JP2010120923A - レジスト組成物、レジストパターン形成方法、新規な化合物、および酸発生剤 - Google Patents

レジスト組成物、レジストパターン形成方法、新規な化合物、および酸発生剤 Download PDF

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Abstract

【課題】レジスト組成物用酸発生剤として好適な化合物、該化合物からなる酸発生剤、該酸発生剤を含有するレジスト組成物、及びレジストパターン形成方法の提供。
【解決手段】一般式(b1−15)で表される化合物;該化合物からなる酸発生剤;酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分及び該化合物からなる酸発生剤を含有するレジスト組成物。式中、R”〜R”のうち少なくとも1つは、一般式(b15−1)で表される官能基で置換された置換アリール基である。
Figure 2010120923

【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト組成物、該レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法、該レジスト組成物用の酸発生剤として有用な新規な化合物、および該酸発生剤に関する。
リソグラフィー技術においては、例えば基板の上にレジスト材料からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、所定のパターンが形成されたマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。露光した部分が現像液に溶解する特性に変化するレジスト材料をポジ型、露光した部分が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト材料をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長のFエキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性が求められる。このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化するベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型レジストが用いられている。たとえばポジ型の化学増幅型レジストは、ベース樹脂として酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂と、酸発生剤とを含有しており、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると、露光部がアルカリ可溶性となる。
これまで、化学増幅型レジストのベース樹脂としては、KrFエキシマレーザー(248nm)に対する透明性が高いポリヒドロキシスチレン(PHS)やその水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護した樹脂(PHS系樹脂)が用いられてきた。しかし、PHS系樹脂は、ベンゼン環等の芳香環を有するため、248nmよりも短波長、たとえば193nmの光に対する透明性が充分ではない。そのため、PHS系樹脂をベース樹脂成分とする化学増幅型レジストは、たとえば193nmの光を用いるプロセスでは解像性が低いなどの欠点がある。
そのため、現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用されるレジストのベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、一般的に(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)が用いられている。ポジ型の場合、かかる樹脂としては、脂肪族多環式基を含有する第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を含む(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位、例えば2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等から誘導される構成単位を有する樹脂が主に用いられている(たとえば特許文献1参照)。
なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。
一方、化学増幅型レジストにおいて使用される酸発生剤としては、これまで多種多様のものが提案されており、たとえばヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤などが知られている。現在、酸発生剤としては、トリフェニルスルホニウム骨格、ジナフチルモノフェニルスルホニウム骨格等を含む酸発生剤が用いられている(特許文献2)。
特開2003−241385号公報 特開2005−37888号公報
近年、レジストパターンの微細化はますます進み、高解像性への要望がさらに高まるにつれ、種々のリソグラフィー特性の向上が求められている。
例えば、100nm以下でかつ密ピッチでホールパターンを形成する際には、真円性の高いホールパターンを形成することが非常に困難であった。今回、新規な酸発生剤を用いることにより、この目的を達成することができると考えられている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、レジスト組成物用酸発生剤として好適な新規化合物、該化合物からなる酸発生剤、該酸発生剤を含有するレジスト組成物、及び該レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第一の態様は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有するレジスト組成物であって、
前記酸発生剤成分(B)は、下記一般式(b1−15)で表される化合物からなる酸発生剤(B1)を含むことを特徴とするレジスト組成物である。
Figure 2010120923
[式中、R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表し;R”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよく;R”〜R”のうち少なくとも1つは、水素原子の一部または全部が下記一般式(b15−1)で表される官能基で置換された置換アリール基であり;Xはアニオンである。]
Figure 2010120923
[式中、R52は酸によって解離しない基を表し;Wは単結合または2価の連結基を表し;nは0または1を表す。]
また、本発明の第二の態様は、上記本発明の第一の態様のレジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
さらに、本発明の第三の態様は、上記一般式(b1−15)で表される化合物である。
またさらに、本発明の第四の態様は、上記本発明の第三の態様の化合物からなる酸発生剤である。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「構成単位」とは、樹脂成分(重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「露光」とは、放射線の照射全般を含む概念とする。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」とは、炭素原子数1〜5のアルキル基を意味する。
「酸解離性基」は、酸の作用により解離しうる有機基である。
本発明により、レジスト組成物用酸発生剤として好適な新規化合物、該化合物からなる酸発生剤、及び該酸発生剤を含有するレジスト組成物、並びに該レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法が提供される。
以下、本発明をより詳細に説明する。
≪第三の態様の化合物≫
最初に、本発明の第三の態様の化合物について説明する。本発明の第三の態様の化合物は、前記一般式(b1−15)で表される。
前記一般式(b1−15)中、R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表す。ただし、R”〜R”のうち少なくとも1つは、水素原子の一部または全部が前記一般式(b15−1)で表される官能基で置換された置換アリール基である。
”〜R”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部が、前記一般式(b15−1)で表される官能基以外の置換基、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。このようなアリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基(n−Bu)、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
”〜R”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デシル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
”〜R”のうち少なくとも1つは、水素原子の一部または全部が前記一般式(b15−1)で表される官能基で置換された置換アリール基である。R”〜R”のうち2つ以上が前記置換アリール基であっても良いが、R”〜R”のうちいずれか1つが前記置換アリール基であることが最も好ましい。
前記一般式(b15−1)において、R52は酸によって解離しない基(以下、「酸非解離性基」と称する場合がある)を表す。R52の非酸解離性基としては、酸の作用により解離しない基であれば特に限定されないが、好ましくは、酸によって解離しない、置換基を有しても良い炭化水素基である。
52の酸非解離性基としての炭化水素基としては、芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基であってもよい。
ここで、本明細書において「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の飽和炭化水素基、又は、炭素数2〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基が挙げられる。
直鎖状の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基、カルボキシ基等が挙げられる。前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記芳香族基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
環状の飽和炭化水素基としては、多環式基、単環式基のいずれでもよく、炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基が挙げられ、例えば、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該環状のアルキル基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該環状のアルキル基が有する環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該環状のアルキル基が有する環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。前者の例としては、前記モノシクロアルカンまたはポリシクロアルカンの環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換された複素シクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。また、前記環の構造中にエステル結合(−C(=O)−O−)を有していてもよい。具体的には、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基等のラクトン含有単環式基や、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基等のラクトン含有多環式基等が挙げられる。後者の例における置換基としては、前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有してもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
直鎖状の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。
分岐鎖状の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
該直鎖状若しくは分岐鎖状の不飽和炭化水素基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
芳香族有機基としては、芳香環の環骨格が炭素原子のみから構成される芳香族炭化水素環を有するものであってもよく、芳香環の環骨格に炭素原子以外のヘテロ原子を含む芳香族複素環を有するものであってもよい。具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いたアリール基;これらのアリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基;ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、前記アリールアルキル基の環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
後者の例における芳香族基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族基の置換基としてのアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、およびハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有してもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
52の酸非解離性基としての炭化水素基としては、環式基が好ましく、環状の飽和炭化水素基がより好ましい。中でも、アダマンタンから1個の水素原子を除いた基が特に好ましく、最も好ましくはアダマンチル基、1−(1−アダマンチル)メチル基である。
また、R52の酸非解離性基としての炭化水素基としては、直鎖状の飽和炭化水素基であることも好ましく、中でも、デシル基が最も好ましい。
前記置換アリール基以外のR”〜R”は、それぞれ、フェニル基またはナフチル基であることが好ましく、フェニル基であることが最も好ましい。
”〜R”は、これらのうちいずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。この場合、イオウ原子を含めて3〜10員環を形成していることが好ましく、5〜7員環を形成していることが特に好ましい。
前記一般式(b15−1)中、Wは単結合または2価の連結基である。
の二価の連結基としては、たとえば、アルキレン基、ヘテロ原子を含む基(以下、ヘテロ原子含有連結基という。)等が挙げられる。
該アルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
ヘテロ原子含有連結基における「ヘテロ原子」とは炭素原子および水素原子以外の原子であり、たとえば酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子含有連結基としては、たとえば酸素原子(エーテル結合;−O−)、硫黄原子(チオエ−テル結合;−S−)、−NH−結合(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、エステル結合(−COO−)、アミド結合(−CONH−)、カルボニル基(−CO−)、カーボネート結合(−OCOO−)等の非炭化水素系のヘテロ原子含有連結基;該非炭化水素系のヘテロ原子含有連結基と前記アルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。該組み合わせとしては、たとえば、−R91−O−(式中、R91はアルキレン基である。)等が挙げられる。前記式中、R91のアルキレン基としては、前記Wの二価の連結基として挙げたアルキレン基と同様のものが挙げられる。
本発明において、Wの二価の連結基としては、酸素原子、硫黄原子または前記−R91−O−が好ましく、酸素原子または前記−R91−O−が特に好ましい。
前記一般式(b15−1)中、Wが単結合であることが特に好ましい。
前記一般式(b15−1)中、nは0または1を表し、好ましくは0である。
以下に、一般式(b1−15)で表される化合物におけるカチオン部として好適な具体例を示す。
Figure 2010120923
[式中、R52は上記と同じであり、nは0または1であり、R9a〜R9cはそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は水酸基であり、e1は0〜2の整数であり、e2およびe3はそれぞれ独立に0〜3の整数である。]
前記一般式(b1−15−c1)中、R9a〜R9cは、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は水酸基である。
9a〜R9cにおけるアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基(n−Bu)、tert−ブチル基であることが好ましい。
9a〜R9cにおけるアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましい。
9a〜R9cにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
なかでも、R9aは、アルキル基であることが好ましく、メチル基が最も好ましい。
9b又はR9cは、アルキル基であることが好ましく、メチル基又はn−ブチル基が特に好ましい。また、R9bとR9cは、同一であることが好ましい。
前記一般式(b1−15−c1)中、e1は0〜2の整数であり、2であることが最も好ましい。
e2およびe3は、それぞれ独立に、0〜3の整数であり、0又は1であることが特に好ましい。
前記一般式(b1−15)中、Xはアニオンである。Xのアニオン部は特に制限されず、オニウム塩系酸発生剤のアニオン部として知られているものを適宜用いることができる。例えば、一般式「R14SO (R14は、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、又はアルケニル基を表す。)」で表されるアニオン、一般式「R−O−Y−SO (Rは1価の脂肪族炭化水素基、1価の芳香族有機基、又はヒドロキシアルキル基であり;Yはフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキレン基である。)」で表されるアニオン、または一般式「R−Q−O−Q−Y−SO 」(Rは1価の脂肪族炭化水素基、1価の芳香族有機基、又はヒドロキシアルキル基であり;QおよびQはそれぞれ独立に単結合または2価の連結基であり;Yはフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキレン基である)で表されるアニオンを用いることができる。
前記一般式「R14SO 」において、R14は、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、又はアルケニル基を表す。
前記R14としての直鎖状、若しくは分岐鎖状のアルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記R14としての環状のアルキル基は、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記R14としてのハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換されたものであり、該アルキル基は、炭素数1〜5の低級アルキル基が好ましく、なかでも直鎖状または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、又はイソペンチル基であることが更に好ましい。そして、水素原子が置換されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが望ましく、全て置換されていることがより好ましい。
ここで、該ハロゲン化アルキル基としては、フッ素化アルキル基が好ましい。フッ素化アルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、該フッ素化アルキル基のフッ素化率(フッ素化前のアルキル基中の全水素原子数に対する、フッ素化により置換したフッ素原子の数の割合、以下同様。)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。このような好ましいフッ素化アルキル基として、具体的には、トリフルオロメチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基が挙げられる。
前記R14としてのアリール基は、置換基を有していてもよい、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、ヘテロ原子、アルキル基などが挙げられる。置換基は複数有していても良い。
前記R14としてのアルケニル基は、置換基を有していてもよい、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、ヘテロ原子、アルキル基などが挙げられる。置換基は複数有していても良い。
これらの中でも、前記R14としてはハロゲン化アルキル基が好ましい。
前記一般式「R−O−Y−SO 」において、Rは1価の脂肪族炭化水素基、芳香族有機基、又はヒドロキシアルキル基であり;Yはフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキレン基である。
の1価の脂肪族炭化水素基としては、前記R52の酸非解離性基としての脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
の1価の芳香族有機基としては、前記R52の酸非解離性基としての芳香族有機基と同様のものが挙げられる。
のヒドロキシアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状の1価の飽和炭化水素基の少なくとも1つの水素原子が水酸基に置換されたものである。直鎖状又は分岐鎖状の1価の飽和炭化水素基の1つまたは2つの水素原子が水酸基に置換されたものが好ましい。具体的にはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
の1価のヒドロキシアルキル基の炭素数は1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜6が特に好ましく、1〜3が最も好ましい。
の、フッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキレン基としては、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CF(CFCF)−、−C(CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−、−CF(CFCFCF)−、−C(CF)(CFCF)−;−CHF−、−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−、−CH(CF)CH−、−CH(CFCF)−、−C(CH)(CF)−、−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CH(CF)CHCH−、−CHCH(CF)CH−、−CH(CF)CH(CF)−、−C(CFCH−;−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCHCH)−、−C(CH)(CHCH)−;等を挙げることができる。
