JP2010112206A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡素な構成でトルクショックを効果的に抑制することができる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】ECU36は、ドライバの要求に応じて要求トルク値を設定する要求トルク値設定手段41と目標トルク値設定手段40を備える。目標トルク値設定手段40は、前回設定された目標トルク値に所定のゲイン値を加算して第一トルク値を設定する第一トルク値設定手段42と、前回設定された目標トルク値を基に、要求トルク値に対して一次遅れフィルタ処理を行って第二トルク値を設定する第二トルク値設定手段43とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関の制御装置に関する。
従来、車両が所定の減速運転状態にあるときにエンジンへの燃料供給を一時的にカットする燃料カット手段を備えたエンジンを備えた車両では、燃料カット復帰時にエンジントルクが急激に上昇し、トルクショックが生じることがある。これを抑制すべく、例えば特許文献1には、検出されたエンジン回転数に応じた全負荷トルクが大きいほど、点火時期の遅角量と遅角を行う時間を制御してエンジン出力を抑制する制御装置が記載されている。
特開平2−40055号公報(請求項2、図1等)
上記特許文献1に記載された制御装置は、上述のように、単に燃料カット復帰時のエンジン回転数を検出し、このエンジン回転数に応じた全負荷トルクが大きいほどエンジン出力を抑制しようとするものである。従って、特許文献1では、エンジン出力を抑制する際の目標値となる目標トルク値を精度良く設定することに関しては何ら考慮されていない。このため、エンジン出力の抑制のために点火制御を行うとしても、遅角量や遅角を行う時間のきめ細かい設定をすることができない。その結果、上記制御装置では、エンジン出力を適切に抑制できず、トルクショックを効果的に抑制することができるとは言い難い。
ところで、上記の目標トルク値等の車両の制御目標値を精度良く設定するためには、一般に、車両の運転状況それぞれに応じた多くの目標値(データ)を必要とする。この場合、データ点数が多くなればなるほど演算が煩雑になって演算負荷が大きくなってしまうという問題がある。他方で、少ないデータに基づいて制御目標値を設定する場合、例えば上記特許文献1のように単にエンジン回転数に基づいて全負荷トルクをマップ化して目標トルク値を設定するような場合は、上記のように目標トルク値の設定精度が低下してしまい、トルクショックの効果的な抑制を実現できないという問題がある。このような事情により、演算負荷の大幅な増大を引き起こすことなく、目標トルク値をより精度良く設定できる手法が求められている。
なお、上記のようなトルクショックは、燃料カット復帰時以外にも、加速時や変速時等のエンジントルクが急激に上昇した場合にも生じる問題である。したがって、目標トルク値の設定手法は、汎用性が高いことも求められる。
そこで、本発明の課題は上記従来技術の問題点を解決することにあり、簡素な構成で目標トルク値をより精度良く設定でき、その結果、トルクショックをより効果的に抑制することができる内燃機関の制御装置を提供する。
本発明の内燃機関の制御装置は、ドライバの要求に応じて要求トルク値を設定する要求トルク値設定手段と、車両の所定の運転状態に応じて、前記要求トルク値とは異なる第一目標トルク値を設定する第一目標トルク値設定手段と、前記要求トルク値と前記第一目標トルク値に基づいて第二目標トルク値を設定する第二目標トルク設定手段と、前記第二目標トルク値に応じて内燃機関を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明においては、第一目標トルク値設定手段が車両の所定の運転状態に応じて第一目標トルク値を設定し、第二目標トルク値設定手段が要求トルク値とこの第一目標トルク値に基づいて第二目標トルク値を設定する。これにより、簡素な構成で、かつ効果的にトルクショックを抑制することができるように精度良く第二目標トルク値を設定できる。なお、本発明において車両の運転状態とは燃料カット復帰時、加速時や変速時等のエンジントルクの増加状態を含むものである。
