JP2010111860A - 粒状組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 式(1)で示される化合物と、式(2)で示される化合物とを含む粒状組成物であって、該組成物100重量%に対して、式(1)で示される化合物を99.9〜80重量%、式(2)で示される化合物を0.1〜20重量%含有する粒状組成物。
(式(1)中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基を表し、R3 は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。Xは、単結合、硫黄原子、酸素原子、炭素数1〜8のアルキリデン基又は炭素数5〜8のシクロアルキリデン基を表す。)
(式(2)中、R11は炭素数1〜30の直鎖アルキル基又は炭素数3〜60の分枝鎖アルキル基であり、該アルキル基には、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜30のアルキルカルボニルオキシ基が結合していてもよく、該アルキル基、該アルコキシカルボニル基及び該アルキルカルボニルオキシ基に含まれるメチレン基は硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよい。R12は、炭素数1〜30の直鎖アルキル基、炭素数3〜30の分枝鎖アルキル基、又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、該アルキル基又は該アラルキル基には、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜30のアルキルカルボニルオキシ基が結合していてもよく、該アルキル基、該アラルキル基、該アルコキシカルボニル基及び該アルキルカルボニルオキシ基に含まれるメチレン基は硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよい。)
[3] 粒状組成物1粒当りの重量が1mg〜25mgであることを特徴とする[1]又は[2]記載の粒状組成物。
[4] 式(2)で示される化合物が、オクタデシル 3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、グリセリンモノステアレート、ジミリスチル 3,3’−チオジプロピオネート、及び、ジスチリル 3,3’−チオジプロピオネートからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか記載の粒状組成物。
[5] 粒状組成物の形状が、略球状又は略半球状であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか記載の粒状組成物。
前記溶融工程で得られた溶融物を粒状に固化する成形工程、
を含むことを特徴とする粒状組成物の製造方法。
(式(1)中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基を表し、R3 は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。Xは、単結合、硫黄原子、酸素原子、炭素数1〜8のアルキリデン基又は炭素数5〜8のシクロアルキリデン基を表す。)
(式(2)中、R11は炭素数1〜30の直鎖アルキル基又は炭素数3〜60の分枝鎖アルキル基であり、該アルキル基には、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜30のアルキルカルボニルオキシ基が結合していてもよく、該アルキル基、該アルコキシカルボニル基及び該アルキルカルボニルオキシ基に含まれるメチレン基は硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよい。R12は、炭素数1〜30の直鎖アルキル基、炭素数3〜30の分枝鎖アルキル基、又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、該アルキル基又は該アラルキル基には、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜30のアルキルカルボニルオキシ基が結合していてもよく、該アルキル基、該アラルキル基、該アルコキシカルボニル基及び該アルキルカルボニルオキシ基に含まれるメチレン基は硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよい。)
[8] 熱可塑性ポリマーを熱安定化させるための[1]〜[5]のいずれか記載の粒状組成物の使用。
ここで、アルキリデン基としては、メチレン基、エチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基などが例示され、シクロアルキリデン基としては、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基などが例示される。中でも、メチレン基、エチリデン基又は、ブチリデン基が好ましい。
化合物(1)としては、異なる複数種の化合物(1)を併用してもよい。
該アルキル基には、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜30のアルキルカルボニルオキシ基が結合していてもよく、該アルキル基、該アルコキシカルボニル基及び該アルキルカルボニルオキシ基に含まれるメチレン基は硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよい。
R11の具体例としては、上記アルキル基に加え、下記式で表される基等が挙げられる。
該アルキル基及び該アラルキル基には、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜30のアルキルカルボニルオキシ基が結合していてもよく、該アルキル基に含まれるメチレン基は硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよい。R12の具体例としては、2,3−ジヒドロキシプロポルオキシ基、−CH2CH2SCH2CH2COOC12H25、−CH2CH2SCH2CH2COOC14H29、−CH2CH2SCH2CH2COOC18H37、下記式で表されるアラルキル基などが例示される。
