上述したような集塵装置では、被処理空気が流れる空気通路に上記の格子構造の電極を配置する必要がある。ここで、例えば格子構造の電極をケーシングに直接固定するようにすると、ケーシングとの間での絶縁の確保が困難となる。また、ケーシングの内壁に所定の取付板等を取り付け、格子構造の電極の通気孔の軸方向の端部を取付板に固定することも考えられる。しかしながら、この場合には、取付板と格子構造の電極とが、軸方向に重なって配設されるため、集塵装置が空気流れ方向に大きくなってしまうという問題が生じる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、格子構造の電極をケーシング内の空気通路に確実に保持でき、且つ格子構造の電極の通気孔の軸方向における大型化を回避できる集塵装置を提案することである。
第1の発明は、複数の通気孔(46)が開口する格子構造の基台部(41)を有する第1電極(40)と、該第1電極(40)の通気孔(46)に挿通される複数の突起部(52)を有する第2電極(50)とを備え、上記第1電極(40)と第2電極(50)との間に被処理空気中の塵埃を捕集するための電界を形成する集塵装置を対象とし、上記被処理空気が流れる空気通路(23)を形成するケーシング(20)に固定されると共に、上記第1電極(40)の基台部(41)を内部に支持する枠部材(70)を更に備え、上記第1電極(40)の基台部(41)における通気孔(46)の軸方向端部には、上記枠部材(70)の内縁部(71a,72c)が嵌り込むように該基台部(41)の外縁を内方へ縮小させた切除部(61a,61b,63)が形成されていることを特徴とする。
第1の発明では、第1電極(40)の基台部(41)の通気孔(46)の内部に第2電極(50)の突起部(52)が挿通される。この集塵装置では、第1電極(40)の通気孔(46)の内周面と、第2電極(50)の突起部(52)の外周面との間に電界が形成される。被処理空気が基台部(41)の通気孔(46)を通過すると、帯電した塵埃が基台部(41)の通気孔(46)の内周面、あるいは突起部(52)の外周面に誘引されて捕集される。
第1電極(40)の基台部(41)は、枠部材(70)の内部に支持される。これにより、ケーシング(20)内の空気通路(23)では、第1電極(40)の基台部(41)が所定位置に保持される。第1電極(40)の基台部(41)における通気孔(46)の軸方向端部には、切除部(61a,61b,63)が形成される。この切除部(61a,61b,63)には、枠部材(70)の内縁部(71a,72c)が嵌り込む。このようにして、切除部(61a,61b,63)に枠部材(70)の内縁部(71a,72c)が嵌り込むと、枠部材(70)の内縁部(71a,72c)が、基台部(41)の端面から更に通気孔(46)の軸方向外側へ突出してしまうことが回避される。
第2の発明は、第1の発明において、上記枠部材(70)は、上記ケーシング(20)に取り付けられる枠状の取付枠部(71)と、上記該取付枠部(71)に取り付けられる枠状の押え枠部(72)とを有し、上記取付枠部(71)と押え枠部(72)との間に第1電極(40)の基台部(41)を挟み込んで支持するように構成され、上記第1電極(40)の基台部(41)における上記取付枠部(71)側の端部には、該取付枠部(71)の内縁部(71a)が嵌り込むように、上記切除部(61b,63)が形成されていることを特徴とする。
第2の発明では、ケーシング(20)に取り付けられる取付枠部(71)と、この取付枠部(71)に固定される押え枠部(72)との間に第1電極(40)の基台部(41)が狭持される。これにより、第1電極(40)の基台部(41)が空気通路(23)の所定位置に保持される。基台部(41)では、取付枠部(71)側の端部に切除部(61b,63)が形成され、この切除部(61b,63)に取付枠部(71)の内縁部(71a)が嵌り込む。これにより、取付枠部(71)の内縁部(71a)が、基台部(41)の端面から更に軸方向外側に突出してしまうことが回避される。
第3の発明は、第1の発明において、上記枠部材(70)は、上記ケーシング(20)に取り付けられる枠状の取付枠部(71)と、上記該取付枠部(71)に取り付けられる枠状の押え枠部(72)とを有し、上記取付枠部(71)と押え枠部(72)との間に第1電極(40)の基台部(41)を挟み込んで支持するように構成され、上記第1電極(40)の基台部(41)における上記押え枠部(72)側の端部には、該押え枠部(72)の内縁部(72c)が嵌り込むように、上記切除部(61a)が形成されていることを特徴とする。
第3の発明の基台部(41)では、押え枠部(72)側の端部に切除部(61a)が形成され、この切除部(61a)に押え枠部(72)の内縁部(72c)が嵌り込む。これにより、押え枠部(72)の内縁部(72c)が、基台部(41)の端面から更に軸方向外側に突出してしまうことが回避される。
