JP2010120584A - 揺動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 揺動装置の組付け対象への固定作業の容易化と、部品点数の削減による在庫管理や荷造り搬送作業の簡易化を実現する。
【解決手段】 組付け対象となるフロアボード100に固定される基体10と、該基体10に支持されて基体10に沿う不使用位置と基体10から立ち上がる使用位置との間を揺動自在なハンドル20とを含む。基体10には、側面からの外方に突き出すとともに内外方向へ弾力的に撓み自在な弾性係止爪15が側壁を切り抜いて形成してあり、当該弾性係止爪15をフロアボード100に設けられた係止部に係止させて基体10を固定する。ハンドル20は、使用位置にあるとき、弾性係止爪15の内方への撓みを阻止する手段を構成している。一方、ハンドル20は、不使用位置にあるときは、弾性係止爪15の内方への撓みを許容する。
【選択図】 図10

Description

この発明は、自動車のラゲージルーム内に設置されるフロアボードなどに組み付けられるハンドル装置や、自動車の車内パネルに組み付けられるフック装置などに好適な揺動装置に関する。
従来のこの種の揺動装置は、例えば、特許文献1に開示された自動車用ハンドル装置のように、基体と、ハンドルと、底板とを含む構成となっている。そして、フロアボードへの取付けは、同文献1の図7や図8に示されるように、フロアボードに設けた取付孔に表面側から基体を嵌め込むとともに、取付孔の裏面側に底板を当て、フロアボードを基体と底板とで挟み込んだ状態で、ネジを用いてこれらを締結するという手順で行われていた。
また、ハンドルは、金属丸棒からなる支軸を介して基体へ揺動自在に組み込まれる構成となっていた。
特開2006−175977号公報
上述した従来の揺動装置にあっては、フロアボードへの取付けに際して、ネジを用いた締結作業が必要となるため作業性が悪く、しかもネジや底板といった部品が含まれるため部品点数が多く、在庫管理や搬送に際しての荷造りが煩雑となる等の問題を有していた。
また、金属丸棒からなる支軸を部品に含むため、さらに部品点数が多くなり、在庫管理や搬送に際しての荷造りがいっそう煩雑となり、しかも金属丸棒を介してのハンドル(揺動部材)の組み付け作業は、基体とハンドル(揺動部材)との正確な軸合わせが必要であったり、金属丸棒の直線的な差し込み操作が必要となるなど、思いのほか煩雑でありこの点においても作業性が悪かった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、組付け対象への固定作業の容易化と、部品点数の削減による在庫管理や荷造り搬送作業の簡易化を実現することを第一の目的とする。
また、本発明は、基体への揺動部材の組み付け作業を容易化することを第二の目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、組付け対象に固定される基体と、該基体に支持されて基体に沿う不使用位置と基体から立ち上がる使用位置との間を揺動自在な揺動部材と、を含む揺動装置であって、
前記基体には、側面からの外方に突き出すとともに内外方向へ弾力的に撓み自在な弾性係止爪が側壁を切り抜いて形成してあり、当該弾性係止爪を組付け対象に設けられた係止部に係止させて前記基体を組付け対象に固定する構成となっており、
且つ、前記揺動部材は、前記使用位置にあるとき、前記弾性係止爪の基体側壁から内側への撓みを阻止して当該弾性係止爪と前記組付け対象側の係止部との間の係止状態を保持し、一方、前記不使用位置にあるときは、前記弾性係止爪の基体側壁から内側への撓みを許容する手段を構成していることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の記載を前提として、
前記揺動部材は、前記使用位置にあるとき前記弾性係止爪の内側近接位置に配置され、前記不使用位置にあるとき前記弾性係止爪の内側近接位置から離れる脱落防止壁部を備えていることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2の記載を前提として、
前記揺動部材は、両側部が前記基体に軸支されるとともに、両側壁の一部が前記脱落防止壁部を形成していることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3の記載を前提として、
