JP5375534B2 - 圧縮機およびその製造方法 - Google Patents

圧縮機およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、電動機のステータが本体ケーシングに溶接によって固定された圧縮機およびその製造方法に関する。
従来より、圧縮機に用いる電動機のステータ(固定子)に関して、ケーシング胴部のパイプへの取付方法は焼嵌めが行なわれている。焼嵌めの保持力は、モータの回転トルク及び落下時の衝撃荷重に対して、十分な保持力をもつように焼嵌めしろが決定されている。
一方で、ステータの本体部分であるステータコアは、圧縮応力下では鉄損が増大する性質を持っており、焼嵌め時の圧縮応力による鉄損増大により、モータ効率が低下するおそれがある。
そこで、外部からの圧縮応力がステータに影響しないように、ステータの環状のヨーク部の外周面とケーシング胴部のパイプを複数の溶接箇所でタッグ(TAG)溶接などで等間隔に3点程度の点状の溶接された構造がある。
例えば、特許文献1(特開2008−45431号公報)、特許文献2(特開2009−47062号公報)、および特許文献3(特開2009−47063号公報)には、ステータをケーシング内部ですきま嵌めの状態で、スポット溶接により固定している。
しかし、ステータだけでなく、その他の機構部分、例えば、回転軸を介して電動機のロータと連結されている圧縮機構の部分(いわゆるメカASSY)とケーシング胴部のパイプの嵌め合いをステータ―パイプ間と同程度の隙間になるように隙間嵌めを行った場合、ステータおよび圧縮機構を互いにパイプの中心軸に対して傾けた取付けを許容することになる。
そのため、ステータおよび圧縮機構がパイプの中心軸に対して傾けた取り付けられたときに、ロータとステータとの隙間であるエアギャップが所定の隙間に設定することが困難になり、エアギャップが悪化するおそれがある。このエアギャップの悪化により、ロータの回転異常が発生して騒音が発生するおそれがある。
一方、エアギャップを所定の隙間になるように圧縮機構の位置をパイプの中心軸から傾斜させて取り付ける場合、圧縮機構がパイプに接触するおそれがある。このため、圧縮機の組立性を向上することが困難になる。また、エアギャップの悪化を抑制することが困難であるので、騒音の低減も難しくなる。
本発明の課題は、組立性が向上し、かつ、エアギャップの悪化を抑制することが可能である圧縮機およびその製造方法を提供することにある。
第1発明の圧縮機は、筒状の本体ケーシングと、電動機と、ロータの回転軸と、圧縮機構とを備えている。電動機は、ステータおよびロータを有する。ステータは、本体ケーシングの内部に固定されている。ロータは、ステータに対して回転可能に配置されている。圧縮機構は、軸受を有する。軸受は、回転軸を回転自在に支持する。本体ケーシングとステータとの間は、所定の第1隙間が設けられた状態で溶接されている。本体ケーシングと圧縮機構との間は、第1隙間よりも大きい所定の第2隙間が設けられた状態で溶接されている。
なお、本発明でいう「第2隙間」とは、本体ケーシングと圧縮機構との隙間のうち、最小隙間のことを指す(以下同様)。
ここでは、本体ケーシングとステータとの間は、所定の第1隙間が設けられた状態で溶接され、本体ケーシングと圧縮機構との間は、第1隙間よりも大きい所定の第2隙間が設けられた状態で溶接されているので、圧縮機の組立性が向上し、また、ロータとステータとの間の隙間であるエアギャップの悪化を抑制することが可能となるので、ロータの回転異常による騒音を低減することが可能である。
第2発明の圧縮機の製造方法は、第1発明の圧縮機の製造方法において、本体ケーシングとステータとの間を、所定の第1隙間が設けられた状態で溶接する第1溶接工程と、第1溶接工程の後に、本体ケーシングと圧縮機構との間を、第1隙間よりも大きい所定の第2隙間が設けられた状態で溶接する第2溶接工程とを含む。
