JP2010122163A - 電子体温計 - Google Patents

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Abstract

【課題】実際の測定において時間経過に伴ってパラメータbが上昇する場合において、予測誤差を低減する。
【解決手段】予測関数によって熱平衡状態に至った平衡温度を予測するものであり、測定開始後の複数の測定点を用いて温度変化が上昇傾向にあるか否かをパラメータbの変化に基づいて判定し、温度変化が上昇傾向にある場合には、その温度上昇傾向のパターンに応じた補正値を用いて補正し、温度変化が上昇傾向にない場合には補正を行わない。これによって、時間経過に伴ってパラメータbが上昇する場合であっても予測誤差を低減することができる。予測手段は、2つのパラメータa,bおよび補正値αを有する平衡予測温度を求める予測関数を決定する予測関数決定部と、予測関数決定部により決定された予測関数を用いて熱平衡時間時における平衡温度を算出する熱平衡予測温度算出手段とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、検出温度から平衡温度を予測する電子体温計に関する。
一般に、電子体温計は、温度センサで体温を検出し、この温度センサの検出信号を信号処理し、その実測値を表示している。測定開始直後には温度センサの温度と体温との間に温度差があるため、温度センサが被測定部位と熱平衡状態となるまでに時間を要する。
そこで、電子体温計では、実測値の変化から熱平衡状態での平衡温度を予測し、この予測値を順次更新して表示することによって、測定時間を短縮している。
平衡温度の予測は、典型的には測定温度とその変化率を監視し、この測定温度と変化率を変数とする予測関数を演算することで行われる。この予測関数を用いて平衡温度を予測する電子体温計として種々のものが提案されている。
例えば、予測関数による平衡温度の予測では、温度予測として用いられた予測関数が適切でない場合には、予測精度が低下するという問題がある。この問題に対して、平衡温度を予測する予測関数を複数用意しておき、所定間隔で平衡温度を予測し、今回の平衡温度予測値と前回の平衡温度予測値との差が所定範囲外の場合には、新たな予測関数を選択し、所定範囲内の場合には平衡温度予測値を表示し、予測演算を続行する電子体温計が提案されている(特許文献1参照)。
また、個人的ばらつきによる測定精度へ影響を低減させる平衡温度の予測として、センサから出力される体温をサンプリングし、各検出出力の時間微分の対数値に基づいて直線式TL=A−τ´t(TLは各検出出力の時間微分の対数値、tは時間、A及びτ´はパラメータ部)のパラメータ部を回帰法で算出し、算出された値から熱平衡後の体温を予測演算するものが提案されている(特許文献2参照)。
また、センサの初期温度や熱時定数の影響を受けずに平衡温度を予測するものとして、センサと被測定体とが熱平衡に達する以前における3点の値T1,T2,T3を用い、Tu=(T2^2−T1T3)/(2T2−T1−T3)で平衡温度を予測するものが提案されている。なお、“^”は冪乗を表している(特許文献3参照)。
また、本出願人は平衡温度の予測において、3つのパラメータ(a,b,c)を有する予測関数Tu=c・(C−t)+a・t^bを用いることによって、平衡予測温度を求めるサンプリング数を少なくし、外的要因や個人差等の影響を低減する電子体温計を提案している。
この電子体温計では、3つのパラメータ(a,b,c)を有する予測関数Tu=c・(C−t)+a・t^bを用いて平衡温度を予測する場合は、測定点から熱平衡点までの間を直線的に補正するパラメータcを決定する際、予測関数の曲線の形状を定めるパラメータbと一測定点の測定温度とパラメータcとの関係を表したテーブルを用意しておき、パラメータbと測定温度からパラメータcを求めることができる。
図11は、パラメータbと測定点の測定温度に基づいてパラメータcを定めるテーブルを説明するための図である。図11において、縦軸をパラメータbとして横軸を測定温度T1としている。パラメータcは、パラメータbと測定温度T1とを結ぶ線によって求めることができる。
図12は、予測関数のパラメータa,b,cを定める手順を説明するための図であり、はじめに、2測定点のデータ([t1,T1]、[t2,T2])を用いて仮パラメータa′とパラメータbを定め(図12(a))、次に、図11で示したテーブルを用いてパラメータcを定め(図12(b))、さらに、1測定点のデータ([t2,T2])を用いてパラメータaを再決定する(図12(c))(特許文献4参照)。
特公平2−59418号公報 特公平4−7456号公報 特開昭55−71919号公報 特開2006−308540号公報
前記した複数の予測関数の中から使用する予測関数を測定毎に選択する場合には、予測のための制御が複雑となる他、予め複数の予測関数を用意しておく必要があるといった構成上の問題がある他に、適切な予測関数が選択されない場合には、予測値が求められないという問題がある。
