JP2010107971A - 輝度向上シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄型化に有利な輝度向上機能を有する光学シートを提供する。
【解決手段】表面が平面とされたシート状のバインダ23の内部に複数の錐体部24が形成されている。錐体部24は、拡散シート側から入射した光をバインダ23と協働して、輝度向上シート20の法線方向に屈折させて正面輝度を向上させる。錐体部24は、略錐体形状とされ、頂点を一方のシート面に向けた姿勢で、シート面に沿って面状に分布され、バインダ23よりも屈折率が低くされている。錐体部24は、気泡を形成したものとなっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、シート表面の法線方向の輝度を向上させる輝度向上シート及びその製造方法に関するものである。
近年では、液晶表示装置(LCD)が普及している。この液晶表示装置は、低消費電力、薄型等の特徴を有しており、家庭用テレビのような大型の機器から、ノートブックコンピュータのモニタやデジタルカメラ、携帯電話などの小型機器まで様々な機器に利用されている。このような液晶表示装置では、バックライトで液晶パネルを照明するバックライト方式のものが普及している。
バックライト方式の液晶表示装置の一般的な構成は、電気信号に応じて光の透過率を変化させる液晶パネルと、その背後から光を照射する光源ユニット(バックライト)を備える。液晶パネルは、クロスニコル配置された一対の偏光板と、これらの間に挟まれ透過する光の偏光状態を変化させる液晶セルからなる。また、光源ユニットは、蛍光管等の光源と、液晶パネルの全面を均一に照明するために、光源からの光を散乱・拡散させる拡散シート、正面輝度を向上させるいわゆるBEF(ブライトネスエンハンスメントフィルム)と呼ばれる輝度向上シートなどからなる。
輝度向上シートとしては、特許文献1等で知られるように、プリズムシートが用いられている。プリズムシートは、その一方の面に断面三角形の多数のプリズムを一定のピッチで形成したものであり、一方の面から入射した光線をプリズムによって法線方向に向けて屈折することにより、法線方向に大きなピークを持つような光分布とする。そして、このプリズムシートを介して照明光を液晶パネルに入射させることで、液晶表示装置の正面輝度を向上させている。プリズムシートは、それぞれのプリズムが一方向に長く形成され、各プリズムをその長手方向と直交する方向に並べているが、そのプリズムが並ぶ方向に拡散する光線を屈折させて法線方向に集中させる。このため、プリズムが並ぶ方向が直交するように2枚のプリズムシートを重ねた構成で使用される場合がある。
特開平10−82903号公報
ところで、上記のようなプリズムシートは、そのシート表面に形成された各プリズムの頂点が尖っているため、他の部材、例えば拡散シートや液晶パネルの表面を傷つけやすいという問題がある。さらに、表面に凹凸形状が形成されているためシート厚が大きく、他の部材の表面を傷つけやすいことと相まって、液晶表示装置に組み込む際には、配置スペースを多く必要とし、また部品点数の増加及びコスト上昇を招くため、液晶表示装置の薄型化を妨げる要因の1つになっていた。
また、上記のようなプリズムシートを製造する場合には、例えばプリズムパターンが表面に形成されたロールや金型に紫外線硬化樹脂を塗布し、これを基材に重ね合わせて紫外線硬化させるなどの工程を経るため、製造速度の向上に限界があり、生産性が低いという欠点がある。さらに、その製造工程においてシート表面に極めて緻密な微細加工を施す必要性があり、基材の歩留まりを考慮すると高価になるという問題があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、輝度向上機能を有し、生産性が高く、しかも省スペースで液晶表示装置の薄型化に有利な輝度向上シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために請求項1に記載の輝度向上シートでは、透明なポリマーからなるシート部材の内部に設けられ、ポリマーと屈折率が異なるとともに略錐体形状とされ、頂点をシート部材の一方のシート面に向けた姿勢で、シート面に沿って面状に分布された複数の錐体部を有するものである。
請求項2記載の輝度向上シートでは、錐体部を、ポリマーとの屈折率の差が0.02以上としたものである。
請求項3記載の輝度向上シートでは、錐体部が、ポリマーよりも屈折率が低いものである。
請求項4記載の輝度向上シートでは、シート面の法線方向に投影したときの、シート面に対する複数の錐体部の投影面積の比率を0.5以上としたものである。
請求項5記載の輝度向上シートでは、錐体部を、気泡としたものである。
請求項6記載の輝度向上シートでは、シート部材に積層された透明なベース層を備えたものである。
請求項7記載の輝度向上シートの製造方法では、ポリマーを溶解した所定の粘性を有する溶液にこの溶液よりも比重が小さくかつポリマーと異なる屈折率の多数の気泡または液泡を混入したドープを、走行する支持体に流延して流延膜を形成する流延工程と、流延膜の内部が流動性を有する間に、気泡または液泡を溶液との比重の差によって流延膜の内部で浮上させることにより、各々の気泡または液泡が流延膜の下面側に頂点を向けた略錐体形状の多数の錐体部を形成するとともに流延膜内部に配列させる配列工程とを有するものである。