また、Yの、フッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキレン基としては、Sに結合する炭素原子がフッ素化されていることが好ましく、このようなフッ素化アルキレン基として、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−;−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−;−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CHCFCFCF−;等を挙げることができる。
これらの中でも、−CFCF−、−CFCFCF−、又はCHCFCF−が好ましく、−CFCF−又は−CFCFCF−がより好ましく、−CFCF−が特に好ましい。
前記一般式「R−Q−O−Q−Y−SO 」において、R、Yは前記一般式「R−O−Y−SO 」におけるR、Yと同様である。
前記一般式「R−Q−O−Q−Y−SO 」において、QおよびQはそれぞれ独立に単結合または2価の連結基である。
2価の連結基としては、たとえば、アルキレン基、ヘテロ原子を含む基(以下、ヘテロ原子含有連結基という。)等が挙げられる。
ヘテロ原子含有連結基における「ヘテロ原子」とは炭素原子および水素原子以外の原子であり、たとえば酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
2価の連結基としてのアルキレン基としては、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH−];−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CHCH−];−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CHCHCH−];−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CHCHCHCH−];−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CHCHCHCHCH−]等が挙げられる。
ヘテロ原子含有連結基としては、たとえば酸素原子(エーテル結合;−O−)、硫黄原子(チオエ−テル結合;−S−)、−NH−結合(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系のヘテロ原子含有連結基;該非炭化水素系のヘテロ原子含有連結基と前記アルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。該組み合わせとしては、たとえば、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、−C(=O)−O−R93−(式中、R91〜R93はそれぞれ独立にアルキレン基である。)等やこれらの組み合わせが挙げられる。前記式中、R91〜R93のアルキレン基としては、上記2価の連結基として挙げたアルキレン基と同様のものが挙げられる。
としては、カルボニル基、単結合、−R92−O−C(=O)−が好ましい。
としては、単結合、アルキレン基、カルボニル基が好ましい。
特に、Qがカルボニル基であり且つQが単結合であるか、Qが単結合であり且つQがアルキレン基であるか、またはQが−R92−O−C(=O)−であり且つQがカルボニル基であることが好ましい。
本発明において、Xとしては、下記式(b1)〜(b8)で表されるアニオンが挙げられるものが好ましい。
Figure 2010120923
[式中、u6は1〜3の整数であり、q1〜q2はそれぞれ独立に1〜5の整数であり、r1は0〜3の整数であり、iは1〜20の整数であり、Rは置換基であり、u1〜u5はそれぞれ独立に0または1であり、v1〜v5はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、v0は0〜3の整数であり、w1〜w5はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、Q”は炭素数1〜5のアルキレン基、−O−、−S−、−O−R94−または−S−R95−であり、R94およびR95はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基である。]
前記式中、Rの置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
に付された符号(r1、w1〜w5)が2以上の整数である場合、当該化合物中の複数のRはそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
前記式中のQ”において、R94およびR95におけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH−];−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CHCH−];−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CHCHCH−];−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CHCHCHCH−];−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CHCHCHCHCH−]等が挙げられる。
また、前記一般式(b1−15)中、Xは、下記一般式(b−3)で表されるアニオン、下記一般式(b−4)で表されるアニオン等を用いることができる。
Figure 2010120923
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
前記一般式(b−3)において、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は、好ましくは2〜6であり、より好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
前記一般式(b−4)において、Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜7、最も好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数又はY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基又はY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基又はアルキル基のフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロアルキル基である。
本発明においては、前記一般式(b−3)で表されるアニオンと前記一般式(b−4)で表されるアニオンのうち、前記一般式(b−4)で表されるアニオンが好ましい。前記一般式(b−4)で表されるアニオンとしては、下記式(b4−1)〜(b4―11)で表されるアニオンが挙げられる。
Figure 2010120923
Figure 2010120923
[式中、gは1〜4の整数であり、t1〜t5は1〜4の整数であり、v6は0〜3の整数であり、m〜mは0又は1であり、w1”〜w4”はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、R21〜R24は置換基である
gは、それぞれ独立に1〜4の整数であり、1又は2が好ましく、1が最も好ましい。
t1〜t5は、それぞれ独立に1〜4の整数であり、1又は2が好ましく、2が最も好ましい。
〜mは、それぞれ独立に0又は1であり、0が好ましい。
w1”〜w4”は、それぞれ独立に0〜3の整数であり、0又は1が好ましく、0が最も好ましい。
21〜R24の置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
21〜R24に付された符号(w1”〜w4”)が2以上の整数である場合、当該化合物中の複数のR21〜R24はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
また、前記一般式(b1−15)中、Xは、ハロゲンアニオンでも良い。ここでハロゲンアニオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
本発明の第三の態様の化合物として、好ましい具体例を以下に挙げる。
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
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Figure 2010120923
Figure 2010120923
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また、上記で例示した、本発明の第三の態様の化合物として挙げた好ましい具体例の化合物のカチオン部に結合した、アダマンチルカルボニルオキシ基(−O−C(=O)−Ad(アダマンタン))を、それぞれ1−(1−アダマンチル)メチル基(−O−C(=O)−CH−Ad)に置き換えた化合物も例示できる。
また、当該アダマンチルカルボニルオキシ基(−O−C(=O)−Ad(アダマンタン))を、それぞれデシルカルボニルオキシ基(−O−C(=O)−C1021)に置き換えた化合物も例示できる。
上記のなかでも、本発明の第三の態様の化合物としては、前記R52がアダマンチルカルボニルオキシ基(−O−C(=O)−Ad(アダマンタン))、1−(1−アダマンチル)メチル基(−O−C(=O)−CH−Ad)、又はデシルカルボニルオキシ基(−O−C(=O)−C1021)である前記一般式(b1−15−c1)で表されるカチオンをカチオン部として有する化合物が好適なものとして挙げられる。
<化合物の製造方法>
本発明の第三の態様の化合物(b1−15)は、例えば、以下のようにして製造できる。すなわち、有機酸H(Mは、例えば、メタンスルホン酸イオン等、有機酸のアニオン部を表わす。)の溶液中に、下記一般式(b1−15−01)および(b1−15−02)で表される化合物を加えて反応させた後、純水および有機溶剤(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等)を加えて、有機層を回収し、この有機層中から下記一般式(b1−15−03)で表される化合物を得る。
次いで、一般式(b1−15−03)で表される化合物を、有機溶剤(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等)に加えて冷却し、そこへ下記一般式(b15−1−0)で表される化合物を加えて反応させ、分液および水洗した後、有機層中から下記一般式(b1−15−04)で表される化合物を得る。
次いで、一般式(b1−15−04)で表される化合物を有機溶剤(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等)および水の混合溶媒に溶解させ、そこへ所望のアニオンXのアルカリ金属塩L(Lは、例えば、リチウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属カチオンを表わす。)を加えて反応させ、分液および水洗した後、有機層中から化合物(b1−15)が得られる。
Figure 2010120923
[式中、R”およびR”は前記一般式(b1−15)中のR”およびR”と同様であり;R10”は前記一般式(b1−15)中のアリール基であるR”から1つの水素原子を除いたアリーレン基であり;Mは、有機酸のアニオン部であり;Lは、アルカリ金属カチオンであり;Xは、前記一般式(b1−15)中のXと同様であり;R52、Wおよびnは前記一般式(b15−1)中のR52、Wおよびnと同様であり;Haはハロゲン原子を表し;Haはハロゲンイオンを表す。]
なお、前記一般式(b1−15−04)で表される化合物は有機酸のアニオン部(M)を有する化合物とハロゲンイオン(Ha)をアニオン部に有する化合物との混合物であるが、所望のアニオンXのアルカリ金属塩Lと反応させることにより、いずれのアニオン部も所望のアニオンXに置換される。
≪酸発生剤≫
本発明の第四の態様の酸発生剤(以下、酸発生剤(B1)ということがある)は、前記一般式(b1−15)で表される化合物からなる。式中、R”〜R”、Xは、上記本発明の第三の態様の化合物において挙げたものと同様である。
≪レジスト組成物≫
次に、本発明の第一の態様のレジスト組成物について説明する。
本発明の第一の態様のレジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)(以下、(A)成分という。)および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)を含有し、前記(B)成分は、前記一般式(b1−15)で表される化合物からなる酸発生剤(B1)を含むものである。
本発明のレジスト組成物において、(A)成分としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する高分子材料を用いることができ、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する低分子材料を用いることもできる。
また、本発明のレジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物であってもよく、ポジ型レジスト組成物であってもよい。
本発明のレジスト組成物がネガ型レジスト組成物である場合、例えば、(A)成分はアルカリ可溶性樹脂であり、さらに当該ネガ型レジスト組成物に架橋剤(C)が配合される。
かかるネガ型レジスト組成物は、レジストパターン形成時に、露光により(B)成分から酸が発生すると、露光部は、当該酸が作用してアルカリ可溶性樹脂と架橋剤との間で架橋が起こり、アルカリ不溶性へ変化する。
アルカリ可溶性樹脂としては、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸、またはα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも一つから誘導される単位を有する樹脂が、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。なお、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸は、カルボキシ基が結合するα位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸と、このα位の炭素原子にヒドロキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基)が結合しているα−ヒドロキシアルキルアクリル酸の一方または両方を示す。
架橋剤(C)としては、例えば、通常は、メチロール基またはアルコキシメチル基を有するグリコールウリルなどのアミノ系架橋剤を用いると、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。架橋剤(C)の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましい。
本発明のレジスト組成物がポジ型レジスト組成物である場合、(A)成分は、露光前はアルカリ現像液に対して不溶性であり、レジストパターン形成時に、露光により前記(B)成分から発生した酸が作用すると、酸解離性溶解抑制基が解離し、これによって(A)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性が増大し、アルカリ不溶性からアルカリ可溶性に変化する。そのため、レジストパターンの形成において、当該ポジ型レジスト組成物を基板上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することができる。
本発明のレジスト組成物において、(A)成分は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分であることが好ましい。すなわち、本発明のレジスト組成物としては、ポジ型レジスト組成物であることが好ましい。また、(A)成分は、酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂成分(A1)(以下、(A1)成分という。)または酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂成分(A2)(以下、(A2)成分という。)であることがより好ましい。
<(A1)成分>
かかるポジ型レジスト組成物において好適に用いられる(A1)成分としては、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有することが好ましい。
また、前記(A1)成分は、さらにラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有することが好ましい。
また、前記(A1)成分は、さらに極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有することが好ましい。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。
置換基としては、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことを意味する。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの直鎖状または分岐鎖状の低級アルキル基が挙げられる。
また、ハロゲン化低級アルキル基として、具体的には、上記「α位の置換基としての低級アルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。ここでハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
本発明において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが特に好ましい。
・構成単位(a1)
構成単位(a1)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は(A1)成分全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、酸により解離してこの(A1)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるものであり、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。
一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性溶解抑制基などが広く知られている。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
ここで、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状または環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状または環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断される。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
ここで、本特許請求の範囲及び明細書における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。
「脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。
また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘプチル基等が挙げられる。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
構成単位(a1)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)、等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。「脂肪族環式基」は、多環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、例えば環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的には2−メチル−2−アダマンチル基や、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。あるいは、下記一般式(a1”−1)〜(a1”−6)で示す構成単位において、カルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の酸素原子に結合した基の様に、アダマンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ノルボルニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の脂肪族環式基と、これに結合する、第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレン基とを有する基が挙げられる。
Figure 2010120923
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;R15、R16はアルキル基(直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、好ましくは炭素数1〜5である)を示す。]
一般式(a1”−1)〜(a1”−6)において、Rの低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様である。
「アセタール型酸解離性溶解抑制基」は、一般的に、カルボキシ基、水酸基等のアルカリ可溶性基末端の水素原子と置換して酸素原子と結合している。そして、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型酸解離性溶解抑制基と、当該アセタール型酸解離性溶解抑制基が結合した酸素原子との間で結合が切断される。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
Figure 2010120923
[式中、R’,R’はそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基を表し、n’は0〜3の整数を表し、Yは低級アルキル基または脂肪族環式基を表す。]
上記式中、n’は、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
’,R’の低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R’,R’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性溶解抑制基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Figure 2010120923
[式中、R’、n’、Yは上記と同様である。]
Yの低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。
また、アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、下記一般式(p2)で示される基も挙げられる。
Figure 2010120923
[式中、R17、R18はそれぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基または水素原子であり、R19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基である。または、R17およびR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であって、R17の末端とR19の末端とが結合して環を形成していてもよい。]
17、R18において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17及びR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であってR19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
