JP2010121474A - 燃料貯留システム - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関が長期間使用されない場合における蒸発燃料又は劣化燃料による不具合を軽減する。
【解決手段】燃料供給システム800は、連通管817により相互に連通した、容量可変構造を有するメインタンク801及びサブタンク810を備える。連通管817には、移送ポンプ818が設置されており、メインタンク801からサブタンク810へ適宜燃料が移送される。給油管803は、メインタンク801に接続されており、軽質成分を多く含む新燃料は、容量可変による蒸発抑制効果を有するメインタンク801に貯留されることによってその蒸発が抑制される。一方、ECU100は、サブタンク810に劣化燃料が貯留され、メインタンク801に軽質燃料が貯留されている場合に、インジェクタ212に供給される燃料に対するサブ燃料FL2の比率及びメイン燃料FL1の比率を、冷却水温Twに応じて設定する。
【選択図】図5
【解決手段】燃料供給システム800は、連通管817により相互に連通した、容量可変構造を有するメインタンク801及びサブタンク810を備える。連通管817には、移送ポンプ818が設置されており、メインタンク801からサブタンク810へ適宜燃料が移送される。給油管803は、メインタンク801に接続されており、軽質成分を多く含む新燃料は、容量可変による蒸発抑制効果を有するメインタンク801に貯留されることによってその蒸発が抑制される。一方、ECU100は、サブタンク810に劣化燃料が貯留され、メインタンク801に軽質燃料が貯留されている場合に、インジェクタ212に供給される燃料に対するサブ燃料FL2の比率及びメイン燃料FL1の比率を、冷却水温Twに応じて設定する。
【選択図】図5
Description
本発明は、車両において内燃機関の燃料を貯留するための燃料貯留システムの技術分野に関する。
この種のシステムに類するものとして、ハイブリッド電気自動車において、蒸発燃料(以下、適宜「ベーパ」と称する)の処理を行うものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されたハイブリッド電気自動車の制御装置(以下、「従来の技術」と称する)によれば、電動モータにより車両を駆動させている間、エンジンの停止期間が所定期間を超えた場合にエンジンを始動させることによって、蒸発燃料を燃焼により消費することが可能となり、蒸発燃料の大気放出が防止されるとされている。
尚、燃料タンク内の燃料ベーパの量が所定量を超えた場合にエンジンを起動させる発電機駆動用エンジンの制御装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、プロパンとブタンを含む低温液化ガスを燃料とするエンジンにおいて、KCS遅角初期値を、その低温液化ガスの組成比に基づいて設定する技術も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
更に、検出された空燃比が所定値以下の場合に燃料が軽質であると判定し、逆の場合に燃料が重質であると判定するものも提案されている(例えば、特許文献4参照)。
更には、筒内噴射弁に軽質燃料と重質燃料とを供給するシステムを有し、デポジットが生成され易くなる高負荷高回転運転時には軽質燃料を供給するものも提案されている(例えば、特許文献5参照)。
従来の技術の如く、エンジンの停止期間が所定期間を超えた場合にベーパの処理を目的としてエンジンを始動させた場合、燃費の悪化が避け難い問題となる。とりわけ、外部電源からの適宜の充電が可能に構成されたプラグインハイブリッド車両のように、比較的長期間エンジンを始動させることなく走行可能な車両においては、この種の燃費の悪化がより顕在化し易い。即ち、従来の技術には、燃費の悪化を生じさせることなくベーパを処理することが困難であるという技術的な問題点がある。
また、動力源として内燃機関のみを有する車両においては、内燃機関が停止した状態で車両が恒常的に走行することは先ずないが、別の問題として、車両の使用頻度自体が低い場合に、燃料タンク内に貯留された燃料に経時的な劣化が生じ得る。係る燃料の劣化は、燃料の円滑な供給を妨げかねず、内燃機関の各部に対し少なくとも良い影響を与えない。
このように、ハイブリッド車両に限らず一般に車両においては、内燃機関が長期にわたって不使用状態に置かれた場合に、蒸発燃料又は劣化燃料による不具合が回避され難いという技術的な問題点がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、内燃機関が長期間使用されない場合における蒸発燃料又は劣化燃料による不具合を軽減し得る燃料貯留システムを提供することを課題とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る燃料貯留システムは、車両において内燃機関の燃料を貯留するシステムであって、給油口に接続され前記燃料を貯留可能に構成されると共に前記燃料の貯留容量が可変であるメインタンクと、前記メインタンクに貯留された燃料を前記内燃機関の燃料噴射装置に供給可能な第1供給手段と、前記燃料を貯留可能なサブタンクと、前記メインタンクから前記サブタンクへの前記貯留された燃料の移送が可能な移送手段とを具備することを特徴とする。
本発明のメインタンク及びサブタンクは、各々が相互に独立して構成される貯留手段、及び外観上は一体とみなし得る物体の内部に形成された、各々相互に隔絶された或いは区画された貯留空間等を含む概念であり、内部に、例えばガソリン、軽油、アルコール、液化石油ガス、又はこれらが適宜混合された混合燃料等各種態様を採り得る燃料を貯留可能である限りにおいて、基本的にその形状及び材質等は限定されない趣旨である。但し、メインタンクは、給油時に燃料の給油を受けるための給油口と接続されており、また燃料を貯留する空間の容量たる貯留容量が例え二値的に、段階的に又は連続的に可変な物理的、機械的、電気的、磁気的又は化学的な構造を有する、所謂可変容量タンクとして構成されている。メインタンクは、その貯留容量が可変であるため、少なくともサブタンクと較べて燃料の蒸発が抑制され得る。尚、これ以降、メインタンクに貯留された状態の燃料を「メイン燃料」と定義し、サブタンクに貯留された状態の燃料を「サブ燃料」と定義することとする。また、本発明の燃料貯留システムには、例えば各種管路、各種弁装置及び各種ポンプ装置等を適宜に含み得る第1供給手段が備わっており、電子制御式インジェクタ等の燃料噴射装置に対し、このメイン燃料が適宜供給される構成となっている。
ここで、新規に給油される燃料(以下、適宜「新燃料」と称する)は、少なくとも経時的な蒸発が生じる以前である点において、冬場に供給される気化し易い軽質の冬燃料であれ、夏場に供給される気化し難い重質の夏燃料であれ、気化し易い軽質成分を多く含んでいるが、本発明に係る燃料貯留システムによれば、給油口と接続されたメインタンクの貯留容量が可変であるため、この軽質成分を多く含む新燃料の蒸発が抑制される。このため、本発明に係る燃料貯留システムによれば、システム全体として、例えばキャニスタ等を含む蒸発燃料処理装置へ蒸発燃料が供給される機会を減少させることができ(尚、メインタンク及びサブタンクと蒸発燃料処理装置との接続態様は、本発明の本質とは無関係であり、如何なる態様を有していてもよい)、例えばキャニスタにおいて蒸発燃料を吸着保持する活性炭等の吸着材がその保持限界を超えた場合に実行されるパージの実行頻度を減少させることが可能となる。
この種のパージの実行頻度の減少に係る効果は特に、動力源として内燃機関のみを有する車両と較べて内燃機関の動作頻度が極端に少なくなり得る各種のハイブリッド車両に対しては、パージのために内燃機関を始動する(即ち、蒸発燃料を直接大気放出することは避ける必要がある)といった、燃費の悪化に直結し得る事態の発生を抑制し得る点において顕著に有利に作用する。
ところで、如何なる理由があるにせよ、内燃機関が長期間不使用であった場合等には(無論、このような場合には蒸発燃料も相応に増加するが)、燃料自体に経時的に生じる、例えば燃料の重質化或いは燃料の粘性増大等の各種劣化も無視し難い問題となる。即ち、内燃機関に供給される燃料が劣化している場合、内燃機関の各部の円滑な動作が阻害される、或いは内燃機関の燃焼特性(とりわけ始動特性)を悪化させる等の不具合を招来しかねない。
ここで、本発明に係る燃料貯留システムは、メインタンクからサブタンクへの貯留された燃料の移送を可能とする、例えば電動式又は機械式ポンプ等の各種流体圧送手段を好適に含み得る移送手段を備える(移送手段が、サブタンクからメインタンクへの燃料の移送が可能に構成されているか否か(即ち、移送手段が双方向に燃料を移送可能に構成されているか否か)は、本発明の本質部分に影響を与えることはなく、いずれであってもよい)。この移送手段によれば、例えばメイン燃料に経時的な劣化が生じた場合等にメイン燃料をサブタンクに移送することが可能となり、更には例えばメインタンクへの燃料給油を促進する等といった措置を講じることも可能となる。即ち、本発明に係る燃料貯留システムによれば、サブタンク側に先に述べた第1供給手段に相当する手段が設けられていようがいまいが、少なくとも長期不使用等の理由により劣化状態にある燃料のみが燃料噴射装置を介した燃料噴射制御に供される事態が防止され、内燃機関の動作が、係る劣化燃料により阻害されるといった事態が防止される。
このように、本発明に係る燃料貯留システムによれば、新燃料が、貯留容量が可変であるメインタンクに給油され、且つメイン燃料をサブタンクへ移送可能な移送手段が備わるため、内燃機関が長期間使用されない場合における蒸発燃料又は劣化燃料による不具合を軽減することが可能となるのである。
