JP2010116972A - クラッチ制御装置およびクラッチ制御方法 - Google Patents

クラッチ制御装置およびクラッチ制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010116972A
JP2010116972A JP2008290023A JP2008290023A JP2010116972A JP 2010116972 A JP2010116972 A JP 2010116972A JP 2008290023 A JP2008290023 A JP 2008290023A JP 2008290023 A JP2008290023 A JP 2008290023A JP 2010116972 A JP2010116972 A JP 2010116972A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shift change
ecu
change request
shift
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008290023A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Fujii
信行 藤井
Takashi Hagitani
孝 萩谷
Norihiko Araki
範彦 荒木
Shingo Matsuda
真吾 松田
Yusuke Nishioka
優介 西岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Ten Ltd
Original Assignee
Denso Ten Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Ten Ltd filed Critical Denso Ten Ltd
Priority to JP2008290023A priority Critical patent/JP2010116972A/ja
Publication of JP2010116972A publication Critical patent/JP2010116972A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】運転者の走行制御指示から高速シフトチェンジ要求の有無を判定し、高速シフトチェンジ要求があると判定したときのシフトチェンジ完了時間を通常走行時のシフトチェンジ完了時間よりも短縮させることができるクラッチ制御装置およびクラッチ制御方法を提供する。
【解決手段】車両制御システム1は、高速シフトチェンジ要求判定処理および摩擦係合要素制御処理によって、運転者が操作部から入力する走行制御指示の変化量に基づいて、運転者の高速シフトチェンジ要求の有無を判定し、判定結果に基づいて摩擦係合要素の係合時間を短縮させることで、シフトチェンジ完了時間をより短縮させることができる。よって、シフトモードによらずに高い変速レスポンスを提供し、運転者の要求をダイレクトに反映した走行を達成することができることから、ドライバビリティを大きく向上させることができる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、クラッチ制御装置およびクラッチ制御方法に関する。
従来、車両の内燃機関の動力と駆動輪との間に配置され、摩擦係合要素の係合、分断の組み合わせによって自動変速を可能にするクラッチ制御装置が広く適用されている。
クラッチ制御装置は、例えば、変速ソレノイドの制御によってオイルポンプからクラッチドラムの内部に作動油を供給、解放して、クラッチピストンを摩擦板に押し付けたり離したりすることで、摩擦係合要素を係合、分断させるものが適用される。
クラッチ制御装置は、シフトチェンジの際の変速ショックを和らげるために、変速ソレノイドが制御するクラッチピストンへの作動油の供給油圧の上昇速度を供給途中で一旦低下させる変速ショック緩和制御を実行している。または、変速ソレノイドとクラッチとの間にアキュームレータを設けることで、オイルポンプから供給される作動油の一部をアキュームレータに蓄積し、クラッチピストンに供給される作動油の油圧の急激な上昇を抑制する変速ショック緩和制御を実行している。
しかしながら、スポーツ走行中において運転者が高い変速レスポンスを要求している場合、運転者がシフトチェンジを要求してからシフトチェンジが完了するまでの間に変速ショック緩和制御の実行時間が必要となるために、高い変速レスポンスが得られない、といった問題点がある。
このような問題を解決するために、特許文献1では、手動変速モードでの変速時に、クラッチ係合油圧サーボに供給されるライン圧、またはアキュームレータの背圧を昇圧させることで、手動変速モード時の変速開始タイミングを自動変速モード時よりも短くする変速開始タイミング調整手段についての技術が開示されている。
また、特許文献2では、走行中の路面の摩擦係数に応じてクラッチ断接用アクチュエータの変化速度を制御することで、クラッチの接合作動速度や分断作動速度を適切に変更する技術が開示されている。
そして、特許文献3では、車両の摩擦係合装置の油圧を速やかに上昇させることで、多重変速時の変速応答性を高める技術が開示されている。
更に、特許文献4では、車両の平均車速、アクセルの高開度時間、アクセル踏込み平均速度に基づいて運転者の運転タイプを判断し、判断結果に基づいて自動変速機の変速タイミングを変更する制御についての技術が開示されている。
特開平5−302669号公報 特開2004−144221号公報 特許第3514148号公報 特開2001−235026号公報