構成単位(a1)としては、下記一般式(a1−0−1)で表される構成単位および下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
Figure 2010120923
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;Xは酸解離性溶解抑制基を示す。]
Figure 2010120923
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;Xは酸解離性溶解抑制基を示し;Yは2価の連結基を示す。]
一般式(a1−0−1)において、Rの低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様である。
は、酸解離性溶解抑制基であれば特に限定することはなく、たとえば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基、アセタール型酸解離性溶解抑制基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基が好ましい。
一般式(a1−0−2)において、Rは上記と同様である。
は、式(a1−0−1)中のXと同様である。
の2価の連結基としては、アルキレン基、2価の脂肪族環式基またはヘテロ原子を含む2価の連結基が挙げられる。
該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基が用いられること以外は前記「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。
がアルキレン基である場合、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましく、炭素数1〜3であることが最も好ましい。
が2価の脂肪族環式基である場合、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンから水素原子が2個以上除かれた基であることが特に好ましい。
がヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、「−A−O(酸素原子)−B−(ただし、AおよびBはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。)」、「−A−Q−B−(A、Bは前記と同じであり、Qは酸素原子を含む2価の連結基を表す)」等が挙げられる。
が−NH−の場合における置換基(アルキル基、アシル基等)の炭素数としては1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜5であることが特に好ましい。
が「A−O−B」である場合、AおよびBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。
炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が、水素原子以外の基または原子で置換されていることを意味する。
Aにおける炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
Aにおける脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
Aにおける脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、2〜5がさらに好ましく、2が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか又は鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。
多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
Aとしては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数2〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、エチレン基が最も好ましい。
Bにおける炭化水素基としては、前記Aで挙げたものと同様の2価の炭化水素基が挙げられる。
Bとしては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基またはアルキルメチレン基が特に好ましい。
アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
が「−A−Q−B−」である場合、A、Bは「A−O−B」におけるA、Bと同様である。
は、酸素原子を含む2価の連結基であり、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)、−NH−C(=O)−が好ましく、−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−が特に好ましい。
構成単位(a1)として、より具体的には、下記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2010120923
[式中、X’は第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を表し、Yは炭素数1〜5の低級アルキル基、または脂肪族環式基を表し;n’は0〜3の整数を表し;Yはアルキレン基、2価の脂肪族環式基又は「A−O−B」(ただし、A、Bは前記と同じである。)を表し;Rは前記と同じであり、R’、R’はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基を表す。]
前記式中、X’は、前記Xにおいて例示した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基と同様のものが挙げられる。
’、R’、n’、Yとしては、それぞれ、上述の「アセタール型酸解離性溶解抑制基」の説明において挙げた一般式(p1)におけるR’、R’、n’、Yと同様のものが挙げられる。
としては、上述の一般式(a1−0−2)におけるYと同様のものが挙げられる
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
構成単位(a1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その中でも、一般式(a1−1)又は(a1−3)で表される構成単位が好ましく、具体的には、式(a1−1−1)〜(a1−1−7)、式(a1−1−36)〜(a1−1−42)、式(a1−1−47)〜(a1−1−48)および式(a1−3−57)〜(a1−3−58)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、特に、式(a1−1−1)〜式(a1−1−5)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるもの、式(a1−1−36)〜(a1−1−42)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)で表されるもの、式(a1−1−47)〜(a1−1−48)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−1−03)で表されるものおよび下記一般式(a1−1−04)で表されるもの、式(a1−3−57)〜(a1−3−58)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−3−01)で表されるものおよび下記一般式(a1−3−02)で表されるもの、式(a1−3−49)〜(a1−3−52)の構成単位を包括する下記一般式(a1−3−03)で表されるもの、式(a1−3−53)〜(a1−3−56)の構成単位を包括する下記一般式(a1−3−04)で表されるものも好ましい。
Figure 2010120923
[式(a1−1−01)中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し、R11は低級アルキル基を示す。式(a1−1−02)中、Rは前記と同じであり、R12は低級アルキル基を示し、hは1〜3の整数を表す。]
一般式(a1−1−01)において、Rについては上記と同様である。
11の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。
一般式(a1−1−02)において、Rについては上記と同様である。
12の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。hは、1又は2が好ましく、2が最も好ましい。
Figure 2010120923
[式(a1−1−03)中、Rは前記と同じであり、R13は炭素数3以上の分岐鎖状のアルキル基である。式(a1−1−04)中、R、R13は式(a1−1−03)におけるR、R13とそれぞれ同じであり、tは0〜3の整数である。]
一般式(a1−1−03)において、Rについては上記と同様である。
13は、炭素数3以上の分岐鎖状のアルキル基であり、炭素数3〜10であることが好ましく、炭素数3〜5であることがより好ましい。R13として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基であることが最も好ましい。
一般式(a1−1−04)において、R、R13については、一般式(a1−1−03)におけるR、R13とそれぞれ同じである。
tは、0〜3の整数であり、1または2が好ましい。
Figure 2010120923
[式(a1−3−01)中、Rは前記と同じであり、R14は低級アルキル基であり、aは1〜10の整数であり、bは1〜10の整数である。式(a1−3−02)中、R、R14、a、bは式(a1−3−01)におけるR、R14、a、bとそれぞれ同じであり、tは0〜3の整数である。式(a1−3−03)中、R、R14、a、bは式(a1−3−01)におけるR、R14、a、bとそれぞれ同じである。式(a1−3−04)中、R、R14、a、b、tは式(a1−3−02)におけるR、R14、a、b、tとそれぞれ同じである。]
一般式(a1−3−01)、一般式(a1−3−03)において、Rについては上記と同様である。
14の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
aは1〜10の整数であり、1〜5の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
bは1〜10の整数であり、1〜5の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
一般式(a1−3−02)、一般式(a1−3−04)において、R、R14、a、bについては、一般式(a1−3−01)におけるR、R14、a、bとそれぞれ同じである。
tは、0〜3の整数であり、1または2が好ましい。
(A1)成分中の構成単位(a1)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位に対し、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、25〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、ポジ型レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a2)
構成単位(a2)は、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつ目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、(A1)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、水を含有する現像液との親和性を高めたりするうえで有効なものである。
構成単位(a2)としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2010120923
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R’は水素原子、低級アルキル基、または炭素数1〜5のアルコキシ基であり、mは0または1の整数であり、Qは炭素数1〜5のアルキレン基または酸素原子である。]
一般式(a2−1)〜(a2−5)におけるRは前記構成単位(a1)におけるRと同様である。
R’の低級アルキル基としては、前記構成単位(a1)におけるRの低級アルキル基と同じである。
Qの炭素数1〜5のアルキレン基として、具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)の具体的な構成単位を例示する。
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
これらの中でも、一般式(a2−1)〜(a2−5)から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましい。具体的には、化学式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−2)、(a2−3−1)、(a2−3−2)、(a2−3−9)及び(a2−3−10)から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
(A1)成分において、構成単位(a2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)成分中の構成単位(a2)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a3)
構成単位(a3)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
(A1)成分が構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該多環式基の炭素数は7〜30であることが好ましい。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから2個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
構成単位(a3)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基における炭化水素基が炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基のときは、アクリル酸のヒドロキシエチルエステルから誘導される構成単位が好ましく、該炭化水素基が多環式基のときは、下記式(a3−1)で表される構成単位、(a3−2)で表される構成単位、(a3−3)で表される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2010120923
[式中、Rは前記に同じであり、jは1〜3の整数であり、kは1〜3の整数であり、t’は1〜3の整数であり、lは1〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。]
式(a3−1)中、jは1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。jが2の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位と5位に結合しているものが好ましい。jが1の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
式(a3−2)中、kは1であることが好ましい。シアノ基はノルボルニル基の5位または6位に結合していることが好ましい。
式(a3−3)中、t’は1であることが好ましい。lは1であることが好ましい。sは1であることが好ましい。これらはアクリル酸のカルボキシ基の末端に2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールはノルボルニル基の5又は6位に結合していることが好ましい。
(A1)成分において、構成単位(a3)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)成分中の構成単位(a3)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位に対し、5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a3)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a4)
(A1)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a3)以外の他の構成単位(a4)を含んでいてもよい。
構成単位(a4)は、上述の構成単位(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
構成単位(a4)としては、例えば酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位などが好ましい。該多環式基は、例えば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデシル基、アダマンチル基、テトラシクロドデシル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
Figure 2010120923
[式中、Rは前記と同じである。]
また、構成単位(a4)としては、例えば下記一般式(a4−6)で表される構成単位(a46)も挙げられる。この一般式(a4−6)で表される構成単位(a46)を有することにより、種々の有機溶剤との親和性が高まり、レジスト組成物の有機溶剤への溶解性に優れる。
Figure 2010120923
[式(a4−6)中、Rは前記と同じであり;Yは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基であり、Zは1価の有機基であり;xは1〜3の整数であり、yは0〜2の整数であり、かつ、x+y=1〜3であり;c、d、zはそれぞれ独立して0〜3の整数である。]
前記一般式(a4−6)中、Rは、水素原子、炭素数1〜5の低級アルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化低級アルキル基である。
Rの低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様である。
Rとしては、水素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が特に好ましい。
前記一般式(a4−6)中、Yは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基である。
における脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「脂肪族炭化水素基」は、芳香族性を持たない脂肪族炭化水素基であることを示す。
また、「置換基を有していてもよい」とは、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよいことを意味する。
における「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子とそれ以外の原子とを含む基であってもよい。
当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部を置換する「ヘテロ原子を含む置換基」として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NR04−(R04はアルキル基、アシル基等の置換基である。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。
−NR04−において、R04はアルキル基、アシル基等の置換基である。該置換基(アルキル基、アシル基等)は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
脂肪族炭化水素基が環状である場合、前記「ヘテロ原子を含む置換基」を環構造中に含んでいてもよい。
当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基、アルキル基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基(低級アルキル基)、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
が直鎖状、分岐鎖状の脂肪族炭化水素基である場合、炭素数は1〜10が好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜3が最も好ましい。具体的には、鎖状のアルキレン基が好適なものとして挙げられる。
が環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)である場合、脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環(脂肪族環)の構造は、炭素および水素からなる環(炭化水素環)であることに限定はされず、その環(脂肪族環)の構造中に、酸素原子等のヘテロ原子、又は、ヘテロ原子とそれ以外の原子とを含む基を有していてもよい。
また、「炭化水素環」は飽和、不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基は、多環式基、単環式基のいずれでもよい。脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
また、当該脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいテトラヒドロフラン、テトラヒドロピランから2個以上の水素原子を除いた基等も挙げられる。
構成単位(a46)における脂肪族環式基は、多環式基であることが好ましく、中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基が特に好ましい。
前記一般式(a4−6)中、Zは1価の有機基である。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「有機基」は、炭素原子を含む基を意味し、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
Zの有機基としては、たとえば、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、式−Q−Rで表される基(式中、Qは2価の連結基、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。)が挙げられる。
Zの有機基において、脂肪族炭化水素基は、たとえば、炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の飽和炭化水素基、又は、炭素数2〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基が挙げられる。
直鎖状の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基、カルボキシ基等が挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記芳香族基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等)の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
