ただし、特許文献2に開示されているネットワーク通信用回路の共有化構成では、ネットワークコントローラ及びトランシーバを介してデータの送受信をするように構成されているマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)など、ECUの既存の基本的な構成を、CPU間のシリアル通信によってデータの送受信をするように変更する必要がある。更に、送受信を適宜実行するために物理層の制御を行なうネットワーク通信用CPUが別途必要となる。
しかしながら、通信機器の既存の基本的な構成を変更せず、従来の通信規約に則った上で、通信用資源を共有化して通信線の数を減少させる構成が実現できることが望まれる。このため発明者らは、複数のネットワークコントローラ又は夫々のチャンネルに対し、通信線への通信信号の送受信を実現するトランシーバを共有させることを可能にする発明をするに至った。ネットワークコントローラが、データ信号を受信した場合に応答信号を送信する基本的構成を有する場合、単純に複数のネットワークコントローラからの出力を共通にトランシーバに接続する構成では、共有するネットワークコントローラどうしで応答信号を送信し合うことになり、通信線に接続される他の通信機器からの応答信号を受信すべきであるにも拘らず、これを受信できなくても通信エラーとならないといった問題があるという知見を得た。
単純に複数のネットワークコントローラを共通に1つのトランシーバに接続する構成における問題について説明する。以下の説明では、CANネットワークにおけるECUを例に挙げる。
図8は、単純に複数のECUを含む通信システムの構成図を示す。図8中の8は、CAN通信に対応したECUであり、複数のECU8,8,…がCANバス84に接続されている。ECU8は、CPU81及びCANコントローラ82を含むCAN対応の汎用マイコンであるマイコン80を備え、マイコン80のCANコントローラ82の入出力端子Tx,RxをCANトランシーバ83に接続して、CANバス84における通信を実現する。
図9は、汎用マイコンのCANコントローラ82の入出力端子Tx,Rxにおける信号レベルの例を示すタイムチャートである。横軸に時間をとり、縦軸は各端子Tx,Rxにおける信号レベルを示す。下部にはCANバス84における信号レベルを示している。図9に示すように、ECU8がCANメッセージの送信を試みた場合、CANコントローラ82の出力端子Txの信号レベルが変化し、CANトランシーバ83によりCANバス84における信号レベルが変更されてCANメッセージが送信される。このとき、CANトランシーバ83はCANバス84を監視してCANコントローラ82の入力端子Rxに入力する。図9に示すように、ECU8は、CANメッセージの出力中に、自身の出力端子Txにおける信号レベルと入力端子Rxにおける信号レベルとが一致するから、自身が送信権を得ていると認識できる。そして当該CANメッセージを受信する他のECU8からCANバス84へACK信号が送信され、送信権を得たECU8のCANコントローラ82の入力端子Rxでもこれを入力する。送信権を得たECU8のCANコントローラ82は、送信したCANメッセージに対してACK信号が送信されたことを確認して、他のECU8との通信の成立又は不成立を判断することができる。
なお、車載通信機器に用いられるCAN対応の汎用マイコンであるマイコン80のCPU81は、OSEK/VDX(OSEK:Offene Systeme und deren schnittstellen fur die Elektronik im K raftfahrzeug(Open systems and corresponding interfaces for automotive electronic)/VDX:Vehicle Distributed eX ecutive)規格などのリアルタイムOS(Operating System)に基づいて処理を行なうように構成されることが必要となってきており、標準化されつつある。これは、後述するネットワークマネージメント機能などにより省電化の実現が求められているためである。
図10は、OSEK/VDXに対応したOSに基づくソフトウェア構成を示す。OSEK/VDX規格に対応したOS801では、COM(Communication)802及びNM(Network Management)803の機能を有し、CPU81はOS801上で特有の処理を実現するアプリケーション804を実行する。COM802は、ECU8内の通信及びECU8,8,…間の通信、OS801へのメッセージ送受信通知機能などを実現するOSEK−COM機能である。NM803は、ネットワークつまりCANバス84に接続した各ECU8,8,…の動作状態のモニタリング、バス・スリープモードへの移行などを管理するOSEK−NM機能である。NM803の機能により、各ECU8,8,…のCANコントローラ82,82,…間でスリープ状態への移行の可/不可などのCANメッセージを送受信しあい、当該CANメッセージに対する応答信号の有無などによって、CANバス84に接続する全てのECU8,8,…がスリープ状態への移行が可となったときに全体としてスリープ状態へ移行するなどの制御が標準的に行なわれる。