また、回帰法により算出を行う場合には、サンプリング数を増やすことで精度を向上させることができるが、予測値を決定するまでに時間がかかるという問題がある。これに対して、サンプリング数を減らして測定時間を短縮しようとした場合には、正確な予測値を得ることができなくなるという問題がある。
また、Tu=(T2^2−T1T3)/(2T2−T1−T3)という予測関数は、Tu−T=(Tu−T0)e^(−t/τ)という理論式を元としている(なお、Tuは熱平衡温度、T0は初期温度、Tは検出温度、tは時間、τは熱時定数、“^”は冪乗である)。この理論式は理想的な体温上昇をモデルとするものであって、得られた予測関数は被測定対象に依存する自由度を持たない関数であるため、外的要因や個人差等により必ずしも正確な予測値を決定することができないという問題がある。
また、3つのパラメータ(a,b,c)を有する予測関数Tu=c・(C−t)+a・t^bを用いることによって平衡予測温度を求める場合には、測定者による測り方によって測定誤差が発生する場合がある。
通常、測定時における温度が上昇する割合は小さくなるため、パラメータbの値は時間が経過するに従って減少する。上記したテーブルは、このような通常の温度変化の傾向を基にしてパラメータcを設定しているが、測定者の測り方によって通常と異なる温度変化の傾向を示す場合があり、パラメータbの値が時間経過に従って上昇する場合がある。例えば、時間経過に従って電子体温計を測定部位により良好に接触させるような場合には、パラメータbの値は時間経過に従って上昇する場合がある。
このように、実際の測定において時間経過に伴ってパラメータbが上昇する場合に、通常の温度変化の傾向を基にして設定したパラメータcを用いると予測温度は低くなり、予測誤差が増大するという問題がある。
図12(c)において、時間経過に伴ってパラメータbが上昇する場合には、予測関数はパラメータbの上昇が考慮されていないため、実測値と予測関数(薄い破線で示す)との間の誤差は大きくなる。
そこで、本発明は従来の問題を解決し、実際の測定において時間経過に伴ってパラメータbが上昇する場合において、予測誤差を低減することを目的とする。
本発明の電子体温計は、予測関数によって熱平衡状態に至った平衡温度を予測するものであり、測定開始後の複数の測定点を用いて温度変化が上昇傾向にあるか否かをパラメータbの変化に基づいて判定し、温度変化が上昇傾向にある場合には、その温度上昇傾向のパターンに応じた補正値を用いて補正し、温度変化が上昇傾向にない場合には補正を行わない。これによって、時間経過に伴ってパラメータbが上昇する場合であっても予測誤差を低減することができる。なお、温度変化が上昇傾向にない場合には、従来のテーブルを用いた補正値を設定する構成としてもよい。
これによって、時間経過に伴ってパラメータbが上昇する場合であっても予測誤差を低減することができる。
本発明の電子体温計は、被測定部位の温度を検出する温度検出手段と、検出した温度に応じて平衡温度を算出する予測手段とを備える。
本発明の予測手段は、2つのパラメータa,bおよび補正値αを有する平衡予測温度を求める予測関数Tu=α・(C−t)+a・t^b(Tu:熱平衡予測温度、t:測定開始からの測定時間、a:予測関数の曲線の倍率を定めるパラメータ、b:予測関数の曲線の形状を定めるパラメータ、α:予測関数を直線状に補正する補正値、C:時間定数、^:冪乗)のパラメータa,bおよび補正値補正値αを求めて予測関数を決定する予測関数決定部と、予測関数決定部により決定された予測関数を用いて熱平衡時間時における平衡温度を算出する熱平衡予測温度算出手段とを備える。
予測手段は、予測関数決定部によって測定開始から所定の時間が経過した測定点のデータを用いて予測関数を決定し、予測関数を用いて熱平衡予測温度算出手段によって熱平衡時間時における平衡温度を算出する。
本発明の予測関数決定部は、予測関数の測定開始から熱平衡時点までを直線状に補正する補正値αを、測定温度の増加特性の時間変化の傾向に基づいて算出する補正値算出部と、予測関数の曲線の倍率を定めるパラメータaおよび予測関数の曲線の形状を定めるパラメータbを算出するパラメータ算出部とを備え、パラメータ算出部は算出したパラメータa,bおよび補正値算出部で算出した補正値αに基づいて予測関数を決定する。
本発明のパラメータ算出部は、少なくとも4測定点から選択した2測定点の検出温度とこの検出温度の測定時間を用いて、測定開始からの時間帯を異にする少なくとも3つのパラメータbを算出し、この少なくとも3つのパラメータbの時間的変化から測定温度の増加特性の時間変化の傾向を求める。
例えば、測定開始に近い時間帯を前期とし、測定開始から遠い時間帯を後期とした場合、前期のパラメータbの時間的変化と後期のパラメータbの変化の増減の組み合わせパターンによって、測定温度の増加特性の時間変化が上昇傾向にあるか否かを判定することができる。
本発明の補正値算出部は、測定温度の増加特性の時間変化の傾向と補正値αとの関係を予め定めて備えておき、この関係からパラメータ算出部で求めた測定温度の増加特性の時間変化の傾向に対応する補正値αを求める。
