JP2010114000A - 固体酸化物形燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期にわたって安定して稼働させることができる固体酸化物形燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】 改質器にて改質された改質燃料ガス及び酸化材の酸化及び還元によって発電を行う固体酸化物形燃料電池6と、酸化材を固体酸化物形燃料電池6に送給するための送風手段8と、原燃料ガスの供給量を制御するための燃料供給制御弁24と、送風手段8及び燃料供給制御弁24を制御するための制御手段56と、を備えた固体酸化物形燃料電池システム。制限温度設定手段64は、積算計時手段72による累積稼働時間が長くなるにつれて制限温度が高くなるように設定し、制御手段56は、作動温度検知手段22の検知温度(固体酸化物形燃料電池6の作動温度)が制限温度を越えないように送風手段8及び/又は燃料供給弁24を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原燃料ガスを改質した改質燃料ガス及び酸化材の酸化及び還元によって発電を行う固体酸化物形燃料電池システムに関する。
従来より、酸化物イオンを伝導する膜として固体電解質を用いた燃料電池セルを収納容器内に収納してなる固体酸化物形燃料電池が知られている。この固体酸化物形燃料電池では、一般的に、固体電解質としてイットリアをドープしたジルコニアが用いられており、この固体電解質の一方側には燃料ガスを酸化するための燃料電極が設けられ、その他方側には空気(酸化材)中の酸素を還元するための酸素電極が設けられている(例えば、特許文献1参照)。固体酸化物形燃料電池(燃料電池セル)の作動温度は約700〜1000℃と比較的高く、このような高温下において、燃料ガス中の水素や一酸化炭素、炭化水素と空気中の酸素とが電気化学反応を起こすことによって発電が行われる。
このような固体酸化物形燃料電池は、他の燃料電池システムやガスエンジン等に比べて、高発電効率での発電が可能なことから、有望な発電技術として開発が行われている。特に1kW以下の低発電出力域でも高い発電効率が得られるため、家庭用コージェネレーションシステムとしての実用化を目指して開発が進められている。
一端的に、家庭用の住宅設備としては、10年間の耐久性が要求されている。固体酸化物形燃料電池(燃料電池セル)は発電温度が700℃以上と高く、燃料電池としての性能が高い電極材料が使いられ、またコスト的な制約によりスタック材料にフェライト系ステンレス鋼などが用いられることから、電極材料と電解質材料との反応による抵抗上昇、電極材料の焼結進行・被毒、ステンレス鋼の酸化劣化の進行などによる劣化が生じ、この劣化が生じると、燃料電池のスタックの内部抵抗の増大による発電電圧が低下し、劣化が大きくなると寿命に至る。
特開2008−159362号公報
この固体酸化物形燃料電池(燃料電池スタック)は、その作動温度が約750℃と高い温度で作動されるため、筐体や断熱材に囲まれて設置されるが、かような高温環境状態では、配管材料やボルトなどが焼きつくおそれがある。このようなことから、設置先(例えば、一戸建て住宅など)にて固体酸化物形燃料電池(燃料電池スタック)を交換することは技術的にもコスト面でも困難であり、そのために、耐用年数(例えば、10年間)にわたって固体酸化物形燃料電池を交換しなくてよい燃料電池システムの実現が望まれている。
また、このような固体酸化物形燃料電池を用いた家庭用コージェネレーションシステムでは、固体酸化物形燃料電池は家庭の電気負荷に追従して発電するように作動制御され、種々の電気負荷での運用に対して、所望の耐久性を満足させなければならず、固体酸化物形燃料電池の寿命のばらつきを生じにくくすることも重要である。従って、固体酸化物形燃料電池の劣化原因となっている電極材料など材料面の劣化対策だけでなく、燃料電池システム全体としての寿命延伸対策と寿命のばらつき抑制対策も考慮する必要がある。
このような固体酸化物形燃料電池を用いた燃料電池システムでは、一般的に、固体酸化物形燃料電池(燃料電池セル)の作動温度が上限温度(例えば、700〜800℃)に設定され、劣化が進行してもこの上限温度を超えないように制御され、その制御は、送風手段により送給される空気流量を増大させたり、燃料供給制御弁により供給される原燃料ガスの供給量を減少させたり(これにより、発電出力を低下させる)して行われる。
この固体酸化物形燃料電池の発電出力を一定に維持する場合、その劣化により発電電圧が10%低下すると、固体酸化物形燃料電池の発熱(ジュール発熱)は、概算で25〜30%程度増大するようになり、その劣化を抑えるためには、例えば、この発熱増に対する冷却を行うために送給手段による空気流量を増加させることになる。
しかし、冷却のために空気流量を増大させると、固体酸化物形燃料電池(燃料電池セル)の高温部(例えば、中央部分)だけでなく、その低温部分(例えば、両端部分)も冷却され、これによって、固体酸化物燃料電池の温度分布が拡大し、その結果、本来の固体酸化物形燃料電池の劣化程度よりも発電性能が低くなるという問題が生じやすくなる。また、冷却のために空気流量を増大させると、送風手段(例えば、送風ブロア)の消費電力が増大する、送風手段の動作音が大きくなるなどの問題が新たに生じる。このようなことから、発電電圧が10%程度低下した劣化段階では、燃料電池の発電効率の低下によって、省エネルギー性・設置先の経済性の効果が喪失するというよりもむしろ、送風手段(送風ブロア)の流量増大による冷却が適切にできなくなることが作動上の限界となる。