第4の発明は、第1の発明において、上記枠部材(70)は、上記ケーシング(20)に取り付けられる枠状の取付枠部(71)と、上記該取付枠部(71)に取り付けられる枠状の押え枠部(72)とを有し、上記取付枠部(71)と押え枠部(72)との間に第1電極(40)の基台部(41)を挟み込んで支持するように構成され、上記第1電極(40)の基台部(41)における上記取付枠部(71)側の端部には、該取付枠部(71)の内縁部(71a)が嵌り込むように、上記切除部(61b,63)が形成され、上記第1電極(40)の基台部(41)における上記押え枠部(72)側の端部にも、該押え枠部(72)の内縁部(72c)が嵌り込むように、上記切除部(61b,63)が形成されていることを特徴とする。
第4の発明では、基台部(41)における軸方向の両端部にそれぞれ切除部(61a,61b,63)が形成される。そして、基台部(41)では、一方の切除部(61b,63)に取付枠部(71)の内縁部(71a)が嵌り込み、他方の切除部(61a)に押え枠部(72)の内縁部(72c)が嵌り込む。これにより、基台部(41)の端面から取付枠部(71)の内縁部(71a)が突出してしまうことが回避され、且つ基台部(41)の端面から押え枠部(72)の内縁部(72c)が突出してしまうことも回避される。
第5の発明は、第2又は第4の発明において、上記切除部は、上記基台部(41)の軸方向の端面側に近づくに連れて該基台部(41)の外縁を内方へ縮小するような傾斜部(63)を構成しており、上記取付枠部(71)の内縁部(71a)は、上記傾斜部(63)に対応して、上記基台部(41)の端面側に近づくに連れて開口を小さくするような拡大傾斜部(73)を構成していることを特徴とする。
第5の発明では、基台部(41)の切除部が傾斜部(63)を構成し、取付枠部(71)の内縁部(71a)には、この傾斜部(63)に対応するように拡大傾斜部(73)が形成される。ここで、例えば取付枠部(71)の温度が変化すると、取付枠部(71)は、その内部の開口を縮小させるように、該開口の軸心側に向かって膨張/収縮することがある。これにより、取付枠部(71)の拡大傾斜部(73)が軸心側に変位し、この拡大傾斜部(73)が基台部(41)の傾斜部(63)を押し付ける。その結果、基台部(41)は、傾斜部(63)に沿うようにして軸方向へ変位する。従って、取付枠部(71)が熱の影響によって径方向内側に伸長/収縮しても、基台部(41)の径方向の変位が抑制される。
第6の発明は、第2乃至第4のいずれか1つの発明において、上記切除部は、上記基台部(41)の端部の外縁に段差を形成する段部(61a,61b)によって構成されていることを特徴とする。
第6の発明では、取付枠部(71)と押え枠部(72)とのいずれか一方又は両方に形成される切除部が、段部(61a,61b)によって構成される。即ち、取付枠部(71)の内縁部(71a)や押え枠部(72)の内縁部(72c)は、基台部(41)の外縁に形成される段差に嵌り込む。これにより、基台部(41)の端面から取付枠部(71)の内縁部(71a)や押え枠部(72)の内縁部(72c)が突出してしまうことが回避される。
第7の発明は、第1乃至第6のいずれか1つの発明において、上記第1電極(40)は金属材料で構成され、上記枠部材(70)は樹脂材料で構成されていることを特徴とする。
第7の発明では、金属材料から成る第1電極(40)の基台部(41)が、樹脂材料から成る枠部材(70)の内部に支持される。
本発明では、第1電極(40)の基台部(41)を枠部材(70)の内部に支持しているので、ケーシング(20)内の空気通路に第1電極(40)を確実に保持できる。また、第1電極(40)の基台部(41)の端部において、枠部材(70)の内縁部(71a,72c)が嵌り込むように基台部(41)の外縁を縮小させる切除部(61a,61b,)を形成している。このため、枠部材(70)の内縁部(71a,72c)が、基台部(41)の端面よりも外側へ突出してしまうことが回避される。その結果、この集塵装置が、基台部(41)の通気孔(46)における軸方向に大きくなってしまうことを防止でき、集塵装置の薄型化を図ることができる。
特に、第2の発明では、取付枠部(71)の内縁部(71a)を、基台部(41)の切除部(61b,63)に嵌め込むようにしている。このため、取付枠部(71)が基台部(41)の端面よりも軸方向外側へ突出してしまうことが回避される。また、取付枠部(71)の内縁部(71a)を切除部(71a,72c)に嵌め込むことで、取付枠部(71)に対して基台部(41)の位置決めを確実に行うことができる。従って、このような位置決めを行った後に、取付枠部(71)に押え枠部(72)を固定することで、第1電極(40)の位置決めの精度を向上できる。
