<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[画像形成装置の全体構成]
以下に、本実施の形態に係る画像形成装置10又は本実施の形態に係るユニット(以下、画像形成ユニットと記載する)が適用される画像形成装置10について説明する。図1は本実施の形態に係る画像形成装置10の斜視図を、図1は本実施の形態に係る画像形成装置10において画像形成装置10の上部を開いた状態の斜視図を、図3は本実施の形態に係る画像形成装置10の正面図を、それぞれ示している。なお、以下において、定着ユニット及び現像ユニットは、画像形成装置に着脱自在な画像形成ユニットの一例である。
この画像形成装置10は、画像読取装置12と画像形成部14とを分離して、画像形成装置10の上部に画像読取装置12を配置して、画像読取装置12と画像形成部14との間の画像形成装置10の筺体内の空間に記録紙を排出する排出トレイTを形成している、いわゆる胴内排紙型の画像形成装置である。この画像形成装置10は、原稿自動搬送装置11と、画像読取装置12と、操作パネルPAと、排出トレイTと、手差しトレイ13(図1は閉じられた状態)と、画像形成部14とを含む。
この画像形成装置10は、図2に示すように、画像形成装置10の上部(原稿自動搬送装置11と画像読取装置12と操作パネルPAと排出トレイTとであって、これらをまとめて排出トレイTと記載する場合がある)が、画像形成装置10の奥側の回動中心軸23を中心にして開く。例えば、図2に示すように、画像形成装置10の上部を斜めに開いて、定着ユニットを交換したり、現像ユニットを交換したり、詰まった記録紙を取り出したりする(画像形成装置10の上部を斜めに開く理由はこれらに限定されない)。この画像形成装置10は、図1に示すように画像形成装置10の上部が閉じている状態(閉状態)、図2に示すように画像形成装置10の上部が開いている状態(全開状態)のいずれか一方の位置で固定されるように構成されていてもよいし、閉状態と全開状態との間の任意の開状態の位置で保持されるように構成されていてもよい。このような画像形成装置10の上部の開閉を補助するためのアーム(開閉補助レバー、ダンパー)300、画像形成装置10の上部を閉状態から開状態にするときの負荷を軽減するための引張ばね306等がこの画像形成装置10に設けられている。
この画像形成装置10の最も特徴的な部分は、画像形成装置10の上部が開状態の位置で、この画像形成装置10に着脱自在に構成された、定着ユニット及び現像ユニット等の画像形成ユニットを交換する。そのときに、これらの画像形成ユニットの位置をロックする機構を用いて、これらの画像形成ユニットで発生する振動を画像読取装置12に伝達されることを抑制する点である。この点についての詳細な説明は後述する。
原稿自動搬送装置11は開閉可能で、画像読取装置12の原稿載置台であるガラス板上に配置される原稿を覆うカバーを兼ねている。操作パネルPAには、複写画像形成やファクシミリ送信等の指示を行なうスタートキーSW、画像形成枚数等を設定するテンキー等のキー群K等のほか、液晶表示部Dも搭載されている。液晶表示部Dは、ユーザによるキー操作を反映表示したり、ユーザへの指示メニューを表示したり、画像形成を行なう画像形成部14(詳しくは後述する)等からの情報を表示したりする。
画像読取装置12は、原稿台ガラス上に静止配置される原稿の画像を光学的に読み取ることができるほか、原稿自動搬送装置11にてその原稿載置トレイ11Aから搬送され、原稿排出トレイ11Bへ排出され、その途中で画像読取装置12の原稿流し撮り用ガラス板に沿って移動する原稿の画像を光学的に読み取ることもできる。
画像読取装置12で読み取られた画像のデータは画像形成を行なう画像形成部へ送られ、そこでの画像形成に供されるか、或いはファクシミリ送信に供される。図示省略のコンピュータ等から送信されてくる画像データは、画像形成部14へ送られ、そこでの画像形成に供される。
画像形成部14は、電子写真方式により記録紙上にトナー像を形成するものである。なお、以下の説明では記録媒体は記録紙として、図1、図2及び図3に示す本実施の形態に係る画像形成装置はフルカラー複写が可能な複合機として説明する。図1、図2及び図3に示す画像形成装置は、記録紙の両面に画像を形成することが可能であっても構わない。本発明は、これ以外にもタンデム型のフルカラー画像形成装置であっても、モノクロ画像形成装置であっても、図1又は図3に示すように画像読取装置の下方に画像形成部が配置され(画像形成部の振動が画像読取装置に伝達する可能性がある配置)、図2に示すように画像形成装置10の上部を回動させて、画像形成部の各種の画像形成ユニット(画像形成装置10に着脱自在に構成されたユニット)を交換する画像形成装置であればよい。
図4は、本実施の形態に係る画像形成装置10の内部の構成を示している。図4の画像形成装置10は、所謂4サイクル型のカラー画像形成装置である。この図4を用いて記録紙に画像を形成する機構(画像形成部14)について説明する。
画像形成装置10は、ドラム型感光体1(以下感光体1)を備えており、その周囲に帯電器2、現像装置4、中間転写ベルト6及びクリーニング装置5がこの順序で配置されている。帯電器2と現像装置4の間から感光体1へ画像露光を行なう画像露光装置3が設けられており、その下方に、手差しトレイ13にセットされた記録紙を画像形成部14に供給する記録紙供給部9が設けられている。なお、記録紙は、手差しトレイ13にセットされて記録紙供給部9を経て画像形成部14へ供給されるものに限定されず、画像形成装置10に設けられる給紙ユニットから画像形成部14へ供給されるものであっても構わない。
感光体1は感光体駆動モータ(図示省略)により図中時計方向に回転駆動される。帯電器2には出力可変の帯電用電源(図示省略)から所定のタイミングで感光体帯電電圧が印加される。
現像装置4は現像器ラック40にブラック現像器4K、シアン現像器4C、マゼンタ現像器4M及びイエロー現像器4Yを搭載したものである。現像器ラック40はステッピングモータを含む図示省略の駆動部により図中反時計方向まわりに回転駆動可能である。現像器は90度の等中心角度間隔で、ラック回転方向に、イエロー現像器4Y、マゼンタ現像器4M、シアン現像器4C、ブラック現像器4Kの順序で現像器ラック40に搭載されている。
ブラック現像器4KにはブラックトナーカートリッジKCが、シアン現像器4CにはシアントナーカートリッジCCが、マゼンタ現像器4MにはマゼンタトナーカートリッジMCが、イエロー現像器4YにはイエロートナーカートリッジYCがそれぞれ交換可能に搭載されている。各現像器には感光体1上の静電潜像を現像するための現像ローラ(トナー担持体ローラ)41が搭載されている。各現像ローラ41は、例えば表層部が弾性を有するものである。なお、このようなトナーカートリッジ自体を現像ユニットとして形成してもよいし、感光体1とこの感光体1に作用する帯電器等とを感光体1の周囲に一体的にまとめてカートリッジ化したものを現像ユニットとして形成してもよい。いずれも、この画像形成装置10に着脱自在な画像形成ユニットの一例である。
