JP2010116836A - ロータリ型流体機械 - Google Patents

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Takumi Hikichi
巧 引地
Hiroshi Hasegawa
寛 長谷川
Atsuo Okaichi
敦雄 岡市
Shingo Oyagi
信吾 大八木
Osamu Kosuda
修 小須田
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Abstract

【課題】冷凍サイクルやランキンサイクルに使用されるロータリ型流体機械では、低騒音、信頼性及び高効率化の観点から、起動時や過渡期に液圧縮が発生した場合のベーン飛びの抑制と、ベーン飛びが発生した場合のベーン背部の損傷やベーンばねの損傷を防止する必要がある。
【解決手段】シリンダ、上軸受部材、下軸受部材、および、ピストンにより形成される作動室を、高圧室と低圧室とに区分するベーンと、前記ベーンの背面、シリンダ、上軸受部材、および、下軸受部材により形成されるベーン背部空間と、前記ベーン背部空間に圧力を導入し、前記圧力の源と前記ベーン背部空間とを連通する連通路と、を備えた、作動流体を圧縮または膨張させるロータリ型流体機械において、前記連通路の、前記ベーン背部空間側の開口部は、前記ベーンがピストン上死点に位置する時には閉口し、ピストン下死点に位置する時には開口する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロータリ型圧縮機やロータリ型膨張機などのロータリ型流体機械に関する。
ロータリ型流体機械では、シリンダ、上軸受部材、下軸受部材、および、ピストンにより形成される空間をベーンで区画分けすることによって、作動室が形成される。ベーンは、その先端部がピストンの外周面と接するように配置され、ピストンの偏心回転運動に追従して往復運動する。ベーンの背部には、ベーンの先端部をピストンの外周面に押し付けるように、ばねが設置されている。
ロータリ型圧縮機では、シリンダ内部の各摺動部の潤滑は、作動流体と共に吸入された潤滑油、および、部材の隙間より作動室内に流入した潤滑油で行なわれる。また、各隙間のシールも、潤滑油により行われる。
しかしながら、ロータリ型圧縮機の起動時に作動室内に残留している潤滑油や、サイクル過渡期に作動室内に流入する液冷媒により、作動室内では液圧縮が発生し、作動室内の圧力が急上昇することがある。この圧力の急上昇はベーン飛びの原因となり、騒音・振動、および、ベーンやばねの破損を招くという問題があった。
そこで、ばねとともにカバーをベーンの背部に設置し、潤滑油の粘性を利用することによって、ベーンの急激な飛動を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図8は、従来のロータリ型圧縮機1の縦断面図、図9は、図8の圧縮機構部の要部横断面図である。図8、図9に示すように、従来のロータリ型圧縮機1は、密閉容器2の内部に、圧縮機構部3と、電動機4と、シャフト9とを備えている。密閉容器2の内部は、圧縮機構部3で圧縮された後の冷媒で満たされ、高圧となっている。
圧縮機構部3は、シリンダ6と、シャフト9に形成された偏心部9aに嵌合して偏心回転するピストン11と、シリンダ6およびピストン11を閉塞する上枠体7および下枠体8と、ピストン11に接触してシリンダ6内を高圧側と低圧側に区分するベーン12とにより構成されている。ベーン12は、シリンダ6に形成された孔18に収納されており、ベーン12の背面には、ばね19と、ばね19のピストン11側端部を内包するカバー20とが配置されている。孔18の内部には、密閉容器2の下部に貯留された潤滑油が導入されている。
特開平7−133777号公報
上記従来のロータリ型圧縮機1では、起動時等に液圧縮を起こしてベーン飛びが発生した場合、シリンダ6に形成された孔18内の潤滑油がオイルダンパーとなってベーン12の急激な飛動を抑制し、ばね19の損傷や、ベーン12背部での接触による騒音は防止できる。しかしながら、ベーン飛び自体は発生してしまい、ベーン12先端部がピストン11と接触する際に生じる騒音、衝撃は発生してしまう。