また、第3の発明では、押え枠部(72)の内縁部(72c)を、基台部(41)の切除部(61a)に嵌め込むようにしている。このため、押え枠部(72)が基台部(41)の端面よりも軸方向外側へ突出してしまうことが回避される。その結果、集塵装置の薄型化を図ることができる。また、押え枠部(72)の近傍に第2電極(50)が配置されている場合、押え枠部(72)と第2電極(50)との間の絶縁距離を充分に確保することができる。
第4の発明では、基台部(41)の一方の端部に取付枠部(71)の内縁部(71a)が嵌り込む切除部(61b,63)を形成し、他方の端部に押え枠部(72)の内縁部(72c)が嵌り込む切除部(61a)を形成している。その結果、取付枠部(71)と押え枠部(72)との双方を切除部(61a,61b,63)に納めることができ、集塵装置の薄型化を更に図ることができる。
第5の発明では、基台部(41)の切除部として傾斜部(63)を形成し、取付枠部(71)の内縁部(71a)には、傾斜部(63)に対応する拡大傾斜部(73)を形成している。このため、取付枠部(71)が熱の影響によって径方向内側に伸長/収縮した場合にも、基台部(41)を傾斜部(63)に沿うようにして開口方向へ変位させることができる。これにより、取付枠部(71)の熱による膨張/収縮に伴い、取付枠部(71)や基台部(41)に作用する応力を軽減でき、取付枠部(71)や基台部(41)の変形/破損を防止できる。
また、このようにすると、基台部(41)が径方向へ変位してしまうことを抑制できるので、第2電極(50)の突起部(52)と、第1電極(40)の通気孔(46)内壁との間の距離が変化してしまうことも防止できる。その結果、突起部(52)の外周面と通気孔(46)内壁との間で所望とする電界を形成することができ、集塵性能の安定化を図ることができる。
第6の発明では、基台部(41)に切除部として段部(61a,61b)を形成している。従って、比較的単純な構造により、取付枠部(71)や押え枠部(72)の内縁部(71a,72c)を段部(61a,61b)の段差に嵌め込むことができる。
第7の発明では、枠部材(70)を樹脂材料としている。ここで、枠部材(70)を樹脂材料で構成すると、例えば枠部材を金属材料で構成した場合と比較して、枠部材の厚みが大きくなる。しかしながら、本発明では、この枠部材(70)の内縁部(71a,72c)を切除部(61a,61b,63)に納めるようにしたので、集塵装置の厚みが大きくなってしまうこともない。
また、枠部材(70)を樹脂材料で構成して第1電極(40)を金属材料で構成した場合、枠部材(70)の方が第1電極(40)よりも熱によって膨張/収縮し易くなる。このため、例えば集塵装置の周囲温度が変化した場合、枠部材(70)によって第1電極(40)の基台部(41)が径方向に押し付けられ易くなる。しかしながら、上記の第4の発明のようにすることで、取付枠部(71)や基台部(41)の変形/破損を防止でき、且つ基台部(41)の径方向の変位を防止して集塵性能を維持できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
実施形態1の空気清浄機(10)は、一般家庭や小規模店舗などで用いられる民生用の空気浄化装置であって、本発明に係る集塵装置を構成している。
〈空気清浄機の全体構成〉
図1および図2に示すように、空気清浄機(10)は、ケーシング(20)を備えると共に、該ケーシング(20)の内部に収納されたプレフィルタ(11)と荷電部(12)と集塵部(30)と触媒フィルタ(13)と送風機(14)とを備えている。
上記ケーシング(20)は、例えば、矩形状の横長の容器に形成され、前面が空気の吸込口(21)に形成され、背面が空気の吹出口(22)に形成され、内部が空気通路(23)に形成されている。そして、プレフィルタ(11)と荷電部(12)と集塵部(30)と触媒フィルタ(13)と送風機(14)とが吸込口(21)から吹出口(22)に向かって順に配置されている。
上記プレフィルタ(11)は、吸込口(21)からケーシング(20)内に吸込まれた空気に含まれる比較的大きな塵埃を捕集するためのフィルタを構成している。
上記荷電部(12)は、イオン化部を構成し、プレフィルタ(11)を通過した比較的小さな塵埃を帯電させるものである。この荷電部(12)は、図示しないが、例えば、複数のイオン化線と、複数の対向電極から構成され、該イオン化線と対向電極との間に直流電圧が印加されるように構成されている。イオン化線は、荷電部(12)の上端から下端に亘って設けられ、対向電極はイオン化線の間に配置されている。荷電部(12)では、被処理空気中の塵埃が正の電荷に帯電される。
上記集塵部(30)は、荷電部(12)で帯電した塵埃を吸着して捕集するものである。この集塵部(30)の詳細については後述する。
上記触媒フィルタ(13)は、図示しないが、例えばハニカム構造の基材の表面に触媒が担持されて構成されている。その触媒としては、例えば、マンガン系触媒や貴金属触媒などが用いられ、集塵部(30)を通過して塵埃が除去された空気中の有害成分や臭気成分を分解する。
