JP2010120993A - コークス炉用仮設上家 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コークス炉長手方向の両端部にそれぞれ端部擁壁3を有し、これらの端部擁壁3間に複数の炭化室を備えたコークス炉に用いられ、煉瓦積み等の築炉工事されるコークス炉本体を覆うコークス炉用仮設上家において、前記コークス炉の両端部の擁壁3と仮設上家における妻面フレーム11とを構造的に連結一体化した。コークス炉用仮設上家の小屋面において、門形の妻面フレーム11と門形の中間フレーム12との間、および中間フレーム12相互間にブレース19を設置して、棟行き方向の全体に渡ってブレース19を配置して、小屋面をブレース19により連結強化したコークス炉用仮設上家としている。
【選択図】図1
Description
(1)例えば、従来、図16(a)に示すように、張間方向の両端部に、内側柱40と外側柱41とをラチス材42により接合したトラス構造の下部柱43の上部に上部柱44を立設し、上部柱44に渡って小屋梁または小屋トラス45の端部を溶接等により一体化したラーメン構造の門形フレーム46とし、そのような門形フレーム46を棟行き方向に間隔をおいて設置したコークス炉用仮設上家47が知られている。
前記(2)のようにワイヤー48を設置する場合には、その配設作業が煩雑であると共に、建家外側にワイヤーが配置されるので、ワイヤーにより、空間が制約されるという問題がある。
前記(3)の構造では、特に妻フレーム部分の補強が必須であり、本構造をコークス炉仮設上家に適用した場合、前記(2)の場合と比較して、ワイヤー補強が不要になるメリ
ットと、逆に妻フレームの補強が必要となるデメリットが相殺され、コスト低減効果は期待できない。
本発明は、コークス炉用仮設上家において、コークス炉における端部擁壁を有効に活用することにより、従来のように、ワイヤー補強といった煩雑な作業をすることなく、骨組み、特にコークス炉用仮設上家における主フレームとなる柱を簡素化することができ、部材数を削減し、柱部材の負担を低減して柱部材の断面サイズを小さくすることができ、前記の課題を有利に解決したコークス炉用仮設上家を提供することを主目的とする。
また、部材の接合の簡素化が図れ、コークス炉用仮設上家を構築または分解撤去する場合に、組立および解体の簡素化が図れ、構築施工時間および分解撤去の時間短縮を図ることが可能なコークス炉用仮設上家を提供することも目的とする。
また、第2発明では、第1発明のコークス炉用仮設上家において、コークス炉用仮設上家の小屋面において、門形の妻面フレームと門形の中間フレームとの間、および中間フレーム相互間にブレースを設置して、棟行き方向の全体に渡ってブレースを配置して、小屋面をブレースにより連結強化したことを特徴とする。
また、第3発明では、第1発明または第2発明のコークス炉用仮設上家において、コークス炉用仮設上家における上下方向のフレームを構成する直列に隣り合う柱材相互は、一方の柱材の端部に差し込み用の孔または凹部を有する雌型受け金具を備え、他方の柱材の端部に差し込み用の凸部を有する雄型挿し込み金具を備え、雌型受け金具と雄型挿し込み金具とを嵌合接合したことを特徴とする。
第4発明では、第3発明のコークス炉用仮設上家において、前記雌型受け金具は、部材長手方向の下側に向かって漸次拡径するテーパー状の内周面を有する差し込み用の孔または凹部を備えた雌型受け金具であり、前記雄型挿し込み金具は、部材長手方向の下側に向かって漸次拡径するテーパー状の外周面を有する差し込み用の凸部を備えた雄型挿し込み金具であることを特徴とする。
第5発明では、第3発明または第4発明のコークス炉用仮設上家において、雌型受け金具と雄型挿し込み金具とを、これらの軸方向に交差するようにピンを挿通配置して一体化したことを特徴とする。
第2発明によると、小屋面において、門形の妻面フレームと門形の中間フレームとの間、および中間フレーム相互間にわたってブレースを設置し、棟行き方向の全体に渡ってブレースを配置して、小屋面をブレースにより連結強化したので、門形の各中間フレームの応力を小屋面を介して妻面フレームに伝達して端部擁壁に応力を負担させることができ、そのため、門形の中間フレームを簡素にすることができる効果が得られる。
第3発明によると、コークス炉用仮設上家における上下方向のフレームを構成する直列に隣り合う柱材相互は、一方の柱材の端部に差し込み用の孔または凹部を有する雌型受け金具を備え、他方の柱材の端部に差し込み用の凸部を有する雄型挿し込み金具を備え、雌型受け金具と雄型挿し込み金具とを嵌合接合したので、柱材相互の接合が簡単になり、組立および分解が容易になり、コークス炉用仮設上家の組立および分解撤去が容易になり、組立コストおよび分解撤去コストを安価にすることができる効果が得られる。