ここでは、本体ケーシングとステータとの間を、所定の第1隙間が設けられた状態で溶接し、その後、本体ケーシングと圧縮機構との間を第1隙間よりも大きい所定の第2隙間が設けられた状態で溶接するので、エアギャップの悪化をより効果的に抑制することが可能になり、エアギャップの悪化に起因する騒音の発生も低減することが可能である。また、圧縮機の組立性も向上する。
第3発明の圧縮機の製造方法は、第2発明の製造方法であって、ロータ挿入工程と、エアギャップ確保部材除去工程とをさらに含む。ロータ挿入工程は、第1溶接工程と第2溶接工程との間において、ステータとロータとの間に所定の大きさのエアギャップを確保するためのエアギャップ確保部材を挟みながら、ロータをステータの内部に挿入する。エアギャップ確保部材除去工程は、第2溶接工程の後に、エアギャップ確保部材をステータとロータとの間から除去する。
ここでは、第1溶接工程と第2溶接工程との間において、ステータとロータとの間に所定の大きさのエアギャップを確保するためのエアギャップ確保部材を挟みながら、ロータをステータの内部に挿入するロータ挿入工程、および圧縮機構の溶接後にエアギャップ確保部材を除去する除去工程をさらに含むので、エアギャップを確保しながらロータをステータに容易かつ確実に挿入することが可能であり、圧縮機の組立性が向上する。しかも、ステータが傾斜している場合には、ステータの傾斜に合わせてロータおよび圧縮機構の取付けを行うことが可能である。
第4発明の圧縮機は、筒状の本体ケーシングと、電動機と、ロータの回転軸と、圧縮機構とを備えている。電動機は、ステータおよびロータを有する。ステータは、本体ケーシングの内部に固定されている。ロータは、ステータに対して回転可能に配置されている。圧縮機構は、軸受を有する。軸受は、回転軸を回転自在に支持する。本体ケーシングとステータとの間は、所定の第1隙間が設けられた状態で溶接されている。本体ケーシングと圧縮機構との間は、所定の第2隙間が設けられた状態で溶接されている。第1隙間および第2隙間は、第1隙間と第2隙間との間に所定の差を有するように設定されている。
ここでは、本体ケーシングとステータとの間の第1隙間と、本体ケーシングと圧縮機構との間の第2隙間に所定の差を有するように設定されているので、隙間の小さい方が傾きの自由度が小さくなるようにステータの高さおよび圧縮機構の溶接部分の高さを考慮して第1隙間と第2隙間との差を設定すれば、ロータとステータとの間の隙間であるエアギャップの悪化を抑制することが可能となり、ロータの回転異常による騒音を低減することが可能である。しかも、圧縮機の組立性も向上する。
第5発明の圧縮機の製造方法は、第4発明の圧縮機の製造方法である。この製造方法では、第1隙間および第2隙間のうちの狭い方を溶接する第1溶接工程と、第1隙間および第2隙間のうちの第1溶接工程で溶接された方と異なる方を溶接する第2溶接工程とを含んでいる。
ここでは、まず、第1溶接工程において、第1隙間および第2隙間のうちの狭い方を先に溶接し、その後、第2溶接工程において、第1隙間および第2隙間のうちの他方を溶接するので、圧縮機の組立性がより向上する。また、これにより、ロータとステータとの間の隙間であるエアギャップの悪化を抑制することが可能となり、ロータの回転異常による騒音を低減することが可能である。
第1発明によれば、圧縮機の組立性が向上し、また、ロータとステータとの間の隙間であるエアギャップの悪化を抑制することができるので、ロータの回転異常による騒音を低減することができる。
第2発明によれば、エアギャップの悪化をより効果的に抑制することができ、エアギャップの悪化に起因する騒音の発生も低減することができる。しかも、圧縮機の組立性も向上する。
第3発明によれば、エアギャップを確保しながらロータをステータに容易かつ確実に挿入することができ、圧縮機の組立性が向上する。しかも、ステータが傾斜している場合には、ステータの傾斜に合わせてロータおよび圧縮機構の取付けを行うことができる。