しかしながら、特許文献1〜3の技術では、変速レスポンスを向上させるクラッチ制御を実行するために、車両のシフトモードをスポーツモードやパワーモードに設定しなければならず、通常のドライブシフト中に運転者の走行制御指示から高速シフトチェンジ要求を検出してクラッチ制御を実行することができない、といった問題がある。また、特許文献4の技術では、車両の平均車速、アクセルの高開度時間、アクセル踏込み平均速度のみから運転者の走行要求を検出するものであるために、通常走行時に突発的に高い変速レスポンスが要求されるとき、例えば車両の追い越し時などに運転者の要求を充分に検出できるものではない、といった問題もある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされてものであり、運転者の走行制御指示から高速シフトチェンジ要求の有無を判定し、高速シフトチェンジ要求があると判定したときのシフトチェンジ完了時間を通常走行時のシフトチェンジ完了時間よりも短縮させることができるクラッチ制御装置およびクラッチ制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のクラッチ制御装置は、車両の運転者からの走行制御指示情報を入力する入力部と、入力部で入力した走行制御指示情報に基づいて、車両の運転者が走行時のシフトチェンジ完了時間の短縮を要求しているか否かを判定する高速シフトチェンジ要求判定処理と、高速シフトチェンジ要求判定処理の判定結果に基づいて、車両の内燃機関の動力を駆動輪へと断接するための摩擦係合要素の係合完了時間について、高速シフトチェンジ要求がない場合の係合完了時間よりも、高速シフトチェンジ要求がある場合の係合完了時間を短縮する係合時間短縮処理と、を制御する制御部と、を備える(請求項1)。
特に、本発明のクラッチ制御装置は、前記高速シフトチェンジ要求判定処理が、車両の1の操作部から入力される走行制御指示が他の操作部から入力される走行制御指示へと変化する変化量が所定値以上の場合に、高速シフトチェンジ要求があると判定する(請求項2)。
また、本発明のクラッチ制御装置は、前記高速シフトチェンジ要求判定処理が、運転者の所定時間内におけるシフトチェンジ要求回数と、所定時間内におけるアクセル開度変化量と、アクセルとブレーキとの踏み替え時間との少なくとも1つに基づいて、高速シフトチェンジ要求があるか否かを判定する(請求項3)。
そして、本発明のクラッチ制御装置は、車両のオイルポンプと摩擦係合要素との間に設けられて、運転者のシフトチェンジ要求に基づいて摩擦係合要素を係合させるための油圧を制御するアクチュエータと、車両のアクチュエータと摩擦係合要素との間に設けられて、摩擦係合要素を係合させるために前記アクチュエータから供給される油圧の一部を、背圧を制御することで蓄圧可能なアキュームレータとを備え、前記係合時間短縮処理が、摩擦係合要素を係合させるためにアクチュエータが供給する油圧を上昇させる制御、またはアキュームレータの背圧を上昇させる制御、の少なくとも一方を実行することにより、高速シフトチェンジ要求がある場合の摩擦係合要素の係合完了時間を短縮する(請求項4)。
更に、本発明のクラッチ制御方法は、入力部で入力した車両の運転者からの走行制御指示情報に基づいて、車両の運転者が走行時のシフトチェンジ完了時間の短縮を要求しているか否かを判定する高速シフトチェンジ要求判定ステップと、高速シフトチェンジ要求判定ステップの判定結果に基づいて、車両の内燃機関の動力を駆動輪へと断接するための摩擦係合要素の係合完了時間について、高速シフトチェンジ要求がない場合の係合完了時間よりも、高速シフトチェンジ要求がある場合の係合完了時間を短縮する係合時間短縮ステップと、を有する(請求項5)。
本発明のクラッチ制御装置およびクラッチ制御方法によれば、運転者の走行制御指示から高速シフトチェンジ要求の有無を判定し、判定結果に基づいてシフトチェンジ完了時間を通常走行時のシフトチェンジ完了時間よりも短縮させることができることから、シフトモードによらずに運転者の要求に応じた自動変速機の変速レスポンスを得ることができる。よって、運転者の要求をダイレクトに反映した走行を達成することができ、ドライバビリティを大きく向上させることができる。また、摩擦係合要素の係合時間が短縮されることから、摩擦材の損耗を軽減させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明のクラッチ制御装置を組み込んだ車両制御システム1の概略構成を示した構成図である。
図1に示す車両制御システム1は、エンジンECU(Electronic Control Unit)11、AT(Automatic Transmission)・ECU12等の複数のECUを備えている。これら複数のECUは、図示しない電源ラインを通じてオルタネータおよびバッテリから電力の供給を受けて稼動し、CAN(Controller Area Network)等の通信プロトコルに従って通信を行う。また、車両制御システム1は、動力源であるエンジン21を備えており、エンジン21の動力をトルクコンバータ22、トランスミッション31、ギア23を介してフロント駆動輪24に伝導させることで車両を駆動させる。更に、車両制御システム1は、オイルポンプ25、油圧制御装置41を備えており、AT・ECU12が出力する制御信号に基づいてトランスミッション31やトルクコンバータ22に油圧を供給、解放する。
エンジンECU11は、エンジン21への燃料噴射量を電子的に制御するEFI(Electronic Fuel Injection)に接続してエンジン出力を制御し、車両の走行スピードを調整する。また、エンジンECU11は、クランク角センサ26やトルクセンサ(図示しない)からの信号に基づいて検出したエンジン回転数、トルク情報信号をAT・ECU12に出力する。そして、AT・ECU12はエンジンECU11から出力された情報信号に基づいて車両のシフトチェンジ制御を実行する。更に、エンジンECU11は、AT・ECU12からシフトチェンジ要求が出力されると、この要求に応じてシフトチェンジ時のエンジントルクを低下させて、シフトチェンジが容易に実行できるように補助する。
AT・ECU12は、エンジンECU11の出力情報やシフトポジションセンサ52、アクセルセンサ27、ブレーキセンサ28からの信号を受け取り、走行状態や運転者の要求に基づいて車両の変速制御を実行する。この場合、AT・ECU12は、油圧制御装置41の変速ソレノイド42の油圧ポートニードル弁開放量を制御することで、トランスミッション31のクラッチ32、ブレーキ33の係合時間を制御することができる。なお、変速制御の詳細については後述する。
また、AT・ECU12は、車両のシフトチェンジの際にアキュームレータ43の背圧を低圧に制御することで、車両のシフトチェンジ時の変速ショックを和らげることができる。そして、AT・ECU12は、シフトチェンジ時のアキュームレータ43の背圧を高圧に制御することで、変速ショック緩和制御を実行せずにトランスミッション31のクラッチ32、ブレーキ33を即座に係合させることができる。なお、アキュームレータ背圧制御の詳細については後述する。