尚、本発明に係る車両とは、内燃機関と共に動力源として機能する少なくとも一つの電動機を備えたハイブリッド車両であってもよい。車両が、このように、内燃機関とは異なる動力源としての、例えば、モータ或いはモータジェネレータ等の形態を採り得る電動機を備えたハイブリッド車両として構成され、この電動機が、例えばインバータや各種のPCU(Power Control Unit)等を介した、電流制御、電圧制御又は電力制御等各種の動力制御により、車軸に対し直接的に又は間接的に、バッテリ等各種蓄電手段からの放電電力に応じた動力を出力可能に構成される場合、電動機の動力のみを使用したEV(Electric Vehicle)走行なる走行形態が実現可能である。とりわけ、外部電源(例えば家庭に設置された設置型の又は可搬性を有する各種電源(好適な一形態として、例えば家庭用コンセント及び専用又は汎用の充電プラグ等を適宜含む)、或いは市街地又は郊外地に、専用又は汎用のインフラ設備等として設置された(好適な一形態として、例えばガソリンスタンドやそれに類するインフラ施設等に付設されていてもよい)各種電源等を指す)から供給される外部電力(即ち、ハイブリッド車両内部で生成される電力とは異なる)を使用した通電により、バッテリ等の蓄電手段に対し適宜に充電がなされる構成を有する、所謂プラグインハイブリッド車両においては、この種のEV走行が主たる走行態様となり得、内燃機関の動作頻度は極端に小さくなり易い。従って、ハイブリッド車両においては、蒸発燃料又は劣化燃料の処理がより重要な意味を持つ。即ち、本発明の燃料貯留システムは、ハイブリッド車両に対して顕著に効果的である。
本発明に係る燃料貯留システムの一の態様では、前記サブタンクに貯留された燃料を前記燃料噴射装置に供給可能な第2供給手段と、前記車両の運転条件を特定する第1特定手段と、前記特定された運転条件に応じて前記メインタンクから供給される燃料と前記サブタンクから供給される燃料との相対比率を設定する設定手段と、該設定された相対比率に基づいて前記第1及び第2の供給手段を制御する供給制御手段とを更に具備する。
この態様によれば、先に述べた第1供給手段と同様の概念を有する第2供給手段が備わることにより、サブ燃料を燃料噴射装置に供給することが可能となる。尚、第2供給手段は、第1供給手段とその一部が共有されていてもよいし、第1供給手段と全く別体に構成されていてもよく、その構成は限定されない。
ここで、この態様においては特に、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る供給制御手段が、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る設定手段により設定される、メイン燃料とサブ燃料との相対比率(尚、本発明に係る相対比率とは、相対比率と一義的な関係を有し得る各種比率を含む概念であり、例えば燃料噴射装置に供給される燃料の全量に対する各々の比率であってもよい趣旨である)に基づいて、第1及び第2供給手段を制御する構成となっている。
ここで特に、この設定手段は、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第1特定手段により特定された、車両の運転条件に応じて係る相対比率を設定する構成となっている。このため、本態様によれば、燃料噴射装置に対し、その時々の車両の各種運転条件に応じて、例えばメイン燃料のみを供給する、メイン燃料をより多く供給する、サブ燃料のみを供給する或いはサブ燃料をより多く供給する等、各種の措置を講じることが可能であり、噴射される燃料の燃料性状を自由に制御し、燃料貯留システムにおける燃料の貯留状況や、内燃機関の機関状態を的確に制御することが可能となる。
尚、「車両の運転条件」とは、燃料噴射装置から噴射される燃料の燃料性状に合理的に対応付け得る条件を包括する概念であり、その詳細な態様は限定されない。また、本発明に係る「特定」とは、検出、推定、算出、導出、同定及び取得等を包括する概念であり、真偽の程度はともかく、特定対象(この場合、車両の各種運転条件)を、制御上参照し得る情報として設定手段に把握させ得る限りにおいて、そのプロセスは、各種態様を有してよい趣旨である。
第1特定手段を備える本発明に係る燃料貯留システムの一の態様では、前記第1特定手段は、前記運転条件として前記内燃機関の負荷を特定し、前記設定手段は、前記メインタンクに貯留された燃料が前記サブタンクに貯留された燃料と較べて軽質である場合に、前記特定された負荷の大小が前記メインタンクから供給される燃料の割合の小大に夫々対応するように前記相対比率を設定する。
この態様によれば、例えばメインタンクに貯留された燃料がサブタンクに貯留された燃料と較べて軽質(即ち、蒸発し易い性質)となるように移送手段が適宜制御された場合、或いは特にその種の措置を講じることなくメインタンクに貯留された燃料がサブタンクに貯留された燃料と較べて軽質であると推定される場合等、メインタンクに貯留された燃料がサブタンクに貯留された燃料と較べて軽質である場合に(尚、「ある場合に」とは、無論、そのような推定が成立する場合或いはそのような判定を合理的な理由を伴ってなし得る場合を含む)、吸入空気量や負荷率(例えば、気筒内に吸入し得る最大の吸気量に対する実際の吸気量の比率)等、内燃機関の負荷に応じて、負荷の大小がメイン燃料の供給量の小大に夫々対応するように上記相対比率が設定される。
従って、例えば始動時等を含む軽負荷運転時等において、軽質のメイン燃料を少なくとも高負荷運転時と較べて多く供給すること等によって燃焼の安定を図り得ると共に、逆に、燃焼性能が十分に担保される高負荷運転時等に重質の(劣化して軽質分が脱離した状態を含む)サブ燃料の供給比率を高めること等によってサブ燃料を好適に消費し得る等、燃料貯留システムにおける燃料の貯留状況や、内燃機関の機関状態を的確に制御することが可能となる。
第1特定手段を備える本発明に係る燃料貯留システムの他の態様では、前記第1特定手段は、前記運転条件として前記内燃機関の機関温度を特定し、前記設定手段は、前記メインタンクに貯留された燃料が前記サブタンクに貯留された燃料と較べて軽質である場合に、前記特定された機関温度の高低が前記メインタンクから供給される燃料の割合の小大に夫々対応するように前記相対比率を設定する。
この態様によれば、例えばメインタンクに貯留された燃料がサブタンクに貯留された燃料と較べて軽質(即ち、蒸発し易い性質)となるように移送手段が適宜制御された場合、或いは特にその種の措置を講じることなくメインタンクに貯留された燃料がサブタンクに貯留された燃料と較べて軽質であると推定される場合等、メインタンクに貯留された燃料がサブタンクに貯留された燃料と較べて軽質である場合に(尚、「ある場合に」とは、無論、そのような推定が成立する場合或いはそのような判定を合理的な理由を伴ってなし得る場合を含む)、冷却水温度や潤滑油温度等により適宜に代替され得る機関温度に応じて、機関温度の高低がメイン燃料の供給量の小大に夫々対応するように上記相対比率が設定される。
従って、例えば始動時等を含む冷間作動時等において、軽質のメイン燃料を少なくとも温間作動時と較べて多く供給すること等によって燃焼の安定を図り得ると共に、逆に、燃焼性能が十分に担保される温間始動時等に重質の(劣化して軽質分が脱離した状態を含む)サブ燃料の供給比率を高めること等によってサブ燃料を好適に消費し得る等、燃料貯留システムにおける燃料の貯留状況や、内燃機関の機関状態を的確に制御することが可能となる。
第1特定手段を備える本発明に係る燃料貯留システムの他の態様では、前記第1特定手段は、前記運転条件として前記内燃機関の空燃比を特定し、前記設定手段は、前記メインタンクに貯留された燃料が前記サブタンクに貯留された燃料と較べて軽質である場合に、前記特定された空燃比の高低が前記メインタンクから供給される燃料の割合の大小に夫々対応するように前記相対比率を設定する。
この態様によれば、例えばメインタンクに貯留された燃料がサブタンクに貯留された燃料と較べて軽質(即ち、蒸発し易い性質)となるように移送手段が適宜制御された場合、或いは特にその種の措置を講じることなくメインタンクに貯留された燃料がサブタンクに貯留された燃料と較べて軽質であると推定される場合等、メインタンクに貯留された燃料がサブタンクに貯留された燃料と較べて軽質である場合に(尚、「ある場合に」とは、無論、そのような推定が成立する場合或いはそのような判定を合理的な理由を伴ってなし得る場合を含む)、内燃機関の空燃比に応じて、空燃比の高低がメイン燃料の供給量の大小に夫々対応するように上記相対比率が設定される。
従って、例えば内燃機関の空燃比が理論空燃比に対しリーン側にずれている(空燃比が高い状態)場合等において、燃焼性の良好な軽質のメイン燃料を少なくとも空燃比がリッチ側にずれている場合と較べて多く供給すること等によって、所謂リーン失火を回避しつつ空燃比の制御性を向上させ得る等、燃料貯留システムにおける燃料の貯留状況や、内燃機関の機関状態を的確に制御することが可能となる。
本発明に係る燃料貯留システムの他の態様では、前記移送の要否を判別する判別手段と、前記移送が必要である旨が判別された場合に、前記移送がなされるように前記移送手段を制御する移送制御手段と、該移送がなされるに際してドライバに対し前記メインタンクへの給油を促す給油促進手段とを更に具備する。
この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る判別手段により、メインタンクからサブタンクへの燃料の移送の要否が判別され、移送が必要である場合に、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る移送制御手段による移送手段の駆動制御を介して燃料の移送が実行される。従って、燃料貯留システムにおける燃料の貯留状態を、的確に制御することが可能となる。この際、移送の要否判別に係る参照情報やその判別態様は各種態様を有してよい。
一方、この態様によれば、例えば、ドライバが知覚(視覚的、聴覚的又は触覚的な知覚を問わない)可能な、例えば各種インジケータ、アラーム、ブザー或いは音声案内装置及びそれらを駆動する駆動装置等の形態を採り得る給油促進手段により、メイン燃料がサブタンクへ移送された際に、メインタンクへの新燃料の給油が促される。このため、メインタンクが空のまま放置されるといった事態を招来せずに済み、内燃機関の駆動要求が生じた際に、内燃機関を好適に駆動させることが可能となり実践上有益である。また、この際、サブタンクが満タン状態でなければ、給油した新燃料を、サブタンクが満タン状態となるまで更に移送してもよい。この場合、サブタンクに移送された燃料が劣化燃料であればその劣化状態が幾らかなり改善され、また満タン状態であれば燃料が蒸発し難くなるため、蒸発抑制に係るより高い効果を得ることも可能である。