また、カバー20の付加により、ベーン12背面の投影面積が拡大することで、ベーン12の押圧力が増加して、ベーン12とピストン11間の摺動損失を増加させ、圧縮機の効率低下を引き起こしてしまう。さらに、部品点数の増加により、組立工数も増加し、コスト高を招いてしまう。
本発明は、前記従来の課題を解決するロータリ型流体機械であって、ベーン飛びを抑制してベーンのピストンへの追従性を向上させ、また、ベーン背部のばねの損傷の可能性を排除し、簡素な構成で、低騒音化および信頼性の向上を図ることを目的とする。
本発明のロータリ型流体機械は、シリンダ、上軸受部材、下軸受部材、および、ピストンにより形成される作動室を、高圧室と低圧室とに区分するベーンと、前記ベーンの背面、シリンダ、上軸受部材、および、下軸受部材により形成されるベーン背部空間と、前記ベーン背部空間に圧力を導入し、前記圧力の源と前記ベーン背部空間とを連通する連通路と、を備えた、作動流体を圧縮または膨張させるロータリ型流体機械において、前記連通路の、前記ベーン背部空間側の開口部は、前記ベーンがピストン上死点に位置する時には閉口し、ピストン下死点に位置する時には開口することを特徴とする。
本発明のロータリ型流体機械によれば、ベーン背部にベーン背部空間を形成し、ベーンの往復により開口面積が変化する連通路を設けることにより、ベーン背部空間内に存在する潤滑油が連通路を通過する際に発生する流動抵抗により、ベーン飛びを抑制することができる。また、ベーンがピストン上死点に位置する時は、連通路が閉じるため、ベーン背部に形成されたベーン背部空間内に作動流体および潤滑油が封入され、ベーン背面が他部材に接触することを防止することができ、ベーン背部のばねを不要とする簡素な構成で、低騒音化および信頼性の向上を図ることができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るロータリ型圧縮機100の縦断面図、図2は、図1に示すロータリ型圧縮機100の圧縮機構部3の拡大図、図3は、図1のA−A断面線における圧縮機構部3の横断面図である。なお、従来のロータリ型圧縮機1と同一または相当する構成要素には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
<ロータリ型圧縮機100の構成>
図1〜図3に示すように、本発明の実施の形態1に係るロータリ型圧縮機100は、密閉容器2と、密閉容器2内の下方に配置された圧縮機構部3と、圧縮機構部3の上方に配置された電動機4と、圧縮機構部3と電動機4とを連結するシャフト30とを備えている。
密閉容器2の上部には、電動機4に通電するための導入端子32、密閉容器2の底部には、潤滑油を貯留する油溜り33が設けられている。密閉容器2の上面には、作動流体を密閉容器2の外部に導く吐出管35、側面には、作動流体を圧縮機構部3に導く吸入管34が、密閉容器2を貫通して設けられている。
電動機4は、密閉容器2の内周面に固定されたステータ31と、シャフト30に固定されてシャフト30と共に回転するロータ36とにより構成されている。
圧縮機構部3は、シリンダ6、ピストン11、ベーン12、上軸受部材38、下軸受部材39、および、マフラー40により構成されている。
シリンダ6の内部空間には、ピストン11が配置され、シャフト30に形成された偏心部30aと嵌合している。シリンダ6には、ベーン溝41が形成され、ベーン12がピストン11の外周面に接するように収納されている。シリンダ6とピストン11の上面には上軸受部材38、下面には下軸受部材39が設置され、さらに、上軸受部材38の上部には、吐出孔40aを有するマフラー40が設置されている。上軸受部材38、下軸受部材39、および、マフラー40の中心部には、シャフト30が貫通して設置されている。
シリンダ6と、ピストン11と、上軸受部材38と、下軸受部材39とにより、作動流体が吸入・圧縮される空間が形成され、ベーン12により、吸入室47と圧縮室48とに仕切られている。また、ピストン11と、上軸受部材38と、シャフト30と、偏心部30aとにより、ピストン上部空間45が形成される。上軸受部材38の上部には、マフラー40の設置により、マフラー空間51が形成される。上軸受部材38には、連通路49が上下に貫通して形成され、マフラー空間51および圧縮室48に開口している。上軸受部材38の外縁部近傍には、油経路50が上下に貫通して形成され、電動機下部空間54および油溜り33に開口している。
