JP2010111662A - 喫煙による循環機能不全の予防/改善または治療剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】イコサペント酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として、有効量含有する、喫煙に関連する複合的循環機能異常の予防および/または治療用の医薬または健康食品用組成物を提供する。喫煙による複合的循環機能障害もしくは不全、禁煙補助用ニコチン製剤によって引き起こされる多岐にわたる循環作用を予防および/または治療することができる。
【選択図】図2
Description
従来より、喫煙が、肺癌および肺気腫などの呼吸器疾患の危険性を高めることは、良く知られている。しかし、心筋梗塞、末梢閉塞性疾患、脳卒中などの循環器疾患の危険性を高めることは、あまり知られていない(非特許文献1)。
近年、喫煙による循環器疾患に対する影響に関しても、種々の知見が得られている。喫煙男性の心筋梗塞による死のリスクは、非喫煙者の4.25倍である。喫煙者の虚血性心疾患発生率は、非喫煙者の5倍である(非特許文献2)。さらに、喫煙男性の脳卒中リスクは、非喫煙者の約1.27倍である(非特許文献3)。中年男性の全死亡に対する喫煙の寄与率は、17%〜34%である(非特許文献4)。
しかしながら、循環器学会などが、喫煙は「喫煙病(依存症+喫煙関連疾患)」という全身疾患であると位置づけているように(非特許文献6)、喫煙者の69.7%がニコチン依存症であり(非特許文献7)、禁煙はその依存性のゆえに、必ずしも容易ではない。例えば、35%の喫煙者は毎年禁煙を試みるが、独力で禁煙に成功するものは5%以下であり(非特許文献8)、自主的な禁煙率は6.4%であると推定されている(非特許文献9)。
すなわち、喫煙者には、禁煙に加え、肺癌および肺気腫などの呼吸器疾患や心筋梗塞、末梢閉塞性疾患、脳卒中、動脈硬化などの循環器疾患などの喫煙関連疾患に対する治療も必要である。一方、禁煙しないもしくは禁煙できない喫煙者に対しては、喫煙関連疾患に関する治療が、より一層必要である。
すなわち、喫煙により:
1)血漿ノルエピネフィリン・エピネフィリン濃度増加、血圧上昇、心拍数増加、不整脈、血中スロンボキサンA2濃度上昇、血中プロスタサイクリン濃度低下、血管内皮機能障害、血清NO濃度低下などの、自律神経系および心血管系に対する異常;
2)血小板機能亢進、血中スロンボキサンA2濃度上昇、血中プロスタサイクリン濃度低下、血中フィブリノーゲン濃度上昇、血液粘度増加などの、血液凝固系に対する異常;
3)血中コレステロール・LDLコレステロール・中性脂肪上昇、血中HDLコレステロール低下、アディポネクチン濃度低下、酸化LDL濃度上昇などの、脂質代謝系の異常;
4)血清脂質過酸化物濃度上昇、尿中8-iso-PGF2α上昇、血中ビタミンC濃度低下、血清過酸化物濃度上昇、酸化LDL濃度上昇、尿中8-iso-PGF2α濃度上昇などの、酸化系の異常;
5)白血球数増加、好中球数増加、血中C反応性蛋白濃度上昇、血中IL-6濃度上昇、内皮細胞への単球接着促進、NF-κB活性化などの、炎症系の異常;
6)血管弾性度低下、赤血球変形能低下、血液粘度増加、血小板機能亢進、血管弾性度低下、血管内膜肥厚、動脈硬化粥腫不安定化などの、組織細胞膜・弾性の異常:
など多岐にわたる異常が複合的に生じることは、タバコ煙中に複数成分が含まれていることと関連していると考えられている。
しかしながら、喫煙による不都合な多岐に渡る様々な異常の各々が、どの時点から、どのようにして、どの程度、さらには、どのように関連しあって、循環器疾患の発症を高めたり進展を促したりしているのか等の詳細については不明である。
第一の解決策は、タバコ煙中の個々の成分に対応する解決策である。タバコ煙含有の個々の成分の有害作用を除去等する薬剤を、喫煙者に投与する。
