JP2010116334A - ピラゾール化合物の製造方法 - Google Patents

ピラゾール化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
置換ピラゾール化合物の実用的な製造方法を提供することを目的とし、ジフルオロメチル基を有する中間体を効率よく生成させ、併せてこの中間体をジメチルアミノアクリル酸エステルと収率よく反応させる。
【解決手段】
1−アルコキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンを熱分解して熱分解生成物を得、分離精製されていない熱分解生成物をジメチルアミノアクリル酸エステルと接触させることからなる
【化】

(式中、R2、R3、R4はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で表される2−ジフルオロアシル−3−アミノアクリル酸エステルの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、医農薬中間体となるジフルオロメチル基を有するピラゾール化合物およびその製造方法に関する。
ジフルオロ酢酸エステルは、1−アルコキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンを、金属酸化物触媒の存在下に気相反応させて得られるジフルオロ酢酸フルオリドをアルコールと反応させることで製造できる(特許文献1)。
CHF2COF + ROH → CHF2COOR + HF
ピラゾール化合物の製造方法としては、ジメチルアミノアクリル酸エチルをトルエンに溶解させた塩化ジフルオロアセチルに0℃で滴下し次いで室温に放冷しトルエンを蒸留除去することで2−(ジフルオロアセチル)−3−(ジメチルアミノ)アクリル酸エチルを得て、これにメチルヒドラジンを滴下して室温に放冷することで3−(ジフルオロメチル)−1−メチルーH−4−ピラゾールー4−カルボン酸エチルが得られることが開示されている(特許文献2)。
特開平8−92162号公報 特表2007−509850号公報
ジフルオロメチル基を導入するためにジフルオロ酢酸ハライドを用いることは前掲特開平8−92162号公報、特表2007−509850号公報にあり、ジフルオロ酢酸ハライドの製造方法としては、1−アルコキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンを三酸化硫黄やフルオロ硫酸、クロロ硫酸存在下で分解する方法(J.Fluorine Chem.,3,63(1973))が報告され、また、1,1−ジクロロー2,2−ジフルオロエタン(HCFC−132a)や1−クロロー1,2,2−トリフルオロエタン(HCFC−133)を高圧水銀灯照射の下で酸素と塩素により分解してそれぞれジフルオロ酢酸クロリドおよびジフルオロ酢酸フルオリドが生成すること(特開平8−53388号公報)、1−アルコキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンを金属酸化物触媒の存在下に気相反応させることでジフルオロ酢酸フルオリドが生成すること(特開平8−92162号公報)が開示されている。
このようにして生成させたジフルオロ酢酸ハライドには十分な安定性がなく、前記特許公報の発明においてもそれ自身ジフルオロメチル基のビルディングブロックとして使用できるジフルオロ酢酸エステルやイミノチアゾリン化合物へ変換している。
本発明では、一般式(4)で表される2−ジフルオロアシル−3−アミノアクリル酸エステルおよび一般式(6)で表されるピラゾール化合物の実用的な製造方法を提供することを目的とし、ビルディングブロックとしてのジフルオロメチル基を有する中間体を効率よく生成させ、併せてこの中間体をジメチルアミノアクリル酸エステルと効率よく反応させることを課題とする。
本発明者らは、特定の触媒の存在下1−アルコキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンを熱分解して得られるジフルオロ酢酸フルオリドを含む熱分解生成物は改めて精製等をしないでジメチルアミノアクリル酸エステルと反応させても反応の選択率、反応率を十分高く維持できることを見出した。
すなわち、本発明にかかるCHF2CF2OR1(R1は、一価の有機基を表す。)で表される1−アルコキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンの熱分解反応は、以下の式で表わされるが、
CHF2CF2OR1 → CHF2COF + R1
副生成物としてジフルオロ酢酸、フッ化水素、R1Fの二次分解性生物などが含まれることがある。しかしながら、触媒を金属酸化物またはリン酸塩とすることでジフルオロ酢酸ジフルオリド(CHF2COF)の反応収率は高くしかも副生成物を少なくでき、熱分解生成物をそのまま又は単に冷却して次工程に供給することでジメチルアミノアクリル酸エステルとの反応に影響を及ぼすことがないことを見出し、本発明を完成させた。
本発明は次の通りである。
[1]一般式(1)
CHF2CF2OR1 (1)
(式中、R1は、一価の有機基を表す。)で表される1−アルコキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンを熱分解して熱分解生成物を得、分離精製されていない熱分解生成物を一般式(3)
(式中、R2、R3、R4はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で表されるジメチルアミノアクリル酸エステルと接触させることからなる一般式(4)
(式中、R2、R3、R4はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で表される2−ジフルオロアシル−3−アミノアクリル酸エステルの製造方法。
[2]熱分解が金属酸化物またはリン酸塩からなる触媒存在下で行われる[1]の製造方法。
[3]熱分解がリン酸塩触媒存在下で行われる[1]または[2]の製造方法。
