JP2010118963A - 撮像装置及びその制御方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】ビデオスルーモードの後に長時間露光を行う場合の、暗電流補正をより正確に行なえるようにする。
【解決手段】複数の画素と、画素信号を増幅する読み出しアンプとを有する撮像素子と、撮像された画像を表示する表示部と、ライブビュー動作を行わせるように撮像素子と表示部とを制御する表示制御部と、ライブビュー動作の後に撮像素子を所定の露光時間だけ露光させて得られた第1の画像信号から、撮像素子を遮光した状態で所定の露光時間と同じ蓄積時間だけ撮像素子に電荷の蓄積を行わせて得られた第2の画像信号を差し引くことにより、暗電流成分を除去するノイズ除去部と、撮像素子が第1の画像信号を取得する間の時間と、撮像素子が第2の画像信号を取得する間の時間とで、撮像素子で発生する平均暗電流量がほぼ同じとなるように読み出しアンプの駆動を制御する駆動制御部とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、CCDやCMOSイメージセンサ等の撮像素子を用いた撮像装置に関するものである。特にビデオスルーモード等のいわゆるライブビュー動作や高速連写撮影で連続して露光と信号読み出しを行った場合の撮像素子の発熱による画像劣化を抑制する技術に関するものである。
デジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置においては、撮像素子としてCCDやCMOSイメージセンサを使用するのが一般的である。近年では撮像素子の大型化も進み、デジタルカメラなどでは35mmフィルムサイズと同等サイズのCCDやCMOSセンサを用いた製品も出現している。
上記撮像素子の特性として、画素部の結晶欠陥による暗電流が固定パターンノイズとなり、撮像された画像の画質を低下させていることはよく知られている。
この暗電流による画像劣化を補正する方法として、以下の(1)〜(3)の方法が知られている。
(1)暗電流は撮像素子の温度や信号蓄積時間に応じて増減するため、実際の撮影動作直後に、撮像素子全体を遮光した状態で実際の撮影と同じ時間だけ蓄積動作を行うことで、暗電流成分のみの画像を得る。そして、実際の撮影画像信号から減算するようにすることで、温度変化分、蓄積時間分を含んだ暗電流による固定パターンノイズによる画質の低下を低減させる(以下実時間ダーク減算による暗電流補正と呼ぶ)。
この方法は、暗電流による画像劣化に対して非常に有効な補正方法であるが、暗電流成分のみの画像を得るために実際の撮影と同じ時間だけ蓄積動作を行う必要があり、カメラの操作性を損なうという問題があった。
(2)特開平1−147973号公報(特許文献1)には、次のような方法が開示されている。すなわち、あらかじめ所定温度範囲毎に固定パターンノイズを記憶すると共に撮像素子の温度を検出し、検出温度に対応してあらかじめ記憶された固定パターンノイズを読み出し、実際の撮影画像信号から減算することで、固定パターンノイズを補正する。
この方法は、撮像素子全体の温度が安定して周囲温度と同じ場合は非常に有効であり、実際の撮影と同じ時間だけ蓄積動作を行う必要が無いため、カメラの操作性の問題もかなり改善される。
(3)特開平10−208016号公報(特許文献2)には、次のような方法が開示されている。すなわち、上記の(1)の「実ダーク減算による補正」の改善策として、撮像素子全体を遮光した状態で実際の撮影時間より短い時間の蓄積動作を実撮影動作の前後に行い、実蓄積時間との差分を補正しつつ実撮影画像信号から減算する。
特開平1−147973号公報 特開平10−208016号公報
しかしながら、大型の撮像素子においては、暗電流は周囲温度だけではなく撮像素子自身の温度分布にも依存する。
例えば、デジタルカメラ等のピント合わせや構図合わせの際は、いわゆるビデオスルーモード(ライブビュー)を用いて外部LCD等に被写体を表示するため、撮像素子内部では信号蓄積と信号読み出しが連続して行われている。そのため、特に読み出し回路が駆動されることにより撮像素子が発熱し暗電流が増加する。
特に近年の大型撮像素子においては、撮像素子全面積に対して発熱源である読み出し回路部の面積割合が小さいため、撮像素子の中でも読み出し回路周辺部の温度とそれ以外の部分の温度差が大きくなり、画面内の暗電流むらが発生する。
ここで発生する暗電流むらは、周囲温度によって発生するのではなく、読み出し動作を継続することにより発生しているものである。そのため、読み出し動作を継続している間は読み出し回路を中心に暗電流むらが増加し、読み出し回路への電源供給を停止した状態では暗電流むらが減少する傾向になる。
撮像素子の例を図9に示す。
この撮像素子の場合、読み出しアンプ704が撮像素子の左上近傍に配置されている。そのためこの読み出しアンプ704付近が発熱すると、図9に示すように読み出しアンプ704付近の暗電流の発生量が多くなってしまい、暗電流量の少ない周辺部903との間で面内暗電流ムラが発生し、画像が大きく劣化してしまう。垂直出力線702や列読み出し回路703内の列読み出しアンプ付近も発熱による暗電流の増加が生じるが、読み出しアンプ704による影響が最も大きいので、ここでは読み出しアンプ704を例にあげて説明を行う。
このような撮像素子で長時間露光を行う場合、この読み出しアンプ704のように、長時間の蓄積時間中に撮像素子内で電力を消費し発熱する回路ブロックが存在すると、部分的な暗電流むらが生じる。そのため、これまで種々の方法により蓄積期間中の撮像素子内の回路ブロックの消費電力を低減する方法が検討されてきた。
たとえばこの読み出しアンプ704の電力供給を蓄積時間中は停止し、読み出し時間中のみ行う、といった電力供給の制御方法も、このような暗電流むらを低減するために行われている。
次にこの撮像素子の動作を図8を用いて説明する。
図8は、ピント合わせや構図合わせを長時間行った直後の長時間露光を説明しており、横軸を時間軸としている。
まず、ピント合わせや構図合わせを行わせるために所謂ビデオスルーモード(ライブビュー)でカメラを動作させる。ビデオスルーモード中は、カメラのシャッタを開いたまま撮像素子の蓄積と読み出しを高速に繰り返し、読み出した画像を処理した後、液晶などの外部表示装置に表示させている。