環状の飽和炭化水素基としては、多環式基、単環式基のいずれでもよく、炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基が挙げられ、例えば、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該環状のアルキル基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該環状のアルキル基が有する環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該環状のアルキル基が有する環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記モノシクロアルカンまたはポリシクロアルカンの環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換された複素シクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。また、前記環の構造中にエステル結合(−C(=O)−O−)を有していてもよい。具体的には、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基等のラクトン含有単環式基や、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基等のラクトン含有多環式基等が挙げられる。
後者の例における置換基としては、前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が有してもよい置換基として挙げたものと同様のもの、炭素数1〜5のアルキル基等が挙げられる。
直鎖状の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。
分岐鎖状の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
該直鎖状若しくは分岐鎖状の不飽和炭化水素基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
Zの有機基において、芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族有機基としては、芳香環の環骨格が炭素原子のみから構成される芳香族炭化水素環を有するものであってもよく、芳香環の環骨格に炭素原子以外のヘテロ原子を含む芳香族複素環を有するものであってもよい。
芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いたアリール基;これらのアリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基;ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、前記アリールアルキル基の環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
後者の例における芳香族基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、アセチル基等が挙げられる。
前記芳香族基の置換基としてのアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、およびハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有してもよい置換基として挙げたものと同様のもの、炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。
前記式−Q−Rで表される基において、Qは2価の連結基であり、Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
の2価の連結基としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適なものとして挙げられる。
・置換基を有していてもよい2価の炭化水素基について
において、該炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が、水素原子以外の基または原子で置換されていることを意味する。
該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
該脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
前記脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜2が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH−]、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子2個を除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか又は鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。
単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。
多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。
この置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、1価の芳香族炭化水素基の芳香族炭化水素の核から水素原子をさらに1つ除いた2価の芳香族炭化水素基;
当該2価の芳香族炭化水素基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換された芳香族炭化水素基;
ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等で、かつ、その芳香族炭化水素の核から水素原子をさらに1つ除いた芳香族炭化水素基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
・ヘテロ原子を含む2価の連結基について
において、「ヘテロ原子を含む2価の連結基」におけるヘテロ原子とは、炭素原子および水素原子以外原子であり、たとえば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む2価の連結基として、具体的には、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)、−NH−、−NR05−(R05はアルキル基、アシル基等の置換基である。)、−NH−C(=O)−、=N−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。また、これらの「ヘテロ原子を含む2価の連結基」と2価の炭化水素基との組み合わせ等が挙げられる。2価の炭化水素基としては、上述した置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられ、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましい。
−NR05−において、R05はアルキル基、アシル基等の置換基である。該置換基(アルキル基、アシル基等)は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
は、その構造中に酸解離性部位を有していてもよいし、有していなくてもよい。
「酸解離性部位」とは、Qの構造内における、露光により発生する酸が作用して解離する部位をいう。Qが酸解離性部位を有する場合、好ましくは第三級炭素原子を有する酸解離性部位を有することが好ましい。
本発明において、Qの2価の連結基としては、ヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。
は、上記Zにおける、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
上記のなかでも、Zの有機基としては、レジスト組成物とした際、有機溶剤への溶解性がより向上することから、「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」を含む基であることが好ましく、前記式−Q−R20で表される基(式中、Qは2価の連結基であり、R20は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基である。)であることがより好ましく、具体的には、第3級アルキル基含有基またはアルコキシアルキル基が好適なものとして挙げられる。
(第3級アルキル基含有基)
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「第3級アルキル基」は、第3級炭素原子を有するアルキル基を示す。「アルキル基」は、上述のように、1価の飽和炭化水素基を示し、鎖状(直鎖状、分岐鎖状)のアルキル基および環状構造を有するアルキル基を包含する。
「第3級アルキル基含有基」は、その構造中に第3級アルキル基を含む基を示す。第3級アルキル基含有基は、第3級アルキル基のみから構成されていてもよく、第3級アルキル基と、第3級アルキル基以外の他の原子または基とから構成されていてもよい。
第3級アルキル基とともに第3級アルキル基含有基を構成する前記「第3級アルキル基以外の他の原子または基」としては、カルボニルオキシ基、カルボニル基、アルキレン基、酸素原子等が挙げられる。
Zの第3級アルキル基含有基としては、環状構造を有さない第3級アルキル基含有基、環状構造を有する第3級アルキル基含有基等が挙げられる。
環状構造を有さない第3級アルキル基含有基は、第3級アルキル基として分岐鎖状の第3級アルキル基を含有し、かつ、その構造内に環状構造を有さない基である。
分岐鎖状の第3級アルキル基としては、たとえば下記一般式(I)で表される基が挙げられる。
Figure 2010120923
式(I)中、R61〜R63は、それぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である。該アルキル基の炭素数は1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
また、一般式(I)で表される基の全炭素数は、4〜7であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、4〜5であることが最も好ましい。
一般式(I)で表される基としては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基等が好ましく挙げられ、tert−ブチル基がより好ましい。
環状構造を有さない第3級アルキル基含有基としては、上述した分岐鎖状の第3級アルキル基;上述した分岐鎖状の第3級アルキル基が直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基に結合してなる第3級アルキル基含有鎖状アルキル基;第3級アルキル基として上述した分岐鎖状の第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニル基;第3級アルキル基として上述した分岐鎖状の第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基等が挙げられる。
第3級アルキル基含有鎖状アルキル基におけるアルキレン基としては、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数〜2のアルキレン基がさらに好ましい。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、たとえば下記一般式(II)で表される基が挙げられる。式(II)中のR61〜R63は、前記式(I)中のR61〜R63と同様である。鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)、tert−ペンチルオキシカルボニル基が好ましい。
Figure 2010120923
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、たとえば下記一般式(III)で表される基が挙げられる。式(III)中のR61〜R63は、前記式(I)中のR61〜R63と同様である。fは1〜3の整数であり、1または2が好ましい。鎖状の第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、tert−ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチルオキシカルボニルエチル基が好ましい。
これらの中で、環状構造を有さない第3級アルキル基含有基としては、第3級アルキルオキシカルボニル基または第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基が好ましく、第3級アルキルオキシカルボニル基がより好ましく、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)が最も好ましい。
Figure 2010120923
環状構造を有する第3級アルキル基含有基は、その構造内に、第3級炭素原子と環状構造とを有する基である。
環状構造を有する第3級アルキル基含有基において、環状構造は、環を構成する炭素数が4〜12であることが好ましく、5〜10であることがより好ましく、6〜10であることが最も好ましい。環状構造としては、例えばモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。好ましくは、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
環状構造を有する第3級アルキル基含有基としては、例えば、第3級アルキル基として下記(1)または(2)の基を有する基等が挙げられる。
(1)環状のアルキル基(シクロアルキル基)の環を構成する炭素原子に、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合し、該炭素原子が第3級炭素原子となっている基。
(2)シクロアルキル基の環を構成する炭素原子に、第3級炭素原子を有するアルキレン基(分岐鎖状のアルキレン基)が結合している基。
前記(1)の基における直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜5であることが好ましく、1〜4であることがより好ましく、1〜3であることが最も好ましい。
(1)の基としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−1−シクロアルキル基、1−エチル−1−シクロアルキル基等が挙げられる。
前記(2)において、分岐鎖状のアルキレン基が結合しているシクロアルキル基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
(2)の基としては、たとえば下記化学式(IV)で表される基が挙げられる。
Figure 2010120923
式(IV)中、R64は、置換基を有していてもよく有していなくてもよいシクロアルキル基である。該シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
65、R66は、それぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基としては、前記式(I)中のR61〜R63のアルキル基と同様のものが挙げられる。
(アルコキシアルキル基)
Zのアルコキシアルキル基としては、たとえば下記一般式(V)で表される基が挙げられる。
Figure 2010120923
式中、R71は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基である。
71が直鎖状、分岐鎖状の場合は、炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
71が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。たとえば、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
72は直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基である。該アルキレン基は、炭素数1〜5であることが好ましく、炭素数1〜3であることがより好ましく、炭素数1〜2であることがさらに好ましい。
Zのアルコキシアルキル基としては、特に、下記一般式(VI)で表される基が好ましい。
Figure 2010120923
式(VI)中、R71は前記と同じであり、R73、R74はそれぞれ独立して直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または水素原子である。
73、R74において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。特に、R73、R74の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
上記のなかでも、Zとしては、第3級アルキル基含有基が好ましく、前記一般式(II)で表される基がより好ましく、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)が最も好ましい。
前記一般式(a4−6)中、xは1〜3の整数であり、yは0〜2の整数であり、かつ、x+y=1〜3である。
xは1であることが好ましい。
yは0であることが好ましい。
x+yは1であることが好ましい。
cは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
dは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
zは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
上記のなかでも、構成単位(a46)としては、特に、下記一般式(a4−6−1)又は(a4−6−2)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2010120923
[式中、R,Z,y,c,d,zはそれぞれ前記と同じである。]
Figure 2010120923
[式中、R,Z,x,y,c,d,zはそれぞれ前記と同じである。c”は1〜3の整数である。]
前記式(a4−6−2)中、c”は1〜3の整数であり、1または2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
前記式(a4−6−2)におけるcが0の場合、アクリル酸エステルのカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の末端の酸素原子は、環式基中の酸素原子に結合する炭素原子には結合していないことが好ましい。すなわち、cが0の場合、当該末端の酸素原子と当該環式基中の酸素原子との間には炭素原子が2つ以上存在する(この炭素原子の数が1である(すなわちアセタール結合となる)場合を除く)ことが好ましい。
以下に、前記の一般式(a4−6−1)、一般式(a4−6−2)で表される構成単位の具体例を示す。
Figure 2010120923
[式中、R,Zはそれぞれ前記と同じである。]
Figure 2010120923
[式中、R,Zはそれぞれ前記と同じである。]
また、構成単位(a46)としては、下記一般式で表される構成単位も好適なものとして挙げられる。
Figure 2010120923
[式中、R,Zはそれぞれ前記と同じである。]
構成単位(a46)を誘導するモノマーは、例えば下記一般式(a4−6’)で表される化合物(1〜3個のアルコール性水酸基を有する脂肪族環式基を含有するアクリル酸エステル)の水酸基の一部または全部を、公知の手法を用いて、有機基(好ましくは、第3級アルキル基含有基またはアルコキシアルキル基)で保護することにより合成することができる。
Figure 2010120923
[式中、R,Y,x,y,c,d,zはそれぞれ前記と同じである。]
構成単位(a4)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
かかる構成単位(a4)を(A1)成分に含有させる際、構成単位(a4)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜30モル%であることが好ましく、10〜20モル%であることがより好ましい。
(A1)成分は、各構成単位を誘導するモノマーを、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなアゾ系のラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
また、(A1)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH−CH−CH−C(CF−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
(A1)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではないが、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、4000〜20000が特に好ましく、5000〜20000が最も好ましい。この範囲であると、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
本発明のポジ型レジスト組成物中、(A1)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて適宜調整すればよい。
<(A2)成分>
かかるポジ型レジスト組成物において好適に用いられる(A2)成分としては、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a’1)、及び酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a’2)を有することが好ましい。
[構成単位(a’1)]
構成単位(a’1)は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位である。(A2)成分が構成単位(a’1)を含むことにより、ドライエッチング耐性が向上する。さらに、構成単位(a’1)は、原料であるヒドロキシスチレンが容易に入手可能で低価格である等の利点も有する。
本明細書および本特許請求の範囲において、「ヒドロキシスチレン」とは、ヒドロキシスチレン、およびヒドロキシスチレンのα位の水素原子がアルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。
なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことである。
「ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
構成単位(a’1)の好適なものとしては、下記一般式(a’1−1)で表される構成単位が例示できる。
Figure 2010120923
[式(a’1−1)中、Rは水素原子または低級アルキル基であり;Rは低級アルキル基であり;pは1〜3の整数であり;qは0〜2の整数である。]
前記一般式(a’1−1)中、Rの低級アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、これらの中でもメチル基が好ましい。
としては、水素原子または低級アルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基が特に好ましい。
pは1〜3の整数であり、好ましくは1である。
水酸基の結合位置は、フェニル基のo−位、m−位、p−位のいずれでもよい。pが1である場合は、容易に入手可能で低価格であることからp−位が好ましい。pが2または3の場合は、任意の置換位置を組み合わせることができる。
qは0〜2の整数である。これらのうち、qは0または1であることが好ましく、特に工業上、0であることが好ましい。
の低級アルキル基としては、Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
の置換位置は、qが1である場合はo−位、m−位、p−位のいずれでもよい。qが2である場合は、任意の置換位置を組み合わせることができる。複数のRは、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
構成単位(a’1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A2)成分中の構成単位(a’1)の割合は、(A2)成分を構成する全構成単位の合計に対し、50〜90モル%であることが好ましく、55〜85モル%であることがより好ましく、60〜80モル%であることがさらに好ましい。該範囲内であると、適度なアルカリ溶解性が得られるとともに、他の構成単位とのバランスが良好である。
