JP5060378B2 - ガス分析方法及びガス分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの燃焼室のサンプルガスの成分を分析して、理論空燃比に対する実空燃比の割合である空気過剰率を算出するガス分析方法及びこの方法を実行するガス分析装置に関し、特に、燃焼室内に酸素濃度の低い残留ガスが存在する場合であっても、当該残留ガスの影響を考慮した空気過剰率を算出することができるガス分析方法及びガス分析装置に関する。
エンジンの燃焼室内の燃焼挙動解析において燃焼室内のガス組成を正確に分析できれば、当該燃焼室内の燃焼状態を正確に把握する上で重要な情報を得ることができ、エンジンの運転状態を正確に把握することが可能となる。例えば、燃焼室内のガス組成を分析した情報を用いることで、異なる運転条件でエンジンの運転を行った場合における、これら運転条件下での燃焼状態(エンジンの運転状態)を正確に比較分析することなどが可能となる。
このようにエンジンの燃焼室内の混合ガスのガス組成、特に燃料濃度の解析には、一般に、当該燃料濃度の指標として空気過剰率λが用いられている。この空気過剰率λは、理論空燃比に対する実空燃比の割合であり、例えば、式1に示すように、ガス分析計で計測した燃料の体積濃度Wと、流入ガスIG中の燃料1molに対する理論空気量A0とを用いて算出することができる。
〔式1〕 空気過剰率λ=(1−燃料の体積濃度W)/(理論空気量A0×燃料の体積濃度W)
なお、実空燃比は、実際に燃焼室に供給された流入ガス中における燃料量に対する空気量の割合であり、理論空燃比は、燃焼室に供給された流入ガス中における燃料1molに対するこの燃料を完全に燃焼させるための理論空気量A0の割合である。
一方、上記空気過剰率λを算出するものとして、例えば、非特許文献1に示されるように、燃焼反応前後における各組成の質量保存の原理により排気ガス中のCO2、CO、HC濃度、及び水性シフト反応の化学平衡定数を用いて、空気過剰率λを算出するものがある。
SOCIETY OF AUTOMOTIVE ENGINEERS 650507 MID−YEAR MEETING CHICAGO、III.MAY 17−21、1965
上記のようにして算出した空気過剰率λを用いて燃焼室内の燃料濃度を解析することで、燃焼室内の燃焼状態をある程度把握することができ、例えば、上記のように異なる運転条件下での燃焼状態を比較分析するなど、エンジンの運転状態を良好に分析することが可能となる。
ここで、エンジンの燃焼室においては、吸気行程中に新たに流入した空気と燃料との流入ガスと、前のサイクルで残留した酸素濃度の低い残留ガスとが混合されて、混合ガスが形成されるため、当該混合ガスの酸素濃度は残留ガスの影響により変動(低下)した状態となっており、当該混合ガスの空気量も変動(低下)した状態となってしまう。
このように、実際に燃焼室内に存在する混合ガスの空気量が変動した状態となるにもかかわらず、上述のように、燃料の体積濃度や排ガス中の各成分濃度から算出した理論空気量を用いて空気過剰率を算出すると、当該燃焼室内に存在する残留ガスの影響が考慮されていないため、例えば、異なった運転条件でのエンジンの運転状態を一定の指標の下に比較することができないという問題がある。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、エンジンの燃焼室のサンプルガスの成分を分析して、空気過剰率を算出するガス分析方法及びこの方法を実行するガス分析装置において、燃焼室内の実情に合致した確度の高い空気過剰率を得ることができる技術を確立することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る、エンジンの燃焼室のサンプルガスの成分を分析して、理論空燃比に対する実空燃比の割合である空気過剰率を算出するガス分析方法の特徴手段は、
吸気行程の終了後、燃焼前である第一状態における燃焼室内の第一ガス情報を得る第一情報取得工程と、
排気行程の終了後、吸気前である第二状態における燃焼室内の第二ガス情報を得る第二情報取得工程とを実行し、
前記第一ガス情報から、前記第一状態における燃焼室内の混合ガスのガス量である第一ガス量を求めるとともに、前記第二ガス情報から、前記第二状態における燃焼室内に残留する残留ガスのガス量である第二ガス量を求めるガス量取得工程と、
前記第一ガス量及び第二ガス量から前記残留ガスの残留割合を求める残留割合取得工程と、
前記残留ガスの残留割合に応じて前記理論空燃比の理論空気量を補正する理論空気量補正工程と、
前記理論空気量補正工程で補正された理論空燃比の理論空気量を用いて前記空気過剰率を算出する空気過剰率算出工程とを実行する点にある。