本発明のパラメータ算出部は、補正値αを零とし、2測定点の検出温度およびこの検出温度の測定時間を用いてパラメータbを決定すると共に仮パラメータa′を仮決定し、さらに、パラメータb及び補正値α、並びに、2測定点の何れか一方の測定点の検出温度及びこの検出温度の測定時間を予測関数に代入してパラメータaを再決定する。
パラメータ算出部において、パラメータbは、b=ln(T1/T2)/ln(t1/t2)(T1、T2は2測定点の検出温度、t1、t2は測定時間、lnは対数)の演算式で算出することができ、仮決定される仮パラメータa′は、lna′=(lnT2・lnt1−lnT1・lnt2)/(lnt1−lnt2)(T1、T2は2測定点の検出温度、t1、t2は測定時間、lnは対数)の演算式で算出することができ、再決定されるパラメータaは予測関数Tu=α・(C−t)+a・t^bの演算式で算出することができる。
本発明の予測手段は、温度検出手段により検出された温度に基づいて温度勾配を算出する温度勾配算出部を備える。この温度勾配算出部は、検出温度の温度勾配が所定範囲内となった時点の検出温度を2つもしくは3つの検出温度の内の最初の第1点目の検出温度を検出する測定時間とする。
また、本発明の予測手段は計時部を備える。この計時部は、第1点目の温度検出からの時間を計時して、第1点目の測定時間から所定時間後における第2点目乃至第3点目の測定時間とする。
本発明の熱平衡予測温度算出手段は、パラメータa,パラメータb、及び補正値αとにより定まる予測関数の測定時間tに熱平衡予測時間を代入して熱平衡予測温度を算出する。予測関数Tuが備える演算時定数Cは熱平衡予測時間とすることができ、熱平衡予測時間時における平衡温度を求める際にt=Cとすることで、熱平衡予測温度を算出することができる。時定数Cを熱平衡予測時間とし、例えば、C=600秒とすることによって測定開始から600秒後の予測時間を算出することができる。
また、本発明の電子体温計は、予測関数を定めるパラメータを検出温度とその測定時間を用いて決定することによって、外的要因や個人差等に応じた予測関数となり、外的要因や個人差によるばらつきを低減することができる。
さらに、予測関数のa・t^b部で温度上昇曲線を近似し、一次関数であるα・(C−t)部でその曲線を補正するという単純な式で熱平衡時点の温度を正確に予測でき、予測手段をシンプルに設計することができる。
本発明の電子体温計は、測定開始後の複数の測定点を用いて温度変化が上昇傾向にあるか否かをパラメータbの変化に基づいて判定し、温度変化が上昇傾向にある場合には、その温度上昇傾向のパターンに応じた補正値を用いて補正することによって、時間経過に伴ってパラメータbが上昇する場合であっても予測誤差を低減することができる。
以下、本発明の電子体温計について図を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の電子体温計の概略構成を説明するための図である。
電子体温計は、被測定部位の温度を検出する温度検出手段1と、温度検出手段1で検出した実測値を用いて熱平衡時の温度を算出する予測手段2と、予測手段2で予測した予測値を表示する表示手段3と、予測値表示を音で告知するブザー4と、前回の測定値あるいは予測値を記憶する前回値記憶手段5と、表示手段3やブザー4の他に電子体温計の駆動を制御する制御手段6を備える。
温度検出手段1は、被測定部位の温度を測定する温度センサ1aと、温度センサ1aから出力される検出信号を温度信号に変換して実測値として出力する温度測定部1bを備える。温度測定部1bはA/D変換器を備え、実測値をデジタル値で出力する。
表示手段3は、予測値や実測値を表示する表示部3bと、表示部3bに対して予測値の表示から実測値の表示に切り替え等の表示切り替えを制御する表示切替部3aとを備える。
表示部3bは、予測手段2で予測した予測値を表示する他に、前回値記憶手段5に記憶する前回実測値あるいは前回予測値や、測定値が安定した後に予測値から実測値に切り替える場合にはその実測値を表示する。また、予測中であること、予測値の表示中であること、あるいは実測値の表示中であること等の表示状態についても、必要に応じて表示することができる。
制御手段6は、電子体温計全体の制御を行う他に、測定開始から所定時間(例えば、3分)が経過したか否かの判定を行い、表示切替部3aに対して表示切替の制御を行う。このとき、予測表示から実測表示への切替制御は、測定値が安定したか否かの安定検出により行なっても良い。また、予測値表示時や予測値表示から実測値への表示切り替え時等に、ブザー4を駆動して音で告知を行う。なお、予測手段2については、図3を用いて後述する。
本発明の電子体温計の動作例を、図2のフローチャートを用いて説明する。なお、以下のフローチャートにおいて、S7を除く各工程は、予測温度を算出する従来の電子体温計の動作と同様とすることができる。また、各工程の制御は、CPU及び制御プログラムが記憶されたメモリ等で構成される制御手段によって行われる。
電子体温計のスイッチがオンされると、表示手段3の表示セグメントを全点灯表示させる等の表示動作(S1)、及びブザーによる音動作を行って、スイッチがオン状態となったことを表示する(S2)。なお、この全点灯表示は一例であって、他の表示形態とすることもできる。表示手段3は、全点灯表示を行った後、前回値記憶手段5に記憶しておいた前回の測定値を読み出して表示する(S3)。