各現像器は、現像ローラ41のほか、現像ローラ41ヘトナーを供給するトナー供給ローラ、トナー供給ローラから供給されるトナーの現像ローラ41上での層厚を規制するトナー規制ブレード等も含んでいる。各現像器は負帯電性トナーを用いて感光体1上の静電潜像を反転現像できる。
各現像器は現像器ラック40を回動させることで感光体1上の静電潜像を現像ローラ41で現像する現像位置に配置することができる。現像位置に配置された現像ローラ41は感光体1表面に臨み、出力可変の現像バイアス電源(図示省略)から現像バイアス印加が可能となる。また、現像位置に配置された現像ローラ41は現像ローラ駆動モータ(図示省略)により図中反時計方向に回転駆動可能となる。さらに、図示省略の電源から、トナー供給ローラヘトナー供給バイアスを印加できるようになり、トナー規制ブレードに規制バイアスを印加できるようになる。
中間転写ベルト6は駆動ローラ61、これに対向する従動対向ローラ62、感光体1に対向配置された1次転写ローラ63、1次転写ローラ63と共同して中間転写ベルト6を感光体1に当接させるローラ64からなるローラ群に巻き掛けられている。
1次転写ローラ63には図示省略の1次転写電源から1次転写電圧を印加できる。駆動ローラ61を図示省略の転写ベルト駆動モータにより図中反時計方向まわりに回転駆動することで中間転写ベルト6を反時計方向回りに回転させることができる。
中間転写ベルト6の駆動ローラ61に巻き掛けられた部分に対して2次転写ローラ7が配置されている。2次転写ローラ7は所定のタイミングで中間転写ベルト6に対し接離される。2次転写ローラ7には図示省略の2次転写電源から2次転写電圧を印加できる。
中間転写ベルト6の従動対向ローラ62に巻き掛けられた部分に対して2次転写残トナー等を除去清掃するクリーニング装置65が配置されている。このクリーニング装置65には、例えば中間転写ベルト6の2次転写残トナー等を除去するクリーニングブレードが設けられている。
2次転写ローラ7の上方には定着装置8が、さらにその下流側には記録紙排出ローラ対R2及び排出トレイTが順次設けられている。定着装置8は、記録紙上の未定着トナー像が接する側の加熱ローラ81と、その加熱ローラ81との間に記録紙を挟んで搬送する加圧ローラ82とを備える。なお、この定着装置8は、その詳細については後述するが、この画像形成装置10に着脱自在にカートリッジ化された画像形成ユニットの一例である定着ユニットである。
2次転写ローラ7の下方には記録紙供給部9から供給された記録紙を所定のタイミングで2次転写ローラ7へ搬送する記録紙供給ローラ対R1が配置されている。
以上説明した画像形成装置10によると、図1〜図4では図示省略の制御部の指示のもとに4K、4C、4M及び4Yの現像器のうち1又は2以上を用いて記録紙上にトナー像を形成することができる。4つの現像器を用いてフルカラー画像を形成する例を以下に説明する。
先ず、図示省略のラック駆動部により現像器ラック40を回動させてイエロー現像器4Yをその現像ローラ41が感光体1に当接する現像位置に配置するとともに、感光体1を図中時計方向に回転させ、中間転写ベルト6も回転させる。この段階では2次転写ローラ7は中間転写ベルト6から離隔させておく。
回転する感光体1の表面を帯電用電源から帯電用電圧が印加された帯電器2で一様に所定電位に帯電させ、その帯電域に画像露光装置3からイエロー静電潜像を形成し、潜像をイエロー現像器4Yで現像してイエロートナー像を形成する。このイエロートナー像を1次転写電圧が印加された1次転写ローラ63により中間転写ベルト6上に1次転写する。
さらに、イエロートナー像の形成の場合と同様にして、マゼンタ現像器4Mを現像位置に配置して感光体1上にマゼンタトナー像を形成し、これを中間転写ベルト6上に転写し、次いでシアン現像器4Cを現像位置に配置して感光体1上にシアントナー像を形成し、これを中間転写ベルト6上に転写し、次いでブラック現像器4Kを現像位置に配置して感光体1上にブラックトナー像を形成し、これを中間転写ベルト6上に転写する。各色トナー像の感光体1への形成及び中間転写ベルト6への1次転写はこれらトナー像が重ねて中間転写ベルト6上に転写されるタイミングで行なう。
一方、記録紙を記録紙供給部9から記録紙供給ローラ対R1により引き出して供給し、記録紙先端が記録紙供給ローラ対R1の出口側にある図示省略のタイミングセンサに検出されると、記録紙供給ローラ対R1を停止させ、記録紙をそこで待機させておく。
そして、中間転写ベルト6上の多重トナー像が中間転写ベルト6の回転により2次転写ローラ7へ到達するに先立って2次転写ローラ7を中間転写ベルト6へ接触させ、多重トナー像が2次転写領域に到達するタイミングで記録紙を記録紙供給ローラ対R1で2次転写領域へ送り込む。
かくして記録紙に多重トナー像が2次転写される。多重トナー像が転写された記録紙は定着装置8でそのトナー像が定着され、記録紙排出ローラ対R2にて排出トレイTに排出される。かくしてフルカラー画像が形成された記録紙を得ることができる。
感光体1上の1次転写残トナー等はクリーニング装置5により除去清掃され、中間転写ベルト6上の2次転写残トナー等はクリーニング装置65により除去清掃される。
本実施の形態に係る画像形成装置10は、画像形成装置10の上部が開状態で、この画像形成装置10に着脱自在に構成された定着ユニット及び現像ユニット等の画像形成ユニットを交換するときに用いられるロックする機構を用いて、これらの画像形成ユニットで発生する振動を画像読取装置12に伝達されることを抑制する振動伝達抑制機構を備える。または、このような振動伝達抑制機構を、画像形成ユニット側に備える。この振動伝達抑制機構について、画像形成ユニットを定着ユニットとして詳しく説明する。なお、着脱自在に構成されるユニットは、定着ユニットに限定されない。上述した現像ユニットでも構わないし、感光体ユニット、トナーカートリッジ等であっても構わない。振動伝達抑制機構の説明にあたり、まず、この画像形成装置10に着脱自在に構成される定着ユニットについて説明する。
[定着ユニットの構成]
図5に、この画像形成装置10に定着ユニット100が装着される場合の斜視図を、図6に、その定着ユニット100の斜視図を、それぞれ示す。