[4]熱分解生成物の温度を熱分解温度よりも低い温度として一般式(3)で表されるジメチルアミノアクリル酸エステルと接触させる[1]〜[3]の製造方法。
[5]熱分解生成物を炭化水素化合物と接触させることにより熱分解温度よりも低い温度とする[4]の製造方法。
[6][1]〜[5]に記載の製造方法により得られた一般式(4)
(式中、R2、R3、R4はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で表される2−ジフルオロアシル−3−アミノアクリル酸エステルと一般式(5)
R5NHNH2 (5)
(式中、R5は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基またはアルコキシアルキル基またはアリール基を表し、アルキル基およびアルコキシ基の任意の数の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、アルコキシ基の酸素原子は硫黄原子で置換されていてもよい。)で表されるヒドラジン誘導体を接触させることからなる一般式(6)
(式中、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R5は一般式(5)と同じ。)で表されるピラゾール化合物の製造方法
本発明の製造方法は、ビルディングブロックとしてのジフルオロメチル基を有する中間体を効率よく生成させることができ、併せてこの中間体をジメチルアミノアクリル酸エステルと効率よく反応させ、高い収率で、ピラゾール化合物を製造することができる。
本発明にかかわる主な反応は次のスキーム1で示す(a)工程、(b)工程および(c)工程で表すことができる。本明細書においては、化学分野の慣例に従い炭素原子に結合する水素原子の表示は原則として省略する。
<ジフルオロ酢酸フルオリドの製造>
本発明にかかるジフルオロ酢酸フルオリドは、どのような方法で製造されたものであってもよいが、。例えば、1−アルコキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンを、触媒存在下に熱分解させて製造できる。この反応は、以下の式で表わされる。
CHF2CF2OR1 → CHF2COF + R1
したがって、熱分解生成物にはジフルオロ酢酸フルオリドとR1Fで表される化合物またはその二次分解生成物が含まれる。この反応の出発原料である1−アルコキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンのアルコキシ基のR1は一価の有機基である。具体的には、分岐を有することもある炭素数1〜8のアルキル基または含フッ素アルキル基、アルキル基を置換基として有することもあるシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基を挙げることができ、これらのうちアルキル基または含フッ素アルキル基が好ましく、アルキル基がより好ましく、低級アルキル基がさらに好ましい。低級アルキル基とは、炭素数1〜4のアルキル基をいう。具体的には、次の例示のうちでも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基であるが、二次分解物の少ないメチル基は特に好ましい。
分岐を有することもある炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基を例として挙げることができる。
アルキル基を置換基として有することもあるシクロアルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、2−メチルシクロペンチル基、3−メチルシクロペンチル基、2−エチルシクロペンチル基、3−エチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、3−エチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−メチルシクロヘプチル基、3−メチルシクロヘプチル基、3−メチルシクロヘプチル基、4−メチルシクロヘプチル基などを挙げることができる。
アリール基としては、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などを例として挙げることができる。
含フッ素アルキル基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロフルオロメチル基、クロロジフルオロメチル基、ブロモフルオロメチル基、ジブロモフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、n−ヘキサフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基などを例として挙げることができる。
アラルキル基としては、フェネチル基、2−メチルフェニルメチル基、3−メチルフェニルメチル基、4−メチルフェニルメチル基、2,3−ジメチルフェニルメチル基、2,4−ジメチルフェニルメチル基、2,5−ジメチルフェニルメチル基、2,6−ジメチルフェニルメチル基、3,4−ジメチルフェニルメチル基、3,5−ジメチルフェニルメチル基、3,6−ジメチルフェニルメチル基、4−エチルフェニルメチル基、4−(n−プロピル)メチルフェニルメチル基、4−(n−ブチル)メチルフェニルメチル基などを例として挙げることができる。
1−アルコキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンは、公知の製造方法で得ることができる。例えば、アルコール(R1OH)とテトラフルオロエチレンを塩基の存在下に反応させる方法で合成できる。
具体的には、メタノールとテトラフルオロエチレンとを水酸化カリウムの存在下に反応させる方法により1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンが合成できる(J.Am.Chem.Soc.,73,1329(1951))。
