JP2010114298A - 高耐圧半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラズマディスプレイパネル(PDP)に使用されるスキャンドライバICにおいて、出力端子に負電圧が印加された場合にIGBTのゲート酸化膜の劣化及び破壊を防止するための、高耐圧半導体装置を提供する。
【解決手段】第2導電型コレクタバッファ層内に第1導電型高濃度コレクタ拡散層を包囲するように第1導電型の低濃度コレクタ拡散層が形成されていることを特徴とする。これにより、コレクタ拡散層とコレクタバッファ層で形成されるダイオードのブレークダウン電圧を高くすることができる。
【選択図】図2
【解決手段】第2導電型コレクタバッファ層内に第1導電型高濃度コレクタ拡散層を包囲するように第1導電型の低濃度コレクタ拡散層が形成されていることを特徴とする。これにより、コレクタ拡散層とコレクタバッファ層で形成されるダイオードのブレークダウン電圧を高くすることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は高耐圧半導体装置に関し、低オン電圧を維持しながら、コレクタに負電圧が印加された時にゲート酸化膜が破壊されることを抑制できる絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、IGBTと略す)に関する。
近年、家庭向けテレビ市場において薄型テレビへの移行が進んでおり、プラズマディスプレイパネル(PDP)についても急速に普及してきている。PDPは2枚のガラス基板を重ねた構造でAC型PDPの場合、図6のような3電極面放電型の構造をしている。背面のガラス基板上には縦方向の表示データの書き込みを選択する複数のデータ電極51のそれぞれがパネルの縦方向に伸びるように配置されている。そして、前面ガラス基板上には走査線を選択するスキャン電極52と表示のための発光を維持するためのサステイン電極53とが交互にパネルの横方向に伸びるように配置されている。
スキャン電極52とデ−タ電極51の交差した部分には放電セル54が設置され、放電セル54の内側のガラス基板表面には蛍光体層が形成されている。2枚のガラス基板に挟まれた空間はXe等のガスが密封できるように密閉構造になっており、電極間に放電を起こすことにより蛍光体層を発光させる。このようなPDPを駆動するドライバIC(PDP駆動用集積回路装置)として、スキャン電極52にはスキャンドライバIC55、データ電極51にはデータドライバIC56が接続されている。そして、スキャンドライバIC55はパネル内部の複数の放電セルに印加する電圧を制御している。スキャンドライバIC55の主な動作としてはスキャン動作(放電セルへの書き込み動作)とサステイン動作(スキャン動作時に予備放電させた状態を維持し、発光させる表示放電動作)がある。
図7及び図8にそれぞれスキャンドライバIC55、データドライバIC56からの出力信号タイミングチャートおよびスキャンドライバIC55の出力段回路を示す。この図7および図8を用いてスキャンドライバIC55の動作について簡単に説明する。
図8において高耐圧PチャネルMOSトランジスタP3が、MOSトランジスタP1、P2、N1、N2からなるレベルシフタによって制御される。OUT端子にはIGBTと高耐圧ダイオードが並列して接続されている。
まず所定の放電セル54のデータ電極51にデータドライバIC56からHiのパルス57、スキャン電極52にスキャンドライバIC55のOUT端子からLowのパルス58を加える(図7参照)。図6のデータ電極51とスキャン電極52の間に与えられたHiのパルス57、Lowのパルス58による電位差によりプラズマ放電が起こり、放電セル54が発光する。この時図8のスキャンドライバICではIGBTがオン状態であり、放電セル54への電流61はIGBTから供給される。このような動作が書き込み期間:t1〜t2間で行われる。
次に、図7に示すようにスキャン電極52とサステイン電極53に互いに符号が反対の約180Vの高電圧パルス59および60を繰り返し印加することにより、選択された放電セル54ではサステイン電極53とスキャン電極52との間に交流電圧が生ずる。これによりサステイン電極53とスキャン電極52の間で放電が持続する。スキャン電極52やサステイン電極53による繰り返しパルス59,60のための放電電流62はIGBTとダイオードから交互に供給される。これにより、スキャン時間の長さ、すなわちパルスの繰り返し回数により階調(明るさ)が変化するようになっている。このような動作が放電の維持・発光期間:t2〜t3で行われる。