温度検出手段1は温度測定を開始し、検出した実測値を予測手段2及び制御手段6に送る(S4)。温度測定が開始されると、表示手段3は予測中であることを表示する(S5)。予測手段2は、温度検出手段1で検出された実測値を順次入力し、予め設定された時点での実測値を予測演算用データとして取り込んで(S6)、予測値の算出処理を行う(S7)。
なお、予測演算用データとして取り込むデータ数や、取り込むタイミングは種々設定することができる。図3は予測演算用データの一例を説明するための図である。図3(a)は予測関数のパラメータを決定するために用いる予測演算用データ(T1,T2)の算出を説明するための図である。図3(a)において、時間t0で測定を開始した後、温度上昇率から第1番目のデータ点(時間t1)を選択し、第1番目から所定時間経過した時点を第2のデータ点(時間t2)を選択する等によって2点の予測演算用データ([t1,T1],[t2,T2])を抽出し、これらの予測演算用データ([t1,T1],[t2,T2])を所定の予測用の演算式に適用させることで予測値を算出する。
また、図3(b)は予測関数の補正値を決定するために、測定温度の増加特性の時間変化の傾向を求めるために用いる予測演算用データ([tA,TA]〜[tD,TD])の算出を説明するための図である。図3(b)において、例えば、[tA,TA]と[tB,TB]の間、[tB,TB]と[tC,TC]の間、[tC,TC]と[tD,TD]の間の測定温度の増加特性の時間変化の傾きをパラメータbによって求め、求めたパラメータbの増減から測定温度の増加特性の時間変化の傾向を求める。
求めた測定温度の増加特性の時間変化の傾向から、予測関数を直線状に補正する補正値を定める。
予測手段2は、S7の工程で算出した予測値を表示手段3に送って、予測値を表示すると共に(S8)、ブザー6を鳴らすことによって利用者に予測値が表示されたことを告知する(S9)(予測値表示モード)。
時間T0で測定を開始してから3分が経過したか否かの判定を行い(S10)、表示切替部3aに対して表示切替の制御を行って、表示手段3に実測値を表示する(実測値表示モード)。ここで、表示手段3は実測値を表示し(S11)、ブザー6を鳴らすことによって利用者に安定状態となったことを告知する(S12)。
予測表示から実測表示への切替制御は、測定値が安定したか否かの安定検出により行なっても良い。この場合には、制御手段6は検出温度の変化が安定状態に達したことの検出によって温度が熱平衡状態にあると判定する。
次に、本発明の電子体温計が備える予測手段について、図4を用いて予測手段の構成例を説明し、図5のフローチャート及び図6〜図9の温度特性曲線を用いて予測動作について説明する。
図4において、予測手段2は、予測演算用データ保持部2aと、予測関数決定部2bと、温度勾配算出部2cと計時部2dと、熱平衡予測温度算出部2eを備える。予測関数決定部2bと熱平衡予測温度算出部2eは予測演算部を構成している。
温度勾配算出部2cは、温度検出手段1からの実測値を入力し、この上昇率から温度勾配を算出し、この温度勾配が所定範囲内となった時点を第1のデータ点を取得する時間t1とし、この時の実測値T1と共に予測演算用データ保持部2aに保持させる。また、計時部2dは、温度勾配算出部2cで定めた時間t1から計時を開始し、予め設定した時間が経過した時点を第2のデータ点を取得する時間t2とし、この時の実測値T2と共に予測演算用データ保持部2aに保持させる。これによって、予測演算用データ保持部2aには、2つの予測演算用データ[t1,T1],[t2,T2]が記憶される。
また、計時部2dは、測定開始から予め設定した時間が経過した少なくとも4測定点の時点においてデータ点を取得する。ここでは、データ点を取得する時間をtA,tB,tC,tDとし、この時の実測値TA,TB,TC,TDと共に予測演算用データ保持部2aに保持させる。ここで取得するデータ点は、測定温度の増加特性の時間変化の傾向を求めるために用いる予測演算用データ([tA,TA]〜[tD,TD])を取得するものある。なお、このデータ点は4点に限らず、後に説明する例では5点の場合を示している。図4は、5点のデータ点の例に基づいて実測値TA,TB,TC,TD,TEを示している。
また、予測関数決定部2bは、パラメータ算出部2b1と補正値算出部2b2とを備える。パラメータ算出部2b1は、パラメータ決定部2b11とパラメータ再決定部2b12とを備える。
パラメータ決定部2b11は、2つの予測演算用データ([t1,T1],[t2,T2])を用いて、予測関数が有するパラメータの内のパラメータaを仮決定すると共に、パラメータbを決定する。なお、以下、仮決定したパラメータaをパラメータa′で表す)。
また、パラメータ再決定部2b12は、1つの予測演算用データ([t2,T2])と、パラメータ決定部2b11で決定したパラメータbと、補正値算出部2b2で算出した補正値αと用いて、予測関数のパラメータaを再決定する。