[構成単位(a’2)]
構成単位(a’2)は酸解離性溶解抑制基を含む構成単位である。当該構成単位(a’2)と前記構成単位(a’1)とを含む(A2)成分と、後述する酸発生剤成分(B)とを組み合わせて用いることにより、解像性に優れたレジストパターンを形成できる。
構成単位(a’2)に含まれる好適なものとしては、前記(A1)成分で説明した構成単位(a1)または下記一般式(a’2−2)で表される構成単位(a2’−2)が例示できる。
Figure 2010120923
[式(a’2−2)中、Rは水素原子または低級アルキル基であり;R、p、qは前記一般式(a’1−1)におけるとR、p、qと同様である。Rは酸解離性溶解抑制基または酸解離性溶解抑制基を含む有機基を表す。]
前記一般式(a’2−2)中、Rの低級アルキル基は、前記一般式(a’1−1)におけるRの低級アルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記一般式(a’2−2)中、Rは、酸解離性溶解抑制基または酸解離性溶解抑制基を含む有機基を表す。
ここで、「酸解離性溶解抑制基」とは、露光により(B)成分から酸が発生した際に、該酸により解離し、露光後に(A2)成分から脱離する基を意味する。
酸解離性溶解抑制基は、解離前は(A2)成分全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、酸により解離して、この(A2)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるものである。
また、「酸解離性溶解抑制基を有する有機基」とは、酸解離性溶解抑制基と、酸で解離しない基又は原子(すなわち酸により解離せず、酸解離性溶解抑制基が解離した後も(A)成分に結合したままの基又は原子)とから構成される基を意味する。
以下、酸解離性溶解抑制基と、酸解離性溶解抑制基を有する有機基とを総称して「酸解離性溶解抑制基含有基」ということがある。
酸解離性溶解抑制基としては、特に限定されず、たとえばKrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等のレジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。具体的には、下記酸解離性溶解抑制基(I)および(II)、ならびに酸解離性溶解抑制基含有基(IV)に例示する鎖状第3級アルコキシカルボニル基、鎖状第3級アルコキシカルボニルアルキル基等が挙げられる。
酸解離性溶解抑制基を有する有機基としては、特に限定されず、たとえばKrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等のレジスト組成物用樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。具体的には、上記で挙げた酸解離性溶解抑制基を有する有機基等が挙げられ、たとえば酸解離性溶解抑制基(II)を有する有機基として、下記酸解離性溶解抑制基を有する有機基(III)等が挙げられる。
・酸解離性溶解抑制基(I)
酸解離性溶解抑制基(I)は、鎖状または環状の第3級アルキル基である。
鎖状の第3級アルキル基の炭素数は4〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。鎖状の第3級アルキル基として、より具体的には、tert−ブチル基、tert−ペンチル基等が挙げられる。
環状の第3級アルキル基は、環上に第3級炭素原子を含む単環または多環式の1価の飽和炭化水素基である。環状の第3級アルキル基の炭素数は4〜12が好ましく、5〜10がより好ましい。環状第3級アルキル基として、より具体的には、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。
酸解離性溶解抑制基(I)としては、本発明の効果(塗布液量、膜厚の均一性)に優れる点で、鎖状の第3級アルキル基が好ましく、tert−ブチル基が特に好ましい。
・酸解離性溶解抑制基(II)
酸解離性溶解抑制基(II)は、上述した「アセタール型酸解離性溶解抑制基」における一般式(p1)または(p2)の説明と同様である。
・酸解離性溶解抑制基を有する有機基(III)
酸解離性溶解抑制基を有する有機基(III)は、下記一般式(III)で表される基である。かかる構造を有する有機基(III)においては、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸により、R10に結合した酸素原子と、R’およびR’が結合した炭素原子との間の結合が切れて、−C(R’)(R’)−ORが解離する。
Figure 2010120923
[式(III)中、Rは脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基または低級アルキル基を表し;R’は水素原子または低級アルキル基を表し、もしくは、RおよびR’がそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であって、Rの末端とR’の末端とが結合していてもよく;R’は低級アルキル基または水素原子を表し;R10は脂肪族環式基を表す。]
前記一般式(III)中、Rは、脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基または低級アルキル基を表す。
における脂肪族環式基は1価の脂肪族環式基である。脂肪族環式基は、たとえば、従来のArFレジストにおいて多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。脂肪族環式基の具体例としては、たとえば、炭素数5〜7の脂肪族単環式基、炭素数10〜16の脂肪族多環式基が挙げられる。炭素数5〜7の脂肪族単環式基としては、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が例示でき、具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサンなどから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。炭素数10〜16の脂肪族多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの中でもアダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデシル基が工業上好ましく、特にアダマンチル基が好ましい。
の芳香族環式炭化水素基としては、炭素数10〜16の芳香族多環式基が挙げられる。具体的には、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、1−ピレニル基等が挙げられ、2−ナフチル基が工業上特に好ましい。
の低級アルキル基としては、上記(a’1−1)のRの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基がより好ましく、エチル基が最も好ましい。
前記式(III)中、R’の低級アルキル基としては、上記一般式(a’1−1)のRの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。工業的にはメチル基又はエチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
’は、低級アルキル基または水素原子を表す。R’の低級アルキル基としては、R’の低級アルキル基と同様のものが挙げられる。R’は、工業的には水素原子であることが好ましい。
また、前記一般式(III)においては、Rの末端とR’の末端とが結合していてもよい。
この場合、前記一般式(III)においては、R’と、Rと、Rが結合した酸素原子と、該酸素原子およびR’が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
10の脂肪族環式基としては、上記Rにおける脂肪族環式基からさらに水素原子を1つ除いた基が挙げられる。
・酸解離性溶解抑制基含有基(IV)
酸解離性溶解抑制基含有基(IV)としては、第3級アルコキシカルボニル基、第3級アルコキシカルボニルアルキル基等が挙げられる。
第3級アルコキシカルボニル基の炭素数は4〜12が好ましく、4〜10がより好ましい。第3級アルコキシカルボニル基として、具体的には、tert−ブトキシカルボニル基、tert−ペンチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
第3級アルコキシカルボニルアルキル基の炭素数は4〜12が好ましく、4〜10がより好ましい。第3級アルコキシカルボニルアルキル基として、具体的には、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−ペンチルオキシカルボニルメチル基等、2−メチル−2−アダマンチルオキシカルボニルメチル基、2−エチル−2−アダマンチルオキシカルボニルメチル基、1−メチル−1−シクロヘキシルオキシカルボニルメチル基、1−エチル−1−シクロヘキシルオキシカルボニルメチル基が挙げられる。
構成単位(a’2)における酸解離性溶解抑制基含有基としては、酸解離性溶解抑制基等(I)〜(III)からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、酸解離性溶解抑制基(I)を含むことが特に好ましい。
構成単位(a’2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A2)成分中の構成単位(a’2)の割合は、(A2)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜70モル%が好ましく、5〜65モル%がより好ましく、5〜60モル%がさらに好ましく、5〜55モル%であることが最も好ましい。該範囲の下限値以上とすることにより、レジスト組成物とした際に良好なレジストパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスが良好である。
[構成単位(a’3)]
構成単位(a’3)は、スチレンから誘導される構成単位である。構成単位(a’3)を有することにより、アルカリ現像液に対する溶解性を調整することができる。また、レジスト組成物とした際に耐熱性やドライエッチング耐性が向上する。
本明細書および本特許請求の範囲において、「スチレン」とは、スチレン、およびスチレンのα位の水素原子がアルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体(ただし、上記ヒドロキシスチレンを除く。)を含む概念とする。したがって、フェニル基の水素原子が炭素数1〜5のアルキル基等の置換基で置換されたもの等も包含するものとする。
「スチレンから誘導される構成単位」とは、スチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
(A2)成分中の構成単位(a’3)の割合は、(A2)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜40モル%が好ましく、3〜30モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。該範囲の下限値以上であると、構成単位(a’3)を有することによる効果が高く、上限値以下であると、他の構成単位とのバランスも良好である。
<(B)成分>
本発明のレジスト組成物において、(B)成分は、上記一般式(b1−15)で表される化合物からなる酸発生剤(B1)(以下、(B1)成分という。)を含むものである。
式(b1−15)中、R”〜R”、Xは、上記本発明の第三の態様の化合物において挙げたものと同様である。また、式(b15−1)中、R52、Wおよびnは、上記本発明の第三の態様の化合物において挙げたものと同様である。
(B)成分が、該(B1)成分を含むことにより、100nm以下でかつ密ピッチでホールパターンを形成する際に真円性の高いホールパターンを形成することができる。
そして、本発明のレジスト組成物は、液浸露光工程を含むレジストパターン形成方法において、液浸露光用レジスト組成物として好適に用いることができ、良好なリソグラフィー特性が得られ、また、3層レジスト積層体を形成する工程を含むレジストパターン形成方法において、上層レジスト膜形成用ポジ型レジスト組成物として好適に用いることができ、良好なリソグラフィー特性が得られる。
(B)成分は、1種又は2種以上混合して用いることができる。
本発明のレジスト組成物において、(B)成分全体における(B1)成分の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、100質量%でもよい。
該範囲の下限値以上であることにより、レジストパターン形状が良好である。特に液浸露光用レジスト組成物や、上層レジスト膜形成用レジスト組成物に用いてレジストパターンを形成した場合、リソグラフィー特性が向上する。3層レジスト積層体を形成する際には、レジストの下層膜とのマッチングが良好となり、レジストパターンの裾引き等を抑制することができるため好ましい。
また、本発明のレジスト組成物において、(B1)成分の含有量は、前記(A)成分の100質量部に対し、1〜30質量部であることが好ましく、3〜18質量部であることが特に好ましく、5〜16質量部であることが最も好ましい。
該範囲の下限値以上であることにより、特に液浸露光用レジスト組成物や、上層レジスト膜形成用レジスト組成物に用いてレジストパターンを形成した場合、リソグラフィー特性が向上する。一方、上限値以下であることにより、保存安定性が良好なものとなる。
(B)成分においては、前記(B1)成分以外の酸発生剤(B2)(以下、(B2)成分という。)を前記(B1)成分と併用してもよい。
(B2)成分としては、前記(B1)成分以外であれば特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。
このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2010120923
[式中、R”〜R”,R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表し;式(b−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよく;R”は、置換基を有していても良いアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基を表し;R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表し、R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表す。]
式(b−1)中、R”〜R”は、アルコキシアルキルオキシ基またはアルコキシカルボニルアルキルオキシ基を、水素原子が置換される置換基としないこと以外は、前記一般式(b1−14)中のR”〜R”と同様である。
また、R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R”〜R”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
そして、R”〜R”は、それぞれ、フェニル基またはナフチル基であることが最も好ましい。
”は、置換基を有していても良いアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基を表す。
”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであっても良い。
前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
”におけるハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン化アルキル基においては、当該ハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子および水素原子の合計数に対するハロゲン原子の数の割合(ハロゲン化率(%))が、10〜100%であることが好ましく、50〜100%であることが好ましく、100%が最も好ましい。該ハロゲン化率が高いほど、酸の強度が強くなるので好ましい。
前記R”におけるアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。
前記R”におけるアルケニル基は、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。
前記R”において、「置換基を有していても良い」とは、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基における水素原子の一部または全部が置換基(水素原子以外の他の原子または基)で置換されていても良いことを意味する。
”における置換基の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヘテロ原子、アルキル基、式:X−Q−[式中、Qは酸素原子を含む2価の連結基であり、Xは置換基を有していてもよい炭素数3〜30の炭化水素基である。]で表される基等が挙げられる。
前記ハロゲン原子、アルキル基としては、R”において、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子、アルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
−Q−で表される基において、Qは酸素原子を含む2価の連結基である。
は、酸素原子以外の原子を含有してもよい。酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、酸素原子(エーテル結合;−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系の酸素原子含有連結基;該非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。
該組み合わせとしては、たとえば、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−(式中、R91〜R93はそれぞれ独立にアルキレン基である。)等が挙げられる。
91〜R93におけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH−];−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CHCH−];−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CHCHCH−];−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CHCHCHCH−];−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CHCHCHCHCH−]等が挙げられる。
としては、エステル結合またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、なかでも、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−または−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−が好ましい。
−Q−で表される基において、Xの炭化水素基は、芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基であってもよい。
芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いたアリール基、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、前記アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
後者の例における芳香族炭化水素基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
における脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
において、脂肪族炭化水素基は、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
における「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、直鎖状もしくは分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基、または環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)が好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5が好ましく、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。
具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、たとえば下記式(L1)〜(L5)、(S1)〜(S4)等が挙げられる。
Figure 2010120923
[式中、Q”は炭素数1〜5のアルキレン基、−O−、−S−、−O−R94−または−S−R95−であり、R94およびR95はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であり、mは0または1の整数である。]
式中、Q”、R94およびR95におけるアルキレン基としては、それぞれ、前記R91〜R93におけるアルキレン基と同様のものが挙げられる。
これらの脂肪族環式基は、その環構造を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
前記アルコキシ基、ハロゲン原子はそれぞれ前記水素原子の一部または全部を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
本発明において、Xは、置換基を有していてもよい環式基であることが好ましい。該環式基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましい。
前記芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記(L2)〜(L5)、(S3)〜(S4)等が好ましい。
本発明において、R”は、置換基としてX−Q−を有することが好ましい。この場合、R”としては、X−Q−Y−[式中、QおよびXは前記と同じであり、Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。]で表される基が好ましい。
−Q−Y−で表される基において、Yのアルキレン基としては、前記Qで挙げたアルキレン基のうち炭素数1〜4のものと同様のものが挙げられる。
フッ素化アルキレン基としては、該アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
として、具体的には、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CF(CFCF)−、−C(CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−、−CF(CFCFCF)−、−C(CF)(CFCF)−;−CHF−、−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−、−CH(CF)CH−、−CH(CFCF)−、−C(CH)(CF)−、−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CH(CF)CHCH−、−CHCH(CF)CH−、−CH(CF)CH(CF)−、−C(CFCH−;−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCHCH)−、−C(CH)(CHCH)−等が挙げられる。
としては、フッ素化アルキレン基が好ましく、特に、隣接する硫黄原子に結合する炭素原子がフッ素化されているフッ素化アルキレン基が好ましい。このようなフッ素化アルキレン基としては、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−;−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−;−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CHCFCFCF−等を挙げることができる。