更に、AT・ECU12は、シフトポジションセンサ52、アクセルセンサ27、ブレーキセンサ28からの信号を受信し、運転者の高速シフトチェンジ要求の有無を判定する。AT・ECU12は、シフトポジションセンサ52からの信号により、シフトポジションがS位置にあるときであって、運転者が所定時間内にアップシフト要求またはダウンシフト要求を所定回数以上行った場合に、高速シフトチェンジ要求があると判定する(図10参照)。ここで、所定時間は任意の時間を適用できるが、例えばシフトチェンジの完了予定時間0.5[sec]を適用することができる(図10(3)参照)。また、所定回数は任意の回数を適用できるが、例えば3回とすることができる(図10(2)参照)。そして、AT・ECU12は、アクセルセンサ27からの信号により、シフトポジションがS位置に移動されてから所定時間内におけるアクセル開度変化量が所定量以上であった場合に、高速シフトチェンジ要求があると判定する。ここで、所定時間は任意の時間を適用できるが、例えばシフトチェンジの完了予定時間0.5[sec]を適用することができる。また、所定量は任意の量を適用できるが、例えば0.0625[°/msec]とすることができる。更に、AT・ECU12は、アクセルセンサ27およびブレーキセンサ28からの信号により、アクセル開度が所定量以上のときにアクセルからブレーキへの踏み替え時間が所定時間以内であった場合に、または、アクセル開度が所定量未満のときのブレーキからアクセルへの踏み替え時間が所定時間以内であった場合に、高速シフトチェンジ要求があると判定する。ここで、所定量は任意の量を適用できるが、例えば30[%]とすることができる。また、所定時間は任意の時間を適用できるが、例えば300[msec]とすることができる。
このように、高速シフトチェンジ要求があると判定した場合、AT・ECU12は、シフトチェンジの際に油圧制御装置41の変速ソレノイド42およびアキュームレータ43の背圧を高圧に制御し、トランスミッション31のクラッチ32、ブレーキ33の係合時間を短縮させる(図10(2),図11(2)参照)。この制御を実行することによって、シフトチェンジ完了時間を通常走行時のシフトチェンジ完了時間よりも短縮させることができることから、シフトモードによらずに運転者の要求に応じた変速レスポンスを得ることができる。よって、運転者の要求をダイレクトに反映した走行を達成することができ、ドライバビリティを大きく向上させることができる。また、クラッチ32およびブレーキ33の係合時間が短縮されることから、摩擦材の損耗を軽減させることができる。
図2に、AT・ECU12のマイコン70のハードウェア構成を示す。マイコン70は、CPU71、ROM72、RAM73、NVRAM(Non Volatile RAM)74、入出力部75等を有している。CPU71は、ROM72に格納したプログラムを読み込んで、このプログラムに従った演算を行う。すなわち、ROM72に格納されたプログラムをCPU71が読み込むことで、車両の走行状態や運転者の要求に合致した変速制御を実行する。また、RAM73には、運転者の所定時間内におけるシフトチェンジ要求回数、アクセル開度変化量、アクセル・ブレーキ踏み替え時間などの演算結果のデータが書き込まれ、NVRAM74は、RAM73に書き込まれていたデータで、イグニッションOFF時に保存の必要なデータが書き込まれる。入出力部75は、変速機のシフトポジションを示すシフト信号、アクセルの開度を示すアクセル開度信号、ブレーキが作動状態であることを示すブレーキ信号、ステアリングの切れ角を示すステアリング信号、車速を示す車速信号、エンジンの回転数を示すエンジン回転数信号、エンジントルクを示すトルク信号、エンジン冷却水の温度を示す水温信号、油圧制御装置41の油温を示す油温信号等の各種センサからの信号を入力または出力する。なお、AT・ECU12は、本発明の入力部および制御部に相当する。
エンジン21は、車両に搭載される多気筒エンジンであって、各気筒は燃焼室を構成するピストンを備えている(図示しない)。各燃焼室のピストンはそれぞれコネクティングロッドを介して出力軸であるクランクシャフトの軸に連結されており、各ピストンの往復運動がコネクティングロッドによってクランクシャフトの回転へと変換される。吸気ポートから流入された吸入空気はインジェクタから噴射された燃料と混合し、ピストンの上昇運動により燃焼室内で圧縮される。エンジンECU11は、クランク角センサ26からのピストンの位置、および吸気カム角センサからのカム軸回転位相の情報に基づき、燃焼室内の点火プラグを点火させて圧縮混合ガスを着火させ、燃焼室内を膨張させてピストンを下降させる。これがコネクティングロッドを介してクランクシャフトの軸回転に変更されることにより、エンジン21は動力を得る。
トルクコンバータ22は、エンジン21の出力軸に接続されていると共に、そのタービン翼車がトランスミッション31の入力軸に接続されており、エンジン21の動力をトランスミッション31へと伝達する。また、トルクコンバータ22は、燃費向上のためにロックアップクラッチを備えている。ロックアップクラッチは、油圧制御装置41からの油圧を供給、解放することによって係合、分断される。
