JP2010117540A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 横搬送方式の現像手段を備えた画像形成装置において、現像剤担持体に担持される現像剤が、搬送方向下流側に行くほど低くなってしまうという問題を改善し、転写される画像に濃度ムラがなく、転写チリなどの異常画像が発生しない画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 横搬送方式の現像手段5と、転写手段6とを備えた画像形成装置において、転写バイアス印加部材60〜65の画像領域の一端である現像剤搬送方向上流側に対応する上流端と、その反対側の下流端とで像担持体(感光体ドラム2又は中間転写ベルト)との圧接状態における電気抵抗に差を設け、更に、上流端の電気抵抗の方が下流端の電気抵抗より大きくなるよう電気抵抗の分布に傾斜を付ける。
【選択図】 図7

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、これらの複合機などの電子写真方式の画像形成装置に関し、より詳しくは、現像担持体の軸方向に沿ってトナーを搬送するタイプの現像手段を備えた画像形成装置において、現像剤担持体に汲み上げられる現像剤のトナー濃度がトナー搬送の下流側に行くに従って減少してしまう問題を転写バイアス印加部材の抵抗分布を改良することで改善する技術に関するものである。
従来、電子写真方式の画像形成装置における現像プロセスでは、トナー及び磁性キャリアを含有する2成分現像剤を用いた所謂2成分現像方式のものが知られている。そして、近年では、この2成分現像方式の現像手段は、現像剤担持体である現像ローラの軸と水平に隣接配置された現像剤搬送供給部材である2本のスクリューで現像ローラの軸方向に沿って現像剤を供給及び循環させる2軸搬送方式のものが主流となっている。
この2軸搬送方式のような2成分からなる現像剤を現像ローラの軸方向に沿って搬送・供給する所謂横搬送方式(例えば、2軸搬送方式以外にも3軸搬送方式のものも提案されている)の現像手段を備えた画像形成装置では、現像ローラに担持される現像剤のトナー濃度は、画像領域を通過する際にトナーが現像により消費されながら搬送されて行くため、下流側に行くに従って低くなってしまう。また、高画像面積率の出力が続き、次々新しいトナーが補給されているような場合などは、現像剤が十分に撹拌されず、トナーの帯電量が不足した状態で現像ローラに供給されてしまう。そのため、感光体ドラムなどの潜像担持体上に現像されたトナー像は現像剤の搬送方向に対して均一ではなく、軸方向に均一なバイアスで転写すると現像剤の搬送方向上流側と下流側(以下、単に上流、下流という)で転写された画像に濃度差が出てしまったり、上流又は下流のいずれか片側で転写チリなどにより異常画像が発生したりするなどの問題がある。
このような問題を解決するべく、現像剤を現像剤担持体に供給する現像剤搬送供給部材である供給スクリューが設けられた供給搬送路とは別の経路(回収搬送路)に、現像領域を通過した現像剤を回収する回収スクリューを設けた所謂一方向循環方式の現像手段が提案されている(例えば、特許文献1)。しかし、このような一方向循環方式の現像手段では、現像ローラの軸方向におけるトナー濃度の低下を防止することはできるが、現像剤の搬送量のバランスが難しいなどの別の問題が発生する。
一方、電子写真方式の画像形成装置における転写プロセスでは、感光体ドラムや中間転写ベルトなどの像担持体と、この像担持体に所定圧で圧接される転写ローラなどの接触式の転写バイアス印加部材との間の転写ニップにおいて、転写バイアス印加部材から転写バイアスを印加することにより像担持体と転写バイアス印加部材に狭持搬送されたコピー用紙などの記録媒体にトナー像を転写する静電転写が一般的となっている。この静電転写は、転写バイアスを印加することにより転写ニップに転写電界を形成し、正又は負のいずれかに帯電したトナーに像担持体から記録媒体へ向いた静電気力(クーロン力)を作用させ、この静電気力がトナー間及びトナーと像担持体間に働く非静電的な付着力(ファンデルワールス力)より大きくなると、トナー像が記録媒体の表面に移動して転写が行われる仕組みとなっている。
このような接触式の静電転写では、通常、転写バイアス印加部材は、軸端付近を力点として付勢手段で押圧されて像担持体に圧接しているので、転写バイアス印加部材の撓みによって中央部と端部とで圧接力に差ができてしまう。また、一般に、転写バイアス印加部材は、導電性発泡ゴムで被覆されており、この導電性発泡ゴムは、加えられる圧力の大きさにより電気抵抗が変化したり、像担持体との密着性が変化したりする性質がある。このため、像担持体と圧接している転写バイアス印加部材の電気抵抗も均一ではなくなってしまい、その結果中央部で転写不足となり濃度が薄くなったり、軸端部付近で転写チリが発生したりする異常画像となってしまうという問題がある。
この問題を解決するべく、例えば、特許文献2には、加工前の材料に混入する導電性添加剤の濃度を変えることで、転写バイアス印加部材である発泡導電性ゴムからなる転写ローラ10の両端部(10a)の電気抵抗を中央部(10a)より低くして、転写ローラ10が感光体ドラム6に圧接した状態で電気抵抗の分布が均一になるようにし、転写バイアス印加部材の軸方向の位置によらず均一な転写バイアスを印加することができ、異常画像の発生を防止することができる画像形成装置が開示されている。
他に、転写バイアス印加部材の軸方向の抵抗分布に変化を付けた構成として、特許文献3には、両端部に導電層73を設け、その上の外周面全体に中抵抗層74を設け、圧接時の転写ローラ70の長手方向の抵抗分布を均一にして、転写ローラ70両端部での転写電流が少ないことに基づくトナーの飛び散りを防止する転写ローラが開示されている(特許文献3の図6参照)。
特許文献4には、未発泡ゴムを導電性基軸25に巻き付け、金型50内で発泡させて弾性層26を形成するに際して、金型50の内側両端部に円筒状の発泡規制部材51を設け、弾性層の両端部の発泡セル径が中央部より小さくなるようにして転写ローラ15の抵抗ムラを防止する転写ローラ及びそれを備えた画像形成装置が開示されている(特許文献4の図6参照)。