本発明の目的は、長期にわたって安定して稼働させることができる固体酸化物形燃料電池システムを提供することである。
本発明の請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システムは、原燃料ガスを改質するための改質器と、前記改質器にて改質された改質燃料ガス及び酸化材の酸化及び還元によって発電を行う固体酸化物形燃料電池と、酸化材を前記固体酸化物形燃料電池に送給するための送風手段と、前記改質器に供給される原燃料ガスの供給量を制御するための燃料供給制御弁と、前記送風手段及び前記燃料供給制御弁を制御するための制御手段と、を備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
前記固体酸化物形燃料電池の作動温度を検知するための作動温度検知手段を更に備え、前記制御手段は、前記固体酸化物形燃料電池の作動の制限温度を設定するための制限温度設定手段と、前記固体酸化物形燃料電池の稼働開始からの累積稼働時間を計測するための積算計時手段と、を含んでおり、
前記制限温度設定手段は、前記積算計時手段による累積稼働時間が長くなるにつれて前記制限温度が高くなるように設定し、前記制御手段は、前記作動温度検知手段の検知温度が前記制限温度を越えないように前記送風手段及び/又は前記燃料供給弁を制御することを特徴とする。
なお、作動温度検知手段によって測定される温度は、固体酸化物形燃料電池自体の温度と連動する温度であればよく、固体酸化物形燃料電池自体の温度と数十℃以上の差があってもよい。
本発明の請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記固体酸化物形燃料電池の作動温度の上限として上限温度が設定され、前記制限温度設定手段による前記制限温度が前記上限温度に達するまでは第1運転モードで稼働され、前記制限温度が前記上限温度に達した後は第2運転モードで運転され、前記第1運転モードにおいては、前記制限温度設定手段は、前記積算計時手段による累積稼働時間が長くなるに従って前記制限温度が高くなるように設定し、前記制御手段は、前記作動温度検知手段の検知温度が前記制限温度を越えないように前記送風手段及び/又は前記燃料供給弁を制御し、また前記第2運転モードにおいては、前記制御手段は、前記作動温度検知手段の検知温度が前記上限温度を越えないように前記送風手段及び/又は前記燃料供給弁を制御することを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記固体酸化物形燃料電池の初期の前記制限温度は前記上限温度よりも30〜100℃低いことを特徴とする。
更に、本発明の請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記固体酸化物形燃料電池の前記上限温度及び初期の前記制限温度は、前記上限温度及び初期の前記制限温度でもって初期状態で定格出力で直流電流値で発電させたときの前記固体酸化物形燃料電池の電圧差が5〜20%となるように設定されることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、固体酸化物形燃料電池の累積稼働時間が長くなるにつれて固体酸化物形燃料電池の作動の制限温度が高くなるように設定することを特徴の一つとする。固体酸化物形燃料電池の劣化は、作動温度の上昇としてあらわれる。一般に、初期の作動条件と同じ発電電流における発電電圧が低下すると、固体酸化物形燃料電池(燃料電池スタック)の発熱が増大し、空気流量などの冷却条件が一定であると、その作動温度が上昇する。そして、このようにして温度上昇すると、固体酸化物形燃料電池の内部抵抗が小さくなり、これによって、その発電電圧が上昇し、その結果、温度上昇前よりも固体酸化物形燃料電池の発熱が減少し、劣化以前より高い作動温度に落ち着くようになる。即ち、この固体酸化物形燃料電池では、その劣化は作動温度の上昇としてあらわれ、この温度上昇が所定範囲内、換言する上限温度を超えない範囲内においては、固体酸化物形燃料電池の劣化が進行しても、作動温度の上昇を抑えるために冷却を増大させる必要はない。このような特性を利用したものであり、累積稼働時間に伴う劣化進行の程度を作動温度の上昇を許容することとし、その作動温度の制限温度を累積発電時間とともに上昇させるものである。
この固体酸化物形燃料電池システムでは、制限温度設定手段は累積稼働時間が長くなるにつれて制限温度が高くなるように設定し、制御手段はこの制限温度を超えないように固体酸化物形燃料電池システムを制御する。即ち、制御手段は、固体酸化物形燃料電池(燃料電池スタック)の作動温度を検知する作動温度検知手段の検知信号に基づき、その作動温度が制限温度を超えると送風手段(及び/又は燃料供給弁)を制御し、冷却を高めて(及び/又は発電出力を抑えて)制限温度を超える温度での作動を抑え、このように制御することによって、固体酸化物形燃料電池の劣化の進行を抑え、長期にわたって安定的に稼働させることができる。
