JP2010121475A - 内燃機関の吸気弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気弁の上流側の吸気通路内、かつ下流側の吸気弁に向けて燃料が噴射供給される内燃機関において、低温始動時での始動性低下を防止する内燃機関の吸気弁装置を提供。
【解決手段】ガソリンとアルコールとの混合液が燃料として供給される内燃機関であって、吸気弁21の上流側の吸気通路17内、かつ下流側の吸気弁21に向けて燃料が噴射供給される内燃機関1に用いられ、吸気弁21において吸気通路内に噴射される燃料の流れに対し対峙するように配置される傘部211を有し、燃料及び吸気の内燃機関の気筒11内への流入および流入停止をする内燃機関の吸気弁装置2において、吸気弁21のうちの傘部211を直接的に加熱する加熱機構50を備え、加熱機構50は、傘部211の内部に、電源92からの給電により発熱する発熱素子51を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の吸気弁装置に関し、例えば吸気弁の上流側より燃料が噴射供給され、当該燃料と空気とを一緒に気筒内に導入する内燃機関の吸気弁装置に適用して好適なものである。
近年、ガソリンとアルコールとの混合液を燃料とする内燃機関が提案されている(特許文献1等参照)。この種の内燃機関では、アルコールはガソリンに比べて気化しにくいため、燃料中のアルコール濃度が高いほど、内燃機関の始動性が悪化する傾向にある。
このような内燃機関の補助装置の一種として特許文献1に開示する装置では、気筒に向けて燃料を噴射する燃料噴射装置において吸気通路に設けられた燃料噴射弁であって、吸気弁の上流側に設置された燃料噴射弁を有し、かつ燃料噴射弁から気筒に向けて、加熱された燃料を噴射するようにしている。この技術では、各気筒に搭載される燃料噴射弁へ燃料を分配するデリバリパイプと、燃料タンクとの間の燃料通路に、燃料を加熱するヒータが設けられている。このヒータにより加熱することで上記混合液中のアルコールを気化し易い温度に昇温することが可能となる。
特開平7−224737号公報
上記特許文献1による従来技術では、低温環境下での始動時において始動性の悪化が抑制されるはずである。しかしながら、この従来技術では、燃料噴射弁から噴射される燃料の流れに対し、上記吸気弁の傘部が概ね対峙するように配置されているので、噴射された燃料が傘部に付着する可能性がある。特に、吸気流速が小さく、かつ吸気弁が比較的低温になり易い低温始動時において、傘部への燃料付着が過剰になるという懸念がある。それ故に、上記混合液による燃料と吸気が気筒内の燃焼室に流入する際に、燃料の気化が悪化し、始動性低下を招くのである。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、吸気弁の上流側の吸気通路内、かつ下流側の吸気弁に向けて燃料が噴射供給される内燃機関において、低温始動時での始動性低下を防止する内燃機関の吸気弁装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を備える。
本発明の請求項1に記載の発明では、ガソリンとアルコールとの混合液が燃料として供給される内燃機関であって、吸気弁の上流側の吸気通路内、かつ下流側の吸気弁に向けて燃料が噴射供給される内燃機関に用いられ、吸気弁において吸気通路内に噴射される燃料の流れに対し対峙するように配置される傘部を有し、燃料及び吸気の内燃機関の気筒内への流入および流入停止をする内燃機関の吸気弁装置において、
吸気弁のうちの傘部を直接的に加熱する加熱機構を備え、加熱機構は、傘部の内部に、電源からの給電により発熱する発熱素子を有していることを特徴とする。
かかる発明では、燃料としてのガソリンとアルコールとの混合液が、下流側の吸気弁に向けて吸気通路内に噴射されると、混合液による燃料噴霧が形成され、燃料中のガソリンは気化され易いため、ガソリンの液滴部分の微粒化並びに気化が促進される。一方、燃料中のアルコールはガソリンに比べて気化されにくいため、アルコールの液滴部分は、微粒化並びに気化の双方があまり促進されずに、吸気弁に向かって液滴状のままに移動する可能性がある。吸気弁の傘部は、燃料の流れに対し対峙するように配置されるので、燃料中の微粒化が進んでいない部分、即ち燃料中のアルコール濃度が混合液より高くなった燃料液滴が、傘部に衝突し、付着することになる。このように傘部に付着する燃料液滴は、低温始動時においては傘部によって冷却されることになるため、燃料のうちの燃料液滴の部分の気化が過度に悪化し、始動性低下を招く懸念がある。
しかしながら、請求項1に記載の発明では、吸気弁のうちの傘部の内部に、電源からの給電により発熱する発熱素子を有する加熱機構を備える構成とするので、傘部を直接的に加熱し、燃料液滴が付着する傘部を発熱させることができる。これにより、傘部に付着された燃料液滴(以下、単に、「付着液滴」という)が気化し易い温度に、直接的に昇温させることができる。したがって、吸気弁の傘部への付着液滴を解消することはできないものの、傘部を直接的に加熱することにより付着液滴の気化を促進させることができるので、傘部に残留する付着液滴の量を大幅に低減することが可能となる。
以上の請求項1の発明によれば、低温始動時での始動性低下を防止する内燃機関の吸気弁装置を得ることができる。
また、請求項2に記載の発明では、発熱素子は、吸気弁の他の部分よりも固有抵抗値が高い材料からなる抵抗体を含んでいることを特徴とする。
これによると、発熱素子は、吸気弁の他の部分よりも固有抵抗値が高い材料からなる抵抗体を含む構成とするので、吸気弁の他の部分よりも固有抵抗値が高い材料という比較的簡素な構成により、上記発熱素子を実現することができる。