本発明において使用できる含フッ素エーテルの具体例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1−エトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1−(n−プロポキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1−イソプロポキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1−(n−ブトキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1−(s−ブトキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1−(t−ブトキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1−トリフルオロメトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1−ジフルオロメトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1−ペンタフルオロエトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1−(2,2,2,3,3−ペンタフルオロプロポキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1−ヘキサフルオロイソプロポキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンなどを挙げることができる。
本発明にかかる触媒は固体触媒であり、特開平8−92162号公報に記載された金属酸化物、金属フッ素化酸化物並びにリン酸塩を触媒として使用できる。リン酸塩は、担体に担持されたものであってもよい。
リン酸としては、オルトリン酸、ポリリン酸、メタリン酸のいずれであってもよい。ポリリン酸としては、ピロリン酸などが挙げられる。リン酸塩は、これらのリン酸の金属塩である。取り扱いが容易であるのでオルトリン酸であるのが好ましい。リン酸塩とは、これらのリン酸の金属塩をいうが、本明細書では金属が水素原子に置換した酸をも金属塩というものとする。
リン酸塩としては、特に限定されないが、水素、アルミニウム、ホウ素、アルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、ランタン、セリウム、イットリウム、希土類金属、バナジウム、ニオブ、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルからなる群より選ばれた、少なくとも1種の金属のリン酸塩が挙げられる。好ましくは、主成分としてリン酸アルミニウム、リン酸セリウム、リン酸ホウ素、リン酸チタン、リン酸ジルコニウム、リン酸クロムなどである。副成分の金属を含むことも好ましい。具体的な副成分としてはセリウム、ランタン、イットリウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル等が好ましいが、セリウム、鉄、イットリウムがより好ましい。これらのうちで、さらに好ましくは、リン酸アルミニウム単独触媒、または、リン酸アルミニウムを主成分として、副成分のリン酸セリウムを含む触媒が挙げられる。
触媒の調製方法に特に制限はなく、市販のリン酸塩をそのまま使っても良いし、一般的な沈殿方法でも良い。沈殿方法の具体的な調製方法としては、例えば、金属の硝酸塩(複数の原料塩の場合はそれぞれの原料塩の溶液を調製する)とリン酸の混合水溶液に、希釈アンモニア水を滴下してpHを調節して沈殿させ、必要に応じて熟成放置する。その後、水洗し、洗浄水の電導度などで十分に水洗したことを確認する。場合によっては、スラリーの一部を取り含有するアルカリ金属を測定する。次いで濾過し乾燥する。乾燥する温度に特に制限はない。好ましくは80℃〜150℃がよい。さらに好ましくは100℃〜130℃である。得られた乾燥体は粉砕し粒度を揃えるか、さらに粉砕し成型する。その後、200℃〜1500℃の条件で空気や窒素雰囲気で焼成する。好ましくは400〜1300℃、さらに好ましくは500℃〜900℃で焼成を行うことがよい。
焼成時間は温度にもよるが1時間〜50時間程度で、好ましくは2時間〜24時間程度である。焼成処理は、リン酸塩の安定化に必要な処理であるので、上記の温度範囲より低温で処理を行ったり、処理時間が短い場合は、反応初期において十分に触媒活性を示さないことがある。また、上記の温度範囲以上でまたは長時間焼成処理を行うことは、過剰な加熱エネルギーを要するだけでなく、触媒の結晶化を引き起こすことがあるので好ましくない。
主成分以外の金属成分の添加の操作は、金属塩で行うことが好ましく、前記金属の硝酸塩、塩化物、酸化物、リン酸塩などが好ましい。中でも、硝酸塩が調製しやすく好ましい。添加量に特に制限はないが、一般にはリン1グラム原子に対し1グラム原子以下であり、好ましくは0.5グラム原子以下である。より好ましくは0.3グラム原子以下である。これらの金属成分の添加は、触媒調製時に行っても良く、また、触媒焼成後のリン酸塩に行っても良い。得られた触媒は、金属塩の種類及び調製方法や条件により物性が異なる。触媒は、そのまま使用してよいが、担体に担持した状態で使用することも可能である。担体としては、アルミナ、チタニア、ジルコニア、硫酸ジルコニア(ZrO(SO4))などの金属酸化物などの金属酸化物、炭化珪素、窒化珪素、活性炭等が挙げられるが、比表面積の大きい活性炭は特に好ましい。
リン酸またはリン酸塩を坦持した活性炭は、リン酸に浸漬して含浸させ、またはスプレーにより被覆もしくは吸着させたものを乾燥させて調製できる。化合物を担持させる場合、担持させる化合物の溶液を含浸させ、またはスプレーにより被覆もしくは吸着させたものを乾燥させて調製できる。また、その化合物の溶液を含浸させ、またはスプレーにより被覆もしくは吸着させた活性炭に対し第二の化合物を作用させて活性炭表面で沈殿反応等を生じさせることで最初の化合物と異なる化合物を担持することもできる。また、先に述べた、リン酸塩の調整方法を活性炭などの担体の存在下で行うことでもリン酸塩担持触媒を調製することができる。具体例として実施例にリン酸アルミニウム担持活性炭を示す。
