JP2010112920A - ケーブル区間事故検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】事故検出方法および点検作業の容易化が図れるケーブル区間事故検出装置を提供する。
【解決手段】ケーブル区間事故検出装置は、第1の電力ケーブル1Cのシースアース線を流れる第1のシース電流iS1と第2の電力ケーブル2Cのシースアース線を流れる第2のシース電流iS2との和電流の電流値が所定の整定値以上になると動作する過電流継電器11と、第1の架空分岐線1L’を流れる第1の架空分岐線事故電流I1に基づいて動作する第1の送電線継電器201と、第2の架空分岐線2L’を流れる第2の架空分岐線事故電流I2に基づいて動作する第2の送電線継電器202と、過電流継電器11が動作するとともに第1および第2の送電線継電器201,202の一方が動作することにより第1および第2の電力ケーブル1C,2Cでの事故発生を検出する事故検出装置30とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ケーブル区間事故検出装置に関し、特に、平衡2回線送電線から分岐された電力系統に存在するケーブル区間において事故が発生したか否かを検出するのに好適なケーブル区間事故検出装置に関する。
従来、電力系統にケーブル区間がある場合には、架空線区間での事故であるかケーブル区間での事故であるか判定するために、ケーブル区間事故検出装置が設置されている。
たとえば、下記の特許文献1には、各普通接続箱の接地線を流れる電流の大きさおよび方向を相ごとに常時測定しておき、また、ケーブル導体電流の大きさを相ごとに常時測定しておき、地絡事故が発生したときに各普通接続箱の各接地線を流れる事故電流の大きさおよび方向並びにケーブル導体電流の大きさの組合せパターンから事故区間を推定し、さらに事故相と他の相との事故電流の相間位相差を測定して事故区間を確定する、電力ケーブル線路の事故区間検出方法が開示されている。
また、たとえば図7に示すようにA変電所とC変電所との間に敷設された第1および第2の架空送電線1L,2L(平衡2回線送電線を構成する。)から分岐された第1および第2の架空分岐線1L’,2L’の一部に第1および第2の電力ケーブル1C,2Cが接続されている場合には、以下のようにして架空線区間(第1および第2の架空送電線1L,2L、第1および第2の架空分岐線1L’,2L’並びにB変電所母線)での事故であるかケーブル区間(第1および第2の電力ケーブル1C,2C)での事故であるかを判定している。
なお、図7では説明の簡単のために1相についてのみ示しており、実際には相ごとに架空線区間での事故であるかケーブル区間の事故であるかを判定している。
第1および第2の変流器1111,1112を第1および第2の架空分岐線1L’,2L’のB変電所側(平衡2回線送電線と反対側)に設置して、第1および第2の架空分岐線1L’,2L’に流れる第1および第2の架空分岐線事故電流I1,I2を検出する。
また、第1および第2の電力ケーブル1C,2Cを貫通させるとともに第1および第2の電力ケーブル1C,2Cと逆向きに第1および第2の電力ケーブル1C,2Cの第1および第2のシースアース線を貫通させた第1および第2の貫通型変流器1121,1122を第1および第2の電力ケーブル1C,2Cに設置して、第1および第2の電力ケーブル1C,2Cに流れる第1および第2の電力ケーブル事故電流i1,i2を検出する。
第1の事故検出装置1311は、第1の送電線継電器1201から入力される第1の変流器1111によって検出された第1の架空分岐線事故電流I1と第1の事故検出装置端末1321から光伝送で送信されてくる第1の貫通型変流器1121によって検出された第1の電力ケーブル事故電流i1とに基づいて、架空線区間(第1の送電線1L、第1の架空分岐線1CまたはB変電所母線)での事故であるかケーブル区間(第1の電力ケーブル1C)での事故であるかを判定する。
