JP2010121450A - 冷凍空調用圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷凍空調用圧縮機の圧縮機構部に設けられた軸受部材がそれを固定するハウジング部と格納容器との溶接固定により熱ひずみが発生し、軸受面が変形してクランクシャフトとの油膜形成が困難となること。
【解決手段】軸受ハウジング内面に溶接により変形する量を考慮したくぼみ形状を予め設けることにより、溶接固定後にでも熱ひずみが吸収され、軸受部材とクランクシャフトとの均等な隙間が維持できるため、安定した油膜形成が容易に可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】軸受ハウジング内面に溶接により変形する量を考慮したくぼみ形状を予め設けることにより、溶接固定後にでも熱ひずみが吸収され、軸受部材とクランクシャフトとの均等な隙間が維持できるため、安定した油膜形成が容易に可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、冷凍空調用圧縮機の溶接部構成に関するもので、特に軸受部を格納容器外部から溶接固定する際発生する、ひずみによる軸受部材表面への形状変化低減に関するものである。
従来の例として、密閉型スクロール圧縮機を用いて説明する。
従来、この種の圧縮機後部溶接構成に示されるようなものがあった(例えば、特許文献1参照)。図3は特許文献1に記載された、従来の密閉型スクロール圧縮機の横断面図を示すものである。図3に示すように、密閉容器1の内部に旋回スクロール2と固定スクロール3、自転防止機構4、軸受ハウジング51、軸受部材52、これに回転自在に組み付けられたクランクシャフト6、等より構成される圧縮機構部7と、これらを駆動するための電動機部8が格納され、クランクシャフト6を介して圧縮機構部7が圧縮動作を行う。ここで、スクロール圧縮機の圧縮機構については、すでに公知のものであるため、ここでは説明を省く。通常、この種の圧縮機構部7は軸受ハウジング51の外周側面を密閉容器1の外側から複数の点溶接、または円周溶接を行うことにより、密閉容器1に固定されている。
特開2001−355582号公報
しかしながら、前記従来の構成では、この溶接による熱ひずみにより、軸受部材内面が内部方向に変形し、クランクシャフトとの隙間が不均一(例えば、おむすび形状)となるため、圧縮機駆動時に安定した油膜形成ができ難くなり、摩擦摩耗による、入力増大(=効率低下)や耐久性上の大きな問題が発生する根本的な要因となっていた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、圧縮機構部とこれを格納する容器との溶接固定に於いて、圧縮機構部の軸受部材表面とクランクシャフトとの隙間が均等を保ち、圧縮機駆動時に安定した油膜形成を可能とし、高効率で高耐久性である冷凍空調用圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の軸受部の構成は、軸受面表面がほぼ円筒形状であることを基本とし、格納容器と溶接固定する部位に対向するハウジング部内面側に、溶接により変形する形状を予め考慮したくぼみ形状を設けたものである。
これによって、ハウジングに挿入固定された軸受部材への溶接みずみ等による形状変化の影響を除外し、軸受部材表面とクランクシャフト間の隙間を安定して均等を保つことが可能となる。
これにより本発明の軸受形状を用いた冷凍空調用圧縮機は、駆動時に安定して軸受とクランクシャフト間の隙間が維持でき、かつ安定した油膜形成が可能となるため、高効率で高耐久性である冷凍空調用圧縮機を提供することが可能となる。
第1の発明は、密閉、或いは半密閉の格納容器に電動機と、この電動機によってクランクシャフトを介して駆動される圧縮機構部を配し、前記圧縮機構部の軸受ハウジング部を格納容器に点溶接にて固定する構成において、前記軸受ハウジングには軸受面に別部材である軸受部材が圧入等で固定されており、この軸受ハウジング部内面の円周方向に点溶接と対向する位置に対して予め溶接による内部変形を考慮したくぼみ形状を設けることにより、軸受部材表面とクランクシャフト間の隙間を、ハウジングを溶接固定した後でも安定して均等に保つことが可能となり、圧縮機駆動時に安定して軸受部材とクランクシャフト間の油膜形成が出来るため、高効率で高耐久性である冷凍空調用圧縮機を提供することが可能となる。
第2の発明は、特に第1の発明の軸受ハウジング部内面に設けるくぼみ形状を、軸方向に対しても考慮して部分的に設けるものである。これにより、点溶接後にでも熱ひずみによる形状変形をハウジングに設けたくぼみ形状部分が吸収するため、軸受部材の内面部分は極めて円筒形状を維持できるようになり、軸受部材表面とクランクシャフト間の隙間を溶接固定後でも安定して均等に保つことが可能となり、圧縮機駆動時に安定して軸受部材とクランクシャフト間の油膜形成が出来るため、高効率で高耐久性である冷凍空調用圧縮機を提供することが可能となる。
第3の発明は、密閉、或いは半密閉の格納容器に電動機と、この電動機によってクランクシャフトを介して駆動される圧縮機構部を配し、前記圧縮機構部の軸受部材とこれを固定するハウジング部とから成る軸受部を格納容器に円周溶接にて固定する構成において、前記軸受部材の軸受面が円筒形状を基本とし、円筒形状の軸受部材の軸方向に対して、円周溶接に対向する位置に溶接による内部変形を予め考慮してハウジング部内面にくぼみ形状を設けたもので、これにより軸受部材表面とクランクシャフト間の隙間を、溶接固定後でも安定して均等を保つことが可能となり、圧縮機駆動時に安定して軸受部材とクランクシャフト間の油膜形成が出来るため、高効率で高耐久性である冷凍空調用圧縮機を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における密閉型スクロール圧縮機を例とした場合の主軸受部分の上面図を示すものである。
図1は、本発明の第1の実施の形態における密閉型スクロール圧縮機を例とした場合の主軸受部分の上面図を示すものである。