活性炭は、木材、木炭、椰子殻炭、パーム核炭、素灰等を原料とする植物系、泥炭、亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭等を原料とする石炭系、石油残滓、オイルカーボン等を原料とする石油系または炭化ポリ塩化ビニリデン等の合成樹脂系等のいずれのものでもよい。これら市販の活性炭から選択し使用することができ、例えば、瀝青炭から製造された活性炭(東洋カルゴン製BPL粒状活性炭)、椰子殻炭(日本エンバイロケミカル製粒状白鷺GX、SX、CX、XRC、東洋カルゴン製PCB)等が挙げられるが、これらに限定されない。形状、大きさも通常粒状で用いられるが、球状、繊維状、粉体状、ハニカム状等反応器に適合すれば通常の知識範囲の中で使用することができる。
本発明において使用する活性炭は比表面積の大きな活性炭が好ましい。活性炭の比表面積は、市販品の規格の範囲で十分であるが、それぞれ400m2/g〜3000m2/gであり、800m2/g〜2000m2/gが好ましい。さらに活性炭を担体に用いる場合、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性水溶液に常温付近で10時間程度またはそれ以上の時間浸漬するか、活性炭を触媒担体に使用する際に通常行われる硝酸、塩酸、フッ酸等の酸による前処理を施し、予め担体表面の活性化ならびに灰分の除去を行うことが望ましい。
また、本発明の酸化物などの担体は、金属成分と酸素以外の他の原子を含んでいてもよく、他の原子としては、フッ素原子、塩素原子等が好ましい。たとえば、部分フッ素化アルミナ、部分塩素化アルミナ、部分フッ素化塩素化アルミナ、部分フッ素化ジルコニア、部分フッ素化チタニア等であってもよい。酸化物触媒中の塩素原子やフッ素原子の割合は、特に限定されない。
本明細書および特許請求の範囲においては、特に限定されない限り、前記のように部分的にフッ素化、塩素化等の処理を行ったアルミナ、ジルコニアなどを「アルミナ」、「ジルコニア」などの酸化物名称で表示する。
これらの担体としては、アルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO2 )、およびチタニア(TiO2 )および硫酸ジルコニアならびにこれらの部分フッ素化酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属酸化物触媒が好ましく、アルミナおよび部分フッ素化アルミナが反応性および触媒寿命の点でさらに好ましい。
これらの部分フッ素化酸化物はジフルオロ酢酸フルオリド合成触媒の担体として使用できると共に、触媒として使用することもできる。触媒としての調製、前処置、使用等は、本明細書において担体としての調製、前処理、使用等についての説明がそのままあるいは技術常識に従って適宜変更して適用することができる
リン酸塩からなるまたはリン酸塩を担持した触媒は、通常は粒子または造粒体の形態で用いられる。粒子または造粒体の直径(いずれも、「粒径」ということがある。)は、特に限定されず、通常は、20μm〜10mm程度である。また、触媒が塩素原子やフッ素原子を含む場合、金属酸化物の表面のみに塩素原子やフッ素原子が存在していてもよい。
本発明のリン酸塩からなるまたはリン酸塩を担持した触媒も、使用の前に予めフッ化水素、フッ素化炭化水素またはフッ素化塩素化炭化水素などの含フッ素化合物と接触させて部分フッ素化しておき、反応中の触媒の組成変化、短寿命化、異常反応などを防止することが有効である。
特にフッ化水素で処理することで反応の活性を著しく高めることができる。フッ化水素によるフッ素化処理は、少なくとも本発明にかかる反応の反応温度よりも高い温度において、フッ化水素と接触させることで行うのが好ましい。リン酸塩単体の場合、200〜700℃程度であり、250〜600℃程度が好ましく、300〜550℃がより好ましい。一方、リン酸塩担持触媒の場合、200〜600℃程度であり、250〜500℃程度が好ましく、300〜400℃がより好ましい。いずれも最高処理温度が200℃未満では処理に時間を要し、最高温度範囲を超えて処理を行うことは、過剰な加熱エネルギーを要するので好ましくない。また、処理時間は、処理温度とも関係するので限定できないが、1時間〜10日程度、好ましくは、3時間〜3日間程度である。
リン酸を担時しない活性炭の場合、フッ化水素処理を施しても、殆ど活性を示さないが、リン酸処理をした活性炭にフッ化水素処理を行うと、同じ反応条件で、転化率:96.1%、選択率:98.0%という触媒活性を示した。このことからも、フッ化水素処理の効果は容易に見て取ることができる。
さらに、反応に先立って、活性化処理を施すのが好ましい。活性化処理としては、250℃〜300℃程度の窒素気流中で充分に脱水し、ジクロロジフルオロメタン、クロロジフルオロメタンなどの有機フッ素化合物、またはフッ化水素、三フッ化塩素などの気体もしくは触媒処理状態で十分な蒸気圧を示す無機フッ素化合物で活性化させるのが好ましい。これらのうちフッ化水素が特に好ましい。この活性化処理によって、触媒の表面または全体に、フッ素原子を含むリン酸塩からなる活性な触媒が生成すると考えられる。
また、反応原料である1−アルコキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(CHF2CF2OR1)のR1が炭素数2以上の基である場合、生成したR1Fが反応領域において分解してフッ化水素を発生することが推測されるが、これが触媒の活性を高める効果を示すことがある。
本発明の方法は、気相流通連続方式が最も好ましい形式として推奨されるが、これに限定されない。反応器の形式は固定床タイプまたは流動床タイプが好ましく、反応器の寸法・形状は、反応物の量等に応じて適宜変更できる。