第4発明によれば、ロータとステータとの間の隙間であるエアギャップの悪化を抑制することができるので、ロータの回転異常による騒音を低減することができる。しかも、圧縮機の組立性も向上する。
第5発明によれば圧縮機の組立性がより向上する。また、これにより、ロータとステータとの間の隙間であるエアギャップの悪化を抑制することができるので、ロータの回転異常による騒音を低減することができる。
本発明の圧縮機の実施形態に係わる密閉型圧縮機の縦断面図。 図1の密閉型圧縮機のII−II線断面図。 図1の本体ケーシング内部におけるステータおよび圧縮機構の配置を示す断面図。 図1の本体ケーシング内部におけるステータおよび圧縮機構が傾いて配置された状態を示す断面図。 図1の圧縮機構の内部を示す水平断面図。 本発明の比較例である本体ケーシング内部におけるステータおよび圧縮機構が同じ隙間を有する配置を示す断面図。 本発明の比較例である本体ケーシング内部におけるステータおよび圧縮機構が傾いて配置された状態を示す断面図。
つぎに本発明の圧縮機の実施形態を図面を参照しながら説明する。
〔実施形態〕
図1〜2示される密閉型圧縮機1は、空気調和機の冷媒を圧縮するために用いられるものであり、本体ケーシング2(以下、単にケーシング2という)と、電動機3と、圧縮機構4と、アキュームレータ5と、シャフト6とを備えている。電動機3、圧縮機構4およびシャフト6は、ケーシング2の内部に収納されている。
密閉された筒状のケーシング2は、筒状部10と、筒状部10の上下の開口端を閉じる一対の鏡板11、12とを有している。ケーシング2の筒状部10は、後述する電動機3のステータ8およびロータ9を収納している。
<電動機3の構成>
電動機3は、環状のステータ8(固定子)と、ステータ8の内部空間8aに回転自在に配置されたロータ9(回転子)と、複数のコイル38と、複数の磁石35とを備えている。電動機3は、ステータ8がケーシング2の内壁に固定された状態で、ケーシング2に格納されている。
ロータ9は、シャフト6に連結され、シャフト6とともに回転することが可能であり、ステータ8に対して回転可能に配置されている。
図1〜2に示されるように、磁石35は、ロータ9の軸方向に延びる複数(例えば6箇所)のスロット9aに挿入されて固定され、コイル38から発生する磁界に対向するように配置されている。
<ステータの説明>
図1〜2に示されるステータ8は、環状のヨーク部40と、ヨーク部40の内周面から内向きに延びる複数(例えば9本)のティース37とを有している。複数のコイル38は、ステータ8のヨーク部40から内向きに伸びる複数(例えば9本)のティース37に巻かれて固定されている。複数のコイル38に通電されることにより磁界が発生する。
ステータ8は、複数の積層鋼鈑をかしめることによりヨーク部40とティース37とが一体になるように製造されている。
ケーシング2とステータ8の外周面との間は、所定の隙間が設けられた状態(いわゆる隙間嵌めの状態)で、複数の溶接ポイント7で点状のタッグ溶接されている。
<圧縮機構4の構成>
圧縮機構4は、図1および図5に示されるように、シリンダ50と、主軸受であるフロントヘッド51と、副軸受であるリアヘッド52と、ブレード22を有する揺動ピストン21と、ブレード22を揺動可能に支持するブッシュ23とを有している。フロントヘッド51およびリアヘッド52は、シリンダ50を上下から挟んだ状態でシャフト6を回転自在に支持する。
シリンダ50は、揺動ピストン21を収納するシリンダ室24、およびブッシュ23が回転自在に挿入されたブッシュ孔25を有している。
揺動ピストン21は、電動機3の回転駆動力を受けてシャフト6の偏心部6aが偏心して回転することによって、シリンダ室24の内部で揺動し、これによって、吸入管28から吸入された冷媒をシリンダ室24内部で圧縮する。圧縮された冷媒は、ケーシング2の内部を通って上昇し、吐出管29から吐出される。