第4発明によると、雌型受け金具は、部材長手方向の下側に向かって漸次拡径するテーパー状の内周面を有する差し込み用の孔または凹部を備えた雌型受け金具であり、前記雄型挿し込み金具は、部材長手方向の下側に向かって漸次拡径するテーパー状の外周面を有する差し込み用の凸部を備えた雄型挿し込み金具であるので、柱材相互の嵌合接合が容易になり、上下の柱材の軸芯を合致させて組み立てることができ、また、分解撤去も容易である等の効果が得られる。
第5発明によると、雌型受け金具と雄型挿し込み金具とを、これらの軸方向に交差するようにピンを挿通配置して一体化したので、風荷重あるいは地震動において、柱材に引き抜き力が作用するような場合でも、これに抵抗することができる効果が得られる。
なお、柱あるいは梁等の鉄骨の接合位置は、あくまで一形態であり、柱は高さ方向の中央部のみとしたり(図15のロの部分参照)、あるいは梁ではトラス端部側に設けるなど(図15のイの部分参照)、施工性などを考慮して設計により、接合部は設定される。
また、図示の形態では、小屋トラス梁15における上弦材15aおよび下弦材15bにはH形鋼が用いられ、桁17にはH形鋼が用いられ、上弦材15aおよび下弦材15bとは山形鋼からなるラチス材(なお、図では、直線で示されている)が配置されて、桁17に固定のガセットプレート等を介して固定されるか、または添え板およびボルト・ナットにより接合されている。
なお、前記各ブレース19や小屋トラスの上弦材または下弦材あるいはトラス材も、H形鋼が使用されているが、引張力および圧縮力を伝達可能であれば、断面形状は、L形、矩形、円形、等、任意の断面形状でもよい。
妻面門形フレーム11における柱20の中間部に適宜接合金具がボルト・ナット等により分解可能に設けられ、その接合金具(例えば、ブラケット27)に、基端側が、添え板およびボルト・ナット等により組立分解可能に連結固定されたH形鋼からなる中間横梁24の先端部が、前記の側部取り付け金具21に、前記側部取り付け金具21および中間横梁24に渡って配置された添え板25およびボルト・ナット26により連結されている。
妻面門形フレーム11における小屋トラス梁15の中間部および柱材の上端部に、適宜接合金具がボルト・ナット等により分解可能に設けられ、各接合金具に、張間方向で中央部よりの中間部ブレース19と、端部側の端部ブレース19の基端側が、添え板およびボルト・ナット等によりブレース取り付け金具28に組立分解可能に連結固定され、中間部ブレース19と端部ブレース19の先端部が、前記ブレース取り付け金具28および各ブレース19に渡って配置された添え板25およびボルト・ナット26により連結されている。
コークス炉用仮設上家10における上下方向のフレームを構成する直列に隣り合う柱材20a,20b相互または柱材20bと端部縦部分14が、一方の部材の端部に差し込み用の孔または凹部を有する雌型受け金具29を備え、他方の部材の端部に差し込み用の凸部を有する雄型挿し込み金具30を備え、前記雌型受け金具29と雄型挿し込み金具30
とを嵌合接合した接合構造である。
前記雌型受け金具29は、部材長手方向の下側に向かって漸次拡径するテーパー状の内周面を有する差し込み用の孔または凹部を備えた雌型受け金具29である。
この形態では、截頭筒状円錐体32は、柱材の中空部内に柱の周側面板から離れるように配置されている形態である。截頭筒状円錐体32は円周方向に連続していてもよいが、周方向に間隔をおいて上下方向に切り込みを有する形態であってもよい。
具体的には、下位に位置する柱材20a,20bの上端部に、雄型挿し込み金具30における鋼製円盤33の下面が当接されて、柱材20a,20bの上端外周が鋼製円盤33に溶接により固定されている。雄型挿し込み金具30は、柱材20a,20bの外径よりも外径の大きい円盤33の上部に、下方に向かって漸次拡径するテーパー状の截頭筒状円錐体34の下端部を溶接等により一体に固着されて構成されている。
前記雌型受け金具29における截頭筒状円錐体32の下端部内周面に、雄型挿し込み金具30における截頭筒状円錐体34の下端部外周面に接触した状態で、リング状フランジ31の下面が前記円盤33の上面に載置するように設定されるとよい。
このような接合構造であると、前記各金具の中心軸線を柱材の中心軸線に合致するように設置しておくと、中心軸線を合致させて建て込むことができる。
また、このような接合構造によるコークス炉用仮設上家であると、挿し込むだけで、柱材の本接合が完了するので、組立あるいは分解が容易であると共に短工期で施工することができる。