本発明にかかる反応においては、当該反応条件で不活性な不活性ガスを存在させてもよい。不活性ガスとしては、窒素または希ガス類が挙げられ、扱いやすさおよび入手しやすさ等の点から、窒素またはヘリウムが好ましい。不活性ガスを存在させる場合の量は、特に限定されないが、多すぎる場合には回収率が下がる恐れがあるため、通常の場合、原料の1−アルコキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンの供給速度よりも少ない量が好ましい。
本発明の方法おける反応温度は、触媒の種類および原料によって異なる。通常100〜400℃であり、150〜350℃程度が好ましく、180〜280℃がさらに好ましい。反応温度が100℃未満では転化率が低くなる傾向があり好ましくない。反応温度が400℃を超えると反応装置に過酷な耐熱性が必要となり、過剰な加熱エネルギーを要するので経済的に好ましくない。
反応時間(接触時間)は通常0.1〜300秒であり、0.5〜200秒が好ましく、1〜60秒がより好ましい。反応時間が短すぎる場合にも、転化率が低くなる恐れがあり、一方、長すぎると生産性が低下するのでそれぞれ好ましくない。反応圧力は、特に限定されず、常圧、減圧、または加圧のいずれであってもよい。0.05〜0.5MPa(0.5〜5気圧)程度が好ましく、通常は、操業が容易な大気圧近傍の圧力が好ましい。
本発明にかかる触媒は、経時的にコーキングが発生することがあり、触媒の活性が低下することがある。活性の低下した触媒は、200℃〜1200℃、好ましくは、400℃〜800℃において、酸素と接触させることで容易に活性を再生させることができる。酸素処理は反応管に装填したまま又は外部の装置に装填して行うのが簡便である。そこへ酸素を流通させて行う。酸素の流通方法としては他のガスが共存してもよく、酸素、空気、窒素希釈酸素などが使用できるが、窒素で希釈した空気または空気が経済的に好ましい。また、塩素、フッ素等の酸化力のある気体も使用できる。
本発明の方法にかかる反応においては、目的とするジフルオロ酢酸フルオリドの他に、副生成物としてフッ化アルキル(R1F)やR1Fがさらに分解した化合物が生成する。例えば、R1Fとしてフッ化エチルが生成する場合、エチレンとフッ化水素となることがある。しかし、反応で得られた粗生成物は、精製処理をしないで本発明の反応((b工程))の原料として使用することができる。
<2−ジフルオロアシル−3−アミノアクリル酸エステルの製造>
一般式(4)
で表される2−ジフルオロアシル−3−アミノアクリル酸エステルは、前記方法または公知の方法で製造されたジフルオロ酢酸フルオリドと一般式(3)
で表されるジメチルアミノアクリル酸エステルと反応させることで製造できる。
一般式(3)および一般式(4)におけるR2、R3、R4は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基を例として挙げることができる。
本発明の方法は非水溶性溶媒中で行われる。脂肪族、脂環式または芳香族の炭化水素、例えば石油エーテル、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはデカリン、およびハロゲン化された炭化水素、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタンまたはトリクロロエタンなどが例示できる。トルエン、キシレン、クロロベンゼン、n−ヘキサン、シクロヘキサンまたはメチルシクロヘキサンの使用が好ましく、トルエンまたはキシレンがより好ましい。これらの溶媒は混合して使用することもできる。
本発明の方法は塩基の存在下で行われる。塩基は、無機水溶性塩基、第三アミン(三級アミン)、ピリジンまたはピリジン誘導体などであり、アルカリ土類金属もしくはアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムまたは炭酸水素ナトリウムが好ましい。水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムがより好ましく、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムがさらに好ましい。無機塩基は10〜40%の水溶液で試用するのが好ましい。ピリジンまたはピリジン誘導体などとしては、ピリジン、2−、3−もしくは4−メチルピリジン、2−メチル−5−エチル−ピリジン、2,4,6−コリジン、2−もしくは4−n−プロピルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、キノリンまたはキナルジン、より好ましくはピリジン、2−メチル−5−エチルピリジン、2,4,6−コリジン、キノリンまたはキナルジンが使用できる。第三アミンとしは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−イソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−イソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリ−tert−ブチルアミン、トリ−n−アミルアミン、トリ−イソアミルアミン、トリ−sec−アミルアミン、トリ−tert−アミルアミンなどの対称第三アミン、N−メチルジ−n−ブチルアミン、N−メチルジイソブチルアミン、N−メチルジ−tert−ブチルアミン、N,N−ジイソプロピルブチルアミン、N,N-ジメチル-n-オクチルアミン、N,N−ジメチルノニルアミン、N,N-ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルウンデシルアミン、N,N-ジメチルドデシルアミン、N−メチルジヘキシルアミンなどの非対称第三アミンなどが挙げられる。沸点、水溶性、入手性の点でトリエチルアミンが好ましい。
本発明の方法は、温度は−20℃〜+50℃、好ましくは−10℃〜+30℃でおこなう。反応圧力は反応に影響は及ぼさないので特に制限されないが、0.1〜10MPa程度の加圧下で行ってもよく、通常、大気圧〜1MPa程度で行えばよい。
反応時間10分〜10時間程度で反応を追跡しながら基質の減少または消失を目安に決定すればよい。