また、請求項3に記載の発明では、ガソリンとアルコールとの混合液が燃料として供給される内燃機関であって、吸気弁の上流側の吸気通路内、かつ下流側の吸気弁に向けて燃料が噴射供給される内燃機関に用いられ、吸気弁において吸気通路内に噴射される燃料の流れに対し対峙するように配置される傘部を有し、燃料及び吸気の内燃機関の気筒内への流入および流入停止をする内燃機関の吸気弁装置において、
吸気弁のうちの傘部を直接的に加熱する加熱機構を備え、加熱機構は、傘部を含む吸気弁の全体を、電源からの給電により発熱する発熱体とすると共に、発熱体は、固有抵抗値が高い第1材料領域と、前記第1材料領域により固有抵抗値が小さい第2材料領域とを有し、かつ、第1材料領域は、傘部に形成されていることを特徴とする。
これによると、吸気弁全体が電源からの給電により発熱する発熱体であって、固有抵抗値が高い第1材料領域と、前記第1材料領域により固有抵抗値が小さい第2材料領域とを有し、かつ第1材料領域を傘部に形成する発熱体を具備する加熱機構を備える構成としている。これにより、傘部は、第1材料領域により固有抵抗値が小さい第2材料領域で形成されているため、電源から給電されると、吸気弁の他の部分より傘部が速やかに加熱されることになるので、実質的に吸気弁のうちの傘部を直接的に加熱することができる。
また、請求項4に記載の発明では、傘部は、気筒を形成する壁部に着座及び離座するシート部を有し、シート部は、第1材料領域及び第2材料領域と異なる第3材料領域であって、第1材料領域及び第2材料領域のいずれよりも固有抵抗値が高い第3材料領域で構成されていることを特徴とする。
傘部のうち、気筒を形成する壁部に着座及び離座するシート部は、着座時であっても着座の状態によって壁部の部分(以下、弁座部分)とシート部との間は、電気抵抗が変化し易く、その電気抵抗値が大きくなる傾向がある。そこで、請求項4に記載の発明によれば、シート部を、第1材料領域及び第2材料領域のいずれよりも固有抵抗値が高い第3材料領域で構成するので、シート部と弁座部分の間の電気抵抗を効果的に高めることができる。これにより、吸気弁のうちの傘部を、直接的に更に効果的に加熱することができる。
また、請求項5乃至6に記載の発明では、吸気弁は、傘部がある軸端部とは反対側の軸端部であって、気筒を形成する壁部に挿通可能、かつ壁部から露出する反対側の軸端部側に、電源からの給電入力部を有していることを特徴とする。
これによると、電源からの給電入力部を、傘部がある軸端部とは反対側の軸端部であって、気筒を形成する壁部に挿通可能、かつ壁部から露出する反対側の軸端部側に設ける構成とするので、電源側の構成要素のうち、少なくとも給電入力部を、気筒において壁部で形成される燃焼室とは相反する反対側に配置することができるので、電源側の構成要素が内燃機関に取り付け易くなる。
また、請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の内燃機関の吸気弁装置は、内燃機関に発生する動力で駆動されるカムを有するカム軸のカムに対し、吸気弁をカム側方向に付勢する付勢部材と、付勢部材の軸方向伸縮に対し付勢部材を支持する支持座部と、を備え、給電入力部は、支持座部のうち、反対側の軸端部側にある支持座部とは相反する側にある支持座部に、接続端子が設けられていることを特徴とする。
これにより、上記給電入力部は、支持座部のうち、反対側の軸端部側にある第1支持座部とは相反する側にある第2支持座部に、接続端子を設ける構成とするので、吸気弁へ給電する給電入力部の接続端子は、吸気弁の動作中であっても不動となる第2支持座部に設けられるので、上記加熱機構における電気回路構成の信頼性確保が容易に実現可能となる。
また、請求項7に記載の発明では、ガソリンとアルコールとの混合液が燃料として供給される内燃機関であって、吸気弁の上流側の吸気通路内、かつ下流側の吸気弁に向けて燃料が噴射供給される内燃機関に用いられ、吸気弁において吸気通路内に噴射される燃料の流れに対し対峙するように配置される傘部を有し、燃料及び吸気の内燃機関の気筒内への流入および流入停止をする内燃機関の吸気弁装置において、
吸気弁のうちの傘部を直接的に加熱する加熱機構を備え、加熱機構は、傘部の周囲に配置される誘電コイルであって、傘部の径方向外側に位置する吸気通路の内壁部分に設置される誘電コイルを有していることを特徴とする。
これによると、傘部の周囲に配置される誘電コイルであって、傘部の径方向外側に位置する吸気通路の内壁部分に設置される誘電コイルを有する加熱機構を備える構成としている。これにより、加熱機構に設けられる誘電コイルは、吸気通路内を流通する燃料及び吸気の流れ、並びに傘部に衝突する付着液滴の流れを阻害することなく、誘電コイルによって傘部に誘電電流を流すことができる。それ故に、吸気弁のうちの傘部を直接的に加熱することと、燃料流れが阻害されるのを抑制することとが両立する。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符合を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は本実施形態による内燃機関の吸気弁装置(以下、単に「吸気弁装置」という)を示している。図1は、吸気弁装置を適用する内燃機関の構成の一部を示しており、図中の一点鎖線で示されるブロック図部分は電気回路構成を模式的に示している。
本実施形態による内燃機関1は、動弁装置2、3と、燃料噴射装置4と、図示しない点火装置と、制御装置9とを備えている。内燃機関1が取り扱う燃料は、異なる沸点を有する二種類の可燃液を混合した混合液であって、ガソリンとアルコールとの混合液である。混合液は、図示しない燃料タンクに貯留されている。
内燃機関1は複数の気筒11を有し、気筒11は、ピストン12、シリンダヘッド13、シリンダブロック14等から構成され、燃焼室15が、ピストン12の頂面、シリンダヘッド13の端面、シリンダブロック14のシリンダ14a内面により囲まれる空間として形成されている。燃焼室15の容積はシリンダ14a内におけるピストン位置により変化し、ピストン12が上死点にあるとき最小となり、下死点にあるとき最大となる。