また、固体酸化物形燃料電池のスタック材料としてステンレス鋼などが用いられるが、ステンレス鋼の酸化劣化の度合い、即ち酸化進行速度(換言すると、劣化速度)は温度に強く依存しており、そのために、固体酸化物形燃料電池(燃料電池スタック)の温度履歴は劣化速度に直接関係する。設置先の電力負荷の条件や、固体酸化物形燃料電池システムの製造上のばらつきなどにより、この劣化速度が大きい場合、作動温度が早く上昇することになる。そのため、劣化速度が大きい固体酸化物形燃料電池では作動温度も早く上がり、これによって更に劣化が進行するという傾向があり、上述したように累積稼働時間で設定される制限温度を超えないように制御することで、固体酸化物形燃料電池の寿命のばらつきについても管理することができる。
また、本発明の請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、固体酸化物形燃料電池の作動温度の上限として上限温度が設定され、制限温度設定手段による制限温度が上限温度に達するまでは第1運転モードで稼働され、制限温度が上限温度に達した後は第2運転モードで運転され、このように上限温度を境にして運転モードを切り換えることによって、固体酸化物形燃料電池システムを長期にわって安定的に作動させることができる。第1運転モードにおいては、制限温度設定手段は累積稼働時間が長くなるにつれて制限温度が高くなるように設定し、前記制御手段は、この制限温度を越えないように送風手段(及び/又は燃料供給弁)を制御するので 固体酸化物形燃料電池の劣化を作動温度の上昇を許容し、これによってその劣化の進行を抑えながら作動することができる。また、第2運転モードにおいては、この上限温度が設定され、制御手段は上限温度を越えないように送風手段(及び/又は燃料供給弁)を制御するので、上限温度に達した後の劣化の急速な進行を抑えながら作動させることができる。尚、固体酸化物形燃料電池の設計寿命がC万時間とすると、この第1運転モードによる運転期間は、0.3C〜0.6C万時間に設定するのが望ましい。
また、本発明の請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、固体酸化物形燃料電池の初期の制限温度はこの上限温度よりも30〜100℃低い温度に設定されるので、効率的な発電電力を考慮しながら固体酸化物形燃料電池の寿命を延ばすことができる。
更に、本発明の請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、固体酸化物形燃料電池の上限温度及び初期の制限温度は、上限温度及び初期の制限温度でもって初期状態で定格出力を得る際の直流電流値で発電させたときの固体酸化物形燃料電池の電圧差が5〜20%となるように設定され、これらの温度による電圧変化(即ち、一定電流で発電した際の発電電圧の電圧変化)が5〜20%であり、このような範囲にすることによって、効率的な発電電力を考慮しながら固体酸化物形燃料電池の寿命を延ばすことができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの一実施形態について説明する。図1は、一実施形態の固体酸化物燃料電池システムを簡略的に示す断面図であり、図2は、図1の固体酸化物形燃料電池システムの制御系を示すブロック図であり、図3は、固体酸化物形燃料電池における作動温度が変化したときの発電電流と発電電圧との関係を示す図であり、図4は、図2の固体酸化物形燃料電池システムの制御系による制御を示すフローチャートであり、図5は、図4のフローチャートにおける第1運転モードによる運転の流れを示すフローチャートであり、図6は、図4のフローチャートにおける第2運転モードによる運転の流れを示すフローチャートである。
図1において、図示の固体酸化物形燃料電池システム2は、原燃料としての原燃料ガス(例えば、天然ガス、都市ガス)を改質するための改質器4と、改質器4にて改質された改質燃料ガス及び酸化材としての空気の酸化及び還元によって発電を行う固体酸化物形燃料電池6と、空気を固体酸化物形燃料電池6に送給するための送風手段8と、を備えている。
固体酸化物形燃料電池6は、燃料電池本体12と、電気化学反応によって発電を行うための複数の固体酸化物形燃料電池セルを配列してなる燃料電池スタック14とから構成されている。燃料電池本体12は遮蔽壁16を備え、遮蔽壁16の内部には高温空間18が規定されており、この高温空間18に燃料電池スタック14が配設されている。固体酸化物形燃料電池セルは、酸素イオンを伝導する固体電解質20と、固体電解質20の一方側に設けられた燃料電極(図示せず)と、固体電解質20の他方側に設けられた酸素電極(図示せず)とを備えており、固体電解質20として例えばイットリアをドープしたジルコニアが用いられる。また、固体酸化物形燃料電池6(具体的には、燃料電池スタック14)の作動温度を検知するための作動温度検知手段22と、固体酸化物形燃料電池6(具体的には、燃料電池スタック14)の発電出力を計測するための電力計測手段24(図2参照)とが設けられている。