本特徴手段によれば、燃焼室のサンプルガスの空気過剰率を算出するにあたり、吸気行程の終了後、燃焼前である第一状態における第一ガス情報、及び排気行程の終了後、吸気前である第二状態における燃焼室内の第二ガス情報から求められた、当該第二状態において燃焼室内に残留する残留ガスの残留割合に応じて理論空燃比の理論空気量を補正するので、燃焼後の燃焼室内に実際に存在する残留ガスを含めた状態での理論空気量を用いて空気過剰率を算出し、燃焼室内の実情に合致した空気過剰率を得ることができる。
すなわち、第二状態において燃焼室内に残留した残留ガスは、その後、吸気行程が開始されて第一状態に移行すると新たに燃焼室内に流入した流入ガスと混合され、混合ガスとなる。ここでいう、残留ガスは燃焼後に未燃で残留した燃料と比較的少ない量の空気とが含まれるガスであり、流入ガスは燃料と比較的多い量の空気とが含まれるガスであり、また、混合ガスはこれら残留ガスと流入ガスとが混合されたガスである。通常、理論空燃比の理論空気量は、流入ガスに含まれる燃料が完全に燃焼する空気量として決定されるが、第一状態において燃焼室に存在する混合ガスには残留ガスが含まれているため、当該混合ガスは流入ガスと比較すると空気量が変動(低下)している。そこで、第一状態及び第二状態におけるガス情報から求められる燃焼室内のガス量を用いて当該第二状態における残留ガスの残留割合を求め、上記理論空気量を、当該残留割合を反映させた理論空気量に補正することで、実際に、燃焼後の燃焼室内に残留する残留ガスを含めた状態の混合ガスに対応した理論空気量を得ることができる。なお、残留ガスの残留割合は、上記第一状態における混合ガスのガス量に対する第二状態における残留ガスのガス量の割合で代表できる。よって、この補正された理論空気量を用いて空気過剰率を算出することで、実際に燃焼室に存在する混合ガスの状態を反映した空気過剰率を算出でき、例えば、異なった運転条件でのエンジンの運転状態を一定の指標(補正された理論空気量から算出した空気過剰率)の下に比較することが可能となる。
本発明に係るガス分析方法の更なる特徴手段は、前記理論空気量補正工程において、前記残留ガスの残留割合と、吸気行程において前記燃焼室に流入する流入ガス中の酸素濃度と、排気行程において前記燃焼室から排出される排出ガス中の酸素濃度とを用いて、前記第一状態における燃焼室内の前記混合ガスの酸素濃度を算出し、当該酸素濃度に基づいて前記理論空燃比の理論空気量を補正する点にある。
本特徴手段によれば、排気行程の終了後、吸気前である第二状態において燃焼室内に残留する残留ガスの残留割合と、吸気行程の終了後、燃焼前である第一状態となる前後に燃焼室内に出入りするガス中の酸素濃度とから、当該第一状態における燃焼室内に存在する混合ガスの酸素濃度を的確に算出して、この酸素濃度から理論空気量を補正するので、第一状態において実際に燃焼室に存在する、残留ガスを含む混合ガス中の酸素濃度を正確に反映した理論空気量を得ることができ、簡易な計測を行って、より実情に合った空気過剰率を得ることができる。
本発明に係るガス分析方法の更なる特徴手段は、前記第一情報取得工程において、前記第一ガス情報として前記第一状態における燃焼室内の温度と圧力と体積とを得るとともに、前記第二情報取得工程において、前記第二ガス情報として前記第二状態における燃焼室内の温度と圧力と体積とを得て、
前記ガス量取得工程において、前記第一状態における燃焼室内の温度と圧力と体積とから、前記第一ガス量として当該燃焼室内の混合ガスのモル数を求めるとともに、前記第二状態における燃焼室内の温度と圧力と体積とから、前記第二ガス量として当該燃焼室内の残留ガスのモル数を求め、
前記残留割合取得工程において、前記混合ガスのモル数及び前記残留ガスのモル数から前記残留ガスの残留割合を求める点にある。
本特徴手段によれば、第一状態及び第二状態の燃焼室内のガス情報をそれぞれの状態での燃焼室内の温度、圧力、体積とするので、エンジンの運転状況(燃焼状態)が変化しても比較的容易に得られる情報とすることができる。また、これら温度、圧力、体積の関係から第一状態及び第二状態における燃焼室内に存在するガスのガス量としてのモル数を得るので、比較的容易に、かつ正確に得ることができる。よって、残留ガスの残留割合を比較的容易に、かつ正確に求めることができる。
上記目的を達成するための本発明に係る、エンジンの燃焼室のサンプルガスの成分を分析して、理論空燃比に対する実空燃比の割合である空気過剰率を算出する空気過剰率算出手段を備えたガス分析装置の特徴構成は、
吸気行程の終了後、燃焼前である第一状態における燃焼室内の第一ガス情報を得る第一情報取得手段と、
排気行程の終了後、吸気前である第二状態における燃焼室内の第二ガス情報を得る第二情報取得手段とを備えるとともに、