請求項8記載の輝度向上シートの製造方法では、気泡または液泡が、ポリマーよりも屈折率が低いものである。
請求項9記載の輝度向上シートの製造方法では、ポリマーを溶解した所定の粘性を有する溶液にこの溶液よりも比重が小さくかつポリマーと異なる屈折率の略錐体形状の固体からなる多数の錐体部材を混入したドープを、走行する支持体に流延して流延膜を形成する流延工程と、流延膜の内部が流動性を有する間に、錐体部材を溶液との比重の差によって流延膜の内部で浮上させることによって、各々の錐体部材を流延膜のいずれかの面側に頂点を向けて流延膜内部に配列させる配列工程とを有するものである。
請求項10記載の輝度向上シートの製造方法では、錐体部材が、ポリマーよりも屈折率が低いものである。
本発明の輝度向上シートによれば、透明なポリマーからなるシート部材の内部に、そのポリマーと屈折率が異なり略錐体形状とされた複数の錐体部を設け、各錐体部の頂点をシート部材の一方面に向けた姿勢で、シート面に沿って面状に分布させた構成としたから、輝度向上シートの表面を平坦とすることができ、他の部材と密着あるいは近接して配設することができる。そして、これにより、省スペース化を図ることができる。
また、本発明の輝度向上シートの製造方法によれば、流延工程でポリマーと屈折率が異なる気泡や液泡あるいは固体の錐体部材を混入したドープを流延して流延膜を形成し、その流延膜の内部が流動性を有する間に、気泡や液泡、錐体部材を溶液との比重の差で浮上させることにより、気泡,液泡を流延膜の一方の面に頂点を向けた略錐体形状の錐体部を形成するとともに配列させ、あるいは錐体部材を流延膜の一方の面に頂点を向けて配列させるから、流延による製膜の工程において輝度向上シートの機能を発現させる構造をシート内部に形成することができ、輝度向上シートを高速に製造することができる。また、シート表面にプリズム形状を形成する工程のようなシート自体の製造工程とは別の工程を不要とすることができ、製造工程、製造設備の簡略化を図ることができる。
本発明を実施した液晶表示装置の外観を示す斜視図である。 本発明の輝度向上シートの構成を示す断面図である。 略錐体形状の錐体部の頂点相当角度を説明する説明図である。 輝度向上シートでの錐体部の分布状態を示す斜視図である。 輝度向上シートの製造装置の構成を示す説明図である。 流延ダイの概略断面図である。 輝度向上シートを偏光板の保護膜として用いた偏光板の構成を示す断面図である。
本発明の輝度向上シートを用いた液晶表示装置の概略を図1に示す。液晶表示装置10は、液晶パネル11と、光源ユニット12とから構成してある。液晶パネル11は、液晶セル13と、2枚の偏光板14,15とから構成される。液晶セル13は、透明なガラス基板の間に液晶を封入したものであり、各ガラス基板の内面に形成された透明電極間に電圧を印加することによって、透過する光の偏光状態を変化させる。
偏光板14は、偏光膜14aと、その両面に密着させた一対の保護膜14b,14cとから構成してある。偏光板15についても、偏光板14と同じ構成であり、偏光膜15aと、保護膜15b,15cとから構成してある。各偏光板14,15は、互いにクロスニコルとなるように配置してあり、これらの間に液晶セル13を配してある。
光源ユニット12は、液晶パネル11を背後から照明するものであり、光源ランプ17,導光板18,拡散シート19,輝度向上シート20からなるエッジライト方式のものとしてある。光源ランプ17は、例えば棒状の蛍光管を用いており、楔形状の導光板18の端部(エッジ)に沿うように配してある。この光源ランプ17から放出される照明光は、直接、またリフレクタ17aに反射されて、導光板18の端部から内部に入射する。導光板18は、入射した照明光を、その内部で反射することにより、液晶パネル11とほぼ同じサイズの射出面18aから射出する。
拡散シート19は、液晶パネル11の全面を均一に照明するためのものであり、射出面18aに近接させて配してある。この拡散シート19は、射出面18aから射出される照明光を透過する際に散乱・拡散させる。このような拡散シート19としては、例えば透明なシートの表面にビーズ状の光拡散材料を分散したもの、シート内部に光拡散材料を分散させたものなどを用いることができる。なお、光源ユニット12の薄型化を図る上では、拡散シート19を輝度向上シート20と密着させて配すのがよい。また、薄型化を図る上では、上述のようにシート内部に光拡散材料を分散させる等して表面を平面とすることが好ましく、この例でもそのように構成してある。
輝度向上シート20は、液晶パネル11と拡散シート19との間に配してあり、正面輝度を向上させる。すなわち、この輝度向上シート20は、液晶パネル11の法線方向に射出される照明光の光量を大きくするように照明光の分布を制御する。輝度向上シート20は、そのサイズは液晶パネル11の背面とほぼ同じにしてある。拡散シート19で拡散された照明光は、輝度向上シート20に入射し、輝度向上シート20から射出される照明光が液晶パネル11に入射する。輝度向上シート20としては、正面輝度を5%以上向上させることが好ましい。
