JP2010121605A - エンジン制御パラメータ最適化方法 - Google Patents

エンジン制御パラメータ最適化方法 Download PDF

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保昭 熊谷
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Abstract

【課題】エンジン燃焼前後の炭素の原子数(モル数)が変化しないことに着目して排出黒煙量を求め、該黒煙量を基に燃料成分および排ガス分析結果から固体炭素(PM)への反応速度を算出し、該反応速度に基づいて、または指標にして排出黒煙の低減、さらに燃費向上に適するディーゼルエンジンの制御パラメータを設定する最適化方法を提供すること。
【解決手段】排ガス成分分析の結果から炭素の主反応物(CO)および副反応物(固体炭素)の反応速度を求め、求めた前記炭素の主反応物への反応速度および酸素の主反応物への反応速度を上げ、前記固体炭素(C)への反応速度を下げるようにエンジン制御パラメータの最適な組み合わせをタグチメソッドの手法を用いて選定することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの排ガス中に含まれる黒煙の排出量の低減および燃費向上のためのエンジンパラメータの最適化方法に関するものであり、具体的にはディーゼルエンジンの燃料噴射タイミングや圧縮比やスワール比等のようなエンジンの燃焼にかかわる種々の制御パラメータを黒煙の低減と燃費向上のための最適化方法に関するものである。
従来からディーゼルエンジンの排ガス中の黒煙低減および燃費向上のためのエンジン制御パラメータ、すなわち、燃料噴射タイミングや圧縮比やスワール比等の制御パラメータの設定には種々の手法が用いられている。たとえば、これら制御因子を1つずつ取り上げて、黒煙排出試験を行って最適化する1因子実験方法によって行われている。
また、特許文献1(特許3959980号公報)で示すような実験計画法を用いて、直交表にエンジン制御パラメータを割りつけて、直交表に従って実験を行い、実験データを入手し、分散分析を行い、推定式を作成し、最適条件を決定するようにして排気黒煙濃度を減少するための運転パラメータの最適化方法も知られている。
なお、ここでいう最適化とは単に排気黒煙濃度を最小化することではなく、他の最適化対象(例えば、NO、CO排出濃度等)を最小化することをいう。
特開2004−293340号公報
しかし、前記のようなエンジン制御パラメータを1因子ずつ取り上げて、黒煙排出試験、燃費試験を行って最適仕様を選択するには、制御因子が多数あり、実験によるデータ取得作業に工数を要し効率的ではない。
また、規制物質のPM(粒子状物質)を低減するのに、正確な排出PM量(黒煙質量)を測定する必要があるが計測が困難なため、黒煙の質量に代えて黒煙濃度で代用して判定しているが、PMは黒煙の質量に比例するのに対して、黒煙濃度とは比例しないため、黒煙濃度から推定するPM量による最適化手法では精度に限界がある。
また、特許文献1に示される手法の実験計画法に基づく直交表に従ってのデータ入手においても、前記のように黒煙量ではなく濃度を代用して測定しているため、正確な黒煙の量を検出し難く、実験データに基づく推定値の再現性が低く実測値と開きが生じる傾向があり、黒煙排出に対する精度の高い最適化手法が必要とされている。
そこで、本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、黒煙濃度を計測することなく、エンジン燃焼前後の炭素の原子数(モル数)が変化しないことに着目して排出黒煙量を求め、該黒煙量を基に燃料成分および排ガス分析結果から固体炭素(PM)への反応速度を算出し、該反応速度に基づいて、または指標にして排出黒煙の低減、さらに燃費向上に適するディーゼルエンジンの制御パラメータを設定する最適化方法を提供することを目的とする。
本発明はかかる課題を解決するもので、ディーゼルエンジンから排出される黒煙を低減するためのエンジン制御パラメータの最適化方法において、排ガス(CO、CO、HC)成分分析の結果から燃料中の炭素成分が反応した不十分反応物(CO、HC)および主反応物(CO)および副反応物の固体炭素(C)の割合を算出し、前記割合に基づき反応速度を算出し、該反応速度によりエンジン制御パラメータを選定することを特徴とする。
