JP2010122283A - 光学ユニット、レーザ出射装置およびレーザプロジェクタ - Google Patents

光学ユニット、レーザ出射装置およびレーザプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】ライトパイプを用いなければ、スペックルの低減率が低くなるという問題を解決する光学ユニットを提供する。
【解決手段】光循環セル群を構成する光循環セル1および2のそれぞれは、半透過面である入射面に入射された入射光31を、光路長がそれぞれ異なる複数の出射光にする。また、光循環セル1および2は、間隙なく設けられ、他の光循環セルと隣接する側面が半透過面であり、半透過面以外の面は全反射面である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学ユニット、レーザ出射装置およびレーザプロジェクタに関し、特には、レーザ光を走査してスクリーンに画像を投射するための光学ユニット、レーザ出射装置およびレーザプロジェクタに関する。
赤色、青色および緑色などのレ−ザ光を用いてスクリ−ンに画像を投射するレ−ザディスプレイは、低消費電力で優れた演色性を有する次世代のディスプレイとして注目を集めている。
このようなディスプレイには、前面投射型と背面投射型とがある。背面投射型ディスプレイは、リアプロジェクションテレビまたはレーザテレビとも呼ばれ、家庭用の大型テレビやパソコン用のディスプレイなどに用いられる。背面投射型ディスプレイでは、レーザ光を小型の液晶パネルに均一に照射し、その照射されたレーザ光を光学レンズを用いてスクリ−ンに結像して、画像を表示する結像型ディスプレイが主流である。
一方、前面投射型ディスプレイは、レーザプロジェクタとも呼ばれ、会議、教育および営業のプレゼンテ−ションなどの用途に用いられる。このため、携帯性に優れた小型のものが期待されている。前面投射型ディスプレイでは、水平および垂直方向に振動する反射鏡(走査鏡)を用いてレ−ザ光をスクリ−ン上に高速で走査して、画像を表示する走査型プロジェクタが主流である。なお、走査型プロジェクタは、結像のための光学系が必要ないため、任意の位置の任意の形状の投射面に画像を投射することができる。
ディスプレイの出射光に要求される特性は、ディスプレイの種類に応じて異なる。例えば、結像型ディスプレイでは、1辺が10mm程度の液晶パネルを均一に照射するために、出射光には、幅の大きい拡散光が要求される。また、走査型ディスプレイでは、高い解像度の画像を得るために、出射光には、数mmまたは1mm以下の細い幅と、スクリーンまで伝播する際の幅の広がりが十分小さいことが要求される。なお、走査鏡のサイズが1mm以下の場合には、出射光の幅も1mm以下でなければならない。
レ−ザディスプレイでは、このように投射方式の違いによって出射光に要求される特性は異なるが、投射方式に関わらず、スクリ−ンに投影された出射光により、スクリーンにスペックルが発生し、投射された画像の画質が低下するという共通の問題がある。
スペックルによる画質の低下は、スペックルのコントラストで評価できる。スペックルのコントラストは、スペックルの明暗分布(出射光の光強度分布)の分散をその明暗分布の平均で除した値で定義され、その最大値は100%である。レーザディスプレイの実用化のためには、スペックルのコントラストを10%以下(望ましくは5%以下)にしなければならない。
スペックルを低減する方法には、互いに独立した複数の光源から出射された光を単一の光に合成する方法と、比較的スペクトル幅の広い光を用いる方法がある。しかしながら、一般に波長が近接した光を完全に合成することや、光のスペクトル幅を広げることは容易ではない。
また、互いに独立した複数の光源から出射した同一波長かつ同一強度の光を合成する場合、スペックルのコントラストは、光源の数の平方根に反比例して減少する。例えば、1個の光源を用いた場合のスペックルのコントラストが100%であるとすると、3個の光源を用いた場合のスペックルのコントラストは、約57%になる。また、スペックルのコントラストを5%にするためには、400個ほどの独立な光源が必要となる。したがって、スペックルを、レーザディスプレイの実用化できる程度に低減するには、非常に多くの光源が必要となり、現実的ではない。
したがって、これらの方法では、レーザディスプレイの実用化を図ることが困難である。
特許文献1には、これらの方法とは別の方法を用いてスペックルを低減することが可能な光源装置が記載されている。
この光源装置では、一つの光源から出射された光線を反射鏡と半透過鏡とを用いて多重反射させて複数の光線に分割し、その複数の光線を再び合成する多重反射法と、光ファイバーなどのライトパイプを用いたライトパイプ法とが併用されている。
多重反射法では、分割された複数の光線の光路差が光源から出射された光線のコヒーレンス長より長いと、その分割された複数の光線は、互いに独立した光線とみなせる。このため、その分割された複数の光線が合成されると、スペックルは低減する。
なお、分割された複数の光線の光路差が光源から出射された光線のコヒーレンス長より小さくても、スペックルは低減されるが、その低減率は小さい。また、合成される光線の光強度が互いに等しいほど、スペックルの低減率が大きい。
特許文献1に記載の光源装置では、図24で示すように、4つの直角プリズム51のそれぞれの斜辺を有する側面が、他の直角プリズムの斜辺を有する側面と接合される。また、直角プリズムのいずれかの斜辺でない辺を有する側面が半透過鏡52として利用され、残りの直角プリズムの斜辺でない辺を有する側面が反射面として利用される。なお、半透過鏡52の反射率は、約50%である。
また、レーザ光がその半透過鏡52に対して45度の角度で入射され、反射光と透過光に分岐される。透過光は、直角プリズム内部の反射面で多重反射されながら、直角プリズムの内部を循環して入射位置に戻る。透過光は、その入射位置で2つに分岐され、一方が反射光と重なり合って単一の光に合成され、他方が再び透過光として直角プリズム内部を循環する。このように循環した透過光、順次直角プリズムの内部から出力され反射光と合成されて出射される。
直角プリズム51内部の透過光の光路長が、レーザ光のコヒーレンス長より長ければ、スペックルを低減することができる。なお、レーザ光を反射光と透過光に分岐し、それらを再び重ね合わせるための光学系を、光循環セルと呼ぶ。
また、特許文献1に記載の光源装置では、直角プリズム51から出射された光がライトパイプ(光ファイバ)に入力される。光学装置は、このライトパイプから出射される拡散光を液晶セルに照射し、その照射されたレーザ光をスクリ−ンに結像する。これにより、スペックルをさらに低減することができる。なぜなら、ライトパイプに入力された光は、ライトパイプ内部で複雑な反射と拡散が行われるために、干渉性が失われるからである。
特開2008−112623号公報
ライトパイプから出射される光は、幅が10mm以上の太く均一な拡散光になるので、ライトパイプ法は、出射光に細い幅が要求される走査型レーザプロジェクタに用いることはできない。したがって、走査型レーザプロジェクタでは、ライトパイプを用いずにスペックルのコントラストを10%以下にしなければならない。
特許文献1に記載の光源装置からライトパイプを除くと、スペックルのコントラストは、最大で57%までしか低減することができない。なお、57%は、3個の独立した光を合成させた場合のスペックルの低減率に相当する。
スペックルのコントラストを最大で57%までしか低減できない理由は、ライトパイプを除いた光源装置から出射される出射光の光強度が急激に減衰するためである。例えば、
半透過鏡で反射する反射光の光強度は、入射光の光強度の50%であるが、直角プリズム内部を1回だけ循環して出射される光の光強度は、入射光の光強度の25%になる。その後、直角プリズム内部を循環する回数が増えるに従い、12.5%、6.5%…と急激に減衰する。
したがって、特許文献1に記載の光源装置には、ライトパイプを用いなければ、スペックルの低減率が低くなるというという問題があった。
本発明の目的は、上記の課題である、ライトパイプを用いなければ、スペックルの低減率が低くなるという問題を解決する光学ユニット、レーザ出射装置およびレーザプロジェクタを提供することである。
本発明による第一の光学ユニットは、入射光が入射する入射面が半透過面とされ、該入射光を光路長がそれぞれ異なる複数の出射光とする光学セルを複数備える光学セル群を有し、前記光学セル群を構成する複数の光学セルは、間隙なく設けられ、他の光学セルと隣接する面が半透過面であり、前記半透過面以外の面は全反射面である。
また、本発明によるレーザ出射装置は、前記光学ユニットと、前記光学ユニットに光を出射する光源と、を有する。
また、本発明によるレーザプロジェクタは、前記レーザ出射装置と、前記光学ユニットから出射された出射光を走査してスクリーンに投射する走査鏡とを有する。