化合物(2)としては、例えば、オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(融点50〜55℃、Irganox 1076 チバ スペシャリティ ケミカルズ社の登録商標)などのフェノール系酸化防止剤、
化合物(2)としては、異なる複数種の化合物(2)を併用してもよい。
また、該組成物100重量%に対して、化合物(2)を通常0.1〜20重量%、好ましくは0.3〜10重量%、より好ましくは0.5〜10重量%含有する。
前記溶融工程で得られた溶融物を粒状に固化する成形工程を含む製造方法などが例示される。
具体的には、前記溶融工程で得られた溶融物を、例えば、滴下管から滴下する方法、例えば、ロールドロップ式造粒機、ロートフォーム式造粒機等に充填したのちに滴下する工程などが挙げられる。
ここで、ロールドロップ式造粒機とは、通常、突起を有する回転ドラムを有しており、溶融物は該突起の先端部に掻き取られ、該回転ドラムが回転して得られる遠心力及び/又は重力の作用にて板上に該溶解物が滴下する機構を有する造粒機である。
ロートフォーム式造粒機とは、通常、円筒部を有しており、該円筒部は孔を有し、該円筒部の内部に溶融物を受け入れる構造を有しており、該孔から板上に該溶解物が滴下する機構を有する造粒機である。
特にロートフォーム式造粒機による滴下が好ましい。
板の滴下される面は、通常、平滑である。
板はベルトであれば、ベルトを動かしながら冷却すればよく、静置された板で固化されれば、固化した後、板から取り出せばよい。
本発明の粒状組成物は、通常、冷却されて10秒〜10分程度の短時間で、化合物(1)の融点±10℃の温度範囲内に吸熱ピークを有する粒状組成物を得ることができる。
具体的には、粒状組成物が略半球状である場合、その粒径が略半球状である場合、その粒径が1mm〜8mm、好ましくは2mm〜7mm、その高さが1mm〜5mm、好ましくは1mm〜4mmに調整すればよい。
ポリマーの熱安定剤として用いる場合、粉立ちをほとんど生じることなくポリマーに配合することができる。また、粉立ちをほとんど生じることなくペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの炭化水素溶媒に溶解させた上で熱可塑性ポリマーに配合してもよい。
本発明の粒状組成物を熱可塑性ポリマーに配合した後、通常、溶融混錬するなどして化合物(1)及び(2)はポリマーに分散されて、本発明の熱可塑性ポリマー組成物を得ることができる。本発明の熱可塑性ポリマー組成物における化合物(1)及び化合物(2)の分散性は、化合物(1)及び化合物(2)を別々に熱可塑性ポリマーに配合したのち溶融混錬して得られる熱可塑性ポリマー組成物におけるこれらの分散性と略同等である。
化合物(1)としては、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート(融点115℃、住友化学株式会社製、化合物(1−1))を用いた。
化合物(2)としては、グリセリンモノステアレート(以下、化合物(i)と記すことがある。融点65〜70℃、帯電防止剤)、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート(以下、化合物(ii)と記すことがある。融点49〜54℃、硫黄系酸化防止剤)、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート(以下、化合物(iii)と記すことがある。融点65〜67℃、硫黄系酸化防止剤)、オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(以下、化合物(iv)と記すことがある。融点55℃、フェノール系酸化防止剤、チバ スペシャリティ ケミカルズ登録商標、Irganox 1076)を用いた。
溶融工程:溶融タンクに、化合物(1)と化合物(iv)とを重量比10:1の混合割合で仕込み、145℃に加熱して溶融物を得た。
成形工程:30℃の冷却水で冷却したステンレス板上に前記工程で得られた溶融物を滴下し冷却したところ、平均粒径5.0mm、平均粒高さ1.5mm、平均粒重量13.6mgの略半球状の粒状組成物aを得た。粒状組成物aには粉立ちは認められなかった。
この粒状組成物について、下記の方法により、粒径、重量、DSC分析及びブロッキング防止性能を測定した。
ノギスのジョウ部にて得られた粒状組成物の水平方向を粒径、垂直方向を高さとして目盛を読み取った。同様の測定を各試料10回繰り返して測定し、その平均値をそれぞれ、粒径(幅)、高さとした。
メトラー・トレド社製精密天秤を用いて得られた粒状組成物一粒の数値を読み取った。同様の測定を各試料20回繰り返して測定し、その平均値をそれぞれ粒状組成物一粒の重量とした。
島津製作所製、示差走査熱量測定器DSC−60Aを用い、得られた粒状組成物をアルミニウムセルに密閉し、サンプルホルダー内で窒素雰囲気下10℃/分の速度で150℃まで加熱し、吸熱ピークを観察した。結果、115.5℃の吸熱ピークを示した。
温度40℃、湿度80%RH条件の恒温恒湿槽内で得られた10粒程度の粒状組成物に73.6g/cm2の荷重を掛け、1週間放置し目視による粒状組成物同士の固着の有無を確認した。結果を表1に示した。
化合物(1)と化合物(iv)とを重量比100:1の割合で混合する以外は実施例1と同様に行って粒状組成物bを得た。結果を表1にまとめた。尚、粒状組成物bは、DSCにより、120℃の吸熱ピークを示した。
化合物(1)と化合物(i)とを重量比99.5:0.5の割合で混合する以外は実施例1と同様に行って粒状組成物cを得た。結果を表1にまとめた。尚、粒状組成物cは、DSCにより、117.1℃の吸熱ピークを示した。
化合物(1)のみを用い、化合物(2)を全く用いなかったこと以外は実施例1と同様に行って粒状物dを得た。結果を表1にまとめた。粒状物dは、DSCにより、100〜150℃の間で吸熱ピークは認められなかった。