特許文献5には、転写ローラ46の両端部の軸方向における単位長さ当たりの抵抗値を、中央部の軸方向における単位長さ当たりの抵抗値より大きくすることにより印刷媒体外を流れる漏れ電流の割合を小さくする転写ローラ46及びそれを備えた画像形成装置が開示されている(特許文献5の図9、図17等参照)。
特許文献6には、転写ローラ6の非画像形成領域における抵抗値を画像形成領域における抵抗値の0.7倍以上にすることにより、転写ローラ6の画像形成領域及び非画像形成領域における転写電流の偏りを無くし、転写材を均一に帯電させて、良好な転写が行うことができ、結果として良好な画像を得ることができる画像形成装置が開示されている。(特許文献6の図1参照)
しかしながら、これらの特許公報2〜6に記載の画像形成装置等は、転写バイアス印加部材の軸端付近と中央部との電気抵抗に差を設け、圧接時の転写ローラの抵抗分布を均一として転写バイアス(転写電流)を同じにすることが目的であり、横搬送方式の現像手段を備えた画像形成装置において、現像剤担持体に担持される現像剤が、現像領域を通過する際にトナーが現像により消費されながら搬送されて行くため、下流側に行くほどトナー濃度が低くなってしまうという前記問題を解決するものではなかった。
特開2008−203816号公報 特開平07−199689号公報 特開平09−292784号公報 特開平11−338224号公報 特開2001−66915号公報 特開平06−118813号公報
そこで、本発明は、前記従来の画像形成装置の問題を解決するべく、2成分現像剤を現像剤担持体の軸方向に沿って供給する所謂横搬送方式の現像手段を備えた画像形成装置において、現像剤担持体に担持される現像剤が、搬送方向下流側に行くほど低くなってしまうという問題を改善し、転写される画像に濃度ムラがなく、転写チリなどの異常画像が発生しない画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、トナーとキャリアとを含有する2成分現像剤を撹拌しながら帯電させて潜像担持体と所定間隔離間して対向する現像剤担持体の軸方向に沿って供給すると共に、前記現像剤担持体に現像バイアスを印加することにより現像剤担持体に担持される前記現像剤からトナーを前記潜像担持体が担持する静電潜像に転移させてトナー像に現像する現像手段と、前記トナー像を表面に担持する像担持体と転写バイアス印加部材とが圧接する転写ニップにおいて、前記転写バイアス印加部材から転写バイアスを印加することにより前記像担持体からトナー像を記録媒体又は中間転写体に転写する転写手段と、を備えた画像形成装置において、前記転写バイアス印加部材の画像領域の一端である前記現像剤の搬送方向上流側に対応する上流端と、その反対側の下流端とで前記像担持体との圧接状態における電気抵抗に差を設けていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、転写バイアス印加部材の上流端の電気抵抗の方が下流端の電気抵抗より大きくなっていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、転写バイアス印加部材は、導電材から丸棒状に形成された軸芯と、軸芯の外周に形成された樹脂層と、を有する転写ローラであり、樹脂層は、半導電性の樹脂から上流端側の層厚が厚く形成された抵抗層を有していることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、転写バイアス印加部材は、導電材から形成された軸芯と、軸芯の外周に形成された樹脂層と、を有する転写ローラであり、軸芯は、下流端側が太く形成され、樹脂層は、半導電性の樹脂から上流端側が厚く外周面の径が略同一の円筒状に形成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、転写バイアス印加部材は、導電材から丸棒状に形成された軸芯と、軸芯の外周に形成された樹脂層と、を有する転写ローラであり、樹脂層は、半導電性の樹脂から上流端側が厚い円錐台状に形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、転写バイアス印加部材は、導電材からなる支持部材と、支持部材に植毛された半導電性の樹脂からなるブラシと、を有する転写ブラシであり、支持部材は、像担持体側に傾斜面が形成され、ブラシの毛足長さは、上流端側が長くなっていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、転写バイアス印加部材は、導電材からなる支持部材と、支持部材に突設されたブレードと、を有する転写ブレードであり、ブレードは、半導電性の樹脂からなる抵抗層を有し、抵抗層は、上流端側が厚くなっていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、転写バイアス印加部材の両軸端付近を押圧して像担持体に圧接する圧接手段を備え、圧接手段の圧接力は、上流端側を押圧する力が下流端側を押圧する力より小さいことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像形成装置において、圧接手段の圧接力は、上流端側を押圧する力をFu、下流端側を押圧する力をFdとすると、下記式1を満たすことを特徴とする。
(Fd−Fu)/{(Fu+Fd)/2}<0.25・・・式1