本発明によれば、ライトパイプを用いなくても、スペックルの低減率を高くすることが可能になる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同じ機能を有する構成には同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の第一の実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。図1において、光学ユニットは、光循環セル1および2を備える光循環セル群を有する。
光循環セル1および2は、互いに同じ形状の多面体であり、間隙なく設けられる。
光循環セル1は、半透過面11と、反射面12〜14とを有し、その半透過面11と反射面12〜14とで囲繞される。これにより、光循環セル1は、半透過面11と反射面12〜14とを側面として有する、横断面が長方形状の柱状多面体(直方体)になる。
例えば、光循環セル1は、光を透過する光透過部材で直方体状に形成される。光透過部材の側面のいずれかに半透過膜が形成され、その他の側面に反射膜が形成される。この場合、半透過膜が形成された側面が半透過面11となり、反射膜が形成された側面が反射面12〜14となる。
また、光循環セル1は、互いに独立した4枚の板で形成されてもよい。この場合、光循環セル1は、その4枚の板で囲繞される。その4枚の板のいずれかの光循環セル1の内部側の面には半透過膜が形成され、その他の板の光循環セル1の内部側の面には反射膜が形成される。なお、少なくとも半透過膜が形成される板は、光透過部材で形成される。この場合、半透過膜が形成された面が半透過面11となり、反射膜が形成された面が反射面12〜14となる。
半透過面11は、光循環セル1の外部から光が入射される入射面である。光循環セル1は、その入射された光のうちの半透過面11で透過された光を、循環光として半透過面11および反射面12〜14を用いて循環させ、その循環光のうちの半透過面11で透過された光のそれぞれと、入射光31のうちの半透過面11で反射された光とを出射光とする。
具体的には、反射面12〜14は、入射された光のうちの透過された光を、循環光として反射することで、光循環セル1の内部を循環させて半透過面11に入射する。
半透過面11は、その入射された循環光を反射および透過する。半透過面11は、循環光のうちの透過した光を、出射光として自セルから出射する。また、半透過面11は、循環光のうちの反射した光を再び循環光として循環させる。
半透過面11では、循環光が入射されるたびに、この動作が繰り返される。これにより、光循環セル1は、循環光のうちの半透過面11で透過された光と、入射光された光のうちの半透過面11で反射された反射光32とを出射光として出射することになり、入射された光を、光路長がそれぞれ異なる複数の出射光とすることになる。なお、この複数の出射光は、入射面から出射される。
光循環セル2は、半透過面21と、反射面22〜24とを有する。反射面23は、光循環セル1と隣接する側面であり、光循環セル1の半透過面11と兼用される。また、光循環セル1および2の入射面および他の光循環セル2に隣接する側面以外の側面である反射面12〜14、22および24は、全反射膜が形成された全反射面である。
光循環セル2の詳細な説明は、光循環セル1の説明において、半透過面11と反射面12〜14とを、半透過面21と反射面22〜24とに読み替えればよいので、省略する。
なお、光循環セル1および2が、互いに独立した4枚の板で形成される場合、反射面12および22が一つの板の表面に形成され、反射面14および24が一つの板の表面に形成されてもよい。
また、光循環セル群が備える光循環セルの数(以下、セル数と称する)は、本実施形態では、2で、実際には複数あればよい。一般に、複数の光循環セルは、入射面と他の光循環セルに隣接する側面が半透過面となり、その半透過面以外に側面が全反射面となる。例えば、図2で示したように、光学ユニットは、光循環セル1および2に加えて、光循環セル2の反射面12と隣接する光循環セル3と、光循環セル2の反射面14と隣接する光循環セル4を有しているもよい。この場合、反射面12および14は、半透過膜が形成された半透過面となる。
さらに、光透過部材は、例えば、ガラスやGaAs基板である。また、半透過膜は、例えば、例えば、誘電体膜が積層された誘電体多層膜で形成され、全反射膜は、銀で形成される。
次に動作を説明する。
入射光31が光学ユニットの外部から光循環セル2の入射面である半透過面21に入射される。入射光31は、半透過面21で反射および透過され、反射光32と透過光33とに分岐される。反射光32は、出射光36として光学ユニットの外部に出射される。
透過光33は、光循環セル2の内部に循環光34として出射される。循環光34は、反射面22で反射され半透過面11に入射される。半透過面11に入射された循環光34は、半透過面11で反射および透過される。
循環光34のうちの半透過面11で反射された光は、循環光34として光循環セル2の内部に出射される。
一方、循環光34のうちの半透過面11で透過された光は、光循環セル1の内部に循環光35として出射される。循環光35は、反射面12〜14で順番に反射されて半透過面11に入射される。
半透過面11に入射された循環光35は、半透過面11で反射および透過される。循環光35のうち半透過面11で反射された光は、再び循環光35として光循環セル2の内部に出射される。
一方、循環光35のうち半透過面11で透過された光は、循環光34として光循環セル1の内部に出射される。
半透過面11から出射された循環光34は、反射面23で反射され半透過面21に入射される。半透過面21に入射された循環光34は、反射および透過される。
循環光34のうち半透過面21で反射された光は、再び循環光34として光循環セル2の内部に出射される。
一方、循環光34のうち半透過面21で透過された光は、出射光36として光学ユニットの外部に出射される。
次に、光学ユニットの形状について説明する。
光循環セル1および2の横幅をa、光循環セル1および2の縦幅をbとする。光循環セルの横幅は、その光循環セルの入射面に沿った方向(横方向)の長さであり、光循環セルの縦幅は、その光循環セルの入射面に垂直な方向(縦方向)の光循環セルの長さである。
光循環セル1および2において、自セルから出射される複数の出射光は互いに合成される。ここでそれらの光が互いに独立した光とみなせると、入射光31によるスペックルの低減率が高くなる。つまり、その複数の出射光の光路長の差が、入射光31のコヒーレンス長以上であることが望ましい。
出射光の光路長の差が入射光31のコヒーレンス長以上になるためには、循環光34および35の光路長(以下、循環光路長と称する)がコヒーレンス長以上であればよい。ここで、循環光路長Lは、L=2(a2+b21/2で表すことができる。したがって、入射光31のコヒーレンス長をLcとすると、光循環セル1および2は、L=2(a2+b21/2≧Lcを満たすように構成されることが望ましい。
また、光循環セル1および2では、自セルの半透過面における自セルの外部から入射される入射光(入射光31または循環光34)の入射位置と、自セルの半透過面における自セルの内部から入射される入射光(循環光34または35)の入射位置とが一致すれば、自セルから出射される出射光は同じ光軸上で合成される。このため、その出射される光の幅(口径)が最も小さくなる。
したがって、光学ユニットは、それらの入射位置が一致するように構成されることが望ましい。それらの入射位置が一致する光学ユニットの形状は、光循環セルの半透過面における自セルの外部から入射される入射光の入射角度に応じて異なる。このため、この入射角度に応じて、光学ユニットの形状を定める必要がある。
この入射角度をθとすると、それらの入射位置が一致するためには、a/b=tanθを満たす必要がある。したがって、光学ユニットの形状と入射角度とは、関係式「a/b=tanθ」を満たすように設計されることが望ましい。以下、この関係式を満たす入射角度θを設定入射角度と称する。
図3は、設定入射角度が45°の場合における入射光31の入射角度θと出射光36の光強度分布の関係を示した説明図である。図3において、横軸は、位置X[mm]を示し、縦軸は出射光36の光強度Pを示す。なお、光強度Pの単位は任意である。また、光循環セル2だけがあるとしている。つまり、セル数を1としている。
図3では、入射角度が設定入射角度45°のときに出射光36の光強度Pがピークとなる位置を原点「0」としている。さらに、入射角度が設定入射角度45°のときの出射光36の幅を1mmであるとし、入射角度が設定入射角度45°のときの出射光115の光強度Pのピークを1としている。
図3示されたように、出射光36の幅は、入射角度が設定入射角度45°の場合に最も狭く、入射角度が45°からずれるほど、広くなっている。
