JP2007532605A5 - - Google Patents

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Description

冠性心疾患または冠状動脈疾患を持つ患者の鬱病の予防および/または治療における必須脂肪酸
発明の分野
心臓血管疾患、例えば冠性心疾患および/または冠状動脈疾患または冠状血管性疾患を持つ患者の鬱病の予防および/または治療における必須脂肪酸および該必須脂肪酸を含有する組成物。
発明の背景
一面で、本発明は、冠状動脈疾患を持つ患者の鬱病の予防および/または治療における、殊に(20:5ω3)エイコサペンタエン酸(EPA)および(22:6ω3)ドコサヘキサエン酸(DHA)のエチルエステルの高濃度混合物としての魚油に由来する必須脂肪酸エステルを含有する製薬学的組成物の使用に関する。
魚油中に含有される多少の必須脂肪酸が心臓血管疾患の予防および/または治療、例えば高血圧、血栓症、過コレステリン血症、動脈硬化症、脳梗塞の治療、心筋梗塞後症を持つ患者における突然死の予防、内皮機能および高脂血症の改善において治療効果を有することは、よく知られている。
米国特許のUS5502077、US5656667およびUS5698594は、例として引用することができる。心臓血管の事象、殊に急性の心筋梗塞(AMI)の入院段階を生き延びた患者の死亡を回避させることは、国際特許出願WO 00/48592に記載されている。
上記の公知技術水準は、殊に上記疾患の治療における、ω−3系統、よりいっそう詳述すれば、(20:5ω 3)エイコサペンタエン酸(EPA)および(22:6ω 3)ドコサヘキサエン酸(DHA)に属する脂肪酸の有用性についての知識を提供する。
PGI3およびTxA3の前駆体である脂肪酸EPAは、シクロオキシゲナーゼの抑制(アスピリンと同様の効果)および/またはこの酵素のためのアラキドン酸との競争反応、その結果としての、よく知られた血小板凝集剤であるPGE2およびTxA2の合成の減少に帰因しうる血小板凝集効果の予防および抗血栓効果を発揮する。
他面、脂肪酸DHAは、ヒトにおける大脳脂質の最も重要な成分であり、血小板細胞の構造的成分であり、血小板の流動性の増加に間接的に介在し、したがって抗血栓活性に重要な役を演じている。
本明細書中に参考のために記載されている国際特許出願WO 89/11521には、殊にEPAおよびDHAを含めた、ポリ不飽和酸中での高い含量を有する混合物を動物油および/または植物油から抽出するための工業的方法が記載されている。
WO 89/11521の記載により得られた脂肪酸の混合物、殊にEPA/DHAは、心臓血管疾患の治療に特に有用であることが報告されている。
しかし、ヒトへの治療法に使用される通常の治療法は、冠状動脈疾患を持つ患者においては不十分であることが示された。
発明の概要
一面で、本発明は、心臓血管疾患、例えば冠性心疾患、冠状動脈疾患または冠状血管性疾患を持つ患者の鬱病の予防および/または治療における、殊に(20:5ω3)エイコサペンタエン酸(EPA)および(22:6ω3)ドコサヘキサエン酸(DHA)のエチルエステルの高濃度混合物としての魚油に由来する必須脂肪酸エステルを含有する医薬品の使用に関する。
1つの実施態様において、本発明は、心臓血管疾患を持つ患者の鬱病を予防および/または治療するための新規方法を提供する。別の実施態様において、患者は、冠性心疾患および/または冠状動脈疾患または冠状血管性疾患を持つ。更に、別の実施態様において、心臓血管疾患は、冠状動脈疾患または冠状血管疾患である。本発明による方法は、高い含量のエイコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)、ドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)またはエイコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)とドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)との高濃度の混合物を含む必須脂肪酸を含有する、治療的有効量の医薬品を患者に投与することによって特徴付けられる。1つの実施態様において、前記の高濃度の混合物は、エイコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)とドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)との高濃度の混合物を有する。
高い含量のEPA−エチルエステルまたはDHA−エチルエステルまたはその高濃度の混合物は、EPAまたはDHAを少なくとも20質量%またはEPAとDHAとの混合物を少なくとも20質量%含有する。
一面で、本発明は、心臓血管疾患を持つ患者、1例では、冠性心疾患および/または冠状動脈疾患または冠状血管疾患を持つ患者の鬱病の予防および/または治療における、エイコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)とドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)との混合物を含有する必須脂肪酸の使用に関し、この場合このような混合物中でのEPAおよびDHA中の含量は、25質量%を上廻る。
