びに防食処理液又は防食保存液。
  7. 剥離性能を有する化合物が、アルカノールアミンであることを特徴とする、請求項2又は請求項4のいずれかに記載のレジスト剥離剤又はレジスト剥離液。
  8. アルカノールアミンが、2−アミノエタノール、ジエタノールアミン、N−エチルアミノエタノール、N−メチルアミノエタノール、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、1−アミノ−2−プロパノール、トリエタノールアミンから選ばれる1種以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項7に記載のレジスト剥離剤又はレジスト剥離液。
  9. 銅、アルミニウムのうち、一種以上を構成成分にもつ物品の腐食防止に用いられること特徴とする、請求項2、請求項4、請求項7又は請求項8のいずれかに記載のレジスト剥離剤又はレジスト剥離液。
  10. 半導体集積回路上の金属膜又は金属配線の防食処理に用いられること特徴とする、請求項2、請求項4、請求項7又は請求項8のいずれかに記載のレジスト剥離剤又はレジスト剥離液。
  11. 請求項1に記載の式(1)で表わされるインドール化合物を含有する防食剤、又は請求項3に記載の防食処理液及び防食保存液、並びに請求項2に記載のレジスト剥離剤又は請求項4に記載のレジスト剥離液について、下記〔1〕から〔4〕を含む手順で行われる金属の腐食度合いの評価方法。

    〔1〕市販の金属箔、金属板、又は金属線等を、アルカリ水溶液、酸性水溶液の順で金属表面を洗浄する前処理を行い、乾燥後、秤量を行い、評価用金属片を作成する。
    〔2〕防食剤成分として本発明の式(1)で表されるインドール化合物、レジスト剥離剤成分としてアルカノールアミン、及び水(場合により、有機溶媒を添加)とを混合し、レジスト剥離液を調製する。
    〔3〕調製したレジスト剥離液を、例えば、レジスト剥離工程等で実施されうる温度に設定し、次いで、この溶液に試験用金属片を浸漬させ、一定時間後、試験用金属片を取り出し、レジスト剥離液中に溶出した金属量(濃度)を例えば、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)等にて測定する。
    〔4〕溶出した金属量(濃度)の測定値から金属の腐食度合いを以下の数式[I]
    より、侵食度値として算出し、定量評価を行う。
    [数1]
    数式[I]
    侵食度値(ppb/mg)=溶出した金属の濃度(ppb)/評価前の金属の重量(mg)
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