図5に示すように、画像形成装置10の上部を矢示X(1)方向に開いて、定着ユニット100を矢示Y方向に移動させて、所定の位置に装着する。この所定の位置とは、図6に示すように、画像形成部14のフレーム10Bに設けられた位置決め溝10B2に、定着ロック機構104の定着ロック小判軸130が挿入される位置である。このとき、定着ロック機構104は、非ロック状態であって、ロック機構が図6に示す状態であって矢示Z(1)方向に定着ロック回動部120が位置している。
図6に示すように、この定着ユニット100は、定着ユニット本体102と、定着ロック機構104とを含んで構成されている。定着ロック機構104は、定着ロック取手部110と、定着ロック回動部120と、定着ロック小判軸130とを含む。この定着ロック機構104は、定着ロック小判軸130の回転軸を中心として定着ロック回動部120が、矢示Z(1)方向及び矢示Z(2)方向に回動する。この定着ロック機構104は、定着ロック回動部120の位置が矢示Z(1)方向であるときに非ロック状態、定着ロック回動部120の位置が矢示Z(2)方向であるときにロック状態である。定着ロック機構104が非ロック状態であるときに、定着ロック小判軸130は、図6に示すように円弧部が上下に位置し直線部が左右に位置して、最も細い径(位置決め溝10B2の幅に対応する径)になる。定着ロック機構104がロック状態であるときに、定着ロック小判軸130は円弧部が回転するとともに、定着ロック取手部110が水平になる。
画像形成部14のフレーム10Bに設けられた位置決め溝10B2には、定着ユニット100の定着ロック小判軸130への挿入を容易にするために、位置決め溝10B2の開放側に切欠部10B1が設けられている。また、位置決め溝10B2の下端には、定着ロック小判軸130の円弧部の径に合致させた径を有する係合部10B3を備える。なお、係合部10B3までの位置決め溝10B2の長さは、定着ロック回動部120の長さに合致するように設けられている。
このような定着ユニットを装着する動作について説明する。画像形成装置10の上部を矢示X(1)方向に回動させて、画像形成部14の上方を開放させる。定着ユニット100の定着ロック機構104を非ロック状態として、定着ユニット100をフレーム10Bに接近させて、定着ロック小判軸130を切欠部10B1に案内されて位置決め溝10B2に挿入して、定着ロック小判軸130が係合部10B3に当接するまで下降させる。定着ロック小判軸130が係合部10B3に当接すると、定着ロック取手部110を水平な状態になるまで手前に倒すように、定着ロック回動部120を矢示Z(2)方向に回動する。これにより、定着ユニット100が画像形成装置10の所定の位置に装着されるとともに、その位置からずれないようにロック状態にされることになる。その後、画像形成装置10の上部を矢示X(2)方向に回動させて、定着ユニット100の装着動作が完了する。
なお、定着ロック取手部110を水平な状態になるまで手前に倒す場合には、人手により定着ロック取手部110を操作する以外に、画像形成装置10の上部を矢示X(2)方向に人手により回動させて画像形成装置10の上部に設けられた定着ロック取手部110に当接する部材が定着ロック回動部120を矢示Z(2)方向に回動させるようにすることもできる。
このような定着ユニットを取り出す動作について説明する。画像形成装置10の上部を矢示X(1)方向に回動させて、画像形成部14の上方を開放させる。定着ロック取手部110を水平な状態から引き起こすように、定着ロック回動部120を矢示Z(1)方向に回動する。これにより、定着ユニット100の定着ロック機構104が非ロック状態にされることになる。定着ロック小判軸130が位置決め位置決め溝10B2に沿わせた状態で、定着ユニット100を上方に抜き出してフレーム10Bから離隔させて、定着ユニット100を画像形成装置10から取り出す。その後、画像形成装置10の上部を矢示X(2)方向に回動させて、定着ユニット100の取り出し動作が完了する。
[振動伝達抑制機構の構成]
本実施の形態に係る画像形成装置10は、このようにして画像形成装置10に着脱される定着ユニット100から画像読取装置12への振動が伝達されることを抑制する振動伝達抑制機構を備える。
図7(A)及び図7(B)は、本実施の形態に係る画像形成装置10の定着ユニット100の装着動作を示す模式的な側面図である。図7(A)は、画像形成装置の上部10Aが回動している状態、図7(B)が回動していない通常の状態を示している。なお、以下に示す側面図は模式的なものであって、振動伝達抑制機構の構成及び動作の理解のために、隠れ線であっても実線で示している場合及び構成の一部を簡略化して上述した図と相違する場合(例えば、画像形成装置10の上部と下部との連結機構)がある。
図7(A)及び図7(B)に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置10は、画像形成装置10の上部10Aを矢示X(2)方向に回動させたときに、定着ロック取手部110に当接するばね部材150を備える。なお、この画像形成装置10の上部10Aと下部(画像形成部14)とは、リンク10Cで連結されている。このリンク10Cは、図2及び図5に示した回動中心軸23に対応するものである。
このばね部材150の一例として、圧縮コイルばねがある。このばね部材150は、その弾性力により、図7(B)に示す非回動状態の場合に定着ロック取手部110に当接して、定着ユニット100で発生する振動を吸収して、画像形成装置の上部10Aに形成された画像読取装置12に伝達されることを抑制する程度のばね定数及び体格(大きさ、長さ)を備える。
図7(A)に示す状態で、画像形成装置10の所定の位置に定着ユニット100が装着されて、画像形成装置の上部10Aが矢示X(2)方向に回動すると図7(B)に示すように、定着ロック取手部110にばね部材150が当接して、ばね部材150が自由長から圧縮される。画像形成部14に装着された定着ユニット100から振動が発生しても、その振動をこのばね部材150の弾性力により吸収して、画像読取装置12へ伝達されることを抑制することができる。
以上のようにして、定着ユニットが作動中の画像形成中に、画像読取装置が作動しても、定着ユニットからの振動が画像読取装置に伝達されることを抑制できるので、画像を正確に読み取ることができる。また、従来のように定着ユニットを画像形成部にねじ等で固着して画像読取装置への振動の伝達を抑制するよりも簡易に振動の伝達を抑制することができる。なお、ばね部材150は他の弾性部材(ゴム等)であっても構わない。
[第1の実施の形態:第1の変形例]
以下、本実施の形態の第1の変形例について説明する。上述した第1の実施の形態においては画像形成装置10側に設けられた弾性部材(ばね部材150)が定着ロック取手部110に当接していたが、本変形例においては、定着ユニット100に設けられた弾性部材で定着ユニット100からの振動が画像読取装置に伝達されることを抑制する。