補正値算出部2b2は、少なくとも4つの予測演算用データ([tA,TA]〜[tD,TD])を用いてパラメータ決定部2b11で求めたパラメータb(以下、補正値算出に用いるパラメータbをパラメータb′と表す)を用い、このパラメータb′の時間変化の増減に基づいて補正値αを算出する。補正値算出部2b2は、パラメータb′の時間変化の増減のパターンに対して補正値αを予め定めて記憶しておき、パラメータ決定部2b11から得られたパラメータb′の時間変化の増減に基づいて補正値αを求めることができる。
熱平衡予測温度算出部2eは、予測関数決定部2bで決定したパラメータa,bおよび補正値αを用いて決定された予測関数を用いて熱平衡予測温度を算出し、予測温度Tuを出力する。
予測関数決定部2bおよび熱平衡予測温度算出部2eからなる予測演算部による演算動作を、図5に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図5のフローチャートにおいて、S101〜S108およびS201〜S210、は、予測演算用データ保持部2a、温度勾配算出部2c,計時部2dが行う処理であり、予測演算用データ([t1,T1],[t2,T2],[tA,TA]〜[tE,TE])を保持させる動作である。
図5のフローチャートにおいて、計時部2dは、測定開始を検出すると(S101)、t=0として計時を開始する(S102)。また、温度勾配算出部2cは、実測値を入力してその上昇率を算出し、その上昇率が所定範囲であるか否かを判定する。上昇率は、例えば、所定時間毎に入力する実測値の差分値が、所定の温度範囲にあるか否かで判定することができる。この上昇率の判定は、前回入力した実測値をT(t−1)とし今回入力した実測値をT(t)としたとき、その差分T(t)−T(t−1)が、例えば0.00℃と0.02℃の温度範囲内にあるか否かを判定することで行うことができる(S103)。
本例では温度上昇率が所定範囲内となった後、所定時間tb(例えば1秒後)後に(S104)、改めて入力された実測値T(t)と前回入力された実測値T(t−1)の差分T(t)−T(t−1)が再度所定温度範囲内(例えば0.00℃と0.02℃)にあるか否かを判定することで、上昇率に大きな変動がないことを確認し、次のステップに移る(S105)。これは、正常な温度上昇によらず、何らかの原因で上昇率の変化が所定範囲に入ってしまうようなケースを除外することによって、温度上昇率が確実に安定の方向に移行していること確認するためである。仮に、差分T(t)−T(t−1)が再度所定温度範囲内と成らないときは、前回のS103での温度上昇の判定は誤りであったと判断してS103に戻り、再び所定範囲内に入るまで判定を繰り返す(S105)。
S105の工程において、温度差が所定範囲内と成った場合には、その時の時間t1と実測値T1を予測演算用データ保持部2aに保持して、第1のデータ点[t1,T1]を決定する(S106)。
計時部2dは、時間の経過を監視し、時間t1から所定時間tcが経過すると、時間t2を予測演算用データ保持部2aに通知する(S107)。予測演算用データ保持部2aは、時間t2とそのときの実測値T2を保持して、第2のデータ点[t2,T2]を決定する(S108)。第2のデータ点[t2,T2]を定める所定時間tcは、例えば10秒とすることができる。図6は2つのデータ点[t1,T1],[t2,T2]を示している。
パラメータ決定部2b11は、第1のデータ点[t1,T1]と第2のデータ点[t2,T2]を用いて、予測関数のパラメータa及びパラメータbを算出する。ここで、熱平衡予測温度Tuの予測関数は、
予測関数:Tu=α・(C−t)+a・t^b …(1)
Tu:熱平衡予測温度
t:測定開始からの測定時間
a:予測関数の曲線の倍率を定めるパラメータ
b:予測関数の曲線の形状を定めるパラメータ
α:予測関数を直線状に補正する補正値、
C:時間定数
^:冪乗
を備える。
予測関数Tuは、(a・t^b) で表される時間tと共に増加率が減少する項と、α・(C−t)で表される時間tと“α・C”(時間t=0)の値から“0”(時間t=C)まで直線的に減少する補正項に相当する項とを備える演算式で表される。
この時のパラメータaとパラメータbの算出は、補正値αを零とすることで得られ、パラメータbを決定すると共に、パラメータa´を仮決定する。仮決定したパラメータa´は後に再度求めて、パラメータaを決定する。
上記した予測関数に、第1のデータ点[t1,T1]と第2のデータ点[t2,T2]を代入すると、パラメータa´は、
lna´=(lnT2・lnt1−lnT1・lnt2)/(lnt1−lnt2) …(2)
として仮決定される。ここで、仮決定のパラメータaをパラメータa´で表している。“ln”は対数関数を表している。
また、パラメータbは、
b=ln(T1/T2)/ln(t1/t2) …(3)
により決定される。この工程によって、仮パラメータa´とパラメータbが定まる。図7(a)はこの段階における予測関数を示している(S109)。
一方、計時部2dは、測定を開始した後、所定時間tA、tB、tC、tD、tEが経過する毎に予測演算用データ保持部2aにデータ取得時を知らせ、その時点の実測値(TA,TB,TC,TD,TE)を予測演算用データ保持部2aに保持させる(S201〜S210)。