読み出し期間中は、この読み出しアンプ704が動作するため、読み出しアンプ704が動作するために充分な電力を供給している。一方蓄積期間中は、読み出しアンプ704の動作が不要であり、この撮像素子は蓄積時間中の読み出しアンプ704への電力の供給を停止することが可能であるので、この時間は電力の供給を停止する。これにより、消費電力を低減させるとともに、読み出しアンプ704の発熱を抑制する。
しかしながら、ビデオスルーモード中では、単位時間内で読み出しアンプ704への電力を遮断している蓄積時間と、読み出しアンプ704へ電力を供給する読み出し時間の比に応じた平均電力を消費することとなる。この場合、たとえば1秒間に30フレームもの読み出しを行うことを想定すると、通常の静止画撮影時に比べてはるかに大きな電力を消費することとなり、撮像素子の読み出しアンプ704の付近は著しく発熱する。
そのため、読み出しアンプ704付近の温度は、ビデオスルーモードの動作継続時間に応じて上昇し、発熱量と、放熱量の均衡がとれる温度で収束する。読み出しアンプ704付近の発熱は撮像素子全体に広がろうとするが、大型撮像素子では、面内の一部領域の発熱で撮像素子全体が均一な温度にはなることはない。そして、図9に模式的に示すように、撮像素子面内で温度が高い部分は白く、温度が低い部分は黒く示したような温度勾配が生ずる。
次に、このようなビデオスルーモードで読み出しアンプ付近の温度が上昇している状態から、シャッタを閉じて再度開き、長時間の本画像の蓄積を行う。
先に説明したように、この撮像素子は蓄積期間中の読み出しアンプ704への電力供給を停止可能であるため、時間経過とともに読み出しアンプ704付近の撮像素子の温度は低下していく。
この様子も図8の下段に示している。
図9の点線で示す読み出しアンプ704近傍の温度と、撮像素子内の読み出しアンプ704から遠い周辺部903の温度も示している。これによれば、周辺部903もビデオスルーモード時には上昇していた温度が徐々に低下していくが、その変化量は読み出しアンプ704の近傍に比較すれば非常に小さい。
長時間露光完了後に読み出し動作を行う。ここで読み出しアンプ704に読み出し動作1回分の電力が供給されるが、これは単独では非常にわずかなものであり、周囲温度に向けて低減している読み出しアンプ704付近の温度を著しく上昇させるほどのものではない。
さらに本画像の撮影動作直後に、シャッターを閉じた状態で、撮像素子全体を遮光し実際の撮影と同じ時間だけ蓄積動作を行う。こうして得られたダーク画像を先に取得した本画像から減算処理することで、いわゆる実時間ダーク減算による暗電流補正が可能となる。
このダーク画像を得るために、シャッターを閉じた状態で、本画像取得時と同じ時間の蓄積動作を行うと、読み出しアンプ704への電力供給は再度停止しているので、撮像素子の読み出しアンプ704近傍の温度はさらに周辺部の温度に近づいていく。
以上説明したように、ビデオスルーモードで読み出しアンプ704付近の温度が上昇している状態から、長時間の本画像の蓄積、さらに実時間ダーク減算用のダーク画像の蓄積を行うと、次のような問題が発生する。すなわち、本画像撮影動作時には読み出しアンプ704付近の温度が高く、暗電流むらが多いが、遮光状態のダーク画像取得時には読み出しアンプ704付近の温度が低下し、暗電流むらが少なくなっている。そのため、実際にこの減算処理を行ったとしても十分な補正効果が得られない。
上述した(2)の例では、周囲温度に応じて補正を行っているので、このような暗電流むらに対してはそもそも十分な補正画像が得られない。
(3)の例では、(1)の例に比べるとある程度の補正効果は期待できるものの、ピント合わせや構図合わせを長時間行った直後の長時間撮影というような動作を想定していないため、ここで説明した暗電流むらそのものを厳密に補正することは難しい。
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ビデオスルーモードの後に長時間露光を行う場合の、暗電流補正をより正確に行なえるようにすることである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる撮像装置は、複数の画素と、該複数の画素から読み出された信号を読み出す読み出し回路とを有する撮像素子と、前記複数の画素による電荷の蓄積と前記読み出し回路による読み出しを繰り返す動作の後に、前記撮像素子を所定の露光時間だけ露光させて得られた第1の画像信号から、前記撮像素子を遮光した状態で前記所定の露光時間と同じ蓄積時間だけ前記撮像素子に電荷の蓄積を行わせて得られた第2の画像信号を差し引くことにより、前記第1の画像信号の暗電流成分を除去するノイズ除去手段と、前記撮像素子が前記第1の画像信号を取得する間の時間と、前記撮像素子が前記第2の画像信号を取得する間の時間とで、前記撮像素子で生じる平均暗電流量が近くなるように前記読み出しアンプの駆動を制御する駆動制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係わる撮像装置の制御方法は、複数の画素と、該複数の画素から読み出された信号を読み出す読み出し回路とを有する撮像素子を備える撮像装置を制御する方法であって、前記複数の画素による電荷の蓄積と前記読み出し回路による読み出しを繰り返す動作の後に、前記撮像素子を所定の露光時間だけ露光させて得られた第1の画像信号から、前記撮像素子を遮光した状態で前記所定の露光時間と同じ蓄積時間だけ前記撮像素子に電荷の蓄積を行わせて得られた第2の画像信号を差し引くことにより、前記第1の画像信号の暗電流成分を除去するノイズ除去工程と、前記撮像素子が前記第1の画像信号を取得する間の時間と、前記撮像素子が前記第2の画像信号を取得する間の時間とで、前記撮像素子で生じる平均暗電流量が近くなるように前記読み出しアンプの駆動を制御する駆動制御工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ビデオスルーモードの後に長時間露光を行う場合の、暗電流補正をより正確に行なうことが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図7は、CMOS型撮像素子の回路ブロックを模式的に表示した図である。