別の実施態様において、本発明は、心臓血管疾患、例えば冠性心疾患および/または冠状動脈疾患または冠状血管疾患を治療するための医薬品の形成における、高い含量のEPA、DHAまたはその高濃度の混合物を含有する治療的有効量の必須脂肪酸の使用を提供する。
本発明の他の特徴および利点は、次の詳細な記載から明らかになるであろう。しかし、本発明の精神および範囲内での種々の変化および変更は、この詳細な説明の公知技術水準に明らかなので、詳細な説明および詳細な実施例は、本発明の好ましい実施態様が説明によってのみ記載されているものと理解すべきである。
好ましい実施態様の詳細な説明
本明細書中で使用されているような"含有する"または"有する"の用語は、包含的および非排他的な用語である。
最近、冠状動脈疾患に関する危険因子は、この危険因子の中から鬱病であることが同定された。主要な鬱病ならびに鬱病症状は、高い率の心臓血管疾病率および死亡率と関連している。更に、虚血性心臓疾患に罹ると直ちに、致命的な心臓性事象を蒙る危険性が増加する。突然の心臓性の死亡をまねく深刻な心室性不整脈は、鬱病に罹った患者の死亡率の主要な原因であると思われる。付加的に、不安および鬱病を持つ患者は、減少された心拍数の変動可能性を示した。この発見は、重要な予後の含意を有することができる。それというのも、低い心拍数の変動可能性は、突然の心臓死の強力な予測変数である。主要な鬱病は、ω−3酸持続状態の変化と関連しているという実質的な明証が存在する。赤色細胞膜のω−脂肪酸の重大な欠乏は、主要な鬱病であることが報告された。別の研究では、ω−3脂肪酸の赤色血液細胞膜含量および前記ポリ不飽和脂肪酸の食事摂取量の双方と鬱病の重症度との不利な相互関係が報告された。EPAおよびDHAを有する栄養補助食品は、赤血球膜中の前記不飽和脂肪酸の含量を増加させることが知られている。心筋梗塞後症を持つ患者における研究では、DHAおよびEPAを有する栄養補助食品が心拍数の変動可能性を改善することが証明された。
しかし、通常、心臓血管疾患を持つ患者の鬱病を阻止するために知られた効能があり安全な治療は存在せず、心臓血管疾患を持つ患者の鬱病の他の治療は、殆んど存在しない。セルトラリン(sertraline)を用いる1つの研究は、付随した鬱病に罹った心筋梗塞後症の患者において有益な効果を示した。心臓血管疾患および鬱病に罹った患者が実質的に心臓血管性の事象および死亡の増大した危険性を有することは、よく知られている。
それ故に、薬剤を用いての改善された効果的な予防および/または治療、殊に心臓血管疾患および鬱病の双方を持つ患者における前記疾患の再発を阻止し、前記患者における鬱病を効果的に治療することがなお実際に必要されている。それ故に、1つの実施態様において、本発明の対象は、効果的な薬剤を用いて前記患者の改善された、効果的な予防(阻止)および/または治療を提供すること、殊に心臓血管疾患および鬱病の双方を持つ患者における前記の再発を阻止しおよび/または前記患者における鬱病を治療することである。
1つの実施態様において、本発明は、心臓血管疾患を持つ患者の鬱病を予防および/または治療するための新規方法を提供する。1つの実施態様において、心臓血管疾患は、冠性心疾患および/または冠状動脈疾患または冠状血管性疾患である。別の実施態様において、心臓血管疾患は、冠状動脈疾患または冠状血管疾患である。1つの実施態様において、本方法は、高い含量のエイコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)、ドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)またはエイコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)とドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)との高濃度の混合物を含む必須脂肪酸を含有する、治療的有効量の医薬品を患者に投与することによって特徴付けられる。1つの実施態様において、エイコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)とドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)との高濃度の混合物が投与される。また、本発明は、心臓血管疾患を持つ患者の鬱病を予防および治療するための必須脂肪酸、例えば高濃度のEPA、DNAまたはその混合物の使用を提供する。
また、"EPA−エチルエステル"および"DHA−エチルエステル"の記載を簡略化するために、本明細書中では、"EPA"および"DHA"として引用する。高い含量のEPA−エチルエステルまたはDHA−エチルエステルまたはその高濃度の混合物は、EPAまたはDHAを少なくとも20質量%またはEPAとDHAとの混合物を少なくとも20質量%含有する。