第二の解決策は、喫煙者において、複合的に生じている、喫煙による不都合な様々な異常に、個々に対応する解決策である。すなわち、自律神経系および心血管系、血液凝固系、脂質代謝系、酸化系、炎症系、および組織細胞膜・弾性に対する不都合な異常の症状ごとに対応する。
第三の解決策は、喫煙者において、複合的に生じている、喫煙による不都合な様々な作用に、全体的に対応する解決策である。すなわち、特定の薬剤をもって、複合的に生じている、喫煙による様々な異常全体を多岐に渡って総合的に除去等する。
しかも、喫煙によって生じ得る異常全てが常に臨床的に顕在化しているわけではなく、臨床的に顕在化する水準以下の顕在化していない異常が、循環機能に影響している可能性がある。その場合、顕在化していないが、循環機能に影響している異常に対して対応しないことになり、循環機能の不全・障害の除去等を不確実にする。そうであるからといって、例えば、自律神経系および心血管系に対する異常と脂質異常とが認められる喫煙者に対して、臨床的に顕在化していない炎症に対する改善剤を投与することも問題がある。
禁煙補助用ニコチン製剤には、ニコチンのみが含まれる。口腔粘膜や皮膚から徐々に体内にニコチンが吸収され、喫煙習慣の脱却に加えて、禁煙に際して生じる離脱症状を軽減し、禁煙を補助する仕組みである(非特許文献14)。しかしながら、ニコチンは多彩な薬理作用を有しており、禁煙補助用ニコチン製剤を適用した場合、ニコチンの循環作用による影響を避けることはできない。
また、MaxEPA(PRANOVA社製)中のEPA含量は18%にしかすぎず、McCarty MFが主張している魚油の効果はEPAの効果とは同一ではない。
すなわち、喫煙が心筋梗塞、末梢閉塞性疾患、脳卒中、動脈硬化などの循環器疾患のリスク因子として認識され、喫煙者において不都合な様々な循環機能の異常が複合的に生じているにもかかわらず、様々な循環機能の異常が複合的に生じている状態である循環機能障害または不全を予防等する試みが、禁煙以外にない状況において、禁煙による方法以外で、多岐にわたり複合的に生じている不都合な異常を総合的に除去等することができる薬剤を提供し、喫煙による循環機能障害または不全を予防、改善、抑制することである。
また、喫煙者が喫煙習慣からの離脱、すなわち禁煙を意図し、喫煙を中止し、禁煙補助用ニコチン製剤を使用する場合、ニコチンの多岐にわたる複合的な循環作用を低減し、もしくはその作用による異常を改善することにより、禁煙補助用ニコチン製剤の安全性を高めることができる薬剤を提供することも本発明の課題である。禁煙補助用ニコチン製剤は心筋梗塞や脳血管障害などの循環機能異常を有する患者への適応は禁忌として制限されている。本発明の課題は、循環機能異常を有する患者に対しても禁煙補助用ニコチン製剤を用いることができるように、禁煙補助用ニコチン製剤の安全性を高める新たな治療薬の提供、循環機能異常を有する患者への新たな治療手段を提供することも含む。
1.イコサペント酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として、有効量含有する、喫煙に関連する複合的循環機能異常の予防および/または治療用の医薬または健康食品用組成物。
2.喫煙に関連する複合的循環機能異常が、喫煙による複合的循環機能障害もしくは不全である前項1に記載の組成物。
3.喫煙に関連する複合的循環機能異常が、禁煙補助用ニコチン製剤による複合的循環機能異常である前項1に記載の組成物。
4.喫煙に関連する複合的循環機能異常が、以下の少なくとも2以上の異常を含むものである、前項1〜3のいずれか一に記載の組成物:
1)自律神経系および心血管系に対する異常;
2)血液凝固系に対する異常;
3)脂質代謝に対する異常;
4)酸化系に対する異常;
5)炎症系に対する異常;
6)組織細胞膜・弾性に対する異常。
5.喫煙に関連する複合的循環機能異常が、喫煙時または禁煙補助用ニコチン製剤摂取時の心拍数増加を含む、前項1〜4のいずれか一に記載の組成物。