図7において、700は撮像素子を示し、701は複数の画素からなる画素部、702は画素部内にて画素の各列ごとに垂直方向に配線された垂直出力線、703は各列の垂直出力線を読み出す列読み出しアンプおよび保持容量からなる列読み出し回路である。704は各列の列読み出し回路の出力を順次読み出す読み出しアンプ、705は上記各ブロックへの基準電流を生成して供給する基準電流源ブロックである。垂直出力線702、列読み出し回路703、読み出しアンプ704、および、基準電流源ブロック705にて読み出し回路を構成する。706は画素部の中の特定行を選択するための垂直シフトレジスタ、707は画素中の特定列を選択するための水平シフトレジスタ、708はその他撮像素子内の制御信号を生成するロジック回路ブロック、709は温度測定用ダイオードである。
蓄積時間中に画素部701の各画素に信号電荷が蓄積される。垂直シフトレジスタ706にて選択された選択行の画素の信号電荷は、各画素内に設けられた不図示の画素アンプを介して垂直出力線702を駆動する。
各垂直出力線702は、基準電流源ブロック705で生成された基準電流をカレントミラー回路にて生成した定電流で駆動されている。この定電流源は撮像素子700の長辺方向に広く分布するため、暗電流ムラとしては目立ちにくいものの、発熱の要因となりえるものである。
こうして駆動されている垂直出力線702に接続された列読み出し回路703は、垂直出力線信号に列読み出し回路703内のアンプにてゲインを乗じて、列読み出し回路703内の容量にその出力を保持する。
列読み出し回路703内のアンプも、基準電流源ブロック705で生成された定電流源をもとに動作電流を生成している。
この列読み出しアンプも撮像素子700の長辺方向に広く分布するため、暗電流ムラとしては目立ちにくいものの、発熱の要因となりえるものである。
読み出しアンプ704は水平方向シフトレジスタ707にて選択された各列の列読み出し回路703の容量に保持された出力信号を順次増幅し、撮像素子700外部に出力する。この読み出しアンプ704は、大きな外部負荷を駆動し、充分な出力振幅を高速で駆動することが求められており、必然的にその消費電力も大きなものとなってしまう。
そして、読み出しアンプ704は撮像素子700の大きさからすると非常に小さな面積を占めるものであるため、暗電流ムラとしては最も目に付きやすいものとなってしまう。
温度測定用ダイオード709は、読み出しアンプ704の近傍に設けられ、基準電流源ブロック705から電流を供給され、そのときの順方向電圧を専用端子から出力し、この順方向電圧降下の変化量から撮像素子の温度を測定するためのものである。
従来、これらの撮像素子700の各ブロックの消費電力を削減するとともに、静止画での長時間露光時に面内暗電流むらが目立たないように、これらの回路ブロックを制御する方法として図10に示すように制御していた。
図10において、蓄積時間中は、垂直シフトレジスタ706、水平シフトレジスタ707およびロジック回路708のみに電源を供給し、各画素の蓄積動作を行わせる。このとき、基準電流源ブロック705を外部から制御することにより、垂直出力線702の駆動を停止し、列読み出し回路703内の列読み出しアンプの動作も停止し、さらに読み出しアンプ704の動作も停止する。
次に読み出し期間に入る。読み出し期間は垂直シフトレジスタ706により、先頭の第一行から順次処理対象となる。各行の処理時間に着目すると、1行の読み出し時間内を、いわゆる水平ブランキング時間と、水平読み出し時間とにその動作を分けることが可能である。水平ブランキング時間中は、基準電流源705を外部から制御し、垂直出力線702と列読み出し回路703の動作を可能にする。垂直シフトレジスタ706で選択された選択行において、画素信号を垂直出力線702に読み出し、さらに列読み出し回路703内の容量に出力信号を保持するまでを行う。図10において、Hレベルの期間が各ブロックの動作状態を示し、L期間は各ブロックが非動作状態であることを示している。この期間読み出しアンプ704は動作を行わない。つぎに水平読み出し期間に入ると、基準電流源705を外部から制御し、垂直出力線702、および列読み出し回路703の動作を停止させる。代わりに読み出しアンプ704の動作を許可し、水平シフトレジスタ707にて選択された各列の読み出し回路内の出力信号を順次読み出す。
この動作を垂直シフトレジスタ706にて先頭行から最終行目で繰り返すことで、撮像素子全体の出力信号を少ない消費電力で読み出すことが可能となる。
なお、これらの制御は、後述するCPU106がタイミングジェネレータ105を介して行う。
このような制御を行ったとしてもビデオスルーモード時や高速連写時には、面積あたりで最も消費電力が大きい読み出しアンプ704が動作を繰り返して行うため、非常に温度が上昇しやすい。列読み出し回路703などの読み出し回路の他の構成要素の付近でも発熱による暗電流の増加が生じるが、読み出しアンプ704による影響が最も大きいので、ここでは読み出しアンプ704を例にあげて説明を行う。なお、ビデオスルーモード(ライブビューモード)とは、撮像素子700により逐次撮像された画像を後述するカメラの外部表示装置に逐次表示させるように表示制御するモードのことである。
撮像素子700内の読み出しアンプ704近傍の温度上昇の様子を示すグラフを図11に示す。
図11(a)では、時刻1分からビデオスルーモードでの動作を開始している。動作とともに温度は上昇し、時間とともに上昇率は低下しやがてある温度で収束する。一方、図11(b)は図11(a)で収束したと思われるところでビデオスルーモードでの動作を停止した場合の温度の下降の様子を示している。周囲温度に近づくにつれて下降の程度も低下していることがわかる。
またこれらのグラフから
<現時点の温度が充分高いとき>
発熱源の動作を停止すると急速に温度が低下する。
発熱源の動作を継続しても温度の上昇率は小さい。
<現時点の温度が周囲温度に近いとき>
発熱源の動作を停止しても温度の低下率は小さい。
発熱源の動作を継続すると急速に温度は上昇する。
ことがわかる。
次に、上記撮像素子を用いたカメラの動作について説明する。
