1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕本発明に係る通信装置(100,500,900)は、相互に非同期動作される通信部(102、502,902)と制御部(101)を有する。前記通信部は通信用のアナログ回路(109,112)と、前記制御部に接続されるインタフェース回路(114)とを有する。前記インタフェース回路は前記制御部から出力される第1のクロック信号(S_CLK)に同期して前記制御部との間の同期インタフェースを行う。前記制御部は、通信部に通信動作の指示を行った後、その指示に係る通信動作の終了を前記通信部から受取るまで通信部に対する前記第1のクロック信号の供給を停止する。これにより、インタフェース回路で発生するノイズのアナログ回路へ与える影響を抑制でき、アナログ回路とディジタル回路の物理的距離を大きくすることを要件としないから通信装置の小型化を阻害しない。このような通信装置を通信システムに採用することにより、非同期動作される回路間のインタフェース部分における同期化に起因して発生するスプリアスノイズによる通信誤動作を抑制でき且つシステムの小型化を維持することができる。
〔2〕項1記載の通信装置において、前記通信部は送信部(102)である。
〔3〕項2記載の通信装置において、前記制御部は送信動作の指示とは別に送信データを前記送信部に与える。
〔4〕項2記載の通信装置において、前記送信部は送信動作状態を前記制御部に通知するための通知信号(S_TXMNT)を出力し、前記制御部は前記通知信号によって前記送信動作の終了を受取る。
〔5〕項1記載の通信装置において、前記通信部は受信部(502)である。
〔6〕項5記載の通信装置において、前記受信部は受信データをデータバッファ(110)に格納した後、受信動作の終了を前記制御部に与える。
〔7〕項5記載の通信装置において、前記受信部は受信動作状態を前記制御部に通知するための通知信号(S_RXMNT)を出力し、前記制御部は前記通知信号によって前記受信動作の終了を受取る。
〔8〕項1記載の通信装置において、前記通信部は送受信部(902)である。
〔9〕項8記載の通信装置において、前記送受信部は通信動作状態を前記制御部に通知するための通知信号(S_MNT)を出力し、前記制御部は前記通知信号によって前記通信動作の終了を受取る。前記通知信号は、第1のレベルによって送受信部が送信動作中又は受信動作中であることを示し、第2のレベルによって送受信部が送信動作中又は受信動作中の何れでもないことを示す。
〔10〕項1記載の通信装置において、前記インタフェース回路は、前記制御部から入力バッファ(200)に供給された信号を前記第1のクロック信号に同期してラッチする第1のラッチ回路(202A)と、前記第1のラッチ回路のラッチ信号を前記通信部で生成される第2のクロック信号(T_CLK)に同期してラッチする第2のラッチ回路(203A)と、前記制御部に出力すべき信号を前記第2のクロック信号に同期してラッチする第3のラッチ回路(203B)と、前記第3のラッチ回路のラッチ信号を前記第1のクロック信号に同期してラッチし、ラッチ信号を出力バッファ(201)に与える第4のラッチ回路(202B)と、を有する。
〔11〕項10記載の通信装置において、前記第1のクロック信号の周波数と第2のクロック信号の周波数が異なる。
〔12〕項1記載の通信装置は、前記制御部を構成する半導体集積回路チップと前記通信部を構成する別の半導体集積回路チップが搭載されてモジュール化されている。
〔13〕本発明に係る通信システムは、複数の通信装置(1400,1401)を備え、少なくとも一つの通信装置は相互に非同期動作される通信部と制御部を有する。前記通信部は通信用のアナログ回路と、前記制御部に接続されるインタフェース回路とを有する。前記インタフェース回路は前記制御部から出力される第1のクロック信号に同期して前記制御部との間の同期インタフェースを行う。前記制御部は、通信部に通信動作の指示を行ったとき、前記アナログ回路の動作中は前記通信部に対する前記第1のクロック信号の供給を停止する。通信システムに上記通信装置を採用することにより、非同期動作される回路間のインタフェース部分における同期化に起因して発生するスプリアスノイズによる通信誤動作を抑制でき且つシステムの小型化を維持することができる。
〔14〕項13記載の通信システムにおいて、前記制御部は、通信部に通信動作の指示を行った後、その指示に係る通信動作の終了を前記通信部から受取るまで通信部に対する前記第1のクロック信号の供給を停止する。
〔15〕項13記載の通信システムにおいて、前記複数の通信装置のうち少なくとも一つは基地局(1401)であり、その他の通信装置は端末(1400)であり、前記端末は、センサ(1408)を備え、前記センサで取得したデータを前記基地局に送信する。
〔16〕項15記載の通信システムは更に、前記基地局がネットワーク(1402)を介して接続されるサーバ(1403)を有する。
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
《実施の形態1》
本発明の第1の実施の形態について、図1乃至図4を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る通信システムおよび送信端末の構成を示す。第1の実施の形態に係る通信システムは、送信端末(TXNOD)100、受信端末(RXNOD)500から構成される。送信端末100は、受信端末500に、データ送信を行う。