図2に示すように、輝度向上シート20は、ベース層21と、このベース層21の一方の面に積層した輝度向上層22とからなる。この輝度向上シート20は、液晶パネル11側の面20a、及び拡散シート側の面20bがいずれも平面となったシート状となっている。
ベース層21は、輝度向上シート20の取り扱い性や、強度の向上、厚みの調整などの目的で設けてあり、必ずしも必要なものではない。このベース層21は、光透過率が高いポリマーで一定の厚みに形成してある。ベース層21のポリマーとしては、光透過率が高く薄膜形状にすることができるものであれば、後述する輝度向上層22に用いられるポリマーと同じものであってもよく、異なるものでもよい。
なお、ベース層21と輝度向上層22とを同じポリマーで構成する場合には、これらが製造過程で一体となって、これらの境界面20cが消失する場合があるが、そのような構成であってかまわない。境界面20cが形成される場合では、その境界面20cを平面となるようにする。また、輝度向上シート20を輝度向上層22の1層で構成する場合には、その輝度向上層22の各面を平面にする。
輝度向上層22は、バインダ23と、バインダ23内に形成された多数の錐体部24とからなる。バインダ23は、TAC(セルローストリアセテート)で構成しているが、これに限らず光透過率が高く、薄膜形状にすることができる公知のポリマーを用いることができる。また、ポリマーは、光学的異方性がないもの、すなわち光学的等方性を有するものがより好ましい。これらの条件を満たす好ましいポリマーとしては、セルロースアシレートが挙げられる。
セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基をカルボン酸でエステル化している割合、つまりアシル基の置換度(以下、アシル基置換度と称する)が下記式(1)〜(3)の全ての条件を満足するセルローストリアセテートが特に好ましい。なお、式(1)〜(3)中のA及びBは、いずれもアシル基置換度であり、Aにおけるアシル基はアセチル基であり、Bにおけるアシル基は炭素原子数が3〜22のものである。
2.5≦A+B≦3.0・・・(1)
0≦A≦3.0・・・・・(2)
0≦B≦2.9・・・・・(3)
セルロースを構成し、β−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、このようなセルロースの水酸基の一部または全部がエステル化されて、水酸基の水素が炭素数2以上のアシル基に置換されたポリマーである。なお、グルコース単位中のひとつの水酸基のエステル化が100%されていると置換度は1であるので、セルロースアシレートの場合には、2位、3位及び6位の水酸基がそれぞれ100%エステル化されていると置換度は3となる。
ここで、グルコース単位で2位のアシル基置換度をDS2、3位のアシル基置換度をDS3、6位のアシル基置換度をDS6として「DS2+DS3+DS」で求められる全アシル基置換度は2.00〜3.00であることが好ましい。また、全アシル基置換度は、2.22〜2.90であることがより好ましく、2.40〜2.88であることがさらに好ましい。さらに、「DS6/(DS2+DS3+DS6)」は、0.32以上であることが好ましく、0.322以上であることがより好ましく、0.324〜0.340であることがより好ましい。
アシル基は1種類でもよいし、2種類以上であってもよい。アシル基が2種類以上であるときには、そのひとつがアセチル基であることが好ましい。2位、3位、及び6位の水酸基の水素のアセチル基による置換度の総和をDSAとし、2位、3位、及び6位におけるアセチル基以外のアシル基による置換度の総和をDSBとしたとき、「DSA+DSB」の値は、2.2〜2.86であることが好ましく、2.40〜2.8であることが特に好ましい。DSBは、1.50以上であることが好ましく、1.7以上であることが特に好ましい。そして、DSBは、その28%以上が6位水酸基の置換であることが好ましいが、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは31%以上、特に好ましくは32%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましい。また、セルロースアシレートの6位の「DSA+DSB」の値が0.75以上であることが好ましく、0.80以上であることがより好ましく、0.85以上であることが特に好ましい。以上のようなセルロースアシレートを用いることにより、溶液製膜に用いられるポリマー溶液を作る上で好ましい溶解性が得られ、またろ過性の好ましい粘度が低いポリマー溶液を製造することができる。特に非塩素系有溶媒を用いる場合には、上記のようなセルロースアシレートが好ましい。