このように構成されたエンジン制御パラメータの最適化方法においては、黒煙であるPM量を黒煙濃度計測でなく、エンジンに供給される燃料成分中の炭素原子数が、燃焼中の化学反応を経て固体炭素とガス状炭素へと変化することに基づいて、排ガス(CO、CO、HC)を成分分析して前記ガス状炭素の原子数(モル数)を求め、該算出結果を前記燃料成分中の炭素原子数より減算して固体炭素(C)の原子数(モル数)を算出することによって求めることができる。
従って、従来のような黒煙濃度の計測、たとえば黒煙粒子の反射光による濃度測定では、PM質量を正確に測定できなかったが、そのような問題が解消されてPM量を精度良く算出できる。
図4に示すようにディーゼルエンジン1の燃焼室に供給される燃料3はHC成分からなり、燃焼室での化学反応を経て、CO、CO、HC、C(固体)の生成物5が排出される。
燃料3と空気をシリンダ内で化学反応させて、CがOとだけ化学反応をして、COに変化すれば理想的な反応である。しかし、反応はそれだけではなく、燃料のHCからHが遊離して固体Cが発生する。これがPMとして排出される。
従って、主反応(起こってほしい反応)が、C+O→COであり、副反応(起こらないでほしい反応)がHC→H+Cである。
そこで、ガス状炭素のうちの二酸化炭素(CO)への反応速度を上げ、前記方法で推定した固体炭素(C)への反応速度を下げるようにエンジン制御パラメータの最適な組み合わせを選定することで、黒煙の排出を抑えたエンジン制御パラメータの設定が可能となる。
そこで、本発明によれば、エンジンに供給される燃料成分中の炭素原子数は、燃焼中の化学反応を経ても変化しないことに基づいて、排ガス(CO、CO、HC)の成分分析の結果から燃料中の炭素が不十分反応物(CO、HC)および主反応物(CO)および副反応物の固体炭素(C)に変化した炭素数または炭素モル数の関係から、それぞれの反応物に変化した炭素の割合を算出する。
そして、この炭素量の変化割合から炭素の前記主反応物(CO)および副反応物(固体炭素)の反応速度を求める。
そして、求めた前記炭素の主反応物(CO)への反応速度を上げるように、さらに前記炭素の副反応物(固体炭素)への反応速度を下げるようにエンジン制御パラメータの最適な組み合わせを選定する。
従って、主反応物(CO)への反応速度を上げることは燃焼効率の向上であり、燃費向上を意味し、副反応物(固体体炭素C)への反応速度を下げることはPM排出量の低減を意味し、一つの指標としての炭素の燃焼速度によって燃焼効率の良さと排出ガス成分の低減とを明確に方向付けができ、燃焼の総合判断ができるようになる。その結果、エンジン開発の効率化が図れる。
また、本発明において好ましくは、初期濃度Aとし反応時間T後に残存する濃度Yとすると、反応速度βは、Y=Ae−βTの関係式によって表され、該式を用いて前記それぞれの反応速度が算出されるとよい。
化学反応は初期濃度をAとしたとき、反応時間T後に残存する濃度は、一般的に式(1)で表せる。
Y=Ae−βT (1)
ここでβは反応速度を示す。
従って、式(1)で設定される反応速度βを用いて評価することで、エンジン制御パラメータの設定が可能となる。
また、本発明において好ましくは、前記最適な組み合わせの選定はタグチメソッドの最適化手法を用いて、前記二酸化炭素(CO)の主反応の反応速度βは大きいほど望ましく、該望大特性のSN比ηをη=10logβ によってあらわし、前記固体炭素(C)の副反応の反応速度βは小さいほど望ましく、該望小特性のSN比ηをη=−10logβ によってあらわし、前記主反応と副反応とのSN比を合成したSN比η=η+ηがSN比の平均値より大きくなる制御パラメータを選定するとよい。
タグチメソッド(田口法)は、「直交表」を用いた実験と、「SN比」と呼ばれるばらつき(誤差)による評価法とを特長としている。「直交表」とは、試験するパラメータの組み合わせを表す表であり、試験者は試験するパラメータを選定しそのパラメータに応じて予め用意されている「直交表」を選択しさえすれば、実験回数と試験条件が決まり、それに従って実験を進めれば良いようになっている。
また、その結果得られたデータに「分散分析」と呼ばれる統計解析処理を施すことで、各パラメータの効果の大きさを数値として評価することができる。さらに、この手法は、最適化したい特性値の推定値を求めることもできる。
本発明方法では、タグチメソッドの最適化手法のうち、反応速度比法または機能窓法と呼ばれる手法を用いて評価する。その際に、制御因子としてエンジン制御パラメータである、圧縮比、燃焼室形状(ピストン頂部のキャビティ形状)、スワール比、噴射角(燃料噴射ノズルからの噴射角度)、噴射時期、コモンレール圧力、EGR(排ガス再循環)弁開度、VG開度(可変過給機制御弁開度)等を選択し、誤差因子であるエンジンの運転条件の変動等に対してロバスト性のある制御因子の値を選択できるようにしたものである。