トランスミッション31は、エンジン21からトルクコンバータ22を介して伝達された動力を、複数のプラネタリギアユニットを構成するリングギア、キャリア、サンギアに選択的に伝達したり分断したりさせることによって、車両のシフトチェンジを実行する。トランスミッション31は、各プラネタリギアユニットの外周部に、複数のプラネタリギアユニット間の回転要素を係合、分断させるクラッチ32(図3参照)と、各プラネタリギアユニット中の回転要素にブレーキをかけて、その回転を停止させるブレーキ33(図示しない)とを備えている。また、トランスミッション31は、各プラネタリギアユニット外周部のクラッチドラム34内部にクラッチピストン35を備えている。クラッチピストン35は、クラッチ32を分断する方向に付勢されており、AT・ECU12の指令によって油圧制御装置41から油圧の供給を受けると、クラッチ32の方向へ付勢されて作動する。そして、クラッチピストン35は、クラッチドラム34の摩擦板とクラッチハブ36の摩擦板とを押し付けることでクラッチ32を係合させる(図3(A))。また、クラッチピストン35は、AT・ECU12の指令によって油圧制御装置41からの油圧が減圧されると、付勢力によってクラッチ32を分断する方向へ作動する。そして、クラッチピストン35は、クラッチドラム34の摩擦板とクラッチハブ36の摩擦板とを離すことでクラッチ32を分断させる(図3(B))。このように、油圧制御装置41からの油圧によってクラッチピストン35を作動させることで、目的とする変速比に対応した回転要素のクラッチ32を係合・分断させ、所望する変速比へとシフトチェンジさせる。同様に、トランスミッションケース内部の図示しないブレーキピストンに油圧を供給、解放し、ブレーキピストンを作動させてブレーキ33の摩擦板を押し付けたり離したりすることで、ブレーキ33を係合、分断させる。このように、油圧制御装置41からの油圧によってブレーキピストンを作動させることで、目的とする変速比に対応した回転要素のブレーキ33を係合・分断させ、所望する変速比へとシフトチェンジさせる。
ギア23は、エンジン21からトルクコンバータ22、トランスミッション31を介して伝達された動力をフロント駆動輪24へ伝達する。
オイルポンプ25は、トランスミッション31のクラッチやトルクコンバータ22のロックアップクラッチを係合、分断させるための作動油を油圧回路61を通じて油圧制御装置41へ供給する。オイルポンプ25は、エンジン21の出力軸に連結されてエンジン21の駆動力によって作動する機械式と、エンジン21が停止しているときに作動する電動式とがある。機械式はエンジン21の回転数が所定値を超えないと安定した油圧を供給できないため、エンジン21が始動し、機械式が供給する油圧が所定値を超えるまで間の油圧の供給を電動式が担当する。また、オイルポンプ25と油圧制御装置41との間の油圧回路61にはソレノイド48が設けられており、AT・ECU12がソレノイド48を制御することによって、オイルポンプ25が油圧制御装置41に供給する油圧を調整する。
油圧制御装置41は、AT・ECU12が出力する制御信号に基づいて、トランスミッション31やトルクコンバータ22に供給する油圧を制御することで、クラッチ32、ブレーキ33やロックアップクラッチの係合、分断を実行する。油圧制御装置41は、変速ソレノイド42およびアキュームレータ43で構成され、車両のシフトチェンジ時にトランスミッション31のクラッチ32およびブレーキ33に供給する油圧を調整することで、シフトチェンジの際の変速ショックを緩和させたり、クラッチ32およびブレーキ33の係合時間を短縮させたりする。
変速ソレノイド42は、電磁力によって油圧ポートニードル弁を移動させることで油圧口を開閉する。変速ソレノイド42は、AT・ECU12から油圧供給の制御信号を受信すると、油圧ポートニードル弁を必要な分だけ開放して油圧をコントロールバルブ(図示しない)に伝達させる。コントロールバルブは、油圧回路61を閉じる方向に付勢されており、変速ソレノイド42からの油圧を受けるとパスカルの原理によって作動し、油圧回路61を開放させる。そして、オイルポンプ25から供給される油圧をトランスミッション31のクラッチ32、ブレーキ33やトルクコンバータ22のロックアップクラッチへと伝達させることで、クラッチ32およびブレーキ33を係合させる。この場合、変速ソレノイド42が高い油圧を供給すると、コントロールバルブが大きく移動することで油圧回路61の油圧が大きく上昇することから、クラッチ32およびブレーキ33は即座に係合する。一方、変速ソレノイド42が低い油圧を供給すると、コントロールバルブが小さく移動することで油圧回路61の油圧が小さく上昇することから、クラッチ32およびブレーキ33は不完全な係合状態、いわゆる半クラッチ状態を経てから係合する。このように、変速ソレノイド42の油圧を制御することで、トランスミッション31のクラッチ32およびブレーキ33の係合時間を制御することができる。変速ソレノイド42としては、ソレノイド電流値を制御することで油圧を調整するリニアソレノイドを適用するが、電流のDUTY比率を可変にして実行電流を調整するDUTYソレノイドを適用しても良い。なお、変速ソレノイド42は、本発明のアクチュエータに相当する。
アキュームレータ43は、オイルポンプ25と変速ソレノイド42とクラッチ32、ブレーキ33との間にある油圧回路61に連通する蓄圧室44に収納されたピストン45、ピストン45に背圧を付勢するための油圧が供給される背圧回路46、およびピストン45に背圧を付勢するスプリング47にて構成される(図4参照)。アキュームレータ43は、変速ソレノイド42が作動してオイルポンプ25から作動油が供給されて油圧回路61の油圧が上昇し始めると、油圧回路61の油圧が背圧回路46の油圧とスプリング47の付勢力との和を超えたときにピストン45が移動を開始する。そして、ピストン45が移動することによって蓄圧室44に油圧回路61の作動油が流入して蓄積される。蓄圧室44が作動油で満たされると、オイルポンプ25から供給される作動油の油圧はすべてクラッチ32およびブレーキ33へと伝達される。この場合、油圧回路61の油圧がアキュームレータ43に蓄積されている間は、クラッチ32およびブレーキ33へ供給される油圧が低下することから、クラッチ32およびブレーキ33は不完全な係合状態、いわゆる半クラッチ状態を経てから係合する。一方、背圧回路46の油圧とスプリング47の付勢力との和が油圧回路61の油圧よりも高い場合は、アキュームレータ43のピストン45は移動しない。この場合、オイルポンプ25から供給される作動油の油圧は直接クラッチ32およびブレーキ33へと伝達されるために、クラッチ32およびブレーキ33は、いわゆる半クラッチ状態を経ずに即座に係合する。このように、アキュームレータ43の背圧回路46に供給する油圧を制御することで、トランスミッション31のクラッチ32およびブレーキ33の係合時間を制御することができる。