パラメータ決定部2b11は、予測演算用データ保持部2aから測定データ([tA,TA]〜[tE,TE])を取得して、パラメータbを算出する。パラメータbの算出は式(3)を用いて行うことができる。ここでは、算出したパラメータbをパラメータb′で表す。
図8は、5つのデータ点([tA,TA]〜[tE,TE])を用いて5つのパラメータb′を算出し、このパラメータb′の時間変化の増減に基づいて予測関数の増減特性のパターンを定める例を示している。
ここでは、データ点A[tA,TA]とデータ点C[tC,TC]のペア、データ点B[tB,TB]とデータ点D[tD,TD]のペア、データ点C[tC,TC]とデータ点E[tE,TE]のペアの各データ点のペアによって3つのパラメータb′を求める例を示している。
データ点[tA,TA]とデータ点[tC,TC]のペアで得られるパラメータb′(A-C)と、データ点[tB,TB]とデータ点[tD,TD]のペアで得られるパラメータb′(B-D)と、データ点[tC,TC]とデータ点[tE,TE]のペアで得られるパラメータb′(C-E)は、それぞれ異なる時間帯でのパラメータb′を表し、それぞれ時間順であるため、これらの3つのパラメータb′(A-C)、パラメータb′(B-D)、およびパラメータb′(C-E)は測定値の時間変化の増減を表している(S110)。
補正値算出部2b2は、パラメータ決定部2b11からパラメータb′を取得し、このパラメータb′の時間変化の増減から予測関数の増減特性のパターンを判定し、この増減特性のパターンを判定条件として予め定めておいた補正値αを用いて、補正値αを求める。
表1は、判定条件を説明するための表である。
Figure 2010122163
表1に示す判定条件では、パラメータb′の増減特性のパターンとパラメータbの値(b値)との組み合わせた例を示している。パラメータb′の増減特性のパターンとして、時間経過において前期におけるパラメータb′の増減と後期におけるパラメータb′の増減の例を示し、前期におけるパラメータb′の増減はデータ点AとBから求めたパラメータb′(A-C)とデータ点BとDから求めたパラメータb′(B-D)との差分によって表し、後期におけるパラメータb′の増減はデータ点BとDから求めたパラメータb′(B-D)とデータ点CとEから求めたパラメータb′(C-E)との差分によって表している。
表1に示す例では、b値が予め定めた設定値B1以下であり、かつ、前期におけるパラメータb′の差分が“負”で後期におけるパラメータb′の差分が“負”の増減パターンの場合には補正値α1を設定し、b値が予め定めた設定値B1以下であり、かつ、前期におけるパラメータb′の差分が“正”で後期におけるパラメータb′の差分が“正”の増減パターンの場合には補正値α2を設定し、b値が予め定めた設定値B1以下であり、かつ、前期におけるパラメータb′の差分が“正”で後期におけるパラメータb′の差分が“負”の増減パターンの場合には補正値α3を設定し、b値が予め定めた設定値B1以下であり、かつ、前期におけるパラメータb′の差分が“負”で後期におけるパラメータb′の差分が“正”の増減パターンの場合には補正値α4を設定している。
また、b値が予め定めた設定値B2以下の場合には、パラメータb′の増減パターンにかかわらず補正値α5を設定するようにしてもよい。
図9は、表1に示したパラメータb′の増減パターンを示す測定値の変化例を示す図である。図9(a)〜(d)は、表の(a)〜(d)の各パラメータに対応している。
図9(a)の測定値の変化では時間が経過するに伴ってパラメータb′が増加する。図9(b)の測定値の変化では時間が経過するに伴ってパラメータb′が減少する。図9(c)の測定値の変化では時間が経過するに伴ってパラメータb′が一旦減少した後に増加する。図9(d)の測定値の変化では時間が経過するに伴ってパラメータb′が一旦増加した後に減少する。
何れのパターンにおいても、時間が経過するに伴ってパラメータb′が増加する時間帯が存在する。このようなパラメータb′の増減パターンで変化する測定値に対して、従来のようにパラメータb′が減少することを前提として設定した補正値αを用いて予測関数を定めると、予測関数は低めの平衡温度を予測することになり誤差が大きくなる。
これに対して、本発明では、時間が経過するに伴ってパラメータb′が増加する時間帯が存在する場合には、各増加パターンに応じた補正値αを予め求めて設定しておき、増加パターンに応じた補正値αを抽出することによってより適正な予測関数を定めることができ、誤差を低減することができる。
一般に、大きなパラメータbの値(b値)が大きい場合には、測定を開始してから初期の早い段階で測定値が増加して平衡温度に近づくことを意味している。そのため、パラメータbの値(b値)が大きい場合には補正値αの設定を省くことができる。表1に示す例では、パラメータbの値(b値)が例えばB1以下の条件とパラメータb′の増減の条件とのアンドを判定条件として、パラメータbの値(b値)が所定値以下の場合に補正値αを設定している。
判定条件は、表1に示したパターン例の様にパラメータb′の差分と零との比較に限らずに、差分の値と零以外の所定の数値との比較によって定めてもよい。また、パラメータb′の差分を求めるパラメータb′の組み合わせについても、上記した例に限らず異なる組み合わせとしてもよい。