前記第一目標トルク値設定手段は、前回設定された前記第一目標トルク値に所定のゲイン値を加算して第一トルク値を設定する第一トルク値設定手段と、前回設定された前記第一目標トルク値を基に、前記要求トルク値を入力として一次遅れフィルタ処理を行って第二トルク値を設定する第二トルク値設定手段とを備え、これらの第一トルク値及び第二トルク値に基づいて今回の第一目標トルク値を設定することが好ましい。この場合、一次遅れフィルタ処理を行った第二トルク値と、テーリングゲイン値を加算した第一トルク値を設定し、この設定された第一トルク値及び第二トルク値に基づいて第一目標トルク値を設定しているので、即ち、二つの値のみを設定して第一目標トルク値を設定しているので、演算負荷が少ない。しかも、これらの二つの値に基づいて設定しているために、精度良く第一目標トルク値を設定できる。
ここで、前記第一目標トルク値設定手段は、前記車両が前記所定の運転状態になってから最初の所定期間に、前記第二トルク値を前記第一目標トルク値として設定し、前記最初の所定期間経過後の次の所定期間に、前記第一トルク値を前記第一目標トルク値として設定することが好ましい。この場合、車両が所定の運転状態になってから最初の所定期間は一次遅れフィルタ処理がなされた第二トルク値を第一目標トルク値として設定できるので、要求トルク値の上昇に追従した、加速感を損なわない第二目標トルク値を簡易に設定することが可能である。さらに、この所定期間経過後の次の所定期間は漸次変化する第一トルク値を第一目標トルク値として設定できるので、より早く要求トルク値の上昇に追従した第二目標トルク値を設定することができる。なお、ここでいう最初の所定期間は、車両が所定の運転状態になってから少なくとも最初の所定期間をいう。従って、車両が所定の運転状態になってから最初の所定期間に第二トルク値を第一目標トルク値として設定し、次の所定期間第一トルク値を第一目標トルク値として設定し、その後さらに次の所定期間で再度第二トルク値を第一目標トルク値として設定してもよい。
また、この場合に、前記第一目標トルク値設定手段は、前記第二トルク値が前記第一トルク値よりも大きい期間を前記最初の所定期間として設定し、この所定期間においては前記第二トルク値を前記第一目標トルク値として設定し、前記第一トルク値が前記第二トルク値よりも大きい期間を前記次の所定期間として設定し、この所定期間においては前記第一トルク値を前記第一目標トルク値として設定することが好ましい。このように第一トルク値及び第二トルク値の大小で最初の所定期間及びその次の所定期間を設定することで、非常に簡易に目標トルク値を設定することが可能である。
さらに、前記第二目標トルク設定手段は、前記要求トルク値と前記第一目標トルク値とを比較して小さい値を前記第二目標トルク値として設定することが好ましい。要求トルク値と第一目標トルク値のうち小さいほうを第二目標トルク値として設定することで、第一目標トルク値が要求トルク値を上回る場合には、要求トルク値を第二目標トルク値として設定できる。これにより、内燃機関をより適切に制御することが可能となる。
前記内燃機関への燃料の供給を一時的にカットする燃料カット手段をさらに備え、この場合に前記所定の運転状態は、燃料カット復帰状態であること、また、前記車両が加速運転状態であること、さらにまた前記車両の変速状態であることが好ましい。燃料カット復帰時、加速運転時、変速時に目標トルクの設定を行うことで、トルクショックを抑制することが可能となる。
本発明の内燃機関の制御装置によれば、演算負荷の大幅な増大を引き起こすことのない簡易な構成により、内燃機関を制御するための第二目標トルク値をより精度良く設定できるので、トルクショックを効果的に抑制できるという優れた効果を奏し得る。さらに、本発明によれば、トルクショックの生じ易い様々な運転状態に対応して、より簡易に、かつ精度良く目標トルク値を設定できるので、汎用性が極めて高いという効果をも奏し得る。
本発明の内燃機関の制御装置について、図1を用いて説明する。図1は、内燃機関(エンジン)システムの構成を示す模式図である。