本実施形態では、主軸受であるフロントヘッド51の外周の鍔部分51aは、圧縮機構の接合部31によってケーシング2の筒状部10に固定されている。圧縮機構の接合部31は、タッグ溶接などのスポット溶接により形成されている。
なお、本実施形態では、フロントヘッド51の鍔部分51aが、圧縮機4の溶接部分になっている。
<ステータおよびシリンダの固定について>
図3に示されるように、シャフト6の軸方向におけるステータ8の高さ寸法H1(すなわち、回転軸の軸方向におけるステータの厚み)は、シャフト6の軸方向における圧縮機構4側の溶接部分であるフロントヘッド51の鍔部分51aの高さ寸法H2(すなわち、回転軸の軸方向における溶接部分の厚み)よりも大きくなるように設定されている。
そして、ケーシング2の筒状部10とステータ8との間は、所定の第1隙間δ1が設けられた状態で複数の溶接ポイント7の位置で溶接されている。なお、溶接ポイント7と圧縮機構4の接合部31に対応するケーシング2にはそれぞれ異なった貫通孔径を設け溶接を行っている。本実施形態では、ステータ8の溶接ポイント7にはφ5、圧縮機構4の接合部31にφ6の貫通孔をケーシング2に設けている。溶接ポイント7は、例えば、図2に示されるように、ステータ8の周方向に9点ずつ上下2段(合計18箇所)ある。
そして、ケーシング2の筒状部10とフロントヘッド51の鍔部分51aとの間は、第1隙間δ1よりも大きい所定の第2隙間δ2が設けられた状態で複数の個所(例えば3箇所)を等間隔に溶接されている。第2隙間δ2は、ケーシング2と圧縮機構4との隙間のうちの最小隙間である。
なお、図3に示されるフロントヘッド51の鍔部分51aにおける円周状の外周面は、圧縮機構4の取付性等を考慮して、面取り(C1程度)されているのが好ましい。
このように、図3に示されるように、筒状部10―ステータ8間の第1隙間δ1、筒状部10―フロントヘッド51の鍔部分51a間の第2隙間δ2を、δ1<δ2の関係に設定することにより、図4に示されるように、ステータ8が傾斜して取り付けられた場合でも、ロータ9をステータ8内部に挿入したときに、ロータ9とシャフト6を介して連結する圧縮機構4は、ケーシング2の筒状部10との間に接触しないように隙間δ4を確保することが可能である。そのため、エアギャップ44を所定の隙間δ3に維持した状態で、ロータ9をステータ8内部に挿入することが容易になり、エアギャップ44の悪化を抑制することが可能である。
例えば、ケーシング―ステータ間の第1隙間δ1は、0.15〜0.30mm程度に設定される。一方、ケーシング―鍔部分51a間の第2隙間δ2は、第1隙間δ1よりも大きくなるように、0.22〜0.36mm程度の範囲で設定される。
なお、図4および図7におけるステータ8および圧縮機構4の傾斜は、やや誇張して図示されているが、上記のごとく、ステータ8の高さと比較して、第1隙間δ1および第2隙間δ2がいずれも0.4mm以下の微小な寸法であるので、実際の傾斜の度合いは非常に微小である。
ここで、比較例として、図6〜7に示されるように、筒状部10―ステータ8間の隙間、および筒状部10―鍔部分51a間の隙間を、いずれも同じ大きさの隙間δ1にした場合、ステータ8が傾斜して取り付けられた場合、ロータ9をステータ8内部に挿入したときに、ロータ9とシャフト6を介して連結する圧縮機構4は、ケーシング2の筒状部10との間に接触する(図7の接触部分P参照)。そのため、エアギャップ44を所定の隙間δ3に維持してロータ9をステータ8内部に挿入することが困難になる(すなわち、所定の隙間δ3よりも小さいδ3sになる)。その結果、エアギャップ44が悪化して、ロータ9の回転異常による騒音の発生のおそれが生じる。
<密閉型圧縮機1の製造方法について>