判別手段を有する本発明に係る燃料貯留システムの一の態様では、前記メインタンクに貯留された燃料の劣化の度合いを特定する第2特定手段を更に具備し、前記判別手段は、該特定された劣化の度合いに基づいて前記移送の要否を判別する。
この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第2特定手段により、例えば二値的、段階的又は連続的な指標値等として特定されたメイン燃料の劣化の度合いに基づいて移送の要否が判別される。従って、例えばメイン燃料が劣化している場合に速やかにメイン燃料をサブタンクに移送すること等が可能となり、内燃機関に対し、燃料噴射装置を介して劣化した燃料のみが噴射されるといった事態を防止することができる。
燃料の劣化は、典型的な一例としては、給油時点からの時間経過に伴って生じるものである。従って、この場合、第2特定手段は、例えばタイマ等により計測される、前回給油がなされた時点からの経過時間に基づいて、メイン燃料の劣化の度合いを特定してもよい。尚、この際、気候条件等が参照され、例えば高温下(例えば、夏季)では低温下(例えば、冬季)と較べて燃料劣化が生じ易いものとして、燃料が劣化している旨を規定する判断基準値を、高温条件下と低温条件下とで変化させてもよい。また、燃料は、劣化が進行する過程において軽質成分の脱離を生じる。従って、例えば、給油時点の燃料性状(端的には、重質であるか軽質であるか)が判明している場合、その時点の燃料性状に基づいて、劣化の度合いを特定することもまた可能である。
判別手段を有する本発明に係る燃料貯留システムの他の態様では、前記メインタンクに貯留された燃料の燃料性状を特定する第3特定手段を更に具備し、前記判別手段は、該特定された燃料性状と現時点の時候とに基づいて前記移送の要否を判別する。
この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第3特定手段により、例えば二値的、段階的又は連続的な指標値等として特定されたメイン燃料の燃料性状と、その時点の時候とに基づいて移送の要否が判別される。例えば、メイン燃料が夏季に給油された重質の夏燃料であり、且つ、例えばカレンダ等により特定される現在の時候が、内燃機関が冷間作動を強いられる冬季である場合等には、メイン燃料が劣化していようがいまいが、内燃機関の燃焼性能が低下し易いが、この態様によれば、そのような燃料性状のミスマッチが生じた場合にも内燃機関を好適に動作させることが可能となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両10の構成について説明する。ここに、図1は、ハイブリッド車両10の構成を概念的に表してなる模式的なブロック図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両10の構成について説明する。ここに、図1は、ハイブリッド車両10の構成を概念的に表してなる模式的なブロック図である。
図1において、ハイブリッド車両10は、減速機構11及び車輪12、並びにECU100、エンジン200、モータジェネレータMG1(以下、適宜「MG1」と略称する)、モータジェネレータMG2(以下、適宜「MG2」と略称する)、動力分割機構300、PCU400、バッテリ500、充電プラグ600、リレー回路700、燃料供給システム800、警告ランプ900及びエアフローセンサ1000を備えた、本発明に係る「ハイブリッド車両」の一例である。
減速機構11は、エンジン200及びモータジェネレータMG2から出力された動力に応じて回転可能に構成された、デファレンシャルギア(不図示)等を含んでなるギア機構であり、これら動力源の回転速度を所定の減速比に従って減速可能に構成されている。減速機構11の出力軸は、ハイブリッド車両10の車軸(符号省略)に連結されており、これら動力源の動力は、回転速度が減速された状態で当該車軸及び当該車軸に連結された、駆動輪としての車輪12に伝達されるように構成されている。
尚、減速機構11の構成は、エンジン200及びモータジェネレータMG2から供給される動力を、その動力に基づいた軸体の回転速度を減速しつつ車軸に伝達可能である限りにおいて何ら限定されず、単にデファレンシャルギア等を含んでなる構成を有していてもよいし、複数のクラッチ及びブレーキ並びに遊星歯車機構により構成される可変リダクション機構として複数の変速比を得ることが可能に構成されていてもよい。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、ハイブリッド車両10の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「特定手段」、「判別手段」及び「制御手段」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述する貯留状態制御処理を実行することが可能に構成されている。
尚、ECU100は、本発明に係る「第1特定手段」、「設定手段」、「供給制御手段」、「判別手段」、「移送制御手段」、「第2特定手段」及び「第3特定手段」の夫々一例として機能するように構成された一体の電子制御ユニットであり、これら各手段に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
エンジン200は、ハイブリッド車両10の動力源の一つとして機能するように構成された、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンである。エンジン200の詳細な構成は、後に図2を参照する形で詳述する。
モータジェネレータMG1は、バッテリ500を充電するための或いはモータジェネレータMG2に電力を供給するための発電機として、更にはエンジン200の動力をアシストする電動機として機能するように構成された電動発電機である。
モータジェネレータMG2は、本発明に係る「電動機」の一例たる電動発電機であり、エンジン200と共にハイブリッド車両10の動力源の一つとなる電動機として、或いはバッテリ500を充電するための発電機として機能するように構成されている。
尚、これらモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2は、例えば同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備える。但し、他の形式のモータジェネレータであっても構わない。
動力分割機構300は、エンジン200の動力をMG1及び車軸へ分配することが可能に構成された遊星歯車機構である。尚、動力分割機構300の構成は公知の各種態様を採り得るため、ここではその詳細な説明を省略するが、簡略的に説明すると、動力分割機構300は、中心部に設けられたサンギアと、サンギアの外周に同心円状に設けられたリングギアと、サンギアとリングギアとの間に配置されてサンギアの外周を自転しつつ公転する複数のピニオンギアと、後述するクランクシャフト205の端部に結合され、各ピニオンギアの回転軸を軸支するプラネタリキャリアとを備える。
このサンギアは、サンギア軸を介してMG1のロータ(符合は省略)に結合され、リングギアは、リングギア軸を介してMG2の不図示のロータに結合されている。リングギア軸は、車軸と連結されており、MG2が発する動力は、リングギア軸を介して車軸へと伝達され、同様に車軸を介して伝達される車輪12からの駆動力は、リングギア軸を介してMG2に入力される。係る構成の下、動力分割機構300により、エンジン200が発する動力は、プラネタリキャリアとピニオンギアとによってサンギア及びリングギアに伝達され、エンジン200の動力が2系統に分割される。この際、サンギアに伝達される動力によって、モータジェネレータMG1が正回転側に駆動されると、モータジェネレータMG1により発電が行われる構成となっている。
PCU400は、バッテリ500から取り出した直流電力を交流電力に変換して、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2に供給すると共に、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ500に供給することが可能に構成された不図示のインバータを含み、バッテリ500と各モータジェネレータとの間の電力の入出力を、或いは各モータジェネレータ相互間の電力の入出力(即ち、この場合、バッテリ500を介さずに各モータジェネレータ相互間で電力の授受が行われる)を制御することが可能に構成された電力制御ユニットである。PCU400は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその動作が制御される構成となっている。
バッテリ500は、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2を駆動するための電力に係る電力供給源として機能することが可能に構成された充電可能な蓄電池である。ここで、バッテリ500は、ハイブリッド車両10の車外に設置される外部電源20により、適宜充電可能に構成されている。即ち、バッテリ500は、各モータジェネレータの発電作用により生じる電力の他に、外部電源20からの電力供給によっても充電される構成となっており、ハイブリッド車両10は、所謂プラグインハイブリッド車両となっている。
充電プラグ600は、リレー回路700の入力端子と電気的に接続されており、且つ外部電源20との電気的な接続を可能とする金属製のプラグである。尚、外部電源20は、例えば家庭用の100V電源であってもよいし、市街地や郊外の然るべきインフラ施設(例えば、ガソリンスタンドやサービスステーション)等にインフラ設備として設置されるものであってもよく、その物理的、機械的、機構的、電気的又は化学的態様は何ら限定されない趣旨である。