図9はこのようなスキャンドライバIC55に用いられ、図8に示した従来の高耐圧半導体装置であるIGBTの素子構造を示す断面構造図である。シリコン基板1上に埋込酸化膜2を介して低濃度のp型シリコン層3(SOI(Silicon on Insulator)活性層)が形成されている。このp型シリコン層3の表面には、低濃度のn−型ドリフト(オフセット)拡散層4が選択的に形成されている。このn−型ドリフト拡散層4から少し離れた領域に、p型ベース拡散層7と、そのp型ベース拡散層7の表面の一部に高濃度n+型エミッタ拡散層11が形成されている。またn−型ドリフト拡散層4の表面には厚いLOCOS(Local Oxidation of Silicon)酸化膜6が形成され、このLOCOS酸化膜6に隣接して、p+型コレクタ拡散層12が形成されている。また、p+型コレクタ拡散層12と同時に、p型ベース拡散層7用のp+型コンタクト拡散層13が形成される。さらにp+型コレクタ拡散層12の外周には比較的高濃度のn+型コレクタバッファ層5が包囲するように形成されている。
高濃度n+型エミッタ拡散層11とn−型ドリフト拡散層4に挟まれたp型ベース拡散層7及びp型シリコン層3のシリコン表面にはゲート酸化膜9を介してゲートポリシリコン層10が設けられている。さらに、隣接する素子を電気的に分離するための分離溝14がp型シリコン層3に設けられている。p型シリコン層3の表面はBPSG(Boron Phosphor Silicate Glass)などの層間絶縁膜16を形成し、高濃度n+型エミッタ拡散層11の表面にはエミッタ電極18、p+型コレクタ拡散層12の表面にはコレクタ電極19を形成する。さらに、LOCOS酸化膜6の上のゲートポリシリコン層10の表面にはゲート引出電極20を、それぞれ形成してIGBTが形成されている。
次にこのようなIGBTの動作について説明する。エミッタに対してゲートに正電圧が印加され、高濃度n+型エミッタ拡散層11、p型ベース拡散層7、p型シリコン層3、n−型ドリフト拡散層4により構成されるMOSトランジスタがオン状態の時にコレクタ電極19に正電圧が印加されると、p+型コレクタ拡散層12とn+型コレクタバッファ層5が順バイアスされる。これにより、p+型コレクタ拡散層12からn+型コレクタバッファ層5を通ってn−型ドリフト拡散層4に正孔が注入される。この結果、n−型ドリフト拡散層4には注入された正孔と同じだけの電子がエミッタから供給されることにより伝導度変調を起こし、n−型ドリフト拡散層4の抵抗は急激に低下し、IGBTはON状態となる。
一方IGBTをターンオフするために、エミッタ電極18に対しゲート引出電極20の電圧を低下させると、ゲートポリシリコン層10の下部のp型ベース拡散層7の表面のチャネル領域が非導通状態となり、高濃度n+型エミッタ拡散層11からn−型ドリフト拡散層4に電子が注入されなくなる。すると、n−型ドリフト拡散層4は伝導度変調が起きなくなり、やがてコレクタ・エミッタ間に電流が流れなくなる。n+型コレクタバッファ層5に残留する正孔はp+型コレクタ拡散層12へ直接流出して、流出が完了した時点でIGBTはOFF状態となる。このようにn+型コレクタバッファ層5の正孔が消滅するまでの時間をターンオフ時間と呼び、素子のスイッチングスピードを決めている。このターンオフ時間を短くするためには、n+型コレクタバッファ層5のN型不純物濃度を高くして、p+型コレクタ拡散層12からn−型ドリフト拡散層4への正孔の注入量を抑えることが行われている。
従来から負荷駆動に使用されるこうした高耐圧ドライバICには、その出力端子に静電気やモーター等のL負荷などからのサージ、ノイズが加わるため、一定のサージ耐量を保証するための方策がとられていた。例えば図12に示すような特許文献1のIGBTの例では、p型ベース拡散層7と分離溝14との間にn+型拡散層21と、その1部が重なるようにp型拡散層22が分離溝14の内側全周に形成されている。そのp型拡散層22は電極24を介してエミッタ電極18と、n+型拡散層21は電極23を介してコレクタ電極19と接続されている。これによりエミッタ・コレクタ間にサージダイオードD2が形成され、コレクタ電極19にプラスサージが印加されると、形成されたサージダイオードD2を通って、電流はエミッタに逃げるため、IGBTの破壊を防ぐことができる。
しかしスキャンドライバIC55の動作においては、図8に示すOUT端子(IGBTのコレクタ電極19)に、こうしたサージやノイズのような正電圧以外で、負電圧が印加されることがまれに起こる。