これらの中でも、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、又はCHCFCF−が好ましく、−CF−、−CFCF−又は−CFCFCF−がより好ましく、−CF−が特に好ましい。
前記アルキレン基またはフッ素化アルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が「置換基を有する」とは、当該アルキレン基またはフッ素化アルキレン基における水素原子またはフッ素原子の一部または全部が、水素原子およびフッ素原子以外の原子または基で置換されていることを意味する。
アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基等が挙げられる。
式(b−2)中、R”〜R”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のすべてがアリール基であることが好ましい。
”〜R”のアリール基としては、R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
”〜R”のアルキル基としては、R”〜R”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R”〜R”は、すべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR”としては、上記式(b−1)のR”と同様のものが挙げられる。
式(b−1)、(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−フェニルテトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−エトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−フェニルテトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。
また、これらのオニウム塩のアニオン部がメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
また、これらのオニウム塩のアニオン部を、下記化学式(b0−1)〜(b0−8)で表される、脂環式基を含むアニオン、に置き換えたオニウム塩も用いることができる。
Figure 2010120923
前記脂環式基を含むアニオンのなかでも、式(b0−7)および式(b0−8)を包含する下記一般式(b1−1−20)で表されるアニオンをアニオン部として有することが好ましい。
Figure 2010120923
[式(b1−1−20)中、R0Xは置換基として酸素原子(=O)を有する炭素数4〜12の環状のアルキル基を表し;rは0または1を表す。]
前記一般式(b1−1−20)中、R0Xは、置換基として酸素原子(=O)を有する炭素数4〜12の環状のアルキル基を表す。
「置換基として酸素原子(=O)を有する」とは、炭素数4〜12の環状のアルキル基を構成する1の炭素原子に結合する2つの水素原子が、酸素原子(=O)と置換されている基を意味する。
0Xの環状のアルキル基としては、炭素数4〜12であれば特に制限はなく、多環式基、単環式基のいずれでもよく、例えば、モノシクロアルカンや、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから、1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。単環式基としては、炭素数3〜8のモノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましく、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が例示できる。多環式基としては、炭素数7〜12が好ましく、具体的には、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基等が挙げられる。
0Xとしては、置換基として酸素原子(=O)を有する炭素数4〜12の多環式のアルキル基が好ましく、工業上、アダマンチル基、ノルボルニル基、またはテトラシクロドデカニル基を構成する1の炭素原子に結合する2つの水素原子が、酸素原子(=O)と置換されている基が好ましく、特に置換基として酸素原子(=O)を有するノルボルニル基が好ましい。
0Xとしては、酸素原子以外にも置換基を有していてもよい。該置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基等が挙げられる。
前記一般式(b1−1−20)中、rは、0または1を表し、1であることが好ましい。
また、前記一般式(b−1)又は(b−2)において、アニオン部を下記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(b−1)又は(b−2)と同様)。
Figure 2010120923
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は2〜6であり、好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
また、下記一般式(b−5)または(b−6)で表されるカチオン部を有するスルホニウム塩をオニウム塩系酸発生剤として用いることもできる。
Figure 2010120923
[式中、R41〜R46はそれぞれ独立してアルキル基、アセチル基、アルコキシ基、カルボキシ基、水酸基またはヒドロキシアルキル基であり;n〜nはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、nは0〜2の整数である。]
41〜R46において、アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖状または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はtert−ブチル基であることが特に好ましい。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
41〜R46に付された符号n〜nが2以上の整数である場合、複数のR41〜R46はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1であり、さらに好ましくは0である。
およびnは、好ましくはそれぞれ独立して0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
式(b−5)または(b−6)で表されるカチオン部を有するスルホニウム塩のアニオン部は、特に限定されず、これまで提案されているオニウム塩系酸発生剤のアニオン部と同様のものであってよい。かかるアニオン部としては、たとえば上記一般式(b−1)または(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤のアニオン部(R4”SO )等のフッ素化アルキルスルホン酸イオン;上記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン部等が挙げられる。これらの中でも、フッ素化アルキルスルホン酸イオンが好ましく、炭素数1〜4のフッ素化アルキルスルホン酸イオンがより好ましく、炭素数1〜4の直鎖状のパーフルオロアルキルスルホン酸イオンが特に好ましい。具体例としては、トリフルオロメチルスルホン酸イオン、ヘプタフルオロ−n−プロピルスルホン酸イオン、ノナフルオロ−n−ブチルスルホン酸イオン等が挙げられる。
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
Figure 2010120923
[式(B−1)中、R31、R32はそれぞれ独立に有機基を表す。]
31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2010120923
[式(B−2)中、R33は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R34はアリール基である。R35は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。]
Figure 2010120923
[式(B−3)中、R36はシアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R37は2または3価の芳香族炭化水素基である。R38は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。p”は2または3である。]
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、WO2004/074242A2(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
Figure 2010120923
Figure 2010120923
上記例示化合物の中でも、下記の4つの化合物が好ましい。
Figure 2010120923
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B2)成分は、上記酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のレジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜20質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
<(D)成分>
本発明のレジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という)を配合させることができる。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良く、なかでも脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。ここで、本特許請求の範囲及び明細書における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。「脂肪族環式基」は、芳香性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNHの水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミンが特に好ましく、トリ−n−ペンチルアミンが最も好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
<任意成分>
[(E)成分]
本発明のレジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下、(E)成分という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸およびその誘導体としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分としては、有機カルボン酸が好ましく、特にサリチル酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明のレジスト組成物には、さらに所望により、混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
[(S)成分]
本発明のレジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下、(S)成分ということがある。)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、乳酸エチル(EL)、γ−ブチロラクトンが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
さらに、(S)成分としては、上述のPGMEAとPGMEとの混合溶剤と、γ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が99.9:0.1〜80:20であることが好ましく、99.9:0.1〜90:10であることがさらに好ましく、99.9:0.1〜95:5であることが最も好ましい。前記範囲とすることで、レジストパターンの矩形性が向上する。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
本発明においては、上記一般式(b1−15)で表される化合物からなる酸発生剤(B1)が用いられる。該(B1)成分は、アリール基に結合している水酸基の水素原子が、前記一般式(b15−1)で表される官能基で置換された構造を有する。前記一般式(b15−1)で表される官能基は樹脂成分((A)成分)との親和性が高い。そのため、前記一般式(b15−1)で表される官能基が導入された該(B1)成分は、従来の酸発生剤よりも、レジスト膜中に均一に分布させることができると考えられる。また、前記一般式(b15−1)で表される官能基が導入された該(B1)成分は、レジストの各種成分を溶解させるために用いられている有機溶剤(レジスト溶剤)に対する溶解性が優れている。
以上の理由により、本発明のレジスト組成物がポジ型レジスト組成物である場合には、100nm以下でかつ密ピッチでホールパターンを形成する際に真円性の高いホールパターンを形成することができると推測される。また、同様の理由から、本発明のレジスト組成物により、ラインワイズラフネス(LWR)、露光量(EL)マージン、マスクエラーファクター(MEF)、レジストパターン形状等が優れたラインアンドスペースパターン(L/Sパターン)が形成できると推測される。
そして、本発明のレジスト組成物は、液浸露光工程を含むレジストパターン形成方法において、液浸露光用レジスト組成物として好適に用いることができ、良好なリソグラフィー特性が得られ、また、3層レジスト積層体を形成する工程を含むレジストパターン形成方法において、上層レジスト膜形成用ポジ型レジスト組成物として好適に用いることができ、良好なリソグラフィー特性が得られると考えられる。
≪レジストパターン形成方法≫
次に、本発明の第二の態様のレジストパターン形成方法について説明する。
本発明のレジストパターン形成方法は、上記本発明の第一の態様のレジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含む方法である。
本発明のレジストパターン形成方法は、例えば、以下の様にして行うことができる。
すなわち、まず支持体上に、上記本発明の第一の態様のレジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、露光後加熱(ポストエクスポージャーベーク(PEB)処理)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理し、好ましくは純水を用いて水リンスを行い、乾燥を行う。また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)が挙げられる。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線等の放射線を用いて行うことができる。上記レジスト組成物は、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EBまたはEUV、特にArFエキシマレーザーに対して有効である。また、液浸露光に対しても有効である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[合成例1:高分子化合物(1)の合成]
500mLビーカーに、3.11g(18.28mmol)の下記[化合物1]、11.99g(45.71mmol)の下記[化合物2]、前記合成例2で得られた6.40g(18.28mmol)の下記[化合物3]、1.73g(7.31mmol)の下記[化合物4]を入れ、108.96gのメチルエチルケトンに溶解させた。この溶液に重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(V−601)を3.1mmol加え、溶解させた。この反応液を窒素雰囲気下、6時間かけてセパラブルフラスコ内にて75℃に加熱したメチルエチルケトン45.40gに滴下した。滴下終了後、反応液を1時間加熱撹拌し、その後、反応液を室温まで冷却した。得られた反応重合液を減圧濃縮後、大量のメタノール/水混合溶液に滴下し、反応生成物(共重合体)を析出させる操作を行い、沈殿した反応生成物をろ別、洗浄、乾燥して、目的の高分子化合物(1)を15g得た。
この高分子化合物(1)について、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は7,100であり、分散度(Mw/Mn)は1.59であった。
また、600MHzでのカーボン13核磁気共鳴スペクトル(600MHz_13C−NMR)を測定した結果、共重合組成(上記構造式中の各構成単位の割合(モル比))は、l/m/n/o=24.9/31.9/28.7/14.5であった。
Figure 2010120923
Figure 2010120923
[合成例2:化合物(I)の合成]
フルオロスルホニル(ジフルオロ)酢酸メチル150g、純水375gに、氷浴中で10℃以下に保ちつつ、30%水酸化ナトリウム水溶液343.6gを滴下した。滴下後、100℃で3時間還流し、冷却後、濃塩酸で中和した。得られた溶液をアセトン8888gに滴下し、析出物を濾過、乾燥することによって、白色固体として化合物(I)184.5g(純度:88.9%、収率:95.5%)を得た。
Figure 2010120923
次に、前記化合物(I)56.2g、アセトニトリル562.2gを仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物77.4gを添加し、110℃で3時間還流した。その後、濾過し、濾液を濃縮し、乾燥した。得られた固体にt−ブチルメチルエーテル900gを添加撹拌した。その後、濾過し、濾過物を乾燥することによって、白色固体として化合物(II)22.2g(純度:91.0%、収率:44.9%)を得た。
Figure 2010120923
[合成例3:化合物(III)の合成]
前記化合物(II)4.34g、2−ベンジルオキシエタノール3.14g、トルエン43.4gを仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物0.47gを添加し、105℃で20時間還流した。反応液を濾過し、濾物にヘキサン20gを添加し、撹拌した。再度濾過し、濾物を乾燥することにより化合物(III)を1.41g(収率:43.1%)得た。
Figure 2010120923
[合成例4:化合物(IV)の合成]
20℃以下で制御したメタンスルホン酸(60.75g)に酸化リン(8.53g)と2,6−ジメチルフェノール(8.81g)とジフェニルスルホキシド(12.2g)を少量ずつ添加した。温度を15〜20℃で制御しながら30分熟成した後、40℃まで昇温し2時間熟成した。その後、15℃以下に冷却した純水(109.35g)に反応液を滴下した。滴下終了後、ジクロロメタン(54.68g)を加え、撹拌後、ジクロロメタン層を回収した。別容器に20〜25℃のヘキサン(386.86g)を仕込み、ジクロロメタン層を滴下した。滴下終了後、20〜25℃で30分間熟成した後、ろ過することによって化合物(IV)を得た(収率70.9%)。
Figure 2010120923
[実施例1:化合物(V)の合成]
Figure 2010120923
三口フラスコに前記化合物(IV)を8.05gおよびジクロロメタンを56.4g添加し撹拌した。そこへトリエチルアミン(2.63g)のジクロロメタン(8.05g)溶液を滴下し、10℃に冷却した。その後、1-アダマンタンカルボニルクロリド(4.77g)のジクロロメタン(16.10g)溶液を滴下し、室温にて3時間撹拌した後、1wt%塩酸水溶液および純水にて有機相を洗浄し、ジクロロメタン相を濃縮・乾燥することによって目的化合物(V)を11.0g得た。なお、得られた化合物のカウンターアニオンはメタンスルホネート体とクロライド体の混合物であった。組成比をイオンクロマトグラフィーにて分析した結果、CH3SO3 / Cl = 64.4 / 35.6(wt%)であった。
[合成例5:化合物(VI)の合成]
化合物(III)1.00gおよびアセトニトリル3.00gに対し、1−アダマンタンカルボニルクロライド0.82gおよびトリエチルアミン0.397gを氷冷下滴下した。滴下終了後、室温で20時間撹拌し、濾過した。ろ液を濃縮乾固し、ジクロロメタン30gに溶解させ水洗を3回行った。有機層を濃縮乾燥することにより化合物(VI)を0.82g(収率:41%)得た。
Figure 2010120923
[合成例6:化合物(VII)の合成]
化合物(III)10.0gとアセトニトリル50gを三口フラスコに添加し、そこへイソニコチノイルクロリド塩酸塩7.35gを加えた。その懸濁溶液を氷冷し、そこへトリエチルアミン8.36gをゆっくりと滴下した。滴下終了後氷冷を外し、室温で1.5時間撹拌した。その後反応液を濾過し、濾液を減縮下で濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタン130.2gに溶解させ、水37.2gで水洗した。有機層を濃縮し、減圧乾燥することにより化合物(VII)を10.7g得た。
Figure 2010120923
[実施例2:化合物(VIII)の合成]
Figure 2010120923
前記化合物(V)(3.67g)、純水(22.8g)及びジクロロメタン(27.8g)を添加し、そこへ前記化合(VII)を2.99g加えて室温で1時間撹拌した。その後、分液して有機層を取り出し、水洗を行った後、減圧下で濃縮することによって目的化合物(VIII)を4.92g得た。
該化合物(VIII)についてNMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO-d6, 400MHz) : δ(ppm) = 8.75 (d, 2H, Pyridine), 7.70-7.86 (m, 14H, Ar+Pyridine), 4.59 (dd, 4H, CH2CH2), 2.12 (s, 3H, CH3), 1.66-2.00 (m, 15H, Adamantane).
19F-NMR (DMSO-d6, 376MHz) : δ(ppm) = -106.4.
上記の結果から、化合物(VIII)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2010120923
(合成例7)
<化合物(IX)の合成>
化合物(II)17.7g(純度:91.0%)、下記式(II’)で表される化合物(II’)13g、トルエン88.3gを仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物5.85gを添加し、130℃で26時間還流した。その後、濾過し、残渣にメチルエチルケトン279.9gを添加撹拌した。その後、濾過し、メタノール84.0gを添加撹拌した。再度、濾過を行い、濾過物を乾燥することによって、白色固体として化合物(IX)20.2g(純度:99.9%、収率:72.1%)を得た。
Figure 2010120923
[実施例3:化合物(X)の合成]
Figure 2010120923
前記化合物(V)(7.90g)、純水(44.2g)及びジクロロメタン(58.7g)を添加し、そこへ前記化合物(IX)を5.55g加えて室温で1時間撹拌した。その後、分液して有機層を取り出し、希塩酸洗浄、水洗を行った後、減圧下で濃縮することによって目的化合物(X)を9.48g得た。
得られた化合物(X)についてNMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO-d6, 400MHz) : δ(ppm) = 7.75-7.86 (m, 10H, Ar), 7.69 (s, 2H, Ar), 5.47 (t, 1H, anion), 4.97 (s, 1H, anion), 4.72 (m, 1H, anion), 4.60 (d, 1H, anion), 2.70-2.75 (m, 1H, anion), 2.13 (s, 3H, CH3), 1.66-2.07 (m, 17H, Adamantane+anion).
19F-NMR (DMSO-d6, 376MHz) : δ(ppm) = -106.7.