前記揺動部材は、両側壁の一部から外側へ支軸が突出形成してあり、前記基体には、前記支軸を揺動自在に支持する軸受部が形成してあることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4の記載を前提として、
前記基体は、側壁を形成する枠部と、この枠部で囲まれた前記揺動部材を収容する凹所と、この凹所の底面を塞ぐ底部とを含み、
前記基体の底部は切欠口を有し、当該切欠口を透して基体底部側から前記揺動部材を嵌め込み、前記軸受部へ前記支軸を係合させる構成とし、
前記基体の枠部内面には、前記軸受部よりも底部側の領域に、弾力的に撓んで前記支軸の通過を許容する薄肉部を形成したことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5の記載を前提として、
前記薄肉部は、前記基体の底部側から前記軸受部へ向かって前記支軸を案内する案内溝を形成していることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項6の記載を前提として、
前記揺動部材には、両側部の中間部位にリブが起立して形成してあり、且つ当該リブには、前記支軸と同軸上の支持凹部が形成してあり、
前記支持凹部に所定の治具を引っ掛け、当該治具で前記揺動部材を下方から支えながら、前記基体を押し下げていくことにより、前記基体の底部側から前記軸受部へ向かって前記支軸が案内される構成であることを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項4乃至7のいずれか一項の記載を前提として、
前記揺動部材が前記不使用位置へ向かって揺動する方向へ当該揺動部材を付勢するスプリングを有し、
前記揺動部材には、前記スプリングをあらかじめ組み付けるための、スプリング組付け部が設けてあることを特徴とする。
上述した構成の請求項1の発明によれば、弾性係止爪を組付け対象に設けられた係止部に係止させるだけで、基体を組付け対象に固定することができるので、組付け対象への固定作業の容易化を図ることができる。また、少なくともネジ等の締結具は不要となるので、部品点数の削減による在庫管理や荷造り搬送作業の簡易化を実現することができる。
しかも、請求項1の発明によれば、揺動部材が使用位置にあるとき、当該揺動部材によって弾性係止爪の基体側壁から内側への撓みが阻止されるので、組付け対象からの装置の脱落を防止することができる。
一方、揺動部材が不使用位置にあるときは、弾性係止爪の基体側壁から内側への撓みが許容されるので、この状態で組付け対象への固定作業を円滑に実施することができる。
請求項2の発明によれば、揺動部材に設けた脱落防止壁部によって、弾性係止爪の基体側壁から内側への撓みを有効に阻止することができる。
請求項3の発明によれば、揺動部材の両側壁の一部に脱落防止壁部することで、弾性係止爪の基体側壁から内側への撓みを有効に阻止することができる。
請求項4の発明によれば、揺動部材に形成した支軸を、基体の枠部に形成した軸受部に係合させるだけで、基体への揺動部材の組付け作業を容易に行うことができる。しかも、金属丸棒からなる別体の支軸部品が不要となるので、部品点数の削減による在庫管理や荷造り搬送作業の簡易化を実現することができる。
請求項5の発明によれば、基体底部側から揺動部材を嵌め込み、軸受部へ支軸を係合させる構成としたので、基体の枠部内面における軸受部よりも底部側の領域に薄肉部を設けるだけで、揺動部材の嵌め込み操作が可能となる。したがって、揺動部材に表面側から作用する引っ張り荷重に対して、基体枠部の表面側には十分な剛性を付与して揺動部材の脱落を防止することが可能となる。
請求項6の発明によれば、薄肉部に、基体の底部側から軸受部へ向かって支軸を案内する案内溝を形成しているので、軸受部へ支軸を容易に導くことができ、いっそう組付け作業性が向上する。
請求項7の発明によれば、揺動部材に形成したリブの支持凹部に所定の治具を引っ掛け、当該治具で揺動部材を下方から支えながら、基体を押し下げていくだけで、基体の底部側から軸受部へ向かって支軸を容易に案内することができる。ここで、支持凹部は、支軸と同軸上に形成してあるため、案内操作の途中で揺動部材が回動しても、治具の支点と案内対象である支軸との間の相対位置関係は変位せず、したがって治具を基準として案内操作を続けることができる。