上述のような従来の規約に則った上で、複数のCANコントローラで1つのCANトランシーバを共有する場合、以下のような問題がある。図11は、2つのECUで単純にCANトランシーバを共有する場合の構成を示す構成図である。図11中の9は、汎用マイコンを用いたECU8a,8bを集約して実現するECU集約装置である。ECU8a,8bの構成は図8に示したECU8の構成と同様であるので詳細な説明を省略する。ECU集約装置9は、2台のECU8a,8bの他に、共有するCANトランシーバ91を備えCANトランシーバ91は、CANバス92に接続されている。そしてECU8a,8bのCANコントローラ82,82の出力端子Txa,Txbから出力される信号は、いずれもCANトランシーバ91に入力される。ECU8a,8bのCANコントローラ82,82の入力端子Rxa,Rxbへ、CANトランシーバ91で受信された信号が入力される。
図12は、図11の構成例におけるCANコントローラ82,82の入出力端子Txa,Rxa,Txb,Rxbにおける信号レベルの例を示すタイムチャートである。図12では、横軸に時間をとり、縦軸は各入出力端子Txa,Rxa,Txb,Rxbにおける信号レベルを示す。下部にはCANバス92における信号レベルを示している。ECU8aがCANメッセージの送信を試みた場合、ECU8aのCANコントローラ82の出力端子Txaの信号レベルが変化し、図12に示すように、CANトランシーバ91によりCANバス92における信号レベルが変更されてCANメッセージが送信される。CANトランシーバ91はCANバス92を監視してCANコントローラ82,82の入力端子Rxa,Rxbに受信した信号を入力するから、図12に示すように、出力端子Txaにおける送信中のCANメッセージを示す波形と一致する。そして、ECU8aは自身の出力端子Txaにおける信号レベルと入力端子Rxaにおける信号レベルとがCANメッセージの出力中に一致するから、自身が送信権を得ていると認識する。
CANメッセージを受信したECU8b及びCANバス92に接続される他のECUからはACK信号が送信される。図12では、ECU8bのCANコントローラ82の出力端子TxbからACK信号が出力されていることが示されている。これにより、CANトランシーバ91を介してCANバス92にACK信号が送信され、CANメッセージの送信権を得たECU8aのCANコントローラの入力端子RxaにもACK信号が入力されている。
この場合仮に、CANバス92にECU集約装置9以外の通信機器が接続されていなかったとき、ECU8aとしては、ACK信号が入力されずに他の通信機器との通信は不成立であると判断すべきである。しかしながら、上述のように、CANトランシーバ91を共有することによって、他の通信機器の存在・不存在に関わらず、常にECU8bからACK信号が送信され、常に通信が成立すると判断される。これにより、CANバス92に接続されている全通信機器ではスリープ状態への移行が可であるにも拘わらず、全体としてスリープ状態へ移行できないなどの問題が発生し、従来の規約に則った処理をそのまま実行するのでは支障が生じる場合がある。
なお、このような問題はCANネットワークに限らない。複数のネットワークコントローラにトランシーバを共有させる構成を考える場合、トランシーバよりも内側で信号の入出力が完結し、外部から受信すべきメッセージ又は応答信号などの信号を正しく受信することができない可能性があるという問題は、他のプロトコル、及び今後使用されるプロトコルでも起こり得る。
本発明は斯かる事情を鑑みてなされたものであり、複数の通信機器を限られたスペースに集約させて省スペース化を図ると共に、通信システムにおける省線化を図ることができる通信機器集約装置にて、従来の通信規約に則り支障なく通信を実現させるための通信回路、前記通信回路を備える通信装置、前記通信回路を含む通信システム及び通信機器集約装置を提供することを目的とする。
第1発明に係る通信回路は、通信線へ送信されるべくデータ信号を出力端子から出力し、通信線から受信されるデータ信号を入力端子にて入力し、データ信号を入力した場合に応答信号を前記出力端子から出力するように構成してある複数の通信制御手段と、該通信制御手段から出力されるデータ信号又は応答信号を通信線へ送信し、通信線からデータ信号又は応答信号を受信して前記通信制御手段へ与えるべく構成してある送受信機との間に接続される通信回路であって、前記複数の通信制御手段の出力端子夫々に接続される複数の出力用接続端子と、前記複数の通信制御手段の入力端子夫々に接続される複数の入力用接続端子と、前記出力用接続端子にて受け付けた信号の論理積を前記送受信機へ出力する送信用端子と、前記送受信機から与えられる信号を入力する受信用端子と、前記応答信号の出力タイミングを示すタイミング信号を受け付ける応答タイミング受信端子とを備え、前記受信用端子が入力した信号が、前記入力用接続端子によって前記複数の通信制御手段の入力端子により入力されるべく構成してあり、前記複数の出力用接続端子のいずれかによりデータ信号を受け付けた場合、前記応答タイミング受信端子によりタイミング信号を受け付けている間は、前記複数の出力用接続端子により受け付ける前記通信制御手段からの応答信号が前記送信用端子から出力されないように構成してあることを特徴とする。