図1に示すガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)11は、吸気管噴射型(Multi Point Injection)のガソリンエンジンである。エンジン11は、シリンダヘッド12とシリンダブロック13とを有している。シリンダブロック13の各シリンダ14内には、ピストン15が往復移動自在に収容されている。そして、このピストン15とシリンダ14とシリンダヘッド12とで燃焼室16が形成されている。ピストン15は、コンロッド17を介してクランクシャフト18に接続されている。ピストン15の往復運動は、コンロッド17を介してクランクシャフト18に伝達される。
シリンダヘッド12には吸気ポート19が形成されている。この吸気ポート19には、吸気マニホールド20が接続されている。吸気マニホールド20には、吸気管21が接続されている。吸気ポート19には、吸気弁22が設けられている。吸気ポート19は、この吸気弁22の開度に応じて開閉されるようになっている。さらに吸気マニホールド20には、燃料噴射弁23が設けられている。この燃料噴射弁23には、燃料バルブを介して燃料タンクを擁した燃料供給装置(図示なし)が接続されている。
シリンダヘッド12には、さらに排気ポート24が形成されている。この排気ポート24には、排気マニホールド25の一端が接続されている。排気マニホールド25の他端には、排気管26が接続されている。なお、排気ポート24には排気弁27が設けられている。吸気ポート19における吸気弁22と同様、この排気ポート24はこの排気弁27によって開閉されるようになっている。
シリンダヘッド12には、気筒毎に点火プラグ28が取り付けられている。各点火プラグ28には、高電圧を出力する点火コイル29が接続されている。吸気マニホールド20の上流側の吸気管21には、吸入空気量を調整するスロットルバルブ31と、このスロットルバルブ31の弁開度を検出するスロットルポジションセンサ(TPS)32とが設けられている。さらに、スロットルバルブ31の上流には、吸気量を計測する吸気量センサ(エアフローセンサ)33が設けられている。
排気マニホールド25に接続された排気管26には、排気浄化用触媒である三元触媒34が介装されている。三元触媒34の上流側には、触媒通過前の排ガス中の酸素濃度を検出するOセンサ35が設けられている。
ECU(電子コントロールユニット)36は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えている。このECU36により、エンジン11を含めた制御装置10の総合的な制御が行われる。ECU36の入力側には、上述したTPS32、吸気量センサ33、Oセンサ35の他、アクセルペダル37の操作開度を検出するアクセルポジションセンサ38等の各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力される。
一方、ECU36の出力側には、上述の燃料噴射弁23、点火コイル29、スロットルバルブ31等の各種出力デバイスが接続されている。これら各種出力デバイスには、各種センサ類からの検出情報に基づきECU36で演算された燃料噴射時間、点火時期、スロットル開度等がそれぞれ出力される。
制御装置10は、このようなECU36と上記各種センサとで構成され、各種センサ類からの検出情報に基づき、適正量の燃料が適正なタイミングで燃料噴射弁23から噴射され、またスロットルバルブ31が適正な開度に調整され、適正な点火時期に点火プラグ28により火花点火が実施されるようになっている。
さらに、本実施形態においては、ECU36は、目標トルク値設定手段(第一及び第二目標トルク値設定手段)40及び要求トルク値設定手段41を有している。目標トルク値設定手段40は、各種センサ類からの検出情報に基づき目標トルク値T(第二目標トルク値)を精度良く設定する。ECU36は、この目標トルク値設定手段40を有していることで、目標トルク値Tに基づいて、スロットル開度や点火時期、燃料噴射量を適宜設定し、ドライバビリティを向上させることができる。
以下、目標トルク値設定手段40及び要求トルク値設定手段41について詳細に説明する。
要求トルク値設定手段41は、ドライバの要求に応じて要求トルク値Tdを設定するものである。要求トルク値設定手段41は、アクセルポジションセンサ38からアクセルペダル37の操作開度を示す検出情報を入力されるように構成されている。即ち、要求トルク値設定手段41は、ドライバがどの程度の加速を要求しているのかを、アクセルペダル37の操作開度として検出された検出情報に応じて、要求トルク値Tdとして設定する。