この発明は、前記のようであって、請求項1の発明によれば、現像剤担持体の軸方向に沿って現像剤を供給する現像手段と、転写バイアス印加部材を電界形成対象物に接触させて転写バイアスを印加する接触式の転写手段と、を備えた画像形成装置において、転写バイアス印加部材の画像領域の一端である現像剤の搬送方向上流側に対応する上流端と、その反対側の下流端とで像担持体との圧接状態における電気抵抗に差を設けているので、現像剤搬送方向の下流側に行くほど現像剤担持体に担持される現像剤のトナー濃度が低くなってしまうという横搬送方式の現像手段の問題を転写時に調整することができ、現像剤搬送方向によるトナー濃度の相違に起因する画像濃度ムラや、転写チリなどの異常画像を抑制することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の画像形成装置において、転写バイアス印加部材の上流端の電気抵抗の方が下流端の電気抵抗より大きくなっているので、つまり、転写バイアス印加部材の電気抵抗の分布を上流端側から下流端側に傾斜をつけて減少するようにし、転写電界が上流端側で弱く下流端側で強くなるようにして転写することにより、現像剤搬送方向の下流側に行くに従って現像担持体に担持される現像剤のトナー濃度が低くなってしまうという横搬送方式の現像手段の問題を転写時に解消又は軽減することができ、現像剤搬送方向によるトナー濃度の相違に起因する画像濃度ムラや、転写チリなどの異常画像を抑制することができる。
請求項3の発明によれば、請求項2に記載の画像形成装置において、転写バイアス印加部材は、導電材から丸棒状に形成された軸芯と、軸芯の外周に形成された樹脂層と、を有する転写ローラであり、樹脂層は、半導電性の樹脂から上流端側の層厚が厚く形成された抵抗層を有しているので、前記効果に加え、抵抗層の層厚により転写バイアス印加部材である転写ローラの電気抵抗の分布を所望の傾斜とすることができ、確実に現像剤搬送方向によるトナー濃度の相違に起因する画像濃度ムラや、転写チリなどの異常画像を抑制することができる。
請求項4の発明によれば、請求項2に記載の画像形成装置において、導電材から形成された軸芯と、軸芯の外周に形成された樹脂層と、を有する転写ローラであり、軸芯は、下流端側が太く形成され、樹脂層は、半導電性の樹脂から上流端側が厚く外周面の径が略同一の円筒状に形成されているので、前記効果に加え、比較的電気抵抗の高い樹脂層の層厚により、転写バイアス印加部材である転写ローラの電気抵抗の分布を所望の傾斜とすることができ、確実に現像剤搬送方向によるトナー濃度の相違に起因する画像濃度ムラや、転写チリなどの異常画像を抑制することができる。
請求項5の発明によれば、請求項2に記載の画像形成装置において、転写バイアス印加部材は、導電材から丸棒状に形成された軸芯と、軸芯の外周に形成された樹脂層と、を有する転写ローラであり、樹脂層は、半導電性の樹脂から上流端側が厚い円錐台状に形成されているので、前記効果に加え、比較的電気抵抗の高い樹脂層の層厚により、転写バイアス印加部材である転写ローラの電気抵抗の分布を所望の傾斜とすることができ、確実に現像剤搬送方向によるトナー濃度の相違に起因する画像濃度ムラや、転写チリなどの異常画像を抑制することができる。
請求項6の発明によれば、請求項2に記載の画像形成装置において、転写バイアス印加部材は、導電材からなる支持部材と、支持部材に植毛された半導電性の樹脂からなるブラシと、を有する転写ブラシであり、支持部材は、像担持体側に傾斜面が形成され、ブラシの毛足長さは、上流端側が長くなっているので、前記効果に加え、比較的電気抵抗の高いブラシの毛足長さにより、転写バイアス印加部材である転写ブラシの電気抵抗の分布を所望の傾斜とすることができ、確実に現像剤搬送方向によるトナー濃度の相違に起因する画像濃度ムラや、転写チリなどの異常画像を抑制することができる。
請求項7の発明によれば、請求項2に記載の画像形成装置において、転写バイアス印加部材は、導電材からなる支持部材と、支持部材に突設されたブレードと、を有する転写ブレードであり、ブレードは、半導電性の樹脂からなる抵抗層を有し、抵抗層は、上流端側が厚くなっているので、前記効果に加え、比較的電気抵抗の高い抵抗層の層厚により転写バイアス印加部材である転写ブレードの電気抵抗の分布を所望の傾斜とすることができ、確実に現像剤搬送方向によるトナー濃度の相違に起因する画像濃度ムラや、転写チリなどの異常画像を抑制することができる。
請求項8に記載の画像形成装置の発明によれば、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、転写バイアス印加部材の両軸端付近を押圧して像担持体に圧接する圧接手段を備え、圧接手段の圧接力は、上流端側を押圧する力が下流端側を押圧する力より小さいので、転写バイアス印加部材と像担持体の密着性が押圧力の強い下流端側がよくなって、圧接時の電気抵抗が小さくなる。よって、前記効果に加え、転写バイアス印加部材自体の電気抵抗の分布に差を設けなくても現像剤搬送方向によるトナー濃度の相違に起因する画像濃度ムラや、転写チリなどの異常画像を抑制することができる。
請求項9に記載の画像形成装置の発明によれば、請求項8に記載の画像形成装置において、圧接手段の圧接力は、上流端側を押圧する力をFu、下流端側を押圧する力をFdとすると、前記式1を満たすので、前記効果に加え、圧接手段の圧接力に偏差を付けすぎて、像担持体と転写バイアス印加部材間で挟持搬送する記録媒体又は中間転写体の搬送が不安定になるのを防止することができる。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
(画像形成装置の全体構成の概略)
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の主要部の概略構成を示す構成説明図である。図中の符号1は、本発明の画像形成装置の一実施の形態として例示するモノクロ用プリンタであり、このプリンタ1は、潜像担持体且つ像担持体である感光体ドラム2を中心に、この感光体ドラムの外周表面を一様に帯電させて初期化する帯電手段3と、この帯電手段3で一様に帯電させた感光体ドラム2の表面に静電潜像を書き込む露光手段4と、この感光体ドラム2の表面に形成された静電潜像をトナー像に現像する現像手段5と、この感光体ドラム2表面に形成されたトナー像をコピー用紙など記録媒体に転写する転写手段6と、転写後も感光体ドラム2の表面に付着する残留トナーをクリーニングするクリーニング手段7などを備えている。また、その他、記録媒体に転写されたトナー像を定着する定着手段8や、図示しないが、給紙トレイに収容する記録媒体であるコピー用紙を転写手段と感光体ドラムとが対向する転写ニップに給紙する給紙手段なども備えている。