また、前期と後期の組み合わせの他に、前期と後期との間に中期を設定してこれらの間におけるパラメータb′の増減パターンとしてもよい。
補正値算出部2b2は、このパラメータb′の時間変化の増減、あるいはパラメータbの値との組み合わせに基づいて補正値αを算出する。補正値算出部2b2は、パラメータb′の時間変化の増減のパターンに対して補正値αを予め定めて記憶しておき、パラメータ決定部2b11から得られたパラメータb′の時間変化の増減に基づいて補正値αを求めることができる。図7(a)はこの段階における予測関数を示している(S111)。
次に、パラメータaが仮決定のパラメータa´であるため、前記式(1)で表される予測関数Tuに第2のデータ点[t2,T2]を代入することによってパラメータaを再決定する。ここで、式(1)で表される予測関数Tuに代入するデータ点は第1のデータ点[t1,T1]を用いることもできるが、第2のデータ点[t2,T2]は平衡温度に近い測定点であるため、この平衡温度に近い測定点のデータを用いることによて予測関数の精度が高まることが期待される(S112)。
これによって、式(1)で表される予測関数Tuのパラメータa,bおよび補正値αが定まる。図7(c)中では、予測関数Tuは薄い破線で表される。
熱平衡予測温度は、式(1)の予測関数においてt=C(Cは時間定数)とすることで算出することができる(S113)。算出した熱平衡予測温度Tuは表示部3bに表示する(S114)。
次に、本発明による補正値αの設定例を表2および図10を用いて説明する。
表2は本発明による補正値αの設定例を示している。
Figure 2010122163
表2において、例(a)では、パラメータbの値(b値)が0.0112以下の条件と、パラメータb′の増減パターンにおいて、パラメータb′(A-C)とパラメータb′(B-D)との差分(b′(A-C)−b′(B-D))が≧0であり、かつ、パラメータb′(B-D)とパラメータb′(C-E)との差分(b′(B-D)−b′(C-E))が<−0.0005の条件を満たす場合に、補正値αとして−0.0010を設定する例を示している。
また、例(b)では、パラメータbの値(b値)が0.0112以下の条件と、パラメータb′の増減パターンにおいて、パラメータb′(A-C)とパラメータb′(B-D)との差分(b′(A-C)−b′(B-D))が<0であり、かつ、パラメータb′(B-D)とパラメータb′(C-E)との差分(b′(B-D)−b′(C-E))が<0の条件を満たす場合に、補正値αとして−0.0008を設定する例を示している。
例(a),(b)と同様に、例(c)〜(e)において、パラメータbの値(b値)の条件とパラメータb′の増減パターンとを判定条件として補正値αを設定する例を示している。
図10(a)〜(d)は、表2の例(a)〜(c),(e)のパラメータb′の増減パターンにおいて、各時間帯におけるパラメータb′の大きさの関係を示している。ここでは、パラメータb′(A-C)を基準として、パラメータb′(B-D)とパラメータb′(C-E)の大小関係を示している。なお、上記した表2,図10ではA=10sec,B=15sec,C=20sec,D=25sec,E=30secの例を示している。
この態様によれば、パラメータbの値(b値)の条件とパラメータb′の増減パターンとを判定条件として補正値αを設定することによって、時間経過に伴って測定温度の上昇の傾きが増加する状態が発生した場合であっても、その増加状態のパラメータに応じて補正値αを設定することができるため、測定温度の上昇の傾きが増加による誤差を低減することができる。
以下、本発明の予測による予測誤差と、特許文献4に示す従来の予測による予測誤差とを表3に比較して示す。ここで、測定条件は常温測定であり、予測誤差は「(予測値)−(10分後の実測値)」で表すものとする。
Figure 2010122163
上記比較結果から、本願発明による予測誤差は0.0℃〜−0.1℃であるのに対して、特許文献4に示す予測関数を用いた場合の予測誤差は−0.3℃〜−0.4℃であり、本願発明による測定誤差は、従来の予測関数を用いた場合の予測誤差よりも減少していることを確認することができる。
本発明の電子体温計の概略構成を説明するための図である。 本発明の電子体温計の動作例を説明するためのフローチャートである。 予測演算用データの一例を説明するための図である。 本発明の予測手段の概略構成を説明するための図である。 本発明の電子体温計の予測温度を求める動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の電子体温計の予測温度を求める動作を説明するための温度特性曲線図である。 本発明の電子体温計の予測温度を求める動作を説明するための温度特性曲線図である。 本発明の電子体温計の予測温度を求める動作を説明するための温度特性曲線図である。 パラメータb′の増減パターンを示す測定値の変化例を示す図である。 パラメータb′の増減パターンにおいて各時間帯におけるパラメータb′の大きさの関係を示す図である。 従来のパラメータbと測定点の測定温度に基づいてパラメータcを定めるテーブルを説明するための図である。 従来の予測関数のパラメータa,b,cを定める手順を説明するための図である。