点火装置は、上記シリンダヘッド13の端面側に設置される点火プラグ(図示せず)を有しており、点火プラグは、点火コイル等からなる高電圧発生装置を通じて、目標とする点火時期において高電圧が印加される。この高電圧の印加により、点火プラグの対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室15に導入された燃料と吸気との混合気が着火され燃焼に供される。
燃料噴射装置4は、加圧された燃料を内燃機関1の気筒11へ供給するものであり、図示しない燃料ポンプと、燃料噴射弁41と、燃料ポンプと燃料噴射弁41の間に配置され、各気筒11に搭載される燃料噴射弁41に燃料を分配するデリバリパイプ(図示せず)とを備えている。燃料ポンプは燃料タンク内の燃料を吸い上げ、加圧する。加圧された燃料はデリバリパイプに供給されると共に、デリバリパイプを介して燃料噴射弁41に燃料入口部に供給される。
燃料噴射弁41は、燃料噴射弁41の先端部側に、燃料を噴射する噴孔(図示せず)が設けられており、噴孔からの燃料の噴射及び噴射停止を操作する弁部材(図示せず)と、弁部材を駆動する駆動部とを有する周知の構成である。この燃料噴射弁41は、駆動部が制御装置9により制御され、内燃機関の運転状態に応じて最適な噴射量及び噴射時期に、噴孔からの燃料噴射を行なう。
燃料噴射弁41は、図1に示すように吸気通路17内へ燃料を噴射可能にシリンダヘッド13に設置されている。燃料噴射弁41の上記噴孔、つまり先端部の位置が吸気弁21の上流側にあるように配置されている。
動弁装置2、3は、吸気弁21を駆動する吸気弁装置2と、排気弁31を駆動する排気弁装置3とを備えている。吸気弁装置2は、燃焼室15と吸気通路17とを連通及び遮断する弁装置であり、排気弁装置3は、燃焼室15と排気通路18とを連通及び遮断する弁装置である。吸気通路17及び排気通路18は、それぞれの通路がシリンダヘッド13の内壁13aの内面で囲むように形成されており、燃焼室15側の通路端部17a、18aにおける内壁13aの断面形状が、吸気弁21及び排気弁31の傘部211、311で閉塞されるように概ね円形に形成されている。ここで、内壁13aは請求範囲に記載の壁部に相当する。
上記吸気弁装置2及び排気弁装置3は、いずれも内燃機関の駆動軸であるクランク軸に対し連動して回転する従動軸であるカム軸16によって、吸気弁21並びに排気弁31が駆動される。吸気弁装置2及び排気弁装置3は、その弁装置としての基本構成がほぼ同じであるため、以下の基本構成の説明では、吸気弁装置2で説明する。
吸気弁装置2は、上記カム軸16と吸気弁21とに加え、「付勢部材」としてのバルブスプリング23と、「支持座部」としてのバルブスプリングシート24、25と、ロッカーアーム26と、「隙間調節要素」としてのラッシュアジャスタ27とを備えている。
吸気弁21は、傘部211と、軸部212とを有し、傘部211は、吸気通路17を流れる吸気の流れ方向に対し直交する方向に沿う断面形状が円形を呈しており、吸気弁21の開弁時には、傘部211と、上記吸気通路端部17a側の内壁13aとの間に、円環状の隙間が形成されるのである。この円環状の隙間を通じて吸気及び燃料の流れが燃焼室15に流入する。
軸部212は、傘部211からカム軸16側に向かって延びるように形成されており、その軸端部212a側にはバルブスプリングシート24を係止する係止部が設けられている。そしてその軸端部212aの先端またはバルブスプリングシート24(本実施例では先端)が、カム軸16のカム16aの外周面に、間接的に当接する。
バルブスプリング23は、内壁13aの外面に支持されるバルブスプリングシート25と、上記バルブスプリングシート24の間に挟み込まれて設置されており、バルブスプリング23に発生する付勢力は、吸気弁21を、カム軸16のカム16aの外周面に向けて付勢する。
また、カム16aはロッカーアーム26の一端部26aと対向する。ロッカーアーム26の一端部26aには、吸気弁21に付勢するバルブスプリング23の付勢力によって吸気弁21の軸端部212aが付勢される。一方、ロッカーアーム26の他端部26bはラッシュアジャスタ27に当接している。ラッシュアジャスタ27がロッカーアーム26の他端部26bを押し上げることにより、ロッカーアーム26はその一端部26aが吸気弁21の軸端部212aに接触した状態で保たれる。
以上、吸気弁装置2における吸気弁21の駆動機構の基本構成を説明した。ここで、吸気弁21の軸端部212aと、ロッカーアーム26の一端部26aとの間に、カム16aとの搖動接触による摩耗を防止する耐摩耗性に優れた介在部材28を介在させる構成としてもよい。また、吸気弁21の軸部212は、内壁13aに挿通され、内壁13aに対し軸方向移動することになるが、軸部212と内壁13aとの間に、「軸受け要素」としての筒状部材29を設ける構成としてもよい。シリンダヘッド13は、アルミ製、鉄製、または鋼製などで形成され、吸気弁21などの動弁は耐熱性及び耐摩耗性に優れる鉄系の特殊鋼などで形成されるので、上記材料からなるシリンダヘッド13の内壁と、吸気弁21の軸部212との間に、吸気弁21の材料との組合わせにおいて耐摩耗性が優れる材料からなる筒状部材29を組み込むことが可能となる。

制御装置9は、制御回路91と、RAM、ROMまたはEEPROMなどの記憶部とを有する周知のマイクロコンピュータから構成され、燃料噴射弁41の駆動部、及び点火装置の高電圧発生装置などが制御回路91に接続されている。制御回路91は、駆動部、並びに高電圧発生装置を駆動制御することにより、燃料噴射弁41の燃料噴射、並びに点火装置の点火制御を実施する。