請求項8の発明によれば、揺動部材にあらかじめスプリングを組み付け、揺動部材と一体にスプリングの基体への組付け作業をも行うことができるので、いっそう組付け作業性が向上する。
本発明は、上述した構成としたので、組付け対象への固定作業の容易化を図ることができ、しかも部品点数の削減による在庫管理や荷造り搬送作業の簡易化をも実現することできる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態では、自動車のラゲージルーム内に設置されるフロアボードなどに組み付けられるハンドル装置に本発明を適用した構成を示すが、本発明の用途はハンドル装置に限定されるものではないことは勿論である。
図1および図2は、本実施形態の係る揺動装置の外観を示す斜視図であり、図1(a)(b)はハンドルが不使用位置にあるときの斜視図、図1(c)はハンドルを持ち上げた状態での斜視図、図2(a)〜(c)はハンドルが使用位置にあるときの斜視図である。
本実施形態の揺動装置は、基体10と、揺動部材としてのハンドル20と、プッシュボタン30とを含んでいる。
ハンドル20とプッシュボタン30は、基体10に対して、それぞれ別の中心軸回りに揺動自在に装着されている。基体10は、自動車のラゲージルーム内に設置されるフロアボードなどに組み付けられる。
後述するように、基体10には凹所12が形成されている。
そして、「不使用位置」にあっては、図1(a)(b)に示すように、ハンドル20とプッシュボタン30がこの凹所12に収容され、基体10に沿った状態となっている。換言すれば、不使用位置のとき、ハンドル20とプッシュボタン30の表面が、基体10の表面とほぼ同一平面上に配置されている。ハンドル20は、後述するスプリング40により常時、不使用位置へ戻る方向に付勢されており、この付勢力がハンドル20を介してプッシュボタン30にも伝わり、プッシュボタン30も不使用位置へ戻る方向に付勢されている。
一方、「使用位置」にあっては、図2(a)〜(c)に示すように、ハンドル20が基体10から立ち上がって、ユーザがハンドル20を把持できるようになる。
プッシュボタン30は、その表面をユーザが押圧すると、梃子の原理でハンドル20の裏面を表面側へ押圧して、図1(c)に示すようにハンドル20を持ち上げ、ハンドル20を基体10の凹所12から押し出す機能を有している。これにより、ユーザはハンドル20を簡単に把持することが可能となる。
図3は、基体を示す図で、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は断面側面図である。
同図に示すように、基体10は、側壁を形成する枠部11と、この枠部11で囲まれた凹所12と、この凹所12の底面を塞ぐ底部13とを含む形状に樹脂成形されている。凹所12には、既述したように、不使用位置のときハンドル20とプッシュボタン30が収容される。
枠部11の内面には、後述するようにハンドル20に形成された支軸21を揺動自在に支持する軸受部14が形成してある。また、凹所12の底部13には、一部に切欠口13aが形成してあり、この切欠口13aを透して基体10の底部13側からハンドル20を基体10に嵌め込む構成となっている。さらに、基体10の対向する両側壁には、枠部11の側面から外方に突き出すとともに、内外方向へ弾力的に撓み自在な弾性係止爪15が、切り抜いて形成してある。基体10は、これらの弾性係止爪15をフロアボード(組付け対象)に設けられた係止部に係止させることで、フロアボードに固定される。
上述した軸受部14、切欠口13a、および弾性係止爪15の構成および機能については、後で更に詳細に説明する。
また、凹所12の内底面からは一対の支持壁16aが立ち上がっており、これら支持壁16aには外側方に向かって支軸16bが突出形成されている。図1および図2に示したプッシュボタン30は、これらの支軸16bに揺動自在に支持され、基体10に装着される。
図4は、ハンドルを示す図で、(a)は斜視図、(b)は底面図、(c)はスプリング組付け部を拡大して示す底面図、(d)は同じく側面断面図、(e)は治具を引っ掛けるための支持凹部を拡大して示す断面側面図である。
同図に示すように、揺動部材としてのハンドル20は、基部22の両側から対称な腕部23がそれぞれ平行に延出し、これら各腕部23の先端が把持部24で繋がれた構成をした樹脂成形品である。基部22、各腕部23および把持部24に囲まれた中間部分は、ユーザの手を差し込むための中空部となっている。