図9のIGBTでのC−C´断面において、n+型コレクタバッファ層5と、p+型コレクタ拡散層12からなるダイオードD1の断面の濃度プロファイルを図10に示す。n+型コレクタバッファ層5の不純物濃度は前述したように、IGBTのターンオフ時間を短くするため、高く設定するのが好ましく、およそ1×1018cm-3である。また、p+型コレクタ拡散層12もIGBT電流駆動能力を高めるために高濃度に設定されるため、およそ1×1020cm-3程度になるのが一般的である。
図11は、このような濃度プロファイルで作られたダイオードD1の逆方向の電圧(Vout)電流(I)特性である。このようなIGBTにおいて、たとえばゲート引出電極20に5Vが印加され、IGBTがオン状態の時にコレクタ電極19に、−10Vの負電圧が印加された場合について考える。上述の通り、n+型コレクタバッファ層5の不純物濃度が1×1018cm-3以上、p+型コレクタ拡散層12の不純物濃度がおよそ1×1020cm-3程度である。このため、ダイオードD1に逆方向バイアス(V1)が印加され、さらに電圧が増加してPN接合部が高電界になると図11に示すように電圧V1とV2間でバンド間トンネル電流が流れ始め、やがてV2以上の電圧でツェナーブレークダウンを起こす。ツェナーブレークダウン電圧(V2)はPN接合の不純物濃度によって決定されるが、およそ6V前後であるため、この時IGBTのp+型コレクタ拡散層12の直下のn+型ドリフト拡散層5の電位は、約−4Vとなる。
次にn−型ドリフト拡散層4の抵抗は、オン時においてエミッタから供給された電子による伝導度変調によって下がっており、例えばゲート幅2mmのパワートランジスタにおいて、前述のダイオードD1の接合からゲート酸化膜9のあるLOCOS酸化膜6の端までのドリフト抵抗は約1Ωである。負電圧によって、1Aの電流が流れたとすると、それによる電圧降下は1Vとなり、ゲート酸化膜9の直下の電位は約−3Vとなる。その結果、ゲート酸化膜9にかかる電位差は8Vとなる。
特開2001−127294号公報
特許文献1及び一般的に使われるPDPスキャンドライバIC用のIGBTについては、そのゲート酸化膜が信頼性寿命を保てる所定の許容ゲート電圧(絶対最大定格電圧)が設定されており、具体的な値として7Vが一般的である。しかしながらこのようなIGBTのコレクタ電極に負電圧が何らかの理由により印加された場合、ゲート電極とゲート酸化膜直下の電位差が7Vを超えてしまい、IGBTの閾値電圧の変動を招いたり、最悪の場合ゲート酸化膜を破壊する危険があった。
このようにPDPに使用されるスキャンドライバICにおいては、ESD(静電気放電)サージやノイズ以外に、出力端子に負電圧が印加されることがあり、そのような場合において素子を保護することができない。また、ゲート酸化膜を厚くすることで、ゲート酸化膜の耐圧を上げることも可能であるが、IGBTはLOGIC回路と同じ電圧(5V)で制御されており、異なるゲート酸化膜厚とすることは、回路構成や製造工程が複雑になり、好ましくない。
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、コレクタ電極に負電圧が印加されても、ゲート酸化膜に規定以上の電圧がかからないようにすることが可能な優れた高耐圧半導体装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明に係る高耐圧半導体装置は、第1導電型の半導体層上に形成された第2導電型のドリフト拡散層と、前記ドリフト拡散層の領域内に形成された第1導電型の第1コレクタ拡散層とを備えている。
また、前記ドリフト拡散層から離間して前記半導体層に形成された第1導電型のベース拡散層と、前記ベース拡散層の領域内に形成された第2導電型のエミッタ拡散層とを備えている。
さらに、前記エミッタ拡散層と前記ドリフト拡散層との間に位置する前記半導体層上と前記ベース拡散層上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲートポリシリコン層とを備えている。
そして、前記ドリフト拡散層の領域内には第1導電型の第2コレクタ拡散層が設けられ、前記第2コレクタ拡散層は前記第1コレクタ拡散層の領域内に形成されていることを特徴とする。
また、前記ドリフト拡散層の領域内には第2導電型のコレクタバッファ層が設けられ、前記第2コレクタ拡散層は前記コレクタバッファ層内に形成されていることを特徴とする。