第2発明に係る通信回路は、前記複数の出力用接続端子夫々に対応させて、該出力用接続端子により受け付ける信号、又はベース信号のいずれかを選択して出力するセレクタと、他の出力用接続端子から受け付けた信号と、受信用端子により入力する信号とが一致するか否かによって前記他の出力用接続端子によりデータ信号を受け付けたか否かを保持するレジスタとを備え、前記セレクタは、前記レジスタが、他の出力用接続端子によりデータ信号が受け付けたことを保持している場合、且つ、前記応答タイミング受信端子によりタイミング信号を受け付け中である場合に、前記ベース信号を出力するようにしてあり、各出力用接続端子に接続される前記セレクタからの出力信号の論理積が、前記送信用端子へ入力されるように構成されていることを特徴とする。
第3発明に係る通信装置は、通信線へ送信されるべくデータ信号を出力端子から出力し、通信線から受信されるデータ信号を入力端子にて入力し、データ信号を入力した場合に応答信号を前記出力端子から出力するように構成してある複数の通信制御手段と、該複数の通信制御手段に接続される請求項1又は2に記載の通信回路と、前記通信制御手段から応答信号が出力されるタイミングを示すタイミング信号を生成する生成手段とを備え、前記生成手段が生成したタイミング信号を前記通信回路の応答タイミング受信端子に入力するように構成してあることを特徴とする。
第4発明に係る通信システムは、通信線へ送信されるべくデータ信号を出力端子から出力し、通信線から受信されるデータ信号を入力端子にて入力し、データ信号を入力した場合に応答信号を前記出力端子から出力するように構成してある通信制御手段を夫々備える複数の通信機器と、通信線への信号の送信及び前記通信線からの信号の受信を実現する送受信機と、該複数の通信機器及び送受信機に接続される請求項1又は2に記載の通信回路とを含む通信システムであって、前記複数の通信機器の内のいずれかの通信制御手段から出力される応答信号の出力タイミングを示すタイミング信号を生成する生成手段を備え、該生成手段が生成したタイミング信号を前記通信回路の応答タイミング受信端子に入力するように構成してあることを特徴とする。
第5発明に係る通信機器集約装置は、通信線へ送信されるべくデータ信号を出力端子から出力し、通信線から受信されるデータ信号を入力端子にて入力し、データ信号を入力した場合に応答信号を前記出力端子から出力するように構成してある通信制御手段を夫々備える複数の通信機器を集約する通信機器集約装置であって、通信線への信号の送信及び前記通信線からの信号の受信を実現する送受信部と、前記複数の通信機器の通信制御手段、及び前記送受信部に接続される請求項1又は2に記載の通信回路とを備え、前記複数の通信機器の内のいずれかの通信制御手段から出力される応答信号の出力タイミングを示すタイミング信号を前記通信回路の応答タイミング受信部に入力するようにしてあることを特徴とする。
第6発明に係る通信機器集約装置は、第5発明における前記通信線はCANバスであり、前記送受信部はCANトランシーバであることを特徴とする。
第1発明及び第4発明では、通信回路は複数の通信装置の通信制御手段と、該複数の通信制御手段により共有される送受信機とに接続される。通信制御手段は、送受信機(トランシーバ)を介して送信される信号を出力する出力端子と、送受信機によって受信される信号を入力するように入力端子を備えて構成されている。通信回路は、複数の通信制御手段の出力端子から出力されるデータ信号、又は前記応答信号はいずれも出力用接続端子によって受け付ける。出力用接続端子により受け付けたデータ信号などの信号は、その論理積が送信用端子から外部へ送信される。外部から送受信機を介して受信される信号は受信用端子により入力され、複数の入力用接続端子によって前記複数の通信制御手段へ夫々入力される。通信回路に接続される複数の通信制御手段が夫々、通信回路の入力用接続端子から信号を入力した場合に、規約に基づき所定のタイミングで応答信号を出力端子からするように構成されているとき、通信回路は出力用接続端子によりこれを受け付ける。
そして、応答信号の出力タイミングを示すタイミング信号を応答タイミング受信端子により受け付ける。タイミング信号は、複数の通信制御手段のいずれかか又はそれ以外の特定の手段によって生成されるように構成する。通信回路は、接続される複数の通信制御手段の内のいずれかの通信制御手段からデータ信号を出力用接続端子により受け付けた場合は、応答タイミング受信端子によりタイミング信号が受け付けられているときには、その後出力用接続端子により応答信号を受け付けたとしても送信用端子から外部へは送信しない。
これにより、通信回路に接続される複数の通信制御手段のいずれかから出力されるデータ信号に対し、前記複数の通信制御手段の内の他の通信制御手段が応答信号を出力するとしても、当該応答信号はデータ信号の送信元の通信制御手段へは入力されない。その代わり、送受信機が外部から受信される応答信号は、通信回路の受信用端子により入力されるから、各通信制御手段へ入力される。通信回路に接続される複数の通信制御手段のいずれもデータ信号を出力しない場合は、各通信制御手段から出力される応答信号の論理積が外部へ出力されるので、応答信号を用いて他の通信制御手段との通信の可否を正しく判断するなど、従来の通信規約に則り支障なく通信を実現させることができる。