この感光体ドラム2は、図の奥行き方向を長手とするアルミなどから成形された略円柱状の素管の外周表面に感光性を有する有機感光層が形成されたもので、図示しない駆動手段で図中の矢印方向に駆動回転可能に構成されている。
帯電手段3は、本実施の形態では、グリッドと放電部を有するスコロトロンやコロトロンなどコロナ放電により電荷を発生させて感光体ドラム2に散布する非接触式の帯電手段が採用されている。勿論、帯電ローラなど接触式の帯電手段を採用することも可能であり、要するに、図示しないバイアス電源に接続され、感光体ドラム2の外周表面を一様に帯電させて初期化する機能を有していればよい。
露光手段4は、プリンタ1に入力される画像情報に基づいて、図示しない変調されたレーザー光線を走査しながら照射して感光体ドラム2の表面電位を変化させ(例えば、低下させ)照射した部分に静電潜像を形成するよう構成されている。
現像手段5は、詳細は後述するが、感光体ドラム2に近接配置された現像ケース50a内に現像ユニット50としてユニット化されており、この現像ユニット50は、トナーと磁性キャリアを含有する2成分現像剤を収容し、この現像剤を撹拌することでトナーを所望の帯電量に帯電させ、感光体ドラム2と近接対向する現像領域において現像バイアスを印加することで、この帯電させたトナーを感光体ドラム2の表面の静電潜像に転移させて、潜像からトナー像に可視化する仕組みとなっている。
転写手段6は、図示しない付勢手段で押圧されて感光体ドラム2に圧接可能な転写ローラ60を備え、この転写ローラ60は、図示しないバイアス電源が接続された接触式の転写バイアス印加部材であり、記録媒体であるコピー用紙の搬送時に、転写ローラ60と感光体ドラム2とが接触する転写ニップにおいて、転写バイアスを印加して感光体ドラム2に形成されたトナー像をコピー用紙に転写する仕組みとなっている。なお、この転写ローラ60を初め転写バイアス印加部材については、後で詳述する。
クリーニング手段7は、収容ケース70と、この収容ケース70から感光体ドラム2に向けて突設されたクリーニングブレード71と、を有し、このクリーニングブレード71は、感光体ドラム2の幅方向(図の奥行き方向)を長手とする矩形の平板状に形成され、その先端が感光体ドラム2の外周表面に感光体ドラム2の回転方向に対してカウンター方向に当接可能に構成されている。このクリーニング手段7では、クリーニングブレード71で感光体ドラム2に付着する残留トナーを掻き取り、掻き取った残留トナーは、一旦収容ケース70内に貯留され、図示しない搬送スクリューにより図示しない廃トナーボトルに搬出廃棄される。
定着手段8は、内部にハロゲンヒータなどの発熱体80を有する定着ローラ81と、この定着ローラ81に図示しない加圧手段で加圧されて圧接する加圧ローラ82と、から主に構成され、定着ローラ81と加圧ローラ82とが圧接する定着ニップにおいて、搬送されてくるコピー用紙に熱と圧力が加えられるようになっている。勿論、発熱体80は、加圧ローラ82内に設けても、定着ローラ81と加圧ローラ82の両方に設けても構わない。
(画像形成動作)
次に、プリンタ1の画像形成動作について説明する。
先ず、プリンタ1において画像形成動作が開始されると、感光体ドラム2が図の矢印方向に回転駆動され、このとき帯電手段3によって感光体ドラム2の外周表面が所定の極性(例えば、マイナス)に均一に帯電される。次いで、プリンタ1に入力された画像情報に基づいて、露光手段4によりその帯電面に光変調されたレーザー光が照射され、これによって感光体ドラム2の外周表面上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段5によって現像領域通過時にトナー像として可視像化される。
一方、給紙手段により給紙トレイからコピー用紙が転写ニップに搬送されて行き、そこで、コピー用紙が転写ローラ60と感光体ドラム2との間に挟持された状態で、転写手段6により転写ローラ60から転写バイアスが印加され、感光体ドラム2上の前記トナー像がコピー用紙に転写される。次に、このトナー像を担持したコピー用紙が定着手段8の定着ニップに送られ、この定着ニップにおいて熱と圧力が加えられ、コピー用紙に担持された未定着のトナー像が定着される。また、転写後も感光体ドラム2に残留する残留トナーは、クリーニング手段7でクリーニングされ、再度の画像形成動作に備えられる。そして、クリーニング手段7で除去されたトナーは、図示しない廃トナーボトルに運ばれ廃棄される。
(現像手段)
次に、本実施の形態に係る現像手段について図2、3を用いて詳細に説明する。図2は、本発明の実施の形態1に係る現像手段の概略構成を示す模式的な鉛直断面図であり、図3は、図2の現像手段の概略構成を示す模式的な水平断面図である。図中の符号2は、前記感光体ドラムを、符号50は、前記現像ユニットをそれぞれ示しており、図1に示したものと同じ構成は、同じ符号を付している。
この現像手段5は、乾式2成分現像方式の2軸搬送タイプの現像手段であり、現像ユニット50は、全体のハウジングでありトナーと磁性キャリアからなる2成分現像剤を収容する現像ケース50aと、この現像ケース50aに感光体ドラム2と平行に軸支されて回転可能な現像ローラ51と、この現像ローラ51と平行に軸支され、互いに反対方向に現像剤を搬送する搬送手段である2本の搬送スクリュー52,53と、現像ローラ51に担持される現像剤の層厚を規制する規制部材であるドクターブレード54などから構成されている。
現像ケース50aには、感光体ドラム2と近接対向する側に開口部50bが設けられ、この開口部50bから現像ローラ51の一部が感光体ドラム2に臨むよう取り付けられている。また、搬送スクリュー52と搬送スクリュー53との間には、仕切り板50cが設けられ、搬送スクリュー52が取り付けられた供給搬送路50dと、搬送スクリュー53が取り付けられ撹拌搬送路50eとに仕切られている。しかし、この仕切り板50cには、2箇所の連通口50f,50gが設けられ、この連通口50f,50gを介して供給搬送路50dと撹拌搬送路50eとが連通し、現像剤が循環可能となっている。