同様に、第2の事故検出装置1312は、第2の送電線継電器1202から入力される第2の変流器1112によって検出された第2の架空分岐線事故電流I2と第2の事故検出装置端末1322から光伝送で送信されてくる第2の貫通型変流器1122によって検出された第2の電力ケーブル事故電流i2とに基づいて、架空線区間(第2の送電線2L、第2の架空分岐線2CまたはB変電所母線)での事故であるかケーブル区間(第2の電力ケーブル2C)での事故であるかを判定する。
特開平5−164804号公報
しかしながら、上記の特許文献1に開示された電力ケーブル線路の事故区間検出方法では、事故相と他の相との事故電流の相間位相差を測定する必要があり、事故検出方法が複雑であるという問題がある。
また、ケーブル区間事故検出装置として電流差動方式のものや故障標定システムなども提案されているが、高価であったり事故検出や事故判定する装置が複雑であったりするという問題がある。
図7に示したケーブル区間事故検出装置では、第1および第2の貫通型変流器1121,1122を第1および第2の電力ケーブル1C,2Cの各相に設置する必要があるため、合計で6個の貫通型変流器が必要であるという問題がある。
また、第1および第2の区間事故検出装置1311,1312並びに第1および第2の区間事故検出装置端末1321,1322は、PCM電流差動継電器を活用したものであるため、非常に高価であるという問題があるとともに、第1および第2の事故検出装置1311,1312並びに第1および第2の事故検出装置端末1321,1322の点検はPCM電流差動継電器の点検と同等の内容となるため、この点検作業に時間がかかるという問題がある。
本発明の目的は、事故検出方法および点検作業の容易化が図れるケーブル区間事故検出装置を提供することにある。
本発明のケーブル区間事故検出装置は、平衡2回線送電線を構成する第1および第2の架空送電線(1L,2L)から分岐された第1および第2の架空分岐線(1L’,2L’)の一部に第1および第2の電力ケーブル(1C,2C)が接続されている電力系統において該第1および第2の電力ケーブルで発生した事故を検出するためのケーブル区間事故検出装置であって、前記第1の電力ケーブルのシースアース線を流れる第1のシース電流と前記第2の電力ケーブルのシースアース線を流れる第2のシース電流との和電流の電流値が所定の値以上であるか否かを判定する判定手段と、前記第1の架空分岐線を流れる第1の架空分岐線事故電流に基づいて動作する第1の送電線継電器(201)と、前記第2の架空分岐線を流れる第2の架空分岐線事故電流に基づいて動作する第2の送電線継電器(202)と、前記判定手段で前記和電流の電流値が前記所定の値以上であると判定されるとともに前記第1または第2の送電線継電器が動作することにより前記第1または第2の電力ケーブルでの事故発生を検出する事故検出手段とを具備することを特徴とする。
ここで、前記判定手段が、前記第1の電力ケーブルのシースアース線を流れる第1のシース電流と前記第2の電力ケーブルのシースアース線を流れる第2のシース電流との和電流に基づいて動作する過電流継電器であり、前記事故検出手段が、前記過電流継電器が動作するとともに前記第1または第2の送電線継電器が動作することにより前記第1または第2の電力ケーブルでの事故発生を検出してもよい。
前記判定手段が、前記第1の電力ケーブルの各相のシースアース線を流れる第1の各相シース電流(iS1R,iS1S,iS1T)の和電流である第1のシース和電流(iS1)と前記第2の電力ケーブルの各相シースアース線を流れる第2の各相シース電流(iS2R,iS2S,iS2T)の和電流である第2のシース和電流(iS2)との和電流(iS1+iS2)が所定の整定値以上になると動作して、過電流継電器動作信号(SOC)を出力する過電流継電器(11)であり、前記第1の送電線継電器が、前記第1の架空分岐線の各相を流れる第1の各相架空分岐線事故電流(I1R,I1S,I1T)に基づいて動作して、第1の送電線継電器動作信号(SLP1)を出力し、前記第2の送電線継電器が、前記第2の架空分岐線の各相を流れる第2の各相架空分岐線事故電流(I2R,I2S,I2T)に基づいて動作して、第2の送電線継電器動作信号(SLP2)を出力し、前記事故検出手段が、前記過電流継電器から前記過電流継電器動作信号が入力されるとともに前記第1の送電線継電器から前記第1の送電線継電器動作信号が入力されるか前記第2の送電線継電器から前記第2の送電線継電器動作信号が入力されることにより前記第1または第2の電力ケーブルでの事故発生を検出する事故検出装置(30)であってもよい。