燃料電池スタック14の燃料電極側26の導入側は、改質燃料ガス送給ライン28を介して改質器4に接続され、この改質器4は、原燃料ガス供給ライン30を介して原燃料ガスを供給するための原燃料ガス供給源32(例えば、埋設管や貯蔵タンクなど)に接続されている。原燃料ガス供給ライン30には、原燃料ガスの供給量を制御するための燃料供給制御弁34が配設され、この燃料供給制御弁34は、改質器4に供給される原燃料ガスの送給量を制御する。
また、燃料電池スタック14の酸素電極側36の導入側は、空気送給ライン38を介して空気を予熱するための空気予熱器40に接続され、この空気予熱器40は、空気供給ライン42を介して送風手段8に接続されている。送給手段8は、例えば送給ブロアから構成され、この送給ブロアの回転数を制御することによって、空気供給ライン38を通して供給される空気の送給量が制御される。
燃料電池スタック14の燃料電極側26及び酸素電極側36の各排出側には燃焼室44が設けられ、燃料電極側26から排出された反応燃料ガス(残余燃料ガスを含む)と酸素電極側36から排出された空気(酸素を含む)とがこの燃焼室44に送給されて燃焼される。この燃焼室44は排気ガス送給ライン46を介して空気予熱器40に接続され、この空気予熱器40には排気ガス排出ライン48が接続されている。
更に、この固体酸化物形燃料電池システム2では、改質器4に改質水を供給するための水供給ライン50が接続され、この水供給ライン50は水供給源52(例えば、水タンクなど)に接続されている。水供給ライン50には水供給制御弁54が配設され、この水供給制御弁54は水供給ライン50を通して改質器4に送給される改質水の送給量を制御する。尚、このような改質水は、燃焼室44から排出される排気ガスに含まれる水蒸気を凝縮して回収し、この回収した凝縮水を利用するようにしてもよく、また水に代えて水蒸気を供給するようにしてもよい。
この固体酸化物形燃料電池システム2は、例えばマイクロプロセッサなどから構成される制御手段56によって作動制御される。主として図2を参照して、図示の制御手段56は、作動制御手段58、運転モード切換手段60、制限温度読出し手段62、制限温度設定手段64、制限温度判定手段66及び上限温度判定手段68を含んでいる。作動制御手段58は、固体酸化物形燃料電池6、送風手段8、燃料供給制御弁34などを後述する如く制御し、制限温度読出し手段62は、後述する如くして制限温度を読み出し、制限温度設定手段64は、制限温度読出し手段62により読み出された制限温度を固体酸化物形燃料電池6を制御するための制限温度として設定する。また、運転モード切換手段60は制限温度設定手段64により設定された制限温度が上限温度(固体酸化物形燃料電池の劣化の進行を抑えるために設定される上限の作動温度)に達したときに、第1運転モードの運転から第2運転モードの運転に切り換える。更に、制限温度判定手段66は、第1運転モードの運転中において作動温度検知手段22の検知温度と制限温度設定手段64により設定された制限温度とを対比して検知温度が制限温度を超えていないかを判定し、上限温度判定手段68は、第2運転モードの運転中において作動温度検知手段22の検知温度と上限温度とを対比して検知温度が上限温度を超えていないかを判定する。
この制御手段56は、更に、計時手段70、積算計時手段72及び記憶手段74を含んでいる。計時手段70は時刻の計時を行い、積算計時手段72は固体酸化物形燃料電池システム2(具体的には、固体酸化物形燃料電池6)が稼働した累積の稼働時間を積算計時する。また、記憶手段74には、切換時間データ、制限温度マップ、制限温度データ及び上限温度データなどが記憶される。切換時間データとは、第1運転モードの運転から第2の運転モードの運転に切り換えるときの切換時間であり、この切換時間に達した時点で制限温度設定手段64により設定される制限温度が上限温度に達するようになる。制限温度マップには積算時間(即ち、累積稼働時間)と制限温度との関係がマップとして登録されており、積算稼働期間(累積稼働時間)が所定時間に達すると、制限温度読出し手段62は、この制限温度マップからその所定時間に対応する制限温度を読み出し、制限温度設定手段64は読み出した制限温度を新たな制限温度として設定し、設定された制限温度が制限温度データとして記憶手段74に記憶される。また、上限温度データとは、第2運転モードの運転において用いられる上限温度に関するデータであり、この上限温度として700〜850℃の温度、例えば800℃が設定される。
制限温度マップにて設定される積算時間と制限温度との関係は、固体酸化物形燃料電池6の稼働開始からの累積稼働時間が長くなるにつれて制限温度が高くなるように設定され、このように設定することによって、累積稼働時間が長くなるに従って固体酸化物形燃料電池の作動温度の上昇が許容され、これによって、送給手段8の送風量を増大させることなく、固体酸化物形燃料電池6(燃料電池スタック14)の劣化の進行を抑えることが可能となる。