リレー回路700は、充電プラグ600側の入力端子と、バッテリ500側の出力端子との間の電気的な接続状態を二値的に且つ選択的に切り替え可能なスイッチング回路である(図1では接続されていない状態が示されている)。リレー回路700は、ECU100と電気的に接続されており、当該接続状態は、ECU100により制御される構成となっている。尚、入力端子と出力端子とが電気的に接続された状態において、バッテリ500は充電プラグ600と電気的に接続された状態となり、充電プラグ600が外部電源20と接続されている場合には、半ば自動的にバッテリ500への通電がなされ、充電が開始される構成となっており、入力端子と出力端子とが接続されていない状態において、バッテリ500は充電プラグ600から解放され、充電プラグ600が外部電源20と接続されている又はいないに関係なく、バッテリ500への通電が停止される構成となっている。
燃料供給システム800は、エンジン200に対し燃料たるガソリンを供給可能に構成された、本発明に係る「燃料貯留システム」の一例を含む装置群である。尚、燃料供給システム800については、後に図2を参照する形で詳述する。
警告ランプ900は、ハイブリッド車両10の車内におけるコンソールパネル付近にドライバによる視認が可能に設置されてなるインジケータであり、本発明に係る「給油促進手段」の一例である。警告ランプ900は、然るべきタイミングにおいて、給油が必要である旨を表す「Empty」なる文字が赤色に点灯する構成を有している。警告ランプ900の当該点灯に係る駆動系は、ECU100と電気的に接続されており、警告ランプ900は、ECU100の制御を受けて適宜に点灯する構成となっている。
エアフローセンサ1000は、エンジン200における吸入空気量Gを検出することが可能に構成されたセンサである。エアフローセンサ1000は、ECU100と電気的に接続されており、検出された吸入空気量Gは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
ここで、図2を参照し、エンジン200及び燃料供給システム800の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、エンジン200及び燃料供給システム800の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、図2において、図1と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、エンジン200は、気筒201内において燃焼室に点火プラグ(符号省略)の一部が露出してなる点火装置202による点火動作を介して混合気を燃焼せしめると共に、係る燃焼による爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクティングロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換することが可能に構成されている。また、クランクシャフト205の近傍には、クランクシャフト205の回転位置(即ち、クランク角)を検出するクランクポジションセンサ206が設置されている。尚、エンジン200は、紙面と垂直な方向に4本の気筒201が直列に配されてなる直列4気筒エンジンであるが、個々の気筒201の構成は相互に等しいため、図2においては一の気筒201についてのみ説明を行うこととする。
尚、本発明に係る「内燃機関」とは、ガソリンエンジンに限らず、軽油を燃料とするディーゼルエンジン又はアルコールとガソリンとの混合燃料を使用可能なバイフューエルエンジン等の形態を有していてもよい。また、ガソリンエンジンであるにせよ、その気筒配列は、直列型式に限定されない。
エンジン200において、外部から吸入された空気は吸気管207を通過し、吸気ポート210において、インジェクタ212から噴射された燃料と混合されて前述の混合気となる。この際、燃料は、燃料供給システム800を介してインジェクタ212に供給される構成となっている。尚、燃料を噴射する噴射手段の形態は、図示するような所謂吸気ポート噴射型インジェクタの構成を採らずともよく、例えば、フィードポンプ或いは他の低圧ポンプにより圧送される燃料の圧力を更に高圧ポンプによって昇圧せしめ、高温高圧の気筒201内部へ燃料を直接噴射することが可能に構成された、所謂直噴インジェクタ等の形態を有していてもよい。
気筒201内部と吸気管207とは、吸気バルブ211の開閉によってその連通状態が制御されている。気筒201内部で燃焼した混合気は排気となり吸気バルブ211の開閉に連動して開閉する排気バルブ213の開弁時に排気ポート214を介して排気管215に導かれる。
一方、吸気管207における、吸気ポート210の上流側には、図示せぬクリーナを経て導かれた吸入空気に係る吸入空気量を調節するスロットルバルブ208が配設されている。このスロットルバルブ208は、ECU100と電気的に接続されたスロットルバルブモータ209によってその駆動状態が制御される構成となっている。尚、スロットルバルブモータ209は、基本的にはドライバの意思を反映したアクセル開度Taに応じたスロットル開度が得られるように、ECU100により駆動制御されるが、その駆動制御に際してドライバの意思が介在する必要は必ずしもなく(無論、ドライバの意思に反することのない範囲である)、言わば自動的にスロットル開度を調整することも可能である。即ち、スロットルバルブ208は、一種の電子制御式スロットルバルブとして構成されている。
排気管215には、三元触媒216が設置されている。三元触媒216は、エンジン200から排出されるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、及びNOx(窒素酸化物)を夫々浄化することが可能に構成された排気浄化装置である。
また、排気管215には、排気管215中の酸素濃度に基づいてエンジン200の空燃比AFを検出することが可能に構成された空燃比センサ217が設置されている。更に、気筒201を収容するシリンダブロックに設置されたウォータジャケットには、エンジン200を冷却するために循環供給される冷却水(LLC)に係る冷却水温Twを検出可能な水温センサ218が配設されている。これら各種センサは、夫々ECU100と電気的に接続されており、検出された空燃比AF及び冷却水温Twは、夫々ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
一方、図2において、燃料供給システム800は、メインタンク801を有する。メインタンク801は、金属製のケース802に収容されると共に、伸縮可能な樹脂製材料(例えば、硬質ゴムや強化ゴム等)で構成されており、内部に貯留される燃料FL1の貯留量に応じて、その容量が変化する構成となっている。従って、メインタンク801において、貯留される燃料FL1は殆ど空気に触れることがなく、燃料FL1は、その蒸発が比較的抑制された状態で貯留される。尚、図示される燃料FL1の貯留状態は、メインタンク801における燃料FL1の一貯留状態に過ぎない。
メインタンク801には、給油管803が接続されており、その内部において先述した容量可変なメインタンク801の内部に連通している。給油時には、この給油管803の先端部分に取り付けられたフューエルキャップ804が取り外され、燃料たるガソリンが給油管803を介してメインタンク801内部に給油される構成となっている。
メインタンク801には、燃料FL1の供給路としてメインタンク側フューエルパイプ805が接続されている。このメインタンク側フューエルパイプ805には更に、メインタンク側フューエルポンプ806が設置されている。メインタンク側フューエルポンプ806は、メインタンク801の内部から貯留された燃料FL1を不図示のモータの回転力により吸い上げることが可能に構成された電気駆動式のポンプ装置であり、吸い上げられた燃料FL1は、更にこのメインタンク側フューエルポンプ806の流体圧送作用により、メインタンク側フューエルパイプ805及びメインタンク側フューエルパイプ805に接続された共有フューエルパイプ807を経由して、先述したインジェクタ212に圧送供給される構成となっている。メインタンク側フューエルパイプ805、メインタンク側フューエルポンプ806及び共有フューエルパイプ807により、本発明に係る「第1供給手段」の一例が構成されている。
尚、このメインタンク側フューエルポンプ806は、上記モータを駆動する駆動系の駆動制御により、燃料FL1の供給圧を自由に制御することが可能に構成されている。この駆動系は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によりその駆動状態が制御される構成となっている。即ち、ECU100もまた、本発明に係る「第1供給手段」の一例を構成している。また、メインタンク側フューエルパイプ805には、不図示の逆流防止弁が配設されており、燃料FL1がインジェクタ212側からメインタンク801側へ逆流しないように配慮されている。
メインタンク801には、蒸発燃料供給路808の一端部が接続されている。この蒸発燃料供給路808の他端部は、後述するキャニスタ820に接続されている。また、蒸発燃料供給路808上には、封鎖弁809が設置されている。封鎖弁809は、封鎖弁809を挟む上流部分と下流部分との圧力差が所定値以上となった場合に開弁すると共に、蒸発燃料のみがキャニスタ820に供給されるように、燃料FL1のキャニスタ820への流出を防止することが可能に構成されている。
一方、燃料供給システム800は、メインタンク801に加えてサブタンク810を有する。サブタンク810は、金属材料で形成された所謂燃料タンクである。サブタンク810の内部には、燃料FL2が貯留される構成となっている(尚、図示される燃料FL2の貯留状態は、サブタンク816における燃料FL2の一貯留状態に過ぎない)。