前記事故検出装置が、前記過電流継電器動作信号、前記第1の送電線継電器動作信号および前記第2の送電線継電器動作信号の極性を反転した信号の論理積をとる第1の論理積回路(311)と、前記過電流継電器動作信号、前記第1の送電線継電器動作信号の極性を反転した信号および前記第2の送電線継電器動作信号の論理積をとる第2の論理積回路(312)とを備えてもよい。
本発明のケーブル区間事故検出装置は、以下に示す効果を奏する。
(1)第1および第2の電力ケーブルのシースアース線を流れる第1および第2のシース電流の和電流が所定の値以上になるとともに第1または第2の送電線継電器が動作すると第1または第2の電力ケーブルでの事故発生を検出するので、事故検出方法の容易化が図れる。
(2)PCM電流差動継電器を活用する必要がないので、事故検出装置の点検作業の容易化が図れる。
(3)第1および第2の電力ケーブルのシースアース線を流れる第1および第2のシース電流の和電流を検出することにより第1または第2の電力ケーブルでの事故発生を検出することができるので、電力ケーブルの各相に貫通型変流器を設置する必要がない。
(4)第1および第2の電力ケーブルの各相のシース電流の和電流を検出するのに2個の変流器を使用すればよいので、6個の貫通型変流器を使用する従来のケーブル区間事故検出装置に比べて低価格化が図れる。
上記の目的を、第1および第2の電力ケーブルのシースアース線を流れる第1および第2のシース電流の和電流が所定の値以上になるとともに第1または第2の送電線継電器が動作すると第1または第2の電力ケーブルでの事故発生を検出することにより実現した。
以下、本発明のケーブル区間事故検出装置の実施例について図面を参照して説明する。
本発明の一実施例によるケーブル区間事故検出装置は、図1に示すように、A変電所とC変電所との間に敷設された第1および第2の架空送電線1L,2L(平衡2回線送電線を構成する。)から分岐された第1および第2の架空分岐線1L’,2L’の一部に第1および第2の電力ケーブル1C,2Cが接続されている電力系統において第1および第2の電力ケーブル1C,2Cで発生した事故を検出するためのものであり、第1および第2のシース電流検出用変流器101,102と過電流継電器(OC)11と第1のR相、S相およびT相変流器111R,111S,111Tと第2のR相、S相およびT相変流器112R,112S,112Tと第1および第2の送電線継電器(LP)201,202と事故検出装置30とを具備する。
なお、図1および図3乃至図6では、図面の簡単のために、第1および第2の架空送電線1L,2LとB変電所母線とはR相のみ示している。
ここで、第1のシース電流検出用変流器101は、第1のR相、S相およびT相電力ケーブル1CR,1CS,1CTのシースアース線をそれぞれ流れる第1のR相、S相およびT相シース電流iS1R,iS1S,iS1Tの和(以下、「第1のシース和電流iS1」と称する。)を検出するためのものである。
第2のシース電流検出用変流器102は、第2のR相、S相およびT相電力ケーブル2CR,2CS,2CTのシースアース線をそれぞれ流れる第2のR相、S相およびT相シース電流iS2R,iS2S,iS2Tの和(以下、「第2のシース和電流iS2」と称する。)を検出するためのものである。
第1および第2のシース電流検出用変流器101,102は和接続されている。
過電流継電器11(判定手段)は、和接続された第1および第2のシース電流検出用変流器101,102から入力される第1および第2のシース和電流iS1,iS2の和電流(iS1+iS2)の電流値が所定の整定値以上になると動作して、ハイレベルの過電流継電器動作信号SOCを出力する。