この固体酸化物形燃料電池システム2では、固体酸化物形燃料電池6の稼働初期の制限温度は、上限温度よりも30〜100℃、例えば50℃低い温度、例えば700℃に設定するのが望ましく、この稼働初期の制限温度と上限温度との温度範囲が、固体酸化物形燃料電池6の劣化に伴う温度上昇の許容範囲である。この許容範囲が小さい、即ち稼働初期の制限温度と上限温度との差が小さいと、固体酸化物形燃料電池6の劣化に伴い制限温度が上限温度に達するまでの時間が短くなり、固体酸化物形燃料電池の寿命が短くなり、またこの許容範囲が大きい、即ち稼働初期の制限温度と上限温度との差が大きいと、固体酸化物形燃料電池の稼働初期における発電効率が低くなり、燃料電池システム全体の発電効率が低下する。
また、このような稼働初期の制限温度と上限温度との温度差に関連して、固体酸化物形燃料電池6(具体的には、燃料電池スタック14)の発電電圧(所謂、スタック電圧)の電圧差が5〜20%となるように稼働初期の制限温度を設定するのが望ましい。固体酸化物形燃料電池6の燃料電池スタック14のスタック発電特性(発電電流と発電電圧との関係)は温度依存性があり、例えば電気炉内に燃料電池スタック14を設置し、電気炉内の温度を制御することによって、スタック発電特性を取得することができる。図3は、燃料電池スタック14のスタック発電特性を示しており、実線Aは、燃料電池スタック14の初期状態において稼働初期の制限温度で且つ定格出力で稼働させたときの発電電流と発電電圧との関係を示す、また実線Bは、燃料電池スタック14の初期状態において上限温度で且つ定格出力で稼働させたときの発電電流と発電電圧との関係を示し、この図3において、初期状態における定格出力での燃料電池直流電流値(図3における電流値b)で発電する際にスタック電圧の電圧差、即ち図3の電流値bにおける発電電圧差が5〜20%となるように、初期の制限温度と上限温度が設定され、このように設定することによって、発電効率の低下を抑えつつ固体酸化物形燃料電池6の寿命を延ばすことができる。
尚、固体酸化物形燃料電池の稼働開始初期時点において、定格発電時の作動温度は初期の制限温度(例えば、750℃)と同じか、5〜10℃程度低い範囲になるようにするのが望ましい。初期の定格発電時の制限温度は、固体酸化物形燃料電池システム2内の発熱・放熱のバランス、外気温の影響などで決まるものであり、同じ発電出力を発電する場合、固体酸化物形燃料電池6の燃料電池スタック14における燃料電池セルの積層数を増やすと、初期の定格発電時における作動温度が下がり、積層数を減らすと初期の定格発電時の作動温度が上がるという関係があり、このようなことから、発電開始初期時点において、定格発電時の作動温度が初期の制限温度と同じか、5〜10℃程度低い範囲になるように、燃料電池スタック14の燃料電池セルの積層数を設定することになる。
この固体酸化物形燃料電池システム2の稼動運転は、次のようにして行われる。原燃料ガス供給源32からの原燃料ガスは、原燃料ガス供給ライン30を通して改質器4に供給され、また水供給源52からの水は、水供給ライン50を通して改質器4に供給される。改質器4においては、原燃料ガスの一部と水とが改質反応して改質され、このように改質された改質燃料ガスが改質燃料ガス送給ライン28を通して燃料電池スタック14の燃料電極側26に送給される。また、送風手段8からの空気は、空気供給ライン42を通して空気予熱器40に供給され、この空気予熱器40において排気ガスとの間で熱交換されて加温された後に、空気送給ライン38を通して燃料電池スタック14の酸素電極側36に送給される。
燃料電池スタック14の燃料電極側26は改質された改質燃料ガスを酸化し、またその酸素電極側36は空気中の酸素を還元し、燃料電極側26の酸化及び酸素電極側36の還元による電気化学反応により発電が行われる。作動制御手段58により燃料供給制御弁34の開度が調節されることにより、固体酸化物形燃料電池6の発電出力が調整される。即ち、固体酸化物形燃料電池6の発電電流と原燃料ガスの供給流量とは連動しており、その発電電流を減らすようにすると、燃料供給制御弁34も原燃料ガスの供給流量を減らすように制御される。
燃料電極側26からの反応燃料ガス及び酸素電極側36からの空気は燃焼室44に送給され、空気中の酸素を利用して余剰の燃料ガスが燃焼される。燃焼室44からの排気ガスは排気ガス送給ライン46を通して空気予熱器40に送給され、この空気予熱器40において送風手段8からの空気との熱交換に利用されて排気ガス排出ライン48を通して外部に排出される。
次に、図1及び図2とともに図4を参照して、上述した固体酸化物形燃料電池システム2の運転制御について説明する。固体酸化物形燃料電池2が稼働する(ステップS1)と、積算計時手段72にて計時された積算稼働時間(累積稼働時間)が切換時間に達したか、換言すると制限温度が上限温度に達したかが判断される(ステップS2)。
燃料電池システム2の積算稼働時間がこの切換時間に達していない場合、ステップS2からステップS3に進み、固体酸化物形燃料電池システム2は第1運転モードによる運転が後述する如く行われ(ステップS3)、この運転が終了する(ステップS4)まで第1運転モードによる運転が継続して行われる。そして、この第1運転モードによる運転中に、積算稼働時間が切換時間に達する(換言すると、制限温度が上限温度に達する)と、ステップS2からステップS5に移る。
また、積算稼働時間が切換時間に達してステップS2〜ステップS5に移ると、運転モード切換手段60は、第1運転モードの運転から第2運転モードの運転に切り換え、固体酸化物形燃料電池システム2は第2運転モードによる運転が後述する如く行われ、この運転が終了する(ステップS6)まで第2運転モードによる運転が継続して行われる。