図8(A)及び図8(B)は、本変形例に係る画像形成装置10の定着ユニット100の装着動作を示す模式的な側面図である。図8(A)は、画像形成装置の上部10Aが回動している状態、図8(B)が回動していない通常の状態を示している。なお、上述した第1の実施の形態と同じ構成については同じ符号を付してあるので、それらについてのここでの説明は繰り返さない。
図8(A)及び図8(B)に示すように、画像形成装置10に適用される本変形例に係る定着ユニット100は、定着ロック取手部110の上面側(画像形成装置10の上部10A側)に弾性部材としてのゴム部材160を備える。なお、このゴム部材160は、発泡性のスポンジ部材等であっても構わない。
このゴム部材160は、図8(B)に示す非回動状態の場合に定着ロック取手部110と画像形成装置の上部10Aとの間で狭持されて、その弾性力により、定着ユニット100で発生する振動を吸収して、画像形成装置の上部10Aに形成された画像読取装置12に伝達されることを抑制する程度の弾性力及び体格を備える。
図8(A)に示す状態で、画像形成装置10の所定の位置に定着ユニット100が装着されて、画像形成装置の上部10Aを矢示X(2)方向に回動すると図8(B)に示すように、定着ロック取手部110に設けられたゴム部材160が画像形成装置の上部10Aに当接して、ゴム部材160が圧縮される。このとき、定着ユニット100は、定着ロック取手部110及び定着ロック取手部110に設けられたゴム部材160を介して画像形成装置の上部10Aに当接している。画像形成部14に装着された定着ユニット100から振動が発生しても、その振動をこのゴム部材160の弾性力により吸収して、画像読取装置12へ伝達されることを抑制することができる。
以上のようにして、定着ユニットが作動中の画像形成中に、画像読取装置が作動しても、定着ユニットからの振動が画像読取装置に伝達されることを抑制できるので、画像を正確に読み取ることができる。なお、ゴム部材160は他の弾性部材(ばね等)であっても構わない。
[第1の実施の形態:第2の変形例]
以下、本実施の形態の第2の変形例について説明する。上述した第1の実施の形態の第1の変形例においては定着ユニット100の定着ロック取手部110の上面側に設けられたゴム部材160で定着ユニット100からの振動が画像読取装置に伝達されることを抑制していたが、本変形例においては、ゴム部材160に代えて弾性力を有する引き手部材を備える。この引き手部材により、定着ロック機構104を容易に操作できるようになる。
図9(A)〜図9(D)は、本変形例に係る画像形成装置10の定着ユニット100の着脱動作を示す模式的な側面図である。図9(A)は、定着ユニット100の定着ロック機構104がロックされていない状態、図9(B)は、画像形成装置の上部10Aが回動している状態で定着ロック機構104がロックされている状態、図9(C)は、画像形成装置の上部10Aが回動していない画像形成が可能な通常状態で定着ロック機構104がロックされている状態、図9(D)は、定着ユニット100を取り出す場合であって画像形成装置の上部10Aが回動している状態で定着ロック機構104がロックされている状態を示している。なお、上述した第1の実施の形態と同じ構成については同じ符号を付してあるので、それらについてのここでの説明は繰り返さない。
図9(A)〜図9(D)に示すように、画像形成装置10に適用される本変形例に係る定着ユニット100は、定着ロック取手部110の上面側(画像形成装置10の上部10A側)に弾性力を有する引き手部材170を備える。
この引き手部材170は、開放端が人手により把持しやすい形状を備えた引き手部172と、その引き手部172を上下動自在に保持する外枠174と、外枠174の内部に設けられ引き手部172の下端に当接するばね176とを含む。なお、引き手部172は、外枠174に挿入するために一部が細くなるような形状を備えるとともに、挿入された後に外枠174から抜け出さないような形状を備えている。
この引き手部材170は、図9(C)に示す非回動状態の場合に定着ロック取手部110と画像形成装置の上部10Aとの間で狭持されて、その外枠174に内蔵されたばね176の弾性力により、定着ユニット100で発生する振動を吸収して、画像形成装置の上部10Aに形成された画像読取装置12に伝達されることを抑制する程度の弾性力及び体格を備える。
図9(A)に示す状態で、画像形成装置10の所定の位置に定着ユニット100が装着されて、画像形成装置の上部10Aを矢示X(2)方向に回動すると図9(B)及び図9(C)に示すように、定着ロック取手部110に設けられた引き手部材170の引き手部172が画像形成装置の上部10Aに当接してばね176が圧縮される。このとき、定着ユニット100は、定着ロック取手部110及び定着ロック取手部110に設けられた引き手部材170の引き手部172及びばね176を介して画像形成装置の上部10Aに当接している。画像形成部14に装着された定着ユニット100から振動が発生しても、その振動をこのばね176の弾性力により吸収して、画像読取装置12へ伝達されることを抑制することができる。
本変形例において、画像形成装置10から定着ユニット100を取り出す場合には、画像形成装置の上部10Aを矢示X(1)方向に回動する。画像形成装置の上部10Aを矢示X(1)方向に回動すると、図9(D)に示すように、定着ロック取手部110に設けられた引き手部材170の引き手部172が、当接していた画像形成装置の上部10Aから離隔して、ばね176が伸長して、引き手部172が上方に伸びる。このため、上方に突出した引き手部172を用いて、定着ロック取手部110を水平な状態から容易に引き起こすことができる。
以上のようにして、定着ユニットが作動中の画像形成中に、画像読取装置が作動しても、定着ユニットからの振動が画像読取装置に伝達されることを抑制できるので、画像を正確に読み取ることができる。また、定着ユニットを画像形成装置から取り出す場合に、引き手部材の引き手部が上方に突出されるので、人手により定着ロック機構104を非ロック状態にすることが容易になる。なお、ばね172は他の弾性部材(ゴム等)であっても構わない。また、定着ロック取手部110と外枠174とを一体化しても構わない。
なお、上述した第1の実施の形態(変形例を含む)におけるばね部材、ゴム部材及び発泡性のスポンジ部材は、画像形成部14への振動を抑制できる弾性部材であれば特に限定されない。さらに、このような弾性部材は、(第2の変形例を除いて)画像形成装置10の本体側に設けられていても定着ユニット100側に設けられていても構わない。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1の実施の形態と同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。本実施の形態に係る画像形成装置は、その基本的な構成(画像読取装置、画像形成部)は、第1の実施の形態に係る画像形成装置10と同じである。そのため、図1〜図4を用いた説明はここでは繰り返さない。