ハンドル20の各腕部23には、図4(a)(b)に示すように、側壁の対称位置から外方へ支軸21が突出形成してある。これらの支軸21は、基体10に形成した軸受部14に揺動自在に支持される。また、ハンドル20の基部22には、図4(a)(b)(e)に示すように、両側部近傍位置の裏面からそれぞれリブ25が起立し、当該リブ25には半円弧状の支持凹部25aが形成してある。この支持凹部25aは、支軸21と同軸上に形成してあり、後述する治具50が引っ掛けられる。
これら支軸21と支持凹部25aの構成および機能については、後で更に詳細に説明する。
また、本実施形態の揺動装置は、スプリング40を部品として備えている(図4(c)(d)参照)。このスプリング40は、既述したようにハンドル20を不使用位置へ向かって常時付勢するための部品であり、本実施形態では捩りコイルスプリング(トーションばね)により構成してある。
ハンドル20の基部22には、スプリング40をあらかじめ組み付けるための、スプリング組付け部26が設けてある。スプリング組付け部26は、基部22の裏面から起立するL字状をした支持壁26aの一辺から他辺と平行に側方へ軸部26bを延出させるとともに、他辺の先端縁にノッチ26cを形成した構成となっている。スプリング40は、図4(c)(d)に示すように、コイル部40aを軸部26bに外嵌するとともに、一端部40b側をハンドル20の基部22裏面に当接させ、且つ他端部40c側を弾力的に撓ませた状態でノッチ26cに引っ掛けて組み付けられる。この状態でハンドル20に組み付けられたスプリング40は、後述するようにハンドル20を基体10に組み付ける際にも、自らのばね力をもって組み付け状態を保持し、ハンドル20から脱落することはない。
図5は、基体に形成した軸受部の詳細構造を示す図で、(a)は内側面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)はハンドルに形成した支軸の係合状態を示す断面図である。
これらの図に示すように、軸受部14は基体10の枠部11に穿設した透孔で構成してある。そして、基体10の枠部11の内面には、基体10の底部13側から軸受部14へ向かって支軸21を案内する案内溝17が形成してあり、この案内溝17の内側に位置する側壁は薄肉部17aとなっている。薄肉部17aは、枠部11の他所よりも薄肉となっており、弾力的に撓んで支軸21の通過を許容する。さらに、薄肉部17aには、案内溝17に沿って軸受部14から底部13方向へスリット17bが切り込まれており、このスリット17bの形成によって薄肉部17aはいっそう弾力的に撓み易くなっている。
図2(c)に戻り、基体10の底部13には、案内溝17と交叉する一側縁と他側縁の中間部分に、ハンドル20を挿入可能な範囲で切欠口13aが形成してある。
図6は、ハンドルを基体へ装着するために用いる治具の構成例を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
治具50は、コ字状に屈曲形成した一対の金属棒51を台座52の上面に起立して設置した構成となっており、各金属棒51の上部で平行に配置された部分が支持杆51aとして機能し、これら支持杆51aをハンドル20の支持凹部25aに引っ掛けてハンドル20を支持する。治具50は作業台の上に載置される。
図7および図8は、治具を用いたハンドルの組み付け方法を説明するための図である。これらの図面を参照して、基体10へのハンドル20の組み付け方法を説明する。
まず、図7(a)〜(c)に示すように、ハンドル20の支持凹部25aに治具50の支持杆51aを引っ掛け、治具50でハンドル20を下方から支えながら、基体10を押し下げていく。治具50でハンドル20を支えているので、作業員は基体10を押し下げるために両手を使うことができ、作業性が良い。
基体10を押し下げていく過程で、ハンドル20は基体10の底部13に形成した切欠口13aに挿入され、周囲を基体10に支えられるため、転倒することはない。またこのとき、ハンドル20の支軸21は、案内溝17に嵌め込み、支軸21が案内溝17に沿って移動するようにする。案内溝17内の側壁は薄肉部17aとなっているので、弾力的に撓んで支軸21の移動を許容する。