サブタンク810には、燃料FL2の供給路としてサブタンク側フューエルパイプ811が接続されている。このサブタンク側フューエルパイプ811には更に、サブタンク側フューエルポンプ812が設置されている。サブタンク側フューエルポンプ812は、サブタンク810の内部から貯留された燃料FL2を不図示のモータの回転力により吸い上げることが可能に構成された、メインタンク側フューエルポンプ806と同様の電気駆動式のポンプ装置であり、吸い上げられた燃料FL2は、更にこのサブタンク側フューエルポンプ812の流体圧送作用により、サブタンク側フューエルパイプ811及びサブタンク側フューエルパイプ811に接続された、先述の共有フューエルパイプ807を経由して、先述したインジェクタ212に圧送供給される構成となっている。サブタンク側フューエルパイプ811、サブタンク側フューエルポンプ812及び共有フューエルパイプ807により、本発明に係る「第2供給手段」の一例が構成されている。尚、図示により明らかな通り、本実施形態において、本発明に係る第1供給手段と第2供給手段とは、少なくとも共有フューエルパイプ807を共有する構成となっている。
サブタンク810の上方には、サブタンク810内部に貯留された燃料FL2の液面上部空間とブリーザ配管813とを適宜に連通させることが可能に構成されたベントバルブ814が備わる。
ベントバルブ814は、サブタンク810の内圧とブリーザ配管813との圧力差が所定値に達すると開弁するように構成された弁装置である。ベントバルブ814は、その開弁時において、蒸発燃料を含む空気を、ブリーザ配管813を介して後述するキャニスタ820に供給することが可能に構成される。また、ベントバルブ814は、ROV(Roll Over Valve)815及びCOV(Cut Off Valve)816を介して上記液面上部空間と連通する構成となっている。尚、このブリーザ配管813は、既に述べた蒸発燃料供給路808と、封鎖弁809の下流側且つキャニスタ820の上流側において合流している。
ROV815は、給油時の液面上昇により閉弁し、ベントバルブ814とサブタンク810との連通を遮断するように構成されている。また、ROV815は、車両転倒時等においてもベントバルブ814とサブタンク810との連通を遮断する構成となっており、ブリーザ配管813を介して燃料FL2が外部に漏洩しない構成となっている。
COV816は、ROV815と並列配置されており、ROV815よりも更に液面が上昇した場合にベントバルブ814とサブタンク810との連通を遮断するように構成されている。COV816は、後述する燃料移送に伴う液面上昇に際しては、ROV815の閉弁後も開弁状態を維持するが、車両旋回による液面の動揺等により液面がCOV816まで到達するような場合には閉弁し、ベントバルブ814とサブタンク810との連通を遮断するように構成されており、ベントバルブ814を介して燃料FL2が外部に漏洩しない構成となっている。
メインタンク801及びサブタンク810には、夫々連通管817の両端部が接続されており、その内部において各タンクに連通する構成となっている。この連通管817上には、移送ポンプ818が設置されている。
移送ポンプ818は、内部に設置された、モータ駆動されるポンプ翼車の回転により、メインタンク801内に貯留された燃料FL1をサブタンク810内部に圧送供給することによって、燃料FL1をサブタンク810内に移送することが可能に構成された、本発明に係る「移送手段」の一例たる電気駆動式のポンプ装置である。移送ポンプ818において、このモータを駆動する駆動系は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその駆動状態が制御される構成となっている。尚、この駆動系並びに先述したメインタンク側フューエルポンプ806の駆動系及びサブタンク側フューエルポンプ812の駆動系に対する電力供給は、先に述べたPCU400を介して適宜になされる構成となっている。また、連通管817には、サブタンク810からメインタンク801への燃料の流入を防止する逆流防止弁819が設置されている。
尚、本実施形態における移送ポンプ818は、ポンプ翼車の回転方向が一方向であり、メインタンク801からサブタンク810への燃料FL1の移送のみが可能に構成されているが、これは本発明に係る「移送手段」の一形態に過ぎず、燃料はメインタンク801とサブタンク810との間で双方向に移送可能に構成されていてもよい。このような双方向の移送は、例えば、上記ポンプ翼車の回転方向を逆転させることにより得られてもよいし、他のポンプを別途設置することにより得られてもよい。
キャニスタ820は、内部に蒸発燃料を吸着保持可能な活性炭等の吸着材821を備えたベーパ吸着装置である。キャニスタ820は、先述したブリーザ配管813及び蒸発燃料供給路808、大気連通管822並びにパージ用配管823に接続されている。
大気連通管822は、ハイブリッド車両10の車外空間と連通する管状部材である。大気連通管822は、後述するパージコントロールバルブ824が閉弁し且つ先に述べたベントバルブ814又は封鎖弁809が開弁している場合には、ブリーザ配管813又は蒸発燃料供給路808を介してキャニスタ820に流入するガスのうち吸着材821による蒸発燃料吸着後に残留する清浄な空気を車外へ導くと共に、パージコントロールバルブ824が開弁し且つベントバルブ814及び封鎖弁809が閉弁している場合には、車外から外気をキャニスタ820に導くように構成されている。
パージ用配管823は、一端部がキャニスタ820の下方に接続され、他端部が吸気管207のスロットルバルブ208上流側(気筒と反対側)に接続された、パージガスの通路である。
ここで、「パージガス」とは、大気連通管822を介して適宜導かれる外気と吸着材821に吸着保持された蒸発燃料との混合体(蒸発燃料の吸着量がゼロであれば、即ち外気そのもの)であり、係るパージガスは、エンジン200の稼動時に、パージ用配管823を介して吸気管207に供給され、パージ(即ち、蒸発燃料を吸気系へ戻す処理)がなされる構成となっている。
パージコントロールバルブ824は、パージ用配管823上に設置された、VSV(Vacuum Switching Valve)である。パージコントロールバルブ824の弁体は、エンジン200の非稼動時には、パージコントロールバルブ824の上流側と下流側(この場合の上流側及び下流側とは、パージガスの流れ方向を基準とした方向概念であって、上流側とは即ちキャニスタ側であり、下流側とは即ちスロットルバルブ208側を指す)との連通を遮断する遮断位置で停止するようにコイルバネ等の弾性体により付勢されている。一方、エンジン200が稼動状態にある場合、吸気管207には主として吸気行程において負圧が形成される。この負圧によって、VSVたるパージコントロールバルブ824の弁体位置は、上記遮断位置から変化し、パージコントロールバルブ824の上流側と下流側とが連通する。その結果、エンジン負圧により大気連通管822を介して外気が導かれ、また係る外気が、パージ用配管823へ到達する途上において吸着材821に保持された蒸発燃料と適宜混合されることによって、上述したパージガスとしてパージ用配管823を介して吸気管207へ供給されるのである。
尚、パージコントロールバルブ824は、本実施形態ではVSVとして構成されるが、その構成はVSVに限定されない。例えば、パージ用配管823上には、電磁アクチュエータ等により駆動される弁体を備えた電磁制御式の弁装置が設置され、例えばECU100による駆動制御によって、適宜パージ用配管823の連通状態が制御されてもよい。
<実施形態の動作>
ハイブリッド車両10は、エンジン200を機関停止状態とし、且つモータジェネレータMG2によりハイブリッド車両10の走行に要する動力を供給せしめることにより、EV走行を行うことが可能である。特に、ハイブリッド車両10のように、外部電源20からの充電が可能に構成されたプラグインハイブリッド車両においては、他のハイブリッド車両よりも広範な運転条件でEV走行を選択することが可能であり(即ち、バッテリ500のSOCを、MG1による発電或いは減速時のエネルギ回生以外によって、これらと較べれば自由なタイミングで回復させることが可能であり、車速や要求出力による制限が緩和される傾向がある)、必然的にエンジン200の稼動頻度は低下する。まして、動力源としてエンジン200(それに類する各種内燃機関)のみを有する車両と較べれば、当該稼動頻度は極端に低いものとなる。
ハイブリッド車両10は、エンジン200を機関停止状態とし、且つモータジェネレータMG2によりハイブリッド車両10の走行に要する動力を供給せしめることにより、EV走行を行うことが可能である。特に、ハイブリッド車両10のように、外部電源20からの充電が可能に構成されたプラグインハイブリッド車両においては、他のハイブリッド車両よりも広範な運転条件でEV走行を選択することが可能であり(即ち、バッテリ500のSOCを、MG1による発電或いは減速時のエネルギ回生以外によって、これらと較べれば自由なタイミングで回復させることが可能であり、車速や要求出力による制限が緩和される傾向がある)、必然的にエンジン200の稼動頻度は低下する。まして、動力源としてエンジン200(それに類する各種内燃機関)のみを有する車両と較べれば、当該稼動頻度は極端に低いものとなる。
ここで、メインタンク801は、給油管803と接続されており、給油時には新燃料が供給される。新燃料は、所謂軽質成分を多く含んでおり、定性的には蒸発燃料の生じ易い燃料である。従って、何らの対策も講じられることがなければ、このように長いエンジン200の非稼動期間において、メインタンク801内で蒸発燃料が大量に発生し、キャニスタ820の吸着材821が飽和状態を超える頻度が高くなる。ところが、キャニスタ820が飽和状態を越えた場合であっても、或いは近未来的に飽和状態を超えると予測される場合(例えば、飽和状態にある場合、或いは近未来的に飽和状態に陥る可能性が高い場合等を含む)であっても、エンジン200の稼動頻度が極端に低いことには変わりは無く、VSVたるパージコントロールバルブ824は上記遮断位置のままであって、上述したパージは行われない。