本実施の形態1では、ベーン12の背面と、シリンダ6と、上軸受部材38と、下軸受部材39とにより、ベーン背部空間42が形成される。上軸受部材38には、オイル供給路46が形成され、ベーン背部空間42およびピストン上部空間45に開口している。下軸受部材39には、連通路44が上下に貫通して形成され、ベーン背部空間42および油溜り33に開口している。また、下軸受部材39には、絞り流路43が連通路44の側面の一部に一体形成され、ベーン背部空間42に開口している。
絞り流路43は、切り欠き形状であって、例えば、直角三角形を底面とする三角柱の3つの側面のうち、直角を成す2つの側面を上面および連通路44側の面とし、傾斜している側面を底面として、連通路44に接合させた形状である。すなわち、絞り流路43の底面は、下軸受部材39の上面から連通路44の側面に向かって傾斜し、絞り流路43の開口面積が下方に向かって徐々に減少するように形成されている。絞り流路43の上面側開口部は、連通路44の上面側開口部と一体形成されており、絞り流路43の縦幅は、連通路44の縦幅と同一である。また、絞り流路43の上面側開口部における横幅は、ベーン12が上死点に達した時点で、絞り流路43の上面側開口部がベーン12により閉口される幅である。ここで、縦幅とは、ベーン12のスライド方向に対して垂直方向の幅、横幅とは、ベーン12のスライド方向に対して平行の幅を示す。なお、絞り流路43の形状は上記に限られることはなく、絞り流路43の上面側開口面積が、底面側開口面積よりも大きければ、同様の効果を有する。
上記構成により、ベーン背部空間42には、絞り流路43および連通路44と、オイル供給路46とを通じて、密閉容器2の高い内部圧力が作用する。ベーン12の先端部には、吸入室47の圧力および圧縮室48の圧力が作用する。したがって、ベーン12の先端部は、ベーン背部空間42に生じる圧力とベーン12の先端部に生じる圧力との差圧により、ピストン11の外周面に押し付けられて接触する。
シャフト30の内部には、油経路52が軸方向に形成され、油経路52の下端部は油溜り33に開口している。油経路52には、シャフト30の偏心部30aとピストン11との摺動面に潤滑油を導く油経路52aと、ピストン上部空間45に潤滑油を導く油経路52bとが設けられている。油経路52の内周面には、オイルハネ53が螺旋状に設置されている。シャフト30の回転とともに、オイルハネ53も回転することで、起動直後などでも、油溜り33の潤滑油を油経路52に容易に供給することができ、さらには油経路52aおよび52bを通じて、偏心部30aとピストン11との摺動面、および、ピストン上部空間45にも早々に供給することができる。シャフト30の側面には、油溝30bが螺旋状に形成されている。シャフト30の回転とともに、油溝30bを通じて、ピストン上部空間45に溜まった潤滑油が上昇し、シャフト30と上軸受部材38との摺動面などを容易に潤滑することができる。
<ロータリ型圧縮機100の動作>
導入端子32を介してステータ31に通電し、ロータ36を回転させると、シャフト30の偏心部30aに嵌合したピストン11が偏心回転運動を行う。これにより、吸入室47と圧縮室48の容積が変化する。すなわち、吸入室47は、ピストン11の偏心回転とともに容積が増加し、吸入管34から作動流体を吸入する。一方、圧縮室48は、ピストン11の偏心回転運動とともに容積が減少し、作動流体を圧縮する。
また、ピストン11の偏心回転運動とともに、油溜り33の滑油が、シャフト30内のオイルハネ53により送り出され、油経路52から油経路52aおよび52bを経て、シャフト30の偏心部30aとピストン11との微小隙間、および、ピストン上部空間45に供給される。
油経路52aより、シャフト30の偏心部30aとピストン11との微小隙間に供給された潤滑油は、ピストン11の上端面と上軸受部材38との微小隙間、および、ピストン11の下端面と下軸受部材39との微小隙間を経て、吸入室47および圧縮室48へと流入する。