本実施形態の密閉型圧縮機1を製造する場合、以下のような手順で溶接を行う。すなわち、図3〜4に示されるように、まず、図示しないジグを用いてケーシング2の筒状部10とステータ8との間を所定の第1隙間δ1が設けた状態で保持し、その状態でタッグ溶接などにより点W1の位置で溶接する(第1溶接工程)。本実施形態ではステータ鋼板端の10mm(積層鋼板10枚分以上の位置)を溶接位置とし、鋼板の膨らみや、インシュレータの溶けを防いでいる。
ついで、ステータ8とロータ9との間に所定の大きさのエアギャップ44を確保するためのエアギャップ確保部材S(図3〜4参照)を挟みながら、着磁済みのロータ9をステータ8の内部に挿入する(ロータ挿入工程)。
エアギャップ確保部材Sとしては、エアギャップ44に挿入される所定厚さの複数の板状部分を有するタコ足状のサーチャーが用いられる。
ついで、ケーシング2の筒状部10と圧縮機構4の溶接部分(すなわち、フロントヘッド51の鍔部分51a)との間を、第1隙間δ1よりも大きい所定の第2隙間δ2が設けられた状態でタッグ溶接などにより点W2の位置で溶接する(第2溶接工程)。
最後に、第2溶接工程の後に、エアギャップ確保部材Sをステータ8とロータ9との間から除去する(エアギャップ確保部材除去工程)。
<特徴>
(1)
本実施形態の密閉型圧縮機1では、図3に示されるように、シャフト6の軸方向において、ステータ8の高さ寸法H1は、圧縮機構4の溶接部分(すなわち、フロントヘッド51の鍔部分51a)の高さ寸法H2よりも大きく設定されている。そして、ケーシング2の筒状部10とステータ8との間は、所定の第1隙間δ1が設けられた状態で複数の溶接ポイント7の位置で溶接されている。さらに、ケーシング2の筒状部10と鍔部分51aとの間は、第1隙間δ1よりも大きい所定の第2隙間δ2が設けられた状態で溶接されている。
このように、筒状部10―ステータ8間の第1隙間δ1、筒状部10―鍔部分51a間の第2隙間δ2を、δ1<δ2の関係に設定することにより、ステータ8が傾斜して取り付けられた場合(図4参照)でも、ロータ9をステータ8内部に挿入したときに、ロータ9とシャフト6を介して連結する圧縮機構4は、ケーシング2の筒状部10との間に接触しないように隙間δ4を確保することが可能である。そのため、エアギャップ44を所定の隙間δ3に維持した状態で、ロータ9をステータ8内部に挿入することが容易になる。
その結果、圧縮機の組立性が向上する。また、エアギャップ44の悪化を抑制することが可能となるので、ロータ9の回転異常による騒音を低減することが可能である。
(2)
すなわち、本実施形態では、第1隙間δ1と第2隙間δ2に差をつけることで、隙間が小さい方の傾いた取付けが制限されることにより、エアギャップ44を確保することが可能になる。そして、ケーシング2の筒状部10と接触長の長いステータ8の方の第1隙間δ1を小さくすることで、より効果的にステータ8の傾きを制限することが可能になっている。
(3)
また、本実施形態では、密閉型圧縮機1の製法が、ケーシング2の筒状部10とステータ8との間を所定の第1隙間δ1が設けた状態で溶接する第1溶接工程と、第1溶接工程の後に、ケーシング2の筒状部10とフロントヘッド51の鍔部分51aとの間を、第1隙間δ1よりも大きい所定の第2隙間δ2が設けられた状態で溶接する第2溶接工程とを含んでいる。
すなわち、この製法では、傾きが小さい筒状部10とステータ8との第1隙間δ1の溶接を最初に行い、筒状部10の中心軸に沿ってステータ8の取付けを行い、ついで自由度が高い、すなわち傾斜できる範囲が大きい方の筒状部10と鍔部分51aとの第2隙間δ2を、第1隙間δ1側の傾きに合わせて溶接固定することが可能になる。
その結果、従来の圧縮機の構造よりも、より効果的にエアギャップ44の悪化を抑制することが可能になり、エアギャップ44の悪化に起因する騒音の発生も低減することが可能である。しかも、圧縮機の組立性も向上している。