このため、余りに長期にわたってエンジン200が非稼動となると、蒸発燃料の吸着量が吸着材821の保持限界を超える、換言すればキャニスタ820が飽和状態を超える可能性がある。この場合、大気連通管822を介して蒸発燃料が外界に放出される事態を防止するために、エンジン200を稼動させ、吸気管207に負圧を形成することによって先に述べたパージを実行する必要がある。ところが、このような理由によるエンジン200の始動は、ハイブリッド車両10の要求駆動力の観点から見れば必ずしも必要ではない(即ち、蒸発燃料の大気放出を防止するためだけに燃料をエンジン200内で強制的に燃焼させているに過ぎない)から、燃費の観点からは望ましくない。
その点、本実施形態に係るメインタンク801は、貯留容量が可変な容量可変構造を有しており、貯留される燃料FL1は、メインタンク801内部に空気層が形成され難いことに起因して、タンク内での蒸発が可及的に抑制された状態で貯留される。このため、軽質成分を多く含む新燃料が貯留されたとしても、その蒸発速度を緩慢化することが可能であり、上述した経緯を辿ったパージの実行頻度を減少させることが可能となる。
一方、余りに長期にわたって燃料が使用されない(エンジン200が非稼動である)場合、燃料自体に経時的な劣化が生じて、エンジン200を稼動させようとした際に、エンジン200の各部の円滑な動作が阻害される、或いは、エンジン200における燃焼性能(特に始動性能)が悪化する可能性がある。このような問題は、メインタンク801が容量可変構造を有していても、好適には回避され難い。そこで、本実施形態では、この種の燃料劣化に起因する問題を解決すべく、ECU100により貯留状態制御及び燃料供給比率制御が実行される。
ここで、図3を参照して、貯留状態制御の詳細について説明する。ここに、図3は、貯留状態制御のフローチャートである。
図3において、ECU100は、メインタンク801に貯留された燃料FL1をサブタンク810に移送するか否かを決定するための、移送要否判別処理を実行する(ステップS200)。ここで、図4を参照し、移送要否判別処理の詳細について説明する。ここに、図4は、移送要否判別処理のフローチャートである。尚、移送要否判別処理は、本発明に係る「判別手段」の動作の一例である。
図4において、ECU100は、メインタンク801に貯留される燃料FL1が軽質燃料であるか否かを判別する(ステップS201)。軽質燃料であるか否かは、給油時の時候情報に基づいて判別することができる。給油される新燃料は、夏季を中心とする比較的外気温の高い期間においては蒸発し難い重質燃料(所謂夏燃料)であり、冬季を中心とする比較的外気温の低い期間においては蒸発し易い軽質燃料(所謂冬燃料)である。従って、給油時がいずれの燃料の供給期間に該当するかを判別することにより、燃料FL1の燃料性状を特定することが簡便にして可能となる。尚、本実施形態においては、ECU100のRAM或いはフラッシュメモリに、最新の給油時について、その日付が記憶されており、ECU100は、ステップS201に係る判別処理を比較的簡便に行うことができる。尚、係るECU100の動作は、本発明に係る第3特定手段の動作の一例である。尚、燃料供給システム800に燃料性状センサ等の各種検出手段が備わる場合には、当該検出手段による検出結果を参照して燃料FL1が軽質燃料であるか否かの判別を行ってもよい。
燃料FL1が重質燃料である場合(ステップS201:NO)、ECU100は、現在の時候が、冬燃料の提供時期に該当するか否かを判別する(ステップS203)。ECU100にはカレンダが内蔵されており、また冬燃料の提供時期に関する情報が予め参照情報として与えられている。従って、ECU100は、ステップS202に係る判別処理を比較的簡便に実行することができる。尚、冬季燃料の提供時期及び夏季燃料の提供時期については、予めROMに設定情報として与えられているが、サービスステーションや各種情報発信拠点よりインフラ情報等としてこの種の情報が提供される場合には、係る情報を利用してステップS203に係る判別を行ってもよい。
現在の時候が夏燃料の提供期間である場合(ステップS203:NO)、即ち、燃料FL1が重質燃料であり、且つ現在の時候も夏燃料の提供期間に該当している場合、ECU100は、燃料移送は不要であるものとして、燃料移送フラグFGを、燃料移送が不要である旨に相当する「0」に設定し(ステップS204)、移送要否判別処理を終了する。一方、現在の時候が冬燃料の提供期間である場合(ステップS203:YES)、即ち、燃料FL1が軽質燃料であり、且つ現在の時候が冬燃料の提供期間に該当している場合、ECU100は燃料移送が必要であるとして、燃料移送フラグFGを、燃料移送が必要である旨に相当する「1」に設定し(ステップS205)、移送要否判別処理を終了する。
一方、燃料FL1が軽質燃料である場合(ステップS201:YES)、ECU100は、燃料FL1の貯留期間ΔTが基準値ΔTth以下であるか否かを判別する(ステップS202)。ここで、「貯留期間」とは、直近の給油時から現時点に至る期間の長さを指し、燃料の劣化状態を規定する指標値となる。ECU100は、直近の給油時において内蔵タイマによるカウントを開始しており、ここでは、その積算時間値が貯留期間ΔTとして取得される。尚、基準値ΔTthは、予め実験的に、新燃料に実践上無視し得ない経時的な劣化が生じる時間値として設定されている。ステップS202に係る動作は、本発明に係る「第2特定手段」の動作の一例である。
ECU100は、貯留期間ΔTが基準値ΔTthよりも長い場合(ステップS202:NO)、燃料FL1が劣化しているものとして燃料移送フラグFGを「1」に設定する(ステップS205)と共に、貯留期間ΔTが基準値ΔTth以下である場合(ステップS202:YES)、燃料FL1に経時的な劣化は生じていないものとして、燃料移送フラグFGを「0」に設定する(ステップS204)。ステップS204又はステップS205により燃料移送フラグFGが「0」又は「1」のいずれかに設定されると、移送要否判別処理は終了する。
図3に戻り、移送要否判別処理が終了すると、ECU100は、先に設定された燃料移送フラグFGが「1」であるか、即ち燃料移送が必要であるか否かを判別する(ステップS101)。燃料移送フラグFGが「0」、即ち燃料移送の必要が無い場合(ステップS101:NO)、ECU100は、処理をステップS200に戻し、処理を繰り返す。
燃料移送フラグFGが「1」である場合(ステップS101:YES)、ECU100は、移送ポンプ818を駆動制御して、メインタンク801内に貯留された燃料FL1の移送を開始する(ステップS102)。この際、ECU100は、基本的に燃料FL1を全量サブタンク810に移送させる。尚、ステップS102に係る動作は、本発明に係る「移送制御手段」の動作の一例である。
燃料FL1の移送が開始されると、ECU100は、サブタンク810が満タン状態であるか否かを判別する(ステップS103)。サブタンク810が満タン状態でない場合(ステップS103:NO)、ECU100は更に、メインタンク801が空になったか否かを判別する(ステップS104)。
サブタンク810が満タン状態でなく且つメインタンク801が空でない場合(ステップS104:NO)、ECU100は、処理をステップS102に戻して燃料FL1の移送を継続させると共に、サブタンク810が満タン状態でなく且つメインタンク801が空である場合(ステップS104:YES)、警告ランプ900を点灯させる(ステップS105)。警告ランプ900は、既に述べたように、給油を促すインジケータであり、点灯制御されることにより、ドライバに給油を促すことが可能となる。
尚、貯留状態制御を実行するにあたってのハイブリッド車両10の動作状態は特に限定されず、ハイブリッド車両10がEV走行している期間において当該処理が実行されてもよいが、ハイブリッド車両10がプラグインハイブリッド車両である点に鑑みれば、エンジン200、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2のいずれもが停止してなるソーク状態において外部電源20を介してなされる充電時が、貯留状態制御処理の実行機会として好適な一形態となる。この場合、特に充電が自宅でなされる場合には、ドライバが車内に居ない可能性があり、警告ランプ900の点灯は無駄な電力消費を生みかねない。従って、このような場合には、次回のイグニッションオン時(即ち、車両の始動時)において、警告ランプ900が点灯制御されてもよい。
警告ランプ900が点灯制御されると、ECU100は、給油が完了したか否かを判別する(ステップS106)。給油が完了していない場合(ステップS106:NO)、ECU100はステップS106を繰り返し実行して、処理を実質的に待機状態に制御する。一方、給油が完了した場合、ECU100は、処理をステップS102に戻し、一連の処理を実行する。即ち、サブタンク810が満タン状態となるまで、給油後のメインタンク801から燃料FL1が移送される。このような過程を辿り、サブタンク810が満タン状態となると(ステップS103:YES)、ECU100は、燃料移送フラグFGを「0」に設定し、処理をステップS200に戻す。貯留状態制御は、このようにして実行される。
以上説明したように、貯留状態制御によれば、メインタンク801に貯留される燃料FL1が劣化状態にある場合、或いは冬燃料の提供期間であるにもかかわらず重質燃料である場合に、メインタンク801からサブタンク810へ速やかに燃料FL1の移送がなされる。この際、メインタンク801への新燃料の給油が促されるため、エンジン200が稼動条件を満たした場合に、使用可能な燃料が劣化燃料又は重質燃料のみとなること(冬燃料の提供期間のみ)が防止され、エンジン200を好適に動作させることが可能となる。
一方、このようにサブタンク810側に劣化燃料又は重質燃料が貯留され、メインタンク801側に新燃料としての軽質燃料が貯留された状態においては、インジェクタ212に供給される燃料に対する、サブタンク810側の燃料FL2の比率たるサブ燃料比率Rsubと、メインタンク801側の燃料FL1の比率たるメイン燃料比率Rmainとが、燃料供給比率制御により好適に決定される。ここで、図5を参照し、燃料供給比率制御の詳細について説明する。ここに、図5は、燃料供給制御のフローチャートである。