送信端末100は、マイクロコントローラ(MCU)101および送信機(TX)102から構成される。マイクロコントローラ101は、1個の半導体チップに、中央演算処理装置(CPU)103、メモリ(MEM)104、クロック生成器(CLK)105、及びインタフェース(I/F)106を備えた、半導体装置として構成される。送信機102は、1個の半導体チップに、送信用バッファ(TXBUF)107、送信用ディジタル回路(TXDIG)108、送信用アナログ回路(TXALG)109、クロック生成器(CLK)113、及びインタフェース回路(I/F)114を備えた、通信用半導体装置として構成される。
マイクロコントローラ101と送信機102は、クロック信号(S_CLK)、読み込みか書き込みかを選択するリード・ライト信号線(S_RW)、アドレス線(S_ADD)、データ線(S_DAT)、送信モニタ信号(S_TXMNT)により接続される。それら信号及び信号線はインタフェース回路106とインタフェース回路114との間を結合する。クロック信号S_CLKはマイクロコントローラ101から送信機102に与えられ、マイクロコントローラ101と送信機102との間の通信時にクロックとして用いられる。アドレス線S_ADDは、アクセスするレジスタまたはバッファのアドレスを示す。データ線S_DATは、アドレス線S_ADDで指定されたアドレスに書き込むデータ、または指定されたアドレスから読み込んだデータが出力される。データを読み込むか書き込むかは、S_RWによって指定される。また、モニタ線S_TXMNTは、送信機102の動作状態をマイクロコントローラ101に知らせる信号線である。
本実施の形態に係る送信端末100は、アナログ回路とディジタル回路とが混在する機器である。アナログ回路は、送信機102の送信用アナログ回路109である。また、ディジタル回路は、マイクロコントローラ101、送信機102の送信用バッファ107、送信用ディジタル回路108、クロック生成器113、インタフェース114、である。
一般に、アナログ回路はディジタル回路に起因するノイズの影響を受けやすいことが知られている。従って、アナログ回路とディジタル回路が混載する機器では、ディジタル回路からアナログ回路へのノイズの影響を十分に抑制する必要がある。アナログ回路へのディジタルノイズの削減技術としては、一般的には、物理的な距離を離すことが効果的である。より具体的には、アナログ領域とディジタル領域の距離を離し、電源、グランドの分離を行い、グランドは一点で接続する方法が知られている。アナログ・ディジタル混載半導体集積回路である通信機102においてはそのような一般的な技術を適用して送信用ディジタル回路108等のディジタル回路から送信用アナログ回路109へのノイズの伝播を抑制する対策が施されているところ、本発明者は、アナログ回路を有する通信用半導体装置としての通信機102とこれを制御する制御用半導体装置としてのマイクロコントローラ101とのインタフェース部分におけるスプリアスノイズの発生に着目した。特に、マイクロコントローラ101のクロックの周波数と通信機102のクロックの周波数が異なる場合においては、両クロックを掛け合わせた成分のスプリアスが生じ、通信性能が大きく劣化する場合がある。これに対して上記一般技術を採用しようとすれば、マイクロコントローラ101と通信機102の間に大きな物理的距離を採らなければならず、小型化が必須となる機器の要請に反することに成る。例えば、ユビキタスネットワーク用の通信端末は、様々な場所に埋め込むため、超小型化が要求される一方で、ノイズ抑制のために機器を小型化できないというトレードオフが生じる。従って、送信端末100には、従来の一般的な技術とは異なるノイズ抑制方式が採用されている。これについて詳細に説明する。
マイクロコントローラ101は、送信機102の制御を行う。その制御方法の一例を示せば、クロック信号S_CLK、アドレス線S_ADD、データ線S_DAT、および読み書きを選択する信号線S_RW、を用いたバス接続方式である。マイクロコントローラ101から送信機102にデータを書き込む際には、マイクロコントローラ101から送信機102に、クロックS_CLK、アドレスS_ADD、データS_DATを供給することで、送信機102内の指定したアドレスにデータを書き込む。マイクロコントローラ101から送信機102のデータを読み出す際には、マイクロコントローラ101から送信機102に、クロックS_CLK、アドレスS_ADDを供給することで、送信機102内の指定したアドレスに対応するデータがS_DATに書き出される。
マイクロコントローラ101から送信機102へのデータ読み書きの際に、そのクロックはマイクロコントローラ101内のクロック生成器105で生成されたクロック信号が用いられる。一方、送信機102の動作には、送信機102内のクロック生成器113で生成されたクロックが用いられる。したがって、被制御回路としての通信機102のインタフェース回路114はマイクロコントローラ101からクロック信号S_CLKが供給される。このようにマイクロコントローラ101と送信機102で用いているクロックが異なる場合には、両クロックを掛け合わせた周波数成分のスプリアスノイズが生じる。このノイズが送信機102の送信用アナログ回路109に影響を与えることになれば、ビットエラーレートやパケットエラーレートの劣化が生じ、通信性能を劣化させる。
特に、高速な通信になる場合、マイクロコントローラ101と送信機102間の通信速度の高速化のため、クロック信号S_CLKの周波数を高くする必要がある。また、データ線S_DATを増やすことになる。このような場合、マイクロコントローラ101と送信機102間のインタフェース回路114の回路規模は大きくなり、また、動作速度が速くなるため、このインタフェース回路114に起因するノイズがより大きくなる。