これは、入射角度が設定入射角度45°の場合、入射光31の半透過面21の入射位置と、循環光34の半透過面21における入射位置とが一致する。また、入射角度が設定入射角度45°からずれるほど、入射光31の半透過面11における入射位置と、循環光34の半透過面11における入射位置とがずれるためである。
また、入射角度が45°から1°ずれると、出射光36の光強度Pの分布に複数のピークが現れる。つまり、出射光36が多峰化する。なお、多峰化とは、単峰光が多峰光になる現象である。また、単峰光とは、光強度のピークが一つの光であり、多峰光とは、光強度のピークが複数ある光のことである。
したがって、入射角度は設定入射角度45°からずれるほど、出射光36の光強度分布が歪む。
また、セル数が2以上の場合、入射角度が45°からずれていると、各光循環セルから光が出射されるたびに、その光の光強度分布が歪むこととなり、出射光36の歪みが大きくなる。したがって、セル数が多いほど入射角度を精密に制御する必要がある。
次に光学ユニットの特性について説明する。
先ず、入射光31が光学ユニットに入射されてから出射光36として出射されるまでに、入射光31が循環光34および35として光循環セルを循環する回数(以下、回転数と称する)と出射光36の光強度の関係について説明する。
図4は、セル数が1および2の場合における回転数nと出射光36の光強度Pとの関係を示したグラフである。図4において、横軸は回転数n[回]を示し、縦軸は出射光36の光強度Pを示す。光強度の単位は、任意でよい。なお、入射光31の光強度を1としている。
先ず、セル数が1の場合について説明する。この場合、光循環セル2だけが存在し、半透過面11の代わりに全反射面を有する。なお、半透過面21の反射率は、0.42とする。
この場合、入射光31は、反射率が0.42の半透過面11に1回だけ入射されるので、回転数nが0である出射光36の光強度Pは、入射光31の光強度の42%になる。また、回転数nが多くなるに従い、出射光36の光強度Pは、入射光111の光強度の34%、14%、6%…と急激に減少する。
続いて、セル数が2の場合について説明する。なお、半透過面21の反射率は、0.25であるとし、半透過面11の反射率は、0.42であるとする。
この場合、入射光31は、複数の半透過面(半透過面11および21)に入射されるので、回転数が0である出射光36の光強度は、セル数が1の場合と比べて小さくなる。具体的には、回転数nが0である出射光115の光強度Pは、入射光31の光強度は、25%になる。また、回転数が多くなるに従い、出射光36の光強度は、23%、21%、11%と、セル数が1の場合に比べて緩やかに減少する。
したがって、セル数が2の場合、出射光36の光強度Pが均一化されていることがわかる。また、半透過面の反射率を適宜設定すれば、セル数が増えるほど、出射光115の光強度Pがより均一化される。
続いて、半透過面の反射率とスペックルコントラストの関係について説明する。
半透過面21の反射率をμ1とし、半透過面11の反射率μ2とすると、出射光36によるスペックルコントラストC(μ1,μ2)は、数1で示すことができる。なお、入射光31のスペックルコントラストを1としている。
Figure 2010122283
ここで、φ(k−n−m)は階段関数であり、数2を満たす。
Figure 2010122283
また、nmk-n-1m-1は数3を満たす
Figure 2010122283
数1で計算されたスペックルコントラストC(μ1,μ2)を、半透過面21および11の反射率μ1およびμ2に関する等高線グラフで示すと、図5のようになる。
図5で示されたように、出射光36のスペックルコントラストC(μ1,μ2)は、μ1=0.35〜0.50、かつ、μ2=0.25〜0.60を満たすときに最小となる。したがって、半透過面21および11の反射率μ1およびμ2はこのような値を満たすことが望ましい。
続いて、半透過面11の反射率μ2を固定したときの、半透過面21の反射率μ1とスペックルコントラストC(μ1,μ2)との関係について説明する。
図6は、半透過面21の反射率μ1とスペックルコントラストC(μ1,μ2)との関係を示したグラフである。図6において、横軸は、半透過面21の反射率μ1を示し、縦軸は、スペックルコントラストC(μ1,μ2)を示す。
また、図6では、半透過面11の反射率μ2が0.42と1の場合におけるグラフが示されている。なお、半透過面11の反射率μ2が1のグラフは、セル数が1の場合に相当する。
図6で示されたように、セル数が2の場合、スペックルコントラストC(μ1,μ2)は、半透過面21の反射率μ1が0.25のときに最小となる。その最小値は、0.43であり、セル数が1のときのスペックルコントラストC(μ1,μ2)の最小値よりも小さい。
次に効果を説明する。
本実施形態によれば、光循環セル群を構成する光循環セル1および2のそれぞれは、半透過面である入射面に入射された入射光31を、光路長がそれぞれ異なる複数の出射光にする。また、光循環セル1および2は、間隙なく設けられ、他の光循環セルと隣接する側面が半透過面であり、半透過面以外の面は全反射面である。
この場合、入射光31が複数の光循環セルに入射されるので、光学ユニットから出射される出射光36の光強度が均一化される。したがって、ライトパイプを用いなくても、スペックルの低減率を向上させることが可能になる。
また、本実施形態では、光循環セル1および2は、同じ形状の多面体である。この場合、各光循環セルから出射される出射光の光路長の差を均一化することができるので、スペックルの低減率のばらつきを軽減することが可能になる。
次に第二の実施形態について説明する。
図7は、本実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。図7において、光学ユニットは、支持板100と、導光板101と直角プリズム102および103とを有する導光部材と、光循環セル群104〜107とを含む。
支持板100は、例えば、アルミニウムまたはガラスなどで板状に形成される。
導光板101は、光透過部材で直方体状に形成され、支持板100に立設される。
導光板101のある側面は、全反射膜が形成された全反射面111である。また、導光板101の全反射面111と対向する側面は、半透過膜が形成された半透過面112である。
直角プリズム102および103のそれぞれは、光透過部材で三角柱状に形成され、支持板100に立設される。なお、直角プリズム102および103の横断面は、直角三角形である。
導光板101の全反射面111の両端部には、直角プリズム102および103のそれぞれの斜面と異なる面が隣接している。なお、直角プリズムの斜面は、横断面の直角三角形の斜面を有する側面である。また、導光板101と直角プリズム102および103とが接している箇所には、全反射膜が形成されていない。
直角プリズム102の斜面は、入射光120が入射されるための入射面113であり、直角プリズム103の斜面は、出射光121を出射するための出射面114である。なお、入射面113および出射面114には、入射光120および出射光121の反射を防止するための反射防止膜が形成されている。なお、反射防止膜は、例えば、アルゴンで形成される。
光循環セル群104〜107のそれぞれは、図1で示した光循環セル群と同様に、光循環セル1および2を有する。
光循環セル群104〜107は、互いに間隙を開けて並設される。また、光循環セル群104〜107は、光循環セル群104〜107のそれぞれの光循環セル2の反射面12〜14と異なる側面が、導光板101の半透過面112に接するように設けられる。これにより、反射面12〜14と異なる側面が半透過面11として機能する。
導光部材は、入射光120を光循環セル群104〜107のそれぞれの光循環セル2に入射させ、また、光循環セル群107からの出射光を出射する。なお、直角プリズム102および103は、出射光121や入射光120が導光部材から出入射される際に、その出射光121や入射光120が屈折しないために用いられる。
次に動作を説明する。
直角プリズム102の入射面113に入射された入射光120は、直角プリズム102および導光板101を介して光循環セル群104の光循環セル2の半透過面21に入射される。
光循環セル群104から出射された出射光は、導光板101の全反射面111で反射されて光循環セル群105に入射される。
以下、このような動作が光循環セル群105〜107まで順番に繰り返される。そして、光循環セル群107から出射された出射光は、導光板101および直角プリズム103を介して、出射121として直角プリズム103の出射面114から出射される。
なお、光循環セル群104〜107の動作は、図1で示した光学ユニットの動作と同様なので、詳細な説明は省略する。
次に効果を説明する。