殊に、本発明は、心臓血管疾患を持つ患者、殊に冠性心疾患および/または冠状動脈疾患または冠状血管疾患を持つ患者の鬱病の予防および/または治療における、エイコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)とドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)との混合物を含有する必須脂肪酸の使用に関し、この場合このような混合物中でのEPAおよびDHA中の含量は、25質量%を上廻る。
1つの実施態様において、EPAまたはDHAの高い含量を有する必須脂肪酸は、本発明によれば、好ましくはこのようなエステルを25質量%(b.w.)より多く、殊に約60〜約100%含有する。前記化合物は、公知方法によって得ることができる。
EPAおよびDHAの高濃度の混合物を有する必須脂肪酸において、好ましくはこのような混合物は、25質量%よりも多い、殊に約30〜約100質量%、好ましくは約85質量%のEPAおよびDHAの含量を有する。EPA/DHA混合物において、EPAは、好ましくは約40〜60質量%の百分率で存在し、DHAは、好ましくは約25から約45〜50%の百分率で存在する。任意の場合には、このようなEPA/DHA混合物における好ましいEPA/DHA質量比は、約0.9〜1.5である。
薬理学
心臓血管疾患は、症候性の冠状血管性疾患を持つ推定6百万人のヒトを有する米国における病的状態および廃疾の主要な原因である。主要の鬱病は、よりいっそう若年で発生し、使用されるべき年代よりも高い出現率である。
脳内の全ての細胞膜の構造的構成成分であるホスホリピドおよびコレステロールの変化は、鬱病の病態生理学に関係していると思われる、膜のミクロ粘性の変化およびその後の種々の神経伝達系、例えばセロトニンおよび(ノル)アドレナリンの変化を誘発する可能性がある。通常、医学的母集団で出会うのだけれども、主要な鬱病および鬱病症候群は、しばしば診断不顕性であり、心臓血管疾患を持つ患者において未治療のままである。冠性心疾患を持つ患者においては、主要な鬱病の罹患率は、約20%であり、少数の鬱病の罹患率は、約27%である。鬱病(主要な鬱病ならびに鬱病症候群)は、高い率の心臓血管疾病率と関連している。冠性心疾患の事象後の予後は、鬱病に罹っていない患者よりも鬱病に罹った患者の方が僅かである。鬱病に罹った患者は、心筋梗塞からの回復中の心臓の危険性を減少させる助言に従うことは殆んどないように思われる。主要な鬱病においては、コレステロールエステル中には、減少されたω−3画分が存在し、コレステロールエステルとホスホリピド中には、増加したC20:4ω 6/C20:5ω 3比が存在する。
鬱病は、冠状動脈バイパス外科手術後の死亡の重要な独立した予測因子である。年齢、性別、移植回数、糖尿病、喫煙、左心室駆出率および以前の心筋梗塞を対照とした生存分析では、基本線で中程度から過酷な鬱病に罹った患者(調節されたハザード規定食(HR)2.4、p=0.001)および基本線から6ヶ月間維持した、温和または中程度から過酷な鬱病に罹った患者(調節されたHR2.2)が鬱病に罹っていない患者が死亡するよりも高い死亡率を有することを示した。温和ないし中程度のレベルの鬱病症状は、減少された生存と関連した急性の心筋梗塞後の患者においても同様である。最も高い死亡率は、最も過酷な鬱病症状に罹った患者において観察された。しかしながら、鬱病に罹っていない患者と比較すると、よりいっそう高い死亡率は、一般に臨床学的に重要でないと考えられる極めて低いレベルの鬱病症状でも観察された。心筋梗塞後の増加した死亡率は、女性および男性の双方で見られる。1年間の心臓性の死亡率は、それぞれ鬱病に罹っていない女性、鬱病に罹っていない男性よりも鬱病に罹った女性の患者で3倍高く、鬱病に罹った男性の患者で2.5倍高い。予備調査では、心筋梗塞後症に関連した生存の危険性に加えて、最初の心筋梗塞後症の年を生き抜いた鬱病に罹った患者の中で再入院および外来通院の双方のために健康管理費用が増加している。冠性心疾患および鬱病に罹った患者が何故に増加した死亡率および罹患率を有するのかの理由は、全く知られていない。しかし、鬱病においては、コレステリルエステルの形成が減少したことに関連する必須脂肪酸の異常な摂取または代謝が存在することが指摘されている。血中のアラキドン酸とエイコサペンタエン酸との比は、鬱病の臨床学的症状と明らかに相関関係を有している。また、赤血球中のEPA含量間での重大なマイナスの相関関係により鬱病の過酷さが見い出された。脳内の全ての細胞膜の構造的構成成分であるホスホリピドおよびコレステロールの変化は、膜のミクロ粘性の変化およびその後のセロトニンおよび(ノル)アドレナリンのような種々の神経伝達系の変化を誘発する可能性がある。前記の神経伝達系が鬱病の病態生理学で重要な役を演じることは、よく知られている。最後に、過酷な鬱病を随行する減少された食物摂取および体重損失は、血清ホスホリピドおよびコレステリルエステルの脂肪酸組成物の変化をまねく可能性があり、この場合には、この脂肪酸組成物それ自体が膜の流動性および炎症性反応に影響を及ぼす可能性があった。