油経路52bより、ピストン上部空間45に供給された潤滑油の一部は、油溝30bに供給されて、シャフト30と上軸受部材38との摺動面を潤滑する。さらにその一部は、上軸受部材38よりも上方に送り出されて、圧縮機構部3と電動機4との間に形成された電動機下部空間54に流出する。また、ピストン上部空間45に供給された潤滑油の一部は、オイル供給路46を経由して、ベーン背部空間42に供給される。ベーン背部空間42に供給された潤滑油の一部は、ベーン12とシリンダ6の微小隙間から吸入室47および圧縮室48に流入する。また、ベーン背部空間42に供給された潤滑油の一部は、絞り流路43および連通路44を経由して、油溜り33に流出する。
圧縮室48では、圧縮された作動流体と微小隙間より流入した潤滑油とが混合される。混合された作動流体と潤滑油とは、連通路49を経てマフラー空間51に吐出され、マフラー40の吐出孔40aより電動機下部空間54に吐出される。
電動機下部空間54に吐出された作動流体と潤滑油とは、ロータ36の回転運動により旋回流となり、遠心力で分離される。分離した潤滑油は、密閉容器2の内周面に付着、あるいは、重力で下方に落ちて、油経路50を経て油溜り33に戻る。分離した作動流体は、旋回流となって電動機下部空間54に滞留した後、分離されなかった潤滑油を含んだ状態で密閉容器2の内部を上昇し、吐出管35より密閉容器2の外部に吐出される。
<ベーン12の動作>
本実施の形態1において、ベーン12の背部には、ベーン背部空間42の圧力が作用する。また、ベーン12の先端部には、吸入室47の圧力と圧縮室48の圧力の合力が作用する。以下、図4および図5を用いて、ベーン12に作用する圧力について説明する。
図4は、本発明の実施の形態1におけるシャフト30の回転角と、圧縮室48の圧力、吸入室47の圧力、および、密閉容器2の内部圧力との関係を示す図である。図5は、本発明の実施の形態1におけるシャフト30の回転角と、ベーン先端部発生力およびベーン背部発生力との関係を示す図である。ここで、ベーン背部発生力とは、シャフト30に近づく方向へベーン12をスライドさせるように作用する、ベーン12背部における力を意味する。ベーン先端部発生力とは、シャフト30から離れる方向へベーン12をスライドさせるように作用する、ベーン12先端部における力を意味する。なお、図5では、ベーン背部発生力を100%とした場合を示している。また、図4および図5では、圧縮室48での圧縮工程がシャフト回転角200度付近まで行なわれ、吐出工程がシャフト回転角200度付近から360度まで行なわれるものとする。
図4に示すように、吸入室47の圧力は、常に低圧力である。圧縮室48の圧力は、圧縮工程時には低圧力から徐々に高圧力へと上昇し、吐出工程時には一定の高圧力となるが、吐出工程完了直後には低圧力へと急降下する。一方、ベーン背部空間42の圧力は、圧縮室48から吐出された作動流体の圧力とほぼ等しく、常に高圧力となる。
図5に示すように、ベーン12先端部に作用するベーン先端部発生力の大きさは、ベーン12先端部のベーン背部空間42側へスライドさせる方向における投影面積のおおよそ半分ずつに、吸入室47の圧力と圧縮室48の圧力とが加わった大きさとなる。そのため、ベーン先端部発生力は、図4同様、圧縮工程時には低い値から徐々に高い値へと上昇し、吐出工程時には一定の高い値となるが、吐出工程完了直後には低い値へと急降下する。一方、ベーン12背部に作用するベーン背部発生力の大きさは、ベーン背部空間42の圧力、すなわち、密閉容器2の内部圧力とほぼ等しく、常に一定の高い値となる。
したがって、ベーン12がスライド方向(ベーンの往復方向)に受ける力は、いかなるシャフト回転角に対しても、ベーン12の背部に作用する力の方が、先端部に作用する力よりも大きいため、ベーン12は常にピストン11の外周面に押し付けられることとなる。
本実施の形態1において、ベーン12が上死点(ベーン12がシャフト30から最も離れた状態)から下死点(ベーン12がシャフト30に最も近づいた状態)に移動する際、ベーン背部空間42の容積は徐々に増大し、ベーン背部空間42には、油溜り33から絞り流路43および連通路44を経由して潤滑油が流入し、さらには、オイル供給路46からも潤滑油が流入する。一方、ベーン12が下死点から上死点に移動する際には、ベーン背部空間42の容積は徐々に減少し、ベーン背部空間42から、絞り流路43および連通路44を経由して油溜り33に潤滑油が流出し、さらには、オイル供給路46から流入した潤滑油も、絞り流路43および連通路44を経由して油溜り33に流出する。以下、図6を用いて、ベーン背部空間42における潤滑油の流動抵抗について説明する。