基体10の押し下げ操作に伴い、基体10の表面側へハンドル20が移動し、あらかじめハンドル20に組み付けてあるスプリング40の他端部40c(図4(d)に示したノッチ26cに引っ掛けてある部分)が、基体10の底部13裏面に当接して弾力的に撓んでいく。スプリング40の弾力的な撓みに伴いハンドル20には付勢力が作用し、図8(a)に示すように、ハンドル20が支持杆51aを中心に徐々に回動していく。支持杆51aを引っ掛けた支持凹部25aは、ハンドル20の支軸21と同軸上に形成してあるので、ハンドル20が回動しても案内溝17内の支軸21に嵌め込み方向と異なる方向への荷重が作用することはない。
このようにして、ハンドル20は基体10の底部13側(裏面側)から嵌め込まれて、軸受部14に支軸21を係合させる(図8(b)参照)。基体10の底部13側(裏面側)から嵌め込まれたハンドル20は、図2に示すように、基体10の表面側からユーザに把持されて引っ張られるが、支軸21より表面側には案内溝17や薄肉部17aは形成されてなく、十分な肉厚が確保されているので、枠部11が撓んでハンドル20が基体10から脱落するおそれはない。
図9は、本実施形態に係る揺動装置の組付け対象への組み付け構造を示す図で、(a)は図1(a)の矢視Y方向から見た図、(b)は同じく矢視X方向から見た図である。
組付け対象となるフロアボード100には揺動装置を組み付ける装着孔が形成してあり、その装着孔の周縁には揺動装置を固定するための係止部101、102が設けてある。
本実施形態の揺動装置は、図1に示すように、基体10を構成する枠部11の正面に引掛部18が形成してあり、さらに、枠部11の両側に弾性係止爪15が形成してある。
揺動装置は、まずフロアボード100の係止部101に引掛部18を掛止し、続いて基体10を装着孔内に押し込み、弾性係止爪15をフロアボード100の別の係止部102に係止させる。このようにして揺動装置のフロアボード100への組付けが完了する。
さて、弾性係止爪15は、枠部11の内外方向へ弾力的に撓む構成となっており、図2に示した使用位置において、ハンドル20に大きな引張力が作用すると、その引張力に負けて弾性係止爪15が枠部11の内方へ撓み、フロアボード100側の係止部102との係止状態が解除されてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態の揺動装置は、枠部11の内側に装着されたハンドル20が、使用位置にあるとき、弾性係止爪15の内方への撓みを阻止して、当該弾性係止爪15とフロアボード100側の係止部102との間の係止状態を保持するように構成してある。具体的には、図10(c)(d)に示すように、ハンドル20の腕部23の側壁が、使用位置において弾性係止爪15の内側近接位置に配置され、弾性係止爪15の内方への撓みを阻止する脱落防止壁部を構成している。これにより、使用位置において、ハンドル20に大きな引張力が作用しても、弾性係止爪15とフロアボード100側の係止部102との間の係止状態は強固に保持される。
一方、不使用位置においては、図10(a)(b)に示すように、ハンドル20の腕部23の側壁(脱落防止壁部)は、弾性係止爪15の内側近接位置から離間するように、形状が調整されている。したがって、不使用位置でフロアボード100への組み付け作業を行えば、弾性係止爪15は内方へ弾力的に撓み、フロアボード100側の係止部102と支障なく係止させることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、ハンドル20をコ字状のフック部材に変更すれば、物品を引っ掛けるフック装置としても応用することができる。
本実施形態の係る揺動装置の外観を示す斜視図であり、(a)(b)はハンドルが不使用位置にあるときの斜視図、(c)はハンドル20を持ち上げた状態での斜視図である。 同じくハンドルが使用位置にあるときの揺動装置の外観を示す斜視図である。 基体を示す図で、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は断面側面図である。 ハンドルを示す図で、(a)は斜視図、(b)は底面図、(c)はスプリング組付け部を拡大して示す底面図、(d)は同じく側面断面図、(e)は治具を引っ掛けるための支持凹部を拡大して示す断面側面図である。 基体に形成した軸受部の詳細構造を示す図で、(a)は内側面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)はハンドルに形成した支軸の係合状態を示す断面図である。 ハンドルを基体へ装着するために用いる治具の構成例を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。 