治療の有効性は、本発明によれば、間接的な前臨床学的明証および臨床学的明証によって証明される。
1.大きな効果のω−3脂肪酸の摂取は、ホスファチジルイノシトール、アラキドン酸および他の系に関連した信号導入経路の一般的な抑制に関連している。
2.DHAは、発育しているラットの脳内のドーパミンおよびセロトニン代謝に影響を及ぼす。
3.動物中のω−3脂肪酸のセロトニン作動性作用および他の神経化学的作用は、抗抑鬱作用を示す。
4.疫学的データは、主要な鬱病および異なる国々の横断による双極性障害の国民的な割合が直接に魚の消費量で変化することを示す。
5.疫学的研究は、老人における血漿脂肪酸組成物と鬱病との相関関係を証明した。
6.双極性障害において、細胞の信号導入の過剰活性は、病態生理学に影響を及ぼしうる。
7.主要の挿間的鬱病に罹った患者は、赤色の血液細胞膜中でDHAレベルおよびEPAレベルの重大な減少を示した。
8.ω−3脂肪酸は、主要な鬱病および他の神経精神障害において気分安定効果を有する。
9.耐性鬱病を治療するためのEPAの付加は、症候性緩解、構造的な脳内変化および減少された神経ホスホリピド転換に関連していた。
10.オマコル(omacor)、EPAとDHAとの高濃度の混合物は、赤色の血液細胞膜のEPAおよびDHA含量を増加させる。
上記の明証は、本発明が心臓血管疾患に罹った患者、殊に冠性心疾患および/または冠状動脈疾患または冠状血管疾患に罹った患者の鬱病を予防および/または治療するための新規で有用な治療方法を提供することを示す。従って、本発明は、心臓血管疾患に罹った患者、殊に冠性心疾患および/または冠状動脈疾患または冠状血管疾患に罹った患者にEPA−エチルエステルまたはDHA−エチルエステルの高い含量またはこれらの高濃度の混合物を有する必須脂肪酸を含有する治療的有効量の医薬品を投与することを特徴とする、心臓血管疾患に罹った患者、殊に冠性心疾患および/または冠状動脈疾患または冠状血管疾患に罹った患者の鬱病を予防および/または治療する方法を提供する。
必須脂肪酸は、本発明によれば、EPAまたはDHA、またはその混合物において高い含量、例えば25質量%を上廻る含量を有することができる。しかし、好ましくは、EPA−エチルエステルおよびDHA−エチルエステルは、25質量%を上廻る、殊に約30〜約100質量%、1つの実施態様において約80質量%、81質量%、82質量%、83質量%、84質量%または好ましくは約85質量%のEPAおよびDHAの含量との混合物として存在する。
本発明の好ましい視点によれば、有効な明証に基づいて、患者に経口投与するための85質量%の滴定量でのEPAおよびDHA混合物を含有する必須脂肪酸の用量は、1日当たり約0.7g〜約6g、好ましくは1日当たり約1gで変動しうる。
1つの実施態様において、高い含量のEPA、DHAまたはその高濃度の混合物は、刊行物に公知の方法を用いてカプセル中、例えばゲルカプセル中に配合される。1つの実施態様において、ゲルカプセルは、1000mgのカプセルである。別の実施態様において、前記カプセルは、ω−3脂肪酸のエチルエステル90質量%を有する。90質量%の別の実施態様において、1000mgのカプセル中、約465mgは、EPAであり、約375mgは、DHAである。もう1つの実施態様において、1000mgのカプセルは、適当な担持剤(例えば、大豆油を含めた部分水素化された植物油)中のα−トコフェロール約4mgおよびゲルカプセルの他の成分、例えばゼラチン、グリセロールおよび純粋を有する。本発明の1つの実施態様において、提供された用量は、カプセル1000mg当たり1日につき4gである。
EPAおよびDHA混合物としての前記量(またはEPA単独量またはDHA単独量)の生成物は、望ましい血液濃度を達成させるために、1日を通して幾つかに分割された用量で投与されてもよいし、好ましくは1回で投与されてもよい。患者の年齢、体重および一般的な状態に応じて投与することができる生成物の量を調節することは、明らかに医師の自由裁量による。"治療的有効量"それ自体は、望ましい治療結果を達成させるために必要とされる投与量および時間での有効な量である。このような量は、因子、例えば個体の疾病状態、年齢、性別および体重ならびに個体において望ましい反応を誘発させるための物質の可能性に応じて変動させることができる。
例えば、製薬学的組成物の形の医薬品は、本発明によれば、刊行物に公知の方法により製造されてよい。投与の好ましい経路は、経口的経路であるが、しかし、投与の代替的経路、例えば非経口的経路は、医師の自由裁量に任せる。医薬品または製薬学的組成物は、本発明によれば、望ましい量、例えばEPA、DHAの高い含量またはその高濃度の混合物および製薬学的認容性の賦形剤(vehicle)、例えば担持剤、賦形剤(excipients)、補助剤および緩衝剤、例えば製薬学的に使用される物質または刊行物、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences (Alfonso R. Gennaro編 第18版 1990)に公知の物質を有することができる。