本実施形態では、光循環セル群104〜107は並設される。導光部材は、入射光120を光循環セル群104〜107のそれぞれに入射され、光循環セル群107からの出射光を出射する。
この場合、入射光120をより多くの光循環セルに入射することが可能になるので、スペックルの低減率を向上させることが可能になる。
次に第三の実施形態について説明する。
図8は、本実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。図8において、光学ユニットは、支持板100と、導光板101と直角プリズム108を有する導光部材と、光循環セル群104〜107とを含む。
直角プリズム108は、直角プリズム108の斜面が導光板101の反射面111と垂直な側面の一方と隣接するように、支持板100上に立設される。なお、直角プリズム108は、図7で示した直角プリズム102および103と同様に、光透過部材で、横断面が直角三角形の三角柱状に形成される。
直角プリズム108の斜面と異なる側面の一方が、入射面113となり、他方が、出射面114となる。
また、導光板101の直角プリズム108と隣接する側面に対向する側面側に、光循環セル群104〜107の所定位置からの出射光を反射して、再び光循環セル群104〜107に入射する反射部151が形成される。本実施形態では、所定の位置は、光循環セル群107の出射光の出射位置である。
次に動作を説明する。
直角プリズム108の入射面113に入射された入射光120は、直角プリズム108および導光板101を介して光循環セル群104の光循環セル2の半透過面21に入射される。
光循環セル群104から出射された出射光は、導光板101の全反射面111で反射されて光循環セル群105に入射される。
以下、このような動作が光循環セル群105〜107まで順番に繰り返される。そして、光循環セル群107から出射された出射光は、導光板101の反射部151で反射されて再び光循環セル群107の光循環セル2の半透過面21に入射される。
その後、光循環セル群107から出射された出射光は、全反射面111で反射されて光循環セル群106に入射される。このような動作が光循環セル群106〜104まで順番に繰り返される。
光循環セル群104から出射された出射光は、導光板101および直角プリズム108を介して、出射光122として直角プリズム108の出射面114から出射される。
次に効果を説明する。
本実施形態では、導光板101の反射部151は、光循環セル群104〜107の所定の位置からの出射光を、再び光循環セル群104〜107に入射する。
この場合、同じ光循環セルの数で、入射光120をより多くの光循環セルに入射することが可能になる。したがって、装置規模を抑制しながら、スペックルの低減率を向上させることが可能になる。
次に第四の実施形態について説明する。
図9は、本実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。図9において、光学ユニットは、支持板200と、導光板201と直角プリズム202とを含む導光部材と、光循環セル群203a〜203kとを有する。
支持板200は、例えば、アルミニウムまたはガラスなどで板状に形成される。
導光板201は、光透過部材で直方体状に形成され、支持板100に立設される。
導光板201のある側面は、反射膜が形成された反射面211である。また、導光板201の反射面211に対向する側面は、半透過膜が形成された半透過面212である。なお、本実施形態では、反射面211に形成された反射膜は、全反射膜である。
直角プリズム202は、光透過部材で三角柱状に形成される。なお、直角プリズム202の横断面は、直角三角形である。
直角プリズム202は、その斜面が導光板201の反射面211に垂直な側面の一方に接するように、支持板200上に立設される。
直角プリズム202の斜面と異なる面の一方が、入射光220が入射されるための入射面202aであり、他方が、出射光221が出射されるための出射面202bである。なお、入射面202aおよび出射面202bには、反射防止膜が形成されている。
光循環セル群203a〜203kのそれぞれは、光循環セル2031〜2038を有する。光循環セル2031〜2038のそれぞれは、光循環セル2031〜2038の順に間隙なく直列に配置されている。光循環セル2031〜2038の、自光循環セル群内の他の光循環セルと隣接する側面は、半透過膜が形成された半透過面である。なお、光循環セル2031〜2038は、横断面が正方形の柱状多面体であるとする。
光循環セル群203a〜203kのそれぞれは、自光循環セル群の光循環セル2031が導光板201の半透過面212に接するように支持板200上に立設される。ここで、光循環セル2031の光循環セル2032と接する側面に対向する側面が半透過面212に接するものとする。
また、光循環セル群203a〜203kのそれぞれは、互いに間隙なく並設されている。光循環セル群203a〜203kのそれぞれにおける他の光循環セル群と隣接する側面には、全反射膜または半透過膜が形成される。また、光循環セル群203aおよび203kにおける他の光循環セル群と隣接する側面と対向する側面には、全反射膜が形成される。
導光部材は、入射光230を光循環セル群203a〜203kに入射させると共に、光循環セル群203kからの出射光を出射する。
また、導光板201の直角プリズム202が接する側面に対向する側面側に、光循環セル群203a〜203kからの出射光を反射して、再び光循環セル群203a〜203kに入射する反射部213が形成される。本実施形態では、所定の位置は、光循環セル群203jの出射光の出射位置である。
次に動作を説明する。
直角プリズム202の入射面202aに入射された入射光220は、導光板201の反射面211で反射されて光循環セル群203bの入射面に入射される。なお、光循環セル群203a〜203kの入射面は、その光循環セル群の光循環セル2031の導光板201と接する面である。また、入射面における入射光220の入射角度は、45°であるとする。
光循環セル群203bから出射された出射光は、導光板201の反射面211で反射されて光循環セル群203dに入射される。
その後、このような動作が、光循環セル群203d、203f、203hおよび203jの順で繰り返される。そして、光循環セル群203jから出射された出射光は、反射部213で反射されて光循環セル群203kに入射される。
光循環セル群203kから出射された出射光は、導光板201の反射面211で反射されて光循環セル群203iに入射される。
その後、このような動作が、光循環セル群203i、203g、203e、203cおよび202aの順で繰り返される。そして、光循環セル群203aから出射された出射光は、導光板201および直角プリズム202の中を通過して直角プリズム202の出射面202bから出射光221として出射される。
次に効果を説明する。
本実施形態では、光循環セル群203a〜203kは、互いに間隙なく並設されている。この場合、光学ユニットの装置規模の増加を抑制することが可能になる。
また、本実施形態では、光循環セル群203a〜203kの光循環セル2031〜203ルは、他の光循環セル群の光学セルと隣接する面が半透過部である。この場合、光循環セルの数を増やさなくても、入射光220をより多くの光循環セルに入射することが可能になる。したがって、光学ユニットの規模の増加を抑制しながら、よりスペックルの低減率を向上させることが可能になる。
次に第五の実施形態について説明する。
図10は、本実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。図10において、光学ユニットは、図9で示した構成に加えて、光循環セル群204a〜204kをさらに有する。また、導光板201の反射面211には、全反射膜の代わりに、半透過膜が形成されている。
光循環セル群204a〜204kのそれぞれは、光循環セル2041〜2048を含む。光循環セル2041〜2048のそれぞれは、光循環セル2041〜2048の順に間隙なく直列に配置されている。光循環セル2041〜2048の、自光循環セル群内の他の光循環セルと隣接する側面は、半透過膜が形成された半透過面である。なお、光循環セル2041〜2048は、光循環セル2031〜2038と同じ形状である。
光循環セル群204a〜204kのそれぞれは、自光循環セル群の光循環セル2041が導光板201の反射面211に接するように支持板200上に立設される。ここで。光循環セル2041の光循環セル2042と接する側面に対向する側面が反射面211に接するものとする。また、光循環セル群204a〜204kのそれぞれは、光循環セル群203a〜203kと対向するものとする。
光循環セル群204a〜204kのそれぞれにおける他の光循環セル群と隣接する側面には、全反射膜または半透過膜が形成される。また、光循環セル群204aおよび204kにおける他の光循環セル群と隣接する側面と対向する側面には、全反射膜が形成される。