炭素数が2以上であるアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく、特に限定されない。例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどがあり、これらは、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などを挙げることが出来る。これらの中でも、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などがより好ましく、プロピオニル基、ブタノイル基が特に好ましい。なお、セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号公報の段落[0140]から段落[0195]に記載されており、これらの記載は本発明にも適用することができる。
バインダ23は、可塑剤、劣化防止剤、紫外線吸収剤、光学異方コントロール剤、染料、マット剤、剥離剤等の各種添加剤を適宜に含んでもよい。これらについては、特開2005−104148号公報の段落[0196]から段落[0516]に記載されており、これらの記載は本発明にも適用することができる。
錐体部24は、拡散シート側から入射した光をバインダ23と協働して、輝度向上シート20の法線方向に屈折させて正面輝度を向上させるものであり、バインダ23よりも屈折率の低い部分として形成してある。この例における錐体部24は、気泡(空気)をバインダ23で封入することにより形成してある。このように輝度向上シート20は、錐体部24をバインダ23内に形成した構成であるため、シートが薄くなっており、またシートが平面であるため他の部材と近接または密着させて利用することができる。
錐体部24は、その頂点24aを光の入射側、すなわち拡散シート側の面20bに向け、底面24bを光の射出側、すなわち液晶パネル側の面20aに向けた姿勢の略錐体形状としてあり、多数の錐体部24を面20aに沿って面状に分布してある。なお、上述のようにバインダ23は、セルローストリアセテートであり、その屈折率は約「1.48」であり、空気の屈折率は約「1.0」である。
錐体部24は、バインダ23よりも屈折率が低いものであれば、固体,液泡(液体),気泡(気体)のいずれであってもよい。また、錐体部24は、正面輝度を向上させる観点からバインダ23との屈折率の差が0.02以上であることが好ましく、正面輝度の向上能力を高くするためにバインダ23との屈折率の差が大きいことが好ましい。
上記のようなバインダ23との屈折率の差を有するものとしては、酸素、窒素や空気等の各種の気体や水をあげることができる。気体は、屈折率がおよそ「1.0」であることから、種々のバインダに対して好ましく用いることができる。なお、気泡を構成する気体の種類は特に限定されない。
錐体部24を構成する固体,液泡,気泡の比重は、特に限定されるものではないが、後述する製造方法のように、流延膜の内部で固体,液泡,気泡の浮力を用いて錐体部24を形成、配列する場合には、バインダ23となる溶液よりも比重が小さいものを用いる。
錐体部24の形状としては、拡散シート19から入射する様々な方向の光線をより多く輝度向上シート20の法線方向に屈折させることができる形状が好ましい。錐体部24は、輝度向上シート20の法線方向に対して角度を有した斜面となったバインダ23との境界面において入射する光をその法線方向に向けて屈折させることによって輝度向上を図るものである。したがって、錐体部24の理想的な形状の1つとして円錐形が挙げられる。円錐においては、その頂角は、80°未満とするのが好ましく、60°未満とすることがより好ましい。
また、錐体部24は、円錐の他に三角錐、四角錐などの角錐も好ましい形状である。さらに、錐体部24は、厳密に錐体形状である必要はなく、およそ錐状といえる略錐体形状となっていればよい。すなわち、錐体部24の頂点に相当する部分が球面状であったり、錐体の底面や側面に相当する面が凸状や凹状の曲面であったりしてもかまわないし、それらの面の区別が明確でなくてもよい。
錐体部24が角錐や、錐体形状に近い形状である場合には、図3に示すように、錐体部24を輝度向上シート20の法線方向に見た場合の最大幅Lmaxとなる部分を頂点に相当する部分P1から臨む角度θを頂角に相当する角度(以下、頂角相当角度という)として、これを80°未満とするのが好ましく、60°未満とすることがより好ましい。
なお、錐体部24は、上記のようないずれの形状においても、その頂点またはそれに相当する部分を光の入射側に向けた姿勢として形成するが、厳密に頂点またはそれに相当する部分を光の入射側に向けた姿勢でなくてもよい。
図2に示すように、錐体部24は、輝度向上層22の厚み方向の長さ、すなわち高さh1は、10μm以上50μm以下となるようにするのが好ましい。高さh1を小さくし過ぎると、錐体部24による入射光の散乱が支配的になり輝度向上性能が得られない場合があるので、高さh1は、10μm以上とするのがよい。また、輝度向上層22の厚みh2は、錐体部24の高さh1と同じか、それよりも大きければよい。
輝度向上層22に分布させる各錐体部24の大きさや形状は、輝度向上シート20の面内での輝度向上性能のムラや、スポット的な輝度向上性能の差を発現させないために、大きなばらつきがなく、できる限り均一とすることが好ましい。