シフトレバー51は、P位置、R位置、N位置、D位置およびS位置のシフトアップ(プラス)とシフトダウン(マイナス)に移動することができる。「P」「R」「N」「D」「S」はそれぞれパーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ、スポーツ(またはシーケンシャル)レンジを示している。なお、シフトレバー51のシフトポジションは上記に限られず、他の複数のシフトポジションを設けることもできる。そして、シフトレバー51は、選択されたシフトポジションに対応した油圧信号を油圧制御装置41へと送信する。また、シフトレバー51は、シフトポジションセンサ52を備えており、運転者が選択したシフトポジションの情報をAT・ECU12へ送信する。AT・ECU12は、受信したシフトポジション情報をもとに、運転者が要求する変速比へのシフトチェンジを実行する。
つづいて、AT・ECU12の制御の流れに沿って、車両制御システム1の動作を説明する。図5〜9はAT・ECU12の処理の一例を示すフローチャートである。本実施例の車両制御システム1は、高速シフトチェンジ要求判定処理によって、運転者が操作部から入力する走行制御指示の変化量に基づいて高速シフトチェンジ要求の有無を判定する。つづいて、車両制御システム1は、摩擦係合要素制御処理によって、高速シフトチェンジ要求があると判定した場合に、摩擦係合要素の係合時間を短縮する制御を実行する。
また、本実施例の車両制御システム1は、運転者の所定時間内におけるシフトチェンジ要求回数と、所定時間内におけるアクセル開度変化量と、アクセルとブレーキとの踏み替え時間との少なくとも1つに基づいて、運転者の高速シフトチェンジ要求の有無を判定する制御を実行する。
そして、本実施例の車両制御システム1は、高速シフトチェンジ要求があると判定した場合に、アキュームレータ背圧を高圧に制御することで、摩擦係合要素の係合時間を短縮する制御を実行する。
AT・ECU12の制御は、エンジンの始動要求がされると、すなわちイグニッションスイッチがONにされると開始する。まず、AT・ECU12はステップS1で、シフトレバー51のS位置のアップシフトおよびダウンシフトスイッチに断線などの異常がないか否かを判断する。スイッチに異常がある場合(ステップS1/NO)、AT・ECU12はステップS9へ進む。スイッチに異常がない場合(ステップS1/YES)は、AT・ECU12は次のステップS2へ進む。
ステップS2で、AT・ECU12は、スポーツシフト制御中であるか否か、すなわちシフトレバー51がS位置にあるか否かを判断する。シフトレバー51がS位置にない場合(ステップS2/NO)、AT・ECU12はステップS9へ進む。シフトレバー51がS位置にある場合(ステップS2/YES)は、AT・ECU12は次のステップS3へ進む。
ステップS3で、AT・ECU12は、運転者からのシフトチェンジ要求があるか否か、すなわち図10(a)に示すアップシフト操作、または図10(b)に示すダウンシフト操作がされたか否かを判断する(図10(1)参照)。アップシフト操作またはダウンシフト操作がされていない場合(ステップS3/NO)、AT・ECU12はステップS9へ進む。アップシフト操作またはダウンシフト操作がされた場合(ステップS3/YES)は、AT・ECU12は次のステップS4へ進む。
ステップS4で、AT・ECU12は、図10(c)に示すステップS3で実行された初回シフト操作からの時間が所定時間以上であるか否かを判断する(図10(3)参照)。ここで、所定時間は上述したために、その詳細な説明は省略する。初回シフト操作からの時間が所定時間以上でない場合(ステップS4/NO)、AT・ECU12はステップS6へ進む。初回シフト操作からの時間が所定時間以上である場合(ステップS4/YES)は、AT・ECU12は次のステップS5へ進む。
ステップS5で、AT・ECU12は、運転者のシフトチェンジ要求回数がなかったもとの判断し、シフトチェンジ要求回数をゼロカウントする。AT・ECU12は、ステップS5の処理を終えると、ステップS9へ進む。
ステップS4の判断がNOである場合、AT・ECU12はステップS6へ進む。ステップS6で、AT・ECU12は、図10(e)に示す運転者のシフトチェンジ要求回数が所定回数以上であるか否かを判断する(図10(2)参照)。ここで、所定回数は上述したために、その詳細な説明は省略する。シフトチェンジ要求回数が所定回数以上でない場合(ステップS6/NO)、AT・ECU12はステップS8へ進む。シフトチェンジ要求回数が所定回数以上である場合(ステップS6/YES)は、AT・ECU12は次のステップS7へ進む。
ステップS7で、AT・ECU12は、運転者からの高速シフトチェンジ要求があると判断し、図10(f)に示すクイックシフト有効フラグ1をオンさせる(図10(2)参照)。AT・ECU12は、ステップS7の処理を終えると、ステップS9へ進む。
ステップS6の判断がNOである場合、AT・ECU12はステップS8へ進む。ステップS8で、AT・ECU12は、運転者が実行したシフトチェンジ要求回数をカウントアップする。AT・ECU12は、ステップS8の処理を終えると、次のステップS9へ進む。
ステップS9で、AT・ECU12は、上記の結果をRAM73に保存し、図6のAへ進む。
続いて、図6のA以降の処理について説明する。ステップS10で、AT・ECU12は、シフトレバー51がスポーツモード(S位置)に切り替えられてからの時間が所定時間未満であるか否かを判断する。ここで、所定時間は上述したために、その詳細な説明は省略する。スポーツモードに切り替えられてからの時間が所定時間以上である場合(ステップS10/NO)、AT・ECU12は図7のBへ進む。スポーツモードに切り替えられてからの時間が所定時間未満である場合(ステップS10/YES)は、AT・ECU12は次のステップS11へ進む。
ステップS11で、AT・ECU12は、シフトレバー51がスポーツモードに切り替えられる前のシフト位置がD位置またはN位置であるか否かを判断する。切り替え前のシフトレバー51がD位置またはN位置にない場合(ステップS11/NO)、AT・ECU12は図7のBへ進む。切り替え前のシフトレバー51がD位置またはN位置にある場合(ステップS11/YES)は、AT・ECU12は次のステップS12へ進む。
ステップS12で、AT・ECU12は、スポーツモード切り替え後のアクセル変化量が所定量以上であるか否かを判断する。ここで、所定量は上述したために、その詳細な説明は省略する。アクセル変化量が所定量以上でない場合(ステップS12/NO)、AT・ECU12は図7のBへ進む。アクセル変化量が所定量以上である場合(ステップS12/YES)は、AT・ECU12は次のステップS13へ進む。