ここで、第1導電型のコレクタ拡散層は、第1導電型コレクタ拡散層に対して不純物濃度が低濃度であり、第2導電型コレクタバッファ層との接合深さが深いため、低濃度コレクタ拡散層は電界緩和層として機能する。これにより、コレクタ拡散層とコレクタバッファ層で形成されるダイオードのブレークダウン電圧を高くすることができる。
先行例ではコレクタ端子にESDサージが印加された場合、p型ベース拡散層と分離溝との間にn+型拡散層と、その1部が重なるように形成されたp型拡散層によるサージバイパス用ダイオードによって素子を保護できた。しかし、この構成ではコレクタ端子に負電圧が印加された場合には、ゲート酸化膜直下に酸化膜の寿命、信頼性を保てるゲート電圧(絶対最大定格)を超える電圧がかかることがある。よって、閾値電圧の変動や、最悪の場合ゲート酸化膜の破壊を招く危険があった。本発明においてはそのような不具合を回避することができる。
以上のように、本発明のIGBTはターンオフ時間に影響するn+型コレクタバッファ層の不純物濃度を低下させることなく、p+型コレクタ拡散層とn+型コレクタバッファ層で形成されるダイオードの耐圧を向上することができる。これにより、コレクタに負電圧が印加された場合にゲート酸化膜にかかる電圧を低くして、閾値電圧の変動およびゲート酸化膜の破壊を防止することができる優れた半導体装置を実現することができる。
以下本発明による実施形態に係る高耐圧半導体装置であるIGBTについて、図面を参照しながら説明する。図1は本発明のIGBTの平面レイアウトパターンを示す図、図2は図1の平面図のA−A’線で切断した断面図を示す。まず、図2を用いて本発明の断面構造について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
シリコン基板101上に埋込酸化膜102を介して低濃度のp型シリコン層103(SOI活性層)が形成されている。このp型シリコン層103(第1導電型の半導体層)の表面には、低濃度のn−型ドリフト(オフセット)拡散層104(第2導電型のドリフト拡散層)が選択的に形成されている。このn−型ドリフト拡散層104から少し離れた領域に、p型ベース拡散層107(第1導電型のベース拡散層)と、p型ベース拡散層107の表面の一部に高濃度n+型エミッタ拡散層111(第2導電型のエミッタ拡散層)が形成されている。n−型ドリフト拡散層104の表面には厚いLOCOS酸化膜106が形成されており、LOCOS酸化膜106に隣接してp+型コレクタ拡散層112(第1コレクタ拡散層)が形成されている。p+型コレクタ拡散層112と同時に、p型ベース拡散層107のコンタクト領域となるp+型コンタクト拡散層113が形成される。一方、コレクタ部ではp+型コレクタ拡散層112を包囲するようにp+型コレクタ拡散層112の不純物濃度よりも低濃度のp−型コレクタ拡散層108(第2コレクタ拡散層)が形成される。さらに、その左右と下を取り囲んでドリフト拡散層104の不純物濃度と比較して高濃度のn+型コレクタバッファ層105が形成される。
高濃度n+型エミッタ拡散層111とn−型ドリフト拡散層104に挟まれたp型ベース拡散層107及びp型シリコン層103のシリコン表面には、ゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)109を介してゲートポリシリコン層110(ゲート電極)が設けられている。また隣接する素子を電気的に分離するための分離溝114がIGBT領域を囲むようにp型シリコン層103に形成される。p型シリコン層103の表面上にはBPSGなどの層間絶縁膜116が設けられ、高濃度n+型エミッタ拡散層111およびp+型コンタクト拡散層113の表面にはエミッタ電極118が、p+型コレクタ拡散層112の表面にはコレクタ電極119が、LOCOS酸化膜106の上のゲートポリシリコン層110の表面にはゲート引出電極120がそれぞれ形成されている。
本発明のIGBTの平面構造を図1を用いて説明すると、p+型コレクタ拡散層112に対向してn+型エミッタ拡散層111を備えている。n+型エミッタ拡散層111とp+型コレクタ拡散層112はPDPスキャンドライバーの動作電圧によるが、互いに対向する最短距離の辺で20数μm隔てて配置されている。またn+型エミッタ拡散層111の外側には各素子を分離するためのトレンチ分離溝114が形成されている。エミッタに隣接したp+型ベース拡散層107上にはゲート酸化膜(図示せず)を介して、ゲートポリシリコン層110が形成されている。n+型エミッタ拡散層111、p+型コレクタ拡散層112およびゲートポリシリコン層110上には、複数のコンタクト窓117が形成されている。そして、n+型エミッタ拡散層111と隣接するp+型コンタクト拡散層113は両拡散層にまたがって開口されたコンタクト窓117によって同一電位となっている。これらのコンタクト窓117を通じて、各拡散層には、エミッタ電極118、コレクタ電極119およびゲート引出電極120がそれぞれ接続されている。