(4)
さらに本実施形態の密閉型圧縮機1の製法が、第1溶接工程と前記第2溶接工程との間において、ステータ8とロータ9との間に所定の大きさのエアギャップ44を確保するためのエアギャップ確保部材S(図3〜4参照)を挟みながら、ロータ9をステータ8の内部に挿入するロータ挿入工程と、第2溶接工程の後に、エアギャップ確保部材Sをステータ8とロータ9との間から除去するエアギャップ確保部材除去工程をさらに含んでいる。
このため、所定の隙間δ3を有するエアギャップ44を確保しながら、ロータ9をステータ8に容易かつ確実に挿入することが可能である。しかも、ステータ8が傾斜している場合には、ステータ8の傾斜に合わせてロータ9および圧縮機構4の取付けを行うことが可能である。その結果、圧縮機の組立性も向上する。
<変形例>
(A)
上記実施の形態では、ケーシング2の筒状部10と圧縮機構4の溶接部分(上記実施の形態では、フロントヘッド51の鍔部分51a)との間の所定の第2隙間δ2が、ケーシング2の筒状部10とステータ8との間の所定の第1隙間δ1よりも大きい、δ1<δ2の関係の場合を示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
たとえば、第1隙間δ1および第2隙間δ2は、第1隙間δ1と第2隙間δ2との間に所定の差を有するように設定されていれば、上記のようなエアギャップ悪化抑制効果および組立性向上の効果を奏することが可能である。
この場合、ステータ8の高さH1、圧縮機構4の溶接部分の高さH2を考慮してδ1とδ2との差を設定すればよい。
したがって、ステータ8の高さH1がシリンダ27の高さH2よりも小さい圧縮機の構造の場合には、第1隙間δ1を第2隙間δ2よりも大きい関係(すなわち、δ1>δ2の関係)にすれば、圧縮機構4側(第2隙間δ2側)の傾斜を、傾斜の自由度が高いステータ8側(第1隙間δ1側)の傾斜で吸収(または補正)できる。その結果、上記実施形態と同様に、エアギャップ44を所定の隙間δ3に維持した状態で、ロータ9をステータ8内部に挿入することが容易になり、圧縮機の組立性が向上する。また、エアギャップ44の悪化を抑制するので、ロータ9の回転異常による騒音を低減することが可能である。
(B)
また、ケーシング2の筒状部10とステータ8との間の所定の第1隙間δ1と、ケーシング2の筒状部10と圧縮機構4の溶接部分(上記実施の形態では、フロントヘッド51の鍔部分51a)との間の所定の第2隙間δ2とのいずれか一方が他方よりも狭い場合における圧縮機1の製造方法では、第1溶接工程において第1隙間δ1および第2隙間δ2のうちの狭い方を先に溶接し、その後、第2溶接工程において第1隙間δ1および第2隙間δ2のうちの他方を溶接する。この製造方法では、圧縮機1の組立性がより向上する。また、これにより、ロータ9とステータ8との間の隙間であるエアギャップ44の悪化を抑制することが可能となり、ロータ9の回転異常による騒音を低減することが可能である。
(C)
上記実施の形態では、圧縮機構4の溶接部分として、主軸受であるフロントヘッド51の鍔部分51aを例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、圧縮機構4の溶接可能な部分であればどの部分でもよい。例えば、圧縮機構4の他の溶接部分として、副軸受であるリアヘッド52の外周部分やシリンダ50の外周部分を用いてもよい。
さらに他の変形例として、シリンダを複数個備えた圧縮機構を用いた場合には、隣接する2個のシリンダの間に設けられたミドルプレートの外周部分を、圧縮機構4の溶接部分として用いてもよい。
また、圧縮機構4の溶接部分は、上記に挙げたフロントヘッド51、リアヘッド52、シリンダ50、およびミドルプレートの外周部分に、ボルト止め等で取り付けた別部材を用いてもよい。