更に、本発明の変法は、従属請求項に定義されている。
次の実施例は、経口投与に適した処方物を説明するが、しかし、これにより本発明は制限されるものではない。
実施例
ゼラチンカプセル剤
公知の製薬学的技術により、下記の組成を有し、1個のカプセル当たり活性成分1g(EPAおよびDHA、滴定量85%)を含有するカプセル剤が製造される。
処方物1
EPA−エチルエステル525mg/カプセル、
DHA−エチルエステル315mg/カプセル、
d−αトコフェロール4IU/カプセル、
ゼラチン246mg/カプセル、
グリセロール118mg/カプセル、
赤色の酸化鉄2.27mg/カプセル、
黄色の酸化鉄1.27mg/カプセル。
処方物2
ω−3ポリ不飽和エステルのエチルエステル(エイコサペンタエン酸EPA、ドコサヘキサエン酸DHA)の含量850mgを有するポリ不飽和脂肪酸のエチルエステル1000mg、
d−1−α−トコフェロール0.3mg、
コハク酸ゼラチン233mg、
グリセロール67mg、
p−オキシ安息香酸ナトリウム1.09mg、
プロピルp−オキソ安息香酸ナトリウム0.54g。
本発明は、現在、好ましい実施態様であると考えられるものを参考にして記載されたが、本発明は、開示された実施態様に制限されるものではないことを理解すべきである。これに反して、本発明は、係属された請求の範囲の精神および範囲を含めた種々の変法および等価の準備を網羅することを意図している。
全ての刊行物、特許および特許出願は、それぞれ個々の刊行物、特許または特許出願が詳細に個別的に全て参考のために記載されているのと同じ程度に全てが参考のために本明細書中に記載されている。

Claims (43)

  1. 心臓血管疾患に罹った患者の鬱病を予防および/または治療する方法において、高い含量のエイプコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)、ドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)またはエイプコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)とドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)との高濃度の混合物を含む必須脂肪酸を含有する、治療的有効量の医薬品を患者に投与すること特徴する、心臓血管疾患に罹った患者の鬱病を予防および/または治療する方法。
  2. 心臓血管疾患が冠性心疾患および/または冠状動脈疾患または冠状血管疾患である、請求項1記載の方法。
  3. 心臓血管疾患が冠状動脈疾患または冠状血管疾患である、請求項2記載の方法。
  4. 必須脂肪酸がEPAとDHAとの高濃度の混合物を含有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 必須脂肪酸がEPAまたはDHAの高い含量を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  6. このような混合物中のEPAおよびDHAの含量が少なくとも20質量%である、請求項4記載の方法。
  7. このような混合物中のEPAおよびDHAの含量が少なくとも25質量%である、請求項4記載の方法。
  8. このような混合物中のEPAおよびDHAの含量が約30〜約100質量%である、請求項4記載の方法。
  9. このような混合物中のEPAおよびDHAの含量が約30〜約85質量%である、請求項4記載の方法。
  10. 医薬品が経口投与される、請求項1記載または請求項6から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 医薬品が1日につき約0.7g〜約6gの用量で経口投与される、請求項10記載の方法。
  12. EPAおよびDHA混合物中のEPA/DHA比が約0.9〜1.5である、請求項11記載の方法。
  13. EPAまたはDHAの含量が少なくとも20質量%である、請求項5記載の方法。
  14. EPAまたはDHAの含量が少なくとも25質量%である、請求項5記載の方法。
  15. EPAまたはDHAの含量が約60〜1000質量%である、請求項5記載の方法。
  16. EPAまたはDHAの含量が経口投与される、請求項5記載または請求項13から15までのいずれか1項に記載の方法。
  17. 心臓血管疾患に罹った患者の鬱病を治療するためのEPA、DHAの高い含量またはEPAとDHAとの高濃度の混合物および製薬学的に認容性の賦形剤を含有する治療的有効量の医薬品の使用。
  18. 心臓血管疾患が冠性心疾患および/または冠状動脈疾患または冠状血管疾患である、請求項17記載の使用。
  19. 心臓血管疾患が冠状動脈疾患または冠状血管疾患である、請求項18記載の使用。
  20. 必須脂肪酸がEPAとDHAとの高濃度の混合物を含有する、請求項17から19までのいずれか1項に記載の使用。
  21. 必須脂肪酸がEPAまたはDHAの高い含量を有する、請求項17から19でのいずれか1項に記載の使用。