本発明の方法では、ジフルオロ酢酸フルオリド1モルに対して一般式(3)で表されるジメチルアミノアクリル酸エステルを0.5モル〜3モル、好ましくは0.5モル〜1.5モル、より好ましくは0.9モル〜1モルとする。塩基は通常、ジフルオロ酢酸フルオリドと等モル量または若干過剰(2モル以下)で使用すればよい。
本発明の方法は、一般式(3)で表されるジメチルアミノアクリル酸エステルと塩基を溶媒に溶解しておき一般的には反応温度以下の温度に保持し、そこへ一般式(1)で表される1−アルコキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンの熱分解生成物を吹き込むことで行えるが、スクラバー形式とすることもできる。塩基は反応の経過に伴って適宜添加することもできる。 また、このとき熱分解生成物を熱分解温度よりも低い温度として(b)工程に移動させるのが好ましい。また、熱分解生成物を反応温度以下に冷却して反応溶液に吹き込むことがより好ましい。具体的には、約150℃以下とし、100℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。また、実用上の理由から−20℃〜+50℃とし、−20℃〜+40℃とし、さらに−5℃〜+5℃とするのがより好ましい。
1−アルコキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンの熱分解反応の最適温度は200℃〜250℃であるので、生成ガスを冷却せずに、ジアルキルアクリル酸エステルを含む溶液に吹き込むと、分離困難な構造不明の化合物が副生する。医薬、農薬分野では、毒性不明の不純物が中間体に混入することは、安全性確保の点で忌避される。しかし、生成ガスを冷却してから、ジアルキルアクリル酸エステルを含む溶液に吹きこむことによって、副生成物の生成が実質的に抑制される。冷却方法は限定されず、冷却装置は熱分解装置とジアルキルアクリル酸エステルの反応容器との間に設け、直接冷却または間接冷却が採用でき、間接冷却では放熱器による空冷または冷媒を用いた方式、直接冷却ではジフルオロ酢酸フルオリドに不活性な液体との接触を用いることができる。不活性な液体としては例えば、前記反応溶媒として例示したものを使用できる。
反応の完了時に、ピリジン誘導体のハロゲン化水素酸塩を溶液中に水と共に加えることができまたは存在する水相を相分離により除去することもできる。一般式(4)で表される2−ジフルオロアシル−3−アミノアルキル酸エステルをその後の反応段階((c)工程)においてさらなる精製なしに残存している有機相の中で、場合により例えば溶媒をフラッシュ蒸留して乾燥した後に使用することができる。
ピリジン誘導体にトラップされたHFは容易に水洗で除去可能である。
<ピラゾール化合物の製造>
一般式(4)
で表される2−ジフルオロアシル−3−アミノアクリル酸エステルと一般式(5)
R5NHNH2 (5)
(式中、R5は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基またはアルコキシアルキル基またはアリール基を表し、アルキル基およびアルコキシ基の任意の数の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、アルコキシ基の酸素原子は硫黄原子で置換されていてもよい。)で表されるヒドラジン誘導体混合して反応させて、一般式(6)
(式中、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で表されるピラゾール化合物は製造できる。
一般式(5)及び一般式(6)におけるR5は、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基またはアルコキシアルキル基またはアリール基であって、アルキル基およびアルコキシ基の任意の数の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、アルコキシ基の酸素原子は硫黄原子で置換されていてもよい。ハロゲンは、フッ素、塩素または塩素である。
具体的には、R5はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニルが挙げられ、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピルまたはtert−ブチルが好ましく、メチルが最も好ましい。
本発明のピラゾールへの閉環反応は、非プロトン性溶媒の存在下に行われる。具体的には、脂肪族、脂環式または芳香族の炭化水素、例えば石油エーテル、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはデカリン、およびハロゲン化された炭化水素、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタンまたはトリクロロエタン、エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンまたはアニソール;ニトリル類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、n−もしくはイソブチロニトリルまたはベンゾニトリル;ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノン;アミド類、例えバN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドンまたはヘキサメチルホスホルアミド;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド、またはスルホン類、例えばスルホランである。トルエン、キシレン、クロロベンゼン、n−ヘキサン、シクロヘキサンまたはメチルシクロヘキサンが好ましく、トルエンまたはキシレンがより好ましい。また、前段のエステル化反応と同じ溶媒を使用することが好ましい。前段のエステル化反応での反応生成物を分離または精製することなくピラゾール環化反応に供する場合には特に同じ溶媒を選択するのが好ましい。これらの溶媒は併用することができる。