現像ローラ51は、磁界発生手段としての複数の磁極が着磁されて内部固定されているマグネットローラ51aと、その周りに嵌着されたアルミニウム等の非磁性材から略円筒形状に形成されて回転可能な現像スリーブ51bと、を有し、感光体ドラム2と所定間隔離間(本実施の形態では、0.2〜0.4mm程度)して配設されている。この現像スリーブ51bは、略円筒形状ではあるが、外周表面に微細な凹凸が形成され、現像剤を担持し易くなっている。また、現像ローラ51は、バイアス電源に接続されて現像バイアスが印加可能となっている。
(現像手段の動作)
このような構成の現像ユニット50は、先ず、搬送スクリュー52,53で現像ケース50aに収容されている少なくともトナーと磁性キャリアとを含有する2成分現像剤を撹拌しながら図3の矢印方向に搬送することにより、トナーにストレスを加えて摩擦帯電させると共に、現像ローラ51に供給する。そして、現像ローラ51のマグネットローラ51aの磁力により磁性キャリアが引き付けられて汲み上げられ、現像剤が現像スリーブ51bの表面に担持され磁性ブラシが形成される。次に、現像スリーブ51bの回転に伴って、ドクターブレード54の先端で現像ローラ51に担持される現像剤の層厚が規制されたうえ、現像ケース50aの開口部50bから現像ローラ51の一部が露出する現像領域に運ばれる。するとそこで現像バイアスが印加され、感光体ドラム2に摺接する磁気ブラシ先端のトナーに現像ポテンシャルが作用し、感光体ドラム2の表面に形成されている静電潜像にトナーのみが静電的に転移する。その後、現像スリーブ51bの表面に担持されたままの磁性キャリアと残ったトナーは、更なる現像スリーブ51bの回転に伴って、マグネットローラ51aの反発極に達し、その反発力で現像ケース50aの供給搬送路50dに落下する。そして、供給搬送路50dに戻った現像剤は、搬送スクリュー52により搬送と供給を繰り返しながら下流側に運ばれて行く。供給搬送路50dの下流端に達すると、仕切り板50cに設けられた連通口50gから撹拌搬送路50eに戻り、図示しないトナー補給器から新しいトナーを補給されたうえ、再び連通口50fを通過して供給搬送路50dで現像ローラ51に供給される仕組みとなっている。
このように、現像剤を現像剤担持体である現像ローラの軸方向に沿って供給する所謂横搬送方式の現像手段では、トナーが現像により消費されていくため現像剤のトナー濃度が現像剤の搬送方向下流側に行くほど低くなる。特に、高画像面積の画像を出力が続くようなときは、トナー消費量が多いため現像剤のトナー濃度の上流と下流との差が大きくなる。また、現像剤へのトナー補給量が多い場合は補給されたトナーが十分に撹拌されずに供給搬送路50dに到達してしまい、搬送スクリュー52の上流側では帯電状態が不十分のまま現像ローラへ担持されてしまう。このように現像領域に運ばれる現像剤の状態は搬送スクリュー52の搬送方向に対して均一ではなく、下流側でトナー濃度が低くなる傾向があり、その結果感光体ドラム2に転移するトナー画像も搬送スクリュー52の搬送方向に対して均一にはなっておらず、下流側に行くほど画像の濃度が低下する傾向がある。このような問題を解決するべく、本実施の形態では、転写プロセスにおいて、この搬送スクリュー52の搬送方向下流側に対応する側となる方の転写電界が強くなるようにして、トナー像の濃度が低い方の転写効率がよくなるようにすることとした。
次に、本発明の実施の形態に係る転写手段について詳細に説明する。先ず、転写バイアス印加部材の実施例1として、転写バイアス印加部材が転写ローラ60である場合を図4〜図7を用いて説明する。図4は、転写バイアス印加部材の実施例1に係る転写ローラの内部構造を示す鉛直断面図、図5は、実施例1に係る転写ローラの感光体ドラムとの圧接状態を図1の側面方向から見た状態で表す概略側面図、図6は、図5の状態で実施例1に係る転写ローラの抵抗分布を計測するために用いた測定装置の概略構成を表す説明図、図7は、実施例1に係る転写ローラの上流から下流へ至る軸方向の(電気)抵抗分布を表したグラフである。
図4に示すように、転写ローラ60は、軸芯として導電材である金属製の丸棒からなる芯金60aと、芯金60aの外周に形成された発泡ゴム層60bとから主に構成され、この発泡ゴム層60bは、芯金60aの外周に形成された内層60cと、内層60cの外側に形成された外層60dとから構成されており、内層60cは、比較的電気抵抗の高い抵抗層としてNBR(アクリロ二トリル ブタジエン ゴム)などの半導電性の樹脂から上流端側が厚い軸芯部分が中空の円錐台状に形成され、外層60dは、カーボンなどの導電剤を添加して内層60cの樹脂より電気抵抗が低く調整されたNBRなど半導電性の樹脂から外周面の径が略同一の円筒状に形成されている。つまり、抵抗層として設ける内層60cは、その層厚が上流側で厚く下流側に行くほど薄くなっている。しかし、抵抗層とは云え、内層60cにも、必要に応じて導電剤を添加して抵抗値を調整しても構わず、また、抵抗層を外層として設けてもよい。なお、その場合も層厚が上流側で厚く下流側に行くほど薄くなるように設ける必要がある。半導電性の樹脂としては、NBRの他、ヒドリンゴム、クロロプレンゴムなどを使用することも可能である。
図5に示すように、この転写ローラ60は、通常、図示しない付勢手段で両軸端付近を加圧され、感光体ドラム2に所定圧で圧接している。本実施の形態では、上流側の加圧力Fuと下流側の加圧力Fdとは均等、即ち、Fu=Fdとなっている。
次に、図5に示す感光体ドラム2との圧接状態における実施例1に係る転写ローラ60の軸方向の抵抗分布について説明する。図6に示すように、軸方向に沿って導電部と絶縁部とが層状に交互に繰り返し形成された前記感光体ドラム2と同サイズの抵抗分布測定用ドラムをセットし、図5と同じ状態で転写ローラ60をこの抵抗測定用ドラムに圧接して転写バイアスを印加し、各導電部についての電流を測定することで転写ローラ60の軸方向の抵抗分布を知ることができる。転写した画像品質が最適となるよう前記抵抗層の厚さなどを調整しながらこのような測定を繰り返して転写ローラ60の最適な抵抗分布をグラフに表したのが図7のグラフである。