上記送風機(14)は、ケーシング(20)内の空気通路(23)において最下流側に配置されている。この送風機(14)は、室内空気をケーシング(20)内に吸い込み、清浄空気を室内に吹き出すためのものである。
〈集塵部の構成〉
上記集塵部(30)の詳細構造について図3〜図5を参照しながら説明する。集塵部(30)は、第1電極としての集塵電極(40)と、第2電極としての高圧電極(50)とを備えている。なお、第1電極を高圧電極(50)とし、第2電極を集塵電極(40)としても良い。集塵電極(40)及び高圧電極(50)は、直流電源に接続されており、直流電源から両電極(40,50)に電圧が印加される。具体的には、集塵電極(40)はアース側に接続され、高圧電極(50)は直流電源のプラス側に接続されている。このため、荷電部(12)でプラスに帯電した塵埃は、集塵電極(40)の表面に捕集される。即ち、集塵電極(40)の表面には、被処理空気中の塵埃を捕集するための集塵面が形成されている。
集塵電極(40)は、金属材料で構成されており、詳細には導電性のステンレスバネ鋼製の薄板金属によって構成されている。一方、高圧電極(50)は、導電性の樹脂材料で構成されている。高圧電極(50)は、射出成形等によって一体的に形成されている。また、高圧電極(50)の材質は、微導電性樹脂であることが好ましく、特に体積抵抗率が108Ωcm以上1013Ωcm以下の樹脂であることが好ましい。
集塵電極(40)と高圧電極(50)とは、互いに類似した形状をしており、一部が相互に挿入自在な差し込み構造に構成されている(図3を参照)。また、集塵電極(40)は、空気通路(23)における空気流れの上流側寄りに配置され、高圧電極(50)は、空気通路(23)における空気流れの下流側寄りに配置されている。
集塵電極(40)は、集塵側基台部(41)と集塵側突起板(42)とを備えている。更に集塵側基台部(41)は、複数の縦仕切板(44)と複数の横仕切板(45)とを備えている。
縦仕切板(44)及び横仕切板(45)は、それぞれ板状に形成されており、それぞれが所定の間隔を介して互いに平行に配列されている。縦仕切板(44)及び横仕切板(45)には、集塵側基台部(41)の厚さ方向(図3における上下の方向)にそれぞれスリットが形成されている。集塵側基台部(41)では、縦仕切板(44)と横仕切板(45)とが互いに直交するように、両者の仕切部(44,45)が相対するスリットに嵌合して格子構造が構成されている。なお、集塵側基台部(41)の厚さ方向に延びるスリットは、縦仕切板(44)と横仕切板(45)とのいずれか一方のみに形成しても良いし、両方に形成しても良い。
以上のようにして、集塵側基台部(41)は、複数の縦仕切板(44)と複数の横仕切板(45)とが互いに直交するように組み合わされて四角格子構造の基台部を構成している。そして、集塵側基台部(41)では、縦仕切板(44)と横仕切板(45)とによって長方形状の複数の通気孔(46)が区画されている。
集塵電極(40)の各通気孔(46)のアスペクト比は、2.0以上4.0以下となっている。ここで、アスペクト比は、通気孔(46)の縦方向の長さをaとし、この通気孔(46)の横方向の長さをbとした場合に、bに対するaの比率(a/b)を表すものである(図4を参照)。
上記複数の集塵側突起板(42)は、上記集塵側基台部(41)の縦仕切板(44)の幅方向(通気孔(46)の軸方向)の端部に形成されている。即ち、集塵側突起板(42)は、集塵側基台部(41)から通気孔(46)の軸方向に突出する突起部を構成している。縦仕切板(44)と集塵側突起板(42)とは、一体的な一枚の金属板を構成している。
集塵側突起板(42)は、集塵側基台部(41)の複数の通気孔(46)に跨るように格子線上に延びる長板状に形成されている。つまり、集塵側突起板(42)は、同列上で互いに隣接する複数の通気孔(46)に沿うようにして、縦仕切板(44)の長手方向に延びる略長板状に形成されている。本実施形態の集塵側突起板(42)は、3つの通気孔(46)に跨る長板状に形成されている。また、本実施形態では、1枚の縦仕切板(44)に3つの集塵側突起板(42)が並設されている(図3を参照)。
高圧電極(50)は、高圧側基台部(51)と高圧側突起板(52)とを備えている。更に高圧側基台部(51)は、枠部(53)と複数の縦仕切板(54)と複数の横仕切板(55)とを備えている。また、集塵部(30)では、集塵側基台部(41)が高圧側基台部(51)よりも空気通路(23)の空気流れの上流側に配置されている。
枠部(53)は、矩形状に形成されており、その内部に上記縦仕切板(54)及び横仕切板(55)を一体的に支持されている。縦仕切板(54)及び横仕切板(55)は、それぞれ板状に形成されており、それぞれが所定の間隔を介して互いに平行に配列されている。なお、高圧側基台部(51)の縦仕切板(54)及び横仕切板(55)の板厚は、集塵側基台部(41)の縦仕切板(44)及び横仕切板(45)の板厚よりも大きくなっている。また、高圧側基台部(51)において、縦仕切板(54)同士の間隔は横仕切板(55)同士の間隔よりも狭くなっている。