第2発明では、第1発明にて、通信回路に接続される複数の通信制御手段のいずれかからデータ信号が出力された場合、前記複数の通信制御手段の内の他の通信制御手段が出力した応答信号をデータ信号の送信元の通信制御手段へは入力されないように構成されるが、当該構成は、複数の出力用接続端子に夫々に対応して含まれるセレクタと、レジスタとの組み合わせで実現される。セレクタでは、出力用接続端子からのデータ信号又は応答信号と、出力電圧一定即ちベース信号とのいずれかを選択し、レジスタは、他の出力用接続端子からデータ信号が受け付けられているかを保持する。他の出力用接続端子からデータ信号が受け付けられていた場合は、応答信号の出力タイミングで、セレクタによってベース信号が選択されて出力されるので、当該応答信号は送信用端子から送受信機へ出力されない。
第3発明では、通信線へ送信されるべくデータ信号を出力端子から出力し、通信線から受信されるデータ信号を入力端子にて入力し、データ信号に対する応答信号を前記出力端子から出力する複数の通信制御手段と、第1発明の通信回路とが備えられ、前記通信制御手段の入出力端子が前記通信回路の入出力用接続端子と接続される。更に、前記通信制御手段が応答信号を出力するタイミングを示すタイミング信号を生成する生成手段が備えられて、生成されたタイミング信号は前記通信回路の応答タイミング受信端子に入力されるように構成される。
同様に通信制御手段を備える他の通信装置と共に、送受信機を共有させようとする場合、他の通信装置の通信制御手段の入出力端子を自身が備える通信回路に接続し、通信回路を共有する送受信機に接続する。これにより、送受信機を共有する複数の通信装置どうしで応答信号を入出力しあうことなく、送受信機よりも外側からの応答信号を正しく受信し、応答信号を用いて他の通信装置との通信の可否を正しく判断するなど、従来の通信規約に則り支障なく通信を実現させることができる。
第5発明では、送受信する信号を入出力する入出力端子を有し、データ信号に対する応答信号を送信するようにしてある通信制御手段を備えた複数の通信機器を集約して収容するに際し、第1発明の通信回路が備えられ、前記複数の通信機器で、送受信部(トランシーバ)が前記通信回路を介して共有される。更に、前記複数の通信機器のいずれかから応答信号が出力されるタイミングを示すタイミング信号を生成する生成手段が備えられて、生成されたタイミング信号は前記通信回路の応答タイミング受信端子に入力されるように構成される。
これにより、前記複数の通信機器間で送受信部を共有して送受信を実現できると共に、送受信部を共有する通信機器間のみで応答信号を入出力しあうことなく、送受信部よりも外側からの他の通信機器からの応答信号を正しく受信し、応答信号を利用して通信の可否を正しく判断して従来の通信規約に則り支障なく通信を実現させることができる。
第6発明では、CAN規約に基づくCANコントローラは、データ信号を入力中、データ信号の末尾部分でACK信号を応答信号として出力するように構成してあるところ、CANトランシーバを共有する際に、共有するCANコントローラ間のみでACK信号を入出力しあうことなく、CANトランシーバの外側のCANバスに接続される他の通信機器のCANコントローラからの応答信号を入力して、通信規約に基づき通信の可否を正しく判断することが可能となる。
なお、第1乃至第6発明において、通信回路は各素子及び端子を有するIC、又は素子及び端子を実装した基板などにより実現され、通信装置は通信回路を組み込み、マイコンなどの他の回路、コネクタなどを含めた機器として実現される。
本発明による場合、複数の通信機器を限られたスペースに集約させて省スペース化を図ると共に、通信システムにおける通信線の数を減少させるための通信機器集約装置を実現しようとする際に、本発明の通信回路を利用してトランシーバを共有する構成とすることにより、各通信制御手段にて従来の通信規約に則り支障なく通信を実現させることができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。以下に示す実施の形態1及び2では、ネットワークコントローラを内蔵するマイコンを備えたECUを通信機器として集約するECU集約装置を例に挙げて説明する。また、以下、ネットワークはCANネットワークとして説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1におけるECU集約装置の外観を模式的に示す斜視図である。図6中の1及び2が、通信機器であるECUであり、ECU1は本発明に係る通信回路を備えるECUであり、ECU2はECU1と共に集約される他のECUである。また、図1中の3はECU1,2,2,…を集約するECU集約装置である。ECU集約装置3は、略直方体の筐体31を備える。筐体31の1つの面には、ECU1,2,2,…を挿入するための挿入口32,32,…が形成されている。挿入口32,32,…が形成されている面の反対側の面には、ハーネス33が取り付けられている。ハーネス33は、ECU集約装置3に収容されるECU1,2,2,…及び内蔵される各部品へ電力を供給するための電源線、並びにECU1,2,2,…から送信されるCANメッセージを伝送するCANバス35を含む。