図15にはインタフェース回路114の一例が示される。200は入力バッファ、201は出力バッファ、202A,202Bはマイクロコントローラ101から供給されるクロック信号S_CLKに同期動作するラッチ回路、203A,203Bは送信器102内部のクロック生成回路113で生成されるクロック信号T_CLKに同期動作するラッチ回路である。ここでは直列2段のラッチ回路202Aと203A又はラッチ回路202Bと203Bを通ることによって非同期動作されるマイクロコントローラ101と通信装置102との間でデータ等の受け渡しが行われる。図15の例からも明らかなように、インタフェース回路114には異なるクロック信号S_CLK、T_CLKで動作される回路が並設され、しかも駆動電流の大きなバッファ200,201も近くに配置されている。この例からも明らかなように、被制御側インタフェース回路114においては大きなスプリアスノイズが発生することが予想される。
上記スプリアスノイズによるアナログ回路への影響を抑制するために、マイクロコントローラ101は送信機102に送信動作の指示と送信データを与えた後、送信機102から信号S_TXMNTにより送信動作の終了が通知されるまで、クロック信号S_CLKの送信機102への出力を停止する制御を行う。以下これについて詳細に説明する。
図2ないし図4を用いて、送信端末100が、受信端末500に、データを送信する場合の動作について説明する。図2は、本発明第1の実施形態に係る送信端末100が、受信端末500に、データを送信する場合のフローチャートである。送信端末100では、マイクロコントローラ101から送信機102に送信するデータを送り、送信機102内の送信用バッファ107に一度格納する。送信するデータが送信用バッファ107に格納された後、送信機102は、受信端末500にデータの送信を開始する。その際、マイクロコントローラ101は、マイクロコントローラ101と送信機102間のインタフェースのクロックS_CLKを停止し、マイクロコントローラ101のインタフェース回路106および送信機102のインタフェース回路114の動作を停止する。送信端末100から受信端末500にデータを送信し終わった後、クロックS_CLKの動作を開始し、通常のようにマイクロコントローラ101と送信機102間で通信を行う。特に制限されないが、インタフェース回路114はクロック信号S_CLKが停止されると、入力バッファ200の入力動作をディスエーブルとし、入力バッファ200の誤動作によってノイズが発生することも抑制する。この機能はクロック信号S_CLK停止に対して補助的に機能するに過ぎない。
このように、送信機102が他の受信端末500にデータを送信している間、マイクロコントローラ101と送信機102間の通信を停止することで、マイクロコントローラ101と送信機102とのインタフェース回路に起因するディジタルノイズの影響を抑制し、送信端末100と受信端末500との通信性能、すなわち、ビットエラーレートやパケットエラーレートの劣化を防ぐことが可能となる。
図3は、本発明第1の実施の形態に係る送信端末100が、受信端末500に、データを送信する場合の、マイクロコントローラ101と送信機102との制御シーケンスを示すシーケンス図である。まず、マイクロコントローラ101から送信機102に送信するデータを設定する。その後、マイクロコントローラ101は送信機102にデータ送信開始の指示を与える。この指示により、送信機102はデータ送信を開始する。マイクロコントローラ101は、送信機102に送信開始の指示を与えた後、インタフェースのクロックS_CLKを停止する。送信機102は、受信端末500への送信を終了した後、マイクロコントローラ101に送信が終了したというメッセージを信号S_TXMNTにより通知する。このメッセージを受け取ったマイクロコントローラ101はインタフェース回路のクロックS_CLKの動作を開始する。
このように、送信開始の指示をマイクロコントローラ101から送信機102に出した後、マイクロコントローラ101はクロックS_CLKを停止することで、インタフェース回路に起因するディジタルノイズの影響を抑制することが可能になる。また、データ送信完了後、送信機102からマイクロコントローラ101に送信完了の通知を出すことで、マイクロコントローラ101がクロックS_CLKの動作を再開し、マイクロコントローラ101と送信機102間で通信を再開することが可能となる。
図4は、本発明第1の実施形態に係る送信端末100が、受信端末500に、データを送信する場合の送信端末100の動作タイミングチャートの一例である。マイクロコントローラ101から送信機102に送信するデータの設定および送信開始の指示を行う間は、クロックS_CLKを動作させ、マイクロコントローラ101と送信機102間のインタフェース回路を動作させ、所定のアドレスに所定のデータの書き込みを行う。また、必要に応じて所定のアドレスからデータを読み込む。なお、図にはデータ書き込みの例を示す。