第1運転モードによる運転においては、制限温度設定手段64により設定される制限温度を用いて運転制御される。図1及び図2とともに図5を参照して、この第1運転モードによる運転においては、作動温度検知手段22によって固体酸化物形燃料電池6(燃料電池スタック14)の作動温度が検知され(ステップS3−1)、この検知温度と制限温度設定手段64により設定された制限温度との判定が行われる(ステップS3−2)。
そして、制限温度判定手段66が、作動温度検知手段22による検知温度が上記制限温度を超えたと判定したときには、ステップS3−3からステップS3−4に移り、作動制御手段58は送風手段8(送風ブロア)の回転数を上げる。かくすると、固体酸化物形燃料電池6に送給される空気の送風量が増大し、これによって空気の冷却作用が高められ、固体酸化物形燃料電池6(燃料電池スタック14)の制限温度を超える温度上昇が抑えられる。
また、制限温度判定手段66が、作動温度検知手段22による検知温度が上記制限温度以下であると判定したときには、ステップS3−3からステップS3−5に移り、送風手段8による送風量が通常の送風量であるかが判断され、通常の送風量であるときには、送風手段8の回転数が維持され(その送風量が維持される)(ステップS3−6)、また通常の送風量でない、換言すると通常の送風量よりも多いときには、送風手段8の回転数が下がり、その送風量が減少される(ステップS3−7)。
その後、ステップS3−8に進むと、積算計時手段72による積算稼働時間が次のランクまで達したかが判断され(ステップS3−8)、この積算稼働時間(累積稼働時間)がランクアップするまでステップS4に進む。一方、積算稼働時間がランクアップすると、ステップS3−8からステップS3−9に進み、制限温度読出し手段62は、記憶手段72に記憶された制限温度マップからランクアップした積算稼働時間に対応する制限温度を読み出し、制限温度設定手段64は、読み出した制限温度を新しい制限温度として設定し(ステップS3−10)、この新しい制限温度を用いて固体酸化物形燃料電池6の上述した作動制御が行われる。
尚、この実施形態では、作動温度検知手段22による検知温度が上記制限温度を超えたときには、送風手段8(送風ブロア)の回転数を上げて送風量を増大して固体酸化物形燃料電池6(燃料電池スタック14)の温度上昇を抑えているが、このような制御に代えて、又はこのような制御に加えて、燃料供給制御弁34を制御して改質器4に供給される原燃料ガスの供給量を少なくして固体酸化物形燃料電池6の発電電流を抑制し、この発電電流の低下によって固体酸化物形燃料電池6(燃料電池スタック14)の温度上昇を抑えるようにしてもよい。
また、第2運転モードによる運転においては、記憶手段74に登録された上限温度を用いて運転制御される。図1及び図2とともに図6を参照して、この第2運転モードによる運転においては、作動温度検知手段22によって固体酸化物形燃料電池6(燃料電池スタック14)の作動温度が検知され(ステップS5−1)、この検知温度と記憶手段74に記憶された上限温度との判定が行われる(ステップS5−2)。
そして、上限温度判定手段68が、作動温度検知手段22による検知温度が上記上限温度を超えたと判定したときには、ステップS5−3からステップS5−4に移り、作動制御手段58は送風手段8(送風ブロア)の回転数を上げ、これによって、上述したと同様にして空気の冷却作用が高められ、固体酸化物形燃料電池6(燃料電池スタック14)の上限温度を超える温度上昇が抑えられる。
また、上限温度判定手段68が、作動温度検知手段22による検知温度が上記制限温度以下であると判定したときには、ステップS5−3からステップS5−5に移り、送風手段8による送風量が通常の送風量であるかが判断され、通常の送風量であるときには、送風手段8の回転数が維持され(その送風量が維持される)(ステップS5−6)、また通常の送風量でない、換言すると通常の送風量よりも多いときには、送風手段8の回転数が下がり、その送風量が減少され(ステップS5−7)、その後ステップS6(図4参照)に移る。
尚、この実施形態では、作動温度検知手段22による検知温度が上記上限温度を超えたときには、送風手段8(送風ブロア)の回転数を上げて送風量を増大して固体酸化物形燃料電池6(燃料電池スタック14)の上限温度を超える温度上昇を抑えているが、このような制御に代えて、又はこのような制御に加えて、燃料供給制御弁34を制御して改質器4に供給される原燃料ガスの供給量を少なくして固体酸化物形燃料電池6の発電電流を抑制し、この発電電流の低下によって固体酸化物形燃料電池6(燃料電池スタック14)の上限温度を超える温度上昇を抑えるようにしてもよい。
以上、本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱ことなく種々の変更乃至修正が可能である。
例えば、上述した実施形態では、記憶手段74に制限温度マップを登録し、固体酸化物形燃料電池の累積稼働時間が所定の切換時間になると、その切換時間に対応する上限温度を読み出して設定しているが、このような構成に代えて、次のように構成することができる。例えば、制限温度読出し手段62に代えて制限温度演算手段を用いるとともに、記憶手段74に設定する制限温度の演算式、例えば累積稼働時間が長くなるにつれて制限温度が比例的に上昇する比例演算式を記憶し、この制限温度演算手段により演算した制限温度を制限温度設定手段64により設定するようにしてもよい。