高圧側基台部(51)は、複数の縦仕切板(54)と複数の横仕切板(55)とが互いに直交するように組み合わされて四角格子構造の基台部を構成している。そして、高圧側基台部(51)では、縦仕切板(54)と横仕切板(55)とによって複数の通気孔(56)が区画されている。
高圧電極(50)の通気孔(56)は、集塵側突起板(42)に相対するように該集塵側突起板(42)の延伸方向に延びる長穴状に形成されている。つまり、高圧電極(50)の通気孔(56)は、集塵電極(40)の3つの通気孔(46,46,46)に概ね対応するように、縦仕切板(54)の長手方向に延びる縦長の長方形状をしている。
高圧電極(50)の各通気孔(56)のアスペクト比は、集塵電極(40)の通気孔(46)のアスペクト比よりも大きくなっている。本実施形態では、高圧電極(50)の各通気孔(56)のアスペクト比が、集塵電極(40)の通気孔(46)のアスペクト比の概ね3倍となっている。
上記複数の高圧側突起板(52)は、高圧側基台部(51)の縦仕切板(54)の幅方向(通気孔(56)の軸方向)の端部に形成されている。即ち、高圧側突起板(52)は、高圧側基台部(51)から通気孔(56)の軸方向に突出する突起部を構成している。高圧側突起板(52)の幅方向(縦仕切板(54)の長手方向)の長さは、集塵側突起板(42)の幅方向(縦仕切板(44)の長手方向)の長さよりも短くなっている。そして、高圧側基台部(51)における縦仕切板(54)では、1つの通気孔(56)に沿った長辺側の縁部(54a)に、複数の高圧側突起板(52)が通気孔(56)の長手方向に並設されている。具体的には、高圧電極(50)では、1つの通気孔(56)に沿って3つの高圧側突起板(52)が所定の間隔を介して配列されており、各高圧側突起板(52)が集塵電極(40)の各通気孔(46)と1対1の関係で相対している。
図5に示すように、集塵電極(40)と高圧電極(50)とを組み合わせた状態とすると、各集塵側突起板(42)が高圧電極(50)の各通気孔(56)に挿通し、且つ高圧側突起板(52)が集塵電極(40)の各通気孔(46)に挿通する。集塵電極(40)と高圧電極(50)とは、集塵側基台部(41)と高圧側基台部(51)とが互いに接触することなく、所定の間隔を介して対向するように配置される。
この組み合わせ状態において、高圧電極(50)の各横仕切板(55)は、集塵電極(40)の横仕切板(45)と概ね同一平面上に位置する。また、集塵電極(40)の各縦仕切板(44)と高圧電極(50)の各縦仕切板(54)とは、横仕切板(45,55)の延伸方向において、千鳥状に配列される。これにより、高圧側突起板(52)は、集塵電極(40)の通気孔(46)の幅方向の中央部に位置し、且つ集塵側突起板(42)は、高圧電極(50)の通気孔(56)の幅方向の中央部に位置している。また、高圧側突起板(52)は、集塵電極(40)の通気孔(46)の長手方向の中央部に位置し、且つ集塵側突起板(42)は、高圧電極(50)の通気孔(56)の長手方向の中央部に位置している。そして、集塵側基台部(41)では、通気孔(46)の内周面と高圧側突起板(52)の外周面との間に、被処理空気が流通する矩形筒状の流路が形成される。また、高圧側基台部(51)では、通気孔(56)の内周面と集塵側突起板(42)の外周面との間に、被処理空気が流通する矩形筒状の流路が形成される。なお、本実施形態では、高圧側突起板(52)の外周面と通気孔(46)の内周面との間の距離は、全周に亘って概ね均一な距離となっている。また、集塵側突起板(42)の外周面と通気孔(56)の内周面との間の距離も、全周に亘って概ね均一な距離となっている。
以上のような構成の集塵部(30)において、集塵電極(40)と高圧電極(50)とに電位差が付与されると、集塵電極(40)と高圧電極(50)との間に電界が形成され、集塵電極(40)の表面に被処理空気中の塵埃を捕集する集塵面が形成される。
具体的には、集塵側基台部(41)においては、通気孔(46)の内周面と高圧側突起板(52)の外周面との間の流路に、横断面視で放射状の電界が形成される。これにより、通気孔(46)の内周面には、プラスに帯電した塵埃を捕集するための集塵面(48,48,48,48)が形成される。また、高圧側基台部(51)においては、集塵側突起板(42)の外周面と通気孔(56)の内周面との間の流路に、横断面視で放射状の電界が形成される。これにより、集塵側突起板(42)の外周面には、プラスに帯電した塵埃を捕集するための集塵面(58,58,58,58)が形成される。
〈集塵部の取付構造〉
上記の集塵部(30)では、集塵電極(40)及び高圧電極(50)がケーシング(20)に固定されて空気通路(23)に保持されている。このような集塵部(30)の取付構造について説明する。