図6は、本発明の実施の形態1におけるシャフト30の回転角と、ベーン12の変位量、絞り流路43および連通路44の開口面積との関係を示す図である。図6に示すように、絞り流路43および連通路44の上面側開口部は、ベーン12が上死点に達した時点では全閉である。ベーン12が下死点に移動するにつれて、絞り流路43および連通路44の開口面積は徐々に増加していき、シャフト30の回転角が90度に至るまでに全開となる。そして、ベーン12が下死点を過ぎ、シャフト30の回転角が270度を過ぎると、絞り流路43および連通路44の開口面積は徐々に減少していき、ベーン12が上死点に達した時点で、絞り流路43および連通路44の上面側開口部は再び全閉となる。
したがって、本実施の形態1のロータリ型圧縮機100によれば、絞り流路43および連通路44の開口面積の変化により、ベーン背部空間42から流出する潤滑油によって発生する流動抵抗を、ベーン12が上死点に近づくにつれて大きくすることができる。すなわち、ベーン12の慣性力を上回る流動抵抗を与えることにより、ベーン飛びを抑制することができる。
また、絞り流路43および連通路44が、ベーン12が上死点に到達した時点で閉口することにより、ベーン背部空間42内の作動流体もしくは潤滑油が封入されるため、起動時やサイクル過渡期に作動室内で発生する液圧縮により急激に飛動したベーン12を、ベーン背部空間42内で止めることができる。したがって、ベーン12の背面は他部材に接触することなく、ベーン12および他部材の損傷を防止することができる。
また、連通路44とともに絞り流路43を設置することにより、ベーン12が上死点に到達するまでにベーン背部空間42内で発生する圧力の急激な上昇を緩和させることができ、ベーン背部空間42内の圧力上昇によるベーン12のピストン11方向への押圧力を低下させることができるため、ベーン12および他部材による摺動損失を低減させることができる。
本実施の形態1のロータリ型圧縮機100によれば、油経路52およびオイルハネ53を有するシャフト30が回転することにより、起動時などのように、密閉容器2内の圧力が高圧になっていない場合でも、オイル供給路46を経由してベーン背部空間42内に潤滑油を早々に供給し、ベーン12をピストン11の外周面に押し付けることができるため、吸入室47および圧縮室48を確実に形成することができる。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係るロータリ型圧縮機200の圧縮機構部3の拡大図である。なお、実施の形態1と同一または相当する構成要素には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図7に示すように、本発明の実施の形態2に係るロータリ型圧縮機200において、ベーン背部空間42と油溜り33とを連通させる連通路44の内部には、スローリターンチェックバルブ55が設置されている。スローリターンチェックバルブ55とは、流体の流れる方向に対して異なった流路面積を持つ弁機構である。本実施の形態2におけるスローリターンチェックバルブ55の流路面積は、ベーン背部空間42内の作動流体または潤滑油が流出する側、すなわち、ベーン背部空間42側を小さく、ベーン背部空間42内に流入する側、すなわち、油溜り33側を大きく設定する。これにより、ベーン背部空間42内に潤滑油の流出時と流入時に異なった流動抵抗を得ることができる。
したがって、本実施の形態2のロータリ型圧縮機200によれば、スローリターンチェックバルブ55により、ベーン背部空間42から流出する作動流体または潤滑油により発生する流動抵抗を、ベーン12が上死点に近づくにつれて大きくすることができ、ベーン背部空間42から流入する作動流体または潤滑油により発生する流動抵抗を、ベーン12が下死点に近づくにつれて小さくすることができる。すなわち、ベーン12がシャフト30から離れる方向にスライドして、ベーン背部空間42から油溜り33へ作動流体または潤滑油が流出する時には、潤滑油の流動抵抗を大きくして、ベーン12の慣性力によってピストン11からベーン12が離れることを防ぐことができる。ベーン12がシャフト30に近づく方向にスライドして、油溜り33からベーン背部空間42へ作動流体または潤滑油が流入する時には、潤滑油の流動抵抗を小さくして、ベーン12のピストン11方向への押圧力を低下させることで、摺動損失を低減させることができる。