図5において、ECU100は、ハイブリッド車両10の運転条件がエンジン稼動領域に該当するか否かを判別する(ステップS301)。エンジン稼動領域にない場合(ステップS301:NO)、ECU100は、ステップS101を繰り返し実行して、処理を実質的に待機状態に制御する。
一方、エンジン稼動領域にある場合(ステップS301:YES)、ECU100は更に、燃料FL2が劣化燃料又は重質燃料であるか否かを判別する(ステップS302)。尚、ステップS302は、メインタンク801からの燃料移送がなされたか否かの判別動作に置換されてもよい。サブタンク810に劣化燃料又は重質燃料が貯留されていない場合(ステップS302:NO)、ECU100は、サブ燃料比率Rsubを「0」に、またメイン燃料比率Rmainを「1」に設定する(ステップS304)。尚、サブ燃料比率Rsubとメイン燃料比率Rmainとの和は、常に「1」である。
サブタンク801に劣化燃料又は重質燃料が貯留されている場合(ステップS302:YES)、ECU100は、水温センサ218により検出されるエンジン200の冷却水温Twが、所定の基準値Twth以下であるか否かを判別する(ステップS303)。ここで、基準値Twthとは、それ以下の温度領域において燃焼性の悪化が顕在化し得るものとして予め実験的に定められた値であり、例えば、60℃程度の値であってもよい。尚、冷却水温Twは、本発明に係る「ハイブリッド車両の運転条件」の一例である。
冷却水温Twが基準値Twth以下である場合(ステップS303:YES)、ECU100は、サブ燃料比率Rsubを「Rsub1」に、またメイン燃料比率Rmainを「Rmain2」に夫々設定する(ステップS305)。一方、冷却水温Twが基準値Twthよりも高い場合(ステップS303:NO)、ECU100は、サブ燃料比率Rsubを「Rsub2」に、またメイン燃料比率Rmainを「Rmain1」に夫々設定する(ステップS306)。ここで、Rsub1は、0.5未満の適合値であり、Rmainは、「1−Rsub1」である。また、Rsub2は、0.5よりも大きい適合値であり、Rmainは、「1−Rsub2」である。サブ燃料比率Rsub1及びRsub2の値は、予めROMに格納されている。
ステップS304、ステップS305又はステップS306によりサブ燃料比率Rsub及びメイン燃料比率Rmainが設定される(即ち、係る動作は、本発明に係る「設定手段」の動作の一例であり、サブ側燃料比率Rsub及びメイン側燃料比率Rmainは、本発明に係る「相対比率」の一例である)と、ECU100は、設定された比率に従ってメインタンク側フューエルポンプ806及びサブタンク側フューエルポンプ812を駆動制御する(ステップS307)。より具体的には、各ポンプの駆動源たるモータの回転速度が制御され、各ポンプに対応する燃料の吐出圧が、各比率に応じた値に制御される。この際、サブ燃料比率Rsubとメイン燃料比率Rmainとに対する各モータの吐出圧及び係る吐出圧を実現するためのモータの制御量は、予めROMにマップ化されて格納されている。
その結果、インジェクタ212には、設定された比率で燃料が供給され、エンジン200の燃料噴射制御(エンジン200はガソリンエンジンであるから、所謂空燃比フィードバック制御を伴う燃料噴射量の制御である)に供される。各ポンプの駆動制御が実行されると、処理はステップS301に戻され、一連の処理が繰り返される。燃料供給比率制御は、以上のように実行される。
その結果、インジェクタ212には、設定された比率で燃料が供給され、エンジン200の燃料噴射制御(エンジン200はガソリンエンジンであるから、所謂空燃比フィードバック制御を伴う燃料噴射量の制御である)に供される。各ポンプの駆動制御が実行されると、処理はステップS301に戻され、一連の処理が繰り返される。燃料供給比率制御は、以上のように実行される。
ここで、本実施形態に係る燃料供給比率制御によれば、冷却水温Twが基準値Twth以下となるエンジン200の冷間作動時には、サブタンク810に貯留された劣化燃料又は重質燃料の比率が小さく、且つメインタンク810に貯留された軽質燃料の比率が大きく設定されるため、エンジン200における燃料の燃焼状態が極端に悪化することに起因するエミッションの悪化或いはドライバビリティの低下が抑制される。また、この際も、エンジン200の動作に実践上の支障をきたさない範囲で、サブタンク810に貯留された劣化又は重質の燃料を消費することが可能となるため、燃料貯留システム800全体としての燃料の貯留状態を好適に制御することが可能となる。即ち、エンジン200の状態及び燃料貯留システム800の状態を共に好適に維持することが可能となるのである。例えば、燃料貯留システム800に係る燃料の分別貯留がなされるにせよ、この種の燃料比率に関する何らの指針もない場合、例えば、燃料貯留システム800の貯留燃料が重質又は劣化燃料のみとなる、或いはエンジン200の燃焼状態が悪化してドライバビリティの低下を招く等の実践上看過し難い各種の不具合が顕在化する。この種の不具合の発生を抑制し得る点において、燃料比率に対する指針を与える本発明に係る技術思想が顕著に有利であることは言うまでもない。
尚、本実施形態において、メイン燃料比率Rmain及びサブ燃料比率Rsubは、夫々冷却水温Twの基準値Twthを境界として二値的に切り替わる構成となっているが、このような各燃料比率の設定態様は一例であり、例えば、各燃料比率は、より多段階に変化する或いは連続的に変化する変数として設定されてもよい。例えば、冷却水温Twの上昇に応じて段階的に又は連続的に増加するようにサブ燃料比率Rsubが切り替えられてもよい。
<第2実施形態>
インジェクタ212に供給される燃料に対する、メイン燃料FL1及びサブ燃料FL2の比率の制御態様は、第1実施形態のものに限定されない。ここで、図6を参照し、本発明の第2実施形態に係る燃料供給比率制御の詳細について説明する。ここに、図6は、第2実施形態に係る燃料供給比率制御のフローチャートである。尚、同図において、図5と重複する箇所には、同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
<第2実施形態>
インジェクタ212に供給される燃料に対する、メイン燃料FL1及びサブ燃料FL2の比率の制御態様は、第1実施形態のものに限定されない。ここで、図6を参照し、本発明の第2実施形態に係る燃料供給比率制御の詳細について説明する。ここに、図6は、第2実施形態に係る燃料供給比率制御のフローチャートである。尚、同図において、図5と重複する箇所には、同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図6において、サブタンク801に劣化燃料又は重質燃料が貯留されている場合(ステップS302:YES)、ECU100は、エアフローセンサ1000により検出される吸入空気量Gに基づいて算出される、エンジン200の負荷率KLが、所定の基準値KLth以下であるか否かを判別する(ステップS401)。ここで、基準値KLthとは、それ以下に相当する比較的軽負荷の領域において燃焼性の悪化が顕在化し得るものとして予め実験的に定められた値である。尚、負荷率KLは、本発明に係る「ハイブリッド車両の運転条件」の他の一例である。
負荷率KLが基準値KLth以下である場合(ステップS401:YES)、ECU100は、サブ燃料比率Rsubを「Rsub1」に、またメイン燃料比率Rmainを「Rmain2」に夫々設定する(ステップS305)。一方、負荷率KLが基準値KLthよりも高い場合(ステップS401:NO)、ECU100は、サブ燃料比率Rsubを「Rsub2」に、またメイン燃料比率Rmainを「Rmain1」に夫々設定する(ステップS306)。
ステップS304、ステップS305又はステップS306によりサブ燃料比率Rsub及びメイン燃料比率Rmainが設定される(即ち、係る動作は、本発明に係る「設定手段」の動作の他の一例である)と、ECU100は、設定された比率に従ってメインタンク側フューエルポンプ806及びサブタンク側フューエルポンプ812を駆動制御する(ステップS307)。より具体的には、各ポンプの駆動源たるモータの回転速度が制御され、各ポンプに対応する燃料の吐出圧が、各比率に応じた値に制御される。この際、サブ燃料比率Rsubとメイン燃料比率Rmainとに対する各モータの吐出圧及び係る吐出圧を実現するためのモータの制御量は、予めROMにマップ化されて格納されている。その結果、インジェクタ212には、設定された比率で燃料が供給され、エンジン200の燃料噴射制御に供される。各ポンプの駆動制御が実行されると、処理はステップS301に戻され、一連の処理が繰り返される。第2実施形態に係る燃料供給比率制御は、以上のように実行される。
ここで、本実施形態に係る燃料供給比率制御によれば、負荷率KLが基準値KLth以下となるエンジン200の軽負荷作動時には、サブタンク810に貯留された劣化燃料又は重質燃料の比率が小さく、且つメインタンク810に貯留された軽質燃料の比率が大きく設定されるため、エンジン200における燃料の燃焼状態が極端に悪化することに起因するエミッションの悪化或いはドライバビリティの低下が抑制される。また、この際も、エンジン200の動作に実践上の支障をきたさない範囲で、サブタンク810に貯留された劣化又は重質の燃料を消費することが可能となるため、燃料貯留システム800全体としての燃料の貯留状態を好適に制御することが可能となる。即ち、エンジン200の状態及び燃料貯留システム800の状態を共に好適に維持することが可能となるのである。
尚、本実施形態において、メイン燃料比率Rmain及びサブ燃料比率Rsubは、夫々負荷率KLの基準値KLthを境界として二値的に切り替わる構成となっているが、このような各燃料比率の設定態様は一例であり、例えば、各燃料比率は、より多段階に変化する或いは連続的に変化する変数として設定されてもよい。例えば、負荷率KLの上昇に応じて段階的に又は連続的に増加するようにサブ燃料比率Rsubが切り替えられてもよい。