また、このような嵌合接合構造であると、截頭筒状円錐体34のテーパー状外周面と截頭筒状円錐体32のテーパー状内周面とを、ガイド面として挿し込み時に案内して、挿し込み嵌合することができる。
また、このような嵌合接合方式であると、組立あるいは解体時に、鉄骨鳶が不要になるばかりでなく、ボルト接合のような仮締めあるいは本締め作業が不要になり、接合部に手で接触する手作業が不要(ノータッチ)になり、また仮設足場も不要(仮設足場レス)になり、鉄骨の建て入れ直し作業も不要になるため、組立施工あるいは分解施工が容易で短工期で施工することができ、組立施工あるいは分解撤去作業の施工コストの低減を図ることができ、また端部擁壁を有効に利用しているため、柱部材の断面サイズの小型化を含めた環境負荷の低減を図ることができる効果が得られる。
また、図11(a)〜(d)に示すように、前記リング状フランジ31が前記円盤33に載置された状態において合致する、横方向に貫通する横孔37を、柱材20b、端部縦部分14、截頭筒状円錐体32、34等に設けて、これらの横孔37に渡って、ピンまたはボルト35を挿通して、上揚力に抵抗可能な構造としてもよい。なお、この場合には、前記リング状フランジ31と前記円盤33とに位置合わせ用の印を適宜設けておくと、横孔37が容易に合致するのでよい。
また、挿し込み嵌合形態にすると、部材間接合部および柱脚の簡素化を図ることができ、また、従来のように、ワイヤーを使用して補強する必要がないので、組立および分解撤去の作業が容易で、また、建入れが容易であり、コークス炉用仮設上家10の外側に大きな作業空間も必要としない。
B コークス炉
C コークス炉
D コークス炉
X 小屋面
1 石炭塔
2 中間デッキまたは端部デッキ
3 端部擁壁
4 クレーンまたは石炭装入車
5 押出機
5a 走行用レール
6 ガイド車
6a 走行用レール
7 コークカー及び消火車
8 基礎
9 炭化室
10 コークス炉用仮設上家
11 妻面門形フレーム
12 中間部門形フレーム
13 端部縦部分付き小屋トラス
14 縦部分
15 小屋トラス梁
15a 上弦材
15b 下弦材
17 桁
18 つなぎ梁
19 ブレース
20 柱
20a 柱脚部
20b 上部柱材
21 側部取り付け金具
22 鋼製縦板
23 アンカー
24 中間横梁
25 添え板
26 ボルト・ナット
27 ブラケット
28 ブレース取り付け金具
29 雌型受け金具
30 雄型挿し込み金具
31 リング状フランジ
32 截頭筒状円錐体
33 円盤
34 截頭筒状円錐体
35 ピンまたはボルト
36 鋼製台座
37 横孔
38 外壁
39 屋根
40 内側柱
41 外側柱
42 ラチス材
43 下部柱
44 上部柱
45 小屋梁または小屋トラス
46 門形フレーム
47 コークス炉用仮設上家
48 ブレース
Claims (5)
- コークス炉長手方向の両端部にそれぞれ端部擁壁を有し、これらの端部擁壁間に複数の炭化室を備えたコークス炉に用いられ、煉瓦積み等の築炉工事されるコークス炉本体を覆うコークス炉用仮設上家において、前記コークス炉の両端部の端部擁壁と前記仮設上家における妻面フレームとを構造的に連結一体化したことを特徴とするコークス炉用仮設上家。
- コークス炉用仮設上家の小屋面において、門形の妻面フレームと門形の中間フレームとの間、および中間フレーム相互間にブレースを設置して、棟行き方向の全体に渡ってブレースを配置して、小屋面をブレースにより連結強化したことを特徴とする請求項1に記載のコークス炉用仮設上家。
- コークス炉用仮設上家における上下方向のフレームを構成する直列に隣り合う柱材相互は、一方の柱材の端部に差し込み用の孔または凹部を有する雌型受け金具を備え、他方の柱材の端部に差し込み用の凸部を有する雄型挿し込み金具を備え、雌型受け金具と雄型挿し込み金具とを嵌合接合したことを特徴とする請求項1または2に記載のコークス炉用仮設上家。
- 前記雌型受け金具は、部材長手方向の下側に向かって漸次拡径するテーパー状の内周面を有する差し込み用の孔または凹部を備えた雌型受け金具であり、前記雄型挿し込み金具は、部材長手方向の下側に向かって漸次拡径するテーパー状の外周面を有する差し込み用の凸部を備えた雄型挿し込み金具であることを特徴とする請求項3に記載のコークス炉用仮設上家。
- 雌型受け金具と雄型挿し込み金具とを、これらの軸方向に交差するようにピンを挿通配置して一体化したことを特徴とする請求項3または4に記載のコークス炉用仮設上家。
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