制御回路91は、各種のセンサが接続されており、センサから出力される信号に基づいて内燃機関の運転状態を取得する。各種のセンサは、冷却水温センサ97と、始動センサ98などを含んでおり、内燃機関1の気筒11もしくは内燃機関1を搭載する車両に取り付けられる。冷却水温センサ97は、気筒11のシリンダブロック14に設けられ、冷却水温Tを検出する。始動センサ98は、図示しないイグニッションスイッチのオン状態、または始動装置であるスタータ(図示せず)への給電電流などを検出することで、内燃機関の始動時(以下、単に「始動時」という)を検出する。
このような構成の制御装置9は、記憶部に記憶された各種の制御プログラムを実行することで、内燃機関の運転状態に応じて燃料噴射弁41からの燃料の噴射量及び噴射時期の制御と、点火装置の点火時期の制御とを実行する。
以上、内燃機関1、並びに吸気弁装置2の基本構成について説明した。以下、吸気弁装置2の特徴的構成について説明する。図1は、吸気弁装置2において主に加熱機構50、並びに加熱機構50及び制御装置9の電気回路構成を示している。また、図2は、始動制御に係わる制御処理であって、加熱機構50による吸気弁21を加熱する制御処理を示している。
(特徴的構成)
燃料噴射弁41から噴射される燃料の流れに対し、吸気弁の傘部211が対峙するように配置されている。
燃料噴射弁41の燃料流れに対し傘部211が対峙するという対峙条件は、傘部211が、燃料噴射弁41の噴孔の噴孔軸に対し対峙するというものに限らず、上記燃料噴射弁41からの燃料が吸気通路17内に噴射されることで吸気の流れに燃料が乗ることにより、当該燃料の流れに対し傘部211が対峙するものを含んでいる。それ故に、図1のように燃料噴射弁41が、吸気弁21の上流側であって、例えば吸気通路17のうちのシリンダヘッド13の吸気通路17の部分、いわゆる吸気ポートに配置されるというものも、上記対峙条件を満足する。
このような対峙条件を有する吸気弁装置2では、燃料としてのガソリン及びアルコールの混合液が、吸気弁21に向けて吸気通路17内に噴射されると、混合液による燃料噴霧が形成され、燃料中のガソリンは気化され易いため、ガソリンの液滴部分の微粒化並びに気化が促進される。一方、燃料中のアルコールはガソリンに比べて気化されにくいため、アルコールの液滴部分は、微粒化並びに気化の双方があまり促進されずに、吸気弁21に向かって液滴状のままに移動する可能性がある。吸気弁21の傘部211は、燃料の流れに対し対峙するように配置されるので、燃料中の微粒化が進んでいない部分、即ち燃料中のアルコール濃度が混合液より高くなった燃料液滴が、傘部211に衝突し、付着することになる。この燃料液滴は、低温始動時においては傘部211によって冷却されることになるため、燃料のうちの上記燃料液滴の部分の気化が過度に悪化し、始動性低下を招く懸念がある。
これに対し本実施形態による吸気弁装置2では、吸気弁21を加熱する加熱機構50を備えている。この加熱機構50は、傘部211の内部に、制御装置9の電源回路92からの給電により発熱する発熱素子51を有している。これにより、加熱機構50の発熱素子51は、電源回路92からの給電により、吸気弁21のうちの傘部211を直接的に加熱することができる。
電源回路92は、図示しない車載バッテリに接続されており、車載バッテリから例えば「12V」の直流電圧が常時給電されている。この電源回路92は、制御装置9、並びに燃料噴射弁41の駆動部などの内燃機関の他の構成要素に給電する内部電源として機能する。ここで、制御装置9の電源回路92は請求範囲に記載の電源に相当する。

発熱素子51は、加熱電極を有し、加熱電極間の放電により加熱電極が加熱され、熱を発生するもの、あるいはニクロム、チタン、セラミック、ビスマスなどの抵抗体で構成されるもののいずれであってもよい。なお、本実施例では、発熱素子51を抵抗体で構成されるものとする。
上記抵抗体からなる発熱素子51では、抵抗体に正電極及び負電極を設け、電源回路92から双方の電極間に電位差を印加するものに限らず、抵抗体に正電極及び負電極の一方を配置することにより電圧を印加する(本実施例では抵抗体への正電極配置による正電圧印加)構成としてもよい。
本実施形態による上記抵抗体は、吸気弁21の他の部分より固有抵抗値が高い材料から構成されている。これによると、抵抗体を、吸気弁21の他の部分よりも固有抵抗値が高い材料という比較的簡素な構成により、上記発熱素子51を実現することができる。
発熱素子51は、抵抗体の上端側にリード線が接続されており、このリード線は発熱素子51以外の吸気弁21の他の部分に対し電気的に絶縁されるように構成されている。そして、このリード線は、軸部212及び筒状部材29の摺動要素間に摺動スイッチが設けられると共に、筒状部材29側から電気的に絶縁されたリード線が引き出され、当該リード線が電源回路92の正電極に接続している。一方、電源回路92の負電極は、シリンダヘッド13に接続され、吸気弁21の傘部211に電気的に接続可能となっている。これにより、電源回路92が、発熱素子51の抵抗体に正電圧を印加すると、発熱素子51、吸気弁21、及びシリンダヘッド13のいずれも導電体であるため、抵抗体から吸気弁21の傘部211を経由しシリンダヘッド13に導通する。なお、吸気弁21が閉弁状態にあるとき導通状態となる。
これによると、発熱素子51の抵抗体への通電により、抵抗体が急速に加熱される。それ故に、吸気弁21の他の部分及びシリンダヘッド13に比べて発熱素子51が急発熱され、従って、吸気弁21のうちの傘部211を効果的に加熱することが可能となる。
なお、ここで、発熱素子51に正電極及び負電極を設け、かつその正電極及び負電極の双方が、吸気弁21並びシリンダヘッド13に対し電気的に絶縁性を有するように構成されていることが好ましい。上記発熱素子51に正電極及び負電極の一方を配置する構成に比べて上記摺動スイッチなどの電気回路構成が複雑になる可能性はあるが、吸気弁21の開弁及び閉弁のいずれの弁状態に関係なく、発熱素子51及び電源回路92間は常に導通状態を維持し、発熱素子51への給電が常時可能である。