本実施の形態は、定着ユニット100側に、振動の伝達を抑制する弾性部材を設けるとともに、第1の実施の形態の第3の変形例と同じく、画像形成装置10から定着ユニット100の取り出しを容易にすることができる振動伝達抑制機構を備える。なお、本実施の形態と第1の実施の形態の第2の変形例とでは、本実施の形態において定着ロック機構104の定着ロック取手部110を振動伝達抑制機構の構成の一部としている点が異なる。
図10(A)及び図10(B)は、本実施の形態に係る画像形成装置10の定着ユニット100の装着動作を示す模式的な側面図である。図10(A)は、画像形成装置の上部10Aが回動している状態、図10(B)が回動していない通常の状態を示している。
図10(A)及び図10(B)に示すように、画像形成装置10に適用される本実施の形態に係る定着ユニット100は、定着ロック取手部110の上方端部に回転軸202を設けて、当接面を備えた引き手部200を回転軸202に設けたものである。従って、引き手部200は回転軸202を中心にして回転自在である。さらに、定着ロック取手部110と引き手部200とを離隔させる方向に弾性力を作用させる、ねじりばね204を設けている。なお、このねじりばね204により、定着ロック取手部110と引き手部200とが離隔されるが、所定位置以上に引き手部200は反時計方向に回転しないように構成されている。例えば、図10(A)に示す位置よりも回転しないようにストッパーを備えている。
図10(B)に示す非回動状態の場合に、定着ロック取手部110と画像形成装置の上部10Aとの間で、定着ロック取手部110及び引き手部200が互いに接近するように回転される。このとき、ねじりばね204の弾性力に抗して、定着ロック取手部110及び引き手部200が互いに接近している。このねじりばね204は、その弾性力により、定着ユニット100で発生する振動を吸収して、画像形成装置の上部10Aに形成された画像読取装置12に伝達されることを抑制する程度の弾性力及び体格を備える。
図10(A)に示す状態で、画像形成装置10の所定の位置に定着ユニット100が装着されて、画像形成装置の上部10Aを矢示X(2)方向に回動すると図10(B)に示すように、画像形成装置の上部10Aが引き手部200に当接して、定着ロック取手部110に設けられた回転軸202が回転して、回転軸202に取付けられた引き手部200がねじりばね204の弾性力に抗して定着ロック取手部110に接近する。このとき、定着ユニット100は、定着ロック取手部110、ねじりばね204及び引き手部200を介して画像形成装置の上部10Aに当接している。画像形成部14に装着された定着ユニット100から振動が発生しても、その振動をこのねじりばね204の弾性力により吸収して、画像読取装置12へ伝達されることを抑制することができる。
さらに、図11(A)〜図11(D)を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10の定着ユニット100の着脱動作を説明する。これらの図11(A)〜図11(D)は、本実施の形態に係る画像形成装置10の定着ユニット100の着脱動作を示す模式的な側面図である。図11(A)は、定着ユニット100の定着ロック機構104がロックされていない状態、図11(B)は、画像形成装置の上部10Aが回動している状態で定着ロック機構104がロックされている状態、図11(C)は、画像形成装置の上部10Aが回動していない通常状態で定着ロック機構104がロックされている状態、図11(D)は、定着ユニット100を取り出す場合であって画像形成装置の上部10Aが回動している状態で定着ロック機構104がロックされている状態を示している。
図11(A)〜図11(D)に示し、上述したように、本実施の形態に係る定着ユニット100は、定着ロック取手部110に対して回転可能な引き手部200及びねじりばね204を備える。
これらの定着ロック取手部110及び引き手部200とは、図11(C)に示す非回動状態の場合に定着ユニット100と画像形成装置の上部10Aとの間で狭持される。そのとき、それらに設けられたねじりばね204の弾性力により、定着ユニット100で発生する振動を吸収して、画像形成装置の上部10Aに形成された画像読取装置12に伝達されることを抑制する。このため、このねじりばね204は、このような振動伝達を抑制できる程度の弾性力及び体格を備えるともに、図11(C)の状態から図11(D)の状態に移行できる弾性力を備える。
図11(A)に示す状態で、画像形成装置10の所定の位置に定着ユニット100が装着されて、画像形成装置の上部10Aを矢示X(2)方向に回動すると図11(B)及び図11(C)に示すように、定着ロック取手部110に設けられた回転軸202が回転して、定着ロック取手部110に回転自在に設けられた引き手部200がねじりばね204の弾性力に抗して画像形成装置の上部10Aに当接する。このとき、定着ユニット100は、定着ロック取手部110、引き手部200及びねじりばね204を介して画像形成装置の上部10Aに当接している。画像形成部14に装着された定着ユニット100から振動が発生しても、その振動をこのねじりばね204の弾性力により吸収して、画像読取装置12へ伝達されることを抑制することができる。
本実施の形態において、画像形成装置10から定着ユニット100を取り出す場合には、画像形成装置の上部10Aを矢示X(1)方向に回動する。画像形成装置の上部10Aを矢示X(1)方向に回動すると、図11(D)に示すように、定着ロック取手部110に回転自在に設けられた引き手部200が当接していた画像形成装置の上部10Aから離隔して、ねじりばね204により引き手部200が上方に起き上がる。このため、上方に突出した引き手部200を用いて、定着ロック取手部110を水平な状態から容易に引き起こすことができる。
以上のようにして、定着ユニットが作動中の画像形成中に、画像読取装置が作動しても、定着ユニットからの振動が画像読取装置に伝達されることを抑制できるので、画像を正確に読み取ることができる。また、定着ユニットを画像形成装置から取り出す場合に、定着ロック機構104の引き手部が、ねじりばねの弾性力により上方に突出されるので、人手により定着ロック機構104を非ロック状態にすることが容易になる。
[第2の実施の形態:第1の変形例]