ステップS13で、AT・ECU12は、車両の速度が所定値以下であるか否かを判断する。ここで、所定値は高速シフトチェンジを安全に実行することができる任意の速度を適用することができ、例えば100[km/h]とすることができる。車両の速度が所定値を超える場合(ステップS13/NO)、AT・ECU12は図7のBへ進む。車両の速度が所定値以下である場合(ステップS13/YES)は、AT・ECU12は次のステップS14へ進む。
ステップS14で、AT・ECU12は、運転者からの高速シフトチェンジ要求があると判断し、クイックシフト有効フラグ2をオンさせる。AT・ECU12は、ステップS14の処理を終えると、図7のBへ進む。
続いて、図7のB以降の処理について説明する。ステップS15で、AT・ECU12は、アクセル開度が所定値以上であるか否かを判断する。ここで、所定値は上述したために、その詳細な説明は省略する。アクセル開度が所定値以上である場合(ステップS15/YES)、AT・ECU12はステップS18へ進む。アクセル開度が所定値未満である場合(ステップS15/NO)は、AT・ECU12は次のステップS16へ進む。
ステップS16で、AT・ECU12は、ステップS15で判断したアクセル開度の維持時間が所定時間未満であるか否かを判断する。ここで、所定時間は上述したために、その詳細な説明は省略する。アクセル開度の維持時間が所定時間以上である場合(ステップS16/NO)、AT・ECU12は運転者がクルーズ走行を要求していると判断し、図8のCへ進む。アクセル開度の維持時間が所定時間未満である場合(ステップS16/YES)は、AT・ECU12は次のステップS17へ進む。
ステップS17で、AT・ECU12は、ステップS16で判断した所定時間内にブレーキがオンされたか否か、すなわちアクセルからブレーキへの踏み替え時間が所定時間未満であるか否かを判断する。アクセルからブレーキへの踏み替え時間が所定時間未満でない場合(ステップS17/NO)、AT・ECU12は図8のCへ進む。アクセルからブレーキへの踏み替え時間が所定時間未満である場合(ステップS17/YES)は、AT・ECU12はステップS20へ進む。
ステップS15の判断がYESである場合、AT・ECU12はステップS18へ進む。ステップS18で、AT・ECU12は、ステップS15で判断したアクセル開度を維持したままブレーキがオンされたか否かを判断する。アクセル開度を維持したままブレーキがオンされた場合(ステップS18/YES)、AT・ECU12はステップS20へ進む。アクセル開度を維持したままブレーキがオンされていない場合(ステップS18/NO)は、AT・ECU12は次のステップS19へ進む。
ステップS19で、AT・ECU12は、ブレーキからアクセルへの踏み替え時間が所定時間未満であるか否かを判断する。ブレーキからアクセルへの踏み替え時間が所定時間未満でない場合(ステップS19/NO)、AT・ECU12は図8のCへ進む。ブレーキからアクセルへの踏み替え時間が所定時間未満である場合(ステップS19/YES)は、AT・ECU12は次のステップS20へ進む。
ステップS20で、AT・ECU12は、運転者からの高速シフトチェンジ要求があると判断し、クイックシフト有効フラグ3をオンさせる。AT・ECU12は、ステップS20の処理を終えると、図8のCへ進む。
続いて、図8のC以降の処理について説明する。ステップS21で、AT・ECU12は、高速シフトチェンジ制御を実行するための前提条件が成立しているか否かを判断する。ここで、前提条件は変速ソレノイド42が正常であること、シフトレバー51のスイッチが正常であること、シフトレバー51の位置がN位置またはR位置にないこと、シフトレバー51をN位置からD位置に移動させたものでないこと、電子スロットルセンサが正常であることをすべて満たすことである。高速シフトチェンジ制御を実行するための前提条件が成立していない場合(ステップS21/NO)、AT・ECU12は制御の処理を終了する。高速シフトチェンジ制御を実行するための前提条件が成立している場合(ステップS20/YES)は、AT・ECU12は次のステップS22へ進む。
ステップS22で、AT・ECU12は、図10(f)および図11(f)に示すクイックシフト有効フラグ1がオンであるか否かを判断する(図10(2),図11(1)参照)。クイックシフト有効フラグ1がオンである場合(ステップS22/YES)、AT・ECU12はステップS25へ進む。クイックシフト有効フラグ1がオンでない場合(ステップS22/NO)は、AT・ECU12は次のステップS23へ進む。
ステップS23で、AT・ECU12は、クイックシフト有効フラグ2がオンであるか否かを判断する。クイックシフト有効フラグ2がオンである場合(ステップS23/YES)、AT・ECU12はステップS25へ進む。クイックシフト有効フラグ2がオンでない場合(ステップS23/NO)は、AT・ECU12は次のステップS24へ進む。
ステップS24で、AT・ECU12は、クイックシフト有効フラグ3がオンであるか否かを判断する。クイックシフト有効フラグ3がオンでない場合(ステップS24/NO)、AT・ECU12は制御の処理を終了する。クイックシフト有効フラグ3がオンである場合(ステップS24/YES)は、AT・ECU12は次のステップS25へ進む。
ステップS25で、AT・ECU12は、図10(g)および図11(g)に示すクラッチ制御を通常モードから高速シフトチェンジモードに切り替える(図10(2),図11(1)参照)。AT・ECU12は、ステップS25の処理を終えると、その制御を終了する。
続いて、図9の処理について説明する。AT・ECU12の制御は、エンジンの始動要求がされると、すなわちイグニッションスイッチがONにされると開始する。まず、AT・ECU12はステップS26で、図10(i)および図11(i)に示すタービン回転数から車両のシフトチェンジが実行中であるか否かを判断する。シフトチェンジが実行中でない場合(ステップS26/NO)、AT・ECU12は制御の処理を終了する。シフトチェンジが実行中である場合(ステップS26/YES)は、AT・ECU12は次のステップS27へ進む。