目標トルク値設定手段40は、車両が所定の運転状態にある場合には目標トルク値Tを要求トルク値Tdに応じて設定するように構成されている。本実施形態においては、目標トルク値設定手段40を有することで、ドライバの要求に応じて目標トルク値Tを設定することにより、簡易な構成でかつ精度よくトルクショックを効果的に抑制できる制御を行うことが可能である。
ここで、目標トルク値設定手段40で設定される目標トルク値Tは、トルクショックを抑制しながら車両の運転状態に応じてドライバの要求するトルク値に早急に近づけることができるように設定されている。なお、目標トルク値設定手段40では、この目標トルク値Tは要求トルク値Td以下に設定されるように構成されている。
また、車両が所定の運転状態にある場合とは、車両が、燃料カット復帰時、加速運転時又は変速時等のエンジントルクが急激に増加した場合をいう。これらの場合において、ドライバの要求に従ってトルクを急激に増加させるとトルクショックが発生する可能性があるので、本実施形態においては目標トルク値設定手段40により適切な目標トルク値Tを設定している。
上記したような目標トルク値Tの設定を行うために、目標トルク値設定手段40は、所定のゲイン値を加算して第一トルク値T1を算出する第一トルク値設定手段42と、要求トルク値Tdに対して一次遅れフィルタ処理を行って第二トルク値T2を算出する第二トルク値設定手段43とを備える。目標トルク値設定手段40は、これらの第一トルク値T1及び第二トルク値T2に基づいて目標トルク値Tを設定するように構成されている。
具体的には、目標トルク値設定手段40は、車両が所定の運転状態となってから最初の所定期間は第二トルク値T2を目標トルク値Tとして設定し、最初の所定期間経過後の次の所定期間は、第一トルク値T1を目標トルク値Tとして設定するように構成されている。
このように構成したのは、次のような理由による。即ち、要求トルク値Tdが急に上昇した場合、仮に、ゲイン値の加算処理のみを行って目標トルク値Tを漸増するだけでは加速感を得ることができない。そこで、本実施形態においては、車両が所定の運転状態となってから最初の所定期間は要求トルク値Tdの急激な増加に追従しやすい一次遅れフィルタ処理により算出された第二トルク値T2を目標トルク値Tとして設定している。他方で、仮に一次遅れフィルタ処理のみをする場合には、時間経過と共に変化率が漸減してしまい、要求トルク値Tdに一致するまでに時間がかかり、加速感を損なってしまう。
そこで、本実施形態においては、所定期間経過後の次の所定期間は、ゲイン値を加算する加算処理により算出された第一トルク値T1を目標トルク値Tとして設定している。このため、本実施形態では、上述のごとく、車両が所定の運転状態となってから最初の所定期間は第二トルク値T2を目標トルク値Tとして設定し、所定期間経過後の次の所定期間は、第一トルク値T1を目標トルク値Tとして設定するように、目標トルク値設定手段40は構成されている。
ここで、最初の所定期間について説明する。本実施形態では、第二トルク値T2が第一トルク値T1よりも大きい期間を最初の所定期間として設定している。また、第一トルク値T1が前記第二トルク値T2よりも大きい期間を、最初の所定期間経過後の次の所定期間として設定している。換言すれば、目標トルク値設定手段40は、車両が所定の運転状態になってから第二トルク値T2が第一トルク値T1よりも大きい間の期間を最初の所定期間として設定し、第一トルク値T1が第二トルク値T2よりも大きくなってからは最初の所定期間経過後の次の所定期間として設定している。なお、最初の所定期間は、車両が所定の運転状態になってから少なくとも最初の所定期間をいう。