図1に於いて、軸受ハウジング部51には円筒形状を基本とした軸受面内面形状を持つ軸受部材52が圧入固定されており、この軸受ハウジング部51の内周部分に、密閉容器1の外部から3点(矢印)で溶接される位置と対向する円周方向の位置に半径方向対して外側に凹のくぼみ9を持つ。このくぼみ9は、予め溶接により軸受ハウジング部51が中心側に変形する量分だけの大きさを考慮しており、3点溶接により軸受ハウジング部51の軸受部材接触面が内径側に変形した場合に、ほぼ円形を形成することとなる。これにより、密閉容器1に軸受ハウジング部51を溶接固定部とする圧縮機構部7が点溶接固定された場合、軸受ハウジング部51内面に圧入固定された軸受部材52内面とクランクシャフト6との隙間関係が円周方向でほぼ均等を保つことが可能となり、圧縮機駆動時の油膜形成が安定したものとなるため、高効率で高耐久性である冷凍空調用圧縮機を提供することが可能となる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態における密閉型スクロール圧縮機を例とした場合の主軸受の側面図を示すものである。
図2は、本発明の第2の実施の形態における密閉型スクロール圧縮機を例とした場合の主軸受の側面図を示すものである。
図2に於いて、軸受ハウジング部51には円筒形状を基本とした軸受部材52が圧入固定されており、軸受ハウジング部51内面に、密閉容器1の外部から3点(矢印)で溶接される位置と対向する円周方向と軸方向の位置に、部分的に外側に広がったくぼみ10を持つ。このくぼみ10は、予め溶接により軸受ハウジング51の内径部分が中心側に変形する量分だけの大きさを考慮した形状であり、3点溶接により軸受ハウジング部51が熱ひずみを受けて、内径側に変形した場合にでも、くぼみ10が吸収して軸受部材52内周面の円筒形状を維持することが可能となる。これにより、密閉容器1に軸受ハウジング部51を溶接固定部とする圧縮機構部7が点溶接固定された場合にでも、軸受部材52内面の軸受面とクランクシャフト6との隙間関係が円筒形状でほぼ均等を保つことが可能となり、圧縮機駆動時の油膜形成が極めて安定したものとなるため、高効率で高耐久性である冷凍空調用圧縮機を提供することが可能となる。
以上のように、本発明にかかる冷凍空調用圧縮機は、圧縮機構部の軸受部を格納容器外部から溶接固定した場合にクランクシャフトとの隙間が均等になるため、冷凍空調用圧縮機以外の溶接による軸受固定を要する機械部品構造への用途にも適用できる。
1 密閉容器
2 旋回スクロール
3 固定スクロール
4 自転防止機構
51 軸受ハウジング部
52 軸受部材
6 クランクシャフト
7 圧縮機構部
8 電動機部
9 くぼみ
10 くぼみ
2 旋回スクロール
3 固定スクロール
4 自転防止機構
51 軸受ハウジング部
52 軸受部材
6 クランクシャフト
7 圧縮機構部
8 電動機部
9 くぼみ
10 くぼみ
Claims (3)
- 密閉、或いは半密閉の格納容器に電動機と、この電動機によってクランクシャフトを介して駆動される圧縮機構部を配し、前記圧縮機構部の軸受ハウジング部を格納容器に点溶接にて固定する構成において、前記軸受ハウジングには軸受面に別部材である軸受部材が圧入等で固定されており、この軸受ハウジング部内面の円周方向に点溶接と対向する位置に対して予め溶接による内部変形を考慮したくぼみ形状を設けた冷凍空調用圧縮機。
- 円筒形状を基本とした軸受ハウジング部の軸方向での点溶接に対向する位置を加えて溶接による内部変形を予め考慮して設けられたくぼみを部分的に持つ、請求項1に記載の冷凍空調用圧縮機。
- 密閉、或いは半密閉の格納容器に電動機と、この電動機によってクランクシャフトを介して駆動される圧縮機構部を配し、前記圧縮機構部の軸受部材とこれを固定するハウジング部とから成る軸受部を格納容器に円周溶接にて固定する構成において、前記軸受部材の軸受面が円筒形状を基本とし、円筒形状の軸受部材の軸方向に対して、円周溶接に対向する位置に溶接による内部変形を予め考慮してハウジング部内面にくぼみ形状を設けた冷凍空調用圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008293027A JP2010121450A (ja) | 2008-11-17 | 2008-11-17 | 冷凍空調用圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008293027A JP2010121450A (ja) | 2008-11-17 | 2008-11-17 | 冷凍空調用圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010121450A true JP2010121450A (ja) | 2010-06-03 |
Family
ID=42323007
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008293027A Pending JP2010121450A (ja) | 2008-11-17 | 2008-11-17 | 冷凍空調用圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010121450A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020199583A1 (zh) * | 2019-04-01 | 2020-10-08 | 艾默生环境优化技术(苏州)有限公司 | 压缩机 |
-
2008
- 2008-11-17 JP JP2008293027A patent/JP2010121450A/ja active Pending
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WO2020199583A1 (zh) * | 2019-04-01 | 2020-10-08 | 艾默生环境优化技术(苏州)有限公司 | 压缩机 |
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