マイクロコントローラ101は、送信開始の指示を出した後、クロックS_CLKを停止する。これに伴い、アドレス線、データ線の動作も停止する。送信機102は、マイクロコントローラ101からの指示を受け、送信動作を開始する。この際、送信中であることをマイクロコントローラ101に伝えるため、送信モニタ信号S_TXMNTの値をハイレベル(HIレベル)にする。送信が完了した後、送信機102は、送信モニタ信号S_TXMNTの値をローレベル(LOレベル)に変え、送信が完了したことをマイクロコントローラ101に伝える。マイクロコントローラ101は、送信モニタ信号S_TXMNTを監視し、HIレベルからLOレベルに変化した時点で、送信が終了したことを認識する。この送信モニタ信号S_TXMNTの変化をトリガとし、マイクロコントローラ101はクロックS_CLKの動作を開始し、マイクロコントローラ101と送信機102間の通信を再開する。その後、例えば、送信時のエラーメッセージの取得など、次の動作を開始する。
このように、送信モニタ信号S_TXMNTを用い、送信機102の動作状態を専用線でマイクロコントローラ101に伝えることで、クロック信号S_CLKを停止することが可能となる。クロック信号S_CLKを止めることでインタフェース回路に起因するディジタルノイズの影響を抑制することができ、通信性能の劣化を防ぐことが可能となる。なお、各信号の極性は一例を示すものであり、逆の極性でも構わない。
以上の説明のように、本発明第1の実施形態にかかる送信端末を用いれば、ディジタルノイズのアナログ回路への回り込みを抑制することが可能となる。すなわち、アナログ回路が動作中に、クロック信号S_CLKを停止することにより、ノイズ源をなくし、アナログ回路の性能劣化を防ぐ。この方式は、クロックを停止することにより、ノイズ削減を行うものであり、従来のディジタル回路とアナログ回路の距離を物理的に離すといった方法のようにハードウェアとしての対策ではないため、端末の小型化にも適している。
《実施の形態2》
本発明第2の実施の形態では、データを受信する受信端末に着目する。
図5は本発明第2の実施形態に係る通信システムおよび受信端末の構成である。本発明第2の実施形態に係る通信システムは、送信端末(TXNOD)100、受信端末(RXNOD)500から構成される。受信端末500は、送信端末100からのデータの受信を行う。
受信端末500は、1個の制御用半導体装置としてのマイクロコントローラ(MCU)101および1個の通信用半導体装置としての受信機(RX)502から構成される。マイクロコントローラは、中央演算処理装置(CPU)103、メモリ(MEM)104、クロック生成器(CLK)105、インタフェース(I/F)106、から構成される。受信機502は、受信用バッファ(RXBUF)110、受信用ディジタル回路(RXDIG)111、受信用アナログ回路(RXALG)112、クロック生成器(CLK)113、インタフェース回路(I/F)114、から構成される。
マイクロコントローラ101と受信機502は、クロック信号(S_CLK)、読み込みか書き込みかを選択する信号線(S_RW)、アドレス線(S_ADD)、データ線(S_DAT)、受信モニタ信号(S_RXMNT)により接続される。クロック信号S_CLKはマイクロコントローラ101から受信機502に与えられ、マイクロコントローラ101と受信機502との間の通信時にクロックとして用いられる。アドレス線S_ADDは、アクセスするレジスタまたはバッファのアドレスを示す。データ線S_DATは、アドレス線S_ADDで指定されたアドレスに書き込むデータ、または指定されたアドレスから読み込んだデータが出力される。データを読み込むか書き込むかは、S_RWによって指定される。また、受信モニタ信号S_RXMNTは、受信機502の動作状態をマイクロコントローラ101に知らせる信号線である。
本発明第2の実施形態に係る受信端末500は、アナログ回路とディジタル回路とが混在する機器である。アナログ回路は、受信機502の受信用アナログ回路112である。また、ディジタル回路は、マイクロコントローラ101、受信機502の受信用バッファ110、受信用ディジタル回路111、クロック生成器113、インタフェース回路114、である。本発明第2の実施形態に係る受信端末の課題は、本発明第1の実施形態の送信端末の課題と同様、マイクロコントローラ101と受信機502との間の通信に起因するノイズを抑制することである。すなわち、マイクロコントローラ101と受信機502との間の通信に起因するノイズが、受信機502の受信用アナログ回路112に回り込む可能性がある。回り込んだノイズは受信用アナログ回路112の特性を劣化させ、通信性能、具体的にはビットエラーレートやパケットエラーレートの劣化が生じる。
受信機502も送信機102と同じインタフェース回路114を備え、被制御側インタフェース回路114において大きなスプリアスノイズが発生することが予想されることは上記と変わりなく、このスプリアスノイズによるアナログ回路への影響を抑制するために、マイクロコントローラ101は受信機502に受信信動作の指示を与えた後、受信機102から信号S_RXMNTにより受信動作の終了が通知されるまで、クロック信号S_CLKの受信機502への出力を停止する制御を行う。以下これについて図6乃至図8を参照しながら詳細に説明する。
図6は、本発明第2の実施形態に係る受信端末500が、送信端末100から、データを受信する場合のフローチャートである。受信端末500が受信を行う場合、受信機502がデータの受信動作を開始する。その際、マイクロコントローラ101は、マイクロコントローラ101と受信機502間のインタフェース回路のクロックS_CLKを停止し、マイクロコントローラ101のインタフェース回路106および受信機502のインタフェース回路114の動作を停止する。受信機502が受信したデータは、受信機502内の受信用バッファ110に一度格納する。受信端末500はデータを受信し終わった後、クロックS_CLKの動作を開始する。クロックS_CLKの動作開始に伴い、通常のようにマイクロコントローラ101と受信機502間で通信を開始し、マイクロコントローラ101は受信用バッファ110に格納されたデータを読み出す。