図4に示すように、多数の錐体部24は、輝度向上シート20の面20aに沿って面状に一様に分布するように形成されている。輝度ムラの防止の観点から、このように、多数の錐体部24を面状に一様に分布することが好ましく、また規則的に錐体部24を分布させ、さらには錐体部24を密に分布させることが好ましい。なお、輝度向上シート20の厚み方向で各錐体部24の位置が多少ずれていてもよいが、厚み方向での各錐体部24の位置が同じであることが好ましい。図4では、錐体部24をマトリクス状に配列した場合を示しているが、千鳥状に配してもよい。
錐体部24の分布は、図4に示されるように、単層として輝度向上シート20の法線方向から見たときに錐体部24が重ならないように配することが好ましい。また、規則的に錐体部24が配列され、法線方向から見たときの重なりが均一である場合には、錐体部24を層状に複数層で分布させてもよい。もちろん、多数の錐体部24を単層あるいは複数層に分布させた輝度向上層を積層した構成とすることもできる。
錐体部24を密に分布させるために、各錐体部24の間に生じる隙間を最小にすることが好ましい。例えば、錐体部24を輝度向上シート20の法線方向に投影したときの形状が半径rの円とした場合、投影される錐体部24の円の中心間隔を「2r」とすることが好ましい。
気泡や液泡を錐体部24とした場合でも、これらを密接させて配するのがよい。製造時において、隣接した気泡の境界は、バインダ23となる溶液であるが、その溶液がある程度の粘性を有するため、その境界が容易に消失することはなく、気泡や液泡からなる錐体部24を密接させて形成することができる。
また、十分な輝度向上能力を得るために、輝度向上シート20のシート面の法線方向に投影したときの、そのシート面に対する各錐体部24の投影面積比率を0.5以上とするのがよい。投影面積比率は、錐体部24が多数分布していると見なせる程度の輝度向上シート20の領域の投影面積に対する、その各領域内に分布している各錐体部24の投影面積の比率として求められる。
上記の構成によれば、輝度向上シート20には、拡散シート19からの照明光が入射する。その照明光は、拡散シート19でほぼ均一に拡散されているため、様々な入射角の光線が輝度向上シート20に入射する。輝度向上シート20に入射した光線のうち一部の光線は、そのまま直進して液晶パネル11側の面から射出される。
一方、バインダ23と錐体部24との境界面に光線が入射すると、それらバインダ23と錐体部24との屈折率の違いにより、その光線は入射角度に応じた屈折角で屈折して錐体部24内を進み、錐体部24からバインダ23に射出する際に再び屈折する。そして、輝度向上シート20の液晶パネル11側の面から射出される。
このようにして、照明光が輝度向上シート20から射出されるが、上記のバインダ23と錐体部24との屈折率の違いにより生じる屈折で、より多くの光線が輝度向上シート20の法線方向に近づくように屈折される。これにより、正面輝度が向上した照明光が輝度向上シート20から液晶パネル11に入射し、液晶表示装置10の正面輝度が向上する。
図5に上記の輝度向上シート20の製膜装置の一例を示す。第1調製装置41は、ベース層21を形成するための第1ドープを調製して送り出す。第1ドープは、溶剤にTACを溶解したものである。第1調製装置41には、第1ドープのTACの濃度を調節する濃度調整器(図示省略)を設けてあり、この濃度調整器による濃度調整により、第1ドープの粘度を制御することができる。
第2調製装置42は、輝度向上層22を形成するための第2ドープを調製して送り出す。第2ドープは、第1ドープと同じく溶剤にTACを溶解したものであり、第2調製装置42に設けた濃度調整器(図示省略)でTACの濃度を調節することでその粘度が調節される。
上記ドープを製造するためにポリマーを溶解する溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,n−ブタノール,ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)などが例示される。なお、ここで、ドープとはポリマーを溶媒に溶解または分散媒に分散して得られるポリマー溶液または分散液である。
セルロースアシレートの溶媒としては、これらの溶媒の中でも炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく、ジクロロメタンが最も好ましい。そして、TACの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、輝度向上シートの機械的強度や光学特性等の特性の観点から、炭素原子数1〜5のアルコールを一種ないし数種類を、ジクロロメタンに混合して用いることが好ましい。このとき、アルコールの含有量は、溶媒全体に対し2重量%〜25重量%であることが好ましく、5重量%〜20重量%であることがより好ましい。アルコールの好ましい具体例としては、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノール等が挙げられるが、中でも、メタノール,エタノール,n−ブタノール、あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