前記第一ガス情報から、前記第一状態において燃焼室内に存在する混合ガスのガス量としての第一ガス量と、前記第二ガス情報から、前記第二状態において燃焼室内に残留する残留ガスのガス量としての第二ガス量との割合を前記残留ガスの残留割合として求め、当該残留ガスの残留割合に応じて前記理論空燃比の理論空気量を補正する理論空気量補正手段を備え、
前記空気過剰率算出手段が、前記理論空気量補正手段により補正された理論空燃比の理論空気量を用いて前記空気過剰率を算出する点にある。
本特徴構成によれば、上記特徴手段を有するガス分析方法と同様に、燃焼室のサンプルガスの空気過剰率を算出するにあたり、吸気行程の終了後、燃焼前である第一状態における第一ガス情報、及び排気行程の終了後、吸気前である第二状態における燃焼室内の第二ガス情報から求められた、当該第二状態において燃焼室内に残留する残留ガスの残留割合に応じて理論空燃比の理論空気量を補正するので、燃焼後の燃焼室内に実際に存在する残留ガスを含めた状態での理論空気量を用いて空気過剰率を算出し、燃焼室内の実情に合致した空気過剰率を得ることができる。
本発明に係るガス分析装置の更なる特徴構成は、前記エンジンの燃焼室からサンプルプローブを介してサンプリングされるサンプルガスを、吸引手段により前記空気過剰率算出手段に導いて、前記サンプルガスの空気過剰率を算出する点にある。
本特徴構成によれば、燃焼室からサンプルプローブを介してサンプルガスをサンプリングし、空気過剰率算出手段において空気過剰率を算出するので、燃焼室内に存在する混合ガスを確実にサンプリングして空気過剰率を算出することができ、かつ比較的簡便な構成とすることができる。
本願に係るガス分析装置100の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、図1は、エンジン1のシリンダ1a内の燃焼室2からサンプルガスSGをサンプリングし、当該サンプルガスSGの分析を行う本願に係るガス分析装置100を模式的に示したものである。
以下に示す実施の形態にあっては、図1に示すように、エンジン1に備えられるシリンダ1aとピストン1bとにより画定され、内部で燃料が燃焼する燃焼室2から、ポンプ3(吸引手段の一例)によりサンプルガスSGをサンプルプローブ4、調整流路5、吸引路6を介して、本願に係るガス分析装置100に導入し、当該サンプルガスSGの分析を行う場合について説明する。
まず、エンジン1について説明すると、当該エンジン1は、燃料がメタンを主成分とする都市ガスであり、吸気行程において燃料と空気とが含まれる流入ガスIGを過給機7より過給した状態で吸気弁8を介して燃焼室2内に導き、前回の燃焼時に残留している残留ガスRG(図示せず)と当該流入ガスIGとが混合された混合ガスMG(図示せず)を圧縮行程において圧縮する。そして、この燃焼室2内の混合ガスMGに火花点火して燃焼させ、排気行程において排出ガスOGを排気弁9を介して燃焼室2から排出するように繰り返し運転される。なお、本願においては、吸気行程の終了後、燃焼前において吸気弁8が閉じている状態を第一状態、排気行程の終了後、吸気前において排気弁9が閉じている状態を第二状態という。
図1に示すように、上記エンジン1の燃焼室2にはサンプルプローブ4が接続され、当該サンプルプローブ4は一端が燃焼室2に、他端が調整流路5に接続されており、燃焼室2内のサンプルガスSGをサンプリングできるように構成されている。また、当該サンプルプローブ4の他端である出口には比較的流路断面積が大きな調整流路5が接続され、当該調整流路5は一端がサンプルプローブ4に接続され、他端が大気開放されており、サンプルプローブ4と調整流路5との間には流路断面積を急拡大する段差部5aが形成されている。さらに、この調整流路5の所定位置には、ポンプ3の働きにより、調整流路5から当該調整流路5に直交する方向にサンプルガスSGを吸引して、本願に係るガス分析装置100に導く吸引路6が接続されている。この吸引路6は、調整流路5の路壁に対して直角に接続されている。さらに、この吸引路6の下流側にガス分析装置100が、さらにその下流側にポンプ3が接続されている。この吸引路6では、ポンプ3が、エンジン1の運転中、常時一定の吸引圧で吸引位置から調整流路5内のサンプルガスSGを吸引することで、ガス分析装置100に所定範囲のガス流量でサンプルガスSGを導入し、安定的にガス分析が行える。
次に、ガス分析装置100は、サンプルガスSGの成分を分析して、理論空燃比に対する実空燃比の割合である空気過剰率λを算出する空気過剰率算出手段10と、上記第一状態における燃焼室2内の第一ガス情報を得る第一情報取得手段11と、上記第二状態における燃焼室2内の第二ガス情報を得る第二情報取得手段12と、理論空燃比の理論空気量A0を補正する理論空気量補正手段13とを筐体20内に備えて構成されている。