6.不安定狭心症患者、心筋梗塞患者、不整脈患者、脳血管障害患者、高血圧患者、高脂血症患者、メタボリックシンドローム患者、経皮的冠動脈形成手術施行後の患者、または冠動脈バイパス手術施行後の患者である喫煙者または禁煙を意図する者に適用されることを特徴とする前項1〜5のいずれか一に記載の組成物。
7.イコサペント酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを、全脂肪酸およびその誘導体中に、85重量%以上含む、医薬用である前項1〜6のいずれか一に記載の組成物。
8.イコサペント酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを、全脂肪酸およびその誘導体中に、65〜85重量%含む、健康食品用である前項1〜6のいずれか一に記載の組成物。
9.イコサペント酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを0.3〜6g/日で経口投与される、前項1〜8のいずれか一に記載の組成物。
10.ニコチン製剤の摂取期間中に併用投与される、前項3〜9のいずれか一に記載の医薬または健康食品用組成物。
11.ニコチン製剤の摂取に先立つ少なくとも2週間以上前から投与される前項10に記載の組成物。
12.イコサペント酸エチルエステルを有効成分として含有する、前項1〜11に記載の組成物。
13.さらにニコチンを含有する請求項3〜12のいずれか一に記載の組成物。
14.請求項3〜12のいずれか一に記載の組成物と、禁煙補助用ニコチン製剤を含むキット。
詳細には、喫煙によって複合的に生じる、自律神経系および心血管系の異常、血液凝固系の異常、脂質代謝系の異常、酸化系の異常、炎症系の異常、組織細胞膜・弾性の異常を総合的に除去・軽減・改善し、これらの様々な異常によって構成されている循環機能障害もしくは不全に効果がある。
また、本発明の医薬または健康食品用組成物は、禁煙を意図する者が禁煙補助用ニコチン製剤使用に先立つ少なくとも2週間以上に加え禁煙補助用ニコチン製剤適用期間中、使用することにより、禁煙補助用ニコチン製剤によって多岐にわたって複合的に生じる循環作用を総合的に予防および/または低減することができる。
市販品の他、魚油やEPA産生菌およびその培養液を公知の方法、例えば連続式蒸留法、尿素付加法、液体クロマトグラフィー法、超臨界流体クロマトグラフィー法等あるいはこれらの組み合わせで精製して得ることができる。
必要により、エステル化処理してエチルエステル等のアルキルエステルやグリセリド等の製薬学上許容し得るエステルとすることができる。
また、ナトリウム塩、カリウム塩等の無機塩基またはベンジルアミン塩、ジエチルアミン塩等の有機塩基あるいはアルギニン塩、リジン塩等の塩基性アミノ酸との製薬学上許容し得る塩とすることもできる。
本発明において、EPAとは、特に断らない限りは、脂肪酸の遊離体のほか、上記のような製薬上許容しうる塩およびエステルも含むものとする。本発明の組成物の有効成分としては、EPAエチルエステル(以下EPA-Eとする)を用いることが特に好ましい。
これらの患者においては、禁煙補助用ニコチン製剤の、副作用としての循環作用が病状を悪化させる恐れがあるため、禁煙補助用ニコチン製剤の使用は制限されている。しかし、禁煙補助用ニコチン製剤の使用にあたり、本発明の組成物を事前もしくは同時に投与することにより、禁煙補助用ニコチン製剤の副作用を抑制することができるので、これらの患者においても安全に禁煙補助用ニコチン製剤を使用することが可能となる。
本願発明の組成物が予防および/または治療することができる喫煙に関連する複合的循環機能異常の一態様として、以下の少なくとも2以上の異常を含む複合的循環機能異常が挙げられる。
1)自律神経系および心血管系に対する異常;
2)血液凝固系に対する異常;
3)脂質代謝に対する異常;
4)酸化系に対する異常;
5)炎症系に対する異常;
6)組織細胞膜・弾性に対する異常。