本発明は、電動機のステータが本体ケーシングに溶接によって固定された圧縮機に種々適用することが可能である。したがって、上記実施の形態で説明した揺動ピストン型圧縮機だけでなく、ローリングピストン型圧縮機、スクロール圧縮機等の種々の圧縮機にも適用することが可能である。
1 密閉型圧縮機
2 ケーシング
3 電動機
4 圧縮機構
6 シャフト(回転軸)
7 溶接ポイント
8 ステータ
9 ロータ
50 シリンダ
51 フロントヘッド(主軸受)
51a 鍔部分(溶接部分)
52 リアヘッド(副軸受)
35 磁石
37 ティース
38 コイル
40 ヨーク
42 かしめ部
44 エアギャップ
S エアギャップ確保部材
特開2008−45431号公報 特開2009−47062号公報 特開2009−47063号公報

Claims (5)

  1. 筒状の本体ケーシング(2)と、
    前記本体ケーシング(2)の内部に固定されたステータ(8)、および前記ステータ(8)に対して回転可能に配置されたロータ(9)を有する電動機(3)と、
    前記ロータ(9)の回転軸(6)と、
    前記回転軸(6)を回転自在に支持する軸受(51、52)を有する圧縮機構(4)と
    を備えている圧縮機において、
    前記本体ケーシング(2)と前記ステータ(8)との間は、所定の第1隙間(δ1)が設けられた状態で溶接され、
    前記本体ケーシング(2)と前記圧縮機構(4)との間は、前記第1隙間(δ1)よりも大きい所定の第2隙間(δ2)が設けられた状態で溶接されている、
    圧縮機。
  2. 請求項1に記載の圧縮機の製造方法において、
    前記本体ケーシング(2)と前記ステータ(8)との間を、所定の第1隙間(δ1)が設けられた状態で溶接する第1溶接工程と、
    前記第1溶接工程の後に、前記本体ケーシング(2)と前記圧縮機構(4)との間を、前記第1隙間(δ1)よりも大きい所定の第2隙間(δ2)が設けられた状態で溶接する第2溶接工程と
    を含む、
    圧縮機の製造方法。
  3. 前記第1溶接工程と前記第2溶接工程との間において、前記ステータ(8)と前記ロータ(9)との間に所定の大きさのエアギャップを確保するためのエアギャップ確保部材(S)を挟みながら、前記ロータ(9)を前記ステータ(8)の内部に挿入するロータ挿入工程と、
    前記第2溶接工程の後に、前記エアギャップ確保部材(S)を前記ステータ(8)と前記ロータ(9)との間から除去するエアギャップ確保部材除去工程と
    をさらに含む
    請求項2の圧縮機の製造方法。
  4. 筒状の本体ケーシング(2)と、
    前記本体ケーシング(2)の内部に固定されたステータ(8)、および前記ステータ(8)に対して回転可能に配置されたロータ(9)を有する電動機(3)と、
    前記ロータ(9)の回転軸(6)と、
    前記回転軸(6)を回転自在に支持する軸受(51、52)を有する圧縮機構(4)と
    を備えている圧縮機において、
    前記本体ケーシング(2)と前記ステータ(8)との間は、所定の第1隙間(δ1)が設けられた状態で溶接され、
    前記本体ケーシング(2)と前記圧縮機構(4)との間は、所定の第2隙間(δ2)が設けられた状態で溶接されており、
    前記第1隙間(δ1)および前記第2隙間(δ2)は、前記第1隙間(δ1)と前記第2隙間(δ2)との間に所定の差を有するように設定されている、
    圧縮機。
  5. 請求項4に記載の圧縮機の製造方法において、
    前記第1隙間および第2隙間のうちの狭い方を溶接する第1溶接工程と、
    前記第1隙間および第2隙間のうちの第1溶接工程で溶接された方と異なる方を溶接する第2溶接工程と
    を含む、
    圧縮機の製造方法。
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