上記の結果から、化合物が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2010120923
[実施例4:化合物(XIV)の合成]
Figure 2010120923
化合物(V)(9.02g)、純水(45.1g)及びジクロロメタン(45.1g)を添加し、そこへ前記化合物(VI)を2.99g加えて室温で1時間撹拌した。その後、分液して有機層を取り出し、水洗を行った後、減圧下で濃縮することによって目的化合物(XIV)を11.54g得た。
化合物(XIV)についてNMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO-d6, 400MHz) : δ(ppm) =7.68-7.79 (m, 10H, Ar) , 7.62 (s, 2H, Ar), 4.35-4.38 (t, 2H, anion CH2CH2), 4.15-4.17(t, 2H, anion CH2CH2), 1.52-2.10(m, 30H, Adamantane)
19F-NMR (DMSO-d6, 376MHz) : δ(ppm) = -106.25
上記の結果から、化合物が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2010120923
[比較例1:化合物(XII)の合成]
化合物(IV)4gをジクロロメタン79.8gに溶解させた。溶解確認後、炭酸カリウム6.87gを添加し、ブロモ酢酸メチルアダマンタン3.42gを添加した。還流下、24時間反応後、ろ過、水洗浄を行い、ヘキサンで晶析した。得られた粉体を減圧乾燥することによって目的化合物(XI)3.98g(収率66%)を得た。
Figure 2010120923
次に、化合物(XI)4.77gをジクロロメタン23.83gと水23.83gに溶解させ、化合物 (VI)3.22gを添加した。1時間撹拌後、分液処理にて有機層を回収し、水3.84gで水洗浄を3回行った。得られた有機層を濃縮乾固することにより化合物(XII)4.98g(収率87%)を得た。
Figure 2010120923
[比較例2:化合物(XIII)の合成]
化合物(XI)(1.79g)を水(15.81g)とジクロロメタン(31.62g)の混合溶液に溶解させた。その後、前記化合物(IX)(1.33g)を少量ずつ添加し、25℃で1時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタン溶液を水洗いした後、濃縮乾固した。得られた粉体をヘキサンで分散洗浄した後、減圧乾燥することによって目的化合物(XIII)2.35gを得た(収率83.3%)。
Figure 2010120923
[比較例3:化合物(XV)の合成]
化合物(VI)0.384gをジクロロメタン3.84gと水3.84gに溶解させ、4−メチルフェニルジフェニルスルホニウムブロマイド0.40gを添加した。1時間撹拌後、分液処理にて有機層を回収し、水3.84gで水洗浄を3回行った。得られた有機層を濃縮乾固することにより化合物(XV)を0.44g(収率81.5%)得た。
Figure 2010120923
<ポジ型レジスト組成物の調製>
表1に示す各成分を混合、溶解してポジ型レジスト組成物を調製した。
表1中の各略号は以下の意味を有する。また、表1中の[]内の数値は配合量(質量部)である。
Figure 2010120923
(A)−1:前記化学高分子化合物(1)
(B)−1:前記化学式(VIII)で表される化合物
(B)−2:前記化学式(XIV)で表される化合物
(B)−3:前記化学式(XII)で表される化合物
(B)−4:前記化学式(XV)で表される化合物
(B)−5:前記化学式(X)で表される化合物
(B)−6:前記化学式(XIII)で表される化合物
(D)−1:ステアリルジエタノールアミン。
(S)−1:PGMEA/PGME=6/4(質量比)の混合溶剤。
(実施例5〜7、比較例4〜6)
[解像性・感度]
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚82nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、該反射防止膜上に、上記レジスト組成物をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で表1のPAB温度条件で60秒間のプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。
次に、前記レジスト膜に対して、ArF露光装置NSR−S308F(ニコン社製;NA(開口数)=0.92)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(6%ハーフトンマスク)を介して選択的に照射した。そして、表1のPEB温度条件で60秒間の露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液 NMD−W(東京応化工業株式会社製)で30秒間の条件で現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行い、直径85nm、ピッチ135nmのコンタクトホールパターン(以下、C/Hパターンとする)が形成された。このとき、C/Hパターンが形成される最適露光量Eop(mJ/cm;感度)を求めた。その結果を表1に併記した。
[真円性の評価]
上記で形成された各コンタクトホールパターンを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて上空より観察し、ホールパターンの真円性を下記の基準で評価した。その結果を表1に併記した。
○:ホールパターンが、全体として真円性が高く、良好な形状であった。
△:ホールパターンの一部に歪みが見られ、真円性が劣っていた。
以上の結果から、本発明の化合物を酸発生剤成分(B)として用いたレジスト組成物は、真円性に優れていることが確認された。
[実施例8]
Figure 2010120923
(A)−2:ヒドロキシスチレン/スチレン/tertブチルアクリレート=65/30/5の共重合体(分子量10000、分散度2.0)
(B)−2:前記化学式(XIV)
(D)−2:トリエタノールアミン。
(S)−2:乳酸エチル
(実施例8)
[レジストパターン形成]
8インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「DUV−42P」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で180℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚65nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、該反射防止膜上に、上記で得られた実施例8のポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、ホットプレート上で110℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚260nmのレジスト膜を形成した。
次いで、前記レジスト膜に対し、KrF露光装置NSR−S203B(ニコン社製;NA(開口数)=0.68,σ=0.60)により、KrFエキシマレーザー(248nm)を、マスクパターン(6%ハーフトーン)を介して選択的に照射した。
そして、100℃で60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%のTMAH水溶液NMD−3(商品名、東京応化工業株式会社製)で30秒間の条件でアルカリ現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。その後、100℃で60秒間加熱して乾燥させた。
その結果、いずれの例においても、前記レジスト膜に、スペース幅130nm、ピッチ260nmのレジストパターンを形成された。その際の最適露光量Eop(mJ/cm;感度)を求めたところ39mJ/cmであった。
また、上記で得られたパターンの断面形状について、測長SEM(日立製作所社製、商品名:S−9220)により観測したところ、矩形性の高いレジストパターンが得られたことを確認できた。
[合成例8:化合物(V)の合成]
窒素雰囲気下、三口フラスコに化合物(IV)(9.68g)及びジクロロメタン(67.77g)を添加し5℃以下に冷却した。そこへトリエチルアミン(3.16g)を添加し5℃以下で5分間撹拌した後、1−アダマンタンアセチルクロリド(6.14g)を添加した。その後5℃以下で10分間撹拌した後、徐々に昇温させ室温にて2時間撹拌した。反応液を1%HCl35.53gで洗浄し、純水35.53gで3回洗浄した。反応液を濃縮乾燥させることで化合物(V)を11.19g得た。
Figure 2010120923
得られた化合物(V)についてNMRによる分析を行った。
1H-NMR(DMSO-d6, 400MHz) : δ(ppm) = 7.77-7.83 (m, 10H, ArH), 7.61 (s, 2H, ArH), 2.41 (s, 2H, CH2), 2.39 (s, 3H, CH3SO3), 2.12 (s, 6H, CH3), 1.88 (s, 3H, Ad), 1.52-1.63 (m, 12H, Ad).
上記の結果から、化合物が上記に示す構造を有することが確認できた。
[実施例9:化合物(XVI)の合成]
化合物(V)(3.48g)、ジクロロメタン(43.49g)及び純水(10.26g)を混合し、そこへパーフルオロブタンスルホン酸カリウム(2.58g)を添加し、室温で一晩撹拌した。その後、有機相を分液し、さらに有機相を純水(10.26g)で4回洗浄した。その後、ジクロロメタンを減圧下で留去し、減圧乾燥することによって化合物(XVI)を4.66g得た。
Figure 2010120923
化合物についてNMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO-d6, 400MHz) : δ(ppm) = 7.77-7.89 (m, 10H, ArH), 7.71 (s, 2H, ArH), 2.51(s,2H, CH2), 2.20 (s, 6H, CH3), 1.97 (s, 3H, Ad), 1.62-1.73 (m, 12H, Ad).
19F-NMR (DMSO-d6, 376MHz) : δ(ppm) = -77.3, -111.5, -118.1, -122.4.
上記の結果から、化合物(XVI)が上記に示す構造を有することが確認できた。
[実施例10〜31:化合物(XVII)〜(XXXVIII)の合成]
上記実施例9において、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩を以下の表3〜9に示す塩にそれぞれ変更して(等モル量)合成したこと以外は同様の方法で化合物(XVII)〜(XXXVIII)を合成した。
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
(実施例32〜34、比較例7)
表10に示す各成分を混合、溶解してポジ型レジスト組成物を調製した。
表10中の各略号は以下の意味を有する。また、表10中の[]内の数値は配合量(質量部)である。
Figure 2010120923
(A)−3:α−メタクリロイルオキシ−γブチロラクトン/2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート/3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート(4/4/2(モル比)、Mw7000、Mw/Mn1.7)共重合体
(B)−7:前記化合物(XVI)
(B)−8:前記化合物(XXXVII)
(B)−9:前記化合物(XXXVIII)
(B)−10:(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート
(D)−3:トリペンチルアミン
(E)−1:サリチル酸
(S)−1:PGMEA/PGME=6/4(質量比)の混合溶剤
(S)−3:γ−ブチロラクトン
[解像性・感度]
8インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚82nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、該反射防止膜上に、上記レジスト組成物をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で110℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。
次に、前記レジスト膜に対して、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(6%ハーフトンマスク)を介して選択的に照射した。そして、110℃、60秒間の条件で露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液 NMD−3(東京応化工業株式会社製)で30秒間の条件で現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。
その結果、いずれの例においても、前記レジスト膜に、ライン幅120nm、ピッチ240nmのラインアンドスペース(1:1)のレジストパターン(L/Sパターン)が形成された。このときの最適露光量Eop(mJ/cm)、すなわち感度を求めた。その結果を表11に示す。
[LWR(ラインワイズラフネス)評価]
前記Eopで形成されたライン幅120nm、ピッチ240nmのL/Sパターンにおいて、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧800V、商品名:S−9220、日立製作所社製)により、ライン幅を、ラインの長手方向に5箇所測定し、その結果から標準偏差(s)の3倍値(3s)を、LWRを示す尺度として算出した。その結果を表11に示す。この3sの値が小さいほど線幅のラフネスが小さく、より均一幅のL/Sパターンが得られたことを意味する。
[ELマージン評価]
L/Sパターンのラインがターゲット寸法(ライン幅120nm)の±5%(114nm〜126nm)の範囲内で形成される際の露光量を求め、次式によりELマージン(単位:%)を求めた。その結果を表11に示す。
ELマージン(%)=(|E1−E2|/Eop)×100
E1は、ライン幅114nmのLSパターンが形成された際の露光量(mJ/cm)を示し、E2は、ライン幅126nmのLSパターンを形成された際の露光量(mJ/cm)を示す。
[マスクエラーファクター(MEF)評価]
上記Eopにおいて、ライン幅130nm、ピッチ260nmのL/Sパターンをターゲットとするマスクパターンと、ライン幅120nm、ピッチ260nmのL/Sパターンをターゲットとするマスクパターンとを用いてL/Sパターンを形成し、以下の式からMEFの値を求めた。その結果を表11に示す。
MEF=|CD130−CD120|/|MD130−MD120
上記式中、CD130、CD120は、それぞれ、ライン幅130nm、120nmをターゲットとするマスクパターンを用いて形成されたL/Sパターンの実際のライン幅(nm)である。MD130、MD120は、それぞれ、当該マスクパターンがターゲットとするライン幅(nm)であり、MD130=130、MD120=120である。このMEFの値が1に近いほど、マスクパターンに忠実なレジストパターンが形成されたことを示す。
[レジストパターン形状評価]
実施例32〜34、比較例7において、ライン幅120nm、ピッチ240nmのL/Sパターンについて、走査型電子顕微鏡(商品名:S−4700、日立製作所社製)を用いてレジストパターンの断面形状を観察した。その結果を表11に示す。
Figure 2010120923
表11に示すように、本発明の化合物を酸発生剤成分(B)として用いた実施例32〜34のレジスト組成物は、比較例7のレジスト組成物に比べて、ELが同等以上であり、LWR、MEF、パターン形状が良好であった。
[合成例9:化合物5の合成]
化合物(IV)(28.98g)とジクロロメタン(289.80g)とトリエチルアミン(9.47g)を混合し、撹拌しながら10℃まで冷却した。そこへ、ウンデカン酸クロリド(17.69g)を滴下し、室温まで昇温した後、1時間撹拌した。反応液を飽和臭化ナトリウム水溶液(109.36g)で2回、純水(109.36g)で4回洗浄し、有機層を濃縮することにより化合物5を38g得た。
Figure 2010120923
得られた化合物5についてNMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) : δ(ppm)=7.79−7.93(m, 12H,Ar)、2.73(t,2H,−CO−CH−)、2.19(s,6H,Ar−CH)、1.65−1.72(m,2H,−CH−)、1.25−1.38(m,14H,−CH−)、0.85(t,3H,−CH
上記の結果から、化合物5が上記に示す構造を有することが確認できた。
[実施例35:化合物(B11)の合成]
ジクロロメタン(20g)と水(20g)に、化合物5(2g)を添加し、撹拌した。さらに、塩(X)である化合物(VI)(1.45g)を添加し、1時間撹拌した。反応液を分液後、水(20g)で4回洗浄した。有機溶媒層を濃縮乾固することにより化合物(B11)を1.99g得た。
Figure 2010120923
得られた化合物(B11)についてNMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz):δ(ppm)=7.79−7.93(m,12H,Ar)、4.40(t,2H,CH)、4.21(t,2H,CH)、2.73(t,2H,−CO−CH−)、2.19(s,6H,Ar−CH)、1.61−1.98(m,17H,−CH2−,Adamantane)、1.25−1.38(m,14H,−CH−)、0.85(t,3H,−CH
19F−NMR(DMSO−d6,376MHz):δ(ppm)=−106.6
上記の結果から、化合物(B11)が上記に示す構造を有することが確認できた。
[実施例36:化合物(B12)の合成]
ジクロロメタン(20g)と水(20g)に、化合物5(2g)を添加し、撹拌した。さらに、塩(X)である化合物6(1.76g)を添加し、1時間撹拌した。反応液を分液後、水(20g)で4回洗浄した。有機溶媒層を濃縮乾固することにより化合物(B12)を2.40g得た。
Figure 2010120923
得られた化合物(B12)についてNMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz):δ(ppm)=7.79−7.93(m,12H,Ar)、4.40−4.50(m,4H,CH)、2.73(t,2H,−CO−CH−)、2.19(s,6H,Ar−CH)、1.65−1.72(m,2H,−CH−)、1.25−1.38(m,14H,−CH−)、0.85(t,3H,−CH
19F−NMR(DMSO−d6,376MHz):δ(ppm)=−106.7、−154.0、−160.0、−161.5
上記の結果から、化合物(B12)が上記に示す構造を有することが確認できた。
[実施例37〜58:化合物(B13)〜(34)の合成]
上記実施例35において、化合物(VI)を、以下の表12〜17に示す塩(X)(等モル量)にそれぞれ変更して合成したこと以外は同様の方法で化合物(B13)、(B15)、(B18)、(B34)を合成した。
また、上記実施例36において、化合物6を、以下の表12〜17に示す塩(X)(等モル量)にそれぞれ変更して合成したこと以外は同様の方法で化合物(B14)、(B16)、(B17)、(B19)〜(B33)を合成した。
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