以上より、本発明の実施の形態1および2のロータリ型圧縮機は、ベーン飛びを抑制してベーン12のピストン11への追従性を向上させることができる。また、ベーン12背面が他部材に接触することを防ぐことができ、ベーン12背部のばねを不要とする簡素な構成で、低騒音化および信頼性の向上を図ることができる。
なお、本発明の実施の形態1および2では、潤滑油の循環および供給時にオイルハネ53を有するシャフト30を回転させることで、潤滑油を汲み上げる方式を取っているが、上記に限られることはなく、トロコイドポンプなどでも効用に差異はない。
また、本発明の実施の形態1および2において、オイル供給路46は上軸受部材38に設置されているが、下軸受部材39に設置された場合でも、同様の効果を有する。
さらに、本発明の実施の形態1および2では、圧縮機構部3は1段ロータリ型圧縮機の構成を採っているが、2段ロータリ型圧縮機などの多段ロータリ型圧縮機においても、同様の効果を有する。
本発明の流体機械は、圧縮機や膨張機に適用することができ、例えば、冷凍冷蔵庫、空調機、給湯機、カーエアコンなどの冷凍サイクルや、太陽熱・廃熱発電などのランキンサイクルに有用である。
本発明の実施の形態1におけるロータリ型圧縮機の縦断面図 図1における圧縮機構部の拡大図 図1のA−A線における圧縮機構部の横断面図 本発明の実施の形態1におけるシャフト回転角と、圧縮室圧力、吸入室圧力、および密閉容器内部圧力との関係を示す図 本発明の実施の形態1におけるシャフト回転角と、ベーン先端部発生力およびベーン背部発生力との関係を示す図 本発明の実施の形態1におけるシャフト回転角と、ベーン変位量、絞り流路および連通路の開口面積との関係を示す図 本発明の実施の形態2におけるロータリ型圧縮機の圧縮機構部の拡大図 従来のロータリ型圧縮機の縦断面図 図8の圧縮機構部の要部横断面図
符号の説明
1,100,200 ロータリ型圧縮機
2 密閉容器
3 圧縮機構部
4 電動機
6 シリンダ
7 上枠体
8 下枠体
11 ピストン
12 ベーン
18 孔
19 ばね
20 カバー
9,30 シャフト
9a,30a 偏心部
30b 油溝
31 ステータ
32 導入端子
33 油溜り
34 吸入管
35 吐出管
36 ロータ
38 上軸受部材
39 下軸受部材
40 マフラー
40a 吐出孔
41 ベーン溝
42 ベーン背部空間
43 絞り流路
44,49 連通路
45 ピストン上部空間
46 オイル供給路
47 吸入室
48 圧縮室
51 マフラー空間
50,52,52a,52b 油経路
53 オイルハネ
54 電動機下部空間
55 弁機構(スローリターンチェックバルブ)

Claims (5)

  1. シリンダ、上軸受部材、下軸受部材、および、ピストンにより形成される作動室を、高圧室と低圧室とに区分するベーンと、
    前記ベーンの背面、シリンダ、上軸受部材、および、下軸受部材により形成されるベーン背部空間と、
    前記ベーン背部空間に圧力を導入し、前記圧力の源と前記ベーン背部空間とを連通する連通路と、を備えた、作動流体を圧縮または膨張させるロータリ型流体機械において、
    前記連通路の前記ベーン背部空間側の開口部は、前記ベーンがピストン上死点に位置する時には閉口し、ピストン下死点に位置する時には開口する、ロータリ型流体機械。
  2. 前記ベーン背部空間の一部に、前記連通路と連通する絞り流路を配置した、請求項1に記載のロータリ型流体機械。
  3. 前記ベーン背部空間に、高圧の潤滑油を導入することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のロータリ型流体機械。
  4. 前記ベーン背部空間に、オイルポンプにより昇圧された潤滑油を導入するオイル供給路を設置した、請求項1〜3のいずれかに記載のロータリ型流体機械。
  5. 前記連通路に、前記ベーン背部空間内の作動流体または潤滑油が流出するときは流路面積が小さく、前記ベーン背部空間内へ潤滑油が流入するときは流路面積が大きい弁機構を設置した、請求項1〜4のいずれかに記載のロータリ型流体機械。
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