これにより、光循環セル群203a〜203k、204a〜204kは、光循環セル群203a〜203kと、光循環セル群204a〜204kとの2列に並設される。また、各列の光循環セル群は、導光板201を挟んで設けられる。さらに、各列の光循環セル群の入射面は、他の列の光循環セル群の入射面に対向する反射面と兼用される。
次に動作を説明する。
直角プリズム202の入射面202aに入射された入射光220は、光循環セル群204aの入射面に入射される。なお、光循環セル群204a〜204kの入射面は、その光循環セル群の光循環セル2041の導光板201と接する面である。また、入射面における入射光220の入射角度は、45°であるとする。
光循環セル群204aから出射された出射光は、導光板201を介して光循環セル群203bに入射される。
以下このような動作が、光循環セル群203b、204c、203d、204e、203f、204g、203h、204i、203jおよび204kの順番で繰り返される。そして、光循環セル群204kから出射された出射光は、反射部213で反射されて光循環セル群203kに入射される。光循環セル群203kから出射された出射光は、導光板201を介して204jに入射される。
その後、このような動作が、光循環セル群204j、203i、204h、203g、204f、203e、204d、203c、204b、および202aの順で繰り返される。そして、光循環セル群203aから出射された出射光は、導光板201および直角プリズム202の中を通過して直角プリズム202の出射面202bから出射光221として出射される。
次に効果を説明する。
本実施形態では、光循環セル群203a〜203k、204a〜204kは、光循環セル群203a〜203kと、光循環セル群204a〜204kとの2列に並設される。また、各列の光循環セル群は、導光板201を挟んで設けられる。さらに、各列の光循環セル群の入射面は、他の列の光循環セル群の入射面に対向する反射面と兼用される。
この場合、光循環セル群を2列に並設することが可能になるので、光学ユニットの長さの増加を抑制することが可能になる。
次に第六の実施形態について説明する。
第一〜第五の実施形態では、光循環セル群を構成する各光循環セルは、その光循環セルの入射面が側面をなし、直方体状であった。しかしながら、光循環セルは、直方体状に限らない。
本実施形態では、光循環セルが、横断面が奇数角の柱状多面体である場合について説明する。以下、このような光循環セルを奇数角形セルと称する。
図11aは、奇数角形セルの一例を模式的に示した上面図である。図11aにおいて、奇数角形セルは、半透過面301と、反射面302および303を有する。半透過面301と反射面302および303は、横断面が三角形の柱状多面体(三角柱)の側面を形成するように配置される。なお、図11aでは、横断面が正三角形になっている。
半透過面301は、入射光311を反射および透過して反射光312と透過光313とに分岐する。
反射光312は、出射光として出射される。
また、透過光313は、循環光314として反射面302および303の順番で反射され半透過面301に入射される。その入射された循環光314のうち半透過面301で透過された光は出射光として出射される。また、その入射された循環光314のうち半透過面301で反射された光は、再び循環光314として奇数角セルの内部を循環する。
次に奇数角形セルの特性について説明する。
奇数角形セルでは、入射光311の半透過面301における入射位置が、半透過面301の中心であれば、入射光311の半透過面301における入射角度が、例えば、図22bのように変化しても、奇数角形セルから出射される出射光の幅は変化しない。つまり、奇数角形セルから出射される出射光の幅は、入射角度に依存しない。
また、入射光311の半透過面301における入射位置が半透過面301の中心からずれても、循環光314は、奇数角形セルの内部を2回循環すると再び入射光311の入射位置に入射される。このため、奇数角形セルでは、入射光311の入射位置の半透過面301の中心からのずれによる出射光の幅の拡大を抑制することが可能になる。
なお、奇数角形セルは、図11aで示した例に限らず、適宜変更可能である。例えば、奇数角形セルは、図11cで示したような横断面が直角三角形の角柱でもよいし、図11dで示したような横断面が五角形の角柱の側面を形成するように配置されたものでもよい。
次に奇数角セルを用いた光学ユニットについて説明する。
図12は、奇数角形セルを用いた光学ユニットを模式的に示した上面図である。なお、図12では、奇数角形セルとして横断面が三角形の角柱である三角形セルが用いられている。
図12において、光学ユニットは、支持板400と、導光板401と、光循環セル群402〜407とを有する。
支持板400は、例えば、アルミニウムまたはガラスなどで板状に形成される。
導光板401は、光透過部材で横断面が平行四辺形の柱状多面体で形成され、支持板400に立設される。
導光板401の互いに対向する1組の側面の一方が、入射光430が入射されるための入射面421となり、その1組の側面の他方が、入射光430を出射光431として出射する出射面422となる。なお、入射面421および出射面422には反射防止膜が形成されている。
導光板401の入射面421および出射面422と異なる互いに対向する1組の側面のそれぞれは、半透過膜が形成された半透過面411および412である。
光循環セル群402〜407のそれぞれは、三角形セル413および414を有する。三角形セル413および414は、間隙なく並設される。また、三角形セル413および414の他の三角形セルと隣接する面は、半透過膜が形成された半透過面である。
光循環セル群402〜404のそれぞれは、自己の三角形セル413の三角形セル414と接する側面と異なる側面の一方が半透過面411と接するように支持板400上に立設される。光循環セル群405〜407のそれぞれは、自己の三角形セル413の三角形セル414と接する側面と異なる側面の一方が半透過面412と接するように支持板400上に立設される。
また、光循環セル群402〜404のそれぞれは、互いに間隙なく並設されている。また、光循環セル群405〜407のそれぞれは、互いに間隙なく並設されている。光循環セル群402〜407のそれぞれにおける他の光循環セル群と隣接する側面には、全反射膜または半透過膜が形成される。なお、本実施形態では、その側面には半透過膜が形成されているものとする。
これにより、光循環セル群402〜407は、光循環セル群402〜404と、光循環セル群405〜407との2列に並設される。また、各列の光循環セル群は、導光板401を挟んで設けられる。さらに、各列の光循環セル群の入射面は、他の列の光循環セル群の入射面に対向する反射面(半透過面411および412)と兼用される。
次に動作を説明する。
入射面421に入射された入射光430は、導光板401を介して光循環セル群402の入射面に入射される。なお、光循環セル群402〜407の入射面は、その光循環セル群の三角形セル413の導光板201と接する側面である。
光循環セル群402から出射された出射光は、導光板201を介して光循環セル群405に入射される。その後、このような動作が、光循環セル群405、403、406、404および407の順で繰り返される。そして、光循環セル群407から出射された出射光は、導光板401の出射面422から出射される。
次に効果を説明する。
本実施形態では、光循環セルは、横断面が奇数角の柱状多面体である。
この場合、奇数角形セルから出射される入射光の幅は入射角度に依存しないので、入射角度のずれによる入射光の幅の拡大を抑制することが可能になる。
また、入射面における入射光の入射位置がその入射面の中心からずれても、循環光は、奇数角形セルの内部を2回循環すると再び入射光の入射位置に入射される。このため、入射位置のずれによる入射光の拡大を抑制することが可能になる。
次に第七の実施形態について説明する。
本実施形態では、光循環セルが、その光循環セルの入射面が側面をなし、横断面が偶数角の角柱(柱状多面体)である場合について説明する。以下、このような光循環セルを偶数角形セルと称する。なお、第一〜第五の実施形態で説明した光循環セルも偶数角形セルである。
図13は、偶数角形セルの一例を模式的に示した上面図である。図13では、偶数角形セルとして、横断面が六角形の角柱である六角形セルが示されている。
図13において、六角形セルは、半透過面501と、反射面502〜506とを有する。半透過面501と反射面502〜506は、横断面が六角形の角柱の側面を形成するように配置される。なお、図13では、横断面が正六角形になっている。
半透過面501は、入射光511を反射および透過して反射光512と透過光513に分岐する。