符号の説明
1 温度検出手段
1a 温度センサ
1b 温度測定部
2 予測手段
2a 予測演算用データ保持部
2b 予測関数決定部
2b1 パラメータ算出部
2b11 パラメータ決定部
2b12 パラメータ再決定部
2b2 補正値算出部
2e 熱平衡予測温度算出部
2c 温度勾配算出部
2d 計時部
3 表示手段
3a 表示切替部
3b 表示部
4 ブザー
5 前回値記憶手段
6 制御手段

Claims (8)

  1. 被測定部位の温度を検出する温度検出手段と、
    検出した温度に応じて平衡温度を算出する予測手段とを備え、
    前記予測手段は、
    2つのパラメータa,bおよび補正値αを有する平衡予測温度を求める予測関数
    Tu=α・(C−t)+a・t^b
    (Tu:熱平衡予測温度
    t:測定開始からの測定時間
    a:予測関数の曲線の倍率を定めるパラメータ
    b:予測関数の曲線の形状を定めるパラメータ
    α:予測関数を直線状に補正する補正値
    C:時間定数
    ^:冪乗)
    のパラメータa,bおよび補正値αを求めて予測関数を決定する予測関数決定部と、
    前記予測関数決定部により決定された予測関数を用いて熱平衡時間時における平衡温度を算出する熱平衡予測温度算出手段とを備え、
    前記予測関数決定部は、
    前記予測関数の測定開始から熱平衡時点までを直線状に補正する補正値αを、測定温度の増加特性の時間変化の傾向に基づいて算出する補正値算出部と、
    前記予測関数の曲線の倍率を定めるパラメータaおよび前記予測関数の曲線の形状を定めるパラメータbを算出するパラメータ算出部とを備えることを特徴とする電子体温計。
  2. 前記パラメータ算出部は、
    少なくとも4測定点から選択した2測定点の検出温度と当該検出温度の測定時間を用いて、測定開始からの時間帯を異にする少なくとも3つのパラメータbを算出し、当該少なくとも3つのパラメータbの時間的変化から測定温度の増加特性の時間変化の傾向を求め、
    前記補正値算出部は、
    測定温度の増加特性の時間変化の傾向と補正値αとの関係を予め定めて備え、前記パラメータ算出部で求めた測定温度の増加特性の時間変化の傾向に対応する補正値αを前記関係から求めることを特徴とする、請求項1に記載の電子体温計。
  3. 前記パラメータ算出部は、
    前記補正値αを零とし、2測定点の検出温度および当該検出温度の測定時間を用いてパラメータbを決定すると共に仮パラメータa′を仮決定し、
    さらに、前記パラメータb及び補正値α、並びに、2測定点の何れか一方の測定点の検出温度及び当該検出温度の測定時間を前記予測関数に代入してパラメータaを再決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子体温計。
  4. 前記パラメータ算出部は、
    パラメータbを、
    b=ln(T1/T2)/ln(t1/t2)
    (T1、T2は2測定点の検出温度、t1、t2は測定時間、lnは対数)
    の演算式で算出し、
    前記仮決定される仮パラメータa′を、
    lna′=(lnT2・lnt1−lnT1・lnt2)/(lnt1−lnt2)
    (T1、T2は2測定点の検出温度、t1、t2は測定時間、lnは対数)
    の演算式で算出し、
    前記再決定されるパラメータaを
    予測関数Tu=α・(C−t)+a・t^b
    の演算式で算出することを特徴とする請求項3に記載の電子体温計。
  5. 前記予測手段は、
    前記温度検出手段により検出された温度に基づいて温度勾配を算出する温度勾配算出部を備え、
    前記温度勾配算出部は、検出温度の温度勾配が所定範囲内となった時点の検出温度および当該検出温度の測定時間を前記2測定点の検出温度と当該検出温度の測定時間の内の最初の第1点目とすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の電子体温計。
  6. 前記予測手段は計時部を備え、
    前記計時部は、前記第1点目の温度検出からの時間を計時して、第1点目の測定時間から所定時間後の時間を第2点目の測定時間とすることを特徴とする請求項5に記載の電子体温計。
  7. 前記熱平衡予測温度算出手段は、前記パラメータa,パラメータb、および補正値αで定まる予測関数の測定時間tに熱平衡予測時間を代入して熱平衡予測温度を算出することを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の電子体温計。
  8. 前記時定数Cは、熱平衡予測時間であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一つに記載の電子体温計。
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