(実施例59〜61、比較例8〜11)
表18に示す各成分を混合、溶解してポジ型レジスト組成物を調製した。
表18中の各略号は以下の意味を有する。また、表18中の[]内の数値は配合量(質量部)である。
Figure 2010120923
(A)−4:下記化学式で表される高分子化合物(4)。質量平均分子量(Mw)7000、分散度(Mw/Mn)1.5。各構成単位の割合(モル比)a1/a2/a3/a46=45/25/15/15。なお、式中、( )の右下の符号は各構成単位の割合(モル%)を示す。
(A)−5:下記化学式で表される高分子化合物(5)。質量平均分子量(Mw)7000、分散度(Mw/Mn)1.5。各構成単位の割合(モル比)a1/a2/a3/a46=35/35/15/15。
Figure 2010120923
(B)−11:下記化学式(B2−1)で表される化合物。上記化合物(V)とジクロロメタンと純水とを混合したところに、パーフルオロブタンスルホン酸カリウムを配合することにより得た。
Figure 2010120923
(B)−12:(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート。
(B)−13:前記化合物(B17)。
(B)−14:前記化合物(B16)。
(D)−3:トリペンチルアミン。
(S)−2:1−ブトキシ−2−プロパノール(BP)。
(S)−3:BP/PGMEA=90/10(質量比)の混合溶剤。
[解像性・感度]
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC95」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、90秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚90nmの有機系反射防止膜を形成した。
そして、該有機系反射防止膜上に、上記で得られた実施例59〜61および比較例8〜11のポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、ホットプレート上で、表19に示す温度で60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚80nmのレジスト膜を形成した。
次に、前記レジスト膜上に、保護膜形成用塗布液「TILC−057」(商品名、東京応化工業株式会社製)を、スピンナーを用いて塗布し、90℃で60秒間加熱することにより、膜厚35nmのトップコートを形成した。比較例8においては、前記レジスト膜上にトップコートを形成せずに、以下の操作を続けて行った。
次に、ArF液浸露光装置NSR−S609B(ニコン社製;NA(開口数)=1.07,Dipole0.78/0.97)により、マスクを介して、前記レジスト膜に対して、ArFエキシマレーザー(193nm)を選択的に照射した。
そして、表19に示す温度、60秒間の条件で露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%のTMAH水溶液NMD−3(商品名、東京応化工業株式会社製)で10秒間の条件でアルカリ現像し、その後25秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。次いで、100℃、45秒間の条件でベーク処理(ポストベーク)を施した。
その結果、いずれの例においても、前記レジスト膜に、ライン幅50nm/ピッチ100nmのラインアンドスペースパターン(以下「LSパターン」という。)がそれぞれ形成された。このときの最適露光量Eop(mJ/cm)、すなわち感度を求めた。その結果を表19に示す。
[LWR(ラインワイズラフネス)評価]
前記Eopで形成されたライン幅50nm、ピッチ100nmのLSパターンにおいて、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧800V、商品名:S−9220、日立製作所社製)により、ライン幅を、1本のラインパターンの長手方向に400箇所測定し、その結果から標準偏差(s)の3倍値(3s)を求め、任意に5本のラインパターンの3sについて平均化した値を、LWRを示す尺度として算出した。その結果を表19に示す。
「LWR」とは、レジストパターンを形成した際における、ラインパターンの線幅の不均一さを意味し、パターンが微細化するほどその改善が重要となる特性をいう。
この3sの値が小さいほど、その線幅のラフネスが小さく、より均一幅のLSパターンが得られたことを意味する。
[LER(ラインエッジラフネス)評価]
前記Eopで形成されたライン幅50nm、ピッチ100nmのLSパターンにおいて、LERを求めた。
具体的には、測長SEM(日立製作所社製,製品名:S−9360,測定電圧300V)により、1本のラインパターンについて、そのエッジの平均線からのずれを400箇所測定し、その結果から算出した標準偏差(σ)の3倍値(3σ)を求め、任意に5本のラインパターンの3σについて平均化した値をLERとして示す。
LERは、その値が小さいほどライン側壁のラフネスが小さく、より均一幅のLSパターンが得られたことを意味する。その結果を表19に示した。
[レジストパターン形状評価]
前記Eopで形成されたライン幅50nm、ピッチ100nmのLSパターンについて、走査型電子顕微鏡(商品名:S−4700、日立製作所社製)を用いてレジストパターンの断面形状を観察した。その結果を表19に示す。
Figure 2010120923
表19に示すように、本発明の化合物を酸発生剤成分(B)として用いた実施例59〜61のレジスト組成物は、比較例8〜11のレジスト組成物に比べて、LWR、LER、パターン形状が良好であった。
[合成例10:化合物7の合成]
20℃以下で制御したメタンスルホン酸(35.35g)に、酸化リン(7.61g)と2,6−ジメチルフェノール(7.86g)とビス−p−トリルスルホキシド(12.35g)を少量ずつ添加した。温度を15〜20℃で制御しながら30分間熟成した後、32℃まで昇温して2時間熟成した。その後、15℃以下に冷却した純水(100g)に反応液を滴下した。滴下終了後、ジクロロメタン(166.67g)を加え、撹拌後、ジクロロメタン層を回収した。別容器に20〜25℃のヘキサン(1412g)を仕込み、塩化メチレン層を滴下した。滴下終了後、20〜25℃で30分間熟成した後、ろ過することによって目的化合物7を19.89g得た。
Figure 2010120923
得られた化合物7についてNMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz):δ(ppm)=9.96(br,1H,OH)、7.50−7.68(m,10H,Ar)、2.43(s,6H,CH)、2.33(s,3H,CHSO)、2.24(s,6H,CH
上記の結果から、化合物7が上記に示す構造を有することが確認できた。
[合成例11:化合物8の合成]
化合物7(7.34g)とジクロロメタン(59.01g)とトリエチルアミン(2.25g)とを混合し、撹拌しながら6℃まで冷却した。そこへウンデカン酸クロリド(4.21g)を滴下し、室温まで昇温した後、1時間撹拌した。反応液を1質量%HCl水溶液(27.84g)で2回、純水(27.84g)で5回洗浄し、有機層を濃縮することにより、化合物8を8.4g得た。
Figure 2010120923
得られた化合物8についてNMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz):δ(ppm)=7.77−7.59(m,10H,Ar)、2.69−2.79(m,2H,CO−CH)、2.45(s,6H,ArCH)、2.18(s,6H,ArCH)、1.67(m,2H,CH)、1.15−1.39(m,14H,CH)、0.86(t,3H,CH
上記の結果から、化合物8が上記に示す構造を有することが確認できた。
[実施例62:化合物(B35)の合成]
ジクロロメタン(20g)と水(20g)に、化合物8(2g)を添加し、撹拌した。さらに化合物(VI)(1.29g)を添加し、1時間撹拌した。反応液を分液後、水(20g)で4回洗浄した。有機溶媒層を濃縮乾固することにより化合物(B35)を2.36g得た。
Figure 2010120923
得られた化合物(B35)についてNMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz):δ(ppm)=7.77−7.59(m,10H,Ar)、4.40(t,2H,CH)、4.21(t,2H,CH)、2.69−2.79(m,2H,−CO−CH−)、2.45(s,6H,Ar−CH)、2.18(s,6H,Ar−CH)、1.61−1.98(m,17H,−CH−,Adamantane)、1.15−1.39(m,14H,−CH−)、0.86(t,3H,−CH
19F−NMR(DMSO−d6,376MHz):δ(ppm)=−106.6
上記の結果から、化合物(B35)が上記に示す構造を有することが確認できた。
[実施例63:化合物(B36)の合成]
ジクロロメタン(20g)と水(20g)に、化合物8(2g)を添加し、撹拌した。さらに化合物6(1.64g)を添加し、1時間撹拌した。反応液を分液後、水(20g)で4回洗浄した。有機溶媒層を濃縮乾固することにより化合物(B36)を2.97g得た。
Figure 2010120923
得られた化合物(B36)についてNMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz):δ(ppm)=7.77−7.59(m,10H,Ar)、4.40−4.50(m,4H、CH)、2.69−2.79(m,2H,−CO−CH−)、2.45(s,6H,Ar−CH)、2.18(s,6H,Ar−CH)、1.67(m,2H,−CH−)、1.15−1.39(m,14H,−CH−)、0.86(t,3H,−CH
19F−NMR(DMSO−d6,376MHz):δ(ppm)=−106.7、−154.0、−160.0、−161.5
上記の結果から、化合物(B36)が上記に示す構造を有することが確認できた。
[実施例64〜85:化合物(B37)〜(B58)の合成]
上記の実施例62又は実施例63において、化合物(VI)又は化合物6を、以下の表20〜25に示す塩(X)(等モル量)にそれぞれ変更して合成したこと以外は同様の方法で化合物(B37)〜(B58)を合成した。
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
[合成例12:化合物9の合成]
20℃以下で制御したメタンスルホン酸(20.98g)に、酸化リン(4.51g)と2,6−ジメチルフェノール(4.66g)と4,4−ジ−n−ブチルジフェニルスルホキシド(10g)を少量ずつ添加した。温度を15〜20℃で制御しながら30分間熟成した後、32℃まで昇温して3時間熟成した。その後、15℃以下に冷却した純水(64g)に反応液を滴下した。滴下終了後、ジクロロメタン(54g)を加え、撹拌後、ジクロロメタン層を回収した。別容器に20〜25℃のTHF/TBME(質量比7:3)混合液(555g)を仕込み、塩化メチレン層を滴下した。滴下終了後、20〜25℃で30分間熟成した後、ろ過することによって目的化合物9を6.91g得た。
Figure 2010120923
得られた化合物9についてNMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz):δ(ppm)=0.02(br,1H,−OH)、7.73(d,4H,Ar−H)、7.61(d,4H,Ar−H)、7.55(s,2H,Ar−H)、2.73(t,4H,Ar−CH−)、2.36(s,3H,CHSO)、2.26(s,6H,Ar−CH)、1.58(q,4H,−CH−)、1.32(q,4H,−CH−)、0.89(t,6H,−CH)。
上記の結果から、化合物9が上記に示す構造を有することが確認できた。
[合成例13:化合物10の合成]
化合物9(5.24g)とジクロロメタン(52.39g)とトリエチルアミン(1.34g)を混合し、撹拌しながら6℃まで冷却した。そこへウンデカン酸クロリド(2.5g)を滴下し、室温まで昇温した後、3時間撹拌した。反応液を1質量%HCl水溶液(19.77g)で2回、飽和NaBr水溶液(19.77g)で3回、純水(19.79g)で5回洗浄し、有機層を濃縮することにより、化合物10を5.36g得た。
Figure 2010120923
得られた化合物10についてNMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz):δ(ppm)=7.78(d,4H,Ar−H)、7.72(s,2H,Ar−H)、7.60(d,4H,Ar−H)、2.70(t,6H,−CO−CH−,Ar−CH−)、2.36(s,3H,CHSO)、2.15(s,6H,Ar−CH)、1.66(q,2H,CO−β−CH−)、1.56(q,4H,Ar−β−CH−)、1.35−1.20(m,18H,−CH−)、0.87(t,6H,−CH)、0.82(t,3H,−CH
上記の結果から、化合物10が上記に示す構造を有することが確認できた。
[実施例86:化合物(B59)の合成]
ジクロロメタン(20g)と水(20g)に、化合物10(2g)を添加し、撹拌した。さらに化合物(VI)(1.13g)を添加し、1時間撹拌した。反応液を分液後、水(20g)で4回洗浄した。有機溶媒層を濃縮乾固することにより化合物(B59)を2.27g得た。
Figure 2010120923
得られた化合物(B59)についてNMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz):δ(ppm)= 7.78(d, 4H, Ar−H)、7.72(s, 2H, Ar−H)、7.60(d, 4H, Ar−H)、4.40(t, 2H, CH2)、4.21(t, 2H, CH2)、2.70(t, 6H, −CO−CH2−, Ar−CH2−)、2.15(s, 6H, Ar−CH3)、1.61−1.98(m, 17H, CO−β−CH2, Adamantane)、1.56(q, 4H, Ar−β−CH2−)、1.35−1.20(m, 18H, −CH2−)、0.87(t, 6H, −CH3)、0.82(t, 3H, −CH3)
19F−NMR(DMSO−d6,376MHz):δ(ppm)=−106.6
上記の結果から、化合物(B59)が上記に示す構造を有することが確認できた。
[実施例87:化合物(B60)の合成]
ジクロロメタン(20g)と水(20g)に、化合物10(2g)を添加し、撹拌した。さらに化合物6(1.43g)を添加し、1時間撹拌した。反応液を分液後、水(20g)で4回洗浄した。有機溶媒層を濃縮乾固することにより化合物(B60)を2.84g得た。
Figure 2010120923
得られた化合物(B60)についてNMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz):δ(ppm)=7.78(d,4H,Ar−H)、7.72(s,2H,Ar−H)、7.60(d,4H,Ar−H)、4.40−4.50(m,4H,CH)、2.70(t,6H,−CO−CH−,Ar−CH−)、2.15(s,6H,Ar−CH)、1.66(q,2H,CO−β−CH−)、1.56(q,4H,Ar−β−CH−)、1.35−1.20(m,18H,−CH−)、0.87(t,6H,−CH)、0.82(t,3H,−CH)。
19F−NMR(DMSO−d6,376MHz):δ(ppm)=−106.7、−154.0、−160.0、−161.5
上記の結果から、化合物(B60)が上記に示す構造を有することが確認できた。
[実施例88〜109:化合物(B61)〜(82)の合成]
上記の実施例86又は実施例87において、化合物(VI)又は化合物6を、以下の表26〜32に示す塩(X)(等モル量)にそれぞれ変更して合成したこと以外は同様の方法で化合物(B61)〜(B82)を合成した。
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923
Figure 2010120923

Claims (13)

  1. 酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有するレジスト組成物であって、
    前記酸発生剤成分(B)は、下記一般式(b1−15)で表される化合物からなる酸発生剤(B1)を含むことを特徴とするレジスト組成物。
    Figure 2010120923
    [式中、R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表し;R”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよく;R”〜R”のうち少なくとも1つは、水素原子の一部または全部が下記一般式(b15−1)で表される官能基で置換された置換アリール基であり;Xはアニオンである。]
    Figure 2010120923
    [式中、R52は酸によって解離しない基を表し;Wは単結合または2価の連結基を表し;nは0または1を表す。]
  2. 前記一般式(b15−1)におけるR52が酸によって解離しない、置換基を有しても良い炭化水素基を表す請求項1記載のレジスト組成物。
  3. 前記炭化水素基が環式基である請求項2記載のレジスト組成物。
  4. 前記基材成分(A)は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分である請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジスト組成物。
  5. 前記基材成分(A)は樹脂成分(A1)であって、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有する請求項4記載のレジスト組成物。
  6. 前記基材成分(A)は、さらにラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する請求項5記載のレジスト組成物。
  7. 前記基材成分(A)は、さらに極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有する請求項5または6記載のレジスト組成物。
  8. 含窒素有機化合物(D)を含有する請求項1〜7のいずれか一項に記載のレジスト組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のレジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
  10. 下記一般式(b1−15)で表される化合物。
    Figure 2010120923
    [式中、R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表し;R”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよく;R”〜R”のうち少なくとも1つは、水素原子の一部または全部が下記一般式(b15−1)で表される官能基で置換された置換アリール基であり;Xはアニオンである。]
    Figure 2010120923
    [式中、R52は酸によって解離しない基を表し;Wは単結合または2価の連結基を表し;nは0または1を表す。]
  11. 前記一般式(b15−1)におけるR52が酸によって解離しない、置換基を有しても良い炭化水素基を表す請求項10記載の化合物。
  12. 前記炭化水素基が環式基である請求項11記載の化合物。
  13. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の化合物からなる酸発生剤。
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