第1のR相、S相およびT相変流器111R,111S,111Tは、第1のR相、S相およびT相架空分岐線1LR’,1LS’,1LT’のB変電所側(平衡2回線送電線と反対側)に設置されており、第1のR相、S相およびT相架空分岐線1LR’,1LS’,1LT’をそれぞれ流れる第1のR相、S相およびT相架空分岐線事故電流I1R,I1S,I1Tをそれぞれ検出するためのものである。
第2のR相、S相およびT相変流器112R,112S,112Tは、第2のR相、S相およびT相架空分岐線2LR’,2LS’,2LT’のB変電所側(平衡2回線送電線と反対側)に設置されており、第2のR相、S相およびT相架空分岐線2LR’,2LS’,2LT’をそれぞれ流れる第2のR相、S相およびT相架空分岐線事故電流I2R,I2S,I2Tをそれぞれ検出するためのものである。
第1の送電線継電器201は、第1のR相、S相およびT相変流器111R,111S,111Tからそれぞれ入力される第1のR相、S相およびT相架空分岐線事故電流I1R,I1S,I1Tに基づいて動作して、ハイレベルの第1の送電線継電器動作信号SLP1を出力する。
第2の送電線継電器202は、第2のR相、S相およびT相変流器112R,112S,112Tからそれぞれ入力される第2のR相、S相およびT相架空分岐線事故電流I2R,I2S,I2Tに基づいて動作して、ハイレベルの第2の送電線継電器動作信号SLP2を出力する。
事故検出装置30(事故検出手段)は、過電流継電器11からハイレベルの過電流継電器動作信号SOCが入力されるとともに第1の送電線継電器201からハイレベルの第1の送電線継電器動作信号SLP1が入力されるか第2の送電線継電器202から第2の送電線継電器動作信号SLP2が入力されることにより第1または第2の電力ケーブル1C,2Cでの事故発生を検出するためのものである。
これを実現するために、事故検出装置30は、図2に示すように、過電流継電器動作信号SOC、第1の送電線継電器動作信号SLP1および第2の送電線継電器動作信号SLP2の極性を反転した信号の論理積をとる第1の論理積回路311と、過電流継電器動作信号SOC、第1の送電線継電器動作信号SLP1の極性を反転した信号および第2の送電線継電器動作信号SLP2の論理積をとる第2の論理積回路312とを備える。
なお、第1の論理積回路311からは、第1の電力ケーブル1Cで事故が発生したことを示すハイレベルの第1の電力ケーブル事故検出信号S1Lが出力され、また、第2の論理積回路312からは、第2の電力ケーブル2Cで事故が発生したことを示すハイレベルの第2の電力ケーブル事故検出信号S2Lが出力される。
次に、第1のR相電力ケーブル1CRで地絡事故が発生したときの本実施例によるケーブル区間事故検出装置の動作について、図3を参照して説明する。
第1のR相電力ケーブル1CRで地絡事故が発生すると、図3に実線の太矢印で示すように、第1の架空送電線1LのR相から第1のR相架空分岐線1LR’および第1のR相電力ケーブル1CRを介して事故点に向かって大きな事故電流が流れるとともに、第2の架空送電線2LのR相から第2のR相架空分岐線2LR’、第2のR相電力ケーブル2CR、第2のR相架空分岐線2LR’、B変電所母線のR相、第1のR相架空分岐線1LR’および第1のR相電力ケーブル1CRを介して事故点に向かって大きな事故電流が流れる。
このため、第1のR相変流器111Rには、大きな第1のR相架空分岐線事故電流I1Rが内部方向に流れ、また、第2のR相変流器112Rには、大きな第2のR相架空分岐線事故電流I2Rが外部方向に流れる。
その結果、第1の送電線継電器201は、第1のR相変流器111Rから入力される第1のR相架空分岐線事故電流I1Rに基づいて動作して、ハイレベルの第1の送電線継電器動作信号SLP1を出力する。
一方、第2の送電線継電器202は、第2のR相変流器112Rから入力される第2のR相架空分岐線事故電流I2Rの向きが外部方向であるために動作せず、ロウレベルの第2の送電線継電器動作信号SLP2を出力したままとなる。