図3に示すように、集塵側基台部(41)の外周縁部では、縦仕切板(44)及び横仕切板(45)の長手方向の端部が、外周側へ突出して突出端部(44a,45a)を構成している。即ち、集塵側基台部(41)では、最も端の縦仕切板(44)から外方へ突出する複数の縦突出端部(44a)が形成され、最も端の横仕切板(45)から外方へ突出する複数の横突出端部(45a)が形成されている。
更に詳細には、図6に示すように、各縦仕切板(44)では、長手方向の両側の側端について、集塵側基台部(41)における通気孔(46)の軸方向両端に段部(61a,61b)が形成されている。即ち、各縦仕切板(44)では、高圧電極(50)側の端部に第1段部(61a)が形成され、高圧電極(50)と反対側の端部に第2段部(61b)が形成されている。これらの段部(61a,61b)は、集塵側基台部(41)の外縁に段差を形成しており、両段部(461a,61b)の間に上記縦突出端部(44a)を形成している。
同様にして、図7に示すように、各横仕切板(45)では、長手方向の両側の側端について、集塵側基台部(41)における通気孔(46)の両端に段部(61a,61b)が形成されている。即ち、横仕切板(45)においても、高圧電極(50)側の端部に第1段部(61a)が形成され、高圧電極(50)と反対側の端部に第2段部(61b)が形成されている。これらの段部(61a,61b)は、集塵側基台部(41)の外縁に段差を形成しており、両段部(61a,61b)の間に上記横突出端部(45a)を形成している。以上のようにして、段部(61a,61b)は、集塵側基台部(41)の軸方向端部の外縁(外周縁部)を内方(内周方向)へ縮小させる切除部を構成している。
集塵部(30)は、集塵電極(40)及び高圧電極(50)を支持するための枠部材(70)を備えている。この枠部材(70)は、取付枠部(71)と押え枠部(72)とを有している。取付枠部(71)及び押え枠部(72)は、それぞれ枠体から成りその内部に矩形状の開口が形成されている。そして、枠部材(70)は、取付枠部(71)と押え枠部(72)との間に集塵側基台部(41)を挟み込むことで、集塵側基台部(41)を内部に保持するように構成されている。
取付枠部(71)は、略平板状に形成されており、その外周側の端部がケーシング(20)の内壁に取り付けられている(図示省略)。取付枠部(71)は、絶縁性の樹脂材料で構成されている。なお、取付枠部(71)には、柱状のスペーサーが高圧電極(50)側に向かって延出して形成されており、このスペーサーの先端部に高圧電極(50)が支持されている。取付枠部(71)の内縁部(71a)は、集塵側基台部(41)の段部(61b)に沿うように形成されている。即ち、取付枠部(71)に対応する段部(61b)は、取付枠部(71)の内縁部(71a)が嵌合するように段差を形成している。
押え枠部(72)は、矩形筒状の胴部(72a)と、この胴部(72a)の一端から径方向外側へ屈曲する固定部(72b)と、胴部(72a)の他端から径方向内側へ屈曲する押え部(72c)とが一体的に構成されている。胴部(72a)は、集塵側基台部(41)の外周縁に沿うように形成されている。固定部(72b)は、締結具等によって取付枠部(71)に固定されるように構成されている。即ち、押え枠部(72)は、取付枠部(71)に着脱自在に取り付け可能となっている。押え部(72c)は、集塵側基台部(41)の段部(61a)に沿うように形成され、押え枠部(72)の内縁部を構成している。即ち、押え枠部(72)に対応する段部(61a)は、押え部(72c)が嵌合するように段差を形成している。また、押え部(72c)は、高圧側基台部(51)に対向するように配置されている。
以上のような構成の枠部材(70)は、縦仕切板(44)の縦突出端部(44a)と、横仕切板(45)の横突出端部(45a)とを、取付枠部(71)と押え枠部(72)との間に狭持している。これにより、集塵電極(40)は、高圧電極(50)と所定の間隔を介しながら空気通路(23)に保持されている。
−運転動作−
次に空気清浄機(10)の運転動作について説明する。図1および図2に示すように、送風機(14)を駆動すると、被処理空気である室内空気がケーシング(20)の空気通路(23)に吸引され、該空気通路(23)を流れる。また、空気清浄機(10)では、荷電部(12)のイオン化線と対向電極との間に直流電圧が印加され、集塵部(30)の集塵電極(40)と高圧電極(50)との間に直流電圧が印加される。
ケーシング(20)の空気通路(23)に吸引された室内空気は、先ずプレフィルタ(11)を通過する。プレフィルタ(11)は、室内空気に含まれる比較的大きな塵埃を捕集する。プレフィルタ(11)を通過した室内空気は、荷電部(12)に流れる。この荷電部(12)では、プレフィルタ(11)を通過した比較的小さな塵埃がプラスに帯電し、プラスに帯電した塵埃が下流側に流れることになる。