このように、受信機502が他の通信端末からのデータを受信している間、マイクロコントローラ101と受信機502間の通信を停止することで、マイクロコントローラ101と受信機502とのインタフェース回路に起因するディジタルノイズの影響を抑制し、受信端末500の受信性能、すなわち、ビットエラーレートやパケットエラーレートの劣化を防ぐことが可能となる。
図7は、本発明第2の実施形態に係る受信端末500が、送信端末100から、データを受信する場合の、マイクロコントローラ101と受信機502との制御シーケンスを示すシーケンス図である。マイクロコントローラ101は受信機502にデータ受信開始の指示を与える。この指示により、受信機502はデータ受信を開始する。マイクロコントローラ101は、受信機502に受信開始の指示を与えた後、インタフェースのクロックS_CLKを停止する。受信機502は、送信端末100からのデータの受信を終了した後、マイクロコントローラ101に受信が終了したというメッセージを通知する。このメッセージを受け取ったマイクロコントローラ101はインタフェース回路のクロックS_CLKの動作を開始する。その後、マイクロコントローラ101は、受信機502から受信したデータを取得する。
このように、受信開始の指示をマイクロコントローラ101から受信機502に出した後、マイクロコントローラ101はクロックS_CLKを停止することで、インタフェース回路に起因するディジタルノイズの影響を抑制することが可能になる。また、データ受信完了後、受信機502からマイクロコントローラ101に受信完了の通知を出すことで、マイクロコントローラ101がクロックS_CLKの動作を再開し、マイクロコントローラ101と受信機502間で通信を再開することが可能となる。
図8は、本発明第2の実施形態に係る受信端末500が、送信端末100から、データを受信する場合の受信端末500の動作タイミングチャートの一例である。マイクロコントローラ101から受信機502に受信開始の指示を行う間は、クロックS_CLKを動作させ、マイクロコントローラ101と受信機502間のインタフェース回路を動作させ、所定のアドレスに所定のデータの書き込みを行う。また、必要に応じて所定のアドレスからデータを読み込む。なお、図にはデータ書き込みの例を示す。
マイクロコントローラ101は、受信開始の指示を出した後、クロックS_CLKを停止する。これに伴い、アドレス線、データ線の動作も停止する。受信機502は、マイクロコントローラ101からの指示を受け、受信動作を開始する。この際、受信中であることをマイクロコントローラ101に伝えるため、受信モニタ信号S_RXMNTの値をHIレベルにする。受信が完了した後、受信機502は、受信モニタ信号S_RXMNTの値をLOレベルに変え、受信が完了したことをマイクロコントローラ101に伝える。マイクロコントローラ101は、受信モニタ信号S_RXMNTを監視し、HIレベルからLOレベルに変化した時点で、受信が終了したことを認識する。この受信モニタ信号S_RXMNTの変化をトリガとし、マイクロコントローラ101はクロックS_CLKの動作を開始し、マイクロコントローラ101と受信機502間の通信を再開する。その後、マイクロコントローラ101は受信機502から受信したデータを取得する。このように、受信モニタ信号S_RXMNTを用い、受信機502の動作状態を専用線でマイクロコントローラ101に伝えることで、クロック信号S_CLKの供給再開のタイミングを知ることが可能となる。
クロック信号S_CLKを止めることでインタフェース回路に起因するディジタルノイズの影響を抑制することができ、通信性能の劣化を防ぐことが可能となる。なお、各信号の極性は一例を示すものであり、逆の極性でも構わない。
以上の説明のように、本発明第2の実施形態にかかる受信端末を用いれば、ディジタルノイズのアナログ回路への回り込みを抑制することが可能となる。すなわち、アナログ回路が動作中に、クロック信号S_CLKを停止することにより、ノイズ源をなくし、アナログ回路の性能劣化を防ぐ。この方式は、クロックを停止することにより、ノイズ削減を行うものであり、従来のディジタル回路とアナログ回路の距離を物理的に離すといった方法のようにハードウェアとしての対策ではないため、端末の小型化にも適している。
《実施の形態3》
本発明に係る第3の実施形態について、図9および図13を用いて説明する。図9は本発明第3の実施形態に係る通信システムおよび通信端末の構成である。本発明第3の実施形態に係る通信システムは、複数の通信端末(NOD)900a、900b、・・・から構成される。通信端末900aは、通信端末900bと、通信を行う。以降、1対1の通信について説明するが、1対複数、複数対複数の通信においても同様である。また、通信経路が有線であっても無線であっても構わない。なお、添え字のa、b、・・・は同一の構成要素であることを示し、以降、特別に必要のない場合は、添え字は省略する。
通信端末900は、1個の制御用半導体装置としてのマイクロコントローラ(MCU)101および1個の通信用半導体装置としての通信機(COM)902から構成される。マイクロコントローラは、中央演算処理装置(CPU)103、メモリ(MEM)104、クロック生成器(CLK)105、インタフェース(I/F)106、から構成される。通信機902は、送信用バッファ(TXBUF)107、送信用ディジタル回路(TXDIG)108、送信用アナログ回路(TXALG)109、受信用バッファ(RXBUF)110、受信用ディジタル回路(RXDIG)111、受信用アナログ回路(RXALG)112、クロック生成器(CLK)113、インタフェース回路(I/F)114、から構成され、送受信部として機能する。