図7に示すように、実施例1に係る転写ローラ60の軸方向の抵抗分布は、少なくとも画像の転写可能範囲である画像領域における上流端側がRu、画像領域における下流端側がRd、且つ、Ru>Rdであり、転写ローラ60の軸方向位置(画像領域上流端からの距離)が大きくなると直線的に減少するよう傾斜が付いている、即ち、転写ローラ60の軸方向位置と転写ローラ60の圧接状態の抵抗とは、反比例の関係(線形関係)となっている。また、使用するトナーの特性や感光体ドラムの線速度などの条件で変わるのは勿論であるが、一般的な条件では、転写ローラ60全体の抵抗は、軸芯〜表面間で1×106〜8Ω程度、Ru/Rd=1.1〜1.3程度が最も好ましい範囲である。
(実施例1の作用効果)
以上のように、転写バイアス印加部材を実施例1に係る前述の転写ローラ60とし、記録媒体としてコピー用紙を転写ニップに通紙して転写する場合では、転写ローラ60が図7のグラフのような抵抗分布となっているので、印加する転写バイアスは同じでも転写ニップにおける転写電界は、上流側、即ち、現像ローラの現像剤搬送方向上流側と対応する側が、弱く(小さく)反対側に行くに連れて次第に強く(大きく)なり、このように転写電界の強弱の分布を付けることで現像ローラの搬送方向の下流側に行くほど感光体ドラム2が担持するトナー像の濃度が低下してしまう問題を解消又は軽減することができ、現像剤搬送方向によるトナー濃度の相違に起因する画像濃度ムラや、転写チリなどの異常画像を抑制することができ、画像濃度差が小さく均一な画像を転写することができる。
なお、転写バイアス印加部材として実施例1に係る転写ローラ60を例に挙げて説明したが、実際には、転写バイアス印加部材が図7のグラフのような抵抗分布、即ち、上流側が高く下流側が低い傾斜を持った分布となっていれば、所望の転写電界を得られる訳であり、転写バイアス印加部材の構成は図4で示した実施例に限定されるものではない。よって、次に、本発明の転写バイアス印加部材の別例について説明する。
転写バイアス印加部材の実施例2について図8を用いて説明する。図8は、転写バイアス印加部材の実施例2に係る転写ローラの内部構造を示す鉛直断面図である。図示する転写ローラ61は、軸芯として導電材である金属製の丸棒を基体とする芯金61aと、芯金61aの外周に形成された発泡ゴム層61bとから主に構成され、芯金61aは、丸棒を基体としているが、発泡ゴム層61bの内部に位置し、少なくとも画像領域にあたる部分は、下流端側が太い略円錐台状に形成されており、発泡ゴム層61bは、NBR(アクリロニトリル ブタジエン ゴム)などの半導電性の樹脂にカーボンなどの導電剤を添加して抵抗値を調整した樹脂から上流端側が厚く外周面の径が略同一の円筒状に形成されている。導電材からなる芯金61aと、半導電性の樹脂からなる発泡ゴム層61bとでは、抵抗値が段違いであるため、転写ローラ61の軸方向の抵抗分布は、発泡ゴム層61bの層厚で殆ど決まってしまう。よって、発泡ゴム層61bの層厚を上流端側が厚く図示する構成とすることで、図7で示した圧接時の転写バイアス印加部材の理想の抵抗分布が得られ、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
転写バイアス印加部材の実施例3について図9を用いて説明する。図9は、転写バイアス印加部材の実施例3に係る転写ローラの内部構造を示す鉛直断面図である。図示する転写ローラ62は、軸芯として導電材である金属製の丸棒からなる芯金62aと、この芯金62aの外周に形成された発泡ゴム層62bとから主に構成され、発泡ゴム層62bは、NBR(アクリロニトリル ブタジエン ゴム)などの半導電性の樹脂にカーボンなどの導電剤を添加して抵抗値を調整した樹脂から軸芯部分が中空の円錐台状に形成されている。つまり、圧接時の転写ローラ62の軸方向の抵抗分布は、発泡ゴム層62bの層厚が上流端側で厚くなっているので、図7で示した転写バイアス印加部材の理想の抵抗分布が得られ、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
[実施の形態2]
以上のように、転写バイアス印加部材が転写ローラである場合について説明したが、次に、転写バイアス印加部材が転写ブラシや転写ブレードである場合について説明する。図10は、本発明の実施の形態2に係る画像形成装置の主要部の概略構成を示す構成説明図である。図中の符号1’は、実施の形態2に係る画像形成装置を示しているが、前述の実施の形態1に係るプリンタ1との相違点は、転写手段6が転写手段6’となっている点だけであるので、同じ構成は同じ符号を付し、説明を省略する。
転写手段6’は、2つの搬送ローラ60’,61’と、これらの搬送ローラ60’,61’に張架された無端ベルトからなる転写搬送ベルト62’と、転写バイアス印加部材として転写ブラシ63とを備え、この転写ブラシ63は、の転写搬送ベルト62’の内周面(裏面)から図示しない付勢手段で加圧され、所定圧で転写搬送ベルト62’を介して感光体ドラム2に圧接している。この転写搬送ベルト62’は、クロロプレンゴムを基材とし、表層にフッ素樹脂のコーティングが施されている。なお、転写ブラシ63は、後述のような転写ブレードでも構わない。
次に、この実施の形態2に係るプリンタ1’の転写バイアス印加部材の実施例である転写ブラシ63を、転写バイアス印加部材の実施例4として図11を用いて説明する。図11は、転写バイアス印加部材の実施例4に係る転写ブラシの概略構成を示す側面図である。この転写ブラシ63は、導電材である金属製の支持部材63aと、この支持部材63aにポリエステル繊維などの半導電性の樹脂繊維の一端が固着されて植毛されたブラシ部63bと、から主に構成されている。この支持部材63aは、感光体ドラム2に面する上面が、上流側が低く下流側が高くなった傾斜面となっており、ブラシ部63bの毛足長さは、上流側が長く、下流側が短く、且つ、上端が揃っている。つまり、高抵抗の樹脂繊維の長さが、上流側で長くなっているので、図7で示した転写バイアス印加部材の理想の抵抗分布が得られ、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。また、ブラシ部63bがウレタンゴムからなる平板から上流側の一辺が高く下流側の一辺が低く、上端の辺が水平な台形状に形成されたブレードであっても同様な作用効果を奏することができる。