ステップS27で、AT・ECU12は、図10(g)および図11(g)に示すクラッチ制御が高速シフトチェンジモードに切り替えられているか否かを判断する(図10(2),図11(1)参照)。高速シフトチェンジモードに切り替えられている場合(ステップS27/YES)、AT・ECU12はステップS29へ進む。高速シフトチェンジモードに切り替えられていない場合(ステップS27/NO)は、AT・ECU12は次のステップS28へ進む。
ステップS28で、AT・ECU12は、高速シフトチェンジ要求よりも変速ショック緩和要求の方が高いと判断し、アキュームレータ43の背圧制御を通常走行時の制御とすることで変速ショック緩和制御を実行する。AT・ECU12は、ステップS28の処理を終えると、その制御を終了する。
ステップS27の判断がYESである場合、AT・ECU12はステップS29へ進む。ステップS29で、AT・ECU12は、図10(h)および図11(h)に示す要求される変速比に対応するアキュームレータ43の背圧を100%に制御する(図10(2)、図11(2)参照)。このように、変速ショック緩和制御を実行しないことによって、トランスミッション31のクラッチ32およびブレーキ33の係合時間を大幅に短縮することができる。この場合、アキュームレータ43の背圧値を最高出力値と通常出力値との間の任意の値に設定することで、変速ショックを抑えつつ通常よりも係合時間を短縮させることもできる。なお、変速ソレノイド42の油圧を向上させて油圧回路61からクラッチ32およびブレーキ33へ供給される油圧を向上させることで、クラッチ32およびブレーキ33の係合時間を短縮することもできる。AT・ECU12は、ステップS29の処理を終えると、その制御を終了する。
以上のように、本実施例1の車両制御システムは、高速シフトチェンジ要求判定処理および摩擦係合要素制御処理によって、運転者が操作部から入力する走行制御指示の変化量に基づいて、運転者の高速シフトチェンジ要求の有無を判定し、判定結果に基づいて摩擦係合要素の係合時間を短縮してシフトチェンジ完了時間を通常走行時のシフトチェンジ完了時間よりも短縮させることができる。よって、シフトモードによらずに運転者の要求に応じた高い変速レスポンスを提供することができ、運転者の要求をダイレクトに反映した走行を達成することができることから、ドライバビリティを大きく向上させることができる。更に、摩擦係合要素の係合時間が短縮されることから、トランスミッション内のクラッチやブレーキの損耗を軽減させることができる。
また、本実施例の車両制御システム1は、運転者の所定時間内におけるシフトチェンジ要求回数と、所定時間内におけるアクセル開度変化量と、アクセルとブレーキとの踏み替え時間との少なくとも1つに基づいて、運転者の高速シフトチェンジ要求の有無を判定することができる。よって、より緻密に運転者の高速シフトチェンジ要求を検出することができる。
そして、本実施例の車両制御システム1は、高速シフトチェンジ要求があると判定した場合に、アキュームレータ背圧を最高出力値に制御することで、摩擦係合要素の係合時間を大幅に短縮することができる。よって、運転者がシフトチェンジを要求してからシフトチェンジが完了するまでの時間を大幅に短縮することができる。
上記実施例は本発明を実施するための一例にすぎない。よって本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、ステアリングセンサからの信号を受信し、所定時間内におけるステアリング操作回数が所定回数以上であった場合に、高速シフトチェンジ要求があると判定してアキュームレータ背圧を最高出力値に制御することで、摩擦係合要素の係合時間を短縮することもできる。
車両制御システムの概略構成を示した構成図である。 AT・ECUのマイコンのハードウェア構成を示した構成図である。 自動変速機のクラッチの概略構成を示した構成図である。 アキュームレータの概略構成を示した構成図である。 実施例1のAT・ECUが行う制御のフローを示している。 実施例1のAT・ECUが行う制御のフローを示している。 実施例1のAT・ECUが行う制御のフローを示している。 実施例1のAT・ECUが行う制御のフローを示している。 実施例1のAT・ECUが行う制御のフローを示している。 AT・ECUが指示する高速シフトチェンジ制御の概略を示した説明図である。 クラッチ制御切り替え後にAT・ECUが指示する高速シフトチェンジ制御の概略を示した説明図である。
符号の説明
1 車両制御システム
11 エンジンECU
12 AT・ECU(入力部,制御部)
21 エンジン
22 トルクコンバータ
23 ギア
24 フロント駆動輪
25 オイルポンプ
26 クランク角センサ
27 アクセルセンサ
28 ブレーキセンサ
31 トランスミッション
32 クラッチ
33 ブレーキ
34 クラッチドラム
35 クラッチピストン
36 クラッチハブ
41 油圧制御装置
42 変速ソレノイド(アクチュエータ)
43 アキュームレータ
52 シフトポジションセンサ

Claims (5)

  1. 車両の運転者からの走行制御指示情報を入力する入力部と、
    入力部で入力した走行制御指示情報に基づいて、車両の運転者が走行時のシフトチェンジ完了時間の短縮を要求しているか否かを判定する高速シフトチェンジ要求判定処理と、
    高速シフトチェンジ要求判定処理の判定結果に基づいて、車両の内燃機関の動力を駆動輪へと断接するための摩擦係合要素の係合完了時間について、高速シフトチェンジ要求がない場合の係合完了時間よりも、高速シフトチェンジ要求がある場合の係合完了時間を短縮する係合時間短縮処理と、
    を制御する制御部と、
    を備えるクラッチ制御装置。
  2. 前記高速シフトチェンジ要求判定処理は、車両の1の操作部から入力される走行制御指示が他の操作部から入力される走行制御指示へと変化する変化量が所定値以上の場合に、高速シフトチェンジ要求があると判定する請求項1記載のクラッチ制御装置。
  3. 前記高速シフトチェンジ要求判定処理は、運転者の所定時間内におけるシフトチェンジ要求回数と、所定時間内におけるアクセル開度変化量と、アクセルとブレーキとの踏み替え時間との少なくとも1つに基づいて、高速シフトチェンジ要求があるか否かを判定する請求項2記載のクラッチ制御装置。