尚、高純度EPA-E軟質カプセル剤であるエパデール(持田製薬社製)が、既に上市されている。
例えば、魚油に含まれる、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、ステアリン酸(18:0)、パルミトレイン酸(16:1)、オレイン酸(18:1)、アラキドン酸、DHAなどの脂肪酸の作用の一部は、喫煙により多岐に渡たり複合的に生じている循環器機能に対する不都合な異常を除去等するEPAの作用とは相反する作用を示す(Hennig B et al. Metabolism.2000;49;1006, Hornstra G Ann Med. 1989;21:53)ことから、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、アラキドン酸含量が少ないことが望まれる。特に、アラキドン酸含量は少ないことが望まれ、2重量%未満が好ましく、1重量%未満が更に好ましい。
例えば、全脂肪酸およびその誘導体中のEPAとしての含量比が、65重量%以上のものが好ましく、85重量%以上のものが更に好ましく、96.5重量%以上のものが更に好ましい。このため、65〜85重量%のものは、健康食品用として使用し、85重量%以上のものは、医薬用として使用することができる。
1日投与量はEPAとして、0.3〜6g/日、好ましくは0.9〜3.6g/日、更に好ましくは1.8〜2.7g/日が例示され、投与回数は、好適には一日3回に分けて投与するが、必要に応じて全量を1回あるいは数回に分けて投与してもよい。
健常成人男子にEPA-Eを連続経口投与した場合、EPA血漿中濃度は1週間で定常状態に達する。したがって、投与期間は好ましくは2週間以上、より好ましくは3ヶ月以上、さらに好ましくは6ヶ月以上である。
また、血漿中EPA/AA(アラキドン酸)比が1.0以上となるように、投与量、投与間隔を適宜調整すればよく、例えば1日おきに投与する、1週間に2〜3日投与することもできる。
EPA-E(持田製薬株式会社製エパデール)を1日1800mg(EPA-Eを有効成分として1800mg含有)を3ケ月間以上服用している喫煙者群(表1において服用と記載)と、EPA非服用喫煙者群(表1において非服用と記載)に、タバコ1本を喫煙させた。喫煙前、喫煙後に心拍数を測定した。同様の操作を1〜5回行った。心拍数の差値の平均を上昇度として算出し、さらに、それらの平均を服用群、非服用群において求めた。
表1に示すように、EPA非服用喫煙者群の心拍数の上昇度の平均は、EPA服用喫煙者群のそれよりも大きく、EPAは喫煙による心拍数上昇を抑制することが示された。
これにより、喫煙またはニコチン摂取による自律神経系および心血管系に対する異常としての心拍数増加は、EPAによって軽減されることが示された。
10mgのタールと1mgのニコチンを含む60mmの長さの市販タバコ12本を、20mmの長さまで各々2分間かけて喫煙し、その煙を全て肺に吸い込むことなく、リン酸緩衝液(PBS,SIGMA社製)30ml中へストローを介してゆっくり吹き込み、その緩衝液をタバコ煙水中抽出液(CSE)として実験に供した。
一方、ウサギ末梢血より、常法に従って多血小板血漿200μlを調整した。この多血小板血漿200μl にCSE 50μlおよびEPA(5mM)25μlを加えてインキュベートした後、アデノシン二リン酸(ADP(3μM))25μlを加えて凝集を惹起し、血小板凝集能測定装置を用いて、血小板凝集能を測定した。凝集率とは、多血小板血漿の凝集した比率を示す。
EPAの代わりに、オレイン酸溶液(5mM)25μlを加えた場合と比較した(図1)。EPAを添加した場合のピーク時の血小板凝集率は、オレイン酸を添加した場合の80.6%を示した。また、EPAの代わりに何も加えなかった場合の69.9%を示した(図2)。