本発明のIGBTはn+型コレクタバッファ層105の中にp+型コレクタ拡散層112を包囲するようにp−型コレクタ拡散層108が形成されている点が特徴である。それ以外の構造は基本的に図9の従来例と同じである。
次に図1のA−A´線に沿う製造工程断面図を図3(a)〜(d)に示し、本発明によるIGBTの製造工程について説明する。まず図3(a)に示すように、シリコン基板101と埋込酸化膜102と、p型単結晶シリコン層103(SOI活性層)とから構成されるSOI基板が準備される。このSOI基板のp型シリコン層103の表面に、約3〜5μm程度の比較的厚膜のレジストを塗布し、任意の領域にレジストパターン(図示せず)を形成する。形成されたレジストパターンをマスクとして、n型不純物を高エネルギーでイオン注入することにより、n−型ドリフト拡散層104を形成する。例えば、n型不純物としてリンを使用し、注入量は1×1012〜1×1013cm-2程度で加速エネルギーは0.5〜3MeV程度とする。
次にレジストを除去した後、図3(b)に示すように、n−型ドリフト拡散層104上に位置するp型シリコン層103となっている所定の領域に、比較的高濃度のn+型コレクタバッファ層105をイオン注入により形成する。n型不純物としてはリン使用し、注入量は1×1014〜5×1014cm-2程度である。その後、例えば窒素雰囲気中において1100℃以上の高温熱処理を行うことによって図3(a)のドリフト拡散層104領域がシリコン層103の表面まで達する。さらに、500nmの膜厚でLOCOS酸化膜106を形成する。
次に、図3(c)に示すように、LOCOS酸化膜106を挟んでn+型コレクタバッファ層105と反対側にn−型ドリフト拡散層104と距離をおいて、p型ベース拡散層107を形成するために例えば、ボロンを1×1012〜1×1013cm-2程度の注入量で注入する。続いてn+型コレクタバッファ層105の内側に、p−型コレクタ拡散層108をイオン注入によって形成するが、この時のボロンの注入量は1×1013〜1×1014cm-2程度が望ましい。そして、p型ベース拡散層107およびp型シリコン層103のシリコン表面には熱酸化によって10〜30nm程度の膜厚のゲート酸化膜109を成長させ、その上にゲートポリシリコン層110が設けられる。さらに、p型ベース拡散層107の表面の一部にリン等のn型不純物をイオン注入することにより高濃度のn+型エミッタ拡散層111が形成される。また、n+型コレクタバッファ層105およびp−型コレクタ拡散層108の内側にはボロンを1×1020cm-2以上で注入して、高濃度のp+型コレクタ拡散層112を形成する。この時p型ベース拡散層107の内部にn+型エミッタ拡散層111に隣接してp+型コンタクト拡散層113を同時に形成する。
その後、図3(d)に示すように隣接する素子を電気的に分離するためにRIE(reactive ion etching)等によりp型シリコン層103をエッチングして分離溝114を形成し、その分離溝114内を絶縁膜115で埋める。次いでゲートポリシリコン層110やLOCOS酸化膜106などを覆うようにp型シリコン層103の表面にBPSG膜などの層間絶縁膜116を形成する。また、層間絶縁膜116上に高濃度n+エミッタ拡散層111およびp+型コンタクト拡散層113に接続するエミッタ電極118、p+型コレクタ拡散層112に接続するコレクタ電極119、ゲートポリシリコン層110に接続するゲート引出電極120をアルミなどの金属材料を用いてそれぞれ形成する。
図4は本発明によるIGBT(図2)のB−B´断面におけるp+型コレクタ拡散層112、n+型コレクタバッファ層105と、追加されたp−型コレクタ拡散層108の濃度プロファイルを示す。図5は前述のp+型コレクタ拡散層112、p−型コレクタ拡散層108とn+型コレクタバッファ層105で形成されるダイオードD3の逆方向の電圧(Vout)電流(I)特性である。これはまたコレクタ電極119に負の電圧が印加された時の逆方向の電圧−電流特性であるともいえる。図4において、p+型コレクタ拡散層112の直下のn+型コレクタバッファ層105の不純物濃度はおよそ1E18cm-3に設定される。IGBTのターンオフ時間は、背景技術で述べたようにほとんどこの領域の濃度によって決定されるが、図4の場合はIGBTのターンオフ時間は約100nsecにまで短くなる。