空気過剰率算出手段10は、図1に示すように、サンプルガスSGの成分分析結果から補正前の空気過剰率λを得る第一空気過剰率算出手段10aと、この第一空気過剰率算出手段10aにより得られる補正前の空気過剰率λを、後述する理論空気量補正手段13から得られる情報に基づいて補正して空気過剰率λ´を得る第二空気過剰率算出手段10bとから構成されている。
まず、第一空気過剰率算出手段10aを以下に説明し、第二空気過剰率算出手段10bに関しては、理論空気量補正手段13の説明の後に説明する。
第一空気過剰率算出手段10aは、サンプルガスSGの成分を分析して、理論空燃比に対する実空燃比の割合である空気過剰率λ(本願構成においては補正前の空気過剰率λ)を算出可能な回路を含むガス分析計で構成されている。なお、実空燃比は、実際に燃焼室2に供給された燃料量に対する空気量の割合であり、理論空燃比は、燃焼室2に供給された燃料1molを完全に燃焼させるための理論空気量A0の割合である。
具体的には、所謂、THC(全炭化水素)の測定に適した分析回路で、FID法(水素炎イオン化法)によりTHCを分析して、例えば、ガス圧101kPa、ガス流量3.5リットル/minで、サンプルガスSGを導入することで、良好にガス分析することができ、式1に示すように、サンプルガスSGの燃料の体積濃度W及び理論空気量A0から補正前の空気過剰率λを算出できるように構成されている。なお、燃焼室2内のサンプルガスSGを採取するに際しては、燃焼寸前の点火プラグ19近傍のサンプルガスSGを採取すると燃焼状態を把握する上で重要な情報を得やすく、また、燃焼室2内の複数箇所からサンプルガスSGを採取すると燃焼室2内における局所的な燃料濃度分布など燃焼状態を把握する上で重要な情報を得やすい。
〔式1〕 λ=(1−W)/(A0×W)
なお、A0は燃料1molが完全に燃焼する理論空気量である。
第一空気過剰率算出手段10aにより算出された補正前の空気過剰率λは、第二空気過剰率算出手段10bに出力可能に構成され、理論空気量A0は、例えば予め記憶手段(図示せず)に記憶され、理論空気量補正手段13及び第二空気過剰率算出手段10bに出力可能に構成されている。
なお、詳細は後述するが、図1に示すように、空気過剰率算出手段10の第二空気過剰率算出手段10bには、後述する理論空気量補正手段13から、補正された後の理論空気量A0´を入力可能に構成されている。そして、第二空気過剰率算出手段10bは、上記の補正前の空気過剰率λと、理論空気量補正手段13からの補正後の理論空気量A0´と理論空気量A0とを利用して、補正後の空気過剰率λ´を算出する構成とされている。この補正後の空気過剰率λ´が本願における出力情報(空気過剰率)となる。
第一情報取得手段11及び第二情報取得手段12はそれぞれ、エンジン1の運転状況である燃焼室2内の温度、圧力、体積をガス情報として得ることができる処理手段(所定の演算を実行する回路でもよい)で構成されている。
例えば、エンジン1に備えられ、燃焼室2内の温度を検出することができる温度センサ14、圧力を検出することができる圧力センサ15、クランク角を検出することができるクランク角検出センサ16からのガス情報の出力を、入力可能に第一情報取得手段11及び第二情報取得手段12を構成することで当該ガス情報を得ることができる。ここで、第一ガス情報としての第一状態における燃焼室2内の混合ガスMGの温度Tin、圧力Pin、及び当該第一状態におけるクランク角情報は第一情報取得手段11に、第二ガス情報としての第二状態における燃焼室2内の残留ガスRGの温度Tex、圧力Pex、及び当該第二状態におけるクランク角情報は第二情報取得手段12にそれぞれ入力される。なお、クランク角検出センサ16から第一情報取得手段11に入力されたクランク角情報は、当該第一情報取得手段11により第一状態における燃焼室2内の体積Vinに、クランク角検出センサ16から第二情報取得手段12に入力されたクランク角情報は、当該第二情報取得手段12により第二状態における燃焼室2内の体積Vexにそれぞれ変換される。そして、これら第一ガス情報(上記温度Tin、圧力Pin、及び体積Vin)及び第二ガス情報(上記温度Tex、圧力Pex、及び体積Vex)は、後述する理論空気量補正手段13に出力される。上記温度センサ14、圧力センサ15、クランク角検出センサ16は、公知のセンサを用いることができる。
理論空気量補正手段13は、上記空気過剰率算出手段10において空気過剰率λを算出する際に用いられる理論空燃比の理論空気量A0を補正することができる処理手段(所定の演算を実行する回路でもよい)で構成されている。