このように最初の所定期間及び次の所定期間を設定することで、上述した二つの利点を有する制御を行うことが可能である。即ち、車両が所定の運転状態となってから第二トルク値T2が大きい期間(第二トルク値の変化率が第一トルク値T1の変化率よりも大きい期間)は、第二トルク値T2を目標トルク値Tとして設定して、要求トルク値Tdの急激な増加に追従しやすい制御を可能としている。他方で、第一トルク値T1が大きい期間(第一トルク値T1の変化率が第二トルク値T2の変化率よりも大きい期間)は、第一トルク値T1を目標トルク値Tとして設定しているので、要求トルク値Tdにほぼ一致するまでに時間がかからず加速感を損なわない制御を可能としている。また、このように第一トルク値T1及び第二トルク値T2の大小で最初の所定期間及び次の所定期間を設定すれば、簡易に第一トルク値T1及び第二トルク値T2を選択することができるので、その結果、簡易に、かつ精度良く目標トルク値Tを設定することが可能である。
このように、本実施形態では、一次遅れ処理及びゲイン値の加算処理という簡易な処理のみで目標トルク値Tを設定できる。特に、一次遅れフィルタ処理は、要求トルク値Tdが制御途中で変化した場合であっても追従しやすく、ドライバビリティがよいという利点を有している。また、本実施形態においては、目標トルク値設定手段40は、所定の運転状態となってから所定期間は設定された第二トルク値T2を目標トルク値Tとして設定し、所定期間経過後は、設定された第一トルク値T1を目標トルク値Tとして設定するように構成されている。このことにより、これらの一次遅れフィルタ処理及びゲイン処理を用いた場合の利点を有すると共に、一次遅れフィルタ処理のみ及びゲイン処理のみを用いた場合の欠点を除外している。
また、この目標トルク値Tを設定する場合に、目標トルク値Tは要求トルク値Td以下となる必要がある。そこで、目標トルク値Tを設定する場合、目標トルク値設定手段40は、第一トルク値T1及び第二トルク値T2のいずれか大きい方を仮の目標トルク値(第一目標トルク値)Tvとし、この仮の目標トルク値Tvと要求トルク値Tdとを比較して小さい方の値を目標トルク値Tとするように構成されている。
以下、目標トルク値の設定について、図2を用いて説明する。図2は、目標トルク値を設定する工程を説明するためのフローチャートである。
制御がスタートすると、ステップS1では、アクセルポジションセンサ38により検出されたアクセルペダル37の操作開度を示す検出情報に基づいて、要求トルク値設定手段41によりドライバの要求トルク値Tdを設定する。この設定後は、ステップS2に進む。
ステップS2では、車両が所定の運転状態にあるかどうかを判断する。本実施形態では、一例として燃料カット復帰時かどうかを判断する。具体的には、t=n(nは工程数)における燃料噴射弁23のインジェクションパルスが正であり、かつ、t=n−1におけるインジェクションパルスが0であるかどうかにより燃料カット復帰時かどうかを判断する。燃料カット復帰時でない場合(NO)には、ステップS3に進み、変数mに定数mを入力する。
他方で、燃料カット復帰時である場合(YES)には、ステップS4へ進み、変数mに定数nを入力する。
上記ステップS3又はステップS4を経た後は、ステップS5に進む。このステップS5では、ステップS3及びステップS4で得られた変数mの値を、t−(m+α)の式に代入する。ここで、αは所定値を示し、各シリンダでの1回目の燃焼回数の総和(即ちエンジン2回転分の燃焼回数の総和で、例えば4気筒であれば4となる)であり、燃料カット復帰時以外の場合には0となる。また、tは、工程数を表す変数である。従って、例えばt=nで、かつ、燃料カット復帰後である場合には、t=n、m=nが上記式に入力されるので、式は−αとなり、負の値となる。一般に、この式の値が正にならない場合(負の値及び0になる場合)は、燃料カット復帰後でない場合、及び燃料カット復帰後から所定工程数を経るまでの場合である。
他方で、この式の値が正になる場合とは、t=n+α+1以上となった場合、つまり、燃料カット復帰後から所定工程数、即ち燃焼回数分の工程数を経た場合を意味する。これは、燃料カット復帰後の各気筒一回目の燃料については、その直前が燃料カット中であるために燃焼しておらず、筒内に残留ガスが残っていないため、この場合にドライバの要求トルク値から目標トルク値を設定すると、トルクショックが生じることがあるからである。
ステップS5では、式t−(m+α)について、その値が負である場合(NO)には、ステップS6へ進み、目標トルク値設定手段は、仮の目標トルク値Tvを限定トルク値TLに設定する。一方、その値が正である場合(YES)には、ステップS7以降の工程へ進む。ステップS7では、第一トルク値T1を設定する。具体的には、前回設定した仮の目標トルク値Tvに、テーリングゲイン値を加算して第一トルク値T1を算出する。