環境に対する影響を最小限に抑えることを目的にした場合には、ジクロロメタンを用いずに溶液を製造してもよい。この場合の溶媒としては、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステルが好ましく、これらを適宜混合して用いることがある。これらのエーテル、ケトン及びエステルは、環状構造を有するものであってもよい。また、エーテル、ケトン及びエステルの官能基(すなわち、−O−,−CO−及び−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、溶媒として用いることができる。また、溶媒は、例えばアルコール性水酸基のような他の官能基を化学構造中に有するものであってもよい。
流延すべきドープの製造方法は特に限定されない。しかし、流延バンド上に流延された溶液からなる流延膜を冷却により固化させて剥ぎ取る場合には、流延膜を乾燥して剥ぎ取る場合の溶液よりも、セルロースアシレート等の固形分の濃度が高くなるように、溶液を製造することが好ましい。この方法としては、いわゆるフラッシュ濃縮法を用いることが好ましい。フラッシュ濃縮法とは、目的とする濃度よりも低い濃度の溶液を一旦つくり、この溶液を公知のフラッシュ装置で吹き出させることにより溶媒の一部を蒸発させる方法である。
流延すべきドープは、セルロースアシレートの濃度が5重量%〜40重量%であることが好ましく、15重量%以上30重量%以下の範囲とすることがより好ましく、17重量%以上25重量%以下の範囲とすることがさらに好ましい。
バブリング装置43は、第2ドープに空気を混入させることにより、第2ドープ中に錐体部24となる気泡を形成する。このバブリング装置43は、気泡を含む第2ドープを静止型混合器44に送る。静止型混合器44は、気泡を含む第2ドープを剪断する。これにより、第2ドープ中の気泡を、錐体部24を形成するのに必要な大きに分断するとともに均一に分散させる。気泡の大きさは、第2ドープの粘性,空気の混入量、静止型混合器44の剪断等を調整することにより制御される。
なお、錐体部24を液泡で構成する場合には、空気に代えて液体、例えば水を混入して第2ドープに液泡を形成すればよい。また、固体材料で錐体部24を構成する場合には、略錐体形状とした固体材料からなる錐体部材を第2ドープに混入して均一に分散すればよい。
流延エリアには、ドープを流出する流延ダイ45を設けてある。この流延ダイ45には、第1調製装置41、静止型混合器44からの第1,第2ドープが供給される。この流延ダイ45の下方には、支持体としての流延バンド46を配してある。この流延バンド46は、無端の環状にしてあり、一対のローラ47a,47bに掛けてある。ローラ47a,47bの間では、流延バンド46が水平となるようにしてある。
一対のローラ47a,47bのうち、一方のローラ47aは、図示しない駆動モータで回転される駆動ローラであり、他方のローラ47bは、流延バンド46の走行によって従動回転する。流延バンド46は、ローラ47aの回転によって矢線A方向に走行する。
流延バンド46の走行方向における流延ダイ45よりも上流側には、流延ダイ45から流延バンド46に渡って形成されるビードよりも上流側のエリアを減圧する減圧チャンバ48を設けてある。
流延ダイ45に供給された第1ドープと第2ドープとは、層状に重なった状態で、流延ダイ45から走行する流延バンド46の上へ連続的に流出されることによって流延される。これにより流延バンド46上に2層の流延膜が形成される。この流延膜の下層は、第1ドープで形成され、上層が第2ドープで形成される。
ローラ47a,47bには、加熱装置50を接続してある。この加熱装置50は、ローラ47a,47bを介して流延バンド46を加熱することによって流延膜の乾燥を進める。この加熱装置50による乾燥の進行は、第2ドープによって形成される上層内部の気泡を溶液との比重の差によって浮上させ、所期の錐体部24としての形状とし、また配列させるために制御されている。すなわち、錐体部24の形状の形成、配列のための上層内部の流動性と時間とが得られるように、流延ダイ45からの流延直後に急速に流延膜の乾燥が進まないようにして乾燥が制御される。
送風ダクト49は、流延膜の乾燥をより進めるためのものであり、例えば上層内部で気泡がほぼ所期の形状、配列となった以降に、流延バンド46上の流延膜に乾燥空気を吹き付ける。乾燥された流延膜は、流延バンド46から輝度向上シート20として剥ぎ取られて、ローラ57にガイドされて次工程に送られる。このように製造される長尺の輝度向上シート20は、液晶表示装置等の用途に応じたサイズにカットされて使用される。
なお、この例では、錐体部24を形成し配列する間では、流延バンド46側からの加熱だけを行っているが、この間に流延膜に乾燥空気を吹き付けて上層側から乾燥を進めるようにしてもよいし、その両方を併用してもよい。また、流延バンド46を冷却することによって、流延膜をゲル化させて、ローラでの搬送が可能な程度に硬くしてから流延膜60を流延バンド46から剥ぎ取り、その後に乾燥するようにしてもよい。なお、この場合には、冷却による流延膜のゲル化の進行を制御することで、そのゲル化の進行中に錐体部24を形成し配列させる。