次に、この実施の形態2に係るプリンタ1’の転写バイアス印加部材の変形例を転写バイアス印加部材の実施例5として図12を用いて説明する。図12は、転写バイアス印加部材の実施例5に係る転写ブレードの概略構成を示す側面図である。この転写ブレード64は、導電材である金属製の支持部材64aと、この支持部材64aにウレタンゴムなどの半導電性の樹脂からなる矩形平板状のブレードが突設されたブレード部64bと、から主に構成されている。この支持部材64aは、図の左右方向(転写する記録媒体の幅方向)を長手方向とする角形の棒材であり、ブレード部64bは、抵抗層として高抵抗に調整された第1層64cと、この第1層64cより電気抵抗が低く調整された第2層64dとからなり、第1層64cは、上流側が厚く(高く)、下流側が薄い(低い)台形状の平板であり、第2層64dは、逆に下流側が厚く(高く)、上流側が薄い(低い)台形状の平板に形成されている。このため、図7で示した転写バイアス印加部材の理想の抵抗分布が得られ、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。また、ブレード部64bが前述の転写ブラシのブラシ部と同様に半導電性の樹脂繊維が植毛され、そのブラシ部が高抵抗の樹脂繊維と低抵抗の樹脂繊維とからなり、上流側の抵抗が高くなるように配置することでも同様な作用効果を奏することができる。なお、抵抗層である第1層64cと第2層64dを入れ替えても同様な作用効果を奏することは云うまでもない。
以上のように、転写バイアス印加部材自体の抵抗分布に傾斜を付ける場合を説明してきたが、前述のように、圧接時、即ち、転写電界形成時にその電界に強弱を付けられればよいわけであるので、転写バイアス印加部材の加圧力を調整することでも圧接時の抵抗分布に傾斜を付けることができる。
そこで、次に、転写バイアス印加部材の加圧力の強弱により圧接時の抵抗分布に傾斜を付ける場合を転写バイアス印加部材の実施例6として説明する。図13は、転写バイアス印加部材の実施例6に係る転写ローラの内部構造を示す鉛直断面図、図14は、実施例6に係る転写ローラの感光体ドラムとの圧接状態を図1の側面方向から見た状態で表す概略側面図である。この実施例6に係る転写ローラ65は、その構成自体は、一般的な転写ローラであり、軸芯として導電材である金属製の丸棒からなる芯金65aと、この芯金65aの外周に形成された発泡ゴム層65bとから主に構成され、発泡ゴム層65bは、NBR(アクリロニトリル ブタジエン ゴム)などの半導電性の樹脂にカーボンなどの導電剤を添加して抵抗値を調整した樹脂から軸芯部分が中空の円筒ローラ状に形成されている。しかし、図14に示すように、上流側の加圧力Fuと下流側の加圧力Fdとの関係が、Fu<Fdとなっている。このため、発泡ゴム層65bの潰れ具合が変わり、ニップ幅も荷重の大きい下流側で広くなるため、感光体ドラム2と転写ローラ65との間の抵抗分布を、上流側の抵抗Ruが下流側の抵抗Rdより高く(Ru>Rd)して傾斜を付ける、即ち、図7のグラフで示す抵抗分布を得ることができ、実施例1と同様の作用効果が得られる。
しかし、上流側の加圧力Fuと下流側の加圧力Fdに差を付けすぎると、転写ニップでの記録媒体の搬送性に悪影響を与えてしまうという新たな問題が発生する。そこで、転写ローラの加圧力の偏差による搬送性について調べてみた。
Figure 2010117540
表1は、転写ローラの加圧力を上流、下流で同じにした場合(パターン1)と、偏差を25%付けた場合(パターン2)とで異常画像の発生数、及び転写ローラ65と画像の平行度、シワの発生の有無などを調査したものをまとめたものであり、表1に示すように、パターン1でコピー用紙を通紙したところ画像の平行度は1mm以下で、シワや紙の搬送挙動による擦れやチリなどの異常画像は0/150枚と発生しないのに対し、パターン2では、平行度2mm以上、異常画像は2/150枚の率で発生しており、用紙搬送が不安定になっている。よって、上流側と下流側の加圧力に25%の偏差を付けた場合には、シワの発生や、ジャムの原因となる可能性があるため、好ましくないと云える。そこで、上流側の加圧力Fuと下流側の加圧力Fdとの偏差を次式1以内にすることが望ましい。
(Fd−Fu)/{(Fu+Fd)/2}<0.25・・・式1
以上のように、この発明の実施の形態に係る画像形成装置としてモノクロ用プリンタを例に挙げて説明したが、必ずしもこのようなものに限られず、例えば、図15に示すような4連タンデム型の間接転写方式のカラープリンタの1次転写(感光体ドラムから中間転写ベルトへの転写)及び2次転写(中間転写ベルトからコピー用紙への転写)にも本発明を適用することができる。図15に示すカラープリンタは、公知のプリンタなので構成等の説明は省略するが、1次転写に適用する場合は、本発明に係る像担持体が感光体ドラムであり、転写バイアス印加部材が1次転写ローラとなり、2次転写に適用する場合は、像担持体が中間転写体である中間転写ベルトであり、転写バイアス印加部材が2次転写ローラとなる。このようなカラープリンタでは写真画像など高画像面積の画像を出力することが多いため、現像剤搬送方向における現像ローラが担持するトナー濃度の偏差は大きくなりがちであり、本発明を適用することは特に効果的であると考えられる。1次転写に適用する場合には、各色のトナーの特性や平均的な画像面積などに応じて抵抗の分布を各色で変えることにより、更に細かい調整が可能となる。また、2次転写だけに適用してもよいし、1次転写と2次転写の両方に適用することもできる。