続いて、プラスに帯電した塵埃は、室内空気と共に集塵部(30)を流れる。図5に示すように、集塵部(30)では、先ず、室内空気が集塵側基台部(41)に流入する。集塵側基台部(41)では、室内空気が通気孔(46)を流通する。ここで、集塵側基台部(41)では、通気孔(46)の内周面と高圧側突起板(52)の外周面との間で電界が形成されている。このため、プラスに帯電した塵埃は、通気孔(46)の内周側の集塵面(48)に誘引されて付着していく。その結果、室内空気中の塵埃が除去される。
次いで、集塵側基台部(41)を通過した室内空気は、高圧側基台部(51)に流入する。高圧側基台部(51)では、室内空気が通気孔(56)を流通する。ここで、高圧側基台部(51)では、通気孔(56)の内周面と集塵側突起板(42)の外周面との間で電界が形成されている。このため、室内空気中に残存する塵埃は、集塵側突起板(42)の外周の集塵面(58)に誘引されて付着していく。その結果、室内空気中の塵埃が更に除去される。
集塵部(30)で塵埃が除去された空気は、触媒フィルタ(13)を流れる。触媒フィルタ(13)では、空気中の有害物質や臭気物質が分解/除去される。以上のようにして清浄化された空気は、送風機(14)を通過して、吹出口(22)より室内へ供給される。空気清浄機(10)は、このような動作を行うことで、室内空気を清浄化する。
〈集塵部の取付作業について〉
次に、集塵電極(40)を枠部材(70)に取り付ける作業例について説明する。まず、ケーシング(20)の内壁に、図6及び図7に示す取付枠部(71)を固定する。次いで、取付枠部(71)の内縁部(71a)の内側の開口に、集塵側基台部(41)の端部を内嵌させる。これにより、集塵側基台部(41)は、取付枠部(71)によって位置決めされる。次いで、集塵側基台部(41)の外縁を覆うように押え枠部(72)を被せる。そして、押え部(72c)の内側に集塵側基台部(41)の突出端部(44a,45a)を内嵌させる。この状態で、固定部(72b)を取付枠部(71)に締結することで、枠部材(70)の内部に集塵側基台部(41)が保持される。
以上のように、枠部材(70)に集塵側基台部(41)を取り付けた状態では、段部(61b)に取付枠部(71)の内縁部(71a)が嵌り込む。このため、取付枠部(71)が外側(図6及ぶ図7における下側)へ突出してしまうことがない。
即ち、例えば図11に示す比較例の集塵部(100)においては、集塵側基台部(101)に本実施形態の第2段部(61b)を形成していないので、取付枠部(102)が集塵側基台部(101)よりも軸方向外側(図11における下側)へ突出してしまう。その結果、比較例の集塵部(100)では、その設置スペースが集塵側基台部(101)の厚さ方向に大きくなってしまう。これに対し、本実施形態の集塵部(30)では、取付枠部(71)を第2段部(61b)の段差に納めることができる。このため、この集塵部(30)では、その設置スペースが集塵側基台部(41)の厚さ方向に大きくなってしまうことが回避される。
同様に、枠部材(70)に集塵側基台部(41)を取り付けた状態では、第1段部(61a)に押え枠部(72)の押え部(72c)が嵌り込む。このため、押え部(72c)が軸方向外側(図6及び図7における上側)へ突出してしまうこともない。
即ち、例えば図11に示す比較例の集塵部(100)においては、集塵側基台部(101)に本実施形態の第2段部(61b)を形成していないので、押え枠部(103)の押え部(103c)が集塵側基台部(101)よりも外側(図11における上側)へ突出してしまう。その結果、比較例の集塵部(100)では、その設置スペースが集塵側基台部(101)の厚さ方向に更に大きくなってしまう。これに対し、本実施形態の集塵部(30)では、押え部(72c)を第1段部(61a)の段差に納めることができる。このため、この集塵部(30)では、その設置スペースが集塵側基台部(41)の厚さ方向に大きくなってしまうことが回避される。
−実施形態1の効果−
上記実施形態1では、集塵側基台部(41)の軸方向端部に第1段部(61a)と第2段部(61b)とを形成し、第2段部(61b)の段差に取付枠部(71)の内縁部(71a)を嵌め込み、且つ第1段部(61a)の段差に押え枠部(72)の押え部(72c)を嵌め込むようにしている。これにより、本実施形態の集塵部(30)では、図11の比較例で示すように、取付枠部(71)や押え部(72c)が、集塵側基台部(41)の両端側に重なってしまうことがないので、集塵部(30)の薄型化を図ることができる。また、取付枠部(71)と押え部(72c)との間に集塵側基台部(41)を挟み込んで支持することで、集塵側基台部(41)を空気通路(23)に確実に保持できる。