さらになお、上記発熱素子51に正電極及び負電極の一方を配置する構成においては、少なくとも介在部材28及びバルブスプリングシート25は、絶縁性を有する材料で形成されていることが好ましい。これによると、発熱素子51の抵抗体に給電された電流が、吸気弁21の軸部212側からシリンダヘッド13側、並びにロッカーアーム26側へ流出するのを防止することができる。これにより、電源回路92からの給電が、発熱素子51への電力集中を図ることができるので、無駄な電力消費を抑えて発熱素子51を効果的に急速発熱させることができる。
次に、以上のように構成された吸気弁装置2の動作をについて、図1及び図2に基づいて説明する。図2は、制御装置9の上記記憶部に記憶されるプログラムを実行することで得られる制御処理を示すものである。
S(Sはステップ)10では、始動要求を検出する。なお、始動要求を検出する手段としては、制御装置9の制御回路91は、運転者が車外にいる状態において、始動前に生じる事象を検出し、その検出した事象に基づいて始動を予測する始動予測機能を有する構成としている。
上記制御回路91が有する始動予測機能としては、例えば車両のユーザーが車両の車載機器等を操作する操作事象を取得する取得手段であって、その取得手段は、車両のドアのドアロック機構を、ユーザーが車外にいる状態で送信機によりロックおよびアンロックするワイヤレス制御手段を有している。そして、上記始動前操作事象は、ユーザーが始動に先立って、ワイヤレス制御手段によりドアロック機構をアンロックするように、送信機を操作することで発生するものである。
なお、上記送信機は、ユーザーの所有する携帯機であってもよい。この場合、車両側は、携帯機にリクエスト信号を送信し、携帯機が車両に係わる固有情報を含むレスポンス信号を返送する相互通信手段と、上記ユーザーの所有する携帯機との相互通信による固有情報の照合結果に基づいて、携帯機が車両周りの所定範囲内にあると判断する場合、車両のドアロック機構をアンロックする車両乗車準備手段とを有している。そして、上記始動前操作事象は、ユーザーの所有する携帯機が車両周りの所定範囲内に進入ことで判断されるのである。
なお、上記S10では、上記始動前操作事象を、ユーザーが車外にいる状態を前提としたが、ユーザーが車内にいる状態にある場合であってもよい。例えばユーザーが車両の運転席に乗車した後、ユーザーによるドアを閉じる操作の発生を、始動前操作事象としてもよい。
これらの始動前操作事象によれば、ユーザーのイグニッションスイッチ操作による始動開始までに、加熱機構50の作動による吸気弁21を加熱する加熱準備期間を、比較的十分に確保することができる。
上記S10にて始動要求が検出されると、S20へ移行し、内燃機関1の温度を取得する。具体的にはS20では、制御装置9は、冷却水温センサ97の検出により冷却水温Tを取得し、S30へ移行する。
S30では、始動要求に対し、現在の始動条件が、冷間での始動(以下、冷間始動)であるか否かを判定する。冷間始動とは、内燃機関1の停止後、放置等により内燃機関1の各位が冷却された状態から始動する場合をいう。また、冷間状態の閾値温度としての所定温度Trefより、取得された冷却水温Tが低い場合には、始動するときの状態が、冷間始動にあると推定される。そこで、具体的にはS30では、冷却水温Tが所定温度Trefより低いか否かを判断することにより、冷間始動であるか否かを判定する。
S30にて冷却水温Tが所定温度Trefより低いと判断する場合には、始動要求に対し冷間始動であると判定し、S40へ移行する。
S40では、加熱機構50を動作させ、吸気弁21の傘部211を加熱する。具体的には、電源回路92からの給電により発熱素子51を通電(以下、加熱機構のオン動作)さあせると共に、所定の加熱期間が経過すると、発熱素子51の通電停止(以下、加熱機構のオフ動作)をする。なお、S40における加熱機構50の動作処理は、所定の加熱期間だけ加熱機構50をオン動作及びオフ動作するものに限らず、例えば傘部211の温度が所定温度以上であるか否かを判定し、所定温度以上である場合に加熱機構50をオフ動作する構成であってもよい。なお、傘部211の温度は、直接または間接的に検出される。例えば、発熱素子51の抵抗特性は温度により変化するので、温度と抵抗特性の変化、つまり発熱素子51の温度特性に基づいて傘部211の温度を間接的に取得することが可能である。
以上のS40の制御処理を実施することにより、傘部211を加熱機構50の加熱により上記燃料液滴が気化する温度程度に昇温させることができる。
S50では、始動センサ98の検出することで始動装置(スタータ)のオン動作を実行する。具体的には、制御装置9は、ユーザーによるイグニッションの操作を始動センサ98に検出し、イグニッションがオン状態に切換えられたという情報を取得する。始動装置(スタータ)のオン動作が実行されると、低温始動が開始される。S60では、制御装置9は、このときの低温始動状態に応じて適切な燃料噴射が実施されるように、燃料噴射弁41を駆動制御する。これによると、S40にて吸気弁21の傘部211の温度が、燃料液滴が気化する温度程度に昇温しているので、燃料噴射弁41からの燃料のうち上記燃料液滴が傘部211に付着したとしても、傘部211に付着の燃料液滴が気化し、傘部211に残留する燃料液滴の量を大幅に低減することができる。
一方、S30にて冷却水温Tが所定温度Tref以上であると判断する場合には、始動要求に対し冷間始動でないと判定し、S40の制御処理を実施せず、S50及びS60の制御処理が実行される。これにより、制御装置9は、このときの冷間状態でない通常の冷却水温Tでの始動状態に応じて適切な燃料噴射が実施されるように、燃料噴射弁41を駆動制御する。
以上説明した本実施形態では、吸気弁21のうちの傘部211の内部に、電源回路92からの給電により発熱する発熱素子51を有する加熱機構50を備える構成とするので、傘部211を直接的に加熱し、燃料液滴が付着する傘部211を発熱させることができる。そのような加熱機構50は、当該傘部211の付着液滴が気化し易い温度に、直接的に昇温させることができる。