これにより、喫煙による血液凝固系に対する異常としての血小板凝集能亢進は、EPAによって軽減されることが示された。タバコ煙中にはニコチンが有効作用量含まれていることから、本結果により、ニコチン摂取時の血小板凝集能亢進は、EPAによって軽減できるものと考えられた。
EPA服用中の喫煙者およびEPA非服用の喫煙者の血液を採取し、NO濃度、レムナントリポ蛋白濃度、Adiponectin濃度、ビタミンC濃度、アルファトコフェロール濃度、好中球数、白血球数およびC反応性蛋白濃度などを測定する。さらに、同時に脈波伝道速度を計測する。血液は、喫煙前および喫煙後5分〜1時間の範囲で採取する。
EPA服用中の喫煙者においては、EPA非服用の喫煙者に比べ、これらの測定値が改善されていたことが確認できる。
EPA非服用の喫煙者の血液を採取し、生理・血液検査を行った後、EPA-E(持田製薬株式会社製エパデール)を1日1800mg‐2700mg、3週間経口投与し、同様に生理・血液検査を行った。結果を表2に示す。EPA-E服用後においては、白血球数、好中球数、リンパ球数、血中総コレステロール量、血中LDLコレステロール量、および血中C反応性蛋白濃度の減少が認められた。また、喫煙5分後の心拍数の上昇が抑制された。このことは、喫煙者における白血球数、好中球数、リンパ球数、血中総コレステロール量、血中LDLコレステロール量、血中C反応性蛋白濃度の上昇および喫煙時の心拍数上昇などの循環機能異常が、EPAの投与によって同時にかつ総合的に改善されたことを示している。なお、EPAの投与期間を延長することで、各種循環機能異常の更なる改善および治療を行うことができるものと考えられる。
禁煙を意図した喫煙者に対し、喫煙中止の開始予定日の2週間前より、1日2700mgのEPA-E投与を開始する。次いで、喫煙中止日より、その後4週間、高用量ニコチン貼付剤(ニコチンとして52.5mg含有)を、次の2週間は中用量ニコチン貼付剤(ニコチンとして35mg含有)を、最後の2週間は低用量ニコチン貼付剤(ニコチンとして17.5mg含有)をおのおの1日1回1枚、24時間貼付する。
喫煙時、喫煙中止開始時およびニコチン貼付剤適用終了時に、血圧、心拍数、尿中スロンボキサンA2代謝物濃度、血小板凝集能、血中フィブリノーゲン濃度、HDL濃度、血中ビタミンC濃度、CRP値、白血球数、血液粘度、赤血球変形能などを測定することにより、禁煙補助ニコチン貼付製剤による多岐にわたる循環作用が、EPA-E投与によって低減・改善されることが確認できる。
軟質ゼラチンカプセル(約0.5ml容)を滅菌し、EPA-E 65%(w/w)、DHA-E 35%(w/w)を含む脂肪酸組成物にビタミンEを0.2%(w/w)となるように加えて、イコサペント酸エチルとして300mgとなるように満たし、次いで封じた。
イコサペント酸エチル 11
流動パラフィン 9
ミリスチン酸イソプロピル 5
セタノール 5
モノステアリン酸ソルビタン 3.8
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 6.2
ジブチルヒドロキシトルエン 0.2
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
パラオキシ安息香酸プロピル 0.1
精製水 59.5
─────────────────────────────
100重量%
上記各成分のうち、精製水以外の成分を80℃にて加熱溶解し、これに80℃に加熱した精製水を撹拌しながら徐々に加え、10分間乳化させた。その後撹拌しながら35℃まで冷却し、均一な乳化物を得た。
EPA-E 96.5%(w/w)を含む脂肪酸組成物にビタミンEを0.2%(w/w)加えた油状物を同心二重円筒式自動軟カプセル機の充填物配給タンクに入れ、一方、被覆剤供給タンクにはゼラチン37.8%(w/w)、グリセリン9.4%(w/w)、D-ソルビトール5.7%(w/w)、精製水47.2%(w/w)を混合して別途調製された被覆用液を入れ、該機械における内管ノズルの充填用油状物質移動速度9.7g/分、外管ノズルの被覆用液移動速度2.3g/分となるよう設定したのち、オリフィスの下部に200Hzの振動を与え、冷却媒体液移動速度を調製しながら、粒径約1.9mm、被覆率19%(w/w)、重量3.1mgの球状シームレスマイクロカプセルを得た。窒素ガス雰囲気下で、このマイクロカプセルを410mgずつ厚さ0.2mmのラミネートアルミニウム箔(防湿セロファン+アルミニウム箔+ポリエチレン)に分包した。