反射光512は、出射光として出射される。また、透過光513は、循環光514として反射面502〜506の順番で反射され半透過面501に入射される。その入射された循環光514のうち半透過面504で透過された光は、反射光512に合成された出射光として出射される。また、その入射された循環光514のうち半透過面501で反射された光は、透過光313に合成され、再び循環光314として奇数角セルの内部を循環する。
次に偶数角形セルの特性について説明する。
偶数角形セルでは、入射光511の半透過面501における入射角度θが設定入射角度であれば、入射光511の半透過面501における入射位置が半透過面501の中心からずれても、偶数角形セルの出射光の幅は変化しない。つまり、入射角度θが設定入射角度であれば、偶数角形セルの出射光の幅は、入射位置に依存しない。
また、偶数角形セルの場合、入射角度θが設定入射角度からずれると、偶数角形セルの出射光の幅は、その偶数角形セル内の循環光の単体回転数n’’に比例して拡大する。なお、単体回転数とは、光学ユニットに入射された入射光が一つの光循環セルの内部を循環光として循環する回数である。
以下、出射光の幅と単体回転数との関係について説明する。
図14および図15は、出射光の幅と単体回転数n’’との関係を説明するための説明図である。図14および図15では、上面から見た、横断面が正方形の正方形セルが示されている。なお、正方形セルの設定入射角は、45°である。
図14では、半透過面520における入射光521の入射角度θは44.45°である。また、循環光522は、単体回転数n’’が1の循環光であり、循環光523は、単体回転数n’’が2の循環光である。また、反射光524は入射光521の半透過面520における反射光であり、循環透過光525は、循環光522の半透過面520における透過光であり、循環透過光526は、循環光523の半透過面520における透過光である。なお、反射光524、循環透過光525および526のそれぞれが、光循環セルからの出射光となる。
図14で示されたように、循環光522および523の半透過面520における入射位置は、入射光521の半透過面520における入射位置からずれる。以下、循環光の入射面における入射位置を帰還位置と称し、入射光の入射面における入射位置を初期入射位置と称する。
また、単体回転数n’’が大きくなるほど、帰還位置の初期入射位置からのずれが大きくなるので、循環透過光の光軸の、反射光524の光軸からのずれも大きくなる。したがって、単体回転数n’’が大きくなるほど、循環透過光と反射光524とが合成された光の幅が大きくなる。
図15では、半透過面530における入射光531の入射角度θは44.45°である。また、循環光532は、単体回転数n’’が1の循環光であり、循環光533は、単体回転数n’’が2の循環光である。また、反射光534は入射光531の半透過面530における反射光であり、循環透過光535は、循環光532の半透過面530における透過光であり、循環透過光536は、循環光533の半透過面530における透過光である。なお、反射光534、循環透過光535および536のそれぞれが、光循環セルからの出射光となる。
図14の場合と同様に、帰還位置は初期入射位置からずれる。また、単体回転数n’’が大きくなるほど、帰還位置の初期入射位置からのずれが大きくなる。したがって、単体回転数n’’が大きくなるほど、循環透過光と反射光534とが合成された出射光の幅が大きくなる。
また、図14および図15を比較することにより、同じ単体回転数n’’でも、入射角度θが設定入射角度からずれるほど、帰還位置の初期入射位置からのずれが大きくなる。したがって入射角θが設定入射角度からのずれるほど、循環透過光と反射光434とが合成された光の幅が大きくなる。
図16は、単体回転数n’’が1〜5の場合における入射角度と帰還位置の初期入射位置からのずれとの関係を示したグラフである。図16において、横軸は、入射角度θ[°]を示し、縦軸は、正方形セルの横幅を100%としたときの帰還位置の初期入射位置からのずれ量Z[%]を示す。なお、図16において、設定入射角度は45°である。
図16で示されたように、入射角θが設定入射角度45°からずれるほど、ずれ量Zは大きくなる。また、同じ入射角θでも、単体回転数n’’が大きくなるほど、ずれ量Zは大きくなる。
このずれ量Zを解析すると、Z=2(tanθ−tan45°)×100[%]であることがわかる。
このような特性は、設定入射角度が45°の場合に限らず、設定入射角度が任意の角度でも生じる。
図17は、設定入射角度が42度の場合における出射光の幅と回転数との関係を説明するための説明図である。図17では、横断面が長方形の長方形セルが示されている。長方形セルの横幅と縦幅の比率は、tan42(≒0.900):1となる。
図18では、半透過面540における入射光541の入射角度θは42.4°である。また、循環光542は、単体回転数n’’が1の循環光であり、循環光543は、単体回転数n’’が2の循環光である。また、反射光544は入射光541の半透過面540における反射光であり、循環透過光545は、循環光542の半透過面540における透過光であり、循環透過光546は、循環光543の半透過面540における透過光である。
図14の場合と同様に、帰還位置は初期入射位置からずれる。また、単体回転数n’’が大きくなるほど、帰還位置の初期入射位置からのずれが大きくなる。したがって、単体回転数n’’が大きくなるほど、循環透過光と反射光544とが合成された出射光の幅が大きくなる。
図18は、設定入射角度が42°の場合における入射角度と帰還位置の初期入射位置からのずれとの関係を示したグラフである。図18において、横軸は、入射角度θ[°]を示し、縦軸は、ずれ量Z[%]を示す。
図18で示されたように、入射角θが設定入射角度42°からずれるほど、ずれ量Zは大きくなる。また、同じ入射角θでも、単体回転数n’’が大きくなるほど、ずれ量Zは大きくなる。
このずれ量Zを解析すると、Z=2(tanθ−tan42°)×100[%]であることがわかる。また、設定入射角度をγとすると、ずれ量は、Z=2(tanθ−tanγ)×100[%]で表される。
次に効果を説明する。
本実施形態では、光循環セルは、横断面が偶数角の柱状多面体の偶数角形セルである。
この場合、入射角度θが設定入射角度であれば、偶数角形セルから出射される入射光の幅は、入射位置に依存しなので、入射位置のずれによる入射光の幅の拡大を抑制することができる。
次に第八の実施形態について説明する。
図19は、本実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。図19において、光学ユニットは、図1で示した光学ユニットの反射面12および22の代わりに、入射された光の位相をランダムにシフトしてその光を反射する反射面41および42を有する。
なお、光循環セル1および2が光透過部材で形成される場合、入射された光の位相をランダムにシフトしてその光を反射するランダム位相板が、光透過部材の反射面41および42に接するように設けられることで、反射面41および42が入射された光の位相をランダムにシフトしてその光を反射するようになる。
また、光循環セル1および2が互いに独立した4枚の板で形成される場合、各光循環セルの板のうちの一つをランダム位相板に代えることで、反射面41および42が入射された光の位相をランダムにシフトしてその光を反射するようになる。
なお、本実施形態では、反射面12および22の代わりに反射面41および42を有していたが、実際には、光循環セル1および2の他の光循環セルと隣接していない側面のうちの少なくとも一つが、入射された光の位相をランダムにシフトしてその光を反射する反射面であればよい。
図20aは、ランダム位相板を模式的に示した表面図である。図20aには、ランダム位相板43が示されている。また、図20bは、ランダム位相板43の43a部分の拡大図である。
ランダム位相板43は、その表面に、複数の微細なセルが2次元配列された構造を有する。セルは、例えば、一辺が約100μm程度の正方形状をしている。
セルには、高低(凹凸)がつけられており、互いに隣接するセルの高低はランダムになっている。また、その高低差は、入射光31の波長の半分程度である。図19aでは、ランダム位相板43の高いセル43bが、その低いセル43cが、白い領域で示されている。なお、セルの高さは多段になっていてもよい。
また、ランダム位相板43は、例えば、以下のように製造する。先ず、チタンなどの金属膜が100μm程度のセル状にランダムに蒸着されたプリズムやガラス板を用意する。なお、その金属膜は、レジスト露光が用いられて蒸着される。続いて、その用意されたプリズムまたはガラス板の表面に、バッファードフッ酸などでエッチングをすることで高低差を付ける。その後、その蒸着された金属膜を硫酸などで除去する。これにより、ランダム位相板43が製造される。