ECU1,2は、基板に部品が形成されて構成されている。基板の一の辺部に他の部品とのコネクタが形成されており、ECU1,2を当該コネクタ側から挿入口32,32に挿入することにより、当該コネクタがECU集約装置3の筐体31の内側に設けられている受け口に嵌合するように構成されている。なお、ECU1,2は、図1に示すような略扁平直方体のケースに収められていてもよい。
図2は、実施の形態1におけるECU集約装置3の構成を示す構成図である。なお、図2の構成図は、ECU1,2が収容された状態での構成を示す。
ECU集約装置3は、筐体31内部にCANトランシーバ34を備え、CANトランシーバ34は、ハーネス33に含まれるCANバス35に接続されている。CANトランシーバ34は、CANバス35における信号の送受信を物理層にて実現する。
ECU2は、CPU21とCANコントローラ22とを含むマイコン20を備える。マイコン20は、CAN通信対応の汎用マイコンとして利用される既存の装置である。CPU21は、図10に示したソフトウェア構成を有するOSEK/VDXに対応したOSを内蔵ROMから読み出して処理を行なうようにしてある。マイコン20は、CANコントローラ22からの出力端子Tx及び入力端子Rxをインタフェースとして有する。CANコントローラ22は、CPU21の指示により送信するメッセージの信号を出力端子Txから出力し、入力端子Rxにて入力される信号を受信し、信号が表すメッセージをCPU21へ通知する。なお、CAN通信対応の汎用マイコンであるマイコン20は、実際にCANバス35にメッセージを送受信させるためには、CANコントローラ22をCANトランシーバ34を介してCANバス35に接続することが必要であるように構成されている。
ECU1は、CPU11、CANコントローラ12、及び通信回路13を含む共有回路10を備えて構成される。共有回路10は例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成される。CPU11及びCANコントローラ12は、ECU2のマイコン20に含まれるCPU21及びCANコントローラ22と同様の機能を持つ構成部である。CPU11はCPU21同様に、OSEK/VDXに対応した処理を行なう。共有回路10には、他にECU1特有の処理を行なうための構成部が更に含まれてもよい。
なお、ECU1の共有回路10に含まれるCANコントローラ12は、ACK信号の出力を個別に取り出せるようにしてあり、ACK信号が出力されるタイミングを示すタイミング信号を出力するACKタイミング出力端子ACK_Oが設けられている。
共有回路10に含まれる通信回路13は、複数の接続端子Txa,Rxa,Txb,Rxb、送信用端子Txc、受信用端子Rx、及びACK信号のタイミング信号を入力するためのACKタイミング端子ACKを備える。
通信回路13の接続端子Txaには、ECU1のCANコントローラ12の出力端子Txが接続され、接続端子TxbにはECU1のCANコントローラ12の入力端子Rxが接続されている。接続端子Txbには、ECU2のCANコントローラ22の出力端子Txが接続され、接続端子Rxbには、ECU2のCANコントローラ22の入力端子Rxが接続されている。通信回路13の送信用端子TxcはCANトランシーバ34へ送信する信号を出力するようにしてあり、受信用端子RxcはCANトランシーバ34にて受信された信号を入力するようにしてある。そしてACKタイミング端子ACKには、ECU1のCANコントローラ12のACKタイミング出力端子ACK_Oが接続されている。
図3は、実施の形態1における通信回路13の詳細を示す回路図である。通信回路13は、マルチプレクサ(MUX)301a,302a,301b,302b、D−フリップフロップ(FF)303a,303b、ANDゲート304a,304b、XORゲート305,306、ANDゲート307を含んで夫々を接続して構成されている。
CANコントローラ12,22の出力端子Tx,Txと接続される出力用接続端子Txa,Txbからの信号は、マルチプレクサ301a,302a,301b,302bのS1端子に入力されるように構成されている。そして出力用接続端子Txa,Txbからの信号は、マルチプレクサ301a,302a,301b,302bにより、ACKタイミング端子ACKからタイミング信号が入力されていない場合、即ち、ACK信号が出力されるタイミングでないときには、ANDゲート307を介して送信用端子Txcから出力されるように構成されている。
通信回路13の送信用端子Txcから出力された信号は、CANトランシーバ34からCANバス35へ送信される。更に、CANトランシーバ34はCANバス35を監視して受信するから、CANバス35に調停により送信された信号が通信回路13の受信用端子Rxcにより入力され、ECU1,2のCANコントローラ12,22の入力端子Rx,Rx夫々に入力されるように構成されている。CANコントローラ12,22は、出力端子Txにおける信号レベルと入力端子Rxにおける信号レベルが一致するときのみ信号の出力を継続する。