図6に示すように、流延ダイ45の内部には、第1ドープの第1流路51と、第2ドープの第2流路52とを形成してある。各流路51,52は、流延ダイ45が所定の設置位置に配されたときに、流延バンド46の走行の向き(矢線A方向)における上流側から順に第1流路51,第2流路52として形成してある。
流延ダイ45は、いわゆるマルチマニホールドタイプのものであり、第1調製装置41から供給される第1ドープが滞留するマニホールド53を形成してあり、このマニホールド53に第1流路51を接続してある。同様に、静止型混合器44から供給される第2ドープが滞留するマニホールド54を形成してあり、これに第2流路52を接続してある。第1流路51と第2流路52とは、合流部PJで接続され、合流部PJから共流路56につながる。
第1,第2ドープは、この流延ダイ45の合流部PJで、流延バンド46の走行方向の上流側から順に第1ドープ,第2ドープが層状に重なった流れを形成し、この重なりを保持した状態で共流路56を流れて、流延バンド46に向けて流出される。これにより、流延バンド46上に流延膜60が形成される。この流延膜60は、第1ドープで形成されベース層21となる下層61と、第2ドープで形成され輝度向上層22となる上層62とが積層されたものとなる。なお、図6では気泡の図示を省略している。
第1ドープ,第2ドープは、流延ダイ45から流出させるために圧力が与えられている。第2ドープは、上述のように気泡を含んでおり、流延ダイ45から流出されると、それまで加えられていた圧力がなくなるため、多少なりとも膨張する。なお、静止型混合器44で形成する気泡の大きさは、この膨張を考慮して決められる。
第1ドープ,第2ドープが流延バンド46上で流延膜60となると、上層62(第2ドープ)を構成する溶液よりも、それに含まれる気泡の比重が小さく、また上層62の内部に流動性があるため、その上層62の内部を気泡が浮上する。この浮上の際には、上層62を構成する溶液の粘性が作用することによって、気泡の下部が細くなり、また上部が平坦となるよう変化しながら錐体部24の所期の形状に向かって形状を変化させながら浮上する。
そして、上記の気泡の浮上は、流延膜60の乾燥が進むことによって停止する。また、流延膜60の乾燥によって、気泡は、その形状と位置とが固定されて錐体部24となる。これにより、輝度向上シート20の一方の面側に頂点を向ける姿勢の略錐体形状の錐体部24が形成される。
また、上記のような気泡の浮上は、流延膜60の乾燥によって停止するが、露呈されている流延膜60の上面、すなわち上層62の上面側は、その内部に比べて乾燥が早く進み、その上面から適当な厚みの部分についての流動性が早く低くなる。このため、上面から一定の深さの面で各気泡の浮上を停止させることができ、結果としてほぼ単一の層状に多数の錐体部24を分布させることできる。
上記の製膜装置では、複数のドープを層状に重ねて流延ダイから流出させる共流延であるが、例えば、まずベース層21を形成するためのドープを流延ダイから流延バンドに流延して流延膜とし、さらにその流延膜の上に輝度向上層22を形成するためのドープを異なる流延ダイから流延するようにした逐次流延でもよい。なお、輝度向上層22だけからなる輝度向上シートを製造する場合には、それを形成するドープのみを流延すればよい。
上記各実施形態では、膜厚の調整等のために輝度向上シートにベース層を形成しているが、表面硬度の高い層を形成することによって、傷つきの防止を図ってもよい。もちろん、多層化ではなく、輝度向上シート自体または輝度向上層自体の表面硬度を高くしてもよい。
また、図7に示すように、輝度向上シート20を偏光板15の保護膜として用いることもできる。この例では、液晶パネル11の光源側の偏光板15の偏光膜15aのやはり光源側の面の保護膜として輝度向上シート20を接着してある。輝度向上シート20は、表面を平面としてあるので、このように他の面状の構成部材と接着して利用するのに適している。
上記実施形態では、錐体部の屈折率がバインダの屈折率よりも低い例について説明したが、本発明は、錐体部とバインダとの屈折率が異なっていればよい。したがって、バインダ内部に、このバインダよりも屈折率が高い錐体部を含む構成でもよい。この構成の場合には、錐体部の底面側のシート面から光を入射し、頂点側のシート面から光を射出するように輝度向上シートを配置することにより、輝度向上の効果を得ることができる。
実施例1〜8、及び比較例1,2として、図2に示される構成の輝度向上シートを作成して、輝度向上性能を評価した。各実施例、及び各比較例としては、ベース層21、輝度向上層22をTACとして輝度向上シート20を作成した。また、錐体部24の高さh1は、40μm、輝度向上層22(バインダ23)の厚みh2は50μmである。なお、錐体部24の材料は、いずれもTACよりも屈折率が低いものである。
[実施例1]
実施例1では、錐体部24として、頂角相当角θが70°であり、PMMA(ポリメチルメタクリレート)からなる略錐体形状の錐体部材を用い、投影面積比率が0.5となる輝度向上シート20を作成した。実施例1で用いたPMMAとTACとの屈折率の差(Δn)は0.02である。
