JP2010112184A - 過給機用ガス分流装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】過給機のハウジング温度が低い場合でも、過給装置の下流側に位置する触媒装置内の触媒を短時間に触媒活性温度まで高めることができ、かつ過給装置が多段であり、タービンが直列又は並列に接続される場合でも、各タービンにエンジンからの排気ガスを必要量の供給することができる過給機用ガス分流装置を提供する。
【解決手段】エンジンEからの排気ガス1を過給装置20と触媒装置30に供給する過給機用ガス分流装置10。エンジンのエキゾーストマニホールドと常時連通し、排気ガス1を内部に収容可能であり、内部と外部を連通する3以上の開口12a〜12cを有する中空マニホールド12と、各開口にそれぞれ設けられ各開口を通過する流量を制御可能な2以上の流量制御バルブ14A〜14Cと、流量制御バルブの1つ14Aを触媒装置30に直接連通させる主排気管16とを備える。流量制御バルブの残り14B,14Cのうち少なくとも1つは、過給装置20のタービンTに連通し、かつタービンTの排気ガス1は主排気管16に連通する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンからの排気ガスを過給装置と触媒装置に供給する過給機用ガス分流装置に関する。
過給機(ターボチャージャ)は、タービンとコンプレッサが機械的に連結されており、エンジンの排気ガスでタービンを回転駆動し、これと連結されたコンプレッサで吸入空気を圧縮して加圧された空気をエンジンに供給し、エンジンの性能を向上させる装置である。
また、2段過給とは、高圧の空気を得るために2台の過給機のコンプレッサを直列に接続した過給機方式である。この場合、タービンは、直列(シリーズ)又は並列(パラレル)に接続される。
さらに、2台の過給機のタービンを直列に接続する場合もある。この場合、コンプレッサは、直列又は並列に接続される。
以下、本出願において、2台のコンプレッサを直列に、2台のタービンを直列又は並列に接続する過給装置を「2段過給装置」と呼び、2台のコンプレッサを並列に、2台のタービンを直列又は並列に接続する過給装置を「パラレルツイン過給装置」と呼ぶ。
図3は、従来の2段過給装置及びパラレルツイン過給装置の全体模式図であり、(A)は、コンプレッサとタービンの両方を直列接続した例、(B)はコンプレッサとタービンの両方を並列接続した例である。
この図において、Tはタービン、Cはコンプレッサ、Eはエンジン、I/Cはインタークーラ、W/Gは排気弁(ウェイストゲート)である。排気弁W/Gは、バキューム又はパイロット圧により開閉する開閉弁である。
図3(A)に示すように、一般に直列接続では、高圧段タービンハウジング51にバイパス通路53と排気弁W/Gを備え、低圧段タービンハウジング52の出口と排気弁W/Gの出口は、出口配管54に接続される。
一方、図3(B)に示すように、並列接続では高圧段タービンハウジング51、低圧段タービンハウジング52それぞれに排気弁W/Gを備え、高圧段タービンハウジング51の入口に流量制御バルブ55を設け、エンジンEからの排気ガスの流入量を制御している。したがって、高圧段タービンハウジング51の出口と低圧段タービンハウジング52の出口が出口配管54に接続される。
さらに、図3において2段過給装置及びパラレルツイン過給装置の下流側には、エンジンEからの排気ガスに含まれるNOxやPM(微細物質)を除去する触媒を内蔵する触媒装置56が設置される。この触媒装置56は、エンジンEからの排気ガスにより内部の触媒をその活性温度まで高めるようになっている。
しかし、上述した従来の2段過給装置及びパラレルツイン過給装置では、エンジンEからの排気ガスが必ず過給機を通るため、タービンハウジング51、52の温度が低い起動時等に、過給機が持つ熱容量のために、触媒温度の上昇が妨げられる問題点があった。
この問題点を解決するために、例えば特許文献1が既に提案されている。
特許文献1は、始動課程において高効率の触媒を有する内燃機関用過給装置を目的とする。