本発明では、n個の誤差因子で試験した場合の二酸化炭素(CO)の主反応の生成速度βは大きいほど望ましく、該望大特性のSN比ηを次式で表し、
Figure 2010121605
また、固体炭素(C)の副反応の生成速度βは小さいほど望ましく、該望小特性のSN比ηを次式で表し、
Figure 2010121605
前記主反応と副反応とのSN比を合成したSN比η=η+ηを算出し、その結果を要因効果図に表す。
制御因子に対するSN比の大きな値の水準が最適な水準を意味し、選択した全ての制御因子のそれぞれのエンジン制御パラメータを評価して、最適水準を抽出することで、最適な制御パラメータを設定できる。
従って、黒煙濃度を計測することなく、エンジン燃焼前後の炭素の原子数(モル数)に着目して、排出黒煙の質量を推定し、該推定黒煙質量と排ガス計測値に基づいて算出した、C+O→COの反応速度と、HC→H+Cの反応速度とから、前記でタグチメソッドの最適化手法を用いて、黒煙排出を低減するための最適なエンジン制御パラメータを設定することが可能となる。
なお、黒煙排出を低減するだけではなく、同時に二酸化炭素(CO)の主反応の生成速度を高める方向の最適化であるため燃費向上の最適化も達成できる。
本発明によれば、黒煙濃度を計測することなく、エンジン燃焼前後の炭素の原子数(モル数)が変化しないことに着目して排出黒煙量を求めることができ、該黒煙量を基に燃料成分および排ガス分析結果から固体炭素(PM)への反応速度を算出し、該反応速度に基づいて、または指標にして排出黒煙の低減、さらに燃費向上に適するディーゼルエンジンの制御パラメータを設定する最適化方法を提供することできる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
本発明をディーゼルエンジンから排出される黒煙(PM)の低減および燃費向上に適用した一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
図1に本実施形態の手順を示す。まずステップS1で、システムの明確化を行う。すなわち、最適化の目的を明確化する。ここでは、黒煙(PM)の低減および燃費向上を目的としたエンジン仕様の最適化を目的とする。
次に、ステップS2で、エンジンの基本機能を定義する。
図4において、エンジン1の燃焼室に供給される燃料3はHC成分からなり、燃焼室での化学反応を経て、CO、CO、HC、C(固体)の排出物5を生成する。
エンジン1は、燃料3と空気をシリンダ内で化学反応させて、CがOとだけ化学反応をして、COに変化すれば理想的な反応である。しかし、反応はそれだけではなく、燃料のHCからHが遊離して固体炭素Cが発生する。これがPMとして排出されることを定義する。
次にステップS3で、ディーゼルエンジンの制御因子(制御パラメータ)を選択する。A:圧縮比、B:燃焼室形状(ピストン頂部のキャビティ形状)、C:スワール比、D:噴射角(燃料噴射ノズルからの噴射角度)、E:噴射時期、F:コモンレール圧力、G:EGR(排ガス再循環)弁開度、H:VG開度(可変過給機制御弁開度)を制御因子として選択する。そしてそれぞれの制御因子ついて水準を設定する。
例えば、圧縮比の大を第1水準、小を第2水準の2水準に設定し、燃焼室形状では、ピストン頂部のキャビティ形状に応じて2水準に設定し、さらに、スワール比であれば、大を第1水準、中を第2水準、小を第3水準のように3水準に設定し、さらに、同様に、噴射角を3水準、噴射時期を3水準、コモンレール圧を3水準、EGR弁開度を3水準、VG開度を3水準についてもそれぞれ設定する。
また、誤差因子としては、例えば、試験時のエンジン回転数と負荷との組み合わせとして、低回転Ne、中回転Ne、高回転Neの3つの誤差因子を設定して、それぞれについて低負荷L11、L21、L31と、高負荷L12、L22、L32との2水準に設定する、また、負荷を一定にして始動時と一定時間後のような2水準として設定してもよい。
また、測定すべき特性を決定する。本実施形態の場合には、前記誤差因子の運転条件で運転するとともに、まず、燃料成分中の炭素数と水素数との数量比を把握する。これは燃料メーカからの成分データ等に基づいて把握することができる。
エンジンに供給される燃料成分中の炭素原子数は、燃焼中の化学反応を経ても変化しないことに基づいて、排ガス(CO、CO、HC)成分分析の結果から燃料中の炭素が不十分反応物(CO、HC)および主反応物(CO)および副反応物の固体炭素(C)に変化した割合を算出する。