以下、本実施の形態の第1の変形例について説明する。上述した第2の実施の形態においては定着ロック取手部110に回転自在に引き手部200をねじりばね204とともに設けたが、本変形例においては、ねじりばね204に代えて、ゴム等の弾性部材を用いる。
図12(A)〜図12(D)は、図11(A)〜図11(D)にそれぞれ対応する、本変形例に係る画像形成装置10の定着ユニット100の着脱動作を示す模式的な側面図である。
図12(A)〜図12(D)に示すように、画像形成装置10に適用される本変形例に係る定着ユニット100は、ねじりばね204に代えて弾性部材としてのゴム部材210を備える。なお、このゴム部材210は、発泡性のスポンジ部材であっても構わない。
このゴム部材210は、上述した第2の実施の形態におけるねじりばね204と同様の作用を発現するように構成される。このため、本変形例においても、上述した第2の実施の形態と同様に、定着ユニットが作動中の画像形成中に、画像読取装置が作動しても、定着ユニットからの振動が画像読取装置に伝達されることを抑制できるので、画像を正確に読み取ることができ、定着ユニットを画像形成装置から取り出す場合に、定着ロック機構104の引き手部が、ゴム部材の弾性力により上方に突出されるので、人手により定着ロック機構104を非ロック状態にすることが容易になる。
[第2の実施の形態:第2の変形例]
以下、本実施の形態の第2の変形例について説明する。上述した第2の実施の形態の第1の変形例及び第2の変形例においては、定着ユニット100の定着ロック取手部110に回動中心軸23側に斜めに突出する引き手部200を備えていたが(図11(D)及び図12(D))、本変形例においては、定着ロック機構104のロックをより解除しやすくする引き手部を備える。すなわち、画像形成装置の上部10Aが回動している状態は、回動中心軸23を回動中心であるため、回動中心軸23側にスペースが少なく回動中心軸23の反対側にスペースが多くなる。このため、回動中心軸23の反対側に斜めに突出する引き手部を備えるようにする。
図13(A)〜図13(D)は、図11(A)〜図11(D)にそれぞれ対応する、本変形例に係る画像形成装置10の定着ユニット100の着脱動作を示す模式的な側面図である。
図13(A)〜図13(D)に示すように、画像形成装置10に適用される本変形例に係る定着ユニット100は、定着ロック取手部110の上面側(画像形成装置10の上部10A側)の中央近傍に回転軸222を設けて、当接面を備えた引き手部220を回転軸222に設けたものである。従って、引き手部220は回転軸222を中心にして回転自在である。さらに、定着ロック取手部110と引き手部220とを離隔させる方向に弾性力を作用させる、ねじりばね224を設けている。なお、このねじりばね224により、定着ロック取手部110と引き手部220とが離隔されるが、所定位置以上に引き手部220は時計方向に回転しないように構成されている。例えば、図13(A)、図13(B)及び図13(D)に示す位置よりも回転しないようにストッパーを備えている。
図13(C)に示す非回動状態の場合に、定着ロック取手部110と画像形成装置の上部10Aとの間で、定着ロック取手部110及び引き手部220が互いに接近するように回転される。このとき、ねじりばね224の弾性力に抗して、定着ロック取手部110及び引き手部220が互いに接近している。このねじりばね224は、その弾性力により、定着ユニット100で発生する振動を吸収して、画像形成装置の上部10Aに形成された画像読取装置12に伝達されることを抑制する程度の弾性力及び体格を備える。
図13(A)に示す状態で、画像形成装置10の所定の位置に定着ユニット100が装着されて、画像形成装置の上部10Aを矢示X(2)方向に回動すると図13(B)及び図13(C)に示すように、定着ロック取手部110に設けられた回転軸222が回転して、回転軸222に取付けられた引き手部220がねじりばね224の弾性力に抗して定着ロック取手部110に接近する。このとき、定着ユニット100は、定着ロック取手部110、ねじりばね224及び引き手部220を介して画像形成装置の上部10Aに当接している。画像形成部14に装着された定着ユニット100から振動が発生しても、その振動をこのねじりばね224の弾性力により吸収して、画像読取装置12へ伝達されることを抑制することができる。
さらに、図13(A)〜図13(D)を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10の定着ユニット100の着脱動作を説明する。上述したように、画像形成装置10に適用される本実施の形態に係る定着ユニット100は、定着ロック取手部110に対して回転可能な引き手部220及びねじりばね224を備える。
これらの定着ロック取手部110及び引き手部220とは、図13(C)に示す非回動状態の場合に定着ユニット100と画像形成装置の上部10Aとの間で狭持される。そのとき、それらに設けられたねじりばね224の弾性力により、定着ユニット100で発生する振動を吸収して、画像形成装置の上部10Aに形成された画像読取装置12に伝達されることを抑制する。このため、このねじりばね224は、このような振動伝達を抑制できる程度の弾性力及び体格を備えるともに、図13(C)の状態から図13(D)の状態に移行できる弾性力を備える。
図13(A)に示す状態で、画像形成装置10の所定の位置に定着ユニット100が装着されて、画像形成装置の上部10Aを矢示X(2)方向に回動すると図13(B)及び図13(C)に示すように、定着ロック取手部110に回転自在に設けられた引き手部220がねじりばね224の弾性力に抗して画像形成装置の上部10Aに当接する。このとき、定着ユニット100は、定着ロック取手部110、引き手部220及びねじりばね224を介して画像形成装置の上部10Aに当接している。画像形成部14に装着された定着ユニット100から振動が発生しても、その振動をこのねじりばね224の弾性力により吸収して、画像読取装置12へ伝達されることを抑制することができる。
本実施の形態において、画像形成装置10から定着ユニット100を取り出す場合には、画像形成装置の上部10Aを矢示X(1)方向に回動する。画像形成装置の上部10Aを矢示X(1)方向に回動すると、図13(D)に示すように、定着ロック取手部110に回転自在に設けられた引き手部220が当接していた画像形成装置の上部10Aから離隔して、ねじりばね224により引き手部220が上方に起き上がる。このため、上方に突出した引き手部220を用いて、定着ロック取手部110を水平な状態から容易に引き起こすことができる。特に、図13(D)に示すように、引き手部220が、回動中心軸23とは反対側の大きなスペースがある領域に向けて起き上がるので、スペースの大きな方に突出した引き手部220を用いて、定着ロック取手部110を水平な状態から容易に引き起こすことができる。