そのため、この装置は、図4(A)(B)に示すように、それぞれ共通軸を介して結合されているタービンT及び圧縮機Cを備え、排気側でタービンTの後方に直列に設けられている少なくとも一つの触媒60を備え、内燃機関の低温時に触媒60を急速加熱するためのバイパス装置62を備え、バイパス装置62が、それぞれのタービンTをバイパスするための、少なくとも一つのタービンに並列に配置されたバイパス配管63を有し、及びバイパス装置62が切換バルブ64を有し、切換バルブ64は排気側で配管及びタービンからなる並列配置の手前に直列に設けられ、及び切換バルブ64により、排気ガスのどれだけの部分量が場合によりタービンを介して、及びどれだけの部分量が場合によりバイパス配管63を介して触媒60に直接供給されるかを設定するものである。
特開2004−100694号明細書、「内燃機関用過給装置及びこのような過給装置を備えた内燃機関」
上述したように、特許文献1の内燃機関用過給装置は、ハウジング65内に切換バルブ64を設け、バイパス配管63に直接排気ガスを導くようになっている。
しかし、切換バルブをハウジング内に組み込むことは、例えばハウジングが並列接続されるパラレルツイン過給において、1つの排気ガス流路から3方に分流する必要があり、設計・製造上、難しいという問題点があった。
また、特許文献1の装置では、エンジンからの排気ガスが必ずハウジングを通るため、ハウジングの温度が低い起動時等に、過給機が持つ熱容量のために、触媒温度の上昇が妨げられる問題点があった。
さらにこの装置では、バイパス装置がタービン及び/又は全体過給装置のハウジング内に組み込まれているので、過給機交換の際、前後の配管等も分解する必要があり、過給機交換に時間と手間がかかる問題点があった。
本発明は上述した従来の問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、(1)過給機のハウジング温度が低い場合でも、過給装置の下流側に位置する触媒装置内の触媒を短時間に触媒活性温度まで高めることができ、かつ(2)過給装置が多段であり、タービンが直列又は並列に接続される場合でも、各タービンにエンジンからの排気ガスを必要量の供給することができ、(3)過給機交換の際、前後の配管等も分解することなく、モジュールとして過給機交換が短時間に簡単にできる過給機用ガス分流装置を提供することにある。
本発明によれば、エンジンからの排気ガスを過給装置と触媒装置に供給する過給機用ガス分流装置であって、
エンジンのエキゾーストマニホールドと常時連通し、前記排気ガスを内部に収容可能であり、内部と外部を連通する3以上の開口を有する中空マニホールドと、
前記各開口にそれぞれ設けられ、該各開口を通過する流量を制御可能な2以上の流量制御バルブと、
該流量制御バルブの1つを前記触媒装置に直接連通させる主排気管と、を備え、
前記流量制御バルブの残りのうち少なくとも1つは、過給装置のタービンに連通し、かつ該タービンの排気ガスは前記主排気管に連通する、ことを特徴とする過給機用ガス分流装置が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記中空マニホールドは、1側面がエキゾーストマニホールドに直結された直方体マニホールドであり、該直方体マニホールドの残る5側面のうち少なくとも2側面に前記開口が設けられ、
前記流量制御バルブは、前記開口を直方体マニホールドの内側で開閉する開閉弁を有する。
また、前記過給装置は、2台のタービンが直列又は並列に接続された2段過給装置である、ことが好ましい。
本発明の構成によれば、エンジンのエキゾーストマニホールドと常時連通する中空マニホールドの開口に設けられた流量制御バルブの1つが、主排気管を介して触媒装置に連通するので、エンジン始動時に主排気管へ通じる流量制御バルブのみを開くことで、効率良く触媒を活性することができる。従って、過給機のハウジング温度が低い場合でも、過給装置の下流側に位置する触媒装置内の触媒を短時間に触媒活性温度まで高めることができる。
また中空マニホールドの開口に設けられた流量制御バルブの残りのうち少なくとも1つは、過給装置のタービンに連通し、かつ該タービンの排気ガスは前記主排気管に連通するので、エンジン始動の後には、それぞれの流量制御バルブの開度を調整することにより、タービンの目的にあった流量のガスを流すことが可能となる。
従って、過給装置が多段であり、タービンが直列(シリーズ)又は並列(パラレル)に接続される場合でも、各タービンに目的にあった必要量の排気ガスを供給することができる。