マイクロコントローラ101と通信機902は、クロック信号(S_CLK)、読み込みか書き込みかを選択する信号線(S_RW)、アドレス線(S_ADD)、データ線(S_DAT)、モニタ信号(S_MNT)により接続される。クロック信号S_CLKはマイクロコントローラ101から通信機902に与えられ、マイクロコントローラ101と通信機902との間の通信時にクロックとして用いられる。アドレス線S_ADDは、アクセスするレジスタまたはバッファのアドレスを示す。データ線S_DATは、アドレス線S_ADDで指定されたアドレスに書き込むデータ、または指定されたアドレスから読み込んだデータが出力される。データを読み込むか書き込むかは、S_RWによって指定される。また、モニタ信号S_MNTは、通信機902の動作状態をマイクロコントローラ101に知らせる信号線である。
本発明第3の実施形態に係る通信端末900は、基本的には、本発明第1の実施形態に係る送信端末100および本発明第2の実施形態に係る受信端末500の動作をあわせ持つ動作を行う。すなわち、送信中、ならびに受信中に、クロックS_CLKの動作を停止し、ディジタルノイズがアナログ回路に与える影響を抑制する。単純に送信端末100と受信端末500との機能を合わせた場合、送信モニタ信号S_TXMNTと受信モニタ信号S_RXMNTの2種類のモニタ信号が必要となる。信号線が増えるのを回避するため、本発明第3の実施形態に係る通信端末では、モニタ信号S_MNTを用い、送信および受信両方の状態のモニタを1つの信号線で行う。本発明第3の実施形態に係る通信機の動作について、図10ないし図13を用いて説明する。
図10は、本発明第3の実施形態に係る通信端末900aの動作フローチャートの一例である。通信端末900aが通信端末900bにデータを送信した後、通信端末900bからデータを受信する場合の動作を示したものである。まず、マイクロコントローラ101から通信機902に送信するデータを送り、通信機902内の送信用バッファ107に一度格納する。送信するデータが送信用バッファ107に格納された後、通信機902は、通信端末900bにデータの送信を開始する。その際、マイクロコントローラ101は、マイクロコントローラ101と通信機902間のインタフェース回路114のクロックS_CLKを停止し、マイクロコントローラ101のインタフェース回路106および通信機902のインタフェース回路114の動作を停止する。通信端末900aから通信端末900bにデータを送信し終わった後、その旨が信号S_MNTによりマイクロコントローラ101に通知されてクロックS_CLKの供給動作を再開する。
その後、マイクロコントローラ101が受信動作を指示すると、通信機902がデータの受信動作を開始する。その際、マイクロコントローラ101は、マイクロコントローラ101と通信機902間のインタフェースのクロックS_CLKを停止し、マイクロコントローラ101のインタフェース回路106および通信機902のインタフェース回路114の動作を停止する。通信機902が受信したデータは、通信機902内の受信用バッファ110に一度格納する。通信端末900はデータを受信し終わった後、信号S_MNTにてその旨をマイクロコントローラ10に通知することによってクロックS_CLKの供給が再開される。クロックS_CLKの動作開始に伴い、通常のようにマイクロコントローラ101と通信機902間で通信を開始し、マイクロコントローラ101は受信用バッファ110に格納されたデータを読み出す。
このように、通信機902が他の通信端末へデータを送信している間、および、他の通信端末からのデータを受信している間、マイクロコントローラ101と通信機902間の通信を停止することで、マイクロコントローラ101と通信機902とのインタフェース回路に起因するディジタルノイズの影響を抑制し、通信端末900aと他の通信端末900bとの通信性能、すなわち、ビットエラーレートやパケットエラーレートの劣化を防ぐことが可能となる。
図11は、本発明第3の実施形態に係る通信端末900aが通信端末900bにデータを送信した後、通信端末900bからデータを受信する場合の、マイクロコントローラ101と通信機902との制御シーケンスを示すシーケンス図である。まず、マイクロコントローラ101から通信機902に送信するデータを設定する。その後、マイクロコントローラ101は通信機902にデータ送信開始の指示を与える。この指示により、通信機902はデータ送信を開始する。マイクロコントローラ101は、通信機902に送信開始の指示を与えた後、インタフェースのクロックS_CLKを停止する。通信機902は、通信端末900bへの送信を終了した後、マイクロコントローラ101に送信が終了したというメッセージを通知する。このメッセージを受け取ったマイクロコントローラ101はインタフェース回路のクロックS_CLKの動作を開始する。