  4. 車両のオイルポンプと摩擦係合要素との間に設けられて、運転者のシフトチェンジ要求に基づいて摩擦係合要素を係合させるための油圧を制御するアクチュエータと、
    車両のアクチュエータと摩擦係合要素との間に設けられて、摩擦係合要素を係合させるために前記アクチュエータから供給される油圧の一部を、背圧を制御することで蓄圧可能なアキュームレータとを備え、
    前記係合時間短縮処理は、摩擦係合要素を係合させるためにアクチュエータが供給する油圧を上昇させる制御、またはアキュームレータの背圧を上昇させる制御、の少なくとも一方を実行することにより、高速シフトチェンジ要求がある場合の摩擦係合要素の係合完了時間を短縮する請求項1から3のいずれか1項記載のクラッチ制御装置。
  5. 入力部で入力した車両の運転者からの走行制御指示情報に基づいて、車両の運転者が走行時のシフトチェンジ完了時間の短縮を要求しているか否かを判定する高速シフトチェンジ要求判定ステップと、
    高速シフトチェンジ要求判定ステップの判定結果に基づいて、車両の内燃機関の動力を駆動輪へと断接するための摩擦係合要素の係合完了時間について、高速シフトチェンジ要求がない場合の係合完了時間よりも、高速シフトチェンジ要求がある場合の係合完了時間を短縮する係合時間短縮ステップと、
    を有するクラッチ制御方法。

JP2008290023A 2008-11-12 2008-11-12 クラッチ制御装置およびクラッチ制御方法 Withdrawn JP2010116972A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008290023A JP2010116972A (ja) 2008-11-12 2008-11-12 クラッチ制御装置およびクラッチ制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008290023A JP2010116972A (ja) 2008-11-12 2008-11-12 クラッチ制御装置およびクラッチ制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010116972A true JP2010116972A (ja) 2010-05-27

Family

ID=42304770

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008290023A Withdrawn JP2010116972A (ja) 2008-11-12 2008-11-12 クラッチ制御装置およびクラッチ制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010116972A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105020298A (zh) * 2014-04-28 2015-11-04 Zf腓特烈斯哈芬股份公司 用于运行湿式离合器总成的方法和湿式离合器总成

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105020298A (zh) * 2014-04-28 2015-11-04 Zf腓特烈斯哈芬股份公司 用于运行湿式离合器总成的方法和湿式离合器总成

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5949920B2 (ja) 車両の制御装置
KR101404379B1 (ko) 자동 변속기의 유압 제어 장치
JPH1169509A (ja) ハイブリッド車両の変速制御装置
JP6197874B2 (ja) 車両の制御装置
US11041451B2 (en) Internal combustion engine control method and internal combustion engine control device
JP2007331533A (ja) 車両用制御装置
US20080248924A1 (en) Shift Control Apparatus
JP3285842B2 (ja) 変速制御装置
JP2001304305A (ja) 機械式自動変速機の変速制御装置
US8498789B2 (en) Control apparatus and control method for drive source
WO2017203874A1 (ja) 無段変速機を備えた車両の制御装置及び制御方法
JP4924173B2 (ja) 車両の変速時の制御装置
JP6098530B2 (ja) クラッチ制御装置
JP2008213590A (ja) 排気浄化触媒の活性化促進装置
JP6254367B2 (ja) 制御装置
JP4120429B2 (ja) エンジンの出力制御装置
JP6582685B2 (ja) 車両走行制御方法及び車両走行制御装置
JP2010116972A (ja) クラッチ制御装置およびクラッチ制御方法
JP4200790B2 (ja) クラッチ制御装置
JP2017067205A (ja) 車両用制御装置
US11840973B2 (en) Vehicle control method and vehicle control apparatus
JPH10238617A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
US11378024B2 (en) Internal combustion engine control method and internal combustion engine control device
WO2016103419A1 (ja) 変速機の制御装置及び変速機の制御方法
JP4881642B2 (ja) 車両の変速制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111020

A072 Dismissal of procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073

Effective date: 20130312

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20130402