化合物(1)と化合物(iv)とを重量比1:1の割合で混合した以外は実施例1と同様に行って粒状組成物eを得た。結果を表1にまとめた。粒状組成物eは、DSCにより、100〜150℃の間で吸熱ピークは認められなかった。
化合物(2)として、化合物(ii)を用いる以外は実施例2と同様にすれば、粒状組成物を得ることができる。
化合物(2)として、化合物(iii)を用いる以外は実施例2と同様にすれば、粒状組成物を得ることができる。
Claims (8)
- 式(1)で示される化合物と、式(2)で示される化合物とを含む粒状組成物であって、該組成物100重量%に対して、式(1)で示される化合物を99.9〜80重量%、式(2)で示される化合物を0.1〜20重量%含有する粒状組成物。
(式(1)中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基を表し、R3 は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。Xは、単結合、硫黄原子、酸素原子、炭素数1〜8のアルキリデン基又は炭素数5〜8のシクロアルキリデン基を表す。)
(式(2)中、R11は炭素数1〜30の直鎖アルキル基又は炭素数3〜60の分枝鎖アルキル基であり、該アルキル基には、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜30のアルキルカルボニルオキシ基が結合していてもよく、該アルキル基、該アルコキシカルボニル基及び該アルキルカルボニルオキシ基に含まれるメチレン基は硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよい。R12は、炭素数1〜30の直鎖アルキル基、炭素数3〜30の分枝鎖アルキル基、又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、該アルキル基又は該アラルキル基には、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜30のアルキルカルボニルオキシ基が結合していてもよく、該アルキル基、該アラルキル基、該アルコキシカルボニル基及び該アルキルカルボニルオキシ基に含まれるメチレン基は硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよい。) - 式(1)で示される化合物が、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート及び2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1記載の粒状組成物。
- 粒状組成物1粒当りの重量が1mg〜25mgであることを特徴とする請求項1又は2記載の粒状組成物。
- 式(2)で示される化合物が、オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、グリセリンモノステアレート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、及び、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネートからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の粒状組成物。
- 粒状組成物の形状が、略球状又は略半球状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の粒状組成物。
- 式(1)で示される化合物と、式(2)で示される化合物とを含む粒状組成物の製造方法であって、該組成物100重量%に対して、式(1)で示される化合物を99.9〜80重量%、及び式(2)で示される化合物を0.1〜20重量%の混合割合で溶融する溶融工程、並びに、
前記溶融工程で得られた溶融物を粒状に固化する成形工程、
を含むことを特徴とする粒状組成物の製造方法。
(式(1)中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基を表し、R3 は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。Xは、単結合、硫黄原子、酸素原子、炭素数1〜8のアルキリデン基又は炭素数5〜8のシクロアルキリデン基を表す。)
(式(2)中、R11は炭素数1〜30の直鎖アルキル基又は炭素数3〜60の分枝鎖アルキル基であり、該アルキル基には、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜30のアルキルカルボニルオキシ基が結合していてもよく、該アルキル基、該アルコキシカルボニル基及び該アルキルカルボニルオキシ基に含まれるメチレン基は硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよい。R12は、炭素数1〜30の直鎖アルキル基、炭素数3〜30の分枝鎖アルキル基、又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、該アルキル基又は該アラルキル基には、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜30のアルキルカルボニルオキシ基が結合していてもよく、該アルキル基、該アラルキル基、該アルコキシカルボニル基及び該アルキルカルボニルオキシ基に含まれるメチレン基は硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよい。) - 熱可塑性ポリマー100重量部に対し、請求項1〜5のいずれか記載の粒状組成物を0.01〜2重量部配合させることを特徴とする熱可塑性ポリマー組成物の製造方法。
- 熱可塑性ポリマーを熱安定化させるための請求項1〜5のいずれか記載の粒状組成物の使用。
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