以上のようにして、定着ユニットが作動中の画像形成中に、画像読取装置が作動しても、定着ユニットからの振動が画像読取装置に伝達されることを抑制できるので、画像を正確に読み取ることができる。また、定着ユニットを画像形成装置から取り出す場合に、定着ロック機構104の引き手部が上方に突出されるので、人手により定着ロック機構104を非ロック状態にすることがより容易になる。なお、ねじりばね224は他の弾性部材(ゴム等)であっても構わない。
[第2の実施の形態:第3の変形例]
以下、本実施の形態の第3の変形例について説明する。上述した第2の実施の形態の第2の変形例においては定着ユニット100に設けられた弾性部材であるねじりばね224により定着ユニット100からの振動が画像読取装置に伝達されることを抑制していたが、本変形例においては画像形成装置10側に設けられた弾性部材により定着ユニット100からの振動が画像読取装置に伝達されることを抑制する。
図14(A)〜図14(D)は、図13(A)〜図13(D)にそれぞれ対応する、本変形例に係る画像形成装置10の定着ユニット100の着脱動作を示す模式的な側面図である。
図14(A)〜図14(D)に示すように、本変形例に係る画像形成装置10は、ねじりばね224に代えて画像形成装置10側(画像形成部14側)に設けられた圧縮ばね234を備える。この圧縮ばね234は、図14(B)〜図14(D)に示すように引き手部230の下面に当接するように画像形成装置10側(画像形成部14側)に設けられている。なお、圧縮ばね234は、ゴム部材や、発泡性のスポンジ部材であっても構わない。
この圧縮ばね234は、上述した第2の実施の形態の第2の変形例におけるねじりばね224と同様の作用を発現するように構成される。このため、本変形例においても、上述した第2の実施の形態の第2の変形例と同様に、定着ユニットが作動中の画像形成中に、画像読取装置が作動しても、定着ユニットからの振動が画像読取装置に伝達されることを抑制できるので、画像を正確に読み取ることができ、定着ユニットを画像形成装置から取り出す場合に、定着ロック機構104の引き手部が上方に突出されるので、人手により定着ロック機構104を非ロック状態にすることがより容易になる。
なお、圧縮ばね234を画像形成装置10側(画像形成部14側)に設けるのではなく、引き手部230の下面に設けるようにすることも可能である。
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1の実施の形態と同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。本実施の形態に係る画像形成装置は、その基本的な構成(画像読取装置、画像形成部)は、第1の実施の形態に係る画像形成装置10と同じである。そのため、図1〜図4を用いた説明はここでは繰り返さない。
本実施の形態に係る画像形成装置10は、図2を用いて説明したように、画像形成装置10の上部の開閉を補助するためのアーム300、画像形成装置10の上部を閉状態から開状態にするときの負荷を軽減するための引張ばね306等を備える。これらを利用して、第1の実施の形態における定着ユニット100から画像読取装置12へ振動が伝達されることを抑制する。定着ユニット100側の定着ロック機構104の構成は、図6及び図7に示すものと同じであって、定着ロック機構104自体には弾性部材を備えない。
図15を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10が備える、画像形成装置の上部10Aを回動するための機構について説明する。図15に示すように、上述したアーム300、引張ばね306に加えて、画像形成装置10の上部を開状態から緩やかに閉状態にするための圧縮ばね302及び板ばね304をさらに備える。
回動中心軸23を回動中心として、画像形成装置10の上部を閉状態から開状態にすると、アーム300は、回動中心軸23に平行なアーム回動中心軸300Aを中心にアームガイド300Bに沿って回動する。アーム300においては、アーム回動中心軸300Aの反対側と画像形成装置10(リンク10C)との間に設けられた引張ばね306と、アーム回動中心軸300Aの反対側に設けられ閉状態において引張ばね306と反対に作用する圧縮ばね302及び板ばね304とを備える。本実施の形態に係る画像形成装置10は、アーム300の回動中心であるアーム回動中心軸300Aを画像形成部14側(画像形成装置の下部側)に設けられている。
画像形成装置10の上部を閉状態から開状態にするときには、画像形成装置の上部10Aが回動中心軸23を中心として矢示X(1)方向に回動して、アーム300がアーム回動中心軸300Aを中心にアームガイド300Bに沿って回動する。このとき、引張ばね306がアーム300のアーム回動中心軸300Aの反対側を引っ張るので、回動負荷が軽減される。一方、画像形成装置10の上部を開状態から閉状態にするときには、画像形成装置の上部10Aが回動中心軸23を中心として矢示X(2)方向に回動して、アーム300がアーム回動中心軸300Aを中心にアームガイド300Bに沿って回動する。このとき、最初に板ばね304が作用して、次いで圧縮ばね302が作用して、画像形成装置の上部10Aが回動中心軸23を中心として矢示X(2)方向に緩やかに回動する。
画像形成装置の上部10Aが閉状態になると、画像形成部14側に設けられたアーム回動中心軸300Aにより支持されるアーム300の先端(アーム回動中心軸300Aの逆側の端部)には、圧縮ばね302及び板ばね304が当接しており、圧縮ばね302及び板ばね304が画像形成装置の上部10Aに設けられているので、アーム300は、直接的に画像形成装置の上部10Aに当接しているものではない。さらに、アーム300は、リンク10Cとの間において、引張ばね306が設けられている。
本実施の形態に係る画像形成装置10においては、このようなアーム300と、圧縮ばね302、板ばね304及び引張ばね306の弾性力とを用いて、定着ユニット100から発生する振動が画像読取装置12へ伝達されることを抑制する。
図16(A)及び図16(B)は、本実施の形態に係る画像形成装置10の定着ユニット100の装着動作を示す模式的な側面図である。図16(A)は、画像形成装置の上部10Aが回動している状態、図16(B)が回動していない通常の状態を示している。図16(B)に示すように、定着ロック取手部110とアーム300との当接位置は、アーム300におけるアーム回動中心軸300A側の位置である。このようにすると、梃子の原理により、アーム300を用いて、定着ロック取手部110が水平な状態になるまで手前に倒して定着ロック回動部120を図6の矢示Z(2)方向に回動させやすくなる点で好ましい。