特に、タービンが並列(パラレル)に接続される場合には、それぞれのタービンに必要量の排気ガスを供給することができるので、従来パラレル過給機で必要であったウェイストバルブを不要にできる。
さらに、本発明の過給機用ガス分流装置は、タービンが組込まれているハウジングと別体構造であるので、過給機交換の際、前後の配管等も分解することなく、モジュールとして過給機交換が短時間に簡単にできる。
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の過給機用ガス分流装置の構成図である。本発明の過給機用ガス分流装置10は、エンジンからの排気ガス1を過給装置20と触媒装置30に供給する装置である。
この図に示すように、本発明の過給機用ガス分流装置10は、単一の中空マニホールド12、2以上(この例では3つ)の流量制御バルブ14A〜14C、及び単一の主排気管16を備える。
単一の中空マニホールド12は、エンジンのエキゾーストマニホールド2と常時連通する。またこの中空マニホールド12は、エンジンからの排気ガス1を内部に収容可能な中空空間を内部に有する。さらに中空マニホールド12は、内部と外部を連通する3以上の開口12a〜12cを有する。
この例では、中空マニホールド12は、1側面がエキゾーストマニホールド2にフランジを介して直結された直方体マニホールドである。またこの直方体マニホールド12の残る5側面のうち少なくとも2側面(この例では3側面)に上述した開口12a〜12cが設けられている。
流量制御バルブ14A〜14Cは、開口12a〜12cにそれぞれ設けられ、各開口12a〜12cを通過する流量を制御可能に構成されている。
この例では、各流量制御バルブ14A〜14Cは、開口12a〜12cを直方体マニホールド12の内側で開閉する開閉弁15を有する。また各開閉弁15は、図示しないアクチュエータにより、開閉弁15を開閉し各開口12a〜12cを通過する流量を制御するようになっている。アクチュエータは、例えば流体圧シリンダ、電動シリンダ、ダイアフラムシリンダ、等を用いることができる。
なお、本発明はこの構成に限定されず、周知の流量制御バルブを中空マニホールド12の外面に取り付けてもよい。
単一の主排気管16は、流量制御バルブの1つ(この例では流量制御バルブ14A)を触媒装置30に直接連通させる排気管である。
また、流量制御バルブの残りのうち少なくとも1つ(この例では流量制御バルブ14B、14C)は、過給装置20のタービンに連通し、かつタービンの排気ガスは主排気管16に連通する。
上述した構成により、流量制御バルブ14A〜14Cにより、各開口12A〜12Cを通過する流量を制御し、過給装置20及び触媒装置30に流入する排気ガス1の流量を自由に調節することができる。
図2は、本発明による過給機用ガス分流装置を備えた2段過給装置の全体構成図である。この図において、(A)はコンプレッサCとタービンTの両方を直列接続した例、(B)はコンプレッサCとタービンTの両方を並列接続した例である。
この図において、Tはタービン、Cはコンプレッサ、Eはエンジン、I/Cはインタークーラである。
図2(A)(B)において、過給装置20は、高圧段ハウジング21と低圧段ハウジング22からなり、高圧段過給機23は高圧段ハウジング21に、低圧段過給機24は低圧段ハウジング22に一体モジュールとして組込まれている。
図2(A)では、上述した流量制御バルブ14Bが高圧段ハウジング21内の流路を介して高圧段過給機23のタービンTに連通し、その出口が低圧段過給機24のタービンTに連通して、2つのタービンTを直列接続している。なお、この場合、流量制御バルブ14Cは全閉を維持する。
さらにこの例では、高圧段ハウジング21にバイパス通路27と排気弁26が設けられ、低圧段ハウジング22の出口配管28と排気弁26のバイパス通路27は、上述した主排気管16に接続される。
また、低圧段過給機24のコンプレッサCの出口が高圧段過給機23のコンプレッサCに連通し、2つのコンプレッサCを直列接続している。なお、25は排気弁であり、バキューム又はパイロット圧により開閉して、高圧段過給機23のコンプレッサCへ供給される圧縮空気の量を調節するようになっている。