図1は、本実施形態のカメラの構成を示す図であり、101は撮影レンズ、700は撮像素子であり、これは図7に示すものと同じCMOSセンサである。102は撮影レンズと撮像素子の間にあり撮像素子の露光状態を制限するシャッタ、104は撮像素子700からのアナログ出力および温度測定用ダイオードの出力をデジタル信号に変換するA/D変換器である。105は撮像素子700やA/D変換器104のタイミングを制御するタイミングジェネレータ(TG)、106は各部の制御を行うとともに画像の補正演算等を行うCPUである。107は画像や補正値などを記憶するメモリ、108は画像などを外部に取り出すための外部メモリ、109は撮像素子700で撮影した画像やメッセージなどを表示するための外部表示装置である。110は撮影準備動作を開始させるためのスイッチ(SW1)、111は撮影動作を開始させるためのスイッチ(SW2)である。
図6は、本実施形態においてピント合わせや構図合わせを長時間行った直後に長時間露光する場合の撮像素子の動作を示しており、横軸を時間軸としている。
まずピント合わせや構図合わせを行わせるために所謂ビデオスルーモード(ライブビューモード)でカメラを動作させる。ビデオスルーモード中は、カメラのシャッタ102を開いたまま撮像素子700の蓄積と読み出しを高速に繰り返し、読み出した画像を液晶などの外部表示装置109に表示させている。このとき撮像素子700の読み出しアンプ704付近は著しく発熱していく。
その後、本撮影として長時間撮影の指示がされると、まず撮像素子700中の温度測定用ダイオード709の出力をA/D変換する。その後シャッタ102を閉じ、再度長時間露光のためシャッターを開く。ここで指定の時間(t2)の蓄積を行うことで長時間露光させる(第1の画像信号の取得)。
このときの撮像素子700の駆動条件は図10に示すものに従うものとする。長時間露光の終了とともに再度シャッタを閉じる。ここで実時間ダーク減算処理(暗電流ノイズ除去処理)のための遮光画像を取得する(第2の画像信号の取得)前に撮像素子700に通電を行うステータスを追加する。
実際の動作としてはビデオスルーモードと同一の動作をする(読み出しアンプの駆動制御をする)。ただしここでの画像出力は使用する必要は無い。
このビデオスルーモードと同一の動作は、撮像素子中の温度測定用ダイオード709の出力が、ピントや構図合わせのためのビデオスルーモード停止後の出力と略同一になるまで継続される。ビデオスルーモードと同一の動作中に温度測定用ダイオード出力を間欠的にモニターし、ビデオスルーモード停止後の出力と略同一と判断したらビデオスルーモードと同一の動作を停止する。
この後、実時間ダーク減算処理用の遮光画像を本画像蓄積時と同じ蓄積時間(t2)で取得する。このときの撮像素子の駆動条件は再度図10に示すものに従うものとする。
以上の動作を行った場合の温度の状態を図6の下段に示す。
図6には、直前のビデオスルーモードでの動作終了時の読み出しアンプ704近傍の温度測定用ダイオード709の出力が温度T1を表している場合を示している。本画像の蓄積時間中に撮像素子の温度が低下し、本画像の読み出し終了後、ビデオスルーモードと同一の動作を行うことにより、撮像素子700の温度が上昇する。撮像素子700中の温度測定用ダイオード709の出力が再度温度T1を示したと判断したらビデオスルーモードと同一の動作を停止し、遮光した状態でのダーク画像取得に移行する。この場合、ダーク画像取得時の蓄積開始時の撮像素子700の温度は、本画像取得時の蓄積開始前と略同一の温度となり、本画像と遮光画像との間の暗電流むらの差が小さくなり、高精度な実時間ダーク減算処理が可能となる。
以上のカメラにおける撮影動作の詳細について、図2〜図5のフローチャートを用いて説明する。
図2は、カメラの一連の動作を説明するフローチャートである。
まずカメラの電源投入直後にステップS201でビデオスルー動作を行わせるかどうかを決定するスイッチであるSW1(110)がONしているかどうかを判定し、ONであればステップS202に進み、OFFであればONされるのを待つ。
ステップS202では本撮影指示であるSW2(111)がONかどうかを判定し、OFFであればステップS203以降のビデオスルーモードへ、ONであればステップS205以降の本撮影動作に移行する。
ステップS202でOFFの場合、ステップS203ではシャッタ102の開き動作を行い、ステップS204のビデオスルーモードに進む。
ステップS204のビデオスルーモードの詳細動作を図4のフローに示す。
このフローに入ると、ステップS401にて撮像素子700をリセットしたうえで蓄積動作に入る。
所定の蓄積時間経過後、ステップS402にて撮像素子700の出力を読み出す。ステップS401、ステップS402における電源の制御方法は図10の方法に従うものとする。
ステップS402で読み出した画像データを処理した上で、外部表示装置109に表示する。さらにステップS403でビデオスルーモードに入ってからの通算繰り返し回数を更新する。
この値は最初にステップS202からステップS204に入ったところでリセットされ、ステップS204の表示動作を行うたびにインクリメントされる。そして、一度ステップS202でSW2(111)がオンされた後、再度ステップS204に入ると再度リセットされる。こうして繰り返し回数を更新した後終了する。
この後、ステップS202に戻り再度SW2(111)のチェックを行い、OFFしている間ステップS204の動作を繰り返す。
この繰返し動作は、一般的に1秒間に30回行い、30フレーム/秒のビデオ画像となる。
ステップS202でSW2(111)がONであった場合は、ステップS205へ移行し、まずシャッター102を閉じる動作を行う。
その後、ステップS206において外部表示装置109をOFFする。ステップS207では撮影条件が長時間露光かどうかを判定する。ここで長時間露光かどうかの判定をしている理由は、長時間露光のときは暗電流や暗電流むらの影響を大きく受けるが、短時間露光の場合は暗電流や暗電流むらの影響をほとんど受けないので、補正等を必要とせずそのまま撮影が可能なためである。ここではシーケンス簡略化のために、長時間露光と判定された場合には自動的に実時間ダーク減算処理を行い、暗電流の補正を行うものとする。