また、第1および第2のR相電力ケーブル1CR,2CRに大きな第1および第2のR相架空分岐線事故電流I1R,I2RがB変電所母線に向かって流れるため、図3に破線の太矢印で示すように第1および第2のR相電力ケーブル1CR,2CRのシースアース線に大きな第1および第2のR相シース電流iS1R,iS2Rが第1および第2のR相架空分岐線事故電流I1R,I2Rと逆方向に流れる。
このため、第1および第2のシース電流検出用変流器101,102の2次側から、大きな第1および第2のシース和電流iS1,iS2が過電流継電器11に流れ込む方向に出力される。
その結果、電流値が整定値以上の第1および第2のシース和電流iS1,iS2の和電流(iS1+iS2)が過電流継電器11に入力されるため、過電流継電器11が動作して、ハイレベルの過電流継電器動作信号SOCが出力される。
これにより、事故検出装置30にはハイレベルの過電流継電器動作信号SOCとハイレベルの第1の送電線継電器動作信号SLP1とロウレベルの第2の送電線継電器動作信号SLP2とが入力されるため、事故検出装置30の第1の論理積回路311から出力される第1の電力ケーブル事故検出信号S1Lがロウレベルからハイレベルとなるが、事故検出装置30の第2の論理積回路312から出力される第2の電力ケーブル事故検出信号S2Lはロウレベルのままとなる(図2参照)。
その結果、第1のR相電力ケーブル1CR(ケーブル区間)で事故が発生したことを検出することができる。
次に、第2のR相電力ケーブル2CRで地絡事故が発生したときの本実施例によるケーブル区間事故検出装置の動作について、図4を参照して説明する。
第2のR相電力ケーブル2CRで地絡事故が発生すると、図4に実線の太矢印で示すように、第1の架空送電線1LのR相から第1のR相架空分岐線1LR’、第1のR相電力ケーブル1CR、第1のR相架空分岐線1LR’、B変電所母線のR相、第2のR相架空分岐線2LR’および第2のR相電力ケーブル2CRを介して事故点に向かって大きな事故電流が流れるとともに、第2の架空送電線2LのR相から第2のR相架空分岐線2LR’および第2のR相電力ケーブル2CRを介して事故点に向かって大きな事故電流が流れる。
このため、第1のR相変流器111Rには、大きな第1のR相架空分岐線事故電流I1Rが外部方向に流れ、また、第2のR相変流器112Rには、大きな第2のR相架空分岐線事故電流I2Rが内部方向に流れる。
その結果、第2の送電線継電器202は、第2のR相変流器112Rから入力される第2のR相架空分岐線事故電流I2Rに基づいて動作して、ハイレベルの第2の送電線継電器動作信号SLP2を出力する。
一方、第1の送電線継電器201は、第1のR相変流器111Rから入力される第1のR相架空分岐線事故電流I1Rの向きが外部方向であるために動作せず、ロウレベルの第1の送電線継電器動作信号SLP1を出力したままとなる。
また、第1および第2のR相電力ケーブル1CR,2CRに大きな第1および第2のR相架空分岐線事故電流I1R,I2RがB変電所母線に向かって流れるため、図4に破線の太矢印で示すように第1および第2のR相電力ケーブル1CR,2CRのシースアース線に大きな第1および第2のR相シース電流iS1R,iS2Rが第1および第2のR相架空分岐線事故電流I1R,I2Rと逆方向に流れる。
このため、第1および第2のシース電流検出用変流器101,102の2次側から、大きな第1および第2のシース和電流iS1,iS2が過電流継電器11に流れ込む方向に出力される。
その結果、電流値が整定値以上の第1および第2のシース和電流iS1,iS2の和電流(iS1+iS2)が過電流継電器11に入力されるため、過電流継電器11が動作して、ハイレベルの過電流継電器動作信号SOCが出力される。
これにより、事故検出装置30にはハイレベルの過電流継電器動作信号SOCとロウレベルの第1の送電線継電器動作信号SLP1とハイレベルの第2の送電線継電器動作信号SLP2とが入力されるため、事故検出装置30の第1の論理積回路311から出力される第1の電力ケーブル事故検出信号S1Lはロウレベルのままとなるが、事故検出装置30の第2の論理積回路312から出力される第2の電力ケーブル事故検出信号S2Lはロウレベルからハイレベルとなる(図2参照)。