図16(A)に示す状態で、画像形成装置10の所定の位置に定着ユニット100が装着されて、画像形成装置の上部10Aが矢示X(2)方向に回動すると図16(B)に示すように、定着ロック取手部110にアーム300が当接する。このとき、定着ロック取手部110が当接するアーム300の先端(アーム回動中心軸300Aと反対側)は、圧縮ばね302及び板ばね304が当接している。さらに、アーム300は、リンク10Cとの間において、引張ばね306が設けられている。このように、アーム300は、3つの弾性部材(圧縮ばね302、板ばね304、引張ばね306)により支持されている。このため、画像形成部14に装着された定着ユニット100から振動が発生して、定着ロック取手部110及びアーム300に振動が伝達されても、その振動をこれらの弾性部材(圧縮ばね302、板ばね304、引張ばね306)の弾性力により吸収して、画像読取装置12へ伝達されることを抑制することができる。
以上のようにして、定着ユニットが作動中の画像形成中に、画像読取装置が作動しても、定着ユニットからの振動が画像読取装置に伝達されることを抑制できるので、画像を正確に読み取ることができる。特に、従来から画像形成装置が備える弾性部材(圧縮ばね302、板ばね304、引張ばね306)及び開閉補助部材であるアームを用いるので、コストアップにならない。なお、本実施の形態に係る画像形成装置10における開閉補助部材の構成によると、定着ユニット100を着脱するときのスペース(画像形成部14の上方スペースであって、回動中心軸23側のスペース)が大きくなる点で好ましい。
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1の実施の形態又は第3の実施の形態と同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。本実施の形態に係る画像形成装置20は、その基本的な構成(画像読取装置、画像形成部)は、第1の実施の形態に係る画像形成装置10と同じである。そのため、図1〜図4を用いた説明はここでは繰り返さない。
本実施の形態においても、上述した第3の実施の形態と同じく、従来から画像形成装置が備える弾性部材(圧縮ばね、板ばね、引張ばね)及び開閉補助部材であるアームを用いて、定着ユニット100から発生した振動が画像読取装置12へ伝達されることを抑制する点は同じである。本実施の形態に係る画像形成装置20と第3の実施の形態に係る画像形成装置10とでは、開閉補助部材の構成が異なる。
図17(A)及び図17(B)は、本実施の形態に係る画像形成装置20の定着ユニット100の装着動作を示す模式的な側面図であって、図16(A)及び図16(B)にそれぞれ対応する。図17(A)は、画像形成装置の上部20Aが回動している状態、図17(B)が回動していない通常の状態を示している。なお、アーム400はアーム300に、圧縮ばね402は圧縮ばね302、板ばね404は板ばね304に、引張ばね406は引張ばね306にそれぞれ対応する。
図17(A)及び図17(B)に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置20は、アーム400の回動中心であるアーム回動中心軸400Aを画像形成装置の上部20A側(画像読取装置12側)に設けている。画像形成装置20の上部を閉状態から開状態にするときには、画像形成装置の上部20Aが回動中心軸23を中心として矢示X(1)方向に回動して、アーム400がアーム回動中心軸400Aを中心に回動する。このとき、引張ばね406がアーム400のアーム回動中心軸400Aの反対側を引っ張るので、回動負荷が軽減される。一方、画像形成装置20の上部を開状態から閉状態にするときには、画像形成装置の上部20Aが回動中心軸23を中心として矢示X(2)方向に回動して、アーム400がアーム回動中心軸400Aを中心に回動する。このとき、最初に板ばね404が作用して、次いで圧縮ばね402が作用して、画像形成装置の上部20Aが回動中心軸23を中心として矢示X(2)方向に緩やかに回動する。
画像形成装置の上部20Aが閉状態になると、画像形成部14側に設けられたアーム回動中心軸400Aにより支持されるアーム400の先端(アーム回動中心軸400Aの逆側の端部)には、圧縮ばね402及び板ばね404が当接しており、圧縮ばね402及び板ばね404が画像形成部14に設けられているので、アーム400は、直接的に画像形成部14に当接しているものではない。さらに、アーム400は、画像形成部14との間において、引張ばね406が設けられている。
本実施の形態に係る画像形成装置20においては、このようなアーム400と、圧縮ばね402、板ばね404及び引張ばね406の弾性力とを用いて、定着ユニット100から発生する振動が画像読取装置12へ伝達されることを抑制する。
図17(A)に示す状態で、画像形成装置20の所定の位置に定着ユニット100が装着されて、画像形成装置の上部20Aが矢示X(2)方向に回動すると図17(B)に示すように、定着ロック取手部110にアーム400が当接する。このとき、定着ロック取手部110が当接するアーム400の先端(アーム回動中心軸400Aと反対側)は、圧縮ばね402及び板ばね404が当接している。さらに、アーム400は、画像形成部14との間において、引張ばね406が設けられている。このように、アーム400は、3つの弾性部材(圧縮ばね402、板ばね404、引張ばね406)により支持されている。このため、画像形成部14に装着された定着ユニット100から振動が発生して、定着ロック取手部110及びアーム400に振動が伝達されても、その振動をこれらの弾性部材(圧縮ばね402、板ばね404、引張ばね406)の弾性力により吸収して、画像読取装置12へ伝達されることを抑制することができる。
以上のようにして、定着ユニットが作動中の画像形成中に、画像読取装置が作動しても、定着ユニットからの振動が画像読取装置に伝達されることを抑制できるので、画像を正確に読み取ることができる。特に、従来から画像形成装置が備える弾性部材(圧縮ばね402、板ばね404、引張ばね406)及び開閉補助部材であるアームを用いるので、コストアップにならない。なお、本実施の形態に係る画像形成装置20においては、画像形成装置の上部20Aを開状態にした場合に、画像形成装置の上部20Aの重心近くをアーム400で支持するので安定性が高まる点で好ましい。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上述した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。