もちろんこの補正動作はユーザーの指示により補正の有無を判断しても良いし、カメラ内の各種判断データから自動的に補正の有無を判別するようなシーケンスであっても構わない。
ステップS207で、長時間露光ではないと判定されるとステップ208へ移行し通常撮影シーケンスにて本撮影を行い、ステップS209で外部表示装置109に画像を表示すると共に、ステップS210で外部メモリ108に画像を記録する。ステップS208における電源の制御方法も図10の方法に従うものとする。
図5に通常撮影シーケンスを示す。
図5は、図2のステップS208、S212の通常撮影を説明するもので、ステップS501でシャッタ102を開け、ステップS502で撮像素子700のリセットと所定時間の蓄積を行う。ステップS503でシャッタ102を閉じ、ステップS504で読み出し、終了する。
ステップS207で、長時間露光であると判定されると、ステップS211で温度測定用ダイオード709の出力を読み出し、これを記憶する。ステップS212で通常撮影シーケンスにより長時間露光による本撮影を行う。ステップS212における電源の制御方法も図10の方法に従うものとする。
この後、ステップS213でビデオスルー動作を実行する。
ビデオスルー動作中の1フレームごとにステップS214にて再度温度測定用ダイオード709の出力を読み出す。ステップS215にてステップS214で読み出した温度情報と、先にステップS211で読み出した温度情報が略同じであるかどうかを判定する。ステップS214で測定した温度が先にステップS211で測定した温度に達していなければビデオスルーモードの動作を繰り返す。
ステップS214で読み出した温度情報と、先にステップS211で読み出した温度情報が略同じであると判断した場合にはビデオスルーモードでの動作を抜け出し、ステップS216にて実時間ダーク減算補正用の遮光画像を取得するダーク撮影を行う。ここでの蓄積時間は本画像撮影時の露光時間と同一であり、ステップS216における電源の制御方法も図10の方法に従うものとする。
図3は、図2のステップS216のダーク画像撮影を説明するもので、ステップS301でシャッタ102を閉じ、ステップS302で撮像素子700のリセットと時間t2の蓄積を行い、ステップS303で読み出し、終了する。
ステップS217にて、本画像データから、こうして得られた遮光したダーク画像を減算処理することで、暗電流成分が補正された高品質な画像データを得ることが可能となる。
この画像データをステップS209で外部表示装置109に表示すると共に、ステップS210で外部メモリ108に記録する。
以上でビデオスルーモードからの静止画撮影が完了する。
なおここでは温度の測定を撮像素子700に内蔵した温度測定用ダイオード709を用いて行っているが、温度情報取得の方法はこれに限るものではない。撮像素子の温度を適切に判断できるものであれば、撮像素子内外の他の温度測定手段を用いても構わない。
また、ビデオスルー動作を実行してから長秒時間露光を行う例をあげて説明を行ったが、高速連写で撮影してから長時間露光を行う場合にも適用できる。この場合は、高速連写後に長時間露光の開始を指示された場合に、ステップS211以降の処理を行えばよい。
(第2の実施形態)
図12は、第2の実施形態のCMOS型撮像素子の回路ブロックを模式的に表示したものであり、700〜708は図7に示すものと同一であり、図7における温度測定用ダイオード709が内蔵されていない点が異なる。また、この撮像素子700の各回路ブロックの制御方法も図10に示すとおりである。
このような制御を行ったとしてもビデオスルーモード時には、面積あたりで最も消費電力が大きい読み出しアンプ704が動作を繰り返して行うため、非常に温度が上昇しやすい。
次に、上記撮像素子を用いたカメラの動作について説明する。
カメラの構成は第1の実施形態における図1と同一であるが、A/D変換器104は温度測定用ダイオードの出力をA/D変換することはない。
図13は、本実施形態においてピント合わせや構図合わせを長時間行った直後に長時間露光する場合の撮像素子の動作を示しており、横軸を時間軸としている。
まずピント合わせや構図合わせを行わせるために所謂ビデオスルーモードでカメラを動作させる。ここでの動作は図6と同一である。
その後、本撮影として長時間撮影の指示がされると、シャッタを閉じた後、再度長時間露光のためシャッタを開く。ここで指定の時間(t2)の蓄積を行うことで長時間露光させる。
このときの撮像素子の駆動条件は図10に示すものに従うものとする。長時間露光の終了とともに再度シャッタを閉じる。ここで実時間ダーク減算処理のための遮光画像を取得する前に撮像素子に通電を行うステータスを追加する。
実際の動作としてはビデオスルーモードと同一の動作をする。ただしここでの画像出力は使用する必要は無い。ここで、本画像の蓄積時間と同じ動作時間(t2)だけビデオスルーモードでの動作を行う。
この後、実時間ダーク減算処理用の遮光画像を蓄積時間(t2)で取得する。このときの撮像素子の駆動条件は再度図10に示すものに従うものとする。
以上の動作を行った場合の温度の状態を図13の下段に示す。
図13は、本画像の蓄積時間と同じ時間ビデオスルーモードと同一の動作を行うことにより、遮光画像取得前に本画像読み出し直前と略同一の撮像素子温度となることを示している。そのため、本画像と遮光画像との間の暗電流むらの差が小さくなり、高精度な実時間ダーク減算処理が可能となる。
以上のカメラにおける撮影動作の詳細について、図14のフローチャートを用いて説明する。
図14は、一連のカメラの動作を説明するフローチャートである。
まずカメラの電源投入直後にステップS201でビデオスルー動作を行わせるかどうかを決定するスイッチであるSW1(110)がONしているかどうかを判定し、ONであればステップS202に進み、OFFであればONされるのを待つ。
ステップS202では本撮影指示であるSW2(111)がONかどうかを判定し、OFFであればステップS203以降のビデオスルーモードへ、ONであればステップS205以降の本撮影動作に移行する。
ステップS203ではシャッタ102の開き動作を行い、ステップS204のビデオスルーモードに進む。