イコサペント酸エチル 50g
精製大豆油 950g
精製卵黄レシチン 120g
オレイン酸 5g
濃グリセリン 250g
上記各成分を0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液100mlに加えホモミキサーで分散させた後、注射用蒸留水を加えて全量を10Lとした。これを高圧噴射式乳化機にて乳化し、脂肪乳液を調製した。該脂肪乳液を200mlずつプラスチックボトルに分注した後、121℃、20分間オートクレーブにて滅菌して脂肪輸液とした。滅菌後、OV-フィルム(ユニチカ社製)で真空包装した。
Claims (14)
- イコサペント酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として、有効量含有する、喫煙に関連する複合的循環機能異常の予防および/または治療用の医薬または健康食品用組成物。
- 喫煙に関連する複合的循環機能異常が、喫煙による複合的循環機能障害もしくは不全である請求項1に記載の組成物。
- 喫煙に関連する複合的循環機能異常が、禁煙補助用ニコチン製剤による複合的循環機能異常である請求項1に記載の組成物。
- 喫煙に関連する複合的循環機能異常が、以下の少なくとも2以上の異常を含むものである、請求項1〜3のいずれか一に記載の組成物:
1)自律神経系および心血管系に対する異常;
2)血液凝固系に対する異常;
3)脂質代謝に対する異常;
4)酸化系に対する異常;
5)炎症系に対する異常;
6)組織細胞膜・弾性に対する異常。 - 喫煙に関連する複合的循環機能異常が、喫煙時または禁煙補助用ニコチン製剤摂取時の心拍数増加を含む、請求項1〜4のいずれか一に記載の組成物。
- 不安定狭心症患者、心筋梗塞患者、不整脈患者、脳血管障害患者、高血圧患者、高脂血症患者、メタボリックシンドローム患者、経皮的冠動脈形成手術施行後の患者、または冠動脈バイパス手術施行後の患者である喫煙者または禁煙を意図する者に適用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に記載の組成物。
- イコサペント酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを、全脂肪酸およびその誘導体中に、85重量%以上含む、医薬用である請求項1〜6のいずれか一に記載の組成物。
- イコサペント酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを、全脂肪酸およびその誘導体中に、65〜85重量%含む、健康食品用である請求項1〜6のいずれか一に記載の組成物。
- イコサペント酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを0.3〜6g/日で経口投与される、請求項1〜8のいずれか一に記載の組成物。
- ニコチン製剤の摂取期間中に併用投与される、請求項3〜9のいずれか一に記載の組成物。
- ニコチン製剤の摂取に先立つ少なくとも2週間以上前から投与される請求項10に記載の組成物。
- イコサペント酸エチルエステルを有効成分として含有する、請求項1〜11のいずれか一に記載の組成物。
- さらにニコチンを含有する請求項3〜12のいずれか一に記載の組成物。
- 請求項3〜12のいずれか一に記載の組成物と、禁煙補助用ニコチン製剤を含むキット。
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