次いで、ステップS8に進み、要求トルク値Tdに対して一次遅れフィルタ処理を行って第二トルク値T2を設定する。具体的には、前回設定した仮の目標トルク値Tvに所定値Kを乗じたものに、1から所定値Kを減算したものを要求トルク値Tdに乗じたものを加算して第二トルク値T2を算出する(Tv×K+(1−K)×Td)。このように、本実施形態では、加算処理と一次遅れフィルタ処理という簡易な処理により目標トルク値Tを設定できる。
次いで、ステップS9に進み、第一トルク値T1と第二トルク値T2のどちらが大きいかを比較する。そして、第二トルク値T2が第一トルク値T1よりも大きい場合(NO)には、ステップS10へ進み、仮の目標トルク値Tvに第二トルク値T2を設定する。また、第一トルク値T1が第二トルク値T2よりも大きい場合(YES)には、ステップS11に進み、仮の目標トルク値Tvに第一トルク値T1を設定する。
上記ステップS6、ステップS10及びステップS11のいずれかを経た後、ステップS12へ進む。ステップS12では、要求トルク値Tdが仮の目標トルク値Tvよりも大きいかどうかを判断する。要求トルク値Tdが仮の目標トルク値Tvよりも小さい場合(NO)には、ステップS13へ進み、目標トルク値Tに要求トルク値Tdを設定する。要求トルク値Tdが仮の目標トルク値Tvよりも大きい場合(YES)には、ステップS14へ進み、目標トルク値Tに仮の目標トルク値Tvを設定する。このように、本実施形態では、目標トルク値Tとして要求トルク値Tdよりも大きいものが設定されないように構成されている。
以上のようにして、本実施形態のエンジンの制御装置10においては、目標トルク値Tを簡易な構成で設定することができる。この場合、得られた目標トルク値Tは、例えば図3に示すようなものとなる。図3は、目標トルク値について説明するためのグラフである。
ドライバの要求するトルク値である要求トルク値Tdは、時刻t=t1で車両が所定の運転状態となり、トルクがTq1まで上昇し、その後Tq1で一定となっている。目標トルク値Tは、t1≦t<t2までは、緩やかにカーブを描いて上昇している。即ち、t1≦t<t2は、第二トルク値T2が第一トルク値T1よりも大きい所定期間であり、目標トルク値Tvとして第二トルク値T2が設定されている。そして、t2≦t<t3では、目標トルク値Tは漸増している。即ち、t2≦t<t3は、第一トルク値T1が第二トルク値T2よりも大きい所定期間経過後であり、第一トルク値T1が仮の目標トルク値Tvとして設定されている。そして、t3≦tでは、要求トルク値Tdが目標トルク値Tとして設定されている。
このように、要求トルク値Tdが急激に上昇した場合に、初めは一次遅れフィルタ処理がなされた第二トルク値T2が目標トルク値Tとして設定されていることで、加速感を損なうことがない。そして、その後ゲイン値を加算した第一トルク値T1を目標トルク値Tとして設定していることから、目標トルク値Tがスムーズに増加して要求トルク値Tdに一致することができる。この設定された目標トルク値Tに応じて、エンジンの制御が行われるので、本実施形態のエンジンにおいては、トルクショックを抑制しつつも加速感を損なわないので、車両のドライバビリティの低下を効果的に防止することができる。
本実施形態では、目標トルク値設定手段40による目標トルク値の設定において簡易にトルク値を設定するために、目標トルク値設定手段40は、要求トルク値Tdに対して所定のゲイン値を加算して第一トルク値T1を設定する第一トルク値設定手段42と、一次遅れフィルタ処理を行って第二トルク値T2を設定する第二トルク値設定手段43とを備えているが、例えば、図3で示すようなトルクショックを抑制しつつも加速感を損なわない目標トルク値を設定することができれば、他の処理を用いても良い。
また、最初の所定期間は、車両が所定の運転状態になってから少なくとも最初の所定期間をいうことから、車両が所定の運転状態になってから最初の所定期間に第二トルク値T2を仮の目標トルク値Tvとして設定し、次の所定期間第一トルク値T1を仮の目標トルク値Tvとして設定し、その後さらに次の所定期間で再度第二トルク値T2を仮の目標トルク値Tvとして設定することを繰り返す場合も本実施形態に含まれる。