またp−型コレクタ拡散層108の不純物濃度はp+型コレクタ拡散層112の不純物濃度より小さいため、p−型コレクタ拡散層108、n+型コレクタバッファ層105で形成されるツェナーダイオードD2のブレークダウン電圧は従来の構成のダイオードより高くなり、例えばおよそ7V程度になる。図5においては従来のIGBTのコレクタ部に対応する図11と比較してV1A、V2A共にV1、V2より絶対値が高い電圧となる。
このようなIGBTにおいて、従来例と同様、エミッタが接地電位でありゲート引出電極120を介してゲートポリシリコン層110に5Vが印加されることによってIGBTがオン状態にある時にコレクタ電極119に、−10Vの負電圧が印加された場合について考える。
ダイオードD2は逆方向バイアス(V1A) が印加されるとPN接合が高電界となり図5に示すように従来例と同様p−型コレクタ拡散層108、n+型コレクタバッファ層105のPN接合部においてバンド間トンネル電流が流れ、やがてV2Aでツェナブレークダウンを起こす。しかしブレークダウン電圧(V2A)が7Vに向上している。ON状態となってn+型コレクタバッファ層105、n−型ドリフト拡散層104が低抵抗となっていることを考慮するとp−型コレクタ拡散層108の直下のn+型ドリフト拡散層104の電位は、約−3Vとなる。
n−型ドリフト拡散層104の抵抗が約1Ωであり負電圧が印加されることによって1Aの電流が流れたとすると、n−型ドリフト拡散層104領域における電圧降下は1Vとなり、ゲート酸化膜109の直下の電位は約−2Vとなる。その結果ゲート酸化膜109にかかる電位差は7Vとなる。
このようにして本発明ではp+型コレクタ拡散層112の下にさらにp−型コレクタ拡散層108を設けたことによって、ゲート酸化膜にかかる電圧を従来よりも低減させ、特に耐圧に関する信頼性が劣化しないようにゲート酸化膜に印加できる最大許容電圧以下の電圧とすることができる。よって、突発的に負電圧がコレクタに入力されたとしてもゲート酸化膜の耐圧、破壊に関する信頼性を確保することができる。
以上本発明の好ましい例について説明したが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論種々の変形が可能であり、半導体装置を構成する層および領域の寸法および形状は本発明の趣旨と範囲を逸脱しない範囲で変更が可能である。
以上説明したように、本発明はIGBTのターンオフ時間を維持しながら、コレクタ端子に負電圧が印加された場合においても、ゲート酸化膜への印加電圧を抑えることができる。従って、特にプラズマディスプレードライバICに用いられる高耐圧デバイスとして有効に利用することができる。
1、101 シリコン基板
2、102 埋込酸化膜
3、103 p型シリコン層(SOI活性層)
4、104 n−型ドリフト拡散層
5、105 n+型コレクタバッファ拡散層
6、106 LOCOS酸化膜
7、107 p型ベース拡散層
8、108 p−型コレクタ拡散層
9、109 ゲート酸化膜
10、110 ゲートポリシリコン層
11、111 n+型エミッタ拡散層
12、112 p+型コレクタ拡散層
13、113 p+型コンタクト拡散層
14、114 分離溝
15、115 分離絶縁膜
16、116 層間絶縁膜
117 コンタクト窓
18、118 エミッタ電極
19、119 コレクタ電極
20、120 ゲート引出電極
21 n+型拡散層
22 p型拡散層
23 n+型拡散層に接続された電極
24 p型拡散層に接続された電極
51 データ電極
52 スキャン電極
53 サステイン電極
54 放電セル
55 スキャンドライバIC
56 データドライバIC
57 スキャン動作時のデータドライバICのHiパルス
58 スキャン動作時のスキャンドライバICのLowパルス
59 サステイン動作時のスキャンドライバICのパルス
60 サステイン動作時のサステインドライバICのパルス
61 書き込み時に流れる電流
62 発光時に流れる電流
2、102 埋込酸化膜
3、103 p型シリコン層(SOI活性層)
4、104 n−型ドリフト拡散層
5、105 n+型コレクタバッファ拡散層
6、106 LOCOS酸化膜
7、107 p型ベース拡散層
8、108 p−型コレクタ拡散層
9、109 ゲート酸化膜