この理論空気量補正手段13は、第一情報取得手段11から入力された第一ガス情報(第一状態における燃焼室2内の混合ガスMGの温度Tin、圧力Pin、当該燃焼室2内の体積Vin)から、第一状態において燃焼室2内に存在する混合ガスMGのガス量としてのモル数nmix(第一ガス量の一例)を求める。また、第二情報取得手段12から入力された第二ガス情報(第二状態における燃焼室2内の残留ガスRGの温度Tex、圧力Pex、当該燃焼室2内の体積Vex)から、前記第二状態において燃焼室2内に残留する残留ガスRGのガス量としてのモル数nres(第二ガス量の一例)を求め、この第一ガス量と第二ガス量との割合nres/nmix(モル比)を第二状態において燃焼室2内に残留する残留ガスRGの残留割合として求めるように構成されている。
具体的には、式2に基づいて第一状態において燃焼室2内に存在する混合ガスMGのガス量としてのモル数nmixを求め、式3に基づいて第二状態において燃焼室2内に残留する残留ガスRGのガス量としてのモル数nresを求め、このモル数の比を残留ガスRGの残留割合(nres/nmix)とする。
〔式2〕 nmix =Pinin/RTin(R:気体定数)
〔式3〕 nres =Pexex/RTex(R:気体定数)
さらに、この理論空気量補正手段13は、エンジン1の運転状況である吸気行程において燃焼室2に流入する流入ガスIG中の酸素濃度O2inと、排気行程において燃焼室2から排出される排出ガスOG中の酸素濃度O2exとをそれぞれ計測する酸素濃度検出センサ17、18からのこれら酸素濃度情報の出力を、入力可能に構成されている。そして、この理論空気量補正手段13は、上記求めた残留ガスRGの残留割合(nres/nmix)と、入力された流入ガスIG中の酸素濃度O2inと、排出ガスOG中の酸素濃度O2exとを用いて、第一状態における燃焼室2内の混合ガスRGの酸素濃度O2mixを算出するように構成されている。
具体的には、式4に基づいて当該第一状態における燃焼室2内の混合ガスMGの酸素濃度O2mixを算出する。
〔式4〕 O2mix=O2in×(1−(nres/nmix))+O2ex×(nres/nmix
そして、理論空気量補正手段13は、この混合ガスMGの酸素濃度O2mixと上記流入ガスIGの酸素濃度O2inとの割合に基づいて、理論空燃比の理論空気量A0を補正することができるように構成されている。
具体的には、式5に基づいて理論空燃比の理論空気量A0を、A0´に補正する。
〔式5〕 A0´=A0×(O2in/O2mix
この補正された理論空気量A0´及び補正前の理論空気量A0は、上記空気過剰率算出手段10に出力可能に構成され、第二空気過剰率算出手段10bにおいて、空気過剰率λを、λ´に補正するために用いられる。
したがって、空気過剰率算出手段10の第二空気過剰率算出手段10bは、理論空気量補正手段13からの補正前の理論空気量A0と補正後の理論空気量A0´とを用いて、第一空気過剰率算出手段10aからの補正前の空気過剰率λを、空気過剰率λ´に補正することができる処理手段(所定の演算を実行する回路でもよい)で構成されている。
具体的には、式6に基づいて補正後の空気過剰率λ´を算出する。
〔式6〕 λ´=λ×(A0/A0´)
なお、これら式は、例えば記憶手段(図示せず)に予め記憶しておき、各手段が必要に応じて記憶手段から抽出する構成とすることができる。また、各式を各手段に予め記憶させておき、各手段が必要に応じて用いる構成とすることもできる。なお、各手段を構成する処理手段は、例えば、CPUから構成されるメイン回路の一部として構成され、当該CPUにより所定のプログラムに基づいてその動作が制御される。
以下、図1に示すガス分析装置100の動作について説明する。
上記エンジン1及びポンプ3の運転が開始されることにより、燃焼室2からサンプルプローブ4、調整流路5、吸引路6の順に時間遅れを伴ってサンプルガスSGが流れる。そして、図2に示すように、ガス分析装置100において、以下のような動作で空気過剰率λ´が算出される。
まず、エンジン1及びポンプ3の運転が開始され(ステップ1)、所定時間経過すると(ステップ2)、サンプルガスがガス分析装置100に到達するので、第一空気過剰率算出手段10aが当該サンプルガスSGの成分を分析して、燃焼室2内に存在する燃料の体積濃度Wを計測し、式1に基づいて空気過剰率λを算出する(ステップ3)。ここで、サンプルガスSGの分析を連続的に行って燃料の体積濃度Wを連続的に計測し、エンジン1の燃焼室2内で燃焼が起こる寸前の体積濃度Wを用いて、空気過剰率λを算出する。これにより、燃焼直前の燃焼室2内の状態(特に、点火プラグ19近傍のサンプルガスSGを分析した場合には、点火プラグ19近傍に存在する残留ガスRGの状態)を確実に反映した空気過剰率λを得ることができ、燃焼状態の把握に有用な情報を得ることができる。なお、当該所定時間は、連続的な体積濃度Wの計測を可能とするため比較的短い時間間隔とされる。第一空気過剰率算出手段10aは、当該空気過剰率λを第二空気過剰率算出手段10bに出力するとともに、理論空気量A0を理論空気量補正手段13及び第二空気過剰率算出手段10bに出力する。