  22. このような混合物中のEPAおよびDHAの含量が少なくとも20質量%である、請求項20記載の使用。
  23. このような混合物中のEPAおよびDHAの含量が少なくとも25質量%である、請求項20記載の使用。
  24. このような混合物中のEPAおよびDHAの含量が約30〜約100質量%である、請求項20記載の使用。
  25. このような混合物中のEPAおよびDHAの含量が約30〜約85質量%である、請求項20記載の使用。
  26. 医薬品が経口投与される、請求項20記載または請求項22から25までのいずれか1項に記載の使用。
  27. 医薬品が1日につき約0.7g〜約6gの用量で経口投与される、請求項26記載の使用。
  28. EPAおよびDHA混合物中のEPA/DHA比が約0.9〜1.5である、請求項27記載の使用。
  29. EPAまたはDHAの含量が少なくとも20質量%である、請求項21記載の使用。
  30. EPAまたはDHAの含量が少なくとも25質量%である、請求項21記載の使用。
  31. EPAまたはDHAの含量が約60〜100質量%である、請求項21記載の使用。
  32. EPAまたはDHAの含量が経口投与される、請求項21記載または請求項29から31までのいずれか1項に記載の使用。
  33. 心臓血管疾患に罹った患者、殊に冠性心疾患および/または冠状動脈疾患または冠状血管疾患に罹った患者、好ましくは冠状動脈疾患または冠状血管疾患に罹った患者の鬱病を予防および/または治療するために有用な医薬品の製造における、高い含量のエイプコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)、ドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)またはエイプコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)とドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)との高濃度の混合物を含有する必須脂肪酸の使用、好ましくはエイプコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)とドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)との高濃度の混合物の使用。
  34. エイプコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)、ドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)またはエイプコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)とドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)との高濃度の混合物、好ましくはエイプコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)とドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)との高濃度の混合物の含量は、25質量%より大きい、請求項33記載の使用。
  35. このような混合物中のEPAおよびDHAの含量が約30〜約100質量%である、請求項33または34に記載の使用。
  36. このような混合物中のEPAおよびDHAの含量が約85質量%である、請求項33または34に記載の使用。
  37. 医薬品は経口投与される、請求項33から36までのいずれか1項に記載の使用。
  38. 医薬品が1日につき約0.7g〜約6gの用量で経口投与される、請求項36記載の使用。
  39. EPAおよびDHA混合物中のEPA/DHA比が約0.9〜1.5である、請求項38記載の使用。
  40. 心臓血管疾患に罹った患者、殊に冠性心疾患および/または冠状動脈疾患または冠状血管疾患に罹った患者の鬱病を予防および/または治療するのに有用な医薬品の製造における、エイプコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)またはドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)を含有する必須脂肪酸の使用において、EPA含量およびDHA含量が25質量%より大きいことを特徴とする、前記の必須脂肪酸の使用。
  41. 医薬品が冠状動脈疾患または冠状血管疾患に罹った患者の鬱病の予防および/または治療に有用である、請求項40記載の使用。
  42. EPA含量またはDHAの含量が約60〜約100質量%である、請求項40または41に記載の使用。
  43. 医薬品は経口投与のためである、請求項40から42までのいずれか1項に記載の使用。
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