その後、マイクロコントローラ101は通信機902にデータ受信開始の指示を与える。この指示により、通信機902はデータ受信を開始する。マイクロコントローラ101は、通信機902に受信開始の指示を与えた後、インタフェースのクロックS_CLKを停止する。通信機902は、通信端末900bからのデータの受信を終了した後、マイクロコントローラ101に受信が終了したというメッセージを通知する。このメッセージを受け取ったマイクロコントローラ101はインタフェース回路のクロックS_CLKの動作を開始する。その後、マイクロコントローラ101は、通信機902から受信したデータを取得する。
このように、送信開始の指示をマイクロコントローラ101から通信機902に出した後、および、受信開始の指示をマイクロコントローラ101から通信機902に出した後、マイクロコントローラ101はクロックS_CLKを停止することで、インタフェース回路に起因するディジタルノイズの影響を抑制することが可能になる。また、データ送信完了後、および、データ受信完了後、通信機902からマイクロコントローラ101に送信完了および受信完了の通知を出すことで、マイクロコントローラ101がクロックS_CLKの動作を再開し、マイクロコントローラ101と通信機902間で通信を再開することが可能となる。
図12は、本発明第3の実施形態に係る通信端末900aが、通信端末900bに、データを送信した後、データを受信する場合の通信端末900aの動作タイミングチャートの一例である。マイクロコントローラ101から通信機902に送信するデータの設定および送信開始の指示を行う間は、クロックS_CLKを動作させ、マイクロコントローラ101と通信機902間のインタフェース回路を動作させ、所定のアドレスに所定のデータの書き込みを行う。また、必要に応じて所定のアドレスからデータを読み込む。なお、図にはデータ書き込みの例を示す。
マイクロコントローラ101は、送信開始の指示を出した後、クロックS_CLKを停止する。これに伴い、アドレス線、データ線の動作も停止する。通信機902は、マイクロコントローラ101からの指示を受け、送信動作を開始する。この際、送信中であることをマイクロコントローラ101に伝えるため、モニタ信号S_MNTの値をHIレベルにする。送信が完了した後、通信機902は、モニタ信号S_MNTの値をLOレベルに変え、送信が完了したことをマイクロコントローラ101に伝える。マイクロコントローラ101は、モニタ信号S_MNTを監視し、HIレベルからLOレベルに変化した時点で、送信が終了したことを認識する。このモニタ信号S_MNTの変化をトリガとし、マイクロコントローラ101はクロックS_CLKの動作を開始し、マイクロコントローラ101と通信機902間の通信を再開する。
その後、マイクロコントローラ101から通信機902に受信開始の指示を行う。マイクロコントローラ101は、受信開始の指示を出した後、クロックS_CLKを停止する。これに伴い、アドレス線、データ線の動作も停止する。通信機902は、マイクロコントローラ101からの指示を受け、受信動作を開始する。この際、受信中であることをマイクロコントローラ101に伝えるため、モニタ信号S_MNTの値をHIレベルにする。受信が完了した後、通信機902は、モニタ信号S_MNTの値をLOレベルに変え、受信が完了したことをマイクロコントローラ101に伝える。マイクロコントローラ101は、モニタ信号S_MNTを監視し、HIレベルからLOレベルに変化した時点で、受信が終了したことを認識する。このモニタ信号S_MNTの変化をトリガとし、マイクロコントローラ101はクロックS_CLKの動作を開始し、マイクロコントローラ101と通信機902間の通信を再開する。その後、マイクロコントローラ101は通信機902から受信したデータを取得する。
このように、モニタ信号S_MNTを用い、通信機902の動作状態を専用線でマイクロコントローラ101に伝えることで、クロック信号S_CLKの供給再開のタイミングを得ることが可能となる。モニタ信号S_CLKは、クロック信号S_CLKを動作させるトリガ信号となればよいため、送信終了を示す場合と、受信終了を示す場合とで、同様の動作でよい。すなわち、送信終了を示す信号と受信終了を示す信号とを、同じ信号線に兼ねることができる。このように、クロック信号S_CLKを止めることでインタフェース回路に起因するディジタルノイズの影響を抑制することができ、通信性能の劣化を防ぐことが可能となる。なお、各信号の極性は一例を示すものであり、逆の極性でも構わない。尚、デュアルバンドによって送受信動作が並列的に行われる場合であっても同じである。
以上の説明のように、本発明第3の実施形態にかかる通信端末を用いれば、ディジタルノイズのアナログ回路への回り込みを抑制することが可能となる。すなわち、アナログ回路が動作中に、クロック信号S_CLKを停止することにより、ノイズ源をなくし、アナログ回路の性能劣化を防ぐ。この方式は、クロックを停止することにより、ノイズ削減を行うものであり、従来のディジタル回路とアナログ回路の距離を物理的に離すといった方法のようにハードウェアとしての対策ではないため、端末の小型化にも適している。
図13に、信号対雑音比(Eb/N0)とビットエラーレート(BER)の関係の一例を、クロックS_CLKがオンの場合とオフの場合について示す。クロックS_CLKをオンにした状態では、ディジタルノイズが送信用アナログ回路、および、受信用アナログ回路にまわりこみ、その特性を劣化させる。アナログ回路にノイズが重畳されるため、BER特性には、ノイズフロアとしてその影響が表れる。このため、信号対雑音比を上げた場合であっても、BER特性が改善しない状態が生じる。一方、アナログ回路動作中にクロックS_CLKを停止した場合には、アナログ回路にディジタルノイズが回りこまないため、BER特性にノイズフロアが生じず、信号対雑音比を改善すればBER特性が良くなる。このように、アナログ回路動作中にクロックS_CLKを停止することにより、BER特性が改善される。なお、図13のBER特性は一例を示したものであり、このようなノイズフロアが生じる特性に限るものではない。