また、本実施形態では目標トルク値設定手段40と要求トルク値設定手段41とは別の手段としているが、目標トルク値設定手段40が要求トルク値設定手段41を備えているように構成することも可能である。さらにまた、本実施形態では目標トルク値設定手段40が第一トルク値設定手段42及び第二トルク値設定手段43を備えているが、これらを目標トルク値設定手段40とは別の手段として構成してもよい。
また、本実施形態では、燃料カット復帰時に目標トルク設定を行うように構成しているが、燃料カット復帰時に限られず、車両の過渡運転時や車両の変速時等、エンジントルクが急に変化する場合に用いることができる。
本発明の内燃機関の制御装置は、例えば自動車製造産業において利用可能である。
本実施形態のエンジンシステムの構成を示す模式図である。 本実施形態のエンジンシステムの作動を説明するためのフローチャートである。 本実施形態のエンジンシステムによる目標トルク値を説明するためのグラフである。
符号の説明
10 制御装置
11 エンジン
37 アクセルペダル
38 アクセルポジションセンサ
40 目標トルク値設定手段
41 要求トルク値設定手段
42 第一トルク値設定手段
43 第二トルク値設定手段

Claims (8)

  1. ドライバの要求に応じて要求トルク値を設定する要求トルク値設定手段と、
    車両の所定の運転状態に応じて、前記要求トルク値とは異なる第一目標トルク値を設定する第一目標トルク値設定手段と、
    前記要求トルク値と前記第一目標トルク値に基づいて第二目標トルク値を設定する第二目標トルク設定手段と、
    前記第二目標トルク値に応じて内燃機関を制御する制御手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記第一目標トルク値設定手段は、
    前回設定された前記第一目標トルク値に所定のゲイン値を加算して第一トルク値を設定する第一トルク値設定手段と、
    前回設定された前記第一目標トルク値を基に、前記要求トルク値を入力として一次遅れフィルタ処理を行って第二トルク値を設定する第二トルク値設定手段とを備え、
    これらの第一トルク値及び第二トルク値に基づいて今回の第一目標トルク値を設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記第一目標トルク値設定手段は、
    前記車両が前記所定の運転状態になってから最初の所定期間に、前記第二トルク値を前記第一目標トルク値として設定し、
    前記最初の所定期間経過後の次の所定期間に、前記第一トルク値を前記第一目標トルク値として設定することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記第一目標トルク値設定手段は、
    前記第二トルク値が前記第一トルク値よりも大きい期間を前記最初の所定期間として設定し、この所定期間においては前記第二トルク値を前記第一目標トルク値として設定し、
    前記第一トルク値が前記第二トルク値よりも大きい期間を前記次の所定期間として設定し、この所定期間においては前記第一トルク値を前記第一目標トルク値として設定することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記第二目標トルク設定手段は、前記要求トルク値と前記第一目標トルク値とを比較して小さい値を前記第二目標トルク値として設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記内燃機関への燃料の供給を一時的にカットする燃料カット手段をさらに備え、
    前記所定の運転状態は、燃料カット復帰状態であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記所定の運転状態は、前記車両が加速運転状態であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記所定の運転状態は、前記車両の変速状態であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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