そして、第一情報取得手段11が、温度センサ14、圧力センサ15、クランク角検出センサ16から、吸気行程の終了後、燃焼前(第一状態)における燃焼室2内の混合ガスMGの温度Tin、圧力Pin、及び当該第一状態におけるクランク角の入力を得て、当該温度Tin、圧力Pin、及び当該クランク角から算出した当該燃焼室2内の体積Vinを理論空気量補正手段13に出力する(ステップ4:第一情報取得工程)。同様に、第二情報取得手段12が、温度センサ14、圧力センサ15、クランク角検出センサ16から排気行程の終了後、吸気前(第二状態)における燃焼室2内の残留ガスRGの温度Tex、圧力Pex、及び当該第2状態におけるクランク角の入力を得て、当該温度Tex、圧力Pex、及び当該クランク角から算出した当該燃焼室2内の体積Vexを理論空気量補正手段13に出力する(ステップ5:第二情報取得工程)。
次に、理論空気量補正手段13が、第一情報取得手段11から入力された第一状態における燃焼室2内の混合ガスMGの温度Tin、圧力Pin、及び当該燃焼室2内の体積Vinから、式2に基づいて当該燃焼室2内の混合ガスMGのモル数nmixを求めるとともに、第二情報取得手段12から入力された第二状態における燃焼室2内に残留する残留ガスRGの温度Tex、圧力Pex、及び当該燃焼室2内の体積Vexから、式3に基づいて当該燃焼室2内のモル数nresを求め(ステップ6:ガス量取得工程)、これらモル数nmix、nresから第二状態において残留する残留ガスRGの残留割合(nres/nmix)を求める(ステップ6:残留割合取得工程)。
さらに、理論空気量補正手段13は、上記残留ガスRGの残留割合(nres/nmix)と、酸素濃度検出センサ17により検出された吸気行程において燃焼室2に流入する流入ガスIG中の酸素濃度O2inと、酸素濃度検出センサ18により検出された排気行程において燃焼室2から排出される排出ガスOG中の酸素濃度O2exとから、式4に基づいて第一状態における燃焼室2内の混合ガスMGの酸素濃度O2mixを算出し(ステップ7)、この混合ガスMGの酸素濃度O2mixと流入ガスIG中の酸素濃度O2inとから、式5に基づいて理論空燃比の理論空気量A0をA0´に補正し、補正前の理論空気量A0及び補正後の理論空気量A0´を第二空気過剰率算出手段10bに出力する(ステップ8:理論空気量補正工程)。
したがって、第一状態及び第二状態におけるガス情報から求められる燃焼室2内のガス量を用いて当該第二状態における残留ガスRGの残留割合を求め、当該残留割合を反映させて補正することで、実際に、燃焼後の燃焼室2内に残留する残留ガスRGを含めた状態の混合ガスMGに対応した理論空気量A0´を得ることができる。
次に、式6に基づいて、理論空気量補正手段13から入力された補正前の理論空気量A0と、補正後の理論空気量A0´と、第一空気過剰率算出手段10aから入力された補正前の空気過剰率λとから、空気過剰率λ´を算出する(ステップ9:空気過剰率算出工程)。このような空気過剰率λ´の算出は、エンジン1及びポンプ3の運転が停止するまで所定の時間間隔で繰り返し行われる(ステップ10)。
したがって、この補正された理論空気量A0´を用いて補正された空気過剰率λ´を算出することで、第一状態において実際に燃焼室2に存在する混合ガスMGの燃料濃度を正確に反映した空気過剰率λ´を算出できる。
よって、燃焼室2内に酸素濃度の低い残留ガスRGが存在する場合であっても、燃焼室内の実情に合致した確度の高い空気過剰率λ´を算出することができ、例えば、異なった運転条件でエンジン1を運転した場合であっても、当該エンジン1の運転状態を一定の指標(補正された理論空気量から算出した空気過剰率λ´)の下に比較することが可能となる。
〔実施例〕
本願に係る上記ガス分析装置100において、理論空気量A0をA0´に補正して空気過剰率λ´を算出したシミュレーション結果について以下に示す。なお、本実施例においては、表1に示すエンジン1の運転条件下で、吸気行程において流入する流入ガスIGの理論空気量A0を10.95とした場合の結果であり、燃料として都市ガスの燃料濃度Wをppm単位で計測した値を用いている。
Figure 0005060378
式1 λ =(1−W)/(A0×W)=1.60
式2 nmix =Pinin/RTin=0.3246
式3 nres =Pexex/RTex=0.02228