なお、実施の形態の説明における帯電手段、露光手段、クリーニング手段、定着手段等は、あくまでも一例を示したものであって、他の既知の装置・手段などの構成を採用することができる。その場合でも、前記課題に対して同様の作用効果を奏することは明らかである。図面で示した各構成部材の形状や構造等も、あくまでも好ましい一例を示すものであり、特許請求の範囲内で適宜設計変更可能であることは云うまでもない。
実施の形態1に係る画像形成装置の主要部の概略構成を示す構成説明図である。 図1の画像形成装置の現像手段の概略構成を示す模式的な鉛直断面図である。 図2の現像手段の概略構成を示す模式的な水平断面図である。 実施例1に係る転写バイアス印加部材の内部構造を示す鉛直断面図である。 図4の転写ローラの感光体ドラムとの圧接状態を図1の側面方向から見た状態で表す概略側面図である。 図5の状態で実施例1に係る転写ローラの抵抗分布を計測するために用いた測定装置の概略構成を表す説明図である。 実施例1に係る転写ローラの上流から下流へ至る軸方向の(電気)抵抗分布を表したグラフである。 実施例2に係る転写バイアス印加部材の内部構造を示す鉛直断面図である。 実施例3に係る転写バイアス印加部材の内部構造を示す鉛直断面図である。 実施の形態2に係る画像形成装置の主要部の概略構成を示す構成説明図である。 実施例4に係る転写バイアス印加部材の概略構成を示す側面図である。 実施例5に係る転写バイアス印加部材の概略構成を示す側面図である。 実施例6に係る転写バイアス印加部材の内部構造を示す鉛直断面図である 図13の転写ローラの感光体ドラムとの圧接状態を図1の側面方向から見た状態で表す概略側面図である。 公知の4連タンデム型間接転写方式のカラープリンタの概略構成を示す模式的な鉛直断面図である。
符号の説明
1 プリンタ(画像形成装置)
2 感光体ドラム(潜像担持体、像担持体)
5 現像手段
50 現像ユニット(現像手段)
51 現像ローラ(現像剤担持体)
52,53 搬送スクリュー(搬送手段)
6,6’ 転写手段
60,61,62,65 転写ローラ(転写バイアス印加部材)
63 転写ブラシ(転写バイアス印加部材)
64 転写ブレード(転写バイアス印加部材)

Claims (9)

  1. トナーとキャリアとを含有する2成分現像剤を撹拌しながら帯電させて潜像担持体と所定間隔離間して対向する現像剤担持体の軸方向に沿って供給すると共に、前記現像剤担持体に現像バイアスを印加することにより現像剤担持体に担持される前記現像剤からトナーを前記潜像担持体が担持する静電潜像に転移させてトナー像に現像する現像手段と、
    前記トナー像を表面に担持する像担持体と転写バイアス印加部材とが圧接する転写ニップにおいて、前記転写バイアス印加部材から転写バイアスを印加することにより前記像担持体からトナー像を記録媒体又は中間転写体に転写する転写手段と、
    を備えた画像形成装置において、
    前記転写バイアス印加部材の画像領域の一端である前記現像剤の搬送方向上流側に対応する上流端と、その反対側の下流端とで前記像担持体との圧接状態における電気抵抗に差を設けていることを特徴とするト画像形成装置。
  2. 前記転写バイアス印加部材の前記上流端の電気抵抗の方が下流端の電気抵抗より大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記転写バイアス印加部材は、導電材から丸棒状に形成された軸芯と、該軸芯の外周に形成された樹脂層と、を有する転写ローラであり、
    前記樹脂層は、半導電性の樹脂から前記上流端側の層厚が厚く形成された抵抗層を有していることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記転写バイアス印加部材は、導電材から形成された軸芯と、該軸芯の外周に形成された樹脂層と、を有する転写ローラであり、
    前記軸芯は、前記下流端側が太く形成され、前記樹脂層は、半導電性の樹脂から前記上流端側が厚く外周面の径が略同一の円筒状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 前記転写バイアス印加部材は、導電材から丸棒状に形成された軸芯と、該軸芯の外周に形成された樹脂層と、を有する転写ローラであり、
    前記樹脂層は、半導電性の樹脂から前記上流端側が厚い円錐台状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  6. 前記転写バイアス印加部材は、導電材からなる支持部材と、該支持部材に植毛された半導電性の樹脂からなるブラシと、を有する転写ブラシであり、
    前記支持部材は、前記像担持体側に傾斜面が形成され、前記ブラシの毛足長さは、前記上流端側が長くなっていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  7. 前記転写バイアス印加部材は、導電材からなる支持部材と、該支持部材に突設されたブレードと、を有する転写ブレードであり、
    前記ブレードは、半導電性の樹脂からなる抵抗層を有し、該抵抗層は、前記上流端側が厚くなっていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  8. 前記転写バイアス印加部材の両軸端付近を押圧して前記像担持体に圧接する圧接手段を備え、該圧接手段の圧接力は、前記上流端側を押圧する力が前記下流端側を押圧する力より小さいことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記圧接手段の圧接力は、前記上流端側を押圧する力をFu、前記下流端側を押圧する力をFdとすると、下記式1を満たすことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
    (Fd−Fu)/{(Fu+Fd)/2}<0.25・・・式1
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