それ故に、吸気弁21の傘部211への付着液滴の機会を解消することはできないものの、傘部211を直接的に加熱することにより付着液滴の気化を促進させることができるので、傘部211に残留する付着液滴の量を大幅に低減することが可能となる。したがって、本実施形態による吸気弁装置2によれば、低温始動時での始動性低下を防止することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態を図3に示す。第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態では、加熱機構50としては、吸気弁21の内部に発熱素子51を組み込む構成とするのではなく、吸気弁21を通電により発熱する発熱体とし、かつ上記発熱体のうちの傘部211の領域部分が発熱し易い発熱体部分とする一例を示すものである。図3は、内燃機関1のうち、吸気弁装置2周りの特徴的構成を示すものである。
吸気弁21は、傘部211を含む吸気弁全体211、212を、電源回路92からの給電により発熱する発熱体に構成されている。吸気弁21の発熱体は、少なくとも二種類の材料領域21a、21bから構成され、第1材料領域21aは固有抵抗値が比較的高い材料からなり、第2材料領域21bは第1材料領域21aより固有抵抗値が小さい材料からなるものである。さらに、第1材料領域21aが傘部211に形成される構成としている。
次に、吸気弁21及び電源回路92間の電気回路構成は、以下のように構成されている。即ち、介在部材28、筒状部材29、及びバルブスプリングシート25は、絶縁性を有する材料で形成されている。これによると、絶縁性体である介在部材28により吸気弁21の軸端部212a側からロッカーアーム26側へ導通するはない。そして、絶縁性体である筒状部材29により吸気弁21の軸部212側からシリンダヘッド13側へ導通することはない。さらに、絶縁性体であるバルブスプリングシート25により、吸気弁21の軸部212側からバルブスプリングシート24及びバルブスプリング23を経由しシリンダヘッド13側へ導通することはない。
さらに、吸気弁側に正電圧を印加する「電極端子」として、バルブスプリングシート25側に、接続端子部材59を設けている。接続端子部材59は、バルブスプリングシート2とバルブスプリング23との間に挟み込まれ、バルブスプリング23側へ電気的に導通する構成となっている。
以上のような電気的構成とした吸気弁21及び電源回路92では、電源回路92から吸気弁21側へ給電される電流は、接続端子部材59、バルブスプリング23、バルブスプリングシート24、吸気弁21の軸部212、吸気弁21の傘部211、及びシリンダヘッド13の順で導通する。この電流により、吸気弁21が抵抗加熱する。このとき、吸気弁21の傘部211が他の部分よりも固有抵抗値が高いため、傘部211が効率的に急速加熱されるのである。これにより、実質的に吸気弁21のうちの傘部211を直接的に加熱することができる。
以上説明した本実施形態による吸気弁装置2によれば、第1実施形態による吸気弁装置2と実質的に同等な作用効果が得られる。
また、以上の本実施形態による吸気弁装置2では、第1実施形態の如く吸気弁21の軸部212及び筒状部材29間に摺動スイッチを設ける必要がない。
これによると、電源回路92からの給電入力部を、傘部211がある軸端部とは反対側の軸端部212aであって、シリンダヘッド13を形成する内壁13aに挿通可能、かつ内壁13aから露出する上記軸端部212a側に設ける構成とすることができる。それ故に、電源回路92側の構成要素のうち、少なくとも軸端部212a側への給電入力部を、シリンダヘッド13つまり気筒11において内壁13aなどの壁部で形成される燃焼室15とは相反する反対側に配置することができるので、電源回路92側の構成要素が内燃機関1に取り付け易くなる。
さらに、上記給電入力部においては、バルブスプリングシート25側に、「接続端子」としての接続端子部材59が設けられている構成としている。これにより、上記接続端子部材59は、吸気弁21の動作中であっても不動となるバルブスプリングシート25側に設けられるので、加熱機構50における電気回路構成の信頼性確保が容易に実現可能となる。
(第3実施形態)
第3実施形態を図4に示す。第3実施形態は第1実施形態の変形例である。第3実施形態では、加熱機構50としては、吸気弁21の傘部211を誘電電流により加熱する構成とする一例を示すものである。図4は、内燃機関1のうち、吸気弁装置2周りの特徴的構成を示すものである。
図4に示すように、加熱機構50は誘電コイル151を有している。誘電コイル151は、吸気弁21の周囲に配置され、かつ吸気弁21の傘部211の径方向外側に位置する吸気通路17の内壁13a部分に設置されている。
誘電コイル151は、例えば複数の銅線を撚り合わせて1本の線に形成したいわゆるリッツ線が用いられている。本実施例では、直径0.3mm程度の銅線を数本束ねて撚り合わせて1本とした導線を用いている。そして、この導線を複数回巻回し、上記内壁13a部分に形成した環状溝52内に収容している。誘電コイル151の内周側は、吸気通路17の内壁13a内面とほぼ同一または内壁13a内面より大きく形成されている。
これによると、誘電コイル151の内周側部分は、吸気通路17の内壁13a内面より内側に突出することはない。それ故に、誘電コイル151は、燃料噴射弁41からの燃料の流れ、及び吸気の流れを阻害しないように設置されるのである。
電源回路92は、誘電コイル151の巻線の両端部に接続されており、誘電コイル151に交流電圧を印加する。誘電コイル151に交流電圧が印加されると、誘電コイル151に形成される磁界変化により径方向内側に位置する傘部211に誘電電流が発生する。この誘電電流が傘部211に流れるときに発生するジュール熱により傘部211の温度が昇温する。それ故に、制御装置9が電源回路92を駆動制御し、誘電コイル151へ交流電圧を印加することで、吸気弁21のうちの傘部211に誘電電流を流し、傘部211の温度を高めることができる。