その結果、第2のR相電力ケーブル2CR(ケーブル区間)で事故が発生したことを検出することができる。
次に、B変電所母線のR相で地絡事故が発生したときの本実施例によるケーブル区間事故検出装置の動作について、図5を参照して説明する。
B変電所母線のR相で地絡事故が発生すると、図5に実線の太矢印で示すように、第1の架空送電線1LのR相から第1のR相架空分岐線1LR’、第1のR相電力ケーブル1CR、第1のR相架空分岐線1LR’およびB変電所母線のR相を介して事故点に向かって大きな事故電流が流れるとともに、第2の架空送電線2LのR相から第2のR相架空分岐線2LR’、第2のR相電力ケーブル2CR、第2のR相架空分岐線2LR’およびB変電所母線のR相を介して事故点に向かって大きな事故電流が流れる。
このため、第1のR相変流器111Rには、大きな第1のR相架空分岐線事故電流I1Rが外部方向に流れ、また、第2のR相変流器112Rには、大きな第2のR相架空分岐線事故電流I2Rが外部方向に流れる。
その結果、第1の送電線継電器201は、第1のR相変流器111Rから入力される第1のR相架空分岐線事故電流I1Rの向きが外部方向であるために動作せず、ロウレベルの第1の送電線継電器動作信号SLP1を出力したままとなる。
同様に、第2の送電線継電器202は、第2のR相変流器112Rから入力される第2のR相架空分岐線事故電流I2Rの向きが外部方向であるために動作せず、ロウレベルの第2の送電線継電器動作信号SLP2を出力したままとなる。
また、第1および第2のR相電力ケーブル1CR,2CRに大きな第1および第2のR相架空分岐線事故電流I1R,I2RがB変電所母線に向かって流れるため、図5に破線の太矢印で示すように第1および第2のR相電力ケーブル1CR,2CRのシースアース線に大きな第1および第2のR相シース電流iS1R,iS2Rが第1および第2のR相架空分岐線事故電流I1R,I2Rと逆方向に流れる。
このため、第1および第2のシース電流検出用変流器101,102の2次側から、大きな第1および第2のシース和電流iS1,iS2が過電流継電器11に流れ込む方向に出力される。
その結果、電流値が整定値以上の第1および第2のシース和電流iS1,iS2の和電流(iS1+iS2)が過電流継電器11に入力されるため、過電流継電器11が動作して、ハイレベルの過電流継電器動作信号SOCが出力される。
これにより、事故検出装置30にはハイレベルの過電流継電器動作信号SOCとロウレベルの第1の送電線継電器動作信号SLP1とロウレベルの第2の送電線継電器動作信号SLP2とが入力されるため、事故検出装置30の第1の論理積回路311から出力される第1の電力ケーブル事故検出信号S1Lはロウレベルのままとなり、事故検出装置30の第2の論理積回路312から出力される第2の電力ケーブル事故検出信号S2Lもロウレベルのままとなる(図2参照)。
その結果、B変電所母線のR相(架空線区間)で発生した地絡事故によって事故検出装置30から出力される第1および第2の電力ケーブル事故検出信号S1L,S2Lがハイレベルとなることはない。
次に、第1の架空送電線1LのR相で地絡事故が発生したときの本実施例によるケーブル区間事故検出装置の動作について、図6を参照して説明する。
第1の架空送電線1LのR相で地絡事故が発生すると、図6に実線の太矢印で示すように、第1の架空送電線1LのR相には事故点に向かって大きな事故電流が流れるとともに、第2の架空送電線2LのR相から第2のR相架空分岐線2LR’、第2のR相電力ケーブル2CR、第2のR相架空分岐線2LR’、B変電所母線のR相、第1のR相架空分岐線1LR’、第1のR相電力ケーブル1CR、第1のR相架空分岐線1LR’および第1の架空送電線1LのR相を介して事故点に向かって大きな事故電流が流れる。
このため、第1のR相変流器111Rには、大きな第1のR相架空分岐線事故電流I1Rが内部方向に流れ、また、第2のR相変流器112Rには、大きな第2のR相架空分岐線事故電流I2Rが外部方向に流れる。