上述した構成により、本発明の過給機用ガス分流装置10を用いて、コンプレッサCとタービンTの両方を直列接続することができる。また、この構成により、エンジン始動時に主排気管16へ通じる流量制御バルブ14Aのみを開くことで、効率良く触媒を活性することができる。
また、エンジン始動後には、それぞれの流量制御バルブ14A〜14Cの開度を調整することにより、タービンTの目的にあった流量のガスを流すことが可能である。
さらに、過給機交換の際、前後の配管等も分解することなく、モジュールとして過給機交換が短時間に簡単にできる。
図2(B)では、上述した流量制御バルブ14Bが高圧段ハウジング21内の流路を介して高圧段過給機23のタービンTに連通し、その出口配管29aは、上述した主排気管16に接続されている。また、上述した流量制御バルブ14Cが低圧段ハウジング22内の流路を介して低圧段過給機24のタービンTに連通し、その出口配管29bは、主排気管16に接続されている。
また、低圧段過給機24のコンプレッサCの出口と高圧段過給機23のコンプレッサCの出口がインタークーラI/Cに連通し、2つのコンプレッサCを並列接続している。なお、25は排気弁であり、バキューム又はパイロット圧により開閉して、高圧段過給機23のコンプレッサCから排気される圧縮空気の量を調節するようになっている。
上述した構成により、本発明の過給機用ガス分流装置10を用いて、コンプレッサCとタービンTの両方を並列接続することができる。また、この構成により、エンジン始動時に主排気管16へ通じる流量制御バルブ14Aのみを開くことで、効率良く触媒を活性することができる。
また、エンジン始動後には、それぞれの流量制御バルブ14A〜14Cの開度を調整することにより、タービンTの目的にあった流量のガスを流すことが可能である。
特に、タービンが並列接続される場合には、それぞれのタービンに必要量の排気ガスを供給することができるので、従来パラレル過給機で必要であったウェイストゲートバルブを不要にできる。
さらに、過給機交換の際、前後の配管等も分解することなく、モジュールとして過給機交換が短時間に簡単にできる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
本発明の過給機用ガス分流装置の構成図である。 本発明による過給機用ガス分流装置を備えた2段過給装置の全体構成図である。 従来の2段過給装置及びパラレルツイン過給装置の全体模式図である。 特許文献1の装置の模式図である。
符号の説明
1 排気ガス、2 エキゾーストマニホールド、
10 過給機用ガス分流装置、
12 中空マニホールド(直方体マニホールド)、12a〜12c 開口、
14A〜14C 流量制御バルブ、15 開閉弁、16 主排気管、
20 過給装置、
21 高圧段ハウジング、22 低圧段ハウジング、
23 高圧段過給機、24 低圧段過給機、
25,26 排気弁、27 バイパス通路、
28,29a,29b 出口配管、
30 触媒装置

Claims (3)

  1. エンジンからの排気ガスを過給装置と触媒装置に供給する過給機用ガス分流装置であって、
    エンジンのエキゾーストマニホールドと常時連通し、前記排気ガスを内部に収容可能であり、内部と外部を連通する3以上の開口を有する中空マニホールドと、
    前記各開口にそれぞれ設けられ、該各開口を通過する流量を制御可能な2以上の流量制御バルブと、
    該流量制御バルブの1つを前記触媒装置に直接連通させる主排気管と、を備え、
    前記流量制御バルブの残りのうち少なくとも1つは、過給装置のタービンに連通し、かつ該タービンの排気ガスは前記主排気管に連通する、ことを特徴とする過給機用ガス分流装置。
  2. 前記中空マニホールドは、1側面がエキゾーストマニホールドに直結された直方体マニホールドであり、該直方体マニホールドの残る5側面のうち少なくとも2側面に前記開口が設けられ、
    前記流量制御バルブは、前記開口を直方体マニホールドの内側で開閉する開閉弁を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の過給機用ガス分流装置。
  3. 前記過給装置は、2台のタービンが直列又は並列に接続された2段過給装置である、ことを特徴とする請求項1に記載の過給機用ガス分流装置。
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