また、取付枠部(71)の内縁部(71a)に第2段部(61b)を嵌め込むことで、集塵側基台部(41)の位置決めを行うことができる。その結果、集塵電極(40)の位置決めの精度が向上するため、集塵電極(40)と高圧電極(50)との間の距離を適正に保つことができる。更に、押え部(72c)を第1段部(61a)に嵌め込むようにすると、押え部(72c)と高圧側基台部(51)との間の距離も広くなる。従って、高圧電極(50)と押え部(72c)との間の絶縁距離を充分に保つことができる。
〈実施形態1の変形例〉
上記実施形態1では、集塵側基台部(41)の開口方向の両側の端部に、段部(61a,61b)をそれぞれ形成するようにしている。しかしながら、例えば図8に示すように、取付枠部(71)側の端部のみに段部(61b)を形成しても良いし、図9に示すように、押え枠部(72)側の端部のみに段部(61a)を形成しても良い。
《実施形態2》
実施形態2は、上記実施形態1について、集塵部(30)の構成が異なるものである。具体的には、図10に示すように、実施形態2の集塵側基台部(41)では、実施形態1の第1段部(61a)に換えて、切除部としての傾斜部(63)が形成されている。傾斜部(63)は、集塵側基台部(41)の軸方向端面に近づくに連れて外縁を内方へ縮小するような形状をしている。即ち、傾斜部(63)は、縦仕切板(44)及び横仕切板(45)の長手方向の端部において、取付枠部(71)側の角部を斜めに切除することで構成されている。
一方、実施形態2の取付枠部(71)の内縁部(71a)は、集塵側基台部(41)の傾斜部(63)に対応するように、拡大傾斜部(73)を構成している。つまり、拡大傾斜部(73)は、集塵側基台部(41)の端面側に近づくに連れて内部の開口を小さくするように傾斜している。そして、集塵側基台部(41)では、傾斜部(63)が取付枠部(71)の拡大傾斜部(73)に嵌り込んでいる。一方、集塵側基台部(41)の押え枠部(72)側の端部には、上記実施形態1と同様、第1段部(61a)が形成されており、この第1段部(61a)に押え部(72c)が嵌り込んでいる。
この実施形態2においても、取付枠部(71)の内縁部(71a)が傾斜部(63)に嵌り込み、且つ押え部(72c)が第1段部(61a)に嵌り込むため、図11に示す比較例と比較して、集塵部(30)の薄型化を図ることができる。
また、実施形態2では、樹脂材料から成る取付枠部(71)が、熱によって膨張/収縮した場合に、取付枠部(71)や集塵側基台部(41)に作用する応力を軽減し、且つ集塵側基台部(41)が径方向に変位してしまうことを防止している。
具体的には、例えば取付枠部(71)が熱によって膨張又は収縮し、取付枠部(71)の内縁部(71a)が径方向内側に変位したとする。この場合、拡大傾斜部(73)が傾斜部(63)を押し付けられる。その結果、傾斜部(63)が拡大傾斜部(73)をすべるようにしながら、集塵側基台部(41)が、図10における上側へ変位する。このため、取付枠部(71)や集塵側基台部(41)に作用する応力が軽減されるので、取付枠部(71)や集塵側基台部(41)が変形したり、破損したりすることが回避される。
また、このように集塵側基台部(41)を通気孔(46)の軸方向に変位させると、集塵側基台部(41)が径方向に変位してしまうことが回避される。集塵側基台部(41)の径方向での変位が回避されると、集塵側基台部(41)の通気孔(46)の内壁と、高圧側突起板(52)との間の距離が変化してしまうことも回避される。このため、集塵側基台部(41)の通気孔(46)の内壁と、高圧側突起板(52)との間では、所望の電界が形成されるので、集塵性能の安定化を図ることができる。
また、同図の構成において、取付枠部(71)が熱によって膨張又は収縮し、取付枠部(71)の内縁部(71a)が径方向の外側に変位したとする。この場合には、取付枠部(71)の内縁部(71a)の開口が広がり、集塵側基台部(41)が押え枠部(72)に押さえられて、図10における下側へ変位する。従って、このような場合にも、集塵側基台部(41)の径方向の変位を回避できるので、集塵性能の安定化を図ることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態では、基台部(41)に切除部としての段部(61a,61b)や傾斜部(63)を形成しているが、これ以外の形状の切除部を形成し、この切除部に枠部材(70)の内縁部を嵌め込むようにしても良い。
また、上記実施形態において、集塵電極(40)を導電性の樹脂材料で構成しても良いし、高圧電極(50)を金属材料で構成しても良い。また、荷電部(12)は、塵埃をマイナスに帯電させるものであっても良く、集塵電極(40)は、マイナスに帯電した塵埃を捕集する集塵面が形成されるものであっても良い。
また、上記実施形態では、集塵電極(40)の集塵側基台部(41)を上流側に、高圧電極(50)の高圧側基台部(51)を下流側に配置しているが、高圧側基台部(51)を上流側に、集塵側基台部(41)を下流側に配置するようにしても良い。