その結果、第1の送電線継電器201は、第1のR相変流器111Rから入力される第1のR相架空分岐線事故電流I1Rに基づいて動作して、ハイレベルの第1の送電線継電器動作信号SLP1を出力する。
一方、第2の送電線継電器202は、第2のR相変流器112Rから入力される第2のR相架空分岐線事故電流I2Rの向きが外部方向であるために動作せず、ロウレベルの第2の送電線継電器動作信号SLP2を出力したままとなる。
また、第1および第2のR相電力ケーブル1CR,2CRに大きな第1および第2のR相架空分岐線事故電流I1R,I2RがB変電所母線に向かって流れるため、図6に破線の太矢印で示すように第1および第2のR相電力ケーブル1CR,2CRのシースアース線に大きな第1および第2のR相シース電流iS1R,iS2Rが第1および第2のR相架空分岐線事故電流I1R,I2Rと逆方向に流れる。
このため、第1のシース電流検出用変流器101の2次側から出力される第1のシース和電流iS1は、第2のシース電流検出用変流器102の2次側に流れ込む。
その結果、第1および第2のシース和電流iS1,iS2の和電流(iS1+iS2)が過電流継電器11に入力されないため、過電流継電器11は動作せず、過電流継電器動作信号SOCはロウレベルのままとなる。
これにより、事故検出装置30にはロウレベルの過電流継電器動作信号SOCとハイレベルの第1の送電線継電器動作信号SLP1とロウレベルの第2の送電線継電器動作信号SLP2とが入力されるため、事故検出装置30の第1の論理積回路311から出力される第1の電力ケーブル事故検出信号S1Lはロウレベルのままとなり、事故検出装置30の第2の論理積回路312から出力される第2の電力ケーブル事故検出信号S2Lもロウレベルのままとなる(図2参照)。
その結果、第1の架空送電線1LのR相(架空線区間)で発生した地絡事故によって事故検出装置30から出力される第1および第2の電力ケーブル事故検出信号S1L,S2Lがハイレベルとなることはない。
本発明の一実施例によるケーブル区間事故検出装置の構成を示す図である。 図1に示した事故検出装置30の構成を示すブロック図である。 第1のR相電力ケーブル1CRで地絡事故が発生したときの図1に示したケーブル区間事故検出装置の動作について説明するための図である。 第2のR相電力ケーブル2CRで地絡事故が発生したときの図1に示したケーブル区間事故検出装置の動作について説明するための図である。 B変電所母線のR相で地絡事故が発生したときの図1に示したケーブル区間事故検出装置の動作について説明するための図である。 第1の架空送電線1LのR相で地絡事故が発生したときの図1に示したケーブル区間事故検出装置の動作について説明するための図である。 従来のケーブル区間事故検出装置について説明するための図である。
符号の説明
101,102 第1および第2のシース電流検出用変流器
11 過電流継電器
111R,111S,111T 第1のR相、S相およびT相変流器
112R,112S,112T 第2のR相、S相およびT相変流器
201,202 第1および第2の送電線継電器
30 事故検出装置
311,312 第1および第2の論理積回路
1111,1112 第1および第2の変流器
1121,1122 第1および第2の貫通型変流器
1201,1202 第1および第2の送電線継電器
1311,1312 第1および第2の事故検出装置
1321,1322 第1および第2の事故検出装置端末
1L,2L 第1および第2の架空送電線
1L’,2L’ 第1および第2の架空分岐線
1LR’,1LS’,1LT’ 第1のR相、S相およびT相架空分岐線
2LR’,2LS’,2LT’ 第2のR相、S相およびT相架空分岐線
1C,2C 第1および第2の電力ケーブル
1CR,1CS,1CT 第1のR相、S相およびT相電力ケーブル
2CR,2CS,2CT 第2のR相、S相およびT相電力ケーブル
1,I2 第1および第2の架空分岐線事故電流
1,i2 第1および第2の電力ケーブル事故電流
1R,I1S,I1T 第1のR相、S相およびT相架空分岐線事故電流
2R,I2S,I2T 第2のR相、S相およびT相架空分岐線事故電流