〔実施例及び比較例〕
まず、比較例として、図1に示す形態の固体酸化物形燃料電池システムを用いて稼働実験を行った。固体酸化物形燃料電池の定格発電出力は700Wであり、固体酸化物形燃料電池が劣化した後も定格発電出力を維持するように運転した。この比較例で用いた固体酸化物形燃料電池では、燃料電池スタックの燃料電池セルの数は50であった。稼働初期から空気流量を調整して固体酸化物形燃料電池(燃料電池スタックの近傍)の温度が約800℃に維持されるように制御した。
稼働初期から定格発電出力で稼働させ、この定格発電出力で稼働させたときにおける稼働時間に対する固体酸化物形燃料電池(燃料電池スタック)の作動温度、その直流発電効率及び空気送給流量の推移を計測した。図7(a)は、比較例における作動温度の推移を示し、図7(b)は、比較例における直流発電効率及び空気送給流量を示す。
次に、実施例1として、比較例と同様の形態の固体酸化物形燃料電池システムを用いて稼働実験を行った。固体酸化物形燃料電池の定格発電出力は700Wであり、固体酸化物形燃料電池が劣化した後も定格発電出力を維持するように運転した。燃料電池スタックの燃料電池セルの数は、比較例では50であったが、この実施例1では燃料電池セルの数は70に増やした。この実施例1では、比較例と同じ定格発電出力、同じ空気送給流量で、燃料電池セル数を70に増やすことによる低下した作動温度(約50℃低下した750℃前後)から発電を開始した。
稼働初期から定格発電出力で稼働させ、この定格発電出力で稼働させたときにおける稼働時間に対する固体酸化物形燃料電池(燃料電池スタック)の作動温度、その直流発電効率及び空気送給流量の推移を計測した。図8(a)は、実施例1における作動温度の推移を示し、図8(b)は、実施例1における直流発電効率及び空気送給流量を示す。
図7及び図8から理解されるように、比較例では稼働後まもなくして発電効率が大きく低下し、約6500時間経過した時点で送風手段による空気送給流量が上限(120NL/分)に達し、定格発電出力の運転が維持できなくなった。これに対し、実施例1では、固体酸化物形燃料電池の作動温度が約800℃に達するまでは発電効率の低下が小さく、送風手段による空気送給流量の増大もなく、約13500時間経過した時点で送風手段による空気送給流量が上限(120NL/分)に達し、比較例に比して燃料電池セルの数を40%増やしただけで約2倍の累積稼働時間の定格発電出力の運転が可能であった。
次に、実施例2として、比較例と同様の形態の固体酸化物形燃料電池システムを用いて稼働実験を行った。固体酸化物形燃料電池の定格発電出力は700Wであり、固体酸化物形燃料電池が劣化した後も定格発電出力を維持するように運転した。燃料電池スタックの燃料電池セルの数は、実施例1と同様に、70であった。この実施例2では、比較例及び実施例1に比して同一の作動温度及び同一の発電電流で1.5倍の電圧低下速度(換言すると、1.5倍の劣化速度)を持つ仕様の燃料電池スタックを格納した固体産物形燃料電池を用いた。この実施例2の稼働実験は、固体酸化物形燃料電池の製造上のばらつきの影響を把握するために行ったものであり、実施例1と同様に、比較例と同じ定格発電出力、同じ空気送給流量で、燃料電池セル数を70に増やすことによる低下した作動温度(約50℃低下した750℃前後)から発電を開始した。
稼働初期から定格発電出力で稼働させ、この定格発電出力で稼働させたときにおける稼働時間に対する固体酸化物形燃料電池(燃料電池スタック)の作動温度、その直流発電効率及び空気送給流量の推移を計測した。図9(a)は、実施例2における作動温度の推移を示し、図9(b)は、実施例2における直流発電効率及び空気送給流量を示す。この実施例2においては、実施例1と同様に、固体酸化物形燃料電池の作動温度が約800℃に達するまでは発電効率の低下が小さく、送風手段による空気送給流量の増大もなく、比較例に比して電圧低下速度(劣化速度)が1.5倍であるにもかかわらず約9000時間経過した時点で送風手段による空気送給流量が上限(120NL/分)に達し、比較例に比して約1.5倍の累積稼働時間の定格発電出力での運転が可能であった。
次いで、実施例3として、比較例と同様の形態の固体酸化物形燃料電池システムを用いて稼働実験を行った。固体酸化物形燃料電池の定格発電出力は700Wであり、固体酸化物形燃料電池が劣化した後も定格発電出力を維持するように運転した。燃料電池スタックの燃料電池セルの数は、実施例2と同様に、70であった。この実施例3では、実施例2と同様の燃料電池スタック(即ち、比較例及び実施例1に比して同一の作動温度及び同一の発電電流で1.5倍の電圧低下速度を持つもの)を格納した固体産物形燃料電池を用いた。この実施例3の稼働実験では、固体酸化物形燃料電池(燃料電池スタック)の作動温度が800℃に達するまでは演算式(1)で演算された制限温度を設定して稼働させた。
制御温度=(0.00000051694xY2)+(0.0010318xY)+742.05 ・・・(1)