ピラゾールへの閉環反応は低温度で行うことが好ましいが、実用上、−78℃〜+20℃で行い、−30℃〜0℃が好ましく、−20℃〜0℃はより好ましい。反応圧力は通常の圧力範囲では反応に影響を及ぼさないので任意であるが、加圧または減圧してもよく、一般的には意識的な加圧または減圧を行わない大気圧下で行えばよい。強い還元剤であるヒドラジンと空気が接触することは好ましくないので、窒素、アルゴン雰囲気下で行うのが好ましい。
ピラゾールへの閉環反応では一般式(4)で表される2−ジフルオロアシル−3−アミノアクリル酸エステルと一般式(4)で表されるヒドラジン誘導体を混合して接触させるに際して、いずれかを容器に予め充填して他方をそこへ添加する。添加は反応の経過を観察しながら徐々に行うのが好ましい。
反応生成物の精製は、一般的な精製方法に従って行える。例えば、反応器内容物を水で抽出し、有機相を除去しそして溶媒を蒸留により除去する。異性体(1−メチル−5−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸)は結晶化により除去することができる。最初にエステルを酸に加水分解してから再結晶化することもできる。
以下に、実施例をもって説明するが、本発明はこれらの実施例には限られない。
[調製例1]
アルドリッチ製Aluminum phosphateを5mmφ×5mmLのペレットに打錠成形し、窒素気流中700℃で5時間焼成して、リン酸アルミニウム触媒を調製した。
[ジフルオロ酢酸フルオリド合成例1]
内径23mm、長さ500mmのステンレス製反応管に調製例1で合成したリン酸アルミニウム触媒(50cc)を仕込み、窒素を50cc/分で流しながら電気炉で加熱した。触媒の温度が50℃に達した時に、フッ化水素(HF)を徐々に供給速度を上げながら(最大0.6g/分)、気化器を通して導入した。HF(0.6g/分)を流通させたまま、350℃までゆっくりと昇温し、24時間保持した。HFの流通を止め、窒素流量を100cc/分に増やして2時間保持後、1−エトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(CHF2CF2OC25)を1g/分の速度で、気化器を通して導入すると共に窒素の供給を停止した。反応器の温度が200℃で定常状態になったときに、生成ガスをGC(FID)で分析した結果、ジフルオロ酢酸フルオリド(CHF2COF):14.6面積%、フルオロエタン(C25F):51.2面積%、エチレン(C24):32.5面積%、1−エトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(CHF2CF2OC25):0.3面積%、その他:1.4面積%であった。
[実施例1]
PFA製ガス洗浄瓶(500cc)に3−ジメチルアミノアクリル酸エチル((CH32NCH=CHCOOC25) 28.6g(0.2mol)、トルエン(200mL)、2−メチルピリジン 37.2g(0.4mol)を加え、攪拌しながら氷浴で冷却した。PFAコイルチューブ(FLON INDUSTRY製 F−8024−02(チューブ外径:6mmφ、肉厚:1mm、コイル外径:40mm、全長:2.4m)を二本直列に接続した風冷管を通して、合成例1で合成したガスを精製せずにそのまま、このガス洗浄瓶に導入してバブリングさせた。導入直前のガス温を計測したところ、43℃であった。1−エトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンを30g供給した時点で供給を止め、内容物全てを500ccのナスフラスコに移し、室温で30分攪拌した。その後、水(100g)を添加して、更に15分間攪拌した。2層分離し、有機層を回収した。水層は再度トルエン100mLで抽出し、有機層を先の有機層にブレンドした。これを水100mLで洗浄、2層分離し、有機層をロータリーエバポレーターで溶媒留去し、真空乾燥(80℃,0.1kPa)を行ったところ、オイル状の粗2−ジフルオロアセチル−3−ジメチルアミノアクリル酸エチル(Ethyl 2−difluoroacetyl−3dimethylamino−acrylate)41.3gを得た。19F−NMR(376MHz)で分析したところ、転化率98%、選択率99%であった。不純物の種類は精製ジフルオロ酢酸フルオリドを用いた参考例2で得られた生成物と同じであった。
[2−ジフルオロアセチル−3−ジメチルアミノアクリル酸エチルの物性]
1H−NMR 1.3ppm(t,3H)、2.9ppm(s,3H)、3.3ppm(s,3H)、4.2ppm(q,2H)、6.6ppm(t,1H)、7.8ppm(s,1H)
19F−NMR −126.7ppm(d,2F)。
[実施例2]
実施例1で合成した粗の2−ジフルオロアセチル−3−ジメチルアミノアクリル酸エチル10.2g(0.046mol)をトルエン40mLに溶解し、窒素雰囲気下で攪拌しながら−20℃に冷却した。メチルヒドラジン2.6g(0.057mol)をトルエン50mLで溶解して滴下した。滴下終了後、0℃で3時間熟成した後、更に室温で2時間熟成した。水40gを加え2層分離し、水層はトルエン15mmで抽出して有機層に合わせた。これを水25gで洗浄後、2層分離して、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒をロータリーエバポレーターで留去し、さらに、60℃にて真空乾燥すると、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチル(Ethyl 3−difluoromethyl−1−methyl−pyrazole−4−carboxylate)8.49gを得た。
[3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルの物性]
1H−NMR 1.2ppm(t,3H)、3.9ppm(s,3H)、4.2ppm(q,2H)、7.0ppm(t,1H)、7.8ppm(s,1H)
19F−NMR −116.4ppm(d,2F)。
[実施例3]