以上の説明は、マイクロコントローラ101と通信機902間がバスインタフェースである場合について説明してきたが、これに限るものではない。例えば、シリアルインタフェースであっても同様に、クロック信号を停止することによりノイズ低減の効果を得られるものである。
また、通信機902がデータを送信する場合および受信する場合について、ノイズを抑制する方法について説明してきたが、これに限るものではない。例えば、キャリアセンスなど、アナログ回路が動作中にノイズの影響を抑制すればよい。
《実施の形態4》
本発明に係る通信端末を用いたアプリケーションの一例について説明する。本発明によれば、ディジタルノイズのアナログ回路への回り込みを抑制することが可能であり、その方法は小型化が必要な通信端末に適している。従って、その応用の一例として、センサネットワークシステム(以下、センサネットという)への適用が考えられる。センサネットは、センサと無線通信機能とを有する端末(以下、センサノードという)を用いて、現実世界の様々な情報をリアルタイムに情報処理装置に取り込む無線通信システムである。センサノードは至る所、あらゆる物に設置され、センサによって収集した情報をネットワークへ送信する。収集されたデータは様々な形に加工され、現実世界にフィードバックされる。このようなセンサネットは、物流、ヘルスケア、品質管理、など様々な分野への応用が検討されている。センサノードを様々な場所に設置するために、センサノードの小型化が必須である。
図14は本発明の係る通信システムの一例であるセンサネットの構成を示す。複数のセンサノード(SNOD)1400a、1400b、1400c、1400d、1400e、1400f、・・・、基地局(BAS)1401a、1401b、ネットワーク(NWK)1402、サーバ(SRV)1403、ターミナル(TRM)1405、から構成される。サーバ1403にはデータベース(DBS)1404を備える。なお、添え字a、b、c、・・・は同一構成要素であることを示すものであり、以下の説明では、特に必要でない限りa、b、c、・・・の添え字は省略する。
センサノード1400は、センサで取得したデータを基地局1401に送付する。基地局1401は、多数のセンサノード1400の管理を行い、センサノード1400からデータを収集する。収集されたデータはネットワーク1402経由でサーバ1403内のデータベース1404に蓄積される。サーバ1403ではデータベース1404に蓄積されたデータの解析を行う。解析後のデータやデータベース1404に蓄積したデータには、ターミナル1405からアクセスすることができる。
センサノードに本発明に係るノイズ低減方法を適用すれば、小型かつ通信性能の高い通信端末を実現することが可能となる。センサノード1400は、マイクロコントローラ101、通信機902、アンテナ(ANT)1406、タイマ(TIM)1407、センサ(SENS)1408、電源(PWR)1409から構成される。
マイクロコントローラ101は、センサ1408からデータを取り込む。センサ1408は、周囲の環境を測るために用い、例えば、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、加速度センサ、赤外線センサ、気圧センサ、などである。マイクロコントローラ101はセンサ1408から取り込んだデータを、必要に応じて加工し、通信機902、アンテナ1406を通じて、基地局1401に送信する。また、通信機902は、基地局1401からのデータを受信する。基地局1401から受信したデータは、マイクロコントローラ101内で解析され、必要に応じて、データの再送などの処理を行う。タイマ1407はセンシングするタイミングを決めるために、また、センシングしたデータと時刻とを対応させるために用いる。センサノードの電源は電源1409から供給される。
このセンサノードのマイクロコントローラ101と通信機902間の制御を、本発明第3の実施形態の通信端末と同様にすることで、ノイズ抑制効果が得られる。すなわち、送信開始の指示や受信開始の指示をマイクロコントローラ101から通信機902に出した後、マイクロコントローラ101はクロックS_CLKを停止することで、インタフェース回路に起因するディジタルノイズの影響を抑制することが可能になる。また、データ送信完了後、および、データ受信完了後、通信機902からマイクロコントローラ101に送信完了および受信完了の通知を出すことで、マイクロコントローラ101がクロックS_CLKの動作を再開し、マイクロコントローラ101と通信機902間で通信を再開することが可能となる。このノイズ抑制方法は、従来の方法のように物理的な距離を離すことを必要としないため、センサノードの小型化に適している。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、以上の説明においては、マイクロコントローラ101と通信機902が、異なるLSIとして説明してきたが、これに限るものではない。マイクロコントローラと通信機が1つのLSIに集積化され、相互に非同期で動作される場合においても、本発明に係るノイズ低減方法は有用である。すなわち、LSI内のCPUブロックと通信機ブロックとの間の通信用のクロックを、アナログ回路が動作中にとめることにより、ノイズ抑制の効果が得られる。通信システムはセンサネットに限定されない。