ステップS204のビデオスルーモードの詳細動作を図4のフローに示す。
このフローに入ると、ステップS401にて撮像素子700をリセットしたうえで蓄積動作に入る。
さらにステップS402にて撮像素子の出力を読み出す。ステップS401、ステップS402における電源の制御方法は図10の方法に従うものとする。
ステップS402で読み出した画像データを処理した上で、外部表示装置109に表示する。さらにステップS403でビデオスルーモードに入ってからの通算繰り返し回数を更新する。
この値は最初にステップS202からステップS204に入ったところでリセットされ、ステップS204の表示動作を行うたびにインクリメントされる。そして、一度ステップS202でSW2(111)がオンされた後、再度ステップS204に入ると再度リセットされる。こうして繰り返し回数を更新した後終了する。
この後、ステップS202に戻り再度SW2(111)のチェックを行い、OFFしている間ステップS204の動作を繰り返す。
この繰返し動作は、一般的に1秒間に30回行い、30フレーム/秒のビデオ画像となる。
ステップS202でSW2(111)がONであった場合は、ステップ205へ移行し、まずシャッタ102を閉じる動作を行う。
その後、ステップS206にて外部表示装置109をOFFする。次に、ステップS207では撮影条件が長時間露光かどうかを判定する。ここで長時間露光かどうかの判定をしている理由は、長時間露光のときは暗電流や暗電流むらの影響を大きく受けるが、短時間露光の場合は暗電流や暗電流むらの影響をほとんど受けないので、補正等を必要とせずそのまま撮影が可能なためである。ここではシーケンス簡略化のために、長時間露光と判定された場合には自動的に実時間ダーク減算処理を行い、暗電流の補正を行うものとする。
もちろんこの補正動作はユーザーの指示により補正の有無を判断しても良いし、カメラ内の各種判断データから自動的に補正の有無を判別するようなシーケンスであっても構わない。
ステップS207で、長時間露光ではないと判定されると、ステップS208へ移行し、通常撮影シーケンスにて本撮影を行い、ステップS209で外部表示装置109に画像を表示すると共に、ステップS210で外部メモリ108に画像を記録する。ステップS208における電源の制御方法も図10の方法に従うものとする。
通常撮影シーケンスについては図5に示した第1の実施形態におけるフローと同一である。
ステップS207で、長時間露光であると判定されると、ステップS212で通常撮影シーケンスにより本撮影を行う。ステップS212における電源の制御方法も図10の方法に従うものとする。
次に、ステップS213にてビデオスルー動作を時間t2だけ行う。
もちろんステップS213の場合も、撮像素子からの信号出力は遮光されている状態での信号、つまりダーク画像であり、表示する必要はない。
時間t2のビデオスルー動作を行った後、ステップS216にて実時間ダーク減算処理用の遮光画像を取得する。ここでの蓄積時間は本画像撮影時の露光時間t2と同一であり、ステップS216における電源の制御方法も図10の方法に従うものとする。
ダーク画像撮影についても図3のフローに示すとおりである。
ステップS217にて、本画像データから、こうして得られた遮光したダーク画像を減算処理することで、暗電流成分が補正された高品質な画像データを得ることが可能となる。
この画像データをステップS209で外部表示装置109に表示すると共に、ステップS210で外部メモリ108に記録する。
以上でビデオスルーモードからの静止画撮影が完了する。
撮像素子の温度がもっとも低くなる周囲温度と、最も高温となる収束温度のちょうど中間程度の温度範囲では、単位時間内のビデオスルーモード動作時の温度上昇と、動作停止時の温度下降が同程度である。そのため、特に撮像素子の温度範囲がこの付近にある場合には、このように単純な動作シーケンスで、遮光画像取得前に本画像読み出し直前と略同一の撮像素子温度となる。そして、本画像と遮光画像との間の暗電流むらの差が小さくなり、高精度な実時間ダーク減算処理が可能となる。
さらには、本画像撮影前のビデオスルーモード動作の動作時間や、ビデオスルーモード動作の動作時間と休止時間、さらには、本画像の露光時間に応じて本画像撮影後のビデオスルーモードの動作時間を制御することで、より高精度な実時間ダーク減算処理も可能である。
また撮像素子内外の温度測定手段の測定結果と組み合わせて本画像撮影後のビデオスルーモードの動作時間を制御することも可能である。なお、本実施の形態も、高速連写で撮影してから長時間露光を行う場合にも適用することが可能である。
(第3の実施形態)
本実施形態においても、撮像素子としては図12に示すCMOS型撮像素子を想定している。
上記の撮像素子を用いた第3の実施形態におけるカメラの動作について説明する。
カメラの構成は第1の実施形態における図1と同一であるが、A/D変換器104は温度測定用ダイオードの出力をA/D変換することはない。
第1および第2の実施形態においては長時間露光時に、本画像撮影と、実時間ダーク減算処理用のダーク撮影との間にビデオスルーモードでの動作を行っていた。
これにより、高精度な暗電流の補正が可能であるが、一枚の本画像撮影のために、本画像の露光時間の2倍以上の時間を要してしまうという問題もある。
本実施形態では、高精度な暗電流の補正を実現しつつ、操作性を改善するものである。
図15は、本実施形態においてピント合わせや構図合わせを長時間行った直後に長時間露光する場合の撮像素子の動作を示しており、横軸を時間軸としている。
まずピント合わせや構図合わせを行わせるために所謂ビデオスルーモードでカメラを動作させる。ここでの動作は図13と同一である。
その後、本撮影として長時間撮影の指示がされると、シャッタを閉じた後、再度長時間露光のためシャッタを開く。ここで指定の時間(t2)の蓄積を行うことで長時間露光させる。
このときの撮像素子の駆動条件は図10に示すものに従うものとする。長時間露光の終了とともに再度シャッタを閉じる。
本実施形態では、このあと直ちに実時間ダーク減算処理用の遮光画像を蓄積時間(t2)で取得する。このときの撮像素子の駆動条件は図10に示すものとは異なる。