以上説明した本実施形態による吸気弁装置2によれば、第1実施形態による吸気弁装置2と実質的に同等な作用効果が得られる。
また、以上説明した本実施形態によれば、吸気弁21側へ直接的に給電する必要がないため、吸気弁21を含む誘電コイル151及び電源回路92の電気回路構成が、比較的簡素に構成することができる。
また、以上説明した本実施形態では、誘電コイル151は、吸気通路17内を流通する燃料及び吸気の流れ、並びに傘部211に衝突する付着液滴の流れを阻害することなく、誘電コイル151によって傘部211に誘電電流を流すことができる。それ故に、吸気弁21のうちの傘部211を直接的に加熱することと、燃料流れが阻害されるのを抑制することとが両立する。
以上説明した本実施形態においては、誘電コイル151への巻線をリッツ線で巻回する構成としたが、これに限らず、例えば一本の導線などの単線を巻回する構成としてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態を図5に示す。第4実施形態は第2実施形態の変形例である。第4実施形態では、加熱機構50としては、吸気弁21を発熱体とし、かつ上記発熱体のうちの傘部211の領域部分が発熱し易い発熱体部分とする他の一例を示すものである。図5は、内燃機関1のうち、吸気弁21周りの特徴的構成を示すものである。
吸気弁21は、少なくとも三種類の材料領域21a、21b、21cから構成され、第3材料領域21cは、第1材料領域21a及び第2材料領域21bのいずれよりも固有抵抗値が高い材料からなるものである。
第3材料領域21cは、傘部211のシート部213に形成される構成としている。シート部213は、傘部211が、吸気通路17の内壁13aの吸気弁21側の部分(以下、弁座という)13bに着座及び離座するものである。
傘部211のうち、シリンダヘッド側の上記弁座13bに着座及び離座するシート部213は、吸気弁21の閉弁時、即ち着座時であっても着座の状態によって弁座13bとシート部213との間は、電気抵抗が変化し易く、その電気抵抗値が大きくなる傾向がある。そこで、本実施形態よれば、シート部213を、第1材料領域21a及び第2材料領域21bのいずれよりも固有抵抗値が高い第3材料領域21cで構成するので、シート部213と弁座13bの間の電気抵抗を効果的に高めることができる。これにより、吸気弁21のうちの傘部211を、直接的に更に効果的に加熱することができるのである。
また、上記シート部213は、傘部211における燃料流れに対し対峙する対峙面に沿って、径方向内側に延びている。これによると、傘部211の上記対峙面の部分(以下、対峙面部)が第3材料領域21cで構成されることになる。これにより、電源回路92からの給電により加熱機構50は、燃料液滴が付着し易い傘部211の対峙面部を急速加熱することが可能となる。
(第5実施形態)
第5実施形態を図6に示す。第5実施形態は第1実施形態の変形例である。第5実施形態では、吸気弁21及び電源回路92の電気回路構成の他の一例を示すものである。図5は、吸気弁装置2のうち、吸気弁21周りの特徴的構成を示すものである。
図6の発熱素子51に正電極及び負電極の一方(本実施例では正電極)を配置する構成に示すように、発熱素子51に設置の正電極が、吸気弁21の軸端部212a側から外部へ引き出される構成となっている。
吸気弁21のうちの軸部212は、第1及び第3の軸部部分1212、3212と、第2の軸部部分2212とを備えている。第1及び第3の軸部部分1212、3212は第1材料領域で構成され、また第2の軸部部分2212は、絶縁性を有する材料で構成されている。第3の軸部部分3212は、軸部212の軸端部212a側に設置されており、第3の軸部部分3212にバルブスプリングシート24が係止されると共に、電気的に接続されている。
第1〜第3の軸部部分1212、2212、3212は、別個に形成されて一体的に組付けられるものであっても、異なる材料が一体に形成される複合材料で形成されていてもよい。
以上の本実施形態による吸気弁装置2では、第1実施形態の如く吸気弁21の軸部212及び筒状部材29間に設けた摺動スイッチのようなスイッチ回路を設ける必要がない。
これによると、電源回路92から軸部212への給電入力部を、シリンダヘッド13を形成する内壁13aに挿通可能、かつ内壁13aから露出する上記反対側の軸端部212a側に設ける構成としている。これにより、電源回路92側の構成要素を、シリンダヘッド13つまり気筒11の内壁13aに形成される燃焼室15とは相反する反対側に配置することができるので、電源回路92側の構成要素が内燃機関1に取り付け易くなる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用可能である。
(1)以上説明した本実施形態は、吸気弁21を加熱する加熱機構50として、発熱素子51、吸気弁21の材料区分を第1乃至3の材料領域に分け、傘部211を他の部分に比べて固有抵抗値が高い材料とする構成、及び吸気弁21の傘部211の周囲に誘電コイル151のいずれかを設ける構成とした。加熱機構50は、これに限らず、吸気弁21の傘部211を直接的に加熱する加熱手段であればいずれであってもよい。
(2)以上説明した第2及び第4実施形態では、吸気弁21の材料区分を少なくとも第1及び第2の材料領域に分け、第2材料領域より固有抵抗が高い第1材料領域を、傘部211に形成する構成とした。これに限らず、接続端子部材59を、抵抗体とし、この抵抗体を、第1材料領域21a及び第2材料領域21bのいずれよりも固有抵抗値が高い材料からなる構成としてもよい。この場合、吸気弁21の傘部211を直接的に加熱する加熱手段ではないが、吸気弁21の全体を加熱する構成とすることができる。