式4 O2mix =O2in×(1−(nres/nmix))+O2ex×(nres/nmix
=20.18
式5 A0´ =A0×(O2in/O2mix)=11.40
式6 λ´ =λ×(A0/A0´)=1.54
したがって、この補正後の理論空気量A0´とHC濃度(体積濃度W 54000ppm)とから算出した空気過剰率λ´は、1.54であった。
〔比較例〕
上記実施例において、理論空気量A0の補正を行わずに、理論空気量A0とHC濃度(燃料の体積濃度W 54000ppm)とから算出した空気過剰率λは、1.60であった。
このように本実施例のように理論空気量A0を補正したA0´を用いて算出した空気過剰率λ´と、比較例のように理論空気量A0を用いて算出した空気過剰率λとでは、算出される空気過剰率に差が生じるものとなっており、本実施例のように理論空気量A0を補正したA0´を用いて空気過剰率λ´を求めると、残留ガスRGの影響を考慮した燃焼室2内の実情にあった空気過剰率を算出できることとなり、異なる運転条件(燃焼条件)であっても残留ガスRGの影響を考慮した上で、運転状態(燃焼状態)の把握(比較等)をすることが可能となった。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、第一空気過剰率算出手段10aにおいて理論空気量A0を用いて空気過剰率λを算出しておき、その後理論空気量補正手段13において理論空気量A0を燃焼室2内の状況に応じて理論空気量A0´に補正して、当該補正後の理論空気量A0´と補正前の理論空気量A0とを用いて、式6に基づいて第二空気過剰率算出手段10bにおいて空気過剰率λを、空気過剰率λ´に補正する構成とした。これに対し、正確に空気過剰率を算出できる構成であれば、特にこの構成に限定されるものではなく、第一空気過剰率算出手段10aにおいて、直接に空気過剰率λ´を得る構成とすることもできる。
具体的には、理論空気量補正手段13において、式2から式5に基づいて理論空気量A0を理論空気量A0´に補正した後、当該補正後の理論空気量A0´を第一空気過剰率算出手段10aに出力する構成とする。そして、第一空気過剰率算出手段10aが、式1中における理論空気量A0を理論空気量補正手段13から入力された理論空気量A0´に置き換えて、補正後の空気過剰率λ´を算出する構成とすることもできる。
(2)上記実施形態では、吸引手段としてのポンプ3が一定の出力でサンプルプローブ4を介してガス分析装置100の空気過剰率算出手段10にサンプルガスSGを導いて連続的にHC濃度(例えば、燃料の体積濃度)を計測したが、サンプルガスSG中の燃料の濃度を当該空気過剰率算出手段10に入力することができる構成であれば、特にこの構成に限定されない。例えば、サンプルプローブ4の一端に高速電磁弁を介してサンプルバッグを設置し、当該高速電磁弁を一定期間だけ開くことによりサンプルバッグ内に採取されたサンプルガスSGをガスクロマトグラフ分析計でHC濃度(例えば、燃料の体積濃度)を計測し、当該HC濃度を空気過剰率算出手段10に出力する構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、第一情報取得手段11及び第二情報取得手段12が、温度センサ14、圧力センサ15、クランク角検出センサ16からガス情報の入力を受けて、第一ガス情報及び第二ガス情報を得る構成としたが、第一ガス情報及び第二ガス情報を得ることができる構成であれば、特にこの構成に限定されるものではない。
例えば、第一情報取得手段11及び第二情報取得手段12が、第一ガス情報として第一状態における燃焼室2内の混合ガスMGの温度Tin、圧力Pinを、吸気弁8を通過する前の吸気管内の平均温度、平均圧力とし、当該第一状態における燃焼室2の体積Vinを予め記憶手段に記憶させたものとし、さらに、第二ガス情報として第二状態における燃焼室2内の残留ガスRGの温度Tex、圧力Pexを、排気弁9を通過した後の排気管内の平均温度、平均圧力とし、当該第二状態における燃焼室2の体積Vexを予め記憶手段に記憶させたものとすることで、比較的簡易な構成で第一ガス情報及び第二ガス情報を得るように構成することもできる。
(4)上記実施形態では、空気過剰率λを算出するに当たり、サンプルガスSGを分析し当該サンプルガスSG中の燃料の体積濃度Wをppm単位で計測した結果を用いたが、サンプルガスSG中の燃料の濃度であれば特に制限なく用いることができ、例えば、サンプルガスSGを分析し燃料の体積濃度Wとして、メタン換算値であるppmC単位の体積濃度Wmを用いることもできる。この場合には、燃料の体積濃度W(ppm)=Wm(ppmC)/Nc(炭素量)の換算を行うことで、体積濃度Wm(ppmC)として出力された濃度を体積濃度W(ppm)に変換することができる。なお、例えば、燃料として都市ガス(C:1.2、H:4.4)を用いた場合には、Nc(炭素量)=1.2として変換を行うことができ、上記実施例における体積濃度Wが54000(ppm)の場合、体積濃度Wmは64800(ppmC)である。