1−エトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(30g)の代わりに1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(CHF2CF2OCH3)(26g)、2−メチルピリジンの使用量を18.6g(0.2mol)、PFA製風冷管の代わりに、0℃の冷媒を流通させた全長300mmのステンレス製リービッヒ型冷却管を使用すること以外、実施例1と同様の実験を行った。その結果、オイル状の粗2−ジフルオロアセチル−3−ジメチルアミノアクリル酸エチル41.2gを得た。19F−NMR(376MHz)で分析したところ、転化率98%、選択率99%であった。不純物の種類は精製ジフルオロ酢酸フルオリドを用いた参考例2で得られた生成物と同じであった。
[実施例4]
実施例3で得られた粗の2−ジフルオロアセチル−3−ジメチルアミノアクリル酸エチル10.2g(0.046mol)を用いる以外、実施例2と同様の実験を行った。その結果、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチル8.51gを得た。
[参考例1]
熱分解反応で生成した熱分解生成物を冷却せず、そのまま3−ジメチルアミノアクリル酸エチルと2−メチルピリジンのトルエン溶液に直接吹き込むこと以外、実施例3と同様の実験を行った。真空乾燥して得られた42.6gのオイル状の粗2−ジフルオロアセチル−3−ジメチルアミノアクリル酸エチルを19F−NMRで分析したところ、2−ジフルオロアセチル−3−ジメチルアミノアクリル酸エチル以外に7.9%の構造不明の化合物が認められた。この粗2−ジフルオロアセチル−3−ジメチルアミノアクリル酸エチルをトルエン(100ml)に溶解し、水(100cc)で再洗浄、2層分離し、有機層をロータリーエバポレーターで溶媒留去し、真空乾燥(80℃,0.1kPa)を行ったものを再度19F−NMRで分析した。構造不明の化合物の含有量は7.1%であり、水洗での除去は困難であった。
[参考例2]
ジフルオロ酢酸フルオリド合成例1の熱分解生成物をドライアイストラップで捕集後、加圧蒸留によって精製して得られた純度99.2%のジフルオロ酢酸フルオリドをニードルバルブ付きのステンレス製容器(50cc)に充填した。PFA製ガス洗浄瓶(500cc)に3−ジメチルアミノアクリル酸エチル28.6g(0.2mol)、トルエン(200mL)、2−メチルピリジン 37.2g(0.4mol)を加え、攪拌しながら氷浴で冷却し、精製したジフルオロ酢酸フルオリド(20.2g)をこのガス洗浄瓶にバブリングさせながら、50分かけて導入した。バブリング終了後、内容物全てを500ccのナスフラスコに移し、室温で30分攪拌した。その後、水(100g)を添加して、更に15分間攪拌した。2層分離し、有機層を回収した。水層は再度トルエン100mLで抽出し、有機層を先の有機層に合わせた。これを水100mLで洗浄、2層分離し、有機層をロータリーエバポレーターで溶媒留去し、真空乾燥(80℃,0.1kPa)を行ったところ、オイル状の粗2−ジフルオロアセチル−3−ジメチルアミノアクリル酸エチル41.6gを得た。19F−NMRで分析したところ、転化率98%、選択率99%であった。
本発明の方法により得られる2−ジフルオロアシル−3−アミノアクリル酸エステルおよび3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルは医農薬の中間体として有用である。

Claims (6)

  1. 一般式(1)
    CHF2CF2OR1 (1)
    (式中、R1は、一価の有機基を表す。)で表される1−アルコキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンを熱分解して熱分解生成物を得、分離精製されていない熱分解生成物を一般式(3)

    (式中、R2、R3、R4はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で表されるジメチルアミノアクリル酸エステルと接触させることからなる一般式(4)
    (式中、R2、R3、R4はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で表される2−ジフルオロアシル−3−アミノアクリル酸エステルの製造方法。
  2. 熱分解が金属酸化物またはリン酸塩からなる触媒存在下で行われる請求項1に記載の製造方法。
  3. 熱分解がリン酸塩触媒存在下で行われる請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 熱分解生成物の温度を熱分解温度よりも低い温度として一般式(3)で表されるジメチルアミノアクリル酸エステルと接触させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 熱分解生成物を炭化水素化合物と接触させることにより熱分解温度よりも低い温度とする請求項4に記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法により得られた一般式(4)
    (式中、R2、R3、R4はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で表される2−ジフルオロアシル−3−アミノアクリル酸エステルと一般式(5)
    R5NHNH2 (5)
    (式中、R5は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基またはアルコキシアルキル基またはアリール基を表し、アルキル基およびアルコキシ基の任意の数の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、アルコキシ基の酸素原子は硫黄原子で置換されていてもよい。)で表されるヒドラジン誘導体を接触させることからなる一般式(6)
    (式中、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R5は一般式(5)と同じ。)で表されるピラゾール化合物の製造方法
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