[実施例2]
実施例2では、水を液泡としてドープに混入させておくことにより、上述の図5に示す製膜装置と同様な手法で頂角相当角θが70°の略錐体形状の錐体部24を形成し、投影面積比率が0.5となる輝度向上シート20を作成した。水とTACとの屈折率の差(Δn)は、約0.15である。
[実施例3]
実施例3では、投影面積比率を0.6とし、他の条件を実施例2と同じにした輝度向上シート20を作成した。
[実施例4]
実施例4では、空気を気泡としてドープに混入させておくことにより、上記図5に示す製膜装置と同様な手法で頂角相当角θが50°の略錐体形状の錐体部24を形成し、投影面積比率が0.5となる輝度向上シート20を作成した。空気とTACとの屈折率の差(Δn)は、約0.48である。
[実施例5]
実施例5では、投影面積比率を0.7とし、他の条件を実施例4と同じにした輝度向上シート20を作成した。
[実施例6]
実施例6では、投影面積比率を0.3とし、他の条件を実施例1と同じにした輝度向上シート20を作成した。
[実施例7]
実施例7では、投影面積比率を0.3とし、他の条件を実施例2,3と同じにした輝度向上シート20を作成した。
[実施例8]
実施例8では、投影面積比率を0.3とし、他の条件を実施例4,5と同じにした輝度向上シート20を作成した。
[比較例1]
比較例1では、実施例1と同じ屈折率を有し、球形としたPMMAをバインダの内部に含有させたシートを作成した。なお、シートに対する球形のPMMAの投影面積比率は0.5である。
[比較例2]
比較例2では、球形とした液泡(水)をバインダ23の内部に形成したシートを作成した。なお、シートに対する球形の液泡の投影面積比率は0.5である。
実施例1〜8、及び比較例1,2についての輝度向上率を測定した結果を表1に示す。輝度向上率は、作成した各シートを通した正面輝度を評価輝度として測定するとともに、シートを透過させない場合の正面輝度を基準輝度として測定し、後者に対する前者の正面輝度を用いて輝度向上率(=[(評価輝度−基準輝度)/基準輝度]×100%)を求めた。
Figure 2010107971
10 液晶表示装置
12 光源ユニット
20 輝度向上シート
21 ベース層
22 輝度向上層
23 バインダ
24 錐体部
41,42 調製装置
43 バブリング装置
44 静止型混合器
45 流延ダイ
46 流延バンド

Claims (10)

  1. 透明なポリマーからなるシート部材の内部に設けられ、前記ポリマーと屈折率が異なるとともに略錐体形状とされ、頂点を前記シート部材の一方のシート面に向けた姿勢で、シート面に沿って面状に分布された複数の錐体部を有することを特徴とする輝度向上シート。
  2. 前記錐体部は、前記ポリマーとの屈折率の差が0.02以上であることを特徴とする特徴とする請求項1記載の輝度向上シート。
  3. 前記錐体部は、前記ポリマーよりも屈折率が低いことを特徴とする請求項1または2記載の輝度向上シート。
  4. シート面の法線方向に投影したときの、前記シート面に対する前記複数の錐体部の投影面積の比率が0.5以上であることを特徴とする請求項3記載の輝度向上シート。
  5. 前錐体部は、気泡であることを特徴とする請求項3または4記載の輝度向上シート。
  6. 前記シート部材に積層された透明なベース層を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの1項に記載の輝度向上シート。
  7. ポリマーを溶解した所定の粘性を有する溶液にこの溶液よりも比重が小さくかつ前記ポリマーと異なる屈折率の多数の気泡または液泡を混入したドープを、走行する支持体に流延して流延膜を形成する流延工程と、
    前記流延膜の内部が流動性を有する間に、前記気泡または液泡を前記溶液との比重の差によって前記流延膜の内部で浮上させることにより、各々の気泡または液泡が前記流延膜の下面側に頂点を向けた略錐体形状の多数の錐体部を形成するとともに前記流延膜内部に配列させる配列工程とを有することを特徴とする輝度向上シートの製造方法。
  8. 前記気泡または液泡は、前記ポリマーよりも屈折率が低いことを特徴とする請求項7記載の輝度向上シートの製造方法。
  9. ポリマーを溶解した所定の粘性を有する溶液にこの溶液よりも比重が小さくかつ前記ポリマーと異なる屈折率の略錐体形状の固体からなる多数の錐体部材を混入したドープを、走行する支持体に流延して流延膜を形成する流延工程と、
    前記流延膜の内部が流動性を有する間に、前記錐体部材を前記溶液との比重の差によって前記流延膜の内部で浮上させることによって、各々の錐体部材を前記流延膜のいずれかの面側に頂点を向けて前記流延膜内部に配列させる配列工程とを有することを特徴とする輝度向上シートの製造方法。
  10. 前記錐体部材は、前記ポリマーよりも屈折率が低いことを特徴とする請求項9記載の輝度向上シートの製造方法。
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