(3)以上説明した第4実施形態では、傘部211のシート部213を、第3材料領域21cからなる構成とした。この場合、第1材料領域21a及び第2材料領域21bの固有抵抗の差がほとんどない構成としてもよい。
(4)以上説明した本実施形態は、吸気弁装置2などの動弁装置2、3を、ロッカーアーム26を備えたいわゆるロッカーアーム式の動弁21、31の駆動構造で説明した。これに限らず、カム軸16のカム16aとバルブスプリングシート24との間にリフタを介在させるいわゆるリフタ式の動弁駆動構造であってもよい。
本発明の第1実施形態による内燃機関の吸気弁装置を適用した内燃機関の構成を示す模式図である。 図1中の制御装置にて実行される内燃機関の始動制御に係わる制御処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係わる内燃機関の吸気弁装置を示す模式図である。 第3実施形態に係わる内燃機関の吸気弁装置を示す模式図である。 第4実施形態に係わる吸気弁の特徴構成を示す模式的断面図である。 第5実施形態に係わる吸気弁の特徴構成を示す模式的断面図である。
符号の説明
1 内燃機関
11 気筒
12 ピストン
13 シリンダヘッド
13a 内壁(壁部)
14 シリンダブロック
14a シリンダ
15 燃焼室
16 カム軸
16a カム
17 吸気通路
18 排気通路
2 吸気弁装置(動弁装置)
21 吸気弁
211 傘部
212 軸部
212a 軸端部
23 バルブスプリング(付勢部材)
24 バルブスプリングシート(支持座部)
25 バルブスプリングシート(支持座部)
26 ロッカーアーム
26a 一端部
26b 他端部
27 ラッシュアジャスタ(隙間調節要素)
28 介在部材
29 筒状部材(軸受け要素)
4 燃料噴射装置
41 燃料噴射弁
50 加熱機構
51 発熱素子
9 制御装置
91 制御回路
92 電源回路(電源)
97 冷却水温センサ
98 始動センサ

Claims (7)

  1. ガソリンとアルコールとの混合液が燃料として供給される内燃機関であって、吸気弁の上流側の吸気通路内、かつ下流側の前記吸気弁に向けて前記燃料が噴射供給される内燃機関に用いられ、
    前記吸気弁において前記吸気通路内に噴射される前記燃料の流れに対し、対峙するように配置される傘部を有し、前記燃料及び吸気の前記内燃機関の気筒内への流入および流入停止をする内燃機関の吸気弁装置において、
    前記吸気弁のうちの前記傘部を直接的に加熱する加熱機構を備え、
    前記加熱機構は、前記傘部の内部に、電源からの給電により発熱する発熱素子を有していることを特徴とする内燃機関の吸気弁装置。
  2. 前記発熱素子は、前記吸気弁の他の部分よりも固有抵抗値が高い材料からなる抵抗体を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気弁装置。
  3. ガソリンとアルコールとの混合液が燃料として供給される内燃機関であって、吸気弁の上流側の吸気通路内、かつ下流側の前記吸気弁に向けて前記燃料が噴射供給される内燃機関に用いられ、
    前記吸気弁において前記吸気通路内に噴射される前記燃料の流れに対し、対峙するように配置される傘部を有し、前記燃料及び吸気の前記内燃機関の気筒内への流入および流入停止をする内燃機関の吸気弁装置において、
    前記吸気弁のうちの前記傘部を直接的に加熱する加熱機構を備え、
    前記加熱機構は、
    前記傘部を含む前記吸気弁の全体を、電源からの給電により発熱する発熱体とすると共に、前記発熱体は、固有抵抗値が高い第1材料領域と、前記第1材料領域により固有抵抗値が小さい第2材料領域とを有し、
    かつ、前記第1材料領域は、前記傘部に形成されていることを特徴とする内燃機関の吸気弁装置。
  4. 前記傘部は、前記気筒を形成する壁部に着座及び離座するシート部を有し、
    前記シート部は、前記第1材料領域及び前記第2材料領域と異なる第3材料領域であって、前記第1材料領域及び前記第2材料領域のいずれよりも固有抵抗値が高い第3材料領域で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の吸気弁装置。
  5. 前記吸気弁は、前記傘部がある軸端部とは反対側の軸端部であって、前記気筒を形成する壁部に挿通可能、かつ前記壁部から露出する反対側の軸端部側に、前記電源からの給電入力部を有していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の吸気弁装置。
  6. 請求項5に記載の内燃機関の吸気弁装置は、
    前記内燃機関に発生する動力で駆動されるカムを有するカム軸の前記カムに対し、前記吸気弁を前記カム側方向に付勢する付勢部材と、
    前記付勢部材の軸方向伸縮に対し前記付勢部材を支持する支持座部と、
    を備え、
    前記給電入力部は、前記支持座部のうち、前記反対側の軸端部側にある第1支持座部とは相反する側にある第2支持座部に、接続端子が設けられていることを特徴とする内燃機関の吸気弁装置。
  7. ガソリンとアルコールとの混合液が燃料として供給される内燃機関であって、吸気弁の上流側の吸気通路内、かつ下流側の前記吸気弁に向けて前記燃料が噴射供給される内燃機関に用いられ、
    前記吸気弁において前記吸気通路内に噴射される前記燃料の流れに対し、対峙するように配置される傘部を有し、前記燃料及び吸気の前記内燃機関の気筒内への流入および流入停止をする内燃機関の吸気弁装置において、
    前記吸気弁のうちの前記傘部を直接的に加熱する加熱機構を備え、
    前記加熱機構は、
    前記傘部の周囲に配置される誘電コイルであって、前記傘部の径方向外側に位置する前記吸気通路の内壁部分に設置される誘電コイルを有していることを特徴とする内燃機関の吸気弁装置。
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