次にステップS4に進んで、図2に示すような制御因子、誤差因子の直交表への割り付けを行う。
その後、ステップS5で、誤差因子の運転条件に基づいて試験を行い、図3に示すような動的機能窓のデータを算出および収集する。そのデータを基にSN比、感度を算出する。
排ガス(CO、CO、HC)をとり成分分析をする。図5に示すように燃料中の炭素の総量が燃焼によって燃焼サイクル時間(反応時間)T後に不十分反応物(CO、HC)に入った炭素数または炭素モル数の割合pおよび主反応物(CO)に入った炭素数または炭素モル数の割合qおよび副反応物の固体炭素(C)に入った炭素数または炭素モル数の割合(1−p−q)を求める。
不十分反応物(CO、HC)の割合pと副反応物(C)の割合(1−p−q)とに挟まれた領域が目的物(CO)の割合qとして得られ、この割合qの領域を機能窓という。ここでの狙いは、不十分反応物の割合pと副反応物の割合(1−p−q)を小さくして、目的物の割合qの領域(機能窓)を拡大することにある。この機能窓の拡大のための制御因子の選択手法として、タグチメソッドの機能窓法を用いる。
初期濃度Aと一定時間T後に残存する濃度Yには、式(1)で示すようにY=Ae−βTの関係があり、この式(1)を用いて、炭素の主反応物(CO)の主反応速度β、および副反応物(固体炭素)の副反応速度βを次の式(2)、(3)によって求める。
目的物(CO)を生成する主反応は、
q=e−β 、これを変形して、
ln(1/q)=βT (2)
の関係が得られる。ただし、βは、主反応の反応速度。
また、副反応物(C)を生成する副反応は、
p+q=e−β 、これを変形して、
ln(1/p+q)=βT (3)
の関係が得られる。ただし、βは、副反応の反応速度。
SN比の算出は、n個の誤差因子で試験した場合、二酸化炭素(CO)の主反応の生成速度βは大きいほど望ましく、該望大特性のSN比η
Figure 2010121605
によってあらわし、また、固体炭素(C)の副反応の生成速度βは小さいほど望ましく、該望小特性のSN比η
Figure 2010121605
によってあらわし、前記主反応と副反応とのSN比を合成したSN比η=η+ηによって算出する。
また、感度Sは、入力条件のエンジンの運転条件に対して出力の大きさを示す
Figure 2010121605
を用いて表す。
ステップ5では、図3に示すような動的機能窓のデータの収集を行い、前記のSN比、感度の算出式に基づいて算出する。そして結果を図2の直交表の行ごとに記載する。
すなわち、前記したようにエンジンの運転条件を誤差因子として、試験時のエンジン回転数と負荷との組み合わせとして、低回転Ne、中回転Ne、高回転Neの3つの誤差因子を設定して、それぞれについて低負荷L11、L21、L31と、高負荷L12、L22、L32との2水準に設定する、また、負荷を一定にして始動時と一定時間後のような2水準に設定して、そのときの排ガスデータを採取して分析して、炭素量(モル数)、酸素量(モル数)を算出して、燃焼室に供給されて燃焼に寄与した炭素量に対して、それぞれの反応物への割合p、q、1−p−qを求める。そして、前記したSN比、感度の算出式に基づいて算出した結果を図2の直交表にさらに記載する。
なお、反応時間Tは、本実施形態では燃焼サイクル時間を用いて、図3、5、6における反応時間Tは、反応開始からの燃焼時間であり1サイクルでの燃焼行程の時間に相当し、エンジン回転数の逆数に対応して算出する。
以上のように、図3の動的機能窓のデータについて収集し、算出し、さらにSN比の算出を行った次に、ステップS6では、前記ステップS5で求めたSN比、感度に関する要因効果図を作成する。
図7に示すように、望大特性のSN比η(感度S)に関する要因効果図が作成される。また、図6に示すように、望大特性のSN比ηと望小特性のSN比ηとからSN比η=η+ηに関する要因効果図が作成される。
そして、これら要因効果図を基に、SN比η=η+ηがSN比の平均値より大きくなる制御パラメータを選定することで、ノイズの影響を受けにくいロバスト性が高い制御パラメータ、さらに感度が高く効率のよい制御パラメータを選定することができる。
ステップS7で、利得と再現性の確認を行う。図6、7の要因効果図を用いて、全ての制御パラメータの最適水準を抽出する。
その後、SN比の平均値に対し、それぞれのパラメータの最適水準の効果を足し合わせて、どのくらいの効果があるかを推定する。