典型的な直径1mm程度の光がランダム位相板43に入射された場合、その光が入射された範囲には、80個程度のセルが含まれる。このため、その入射された光の位相がランダムにシフトされて反射される。この反射光の波面は、細かくランダムに乱されている。
また、ランダム位相板43の高低パターンは位置によって異なるので、それらのランダム位相板43で反射される光のそれぞれの波面形状には、相関がなくなる。このため、それらの光が合成されて出射される出射光36のスペックルが低減される。
次に効果を説明する。
本実施形態では、光循環セル1および2の反射面の少なくとも一つは、循環光の位相をランダムにシフトして反射する。
この場合、光循環セル1の出射光のそれぞれの波面形状に相関がなくなるため、それらの出射光が合成された出射光36のスペックルを低減させることが可能になる。したがって、スペックルをより低減させることが可能になる。
次に第九の実施形態について説明する。
図21は、本実施形態のレーザ出射装置を模式的に示した構成図である。図21おいて、レーザ出射装置は、支持板600と、光学ユニット601と、光源装置602と、SHG(Second Harmonic Generation)結晶603と、レンズ604とを有する。
支持板600は、ガラスで形成される。なお、このガラスの屈折率は1.5であるとする。
光学ユニット601は、第一から第八の実施形態で説明した光学ユニットのいずれか、または、それらの光学ユニットの当業者が理解し得る変更を行った光学ユニットを用いることができる。本実施形態では、光学ユニットとして、第二の実施形態で説明した光学ユニット(図7)を用いるものとする。
光学ユニット601の光循環セル群104〜107の各光循環セルと、導光板201とは、同じ材質のGaAs基板で形成されている。したがって、各光循環セルおよび導光板101の屈折率は、互いに等しい。また、GaAs基板の屈折率は、略3.5であり、支持板600の屈折率より高い。
なお、GaAs基板のへき開面を用いることで、導光板101の反射面111および半透過面112を平行にすることができる。この場合、導光板101をガラスで形成する場合に比べて、誘電体多層膜による半透過膜の反射率を精度良く設定することが可能になる。
光源装置602は、波長1060nmの赤外線レーザ光を入射光として光学ユニット601に入射する。
光源装置602は、支持ステージ621と、赤外線半導体レーザ622と、ヒートシンク623と、コリメータ624とを有する。
支持ステージ621は、支持板600上に立設される。
赤外線半導体レーザ622は、光源の一例である。赤外線半導体レーザ622は、波長1060nmの赤外線レーザ光630を、コリメータ624を介して光学ユニット601に出射する。ここで、赤外線レーザ光630のコヒーレンス長は、各光循環セル内を循環する循環光の光路長以下である。つまり、赤外線レーザ光630のコヒーレンス長は、光学ユニット601の各光循環セルの複数の出射光の光路差以下である。
ヒートシンク623は、赤外線半導体レーザ622にて発生された熱を放熱する。
コリメータ624は、赤外線半導体レーザ622から出射された赤外線レーザ光630をコリメートする。
図22は、光源装置602をより詳細に説明するための説明図である。なお、光学ユニット601の導光板101の厚さは0.35mmであるとする。
支持ステージ621は、支持板600の表面に垂直な方向を軸にした回転が可能であり、赤外線レーザ光630の光学ユニット601に対する入射角度を変更することが可能である。
赤外線半導体レーザ622は、アスペクト比3:1のレーザ光源である。赤外線半導体レーザ622は、90°傾けられて支持ステージ621上に設けられる。
コリメータ624は、赤外線半導体レーザ622が出射した赤外線レーザ光630をコリメートして、その赤外線レーザ光630を支持板600の表面に平行な方向の幅が1mmの平行光にする。これは、赤外線レーザ光630の支持板600の表面に平行な方向の幅の広がりを抑制するためである。なお、支持板600の表面に垂直な方向には、赤外線レーザ光630は、支持板600の屈折率より屈折率が高い導光板101によって閉じ込められる。したがって、赤外線レーザ光630を平行光にすれば、光学ユニット601の内部で赤外線レーザ光630の幅は広がらない。
図20に戻る。SHG結晶603は、2光子吸収により、光学ユニット601から出射された赤外線レーザ光630の波長を半分にして、波長が530nmの緑色レーザ光631を生成し、その緑色レーザ光631を出射する。なお、SHG結晶としては、例えば、Mg(マグネシウム)を5モル%ドープしたPPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)を用いる。このPPLNは、耐光損傷性に優れている。
レンズ604は、SHG結晶603から出射された緑色レーザ光631をスクリーン(図示せず)に向けて集光する。
なお、本実施形態では、レーザ出射装置は、緑色レーザ光631を出射していたが、赤外線半導体レーザの波長を調整することで、赤色レーザ光や青色レーザ光を出射することもできる。また、各光循環セルおよび導光板101は、赤色レーザ光用にはGaP基板を用いることが望ましく、青色レーザ光用にはGaN基板を用いることが望ましい。
次に効果を説明する。
本実施形態では、赤外線レーザ光630が複数の光循環セルに入射されるので、赤外線レーザ光630の光強度が均一化される。したがって、ライトパイプを用いなくても、スペックルの低減率を向上させることが可能になる。
また、本実施形態では、赤外線レーザ光630のコヒーレンス長は循環光615の光路長以下であるので、各光循環セルの複数の出射光の光路差以下である。この場合、効率的にスペックルを低減することが可能になる。
また、本実施形態では、SLD(Super luminescent Diode:スーパールミネッセントダイオード)より高出射な半導体レーザを用いるので、高出射レーザ光を出射することが可能になる。
また、本実施形態では、SHG結晶603による2光子吸収では、光学ユニットで合成された複数の赤外線レーザ光630の独立性を保ったまま、赤外線レーザ光630の波長を半分にできるので、低スペックルの緑色レーザ光631を生成することができる。
次に第十の実施形態について説明する。
図23は、本実施形態のレーザプロジェクタを模式的に示した上面図である。図24において、レーザプロジェクタは、支持板700と、光源装置701および702と、ダイクロイックプリズム703および704と、光学ユニット705と、走査鏡706とを有する。
支持板700は、光透過部材で形成される。本実施形態では、支持板700は、屈折率が1.5のガラスで形成されているものとする。
光源装置701は、支持ステージ711と、緑色レーザ712とを有する。
緑色レーザ712は、支持ステージ711上に設けられる。緑色レーザ712は、緑色のレーザ光をダイクロイックプリズム703および704を介して光学ユニット705に出射する。なお、緑色のレーザ光はP偏光である。また、支持ステージ711は、支持板700の表面に垂直な方向を軸とした回転が可能であり、緑色のレーザ光の光学ユニット705に対する入射角度を変更することが可能である。
光源装置702は、支持ステージ721と、赤色レーザ722と、青色レーザ723とを有する。
赤色レーザ722および青色レーザ723は、支持ステージ721上に設けられる。なお、赤色レーザ722および青色レーザ723は、別々の支持ステージ上に設けられてもよい。
赤色レーザ722は、例えば、赤色面発光レーザである。赤色レーザ722は、赤色のレーザ光をダイクロイックプリズム703および704を介して光学ユニット705に出射する。なお、赤色のレーザ光はS偏光である。
青色レーザ723は、例えば、青色LDである。青色レーザ723は、青色のレーザ光をダイクロイックプリズム703および704を介して光学ユニット705に出射する。なお、青色のレーザ光はS偏光である。
支持ステージ721は、支持板700の表面に垂直な方向を軸とした回転が可能であり、赤色のレーザ光および青色のレーザ光の光学ユニット705に対する入射角度を変更することが可能である。
なお、緑色レーザ712、赤色レーザ722および青色レーザ723は、光源の一例である。
ダイクロイックプリズム703は、緑色レーザ712から出射された緑色のレーザ光と、赤色レーザ722から出射された赤色のレーザ光とを合成する。
ダイクロイックプリズム704は、ダイクロイックプリズム703で合成されたレーザ光と、青色レーザ723から出射された青色のレーザ光とを合成して、RGB光731を生成する。ダイクロイックプリズム704は、そのRGB光731を光学ユニット705に入射する。