また、ここでは、サブ燃料比率Rsub及びメイン燃料比率Rmainを夫々第1実施形態と同一の値としたが、無論これも一例に過ぎず、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、負荷率に応じた最適な燃料比率(例えば、燃焼の悪化を招かない範囲で可及的に重質燃料を消費し得る燃料比率等)を決定し得る場合には、そのような値に設定されてもよい。
<第3実施形態>
インジェクタ212に供給される燃料に対する、メイン燃料FL1及びサブ燃料FL2の比率の制御態様は、第1及び第2実施形態のものに限定されない。ここで、図7を参照し、本発明の第3実施形態に係る燃料供給比率制御の詳細について説明する。ここに、図7は、第3実施形態に係る燃料供給比率制御のフローチャートである。尚、同図において、図5と重複する箇所には、同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
<第3実施形態>
インジェクタ212に供給される燃料に対する、メイン燃料FL1及びサブ燃料FL2の比率の制御態様は、第1及び第2実施形態のものに限定されない。ここで、図7を参照し、本発明の第3実施形態に係る燃料供給比率制御の詳細について説明する。ここに、図7は、第3実施形態に係る燃料供給比率制御のフローチャートである。尚、同図において、図5と重複する箇所には、同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図7において、サブタンク801に劣化燃料又は重質燃料が貯留されている場合(ステップS302:YES)、ECU100は、空燃比センサ217により検出される空燃比AFが、所定の基準値AFth以上であるか否かを判別する(ステップS501)。ここで、基準値AFthとは、それ以上比較的リーン燃焼側の空燃比領域において、目標空燃比(ここでは、理論空燃比とする)に対する乖離が過大となることによる燃焼性の悪化が顕在化し得るものとして予め実験的に定められた値である。尚、空燃比AFは、本発明に係る「ハイブリッド車両の運転条件」の他の一例である。
空燃比AFが基準値AFth以上である場合(ステップS501:YES)、ECU100は、サブ燃料比率Rsubを「Rsub1」に、またメイン燃料比率Rmainを「Rmain2」に夫々設定する(ステップS305)。一方、空燃比AFが基準値AFth未満である場合(ステップS501:NO)、ECU100は、サブ燃料比率Rsubを「Rsub2」に、またメイン燃料比率Rmainを「Rmain1」に夫々設定する(ステップS306)。
ステップS304、ステップS305又はステップS306によりサブ燃料比率Rsub及びメイン燃料比率Rmainが設定される(即ち、係る動作は、本発明に係る「設定手段」の動作の他の一例である)と、ECU100は、設定された比率に従ってメインタンク側フューエルポンプ806及びサブタンク側フューエルポンプ812を駆動制御する(ステップS307)。より具体的には、各ポンプの駆動源たるモータの回転速度が制御され、各ポンプに対応する燃料の吐出圧が、各比率に応じた値に制御される。この際、サブ燃料比率Rsubとメイン燃料比率Rmainとに対する各モータの吐出圧及び係る吐出圧を実現するためのモータの制御量は、予めROMにマップ化されて格納されている。その結果、インジェクタ212には、設定された比率で燃料が供給され、エンジン200の燃料噴射制御に供される。各ポンプの駆動制御が実行されると、処理はステップS301に戻され、一連の処理が繰り返される。第3実施形態に係る燃料供給比率制御は、以上のように実行される。
ここで、本実施形態に係る燃料供給比率制御によれば、空燃比AFが基準値AFth以上となり、エンジン200の空燃比が目標空燃比に対し大きくリーン側に乖離した場合には、サブタンク810に貯留された劣化燃料又は重質燃料の比率が小さく、且つメインタンク810に貯留された軽質燃料の比率が大きく設定されるため、軽質燃料によりエンジン200における燃料の燃焼が促進され、空燃比AFがリッチ側へ移行し易くなる。このため、空気量過多による所謂リーン失火を回避することが可能となり、またエミッションの悪化を抑制することも可能となる。また、この際も、エンジン200の動作に実践上の支障をきたさない範囲で、サブタンク810に貯留された劣化又は重質の燃料を消費することが可能となるため、燃料貯留システム800全体としての燃料の貯留状態を好適に制御することが可能となる。即ち、エンジン200の状態及び燃料貯留システム800の状態を共に好適に維持することが可能となるのである。
尚、本実施形態において、メイン燃料比率Rmain及びサブ燃料比率Rsubは、夫々空燃比AFの基準値AFthを境界として二値的に切り替わる構成となっているが、このような各燃料比率の設定態様は一例であり、例えば、各燃料比率は、より多段階に変化する或いは連続的に変化する変数として設定されてもよい。例えば、空燃比AFの上昇に応じて段階的に又は連続的に増加するようにメイン燃料比率Rmainが切り替えられてもよい。
また、ここでは、サブ燃料比率Rsub及びメイン燃料比率Rmainを夫々第1実施形態と同一の値としたが、無論これも一例に過ぎず、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、空燃比に応じた最適な燃料比率(例えば、燃焼の悪化を招かない範囲で可及的に重質燃料を消費し得る燃料比率等)を決定し得る場合には、そのような値に設定されてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う燃料貯留システムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10…ハイブリッド車両、100…ECU、200…エンジン、201…気筒、203…ピストン、205…クランクシャフト、300…動力分割機構、400…PCU、500…バッテリ、600…充電プラグ、700…リレー回路、800…燃料供給システム、801…メインタンク、803…給油管、810…サブタンク、806…メインタンク側フューエルポンプ、812…サブタンク側フューエルポンプ、817…連通管、818…移送ポンプ、820…キャニスタ、821…吸着材、822…大気連通管、823…パージ用配管、824…パージコントロールバルブ、900…警告ランプ、1000…エアフローセンサ。
Claims (8)
- 車両において内燃機関の燃料を貯留するシステムであって、
給油口に接続され前記燃料を貯留可能に構成されると共に前記燃料の貯留容量が可変であるメインタンクと、
前記メインタンクに貯留された燃料を前記内燃機関の燃料噴射装置に供給可能な第1供給手段と、
前記燃料を貯留可能なサブタンクと、
前記メインタンクから前記サブタンクへの前記貯留された燃料の移送が可能な移送手段と
を具備することを特徴とする燃料貯留システム。 - 前記サブタンクに貯留された燃料を前記燃料噴射装置に供給可能な第2供給手段と、
前記車両の運転条件を特定する第1特定手段と、
前記特定された運転条件に応じて前記メインタンクから供給される燃料と前記サブタンクから供給される燃料との相対比率を設定する設定手段と、
該設定された相対比率に基づいて前記第1及び第2の供給手段を制御する供給制御手段と
を更に具備する
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料貯留システム。 - 前記第1特定手段は、前記運転条件として前記内燃機関の負荷を特定し、
前記設定手段は、前記メインタンクに貯留された燃料が前記サブタンクに貯留された燃料と較べて軽質である場合に、前記特定された負荷の大小が前記メインタンクから供給される燃料の割合の小大に夫々対応するように前記相対比率を設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の燃料貯留システム。 - 前記第1特定手段は、前記運転条件として前記内燃機関の機関温度を特定し、
前記設定手段は、前記メインタンクに貯留された燃料が前記サブタンクに貯留された燃料と較べて軽質である場合に、前記特定された機関温度の高低が前記メインタンクから供給される燃料の割合の小大に夫々対応するように前記相対比率を設定する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の燃料貯留システム。 - 前記第1特定手段は、前記運転条件として前記内燃機関の空燃比を特定し、
前記設定手段は、前記メインタンクに貯留された燃料が前記サブタンクに貯留された燃料と較べて軽質である場合に、前記特定された空燃比の高低が前記メインタンクから供給される燃料の割合の大小に夫々対応するように前記相対比率を設定する
ことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の燃料貯留システム。 - 前記移送の要否を判別する判別手段と、
前記移送が必要である旨が判別された場合に、前記移送がなされるように前記移送手段を制御する移送制御手段と、
該移送がなされるに際してドライバに対し前記メインタンクへの給油を促す給油促進手段と
を更に具備する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の燃料貯留システム。 - 前記メインタンクに貯留された燃料の劣化の度合いを特定する第2特定手段を更に具備し、
前記判別手段は、該特定された劣化の度合いに基づいて前記移送の要否を判別する
ことを特徴とする請求項6に記載の燃料貯留システム。 - 前記メインタンクに貯留された燃料の燃料性状を特定する第3特定手段を更に具備し、
前記判別手段は、該特定された燃料性状と現時点の時候とに基づいて前記移送の要否を判別する
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の燃料貯留システム。
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