エンジンの燃焼室のサンプルガスの成分を分析して、理論空燃比に対する実空燃比の割合である空気過剰率を算出するガス分析方法及びこの方法を実行するガス分析装置として、燃焼室内の実情に合致した確度の高い空気過剰率を算出することができた。
サンプルガスを本願に係るガス分析装置で分析している状態を示す図 本願に係るガス分析装置の動作の一例を示す図
符号の説明
1 エンジン
2 燃焼室
3 ポンプ(吸引手段)
4 サンプルプローブ
10a 第一空気過剰率算出手段(空気過剰率算出手段)
10b 第二空気過剰率算出手段(空気過剰率算出手段)
11 第一情報取得手段
12 第二情報取得手段
13 理論空気量補正手段
100 ガス分析装置
SG サンプルガス
MG 混合ガス
RG 残留ガス
IG 流入ガス
OG 排出ガス

Claims (5)

  1. エンジンの燃焼室のサンプルガスの成分を分析して、理論空燃比に対する実空燃比の割合である空気過剰率を算出するガス分析方法であって、
    吸気行程の終了後、燃焼前である第一状態における燃焼室内の第一ガス情報を得る第一情報取得工程と、
    排気行程の終了後、吸気前である第二状態における燃焼室内の第二ガス情報を得る第二情報取得工程とを実行し、
    前記第一ガス情報から、前記第一状態における燃焼室内の混合ガスのガス量である第一ガス量を求めるとともに、前記第二ガス情報から、前記第二状態における燃焼室内に残留する残留ガスのガス量である第二ガス量を求めるガス量取得工程と、
    前記第一ガス量及び第二ガス量から前記残留ガスの残留割合を求める残留割合取得工程と、
    前記残留ガスの残留割合に応じて前記理論空燃比の理論空気量を補正する理論空気量補正工程と、
    前記理論空気量補正工程で補正された理論空燃比の理論空気量を用いて前記空気過剰率を算出する空気過剰率算出工程とを実行するガス分析方法。
  2. 前記理論空気量補正工程において、前記残留ガスの残留割合と、吸気行程において前記燃焼室に流入する流入ガス中の酸素濃度と、排気行程において前記燃焼室から排出される排出ガス中の酸素濃度とを用いて、前記第一状態における燃焼室内の前記混合ガスの酸素濃度を算出し、当該酸素濃度に基づいて前記理論空燃比の理論空気量を補正する請求項1に記載のガス分析方法。
  3. 前記第一情報取得工程において、前記第一ガス情報として前記第一状態における燃焼室内の温度と圧力と体積とを得るとともに、前記第二情報取得工程において、前記第二ガス情報として前記第二状態における燃焼室内の温度と圧力と体積とを得て、
    前記ガス量取得工程において、前記第一状態における燃焼室内の温度と圧力と体積とから、前記第一ガス量として当該燃焼室内の混合ガスのモル数を求めるとともに、前記第二状態における燃焼室内の温度と圧力と体積とから、前記第二ガス量として当該燃焼室内の残留ガスのモル数を求め、
    前記残留割合取得工程において、前記混合ガスのモル数及び前記残留ガスのモル数から前記残留ガスの残留割合を求める請求項1又は2に記載のガス分析方法。
  4. エンジンの燃焼室のサンプルガスの成分を分析して、理論空燃比に対する実空燃比の割合である空気過剰率を算出する空気過剰率算出手段を備えたガス分析装置であって、
    吸気行程の終了後、燃焼前である第一状態における燃焼室内の第一ガス情報を得る第一情報取得手段と、
    排気行程の終了後、吸気前である第二状態における燃焼室内の第二ガス情報を得る第二情報取得手段とを備えるとともに、
    前記第一ガス情報から、前記第一状態において燃焼室内に存在する混合ガスのガス量としての第一ガス量と、前記第二ガス情報から、前記第二状態において燃焼室内に残留する残留ガスのガス量としての第二ガス量との割合を前記残留ガスの残留割合として求め、当該残留ガスの残留割合に応じて前記理論空燃比の理論空気量を補正する理論空気量補正手段を備え、
    前記空気過剰率算出手段が、前記理論空気量補正手段により補正された理論空燃比の理論空気量を用いて前記空気過剰率を算出するガス分析装置。
  5. 前記エンジンの燃焼室からサンプルプローブを介してサンプリングされるサンプルガスを、吸引手段により前記空気過剰率算出手段に導いて、前記サンプルガスの空気過剰率を算出する請求項4に記載のガス分析装置。
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