また、初期の水準でのSN比も求めておいて、その値と最適水準でのSN比を比較し、その差を推定利得として求めておく。次に最適水準で試験を実施し、実験的にSN比を求める。初期の水準でのSN比も求めておいて、推定SN比と同様に実験での利得も求める。
そして、指標の正しさを確認するために、推定利得と実験利得とを比較し、同等であれば、この指標の正しさを証明することができる。
以上のように、本実施形態によれば、タグチメソッドの機能窓法を採用して、複数の制御因子(A:圧縮比、B:燃焼室形状(ピストン頂部のキャビティ形状)、C:スワール比、D:噴射角(燃料噴射ノズルからの噴射角度)、E:噴射時期、F:コモンレール圧力、G:EGR(排ガス再循環)弁開度、H:VG開度(可変過給機制御弁開度))を選択すると共に、エンジン回転数および負荷を、PM排出力が多いと予測される条件の場合と、少ないと予測される条件の場合とを含めて誤差因子として設定し、これらをL18直交表に割りつけて試験を実施し、パラメータのどの水準がPMの排出および燃費でロバストかを求める。従って、エンジン運転状態の変動に対してロバスト性のある制御因子の値を選択が可能になり、PMの低減と燃費向上のためのディーゼルエンジンの制御パラメータを高い精度で選定できる。
また、本実施形態においては、まず、燃料中の炭素数と水素数との数量比を把握して、排ガス計測結果からのデータに基づいてガス状の炭素数、CO、CO、HCの濃度を計測し、前記燃料成分の炭素数から前記ガス状の炭素数を減算して固体炭素数(モル数)すなわちPM量を算出するので、従来のような黒煙濃度の計測、たとえば黒煙粒子の反射光による濃度測定では、PM量を正確に測定できず、実験データに基づく推定値の再現性が低い問題があったが、そのような問題が解消され、黒煙排出量に対する再現性の高い推定が可能になり、エンジンパラメータの最適化手法の精度を向上できる。
さらに、本実施形態によれば、エンジンの燃焼室内での化学反応前後で炭素原子数(モル数)が変化しないという考えに基づいて、炭素原子数に着目して最適化を評価するため、すなわち、炭素数という1つの指標で評価するため、エンジン制御パラメータによるPM低減効果に加法性効果(パラメータによる効果を足し算的に評価できる)を持つ。その結果、制御パラメータおよび仕様の効果を足し算で推定することができ、その推定値に高い精度を持つことができる。
本発明によれば、黒煙濃度を計測することなく、エンジン燃焼前後の炭素の原子数(モル数)が変化しないことに着目して排出黒煙量を求めることができ、該黒煙量を基に燃料成分および排ガス分析結果から固体炭素(PM)への反応速度を算出し、該反応速度に基づいて、または指標にして排出黒煙の低減、さらに燃費向上のディーゼルエンジンの制御パラメータの最適仕様を設定できるので、エンジン制御パラメータの最適化方法に適用して有用である。
本発明の実施形態にかかるエンジン制御パラメータの最適化方法を示すフローチャートである。 実施形態の直交表の概要図である。 実施形態の動的機能のデータを示す説明図である。 エンジン内部での化学反応を示す説明図である。 実施形態の動的機能窓の概念図である。 SN比の要因効果図である。 感度の要因効果図である。
符号の説明
1 ディーゼルエンジン
3 燃料
5 生成物

Claims (3)

  1. ディーゼルエンジンから排出される黒煙を低減するためのエンジン制御パラメータの最適化方法において、
    排ガス(CO、CO、HC)成分分析の結果から燃料中の炭素成分が反応した不十分反応物(CO、HC)および主反応物(CO)および副反応物の固体炭素(C)の割合を算出し、
    前記割合に基づき反応速度を算出し、該反応速度によりエンジン制御パラメータを選定することを特徴とするエンジン制御パラメータの最適化方法。
  2. 初期濃度Aとし反応時間T後に残存する濃度Yとすると、反応速度βは、Y=Ae−βTの関係式によって表され、該式を用いて前記それぞれの反応速度が算出されることを特徴とする請求項1記載のエンジン制御パラメータの最適化方法。
  3. 前記選定はタグチメソッドの最適化手法を用いて、前記二酸化炭素(CO)の主反応の反応速度βは望大特性のSN比ηのη=10logβ によってあらわされ、前記固体炭素(C)の副反応の反応速度βは望小特性のSN比ηのη=−10logβ によってあらわされ、前記主反応と副反応とのSN比を合成したSN比η=η+ηがSN比の平均値より大きくなる制御パラメータを選定することを特徴とする請求項2記載のエンジン制御パラメータの最適化方法。
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