通信回路13の受信用端子Rxcにより入力される信号は、出力用接続端子Txa,Txbからの信号が夫々入力されるXORゲート305,306にも入力される。これにより例えば、出力用接続端子Txb及びRxcにおける信号レベルの内、一方のみがLowレベルである場合のみ、つまり信号レベルが一致しておらず、CANトランシーバ34を共有する相手のCANコントローラ22が送信中でないときのみ、ANDゲート304aにHighレベルが入力される。D−フリップフロップ303aでANDゲート304aの出力を保持しておくことにより、CANコントローラ22がCANメッセージを送信していたときには、ACKの出力タイミング時点でマルチプレクサ301aに入力されているHighレベルが選択され、ACK信号(Lowレベル)が送信用端子Txcから出力されないように構成されている。出力用接続端子Txbからの信号については、出力用接続端子Txaからの信号についての構成と対称的となっている。
このような構成により、ECU1,2の一方がCANメッセージを送信して、出力用接続端子Txa,Txbのいずれかにより対応する信号が受け付けられていた場合は、ACK信号の出力タイミングとなったときに、一方の出力用接続端子Txa,Txbにより受け付けられるACK信号は送信用端子Txcから出力されず、ACK信号はECU集積装置3からは送信されない。
ECU1,2のいずれもCANメッセージを送信しておらず、出力用接続端子Txa,Txbのいずれでも対応する信号を受け付けていなかった場合は、ACKの出力タイミングとなったときに、出力用接続端子Txa,Txbの両者により受け付けられるACK信号がANDゲート307を介して送信用端子Txcから出力され、ACK信号はECU集積装置3から送信される。
図4は、実施の形態1における通信回路13の入出力用接続端子Txa,Rxa,Txb,Rxb、送受信用端子Txc,Rxc及びACKタイミング端子ACKにおける信号レベルの例を示すタイムチャートである。図4では横軸に時間をとり、縦軸は各端子ACK,Txa,Rxa,Txb,Rxb,Txc,Rxcにおける信号レベルを示す。なお、Rxcにおける信号レベルはCANバス35における信号レベルである。
図4に示す例では、ECU1がCANメッセージの送信権を得ている。ECU1がCPU11によりCANメッセージを送信するので、ECU1のCANコントローラ12の出力端子Txの信号レベルが変化し、図4に示すように、通信回路13の出力用接続端子Txaにおける信号レベルがCANメッセージの波形を示す。一方、ECU2はCANメッセージを受信する側であるから、ECU2のCANコントローラ22の出力端子Txに接続される通信回路13の出力用接続端子Txbにおける信号レベルはHighのままである。通信回路13内部で、出力用接続端子Txa,Txbにより入力される信号がANDゲート307を介して送信用端子Txcから出力される(図4中、矢印1)。図4に示す場合、ANDゲート307では一方がLowレベルならばLowレベルが出力されるから、送信用端子Txcは出力用接続端子Txaから入力される信号を出力している。
そして、通信回路13の送信用端子TxcからCANトランシーバ34へ入力された信号は、CANバス35へ送信される。CANトランシーバ34はこれを受信するから、通信回路13の受信用端子Rxcにおける信号レベルは、送信用端子Txcにおける信号レベルと一致する。受信用端子Rxcから入力される信号は、ECU1,2のCANコントローラ12,22へ接続される入力用接続端子Rxa,Rxbへも入力されている(図4中、矢印2)。
このように送信されるCANメッセージに対し、該CANメッセージを受信していたECU2はACK信号を返す。したがって、ACK信号の出力タイミングで、ECU2のCANコントローラ22の出力端子Txが接続される通信回路13の出力用接続端子TxbにはACK信号が入力される。しかしながら、通信回路13では、ECU1のCANコントローラ12の出力端子Txが接続される出力用接続端子Txaにおける信号レベルと受信用端子Rxc(CANバス35)における信号レベルとに基づき、出力用接続端子Txa側のECU1がCANメッセージを送信していたことを記憶している。この場合通信回路13では、出力用接続端子Txbから入力される信号がANDゲート307を介して送信用端子Txcから出力しないように、MUX301b,302bなどによって選択されている(図4中、矢印3及び破線)。
ECU1が送信したCANメッセージに対し、CANバス35に接続される他の通信機器からCANバス35に送信されたACK信号は、通信回路13の受信用端子Rxcにて入力され、入力用接続端子Rxa,RxbからECU1,2のCANコントローラ12,22へ出力される(図4中、矢印4)。これにより、CANメッセージを送信していたECU1は、自身が送信したCANメッセージに対する応答信号を外部から正常に受信することができ、通信の成立・不成立を正しく判断することができる。
図5は、実施の形態1における通信回路13の入出力用接続端子Txa,Rxa,Txb,Rxb、送受信用端子Txc,Rxc及びACKタイミング端子ACKにおける信号レベルの他の例を示すタイムチャートである。図5では横軸に時間をとり、縦軸は各端子ACK,Txa,Rxa,Txb,Rxb,Txc,Rxcにおける信号レベルを示す。なお、Rxcにおける信号レベルはCANバス35における信号レベルである。