ここでは蓄積期間中に、ビデオスルーモード動作時と同じタイミングで、撮像素子内の各回路ブロックに電源を供給する。ただし当然ではあるが読み出し動作は行なわず通電のみ行う。
所定の蓄積期間中この動作を繰り返し、所定の蓄積時間経過後に撮像素子の読み出し動作を行う。
以上の動作を行った場合の温度の状態を図15の下段に示す。
図15には、ダーク画像の蓄積時間中にビデオスルーモードと同一の動作を行うことにより、遮光画像蓄積期間の平均暗電流量と、本画像蓄積期間中の平均暗電流量が略同一となることを示している。これにより、本画像と遮光画像との間の暗電流むらの差が小さくなり、高精度な実時間ダーク減算処理が可能となる。
ここでは、撮像素子の消費電力量をビデオスルーモード時の消費電力量と合わせるために、ダーク画像取得時の蓄積期間中に、ビデオスルーモードと同じ電源供給の方法を行っているが、必ずしもこのとおりである必要は無い。単位時間当たりの供給電力量がビデオスルーモード動作時と略同一となるように制御されていれば構わない。
例えばダーク画像撮影時の蓄積開始後一定時間だけ撮像素子内の各回路ブロックに電源を供給し、その後各回路ブロックの電源を遮断するように制御し、蓄積期間中の各回路ブロックごとのトータルの電力供給量がビデオスルーモード時の同一時間内の電力供給量と同一になれば同等の効果を得ることができる。この様子を図18に示す。
あるいは、各回路ブロックの基準電流源の基準電流値を変化させる機能を有している場合にはさらに多くの変形例が提案できる。
たとえばダーク画像取得時の蓄積期間中に限って基準電流源ブロックの基準電流値を通常の2倍の設定になるように設定を変更し、供給時間を半分にするような制御にしても良い。この様子を図19に示す。
またあるいは、ダーク画像取得時の蓄積期間中は常に電源の供給を行うものの、基準電流源ブロックの基準電流値を通常よりも少なくなる設定に変更してもよい。この様子を図20に示す。
基準電流源の電流量制御は、ひとつの基準電流源を生成するために、複数の基準電流源を用意しておき、これらの電流源のなかから、任意の電流源を選択し、これらの電流源出力を並列接続することで容易に実現可能である。
電流源の選択にあたっては、CPU106から直接制御しても良いし、TG105から制御しても良い。
このように単純な動作シーケンスで、遮光画像取得前に本画像読み出し直前と略同一の撮像素子温度となり、本画像と遮光画像との間の暗電流むらの差が小さくなり、高精度な実時間ダーク減算処理が可能となる。
以上のカメラにおける撮影動作の詳細について、図16のフローチャートを用いて説明する。
図16は、カメラの一連の動作を説明するフローチャートである。
まず、カメラの電源投入直後にステップS201でビデオスルー動作を行わせるかどうかを決定するスイッチであるSW1(110)がONしているかどうかを判定し、ONであればステップS202に進み、OFFであればONされるのを待つ。
ステップS202では、本撮影指示であるSW2(111)がONかどうかを判定し、OFFであればステップS203以降のビデオスルーモードへ、ONであればステップS205以降の本撮影動作に移行する。
ステップS203ではシャッタ102の開き動作を行い、ステップS204のビデオスルーモードに進む。
ステップS204のビデオスルーモードは図4のフローと同一である。
この後、ステップS202に戻り再度SW2(111)のチェックを行い、OFFしている間ステップS204の動作を繰り返す。
この繰返し動作は、一般的に1秒間に30回行い、30フレーム/秒のビデオ画像となる。
ステップS202でSW2(111)がONであった場合は、ステップS205へ移行し、まずシャッター102を閉じる動作を行う。
その後ステップS206にて外部表示装置109をOFFする。ステップS207では撮影条件が長時間露光かどうかを判定する。ここで長時間露光かどうかの判定をしている理由は、長時間露光のときは暗電流や暗電流むらの影響を大きく受けるが、短時間露光の場合は暗電流や暗電流むらの影響をほとんど受けないので、補正等を必要とせずそのまま撮影が可能なためである。ここではシーケンスの簡略化のために、長時間露光と判定された場合には自動的に実時間ダーク減算処理を行い、暗電流の補正を行うものとする。
もちろんこの補正動作はユーザーの指示により補正の有無を判断しても良いし、カメラ内の各種判断データから自動的に補正の有無を判別するようなシーケンスであっても構わない。
ステップS207で、長時間露光ではないと判定されるとステップS208へ移行し、通常撮影シーケンスにて本撮影を行い、ステップS209で外部表示装置109に画像を表示すると共に、ステップS210で外部メモリ108に画像を記録する。ステップS208における電源の制御方法も図10の方法に従うものとする。
ステップS208の通常撮影シーケンスも図5と同一のフローである。
ステップS207で、長時間露光であると判定されると、ステップS212で通常撮影シーケンスにより本撮影を行う。ステップS212における電源の制御方法も図10の方法に従うものとする。
このあとステップS220にて実時間ダーク減算処理用の遮光画像を取得する。ここでの蓄積時間は本画像撮影時の露光時間と同一であるが、電源の制御方法は図10の方法に従うものとする。
図17は、図16のステップS220のダーク撮影2を説明するものである。ステップS301でシャッタ102を閉じ、ステップS304で撮像素子のリセットと時間t2の蓄積を行うとともに撮像素子への電力供給を、ビデオスルーモード動作時と同じタイミングで供給/遮断を繰り返す設定とする。蓄積時間終了後、ステップS303でダーク画像を読み出し、終了する。
ステップS217において、本画像データから、こうして得られた遮光したダーク画像を減算処理することで、暗電流成分が補正された高品質な画像データを得ることが可能となる。
この画像データをステップS209で外部表示装置109に表示すると共に、ステップS210で外部メモリ108に記録する。
以上でビデオスルーモードからの静止画撮影が完了する。
さらには、本画像撮影前のビデオスルーモード動作の動作時間や、ビデオスルーモード動作の動作時間と休止時間、さらには、本画像の露光時間に応じてダーク画像撮影時蓄積期間中の電力供給量、供給時間を制御することで、より高精度な実時間ダーク減算処理も可能である。