10、110 ゲートポリシリコン層
11、111 n+型エミッタ拡散層
12、112 p+型コレクタ拡散層
13、113 p+型コンタクト拡散層
14、114 分離溝
15、115 分離絶縁膜
16、116 層間絶縁膜
117 コンタクト窓
18、118 エミッタ電極
19、119 コレクタ電極
20、120 ゲート引出電極
21 n+型拡散層
22 p型拡散層
23 n+型拡散層に接続された電極
24 p型拡散層に接続された電極
51 データ電極
52 スキャン電極
53 サステイン電極
54 放電セル
55 スキャンドライバIC
56 データドライバIC
57 スキャン動作時のデータドライバICのHiパルス
58 スキャン動作時のスキャンドライバICのLowパルス
59 サステイン動作時のスキャンドライバICのパルス
60 サステイン動作時のサステインドライバICのパルス
61 書き込み時に流れる電流
62 発光時に流れる電流
Claims (8)
- 第1導電型の半導体層上に形成された第2導電型のドリフト拡散層と、
前記ドリフト拡散層の領域内に形成された第1導電型の第1コレクタ拡散層と、
前記ドリフト拡散層から離間して前記半導体層に形成された第1導電型のベース拡散層と、
前記ベース拡散層の領域内に形成された第2導電型のエミッタ拡散層と、
前記エミッタ拡散層と前記ドリフト拡散層との間に位置する前記半導体層上と前記ベース拡散層上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極110と、
を備え、
前記ドリフト拡散層の領域内には第1導電型の第2コレクタ拡散層が設けられ、前記第2コレクタ拡散層は前記第1コレクタ拡散層112の領域内に形成されていることを特徴とする高耐圧半導体装置。 - 前記ドリフト拡散層の領域内には第2導電型のコレクタバッファ層105が設けられ、前記第2コレクタ拡散層は前記コレクタバッファ層内に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の高耐圧半導体装置。
- 前記第2コレクタ拡散層の不純物濃度は前記第1コレクタ拡散層の不純物濃度より小さいことを特徴とする請求項1に記載の高耐圧半導体装置。
- 前記第2コレクタ拡散層の不純物濃度は前記第1コレクタ拡散層の不純物濃度より小さいことを特徴とする請求項2に記載の高耐圧半導体装置。
- 前記コレクタバッファ層の不純物濃度は前記ドリフト拡散層の不純物濃度よりも大きいことを特徴とする請求項2または4に記載の高耐圧半導体装置。
- 前記高耐圧半導体装置はプラズマディスプレイパネルの駆動用集積回路装置の出力回路を構成する素子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高耐圧半導体装置。
- 前記高耐圧半導体装置は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであることを特徴とする請求項6に記載の高耐圧半導体装置。
- 前記第1コレクタ拡散層に印加される負電圧と前記ゲート電極間の定格電位差対し、
前記ゲート酸化膜の絶対最大定格電圧と、前記第2コレクタ拡散層および前記コレクタバッファ層からなるPN接合のブレークダウン電圧との和が、
同等もしくはそれ以上になるよう、前記第2コレクタ拡散層の不純物濃度を、前記第1コレクタ拡散層より低く設定していることを特徴とする請求項2に記載の高耐圧半導体装置。
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---|---|---|---|
JP2008286422A JP2010114298A (ja) | 2008-11-07 | 2008-11-07 | 高耐圧半導体装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012221977A (ja) * | 2011-04-04 | 2012-11-12 | Toyota Central R&D Labs Inc | 横型igbt |
WO2014033991A1 (ja) * | 2012-08-30 | 2014-03-06 | パナソニック株式会社 | 半導体装置 |
-
2008
- 2008-11-07 JP JP2008286422A patent/JP2010114298A/ja active Pending
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