図5に示す例では、CANトランシーバ34を共有するECU1,2のいずれもCANメッセージを受信する側であるとする。ECU1,2のいずれもCANメッセージを受信する側であるから、ECU1,2のCANコントローラ12,22の出力端子Txに接続される通信回路13の出力用接続端子Txa,Txbにおける信号レベルはいずれもHighのままである。一方、CANバス35には他の通信機器によりCANメッセージが送信されており、受信用端子Rxcから入力される信号は入力用接続端子Rxa,Rxbへも入力される。
入力用接続端子Rxa,Rxbから入力されるCANメッセージの信号を入力端子Rx,Rxで入力するECU1,2のCANコントローラ12,22ではいずれも、ACK信号を返す。したがって、ACK信号の出力タイミングで、ECU1,2のCANコントローラ12,22の出力端子Tx,Txが接続される通信回路13の出力用接続端子Txa,Txbにはいずれも、ACK信号が入力される。通信回路13の内部では、出力用接続端子Txa,TxbのいずれからもCANメッセージの信号が入力されていなかったことを保持しているから、出力用接続端子Txa,Txbから出力されるACK信号はいずれもANDゲート307を介して送信用端子Txcから出力される(図5中、矢印5)。
これにより、CANバス35には他の通信機器が接続して、いずれかがCANメッセージを送信し、CANトランシーバ34を共有するECU1,2がいずれもCANメッセージを受信している場合は、ECU1,2から送信されるACK信号は、CANトランシーバ34から正常に送信され、外部の通信機器からも正しく通信の成立・不成立を判断することが可能となる。またこの場合、CANトランシーバ34を共有するECU1,2のいずれもがCANメッセージを受信する側であるにも拘らず、いずれも通信不成立である場合に初めてACK信号が送信されないという状況となる。一方でもACK信号を返す状況にある場合は、ACK信号が送信される。
図6は、実施の形態1における通信回路13の入出力用接続端子Txa,Rxa,Txb,Rxb、送受信用端子Txc,Rxc及びACKタイミング端子ACKにおける信号レベルの他の例を示すタイムチャートである。
図6に示す例では、CANバス35にECU集約装置3以外の通信機器が接続されていない、つまり、物理的には接続されているが通信機能を実行していない状況において、ECU1がCANメッセージの送信権を得ている。ECU1がCPU11によりCANメッセージを送信するので、ECU1のCANコントローラ12がの出力端子Txの信号レベルが変化し、通信回路13の出力用接続端子Txaにおける信号レベルがCANメッセージの波形を示す。一方、ECU2はCANメッセージを受信する側であるから、ECU2のCANコントローラ22の出力端子Txに接続される通信回路13の出力用接続端子Txbにおける信号レベルはHighのままである。したがって、出力用接続端子Txaにより入力される信号が送信用端子Txcから出力されている。
そして、通信回路13の送信用端子TxcからCANトランシーバ34へ入力された信号は、CANバス35へ送信される。CANトランシーバ34はこれを受信するから、通信回路13の受信用端子Rxcにより入力される信号は通信回路13内でECU1,2のCANコントローラ12,22へ接続される入力用接続端子Rxa,Rxbへも入力される。
ECU2は、ECU1から送信されるCANメッセージを受信するから、ACK信号を返す。したがって、ACK信号の出力タイミングで、ECU2のCANコントローラ22の出力端子Txが接続される通信回路13の出力用接続端子TxbにはACK信号が入力される。しかしながら、通信回路13では、出力用接続端子Txa側のECU1がCANメッセージを送信していたことを保持しているから、出力用接続端子TxbにACK信号が入力された場合でも、送信用端子TxcからこのACK信号を出力しないように、MUX301b,302bなどによって選択される(図6中、矢印6)。
したがって、ECU集約装置3からはCANバス35へACK信号が送信されないから、CANバス35に他に通信機器が接続されていない場合は、ECU1が送信したCANメッセージに対し、CANバス35にACK信号が送信されない。
CANトランシーバ34は、CANバス35を監視して信号を通信回路13の受信用Rxcに入力する。ACK信号は送信されていなから、図6の最上部に示すようにACK信号の出力タイミングであるにも拘らず、通信回路13の入力用接続端子Rxa,RxbのいずれにもACK信号が入力されない(図6中、矢印7)。したがって、ACK信号の出力タイミングにも拘わらず、ECU1,2のCANコントローラ12,22の入力端子Rx,RxにはACK信号が入力されない。これにより、CANメッセージを送信していたECU1のCPU11は、ACK信号を受信しないので、他の通信機器と通信が不成立であると正常に判断することができる。