Y:累積稼働時間(累積発電時間)
この実施例3では、稼働初期から演算式(1)で演算される制限温度を設定し、この制限温度を超えないように送風手段による空気送風流量を制御して固体酸化物形燃料電池(燃料電池スタック)の温度上昇を抑えた。
稼働初期から定格発電出力で稼働させ、この定格発電出力で稼働させたときにおける稼働時間に対する固体酸化物形燃料電池(燃料電池スタック)の作動温度、その直流発電効率及び空気送給流量の推移を計測した。図10(a)は、実施例3における作動温度の推移を示し、図10(b)は、実施例3における直流発電効率及び空気送給流量を示す。この実施例3においては、固体酸化物形燃料電池の作動温度が約800℃に達するまでは送風手段による空気送給流量が少しずつ増大するが、発電効率の低下は小さく、約10750時間経過した時点で送風手段による空気送給流量が上限(120NL/分)に達し、実施例2に比して定格発電出力の累積稼働時間を約20%延長させることができた。
一実施形態の固体酸化物燃料電池システムを簡略的に示す断面図。 図1の固体酸化物形燃料電池システムの制御系を示すブロック図。 固体酸化物形燃料電池における作動温度が変化したときの発電電流と発電電圧との関係を示す図。 図2の固体酸化物形燃料電池システムの制御系による制御を示すフローチャート。 図4のフローチャートにおける第1運転モードによる運転の流れを具体的に示すフローチャート。 図4のフローチャートにおける第2運転モードによる運転の流れを具体的に示すフローチャートである。 図7(a)は、比較例における作動温度の推移を示す図、また図7(b)は、比較例における直流発電効率及び空気送給流量を示す図。 図8(a)は、実施例1における作動温度の推移を示す図、また図8(b)は、実施例1における直流発電効率及び空気送給流量を示す図。 図9(a)は、実施例2における作動温度の推移を示す図、また図9(b)は、実施例2における直流発電効率及び空気送給流量を示す図。 図10(a)は、実施例3における作動温度の推移を示す図、また図10(b)は、実施例3における直流発電効率及び空気送給流量を示す図。
符号の説明
2 固体酸化物形燃料電池システム
4 改質器
6 固体酸化物形燃料電池
8 送風手段
14 燃料電池スタック
22 作動温度検知手段
56 制御手段
58 作動制御手段
60 運転モード切換手段
64 制限温度設定手段
66 制限温度判定手段
68 上限温度判定手段
72 積算計時手段

Claims (4)

  1. 原燃料ガスを改質するための改質器と、前記改質器にて改質された改質燃料ガス及び酸化材の酸化及び還元によって発電を行う固体酸化物形燃料電池と、酸化材を前記固体酸化物形燃料電池に送給するための送風手段と、前記改質器に供給される原燃料ガスの供給量を制御するための燃料供給制御弁と、前記送風手段及び前記燃料供給制御弁を制御するための制御手段と、を備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
    前記固体酸化物形燃料電池の作動温度を検知するための作動温度検知手段を更に備え、前記制御手段は、前記固体酸化物形燃料電池の作動の制限温度を設定するための制限温度設定手段と、前記固体酸化物形燃料電池の稼働開始からの累積稼働時間を計測するための積算計時手段と、を含んでおり、
    前記制限温度設定手段は、前記積算計時手段による累積稼働時間が長くなるにつれて前記制限温度が高くなるように設定し、前記制御手段は、前記作動温度検知手段の検知温度が前記制限温度を越えないように前記送風手段及び/又は前記燃料供給弁を制御することを特徴とする固体酸化物形燃料電池システム。
  2. 前記固体酸化物形燃料電池の作動温度の上限として上限温度が設定され、前記制限温度設定手段による前記制限温度が前記上限温度に達するまでは第1運転モードで稼働され、前記制限温度が前記上限温度に達した後は第2運転モードで運転され、前記第1運転モードにおいては、前記制限温度設定手段は、前記積算計時手段による累積稼働時間が長くなるに従って前記制限温度が高くなるように設定し、前記制御手段は、前記作動温度検知手段の検知温度が前記制限温度を越えないように前記送風手段及び/又は前記燃料供給弁を制御し、また前記第2運転モードにおいては、前記制御手段は、前記作動温度検知手段の検知温度が前記上限温度を越えないように前記送風手段及び/又は前記燃料供給弁を制御することを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  3. 前記固体酸化物形燃料電池の初期の前記制限温度は前記上限温度よりも30〜100℃低いことを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  4. 前記固体酸化物形燃料電池の前記上限温度及び初期の前記制限温度は、前記上限温度及び初期の前記制限温度でもって初期状態で定格出力で直流電流値で発電させたときの前記固体酸化物形燃料電池の電圧差が5〜20%となるように設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
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