治具を用いたハンドルの組み付け方法を説明するための図である。 図7に続く、治具を用いたハンドルの組み付け方法を説明するための図である。 本実施形態に係る揺動装置の組付け対象への組み付け構造を示す図で、(a)は図1(a)の矢視Y方向から見た図、(b)は同じく矢視X方向から見た図である。 脱落防止壁部を構成するハンドルの機能を説明するための図で、(a)は不使用位置における揺動装置の断面側面図、(b)は不使用位置における脱落防止壁部と弾性係止爪との間の位置関係を拡大して示す断面正面図、(c)は使用位置における揺動装置の断面側面図、(d)は使用位置における脱落防止壁部と弾性係止爪との間の位置関係を拡大して示す断面正面図である。
符号の説明
10:基体、11:枠部、12:凹所、13:底部、13a:切欠口、14:軸受部、15:弾性係止爪、16a:支持壁、16b:支軸、17:案内溝、17a:薄肉部、17b:スリット、18:引掛部
20:ハンドル、21:支軸、22:基部、23:腕部、24:把持部、25:リブ、25a:支持凹部、26:スプリング組付け部、26a:支持壁、26b:軸部、26c:ノッチ、
30:プッシュボタン、
40:スプリング、40a:コイル部、40b:一端部、40c:他端部、
50:治具、51:金属棒、51a:支持杆、52:台座、
100:フロアボード、101、102:係止部

Claims (8)

  1. 組付け対象に固定される基体と、該基体に支持されて基体に沿う不使用位置と基体から立ち上がる使用位置との間を揺動自在な揺動部材と、を含む揺動装置であって、
    前記基体には、側面からの外方に突き出すとともに内外方向へ弾力的に撓み自在な弾性係止爪が側壁を切り抜いて形成してあり、当該弾性係止爪を組付け対象に設けられた係止部に係止させて前記基体を組付け対象に固定する構成となっており、
    且つ、前記揺動部材は、前記使用位置にあるとき、前記弾性係止爪の基体側壁から内側への撓みを阻止して当該弾性係止爪と前記組付け対象側の係止部との間の係止状態を保持し、一方、前記不使用位置にあるときは、前記弾性係止爪の基体側壁から内側への撓みを許容する手段を構成していることを特徴とする揺動装置。
  2. 前記揺動部材は、前記使用位置にあるとき前記弾性係止爪の内側近接位置に配置され、前記不使用位置にあるとき前記弾性係止爪の内側近接位置から離れる脱落防止壁部を備えていることを特徴とする請求項1の揺動装置。
  3. 前記揺動部材は、両側部が前記基体に軸支されるとともに、両側壁の一部が前記脱落防止壁部を形成していることを特徴とする請求項2の揺動装置。
  4. 前記揺動部材は、両側壁の一部から外方へ支軸が突出形成してあり、前記基体には、前記支軸を揺動自在に支持する軸受部が形成してあることを特徴とする請求項3の揺動装置。
  5. 前記基体は、側壁を形成する枠部と、この枠部で囲まれた前記揺動部材を収容する凹所と、この凹所の底面を塞ぐ底部とを含み、
    前記基体の底部は切欠口を有し、当該切欠口を透して基体底部側から前記揺動部材を嵌め込み、前記軸受部へ前記支軸を係合させる構成とし、
    前記基体の枠部内面には、前記軸受部よりも底部側の領域に、弾力的に撓んで前記支軸の通過を許容する薄肉部を形成したことを特徴とする請求項4の揺動装置。
  6. 前記薄肉部は、前記基体の底部側から前記軸受部へ向かって前記支軸を案内する案内溝を形成していることを特徴とする請求項5の揺動蔵置。
  7. 前記揺動部材には、両側部の中間部位にリブが起立して形成してあり、且つ当該リブには、前記支軸と同軸上の支持凹部が形成してあり、
    前記支持凹部に所定の治具を引っ掛け、当該治具で前記揺動部材を下方から支えながら、前記基体を押し下げていくことにより、前記基体の底部側から前記軸受部へ向かって前記支軸が案内される構成であることを特徴とする請求項6の揺動装置。
  8. 前記揺動部材が前記不使用位置へ向かって揺動する方向へ当該揺動部材を付勢するスプリングを有し、
    前記揺動部材には、前記スプリングをあらかじめ組み付けるための、スプリング組付け部が設けてあることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載の揺動装置。
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