図12に示したように、通信回路13を用いず単純にCANコントローラでCANトランシーバを共有する構成では、他の通信機器との通信が不成立であると判断されるべきであるにも拘わらず、共有する他のECUからのACK信号を受信することによって成立と判断される。この点、実施の形態1の通信回路13を用いる場合は当該問題が発生しない。
このように、ECU1内に設けた通信回路13により、ECU集約装置3に集約されるECU1,2の一方がCANメッセージを送信する場合、当該CANメッセージに対する他方からのACK信号がCANトランシーバ34の外へ送信されないようにすることができる。これにより、通信回路13を用いて、複数のECU1,2を集約することで、OSEK−NMの機能を有するOSEK/VDX規格対応のOSで動作するマイコンを支障なく利用しつつ、複数のECU1,2で通信資源(CANトランシーバ34)を共有して省線化を図るECU集約装置3を実現することができる。
なお、実施の形態1ではECU集約装置3で集約するECU1,2の数が2つであった。しかしながら本発明はこれに限らず、数台のECUを集約することができる。このとき通信回路13の構成は、入出力用接続端子の数を増やすと共に、MUX301a,301a,302a,302b、FF303a,303b、MUX304a,304b及びXORゲート305,306などの回路の組を対応するECUの数の分だけ設けるなどの対処が必要となる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、ECU集約装置3に集約されるECU1,2からのACK信号がCANトランシーバ34の外へ送信されないようにすることができる通信回路13が、一方のECU1内のマイコン10外部に設けられる構成とした。これに対し、実施の形態2では、通信回路をECU集約装置に予め設けておく構成とする。
図7は、実施の形態2におけるECU集約装置の構成を示す構成図である。図7中の4はECU集約装置である。ECU集約装置4の外観は、図1に示した実施の形態1におけるECU集約装置3の外観と同様である。ECU集約装置4には、2つのECU2,2が集約して収容される。なお、図7の構成図は、ECU2,2が収容された状態での構成を示す。ECU2,2については、実施の形態1における構成と同様であるので同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
ECU集約装置4は、筐体(図示せず)内部にASICで構成する共有回路40を備え、ECU2,2が収容された場合にECU2,2の基板と共有回路40とが接続されるように構成される。共有回路40は、通信回路41とCANトランシーバ43とACK検出回路45とを備え、CANトランシーバ43は、ECU集約装置4の筐体に取り付けられているハーネス42に含まれるCANバス44に接続されている。CANトランシーバ43は、CANバス44における信号の送受信を物理層にて実現する。
通信回路41は、複数の接続端子Txa,Rxa,Txb,Rxb、送信用端子Txc、受信用端子Rx、及びACK信号のタイミング信号を入力するためのACKタイミング端子ACKを備える。通信回路41の内部構成は実施の形態1における通信回路13と同様であるので詳細な説明を省略する。
ACK検出回路45は、ECU集約装置4に収容されるECU2,2のいずれかのCANコントローラ22の入力端子Rxに接続する接続端子Rxbからの信号が分岐して入力されるようにしてある。勿論、接続端子Rxaからの信号が分岐して入力されるようにしてもよい。ACK検出回路45は、ECU2,2又は外部のECUから送信されるCANメッセージの信号に基づき、ACK信号が出力されるタイミングを検出し、そのタイミングを示すタイミング信号を生成する機能を持つ。そしてACK検出回路45は、生成したタイミング信号を通信回路41のACKタイミング端子ACKに入力するACKタイミング出力端子ACK_Oを備えている。
このように構成されるECU集約装置4において、通信回路41により、ECU集約装置4に集約されるECU2,2の一方がCANメッセージを送信する場合、当該CANメッセージに対する他方からのACK信号がCANトランシーバ43の外へ送信されないようにすることができることは、実施の形態1と変わりない。
通信回路41を用いて、複数のECU2,2を集約することで、OSEK−NMの機能を有するOSEK/VDX規格対応のOSで動作するマイコンを支障なく利用しつつ、複数のECU2,2で通信資源(CANトランシーバ43)を共有して省線化を図るECU集約装置4を実現することができる。実施の形態2では更に、従来のECU2,2の内部構成を変更することなしに複数集約させ、することができる点、優れた効果を奏する。
実施の形態2では、共有回路40にACK検出回路45を設け、ACK検出回路45が、通信回路41の接続端子Rxb(又は接続端子Rxa)からの信号を分岐して入力し、ACK信号の出力タイミングを示すタイミング信号を生成して通信回路41のACKタイミング端子ACKへ入力する構成とした。しかしながら、本発明はこれに限らず、ECU2,2のCANコントローラ22,22のいずれからACK信号の出力を取り出して、タイミング信号を生成して通信回路41へ入力するようにしてもよい。
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。