光学ユニット705は、第一から第十の実施形態で説明した光学ユニットのいずれか、または、それらの光学ユニットの当業者が理解し得る変更を行った光学ユニットを用いることができる。本実施形態では、光学ユニット705として、第二の実施形態で説明した光学ユニット(図7)から直角プリズム102を除いた光学ユニットを用いる。
なお、ダイクロイックプリズム704と光学ユニット705の導光板101が接している。RGB光731は、ダイクロイックプリズム704からこの接面を介して導光板101に入射される。ダイクロイックプリズム704と導光板101とを同じ材質で形成されば、RGB光731が導光板101に入射される際に屈折することを抑制することが可能になる。
また、緑色レーザ712、赤色レーザ722および青色レーザ723のそれぞれのコヒーレント長は、光学ユニット705の光循環セル群104〜107のそれぞれの光循環セルの複数の出射光の光路差以下である。
走査鏡706は、光循環セル752から出射されたRGB光731を走査してスクリーン707に投射する。
次に効果を説明する。
本実施形態では、RGB光731が複数の光循環セルに入射されるので、RGB光の光強度が均一化される。したがって、ライトパイプを用いなくても、スペックルの低減率を向上させることが可能になる。
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
例えば、光学ユニットの出射面または出射面の前後に、光学ユニットから出射される出射光を集光するための光学レンズが設けられてもよい。これにより、例えば、光学ユニットに入射される入射光の半透過鏡における入射角度や入射位置がずれて、光学ユニットから出射される出射光の幅が拡大したり、その出射光が多峰化した場合でも、その出射光の幅を縮小したり、その出射光を単峰光または略単峰光にしたりすることができる。
また、光透過部材間の接続面には、光の反射および屈折が発生しないように屈折率マッチングジェルが塗られてもよい。
本発明の第一の実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。 本発明の第一の実施形態の光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。 入射光の入射角度と出射光の光強度分布の関係を示した説明図である。 回転数と出射光の光強度との関係を示したグラフである。 複数の半透過面の反射率に関するスペックルコントラストの等高線グラフである。 ある半透過面の反射率とスペックルコントラストとの関係を示したグラフである。 本発明の第二の実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。 本発明の第三の実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。 本発明の第四の実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。 本発明の第五の実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。 奇数角形セルの一例を模式的に示した上面図である。 奇数角形セルの出射光の幅について説明するための説明図である。 奇数角形セルの他の例を模式的に示した上面図である。 奇数角形セルの他の例を模式的に示した上面図である。 本発明の第五の実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。 偶数角形セルの一例を模式的に示した上面図である。 出射光の幅と回転数との関係の一例を説明するための説明図である。 出射光の幅と回転数との関係の他の例を説明するための説明図である。 入射角度と帰還位置のずれ量との関係の一例を示したグラフである。 出射光の幅と回転数との関係の他の例を説明するための説明図である。 入射角度と帰還位置のずれ量との関係の他の例を示したグラフである。 本発明の第八の実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。 ランダム位相板を模式的に示した表面図である。 ランダム位相板の一部分の拡大図である。 本発明の第九の実施形態のレーザ出射装置を模式的に示した構成図である。 光源装置をより詳細に説明するための説明図である。 本発明の第十の実施形態のレーザプロジェクタを模式的に示した構成図である。 特許文献1に記載の光源装置を説明するための説明図である。
符号の説明
1〜4、2031〜2038、2041〜2048 光循環セル
11、21、112、212、301、321、501 半透過面
12〜14、22〜24、41、42、111、211、302、303、322〜325、502〜506 反射面
43 ランダム位相板
101、201、401 導光板
102、103、202 直角プリズム
104〜107、203a〜203k、203a〜203k、402〜407 光循環セル群
151 反射部
602、701、702 光源装置
622 赤外線半導体レーザ
706 走査鏡
712 緑色レーザ、
722 赤色レーザ
723 青色レーザ

Claims (15)

  1. 入射光が入射する入射面が半透過面とされ、該入射光を光路長がそれぞれ異なる複数の出射光とする光学セルを複数備える光学セル群を有し、
    前記光学セル群を構成する複数の光学セルは、間隙なく設けられ、他の光学セルと隣接する面が半透過面であり、前記半透過面以外の面は全反射面である、光学ユニット。
  2. 請求項1に記載の光学ユニットにおいて、
    前記光学セルは、前記光学セルの外部から入射された入射光のうちの前記入射面で透過された光を、循環光として前記全反射面および前記半透過面を用いて循環させ、前記循環光のうちの前記入射面で透過された光のそれぞれと、前記入射光のうちの前記入射面で反射された光とを前記複数の出射光とする、光学ユニット。
  3. 請求項1または2に記載の光学ユニットにおいて、
    前記複数の光学セルは、同じ形状の多面体である、光学ユニット。
  4. 請求項3に記載の光学ユニットにおいて、
    前記複数の光学セルは、断面が奇数角の柱状多面体である光学ユニット。
  5. 請求項3に記載の光学ユニットにおいて、
    前記複数の光学セルは、断面が偶数角の柱状多面体である光学ユニット。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
    前記光学セル群は、複数あり、前記複数の光学セル群は、並設され、
    前記入射光を前記複数の光学セル群のそれぞれに入射させ、前記複数の光学セル群からの出射光を出射する導光部材を有する、光学ユニット。
  7. 請求項6に記載の光学ユニットにおいて、
    前記複数の光学セル群は、間隙なく並設されている光学ユニット。
  8. 請求項7に記載の光学ユニットにおいて、
    前記光学セル群の複数の光学セルは、他の光学セル群の光学セルと隣接する面が半透過面である、光学ユニット。
  9. 請求項6ないし8のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
    前記導光部材は、各光学セル群を構成する複数の光学セルのいずれかの入射面と対向する反射面を有する、光学ユニット。
  10. 請求項9に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セル群は、前記導光部材を挟んで2列設けられ、
    各列の光学セル群を構成する複数の光学セルの入射面が、他の列の光学セルの入射面に対向する反射面と兼用される、光学ユニット。
  11. 請求項6ないし10のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
    前記導光部材は、前記光学セル群の所定の位置からの出射光を、再び前記光学セル群へ入射する、光学ユニット。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルの入射面と異なる面の少なくとも一つは、入射された光の位相をランダムにシフトして反射する、光学ユニット。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の光学ユニットと、
    前記光学ユニットに光を出射する光源と、を有するレーザ出射装置。
  14. 請求項13に記載のレーザ出射装置において、
    前記光源が出射する光のコヒーレンス長は、各光学セルの複数の出射光の光路差以下である、レーザ出射装置。
  15. 請求項13または14に記載のレーザ出射装置と、
    前記光学ユニットから出射された出射光を走査してスクリーンに投射する走査鏡と、を有するレーザプロジェクタ。
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