S1R,iS1S,iS1T 第1のR相、S相およびT相シース電流
S2R,iS2S,iS2T 第2のR相、S相およびT相シース電流
S1,iS2 第1および第2のシース和電流
OC 過電流継電器動作信号
LP1,SLP2 第1および第2の送電線継電器動作信号
1L,S2L 第1および第2の電力ケーブル事故検出信号

Claims (4)

  1. 平衡2回線送電線を構成する第1および第2の架空送電線(1L,2L)から分岐された第1および第2の架空分岐線(1L’,2L’)の一部に第1および第2の電力ケーブル(1C,2C)が接続されている電力系統において該第1および第2の電力ケーブルで発生した事故を検出するためのケーブル区間事故検出装置であって、
    前記第1の電力ケーブルのシースアース線を流れる第1のシース電流と前記第2の電力ケーブルのシースアース線を流れる第2のシース電流との和電流の電流値が所定の値以上であるか否かを判定する判定手段と、
    前記第1の架空分岐線を流れる第1の架空分岐線事故電流に基づいて動作する第1の送電線継電器(201)と、
    前記第2の架空分岐線を流れる第2の架空分岐線事故電流に基づいて動作する第2の送電線継電器(202)と、
    前記判定手段で前記和電流の電流値が前記所定の値以上であると判定されるとともに前記第1または第2の送電線継電器が動作することにより前記第1または第2の電力ケーブルでの事故発生を検出する事故検出手段と、
    を具備することを特徴とする、ケーブル区間事故検出装置。
  2. 前記判定手段が、前記第1の電力ケーブルのシースアース線を流れる第1のシース電流と前記第2の電力ケーブルのシースアース線を流れる第2のシース電流との和電流に基づいて動作する過電流継電器であり、
    前記事故検出手段が、前記過電流継電器が動作するとともに前記第1または第2の送電線継電器が動作することにより前記第1または第2の電力ケーブルでの事故発生を検出する、
    ことを特徴とする、請求項1記載のケーブル区間事故検出装置。
  3. 前記判定手段が、前記第1の電力ケーブルの各相のシースアース線を流れる第1の各相シース電流(iS1R,iS1S,iS1T)の和電流である第1のシース和電流(iS1)と前記第2の電力ケーブルの各相シースアース線を流れる第2の各相シース電流(iS2R,iS2S,iS2T)の和電流である第2のシース和電流(iS2)との和電流(iS1+iS2)が所定の整定値以上になると動作して、過電流継電器動作信号(SOC)を出力する過電流継電器(11)であり、
    前記第1の送電線継電器が、前記第1の架空分岐線の各相を流れる第1の各相架空分岐線事故電流(I1R,I1S,I1T)に基づいて動作して、第1の送電線継電器動作信号(SLP1)を出力し、
    前記第2の送電線継電器が、前記第2の架空分岐線の各相を流れる第2の各相架空分岐線事故電流(I2R,I2S,I2T)に基づいて動作して、第2の送電線継電器動作信号(SLP2)を出力し、
    前記事故検出手段が、前記過電流継電器から前記過電流継電器動作信号が入力されるとともに前記第1の送電線継電器から前記第1の送電線継電器動作信号が入力されるか前記第2の送電線継電器から前記第2の送電線継電器動作信号が入力されることにより前記第1または第2の電力ケーブルでの事故発生を検出する事故検出装置(30)である、
    ことを特徴とする、請求項1または2記載のケーブル区間事故検出装置。
  4. 前記事故検出装置が、
    前記過電流継電器動作信号、前記第1の送電線継電器動作信号および前記第2の送電線継電器動作信号の極性を反転した信号の論理積をとる第1の論理積回路(311)と、
    前記過電流継電器動作信号、前記第1の送電線継電器動作信号の極性を反転した信号および前記第2の送電線継電器動作信号の論理積をとる第2の論理積回路(312)と、
    を備えることを特徴とする、請求項3記載のケーブル区間事故検出装置。
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