また撮像素子内外の温度測定手段の測定結果と組み合わせてダーク画像撮影時蓄積期間中の電力供給量、供給時間を制御することも可能である。なお、本実施の形態も、高速連写で撮影してから長時間露光を行う場合にも適用することが可能である。
(他の実施形態)
また、各実施形態の目的は、次のような方法によっても達成される。すなわち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、本発明には次のような場合も含まれる。すなわち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
さらに、次のような場合も本発明に含まれる。すなわち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した手順に対応するプログラムコードが格納されることになる。
本発明の実施形態におけるカメラの構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるカメラの動作を説明するフローチャートである。 ダーク画像の撮影動作を示すフローチャートである。 ビデオスルーモードの動作を示すフローチャートである。 通常撮影動作を示すフローチャートである。 第1の実施形態における動作を模式的に説明する図である。 第1の実施形態における撮像素子を説明する図である。 従来の動作を模式的に説明する図である。 撮像素子の暗電流むらを説明する図である。 撮像素子の電源供給パターンを説明する図である。 撮像素子の温度変化を説明する図である。 本発明の第2の実施形態における撮像素子を説明する図である。 第2の実施形態における動作を模式的に説明する図である。 第2の実施形態におけるカメラの動作を説明するフローチャートである。 第3の実施形態における動作を模式的に説明する図である。 本発明の第3の実施形態におけるカメラの動作を説明するフローチャートである。 ダーク画像の撮影動作を説明するフローチャートである。 第3の実施形態の動作の変形例を模式的に説明する図である。 第3の実施形態の動作の変形例を模式的に説明する図である。 第3の実施形態の動作の変形例を模式的に説明する図である。
符号の説明
101 撮影レンズ
102 シャッタ
104 A/D変換器
105 TG(タイミングジェネレータ)
106 CPU
107 メモリ
108 外部メモリ
109 外部表示装置
110 スイッチ
111 スイッチ
700 撮像素子

Claims (7)

  1. 複数の画素と、該複数の画素から読み出された信号を読み出す読み出し回路とを有する撮像素子と、
    前記複数の画素による電荷の蓄積と前記読み出し回路による読み出しを繰り返す動作の後に、前記撮像素子を所定の露光時間だけ露光させて得られた第1の画像信号から、前記撮像素子を遮光した状態で前記所定の露光時間と同じ蓄積時間だけ前記撮像素子に電荷の蓄積を行わせて得られた第2の画像信号を差し引くことにより、前記第1の画像信号の暗電流成分を除去するノイズ除去手段と、
    前記撮像素子が前記第1の画像信号を取得する間の時間と、前記撮像素子が前記第2の画像信号を取得する間の時間とで、前記撮像素子で生じる平均暗電流量が近くなるように前記読み出しアンプの駆動を制御する駆動制御手段と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記駆動制御手段は、前記撮像素子が前記第1の画像信号を取得してから前記第2の画像信号を取得するまでの間に、前記撮像素子の温度が前記複数の画素による電荷の蓄積と前記読み出し回路による読み出しを繰り返す動作が終了した時点とほぼ同じ温度となるまで、前記読み出しアンプを前記複数の画素による電荷の蓄積と前記読み出し回路による読み出しを繰り返す動作を行なうときと同じ駆動方法で駆動することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記駆動制御手段は、前記撮像素子が前記第1の画像信号を取得してから前記第2の画像信号を取得するまでの間に、前記読み出しアンプを、前記所定の露光時間と同じ時間だけ前記複数の画素による電荷の蓄積と前記読み出し回路による読み出しを繰り返す動作を行うときと同じ駆動方法で駆動することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記駆動制御手段は、前記撮像素子が遮光された状態で電荷の蓄積を行っている間に、前記読み出しアンプを前記複数の画素による電荷の蓄積と前記読み出し回路による読み出しを繰り返す動作を行うときと同じ駆動方法で駆動することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 前記駆動制御手段は、前記撮像素子が遮光された状態で電荷の蓄積を行っている間の所定の時間だけ前記読み出しアンプを駆動することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  6. 複数の画素と、該複数の画素から読み出された信号を読み出す読み出し回路とを有する撮像素子を備える撮像装置を制御する方法であって、
    前記複数の画素による電荷の蓄積と前記読み出し回路による読み出しを繰り返す動作の後に、前記撮像素子を所定の露光時間だけ露光させて得られた第1の画像信号から、前記撮像素子を遮光した状態で前記所定の露光時間と同じ蓄積時間だけ前記撮像素子に電荷の蓄積を行わせて得られた第2の画像信号を差し引くことにより、前記第1の画像信号の暗電流成分を除去するノイズ除去工程と、
    前記撮像素子が前記第1の画像信号を取得する間の時間と、前記撮像素子が前記第2の画像信号を取得する間の時間とで、前記撮像素子で生じる平均暗電流量が近くなるように前記読み出しアンプの駆動を制御する駆動制御工程と、
    を備えることを特徴とする撮像装置の制御方法。
  7. 請求項6に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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